JP2006150694A - インクジェット印刷用段ボールライナ、及びこれを用いた段ボール - Google Patents

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智文 時吉
Ryuichi Kisaka
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Abstract

【課題】コルゲータ処理時にインク受容層の加熱手段への融着が発生しない、また融着によるインク受容層の割れや剥離を生じないインクジェット印刷用段ボールライナ、及びこれを用いた段ボールを提供することを目的とする。
【解決手段】ライナ原紙の表面に、顔料と接着剤とインク定着剤の三成分を少なくとも含有するインク受容層を設けてなり、下記通紙条件での通紙で、該インク受容層が弾性ロールに貼りつかないことを特徴とするインクジェット印刷用段ボールライナ。
〔通紙条件〕
160℃に加熱したチルドロールと弾性ロールのニップ部に、速度3m/min、圧力20kg/cmの条件下で、インク受容層を塗布した面を弾性ロール側に接するようにして巾5cm×長さ21cmのインクジェット印刷用段ボールライナを通紙する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット印刷用段ボールライナ、及びこれを用いた段ボールに関する。
従来、映画館の等身大ポスター等は、オフセット印刷やインクジェット印刷を施した印刷紙をダンボールに手作業で貼合し、これを裁断することで制作されている。しかしながら、貼合時に皺が発生しやすいため、歩留まりが悪くコスト高となっている。
かかる背景下、直接インクジェット印刷が出来る段ボールとして、一般的なインク受容層を設けた段ボールが開示されている(特許文献1等)。
特開2001−88434号公報
しかしながら、上記先行技術は、単にインクジェット記録紙の技術を段ボールに転用したに過ぎず、段ボール独自の製造工程である中芯とライナとを接着剤等を介して貼合する処理工程、すなわちコルゲータ処理工程を充分考慮したものではないために品質上或いは製造上問題があり、インクジェット印刷用段ボールとして実用化するには不充分である。
インクジェット印刷用段ボールは、このコルゲータ処理工程でライナのインク受容層側が加熱手段(加熱加圧ロールや熱盤等)に直接接する過酷な熱条件に曝され、その際に加熱手段にライナが融着して製造できない或いは該融着によってインク層に割れや剥離を生じて品質が低下するなどの問題が生じてしまう。特に、コルゲータ処理が複数回実施される両面段ボールや複数段の段ボールの場合、問題はより深刻である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、コルゲータ処理時にインク受容層の加熱手段への融着が発生しない、また融着によるインク受容層の割れや剥離を生じないインクジェット印刷用段ボールライナ、及びこれを用いた段ボールを提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定条件に設定された熱圧ロール間を貼り付くことなく通過できるようにインク受容層を設定することによって、この問題が解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明は、ライナ原紙の表面に、顔料と接着剤とインク定着剤の三成分を少なくとも含有するインク受容層を設けてなり、下記通紙条件での通紙で、該インク受容層が弾性ロールに貼りつかないことを特徴とするインクジェット印刷用段ボールライナである。
〔通紙条件〕
160℃に加熱したチルドロールと弾性ロールのニップ部に、速度3m/min、圧力20kg/cmの条件下で、インク受容層を塗布した面を弾性ロール側に接するようにして巾5cm×長さ21cmのインクジェット印刷用段ボールライナを通紙する。
(2)ライナ原紙の前記インク受容層側のJIS P 8140に準拠して測定される、水との接触時間が2分での吸水度が、25〜65g/mである(1)又は(2)に記載のインクジェット印刷用段ボールライナである。
(3)(1)又は(2)に記載の段ボールライナを、少なくとも一方の最外面に備えたことを特徴とするインクジェット印刷用段ボールである。
本発明の段ボールライナは、段ボール製造時のコルゲータ処理でインク受容層の加熱手段への融着が発生しないので、段ボールの安定生産が可能である。また、融着によるインク受容層の割れや剥離を生じることがないので高品質な段ボールが得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ライナ原紙)
ライナ原紙としては、例えばセミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラインドパルプ(CGP)、晒しクラフトパルプ、未晒しクラフトパルプ、脱墨古紙パルプ、合成繊維等を原料パルプとする、クラフトライナ、ジュートライナ、白板紙等、一般の段ボールに使用されているものを好ましいものとして挙げることが出来るが、本発明におけるライナ原紙はこれに限定されるものではなく、例えば上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙などの紙類も適用できる。
ライナ原紙は積層紙であっても良いが、美麗な印刷物を得るためには、少なくともインク受容層側の面が、晒しクラフトパルプを20質量%以上含む白色度70%以上の紙からなることが好ましい。尚、積層紙は、層間に合成樹脂接着剤層を有するタイプでもよい。
