JP4039994B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに適用されるインクジェット記録媒体に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は印刷技術の向上により写真同等の画質が得られるようになってきている。画質向上のために印刷時のインク量が増大し、印刷速度も高速化されているため、インクを瞬時に吸収し、大量のインクを吸収確保できる性能がより高度に求められてきている。現在では、微粒子シリカやアルミナのような無機粒子を用いて記録媒体上に空隙を有する層を設け、その空隙によってインクを吸収させる空隙型が主流となっている。画質の向上のためこれら無機粒子はより微小なものが使用されるようになってきたが、微小になるほど表面積は劇的に増加し、該無機粒子の表面活性が高いために、耐光性や耐黄変性が著しく低下するという問題がある。そこでこれら無機粒子に変わって有機粒子を使用することが、提案されている。
特開2001−58461号公報や特開平8−216504号公報には特定のアクリル酸エステル系モノマーを共重合したカチオン性添加物が、無機粒子を配合せずに使用した場合、耐水性、耐光性に優れた記録媒体が得られることが開示されている。
しかし、これらのカチオン性添加物では、有機粒子が最密充填して十分な空隙が得られないため満足できるインク吸収性が得られないという問題があった。
このような最密充填を防止するために、特開平9−296067号公報、特開平9−296068号公報では感熱ゲル化剤により有機粒子を凝集させる方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では凝集の制御が難しく、均一な空隙層が設けられないため部分的に吸収性が変化したり、凝集体の粒子径が大きくなり発色濃度が低下するという問題があった。
一方、アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子については、特開平6−227114号公報にインクジェット記録用シートへの適用が開示されている。実施例には最低造膜温度が9℃であるアコスターC122(三井サイアナミッド社製)の使用のみが例示されており、該両性イオンラテックスは顔料の接着剤として使用されている。この技術では、支持体への接着性や記録シートの表面強度、耐水性が向上し、さらに通常接着剤として使用される水性エマルジョン型高分子ラテックスに比べてインクの吸収性が改善される。しかし、該両性イオンラテックスは接着剤として用いられる造膜性の高いエマルジョンであるため、顔料を併用しなければインクはまったく吸収せず、従って顔料の併用が必須となっている。またこの顔料の好ましい例としてインク吸収性の低下を補うため微粒シリカが開示されているが、これでは耐光性や耐黄変性の低下は防げない。
また、特公平7−45526号公報には、カチオン性単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、脂肪族共役ジエン系単量体、及びその他単量体をカチオン性乳化剤を用いて重合するカチオン性ラテックスの製造方法が開示されている。前記公報に記載の技術では、該ラテックスは脂肪族共役ジエン系単量体を必須としているが、該ラテックスをインクジェット記録媒体に適用した場合、脂肪族共役ジエン系単量体に由来する残存二重結合によりラテックスの耐光性が低下するため、印刷物の長期保存性に問題が生じる。
特開2001−58461号公報 特開平8−216504号公報 特開平9−296067号公報 特開平9−296068号公報 特開平6−227114号公報 特公平7−45526号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決するためにインク吸収性に優れ、且つ、発色濃度、耐水性、耐光性、耐黄変性に優れたインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意検討した結果、支持体上に高分子有機粒子を含むインク受容層を少なくとも1層設けたインクジェット記録媒体において、該高分子有機粒子として40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有し、かつカチオン性基とアニオン性基を有する両性の高分子有機粒子を使用することにより、優れたインク吸収性、発色濃度、耐水性、耐光性、耐黄変性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[4]に記載した事項により特定される。
[1] 支持体上に高分子有機粒子を含むインク受容層を少なくとも1層設けたインクジェット記録媒体であって、該高分子有機粒子が40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有し、かつカチオン性基とアニオン性基を有する両性の高分子有機粒子であるインクジェット記録媒体。
[2] 該高分子有機粒子が、不飽和二重結合を有する単量体の(共)重合体、或いは該(共)重合体を主成分とする高分子有機粒子である[1]記載のインクジェット記録媒体。
[3] 該高分子有機粒子が、脂肪族共役ジエン系単量体を含まない単量体を(共)重合して得られた高分子有機粒子である、[1]または[2]記載のインクジェット記録媒体。
[4] 該高分子有機粒子の重量平均粒子径が1〜1000nmである、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
本発明におけるインクジェット記録媒体は、支持体上に高分子有機粒子を含むインク受容層を少なくとも1層設けたインクジェット記録媒体であって、該高分子有機粒子のガラス転移温度が40℃以上であり、かつ該高分子有機粒子がカチオン性基とアニオン性基を有する両性の高分子有機粒子であるインクジェット記録媒体である。
該インクジェット記録媒体が優れたインク吸収性、発色濃度、耐水性を発現する理由は明らかでないが、以下のように推察している。
高分子有機粒子を支持体上に塗工すると、水が支持体へ浸透したり乾燥で水が飛散するので高分子有機粒子が高濃度となり、粒子間の凝集に至って、最終的には水がなくなる。この過程において、カチオン性粒子やアニオン性粒子を用いた場合は粒子間の凝集が起こりにくいため、ほぼ最密充填に至って水がなくなる。
