JP2006147370A - フィルム外装型蓄電装置と蓄電装置用端子 - Google Patents

フィルム外装型蓄電装置と蓄電装置用端子 Download PDF

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Abstract

【課題】 外装フィルムの外方へ突出した突出部を有するフィルム外装型蓄電装置であって該突出部と外装フィルムとの間からの水分浸入を防止する手段を備えたフィルム外装型蓄電装置を提供すること。
【解決手段】 本発明によって提供されるフィルム外装型蓄電装置は、正極及び負極を有する少なくとも一つの電極体ユニットと、該電極体ユニットを覆う外装フィルム20と、その外装フィルムの内方から該フィルムを越えて外方へ突き出た少なくとも一つの突出部40と、実質的に水分が透過しない材質のフランジ部44であって前記突出部40から前記外装フィルム20の面方向に張り出した形状で該フィルム20と近接した位置に設けられたフランジ部44とを備える。前記フランジ部44と前記突出部40周囲の外装フィルム20との間が封止されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、フィルム外装型蓄電装置に関する。詳しくは、該装置に適用された水分透過防止手段に関する。
部品コストの削減や軽量化の観点から、外装部材として所謂ラミネートフィルムのようなガス及び水分バリア性の高い外装フィルムを使用した電池(フィルム外装型電池)が製造されている(特許文献1)。フィルム外装によって構築された電池(蓄電装置)ではフィルムの隙間から電池内部に水分やガスが浸入するのを防ぐ種々の工夫が施されている。例えば特許文献2にはフィルム接合部の外周縁部に防水性のキャップ部材を備えることによって外周縁部からの水分浸入を防止したフィルム外装型電池が記載されている。また特許文献3にはフィルム内に収容されている電極体ユニットから外部に突き出された端子(タブ)の周囲を外装フィルムで封止する際に、該フィルムと端子との間に吸水材料を含む接着シートを配置することによって、該封止部位からの水分浸入を防止した電池が記載されている。
一方、耐衝撃性の向上や形状の安定化等の目的で種々の形態の補強部材(例えば板体)を外装フィルムの内側に備えた電池構造が検討されている。例えば、特許文献4には、捲回型電極体ユニットの端面で外部接続用端子の突出部位に衝撃保護用の樹脂板(補強部材)を取り付けたことを特徴とする電池が記載されている。また、特許文献5には、積層型電極体ユニットの積層幅に対応した補強部材であって該ユニットと電気的に接続した外部接続用端子が取り付けられた補強部材を、該電極体ユニットの周囲に設けたことを特徴とする電池が記載されている。これら補強部材を備えたフィルム外装型電池においても水分の浸入を防ぐ手段を講じることが必要である。
特開平6−338304号公報 特開2004−79434号公報 特開2004−39358号公報 特開2000−173641号公報 特開2004−87432号公報
フィルム外装型の電池その他の蓄電装置は、その機構上、外装フィルムを越えて外に突き出た突出部(例えば接続のために一部をフィルム外部に露出させざるを得ない外部接続用正極端子及び負極端子)を有する。このため、この種の電池その他の蓄電装置では、突出部が外装フィルムから突き出た部位、即ち突出部周囲(突出部とフィルムとの間)における水分バリア性を考慮する必要がある。典型的な突出部は外装フィルムの接着面と異なる材質で構成されているため、突出部と外装フィルムとの接着が難しい。そのため、外装フィルムから突出部が突き出される部位は、水分が装置(フィルム)内部に浸入し易い箇所であり得る。
かかる要求に対して特許文献1及び2に記載の技術では、突出部と外装フィルムとの間における水分バリア性が考慮されていない。特許文献4及び5に記載のフィルム外装型電池においても水分バリア性に対する配慮が不充分である。また、特許文献3に記載のフィルム外装型電池では、外部接続用端子と外装フィルムとの間に吸水シートを配置することによって水分浸入防止を図っているが、この手段では端子と外装フィルムとの接合部分を広く設ける必要があるためフィルム外装型電池全体が嵩張る難点がある。
本発明はかかる要求を充足すべく創出されたものであり、外装フィルムの外方へ突出した突出部を有するフィルム外装型の電池その他の蓄電装置であって、該突出部と外装フィルムとの間からの水分浸入を防止する手段を備えたフィルム外装型電池その他の蓄電装置を提供することを目的とする。また、そのような蓄電装置に好適に用いられる外部接続用端子(典型的には正極端子及び負極端子)その他の突出部を構成する部材を提供する。
本発明によって提供される一つのフィルム外装型電池その他の蓄電装置は、正極及び負極を有する少なくとも一つの電極体ユニットと、該電極体ユニットを覆う外装フィルムとを備えたフィルム外装型蓄電装置であって、上記外装フィルムの内方から該フィルムを越えて外方へ突き出た少なくとも一つの突出部と、実質的に水分が透過しない材質のフランジ部であって上記突出部から上記外装フィルムの面方向に張り出した形状で該フィルムと近接した位置に設けられたフランジ部とを備える。そして、上記フランジ部と上記突出部周囲の外装フィルムとの間が封止されていることを特徴とする。