ライナ原紙の吸水度も重要で、インク受容層側のJIS P 8140に準拠して測定される吸水度(水との接触時間2分)が25g/m以上、さらには30g/m以上、特に35g/m以上であることが好ましい。印刷のインク量が比較的多い高濃度印刷や写真調印刷等では、インク受容層だけではインク吸収が不充分となり、にじみを生じるが、吸収性のよいライナ原紙は、インク受容層で吸収しきれなかったインクを素早く吸収できるので、にじみを生じない。
しかし、ライナ原紙のインク受容層側の吸水度が高すぎると、印刷時にコックリングを発生する恐れがあるので、吸水度は65g/m以下、特に60g/m以下が好ましい。
ライナー原紙の吸水度は、ライナー原紙の原料組成(パルプ、填料、サイズ剤等の種類や配合量)や叩解度、各種添加剤の使用(紙力増強剤、濡れ剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤等)等によって調整できる。
「インク受容層」
顔料と接着剤とインク定着剤の三成分を少なくとも含有するインク受容層は、単層又は複数層設けることができる。なお、インク受容層を複数設ける場合、各層の組成は同一でも非同一でも構わない。
(顔料)
顔料としては特に制限はなく、インクジェット記録紙用として用いられているものが使用できる。その具体例としては、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の無機顔料や、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の有機顔料が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
例示した中でも、発色性及びインク吸収性の点から、シリカ、アルミナ、擬べーマイト、軽質炭酸カルシウム、ゼオライト等、特にシリカ、アルミナ、擬べーマイト等が好ましく用いられる。中でも、シリカ、特に非晶質シリカが好ましく用いられる。シリカの製法は特に限定されず、電弧法、乾式法、湿式法(沈殿法、ゲル法)等、いかなる製法で製造されたものであっても良い。
顔料の形態は特に限定されず、球状でも不定形状でも良く、無孔質でも多孔質でも良い。
(接着剤)
接着剤としては特に限定するものではなく、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等、一般にインクジェット記録用として用いられている従来公知の接着剤が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、併用しても構わない。
これら接着剤の中でも、ポリビニルアルコールやシラノール変性ポリビニルアルコールは、インクジェット印刷適性に優れるので好ましい。特にシラノール変性ポリビニルアルコールは顔料との接着性が良好であるので好ましい。ポリビニルアルコールの場合、粘度安定性や塗膜強度の点で、平均重合度は2000〜6500が好ましく、3000〜5000がより好ましい。シラノール変性ポリビニルアルコールの場合、粘度安定性や塗膜強度の点で、平均重合度は400〜4000が好ましく、特に500〜3500が好ましい。
また、接着剤の配合量は、顔料100質量部に対して、12〜80質量部、特に14〜50質量部が好ましい。接着剤の配合量が下限未満では充分な塗膜強度が得られない恐れがあり、上限超ではインク吸収性が不充分となる恐れがある。
(インク定着剤)
インク定着剤は、印刷の発色性や保存性を向上するために配合される成分である。インク定着剤としては特に制限はないが、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、2)第2級又は第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体等のジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物等のポリアミン系カチオン樹脂、6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO共重合物、8)ジアリルアミン塩−SO共重合物、9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム等のアルミニウム塩等を1種又は2種以上用いることができる。
中でも、ジシアン系カチオン樹脂、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物等が発色性が良く、好ましく用いられる。
インク定着剤の配合量は特に制限はないが、顔料100質量部に対して3〜60質量部、特に5〜50質量部が好ましい。インク定着剤量が下限未満では、これを配合する効果(発色性や保存性の向上効果)の発現が弱く、上限超では、インク吸収性の低下や、印刷ムラ、印刷の鮮明性の低下等を招く恐れがある。
(架橋剤)
架橋剤は、接着剤を架橋して、インク受容層の層間強度やインク受容層とライナの間の密着性を高める効果があり、例えば、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等などが例示できる。なお、架橋剤は、インク受容層の塗工液に配合できるが、予め、ライナ原紙に塗布しておくこともできる。
(その他の成分)
インク受容層には、上記成分の他に、一般のインクジェット記録紙に使用される各種添加剤、例えば、増粘剤、消泡剤、湿潤剤、着色剤、蛍光染料、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を必要に応じて添加することができる。