これに対して、両性の高分子有機粒子は両イオン性を有するため凝集が起こりやすく、最密充填に至る前に粒子同士の凝集が起こり、空隙が増加する。また、本発明の、両性の高分子有機粒子のガラス転移温度は40℃以上であるため、乾燥の過程での粒子の溶解、融着が発生しにくく、生じた空隙はそのまま保持され、インク吸収性が優れたものになると考えられる。さらに、両性の高分子有機粒子はカチオン性基を有するため、インク中のアニオン性染料が静電的に定着し、発色濃度や耐水性に優れたものになると考えられる。
本発明によれば、インク吸収性、発色濃度、光沢、耐水性、耐光性、耐黄変性に優れ、特にインク吸収性、発色濃度、耐光性、耐黄変性に優れたインクジェット記録媒体を得ることができる。
以下、本発明の係るインクジェット記録媒体について具体的に説明する。
本発明におけるインクジェット記録媒体は、支持体上に両性の高分子有機粒子を含むインク受容層を少なくとも1層設けたインクジェット記録媒体である。
ここでいうインク受容層とは、支持体上に設けたインクを吸収できる層すべてのことであり、支持体上に多層を有するインクジェット記録媒体の場合、そのうちの少なくとも一層に本発明の高分子有機粒子が含まれるものである。
本発明におけるアニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子のガラス転移温度(Tg)は40℃以上であり、好ましくは60℃以上である。ガラス転移温度(Tg)が40℃未満では粒子間の融着により空隙が減少し易く、インク吸収性が低下する。
なお、本発明におけるガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に基づきDSC曲線から求めることができる。
本発明において、アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子にアニオン性基を導入する方法としては、アニオン性基を有する開始剤を使用する方法、アニオン性基を有する単量体を使用する方法、アニオン性基を有する界面活性剤を使用する方法が挙げられる。また、カチオン性基を導入する方法としては、カチオン性基を有する開始剤を使用する方法、カチオン性基を有する単量体を使用する方法、カチオン性基を有する界面活性剤を使用する方法が挙げられる。アニオン性基を導入する方法としてアニオン性基を有する単量体を使用し、カチオン性基を導入する方法としてカチオン性基を有する開始剤、カチオン性基を有する界面活性剤を使用した場合、重合する高分子有機粒子の安定性が向上するため、好ましい態様である。
また、本発明の両性を有する高分子有機粒子の好ましい態様としては、不飽和二重結合を有する単量体の(共)重合体、或いは該(共)重合体を主成分とする高分子有機粒子である。ここでいう該(共)重合体を主成分とする高分子有機粒子とは、不飽和二重結合を有する単量体の(共)重合体と他の成分、例えばシリカ等の無機粒子や水性ウレタン、オレフィン等のポリマー、更には紫外線吸収剤、蛍光増白剤といった化合物との複合粒子において、固形分換算で通常、粒子の50重量%以上が不飽和二重結合を有する単量体の(共)重合体からなる複合高分子有機粒子のことである。
不飽和二重結合を有する単量体の例としては、
芳香族ビニル類;スチレン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等
アクリル酸エステル類;イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、イソボロニルアクリレート、その他の炭素原子数3乃至20のアルキルアクリレート等
メタクリル酸エステル類;イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、その他の炭素原子数3乃至20のメタクリレート等
水酸基含有ビニル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等
アミド類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等
ハロゲン化ビニリデン類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等
ビニルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
その他;塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン、エチレン、プロピレン、ビニルピロリドン、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等
が挙げられる。
また、アニオン性基を有する単量体の例としては、
不飽和カルボン酸類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸等
不飽和スルホン酸類;スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
不飽和リン酸類;モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート等
が挙げられる。
また、カチオン性基を有する単量体の例としては、
第3級アミノ基を有する単量体;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート類、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等のN,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド類、その他N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ(2−ヒドロキシ)プロピルメタクリレート等
第4級アンモニウム塩基を含有する単量体;上記第3級アミノ基を含有する単量体に、例えば、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素等であるハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ハロゲン化ベンジル基等で4級塩化された単量体
が挙げられる。
また、高分子有機粒子の耐熱性を向上させる等の目的で、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、アリルメタアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アリルメルカプタン、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の架橋剤を併用することも可能である。