本明細書において「蓄電装置」とは、所定の電気エネルギーを取り出し得る一又は二以上の蓄電素子(典型的には電池、或いはキャパシタ)を備える蓄電装置をいい、特定の蓄電機構に限定されない。リチウム一次電池その他の一次電池、リチウム二次電池その他の二次電池、或いは、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)は、ここでいう蓄電装置に包含される典型例である。
また、本明細書において「電極体ユニット」とは、少なくとも一つずつの正極及び負極を含み、電池又はキャパシタ(蓄電素子)の主体を成す構造体をいう。
かかる構成のフィルム外装型電池その他の蓄電装置では、外装フィルムの外方に突出する突出部(例えば、外部接続用端子や排気弁)周囲に上記材質のフランジ部が設けられたことによって、突出部の周囲(典型的には突出部と外装用フィルムとの間)から装置内部への水分浸入を効果的に防止することができる。
ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置の好適な一つの態様は、上記フランジ部が上記突出部と一体であることを特徴とする。
かかる構成によれば、突出部とフランジ部との間に隙間が生じることがないため、より確実に水分浸入を防止することができる。また、突出部とフランジ部とが一体であることから、蓄電装置構築のための部品数が減り、蓄電装置の生産性向上及び低コスト化を図ることができる。
また、ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置の好ましい他の一つの態様は、上記フランジ部と上記外装フィルムとの間に、該フランジ部と該フィルムのいずれにも密着可能なシール層を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、フランジ部と外装フィルムとの接合が強固となり、フランジ部に沿って(即ちフィルムとフランジ部表面との隙間から)水分が蓄電装置内部に浸入するのを防止することができる。
また、ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置の好ましい他の一つの態様は、上記外装フィルムの内方において、上記フランジ部に近接し、且つ、該フランジ部よりも該フィルムの面方向に張り出した補強部をさらに有することを特徴とする。
本明細書において「補強部」とは、フランジ部及び/又は突出部を衝撃から保護し得る部材又は部分をいう。
かかる構成によれば、蓄電装置内方への水分浸入を防止し得るとともに、突出部及び/又はフランジ部の周囲における耐衝撃性を向上させることができる。
また、ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置の好ましい他の一つの態様は、上記電極体ユニットを収容する枠体を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄電装置内部への水分浸入を防止する効果に加え、蓄電装置の剛性が向上する。また、枠体の一部が上記補強部を構成することにより、部品数を増加させることなく突出部及び/又はフランジ部の周囲における耐衝撃性を向上させることができる。
本明細書において「枠体」とは、外装フィルム内において一つ又は複数の所定形状の電極体ユニットを物理的に収容可能な部材をいい、その形状に特に制限はない。大まかにみてフレーム、ボックス或いはケース(筐体)と視認されるような形状の電極体保持部材は、ここでいう枠体の典型的な形状(外形)であり得る。
好ましくは、上記フランジ部及び上記突出部は、該枠体の一部に固定された状態で配置されていることを特徴とする。特に好ましくは、上記枠体はその本体部分が合成樹脂製である。そして、上記フランジ部は該枠体の内部に埋設された状態で配置されていることを特徴とする。
合成樹脂材料から成る枠体は、比較的軽量であるとともに耐衝撃性(剛性)に優れる。また、かかる樹脂製枠体にフランジ部及び突出部を固定することにより、蓄電装置の構築(組付け)作業が容易になると共に、フランジ部及び突出部をより安定した状態で装備することができる。
また、ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置の好ましい他の一つの態様は、上記フランジ部が上記外装フィルムと対向する面として粗面加工処理された面を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、フランジ部と外装用フィルム又は上記シール層との密着性をさらに向上させることができる。従って、突出部の周囲から蓄電装置内部への水分浸入をより効果的に防止することができる。