インク受容層は、通常構成成分を混合してインク受容層用組成物を調製し、これをライナ原紙上に塗工し乾燥することで形成される。塗工方法は特に制限はないが、ブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、バーコータ、グラビアコータ、ロッドブレードコータ、リップコータ、カーテンコータ、ダイコータ等の公知の各種塗工装置にて実施することができる。また、マシンカレンダ、スーパーカレンダ、ソフトカレンダ等のカレンダを用いて仕上げ処理を行っても良い。
インク受容層の塗工量(複数設ける場合は総塗工量)は特に限定されないが、3〜18g/m、特に5〜13g/mであることが好ましい。インク受容層の塗工量が下限未満ではインク吸収性が不充分となる恐れがある。上限超ではそれ以上のインク吸収性は不要であり単なるコスト増を招くだけであり、さらにはコルゲータ処理時にインク受容層に割れ等が発生する恐れもある。
本発明の段ボールライナは、ライナ原紙とインク受容層とを必須とするものであるが、必要に応じてその他の層を設けることは差し支えない。
例えば、紙支持体の白色度や色味等を調整し、下地の白色度を高めること等を目的とし、ライナ原紙とインク受容層との間に、顔料と接着剤を含み、インク定着剤を含まない単層又は複数層の下地層を設けることができる。なお、下地層を複数設ける場合、各層の組成は同一でも非同一でも構わない。
下地層に用いる顔料及び接着剤としては、インク受容層と同様のものが使用できる。
また、下地層にも、インク受容層と同様、各種公知の添加剤を配合することができる。
下地層の塗工量(複数設ける場合は総塗工量)は特に限定されないが、0.5〜30g/m、特に1〜20g/mが好ましい。下限未満では、下地層を設ける効果、すなわち下地の白色度向上、及びこれに伴う印刷の鮮明性向上等の効果が顕著に発現せず、上限超では、膜強度が低下する恐れがある。
本発明では、下記条件での通紙を行なった際に、該インク受容層に弾性ロール剥がれを生じない段ボールライナを、上記の方法によって得る。
〔通紙条件〕
160℃に加熱したチルドロールと弾性ロールのニップ部に、速度3m/min、圧力20kg/cmの条件下で、インク受容層を塗布した面を弾性ロール側に接するようにして巾5cm×長さ21cmのインクジェット印刷用段ボールライナを通紙する。
中でも特に好ましいものとして、チルドロールの温度を180℃に設定した場合でも、インク受容層が弾性ロールに貼りつかないものが挙げられる。
このような条件を満足するものは、ライナ原紙を選択する、下地層を選択する、インク受容層で使用する接着剤や顔料を選択する、接着剤と顔料の配合比を調節する、架橋剤などを配合する、塗工量を調節する、カレンダー処理などを施すなど、適宜調節することによって得ることが出来る。
また、本発明の段ボールライナのインク受容層上には、更にコロイダルシリカ、アルミナ、擬ベーマイト、乾式法シリカ等を含む光沢層を設けることもできる。この場合、加熱ロールへの上記条件での通紙を行なった際に、該光沢層(或いは該インク受容層と該光沢層)に剥がれを生じない段ボールライナが用いられる。
「段ボール」
本発明の段ボールは、本発明の上記段ボールライナを少なくとも一方の最外面に備えていればよい。即ち、直接インクジェット印刷を施す面に、本発明の上記段ボールライナを有していれば、所期の目的を達成できるので、インクジェット印刷を施さない面に対しては、本発明の段ボールライナを用いる必要はなく、従来のライナをそのまま用いても良い。
段ボールとしては、中芯の片面にのみライナが貼合された片面段ボール、中芯の両面にライナが貼合された両面段ボール、中芯/ライナの積層体が複数段設けられた複数段の段ボールがあるが、本発明はいずれの段ボールにも適用可能である。
ライナと共に段ボールを構成する波状部材の中芯としては特に制限はなく、一般の段ボールに使用されているものが使用できる。原料パルプとしては、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラインドパルプ(CGP)、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプ、未晒しクラフトパルプ、クラフトパルプ、合成繊維等が使用でき、中でも、資源保護の観点から、段ボール古紙パルプや雑誌古紙パルプ等の古紙パルプを多く用いることが好ましい。中芯は積層紙であっても良く、さらには層間に合成樹脂接着剤層を有する積層紙であっても良い。
本発明の段ボールは、従来公知のダンボールの製造方法をそのまま適用でき、例えば、中芯とライナとを、接着性物質を介して貼合するコルゲータ処理を経て製造することができる。接着性物質としては、澱粉糊や合成樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等)等が挙げられる。
具体的には、(1)中芯又はライナの表面に、押出ラミネートや合成樹脂エマルジョンの塗布等により接着剤層を形成してから、これらを重ね合わせ、加圧及び加熱して接着する方法、(2)中芯/ライナ間に合成樹脂フィルムを介在させ、これを加圧及び加熱して接着する方法、(3)中芯/ライナ間に合成樹脂のエマルジョンや溶液等の接着剤を介在させ、これを加圧及び加熱して接着する方法等が挙げられる。
なお、(2)の方法においては、あらかじめ成形された合成樹脂フィルムを繰り出し、中芯/ライナ間に供給することもできるし、合成樹脂フィルムを溶融押出成形しながら、中芯/ライナ間に供給することもできる。