また、(共)重合体を得る場合に、必要に応じてt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれ等のソーダ塩等のアリル化合物などを分子量調節剤として使用することも可能である。
本発明のアニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子の平均粒子径としては、1nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは1nm〜500nm、さらに好ましくは1〜300nmである。平均粒子径が1nm未満では十分な空隙が得られずインク吸収性が低下する場合があり、1000nmを超えると発色濃度が低下する場合がある。
本発明のアニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子の重量平均分子量としては、好ましくは10000以上、より好ましくは30000以上、さらに好ましくは60000以上である。重量平均分子量が10000未満では、有機粒子の変形が起こりやすく空隙が減少し、インク吸収性が低下する場合がある。
本発明におけるアニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子は、従来より公知の乳化重合法、あるいは機械乳化法に基づき製造することができる。例えば乳化重合法では、分散剤と開始剤の存在下で、各種モノマーを一括で仕込み重合する方法、モノマーを連続的に供給しながら重合する方法がある。その際の重合温度としては通常30〜90℃で行われ、実質的に有機粒子の水分散体が得られる。
本発明の高分子有機粒子の製造に使用される開始剤としては、通常の乳化重合に使用される開始剤が使用でき、例えば、
カチオン性基を有する開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)二塩酸塩等、
アニオン性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等、
ノニオン性開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−〔2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物等のアゾ化合物等が挙げられる。
本発明の高分子有機粒子の製造に使用される分散剤としては、通常の乳化重合に使用される分散剤が使用できるが、特にカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが好ましく用いられる。
カチオン性界面活性剤は、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキルトリメチルアンモニウムクロライド類、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのジアルキルジメチルアンモニウムクロライド類、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩類、ラウリルベンジルジメチルアンモニウムなどのアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド類、アルキルアミングアニジンポリオキシエタノール、アルキルピコリニウムクロライド等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイドなどのアルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、tert−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
本発明のアニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子に、カチオン性やアニオン性の粒子を併用することもできる。このようなカチオン性やアニオン性の粒子を単独で支持体上に塗工、乾燥すると、粒子が最密充填を起こしインク吸収性が低下するが、両性粒子が存在することで最密充填が抑制されインク吸収性が優れたものになる。カチオン性やアニオン性の粒子としては無機粒子、有機粒子が使用できるが、発色濃度、耐光性、耐水性に優れたものになる場合があるので、カチオン性の有機粒子が好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体には、表面強度や光沢を向上させる目的でバインダー機能を有するポリマーを含有させてもよい。バインダー機能を有するポリマーとしては、例えば、水溶性ポリマーや、水不溶性ポリマーの水分散体などが挙げられる。以下に詳しく述べる。
水溶性ポリマーとしては、例えば、
カチオン系水溶性ポリマーである、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、カチオン化ポリメタクリルアミド、ポリアミドポリウレア、ポリエチレンイミン、アリルアミン又はその塩の共重合体、エピクロルヒドリン−ジアルキルアミン付加重合体、ジアリルアルキルアミン又はその塩の重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩の重合体、ジアリルアミン又はその塩と二酸化イオウ共重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩−二酸化イオウ共重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩とジアリルアミン又はその塩もしくは誘導体との共重合体、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩の重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、アミン−カルボン酸共重合体等が挙げられる。