本発明によって提供されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置は、典型的には、上記突出部として、上記電極体ユニットと電気的に接続された外部接続用端子を備える。
本発明によると、外装フィルムの外部に突出させた外部接続用端子の周囲からの水分浸入を効果的に防止することができる。
また、本発明は、ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置において用いられる突出部を構成する部材として外部接続用端子(典型的には正極端子及び負極端子)を提供する。好ましい端子は、長尺状端子本体と、実質的に水分が透過しない材質のフランジ部であって上記端子本体の長手方向に対して略垂直方向に張り出した形状で該端子本体と一体に成形されたフランジ部とを備える。このような端子を用いることによって、上述した構成のフィルム外装型蓄電装置(例えばリチウム二次電池その他のフィルム外装型電池)を得ることができる。
従って、本発明は他の側面として、ここで開示されるフランジ部を備えた外部接続用端子、或いはその他の突出部構成部材を使用することを特徴とする、フィルム外装型電池(例えばフィルム外装型リチウム二次電池)その他のフィルム外装型蓄電池の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば突出部及びフランジ部の形状や配置場所)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば使用する電極体ユニット、外装フィルム等の選択、蓄電装置の構築方法、等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書において開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明のフィルム外装型蓄電装置としては、蓄電装置内方から外装フィルムを越えて外方へ突出する突出部と、その突出部周囲からの水分浸入を防止し得るフランジ部が備えられる限り、その製造プロセスや蓄電装置に含まれる蓄電素子の種類に制限はない。
本発明が適用される典型的なものに、一次電池又は二次電池を蓄電素子とする種々のフィルム外装型電池が挙げられる。蓄電装置内に構成される蓄電素子(例えば二次電池を構成するセル)は一つに限られない。電極体ユニットが複数搭載されることによって複数の蓄電素子が構成された蓄電モジュールであり得る。例えば、リチウム二次電池等の電池(セル)を蓄電素子(単電池)とし、それらが電気的に直列又は並列に接続されて成る電池モジュールは、本発明によって提供され得るフィルム外装型蓄電装置の好適例である。このようなモジュールでは、搭載される複数の蓄電素子と電気的に接続した外部接続用端子に相当する総正極端子及び/又は総負極端子(即ち外部電極)がここでいう突出部の典型例となり得る。
また、本発明のフィルム外装型蓄電装置は、突出部及びフランジ部の他、種々の副次的な構成要素を有し得る。例えば、好ましい副次的構成要素として、突出部又はフランジ部又はそれらの近傍に備えられる上述したような補強部、或いは、フランジ部と外装フィルムとの密着性を向上させ得るシール層が挙げられる。また、一つ又は複数の電極体ユニットを収容し得る枠体(補強部を構成するものであるか否かを問わない。)も好適な構成要素であり得る。
本発明のフィルム外装型蓄電装置を構成する外装フィルムとしては、この種のフィルム外装型蓄電装置(例えば二次電池)の外装体を構成するものであれば特に限定することなく用いることができる。例えば、リチウム二次電池等の外装体として従来使用されているラミネートフィルムを用いることができる。
好ましくは高融点樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA)系樹脂)から構成された外面(保護)層と、金属箔(例えばアルミニウム、スチール)から構成されたバリア層(ガスや水分を遮断するバリア層)と、熱融着性樹脂(比較的低融点である樹脂、例えばエチレンビニルアセテート、或いはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂)から構成された接着層との三層構造を有するラミネートフィルムを好適に用いることができる。このような三層構造ラミネートフィルムは、適当な加熱圧着手段(例えばヒートプレス機)を使用することによって、接着層同士を容易に接着(融着)することができる。
ここで開示されるフィルム外装型蓄電装置の突出部は、蓄電装置の内方から外装フィルムの外方に少なくとも一部が突出する構成であれば特に限定されない。典型的な突出部としては正極端子及び負極端子が挙げられる。これら外部接続用端子は典型的には金属で構成されている。例えば、フィルム外装型二次電池(例えばリチウム二次電池)の典型的な形態では、正極端子はアルミニウム、負極端子は銅で構成されている。