上記コルゲータ処理を1回実施することで、片面ダンボールが製造され、複数回繰り返し実施することで、両面ダンボールや複数段のダンボールが製造される。
両面ダンボールは、例えば、中芯とライナとを加熱加圧ロールにて貼合し片面ダンボールとするシングルフェーサ(SF)と、SFで得られた片面ダンボールの中芯側に更にライナを重ね、加圧しながら熱盤上を走行させ貼合するダブルフェーサ(DF)とを有するコルゲータを用いて製造することができる。製造時の好ましい加熱加圧条件としては、SFの加熱温度150〜200℃、線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01〜0.20秒、DFの加熱温度150〜200℃、線圧0.1〜1.0kg/cm、加圧時間2〜7秒を挙げることが出来るが、条件は特に制限されるものではない。
本発明のインクジェット印刷用段ボールライナは、段ボール製造時のコルゲータ処理でインク受容層の加熱手段への融着が発生しないので、一般の段ボール製造装置及び製造条件での段ボールの安定生産が可能である。また、融着によるインク受容層の割れや剥離を生じることがないので高品質な段ボールが得られる。
本発明の段ボールに対して、直接インクジェット印刷を施し、これを打ち抜き、必要に応じてグルー糊付け等の加工を行うことで、等身大ポスターや、インクジェット印刷が施され意匠性に優れたダンボール箱等を製造することができる。
本発明のインクジェット印刷用段ボールライナは、加熱手段への融着が起こり難く設計されているので、カード、厚紙、フィルム、紙、板紙、ダンボール、織布、不織布、壁、床、タイル、ガラスなど、様々な基材と熱接着により積層することができ、貼着用インクジェット記録紙として使用することもできる。例えば、カード基材との貼合の場合、インクジェット記録適性を有するカードとなる。貼合は、感熱性接着剤、熱可塑性樹脂などを貼合用インクジェット記録紙と基材の間に介し、加熱し、ロールなどで押し付ける或いは挟みこむことにより行われる。貼合は、インクジェット記録を行う前でも、記録を行ったあとでもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記例によって何ら限定されるものではない。例中、「部」及び「%」は特に断らない限り、質量基準とする。
実施例1
ライナ原紙として特白PC5(王子板紙社、松本工場製、吸水度48g/m)を用い、この上に、下記インク受容層用塗液Aを、乾燥重量で7g/mになるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し、インクジェット印刷用段ボールライナを得た。
(インク受容層用塗液Aの作製)
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、ファインシールX−60)100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA145、重合度4500)20部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ社製、ユニセンスCP103)10部、蛍光染料(住友化学社製、ホワイテックスBPS(H))1部。(固形分濃度17%)
実施例2
インク受容層の塗工量を乾燥重量で2.5g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用段ボールライナを得た。
実施例3
インク受容層の塗工量を乾燥重量で15g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用段ボールライナを得た。
実施例4
下記インク受容層塗液Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用段ボールライナを得た。
(インク受容層塗液Bの作製)
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、ファインシールX−60)100部、シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA R−1130)25部、酢酸ビニル系ラテックス(日本NSC社製、ヨドゾール CC 9)5部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ社製、ユニセンスCP103)10部、蛍光染料(住友化学社製、ホワイテックスBPS(H))1部。(固形分濃度17%)
実施例5
ライナ原紙として白板(王子板紙社、松本工場製、吸水度36g/m)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用段ボールライナを得た。
比較例1
下記インク受容層塗液Cを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用段ボールライナを得た。
(インク受容層塗液Cの作製)
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、ファインシールX−60)100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA 117)20部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ社製、ユニセンスCP103)10部、蛍光染料(住友化学社製、ホワイテックスBPS(H))1部。(固形分濃度17%)
比較例2