また、ノニオン系水溶性ポリマーである、ポリビニルアルコール又はその誘導体;酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;ポリビニルピロリドン又は酢酸ビニルを共重合させたポリビニルピロリドン等のポリビニルピロリドン誘導体;その誘導体カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリルアミド又はその誘導体;ポリメタクリルアミド又はその誘導体;ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
さらに水不溶性ポリマーの水分散体としては、例えば、
カチオン性及び/又はノニオン性のアクリル系ポリマー(アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体)、MBR系ポリマー(メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体)、SBR系ポリマー(スチレン−ブタジエン共重合体)、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、EVA系ポリマー(エチレン−酢酸ビニル共重合体)の水分散体等が挙げられる。
特に耐黄変性に優れるという特徴から、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、アクリル系ポリマー(アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体)の水分散体が好ましい。またカチオン性の水溶性ポリマー、カチオン性の水不溶性ポリマーを使用した場合、記録媒体の発色濃度や耐水性が向上することがあるため、好ましい。
さらに、本発明のインクジェット記録媒体には、その他に、濡れ剤、帯電防止剤、酸化防止剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、耐水化剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、浸透剤、発泡剤、離型剤、抑泡剤、消泡剤、流動性改良剤、増粘剤等を含んでいてもよい。
また、支持体上にインク吸収性の優れるシリカ等の顔料とそのバインダーであるポリビニルアルコール等の接着剤を含有する層を設け、さらにその上層に本発明の高分子有機粒子を含有する層を設けることで、インク吸収性に優れた記録媒体が得られる場合がある。
本発明において、支持体としては、従来からインクジェット用記録シートに用いられる支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被覆紙、樹脂含浸紙、非塗工紙、塗工紙等の紙支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、プラスチック支持体、不織布、布、織物、金属フィルム、金属板、及びこれらを貼り合わせた複合支持体を用いることができる。
プラスチック支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、セロファン、ポリナイロン等のプラスチックシート、フィルム等が好ましく使用される。これらのプラスチック支持体は透明なもの、半透明なもの、及び不透明なものを用途に応じて適宜使い分けることができる。
また支持体には白色のプラスチックフィルムを用いることも好ましい。白色のプラスチック支持体としては、少量の硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料をプラスチックに含有させたものや、微細な空隙を多数設けて不透明性を付与した発泡プラスチック支持体、及び白色顔料(酸化チタン、硫酸バリウム)を有する層を設けた支持体を用いることができる。
本発明においては支持体の形状は限定されないが、通常用いられるフィルム状、シート状、板状等の他に、飲料缶のような円柱状、CDやCD−R等の円盤状、その他複雑な形状を有するものも支持体として使用できる。
本発明において高分子有機粒子を支持体上に塗工する場合には、例えば、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、フローティングナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等の従来既知の塗工方法を用いることができる。
また光沢を付与する場合には、例えば一般的なカレンダー処理、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間を通過させて塗層表面を平滑化する従来既知の方法を用いることができる。また、一般的に印刷用キャストコート紙の製造で行われている、直接法、凝固法、リウエット法(再湿潤法)、プレキャスト法などのキャストコーティング法も好ましく用いることができる。

[実施例]
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、部及び%は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
<アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子の作製>
脱イオン水600.0部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部を反応容器に仕込み、塩酸水溶液でpHを2に調整した。さらに窒素気流下で65℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.0部を添加した。これとは別に、スチレン120.0部、t−ブチルメタクリレート135.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30.0部、メタクリル酸15.0部を脱イオン水120.0部中にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド6.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持し、脱イオン水で不揮発分が30%になるように調整した。その結果、アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物が得られた。水性組成物は不揮発分30%、pH2.7であり、高分子有機粒子は、電子顕微鏡観察による平均粒子径70nm、ガラス転移温度(Tg)は105℃であった。
<記録シートの作製>
坪量105g/m2の上質紙に、絶乾状態で20g/m2の塗工量になるように、アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物を塗工し、キャストコーティング法、具体的には、表面温度が70℃に保たれた鏡面ロールに、線圧50kg/cmで圧接しながら乾燥させた。その結果、実施例1の記録シートが得られた。
<アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子の作製>
脱イオン水600.0部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部を反応容器に仕込み、塩酸水溶液でpHを2に調整した。さらに窒素気流下で65℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.0部を添加した。これとは別に、スチレン120.0部、t−ブチルメタクリレート144.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30.0部、メタクリル酸6.0部を脱イオン水120.0部中にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド6.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持し、脱イオン水で不揮発分が30%になるように調整した。その結果、アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物が得られた。水性組成物は不揮発分30%、pH2.7であり、高分子有機粒子は、電子顕微鏡観察による平均粒子径65nm、ガラス転移温度(Tg)は103℃であった。
<記録シートの作製>
上記で得た水性組成物を使用して、実施例1と同様の方法により、記録シートを作製した。
[比較例1]
<カチオン性有機粒子の作製>
脱イオン水600.0部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部を反応容器に仕込み、窒素気流下で65℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.0部を添加した。これとは別に、スチレン150.0部、メチルメタクリレート135.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部を脱イオン水120.0部中にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.2部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持し、脱イオン水で不揮発分が30%になるように調整した。その結果、カチオン性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物が得られた。水性組成物は不揮発分30%、pH5.4であり、高分子有機粒子は、電子顕微鏡観察による平均粒子径70nm、ガラス転移温度(Tg)は103℃であった。
<記録シートの作成>
上記で得た水性組成物を使用して、実施例1と同様の方法により、記録シートを作製した。
[比較例2]
<アニオン性有機粒子の作製>
脱イオン水600.0部とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.6部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、過硫酸カリウム1.8部を添加した。これとは別に、スチレン75.0部、メチルメタクリレート180.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30.0部、メタクリル酸15.0部を脱イオン水120.0部中にドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.6部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持し、脱イオン水で不揮発分が30%になるように調整した。その結果、アニオン性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物が得られた。水性組成物は不揮発分30%、pH2.4であり、高分子有機粒子は、電子顕微鏡観察による平均粒子径105nm、ガラス転移温度(Tg)は105℃であった。
<記録シートの作成>
上記で得た水性組成物を使用して、実施例1と同様の方法により、記録シートを作製した。
[比較例3]
<低Tgで両性の高分子有機粒子の作製>
脱イオン水600.0部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1.5部を反応容器に仕込み、塩酸水溶液でpHを2に調整した。さらに窒素気流下で65℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.0部を添加した。これとは別に、スチレン120.0部、n−ブチルアクリレート144.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30.0部、メタクリル酸6.0部を脱イオン水120.0部中にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド6.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を4時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持し、脱イオン水で不揮発分が30%になるように調整した。その結果、アニオン性基とカチオン性基を有する両性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物が得られた。水性組成物は、不揮発分30%、pH2.9であり、高分子有機粒子は、電子顕微鏡観察による平均粒子径68nm、ガラス転移温度(Tg)は16℃であった。
<記録シートの作製>
上記で得た水性組成物を使用して、実施例1と同様の方法により、記録シートを作製した。
[比較例4]
<共役ジエン単量体を共重合させた両性の高分子有機粒子の作製>