下記インク受容層塗液Dを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用段ボールライナを得た。
(インク受容層塗液Dの作製)
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、ファインシールX−60)100部、酢酸ビニル系ラテックス(日本NSC社製、ヨドゾール CC 9)20部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ社製、ユニセンスCP103)10部、蛍光染料(住友化学社製、ホワイテックスBPS(H))1部。(固形分濃度17%)
このようにして得られた7種類のインクジェット印刷用段ボールライナを以下のように評価した。その結果を表1に示す。
〔通紙テスト〕
熱ロール処理装置:チルドロールと弾性ロール(エラグラス90°)を用い、チルドロールを加熱し、速度3m/min、圧力20kg/cm2の条件で、巾5cm×21cmのサンプルのインクジェット塗料を塗布した面を弾性ロール側に接するようにして、ロール間を通紙する。このときの塗工層が弾性ロールに貼りつくかどうかを評価した。チルドロールの温度160℃と180℃で評価をした。
○:ロールにインク受容層の転移がない。
△:ロールにインク受容層の転移がわずかにあるが、実用範囲。
×:ロールにインク受容層が剥がれ転移する。
××:ロールにインク受容層が融着する。〔ダンボール加工適性〕
〔ダンボール加工適性〕
得られたインクジェット記録紙と一般的な中芯原紙を、塗工面を外側にしてシングルフェーサーによりプレスロール部温度180℃、線圧40kg/cm、加圧時間0.02秒の条件で貼合した。続いて、同様に得られたライナ原紙を外側にして、ダブルフェーサーの熱盤部で温度180℃、線圧0.3kg/cm、加圧時間5秒の条件で加熱、加圧しダンボール加工を行った。
:安定して製造でき、品質も良好である。
△:製造がやや不安定で、品質もやや劣るが、実用可能レベル。
×:融着が発生し、スムーズに製造ができない
[インク吸収性]
ダンボール加工したインク受容層面をインクジェットプリンター(ミマキ社製、JV4−130、水系顔料インク)で、高精細カラーディジタル標準画像データN5 自転車(日本規格協会)を印字し、線のニジミ具合を以下のように目視評価した。
○:線にニジミが見られず、良好。
△:若干、線にニジミが見られ、使用上に制限がある。
×:線にニジミが見られ問題あり。
[インク受容層の耐水性]
インク受容層に水を滴下し、指で軽く撫でて、インク受容層の剥れ具合を以下のように目視評価した。
◎:全く塗工層の剥れが見られず、良好
○:やや塗工層が剥れるが、実用上問題なし。
×:塗工層の剥れが見られ、問題あり。
〔カード加工適性〕
得られたインクジェット印刷用段ボールライナとPET性カード基体を、厚さ200μmのシート状ホットメルト接着剤(製品名:アロンメルトPES−111EEW、東亞合成製)を介して積層し、この積層物を熱プレス装置を用いて熱プレスした。圧縮用金属板として圧縮用金属板(厚さ1mm、SUS304製、川崎製鉄社製)を使用し、120℃まで昇温し、圧力300kPaで圧着した。
:インク受容層の剥離は無く、安定して製造できる
△:インク受容層に剥離傾向が見られるが、製造可能である。
×:インク受容層が剥離し、スムーズに製造ができない
Figure 2006150694
本発明のインクジェット記録用段ボールライナ及び段ボールは、直接インクジェット印刷を施すことができるものであり、等身大ポスター、装飾段ボール箱等のさまざまな用途に好ましく適用できる。また、インクジェット記録用段ボールライナを貼着した貼着物、例えばカードは、直接インクジェット印刷を施すことができるものであり、IDカード、入場券等のさまざまな用途に好ましく適用できる。

Claims (3)

  1. ライナ原紙の表面に、顔料と接着剤とインク定着剤の三成分を少なくとも含有するインク受容層を設けてなり、下記通紙条件での通紙で、該インク受容層が弾性ロールに貼りつかないことを特徴とするインクジェット印刷用段ボールライナ。
    〔通紙条件〕
    160℃に加熱したチルドロールと弾性ロールのニップ部に、速度3m/min、圧力20kg/cmの条件下で、インク受容層を塗布した面を弾性ロール側に接するようにして巾5cm×長さ21cmのインクジェット印刷用段ボールライナを通紙する。
  2. ライナ原紙の前記インク受容層側のJIS P 8140に準拠して測定される、水との接触時間が2分での吸水度が、25〜65g/mである請求項1に記載のインクジェット印刷用段ボールライナ。
  3. 請求項1又は2に記載の段ボールライナを、少なくとも一方の最外面に備えたことを特徴とするインクジェット印刷用段ボール。

JP2004343007A 2004-11-26 2004-11-26 インクジェット印刷用段ボールライナ、及びこれを用いた段ボール Pending JP2006150694A (ja)

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JP2008036935A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Dainippon Ink & Chem Inc インクジェット受理層形成用樹脂組成物、インクジェット受理剤、及びそれを用いたインクジェット記録媒体
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