脱イオン水792.0部とラウリルトリメチルアンモニウムクロライド0.6部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩15部、スチレン260.0部、メチルメタクリレート35.0部、メタクリル酸15.0部、ブタジエン15.0部をオートクレーブに仕込み、窒素置換下で50℃に昇温した。重合転化率が80%に達したところで、60℃に昇温した。重合転化率が99%に達したところで冷却し、乳化物中の未反応物をストリッピングにより除去し、両性の高分子有機粒子が水に分散した水性組成物が得られた。この水性組成物を脱イオン水で不揮発分が30%になるように調整した。水性組成物は、不揮発分30%、pH5.3であり、高分子有機粒子は、電子顕微鏡観察による平均粒子径80nm、ガラス転移温度(Tg)93℃であった。
<記録シートの作製>
上記で得た水性組成物を使用して、実施例1と同様の方法により、記録シートを作製した。
[比較例5]
<市販の両性の高分子有機粒子の使用>
<記録シートの作製>
市販の両性ラテックスであるアコスターC122〔三井サイテック(株)〕(固形分40%、粒子径0.2μm、最低造膜温度9℃)を使用して、実施例1と同様の方法により、記録シートを作製した。
[評価方法]
記録シートの品質評価結果を表1及び表2に示す。評価は以下の方法により行った。
<光沢の測定方法>
光沢の測定は、JIS Z8741に基づき、変角光沢計 GM−3D型(村上色彩技術研究所社製)を使用して、記録シート表面の60°での光沢度を測定した。
<発色濃度の測定方法>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM2000C)を用いて、ブラックインクとシアンインクのベタ印刷を行い、ベタ部の光学反射濃度をマクベス濃度計(RD−918)で測定した。
<インク吸収性の測定方法>
インク吸収性を評価するため、セット性と画像ムラについて評価した。
(セット性)
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM800C)を用いて、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを縦方向にベタ印刷し、プリンターから排出された直後に、上部にPPC用紙を押しつけて、インクがPPC用紙へ転写される度合いを目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:インクの転写がなく、インク吸収性に優れる。
△:インクの転写がわずかにあるが、インク吸収性が実用レベルである。
×:インクの転写が多く、インク吸収性が実用レベル以下である。
(画像ムラ)
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM800C)を用いて高精細カラーデジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)の女性の写真を印刷し、画像のムラを目視で評価した。インク吸収性が劣る場合にはインクが十分吸収されずに画像にムラが生じる。評価基準は以下の通りである。
○:画像ムラがなく、インク吸収性に優れる。
△:画像ムラがわずかにあるが、インク吸収性が実用レベルである。
×:画像ムラが多く、インク吸収性が実用レベル以下である。
<耐水性の測定方法>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM800C)を用いて、ブラックインクで文字印刷を行い、これに水を一滴垂らし、一日放置後のにじみの状態を目視で判定した。評価基準は以下の通りである。
○:にじみがほとんどない。
△:にじみがわずかにあるが、実用レベルである。
×:にじみがあり、実用レベル以下である。
<耐光性の測定方法>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM800C)を用いて、マゼンタインクのベタ印刷を行った。キセノンフェードメーターを用いて、印刷した記録シートに100時間光照射し、光照射前に対する光照射後の光学反射濃度の残存率を耐光性とした。光学反射濃度はマクベス濃度計(RD−918)で測定した。
<耐黄変性の測定方法>
カーボンアークフェードメーターを用いて、印刷していない記録シートに7時間光照射し、光照射した前後の色差を測定した。色差(ΔE)はL***(CIEに準拠した表示方法)に従って、光照射前後の色測定した結果を基に、ΔE={(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2で算出した。色差が大きいほど色劣化が生じていることを示す。
Figure 0004039994
Figure 0004039994
本発明のインクジェット記録媒体は、インク吸収性、発色濃度、光沢、耐水性、耐光性、耐黄変性に優れ、特にインク吸収性、発色濃度、耐光性、耐黄変性に優れているので、インクジェット記録媒体として有用である。

Claims (4)

  1. 支持体上に高分子有機粒子を含むインク受容層を少なくとも1層設けたインクジェット記録媒体であって、
    該高分子有機粒子が40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有し、かつカチオン性基とアニオン性基を有する両性の高分子有機粒子であり、かつ、
    該高分子有機粒子が、不飽和カルボン酸を含む単量体を共重合してなる重合体と、カチオン性基を有する開始剤と、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドとを含むことを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 該高分子有機粒子が、メタクリル酸および少なくとも1つ以上の不飽和二重結合を有する単量体を共重合してなる重合体と、カチオン性基を有する開始剤と、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドとを含むことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 該高分子有機粒子が、乳化重合法により得られることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 該高分子有機粒子の重量平均粒子径が1〜1000nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
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