また、一般にフィルム外装型蓄電装置(典型的には非水系電解液を用いた電池)には、内部の圧力が高まった際に装置(外装体)の一部を開放して圧力調整を図るガス放出手段として種々の機構の排気弁(圧力リリーフ弁)が装備されている。かかる弁のうち、少なくともその一部が蓄電装置外方へ突出する形状のものは、ここでいう突出部に包含される典型例である。特に、金属、セラミックス等の、外装用フィルム(例えば上述したような三層構造ラミネートフィルム)の接着面とは異なる材質によってその外壁部が形成された排気弁は、本発明を適用するのに好適な突出部である。
本発明に係るフランジ部は、実質的に水分が透過しない材質から成り、そして所定の部位に配置された突出部から該突出部周囲の外装フィルムの面方向(即ち突出部周囲の外装フィルムに沿うようにして)に張り出す形状であればよく、フランジ部それ自体の外形やサイズは蓄電装置のサイズや用途に応じて適宜異なり得る。成形加工の容易な材質のものが好ましい。例えば、種々の金属製のフランジ部が好ましい。金属製であるフランジ部は水分透過防止性能が高く、薄肉構造(好ましくは1mm以下の厚さ、例えば100μm以下の金属箔)であっても水分の浸入(透過)を防止することができる。
フランジ部と突出部とは一体であってもよく別々の部材であってもよい。別体の場合には種々の接合加工(かしめ接合、圧入接合等)によって両者を接合するとよい。水分浸入防止の観点からはフランジ部と突出部とが一体であることが好ましい。種々の一体成形加工法によって、一体となったフランジ部及び突出部(即ちフランジ部付き突出部材)を形成することができる。例えば、所定の突出部構成部材(例えば端子)の一部に張り出し加工等の手法によってフランジ部を形成することができる。例えば、突出部材が金属(例えばリチウム二次電池の外部接続用端子であるアルミニウムや銅)であるならば、種々の鍛造法、圧縮成形法(例えばアプセッティング)によって該突出部に該フランジ部を設けることができる方法が容易で且つ確実な手法である。
ここで開示されるフィルム外装型蓄電装置の突出部に設けられたフランジ部には、その少なくとも外装フィルムに対向する面側に粗面加工が施されたものが好ましく用いられる。かかる粗面加工処理が施されることによって、外装フィルムと突出部との間の密封性が向上し、内部への水分浸入が効果的に防止された蓄電装置を得ることができる。また、フランジ部に粗面加工が施されることは、外装フィルムと該フランジ部との間に介在し得る副次的な構成要素(典型的には後述する補強部やシール層)との密着性も向上させることができる。
なお、粗面加工処理としてはフランジ部を構成する材料に応じて従来公知の粗面加工技法を適宜選択して適用すればよく、本発明の実施にあたって特別なプロセスは要求されない。例えば、フランジ部が金属材料で構成されている場合には、機械的粗面加工処理(例えばショットブラスト処理、エアブラスト処理)、電解エッチング処理(例えば交流電解エッチング処理)、化学エッチング処理(例えば酸性梨地処理、アルカリ性梨地処理)等の一般的な技法が採用される。
ここで開示されるフィルム外装型蓄電装置の好ましい一態様では、フランジ部に近接して補強部が備えられる。かかる補強部としては、突出部周囲においてフランジ部よりも外装フィルムの面方向に張り出した形状であれば特に限定されない。例えば、突出部の近傍に備えられる板体でもよいし、電極体ユニットを収容する枠体の一部であってもよい。
かかる補強部を突出部の周囲に備えることによって該突出部に強い衝撃が加わることを防止することができる。従って、かかる部位に補強部を備えることは蓄電装置(典型的には電池)の信頼性を向上させる有効な手段である。
補強部は、耐衝撃性であり且つ蓄電素子(例えば電池)或いは該素子を構成する電解質の使用による反応生成物に対して耐性がある材料からなるものが好ましい。典型的には、絶縁性材料が選択されることが好ましい。合成樹脂材料は、比較的製造コストが低く成形加工が容易であることから、上述した条件を好適に満たすものが多い。このような理由で合成樹脂は補強部の構成材料として好ましく用いることができる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が好ましく選択される。また、PPS(ポリフェニレンスルフィド樹脂)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、PES(ポリエーテルスルホン樹脂)等を用いてもよい。補強部は、これらの樹脂から選択される単一の樹脂材料から構成されたものでもよいし、二種以上の樹脂が混合された材料から構成されてもよい。
また、フィルム外装型蓄電装置には、一又は二以上の電極体ユニットを収容する枠体を備えることができる。この場合、補強部と同様の理由により、上述したような合成樹脂材料から構成されるものが好ましい。枠体内に収容される電極体ユニット(及び該ユニットから構成される蓄電素子)の電気的な性能を下げない範囲で副材料を添加してもよい。例えば、種々の安定剤(例えばフェノール系、ステアリン酸系の熱安定剤)、金属不活性剤(例えばヒドラジン系の金属不活性剤)、耐衝撃強化剤(例えばセラミックス粉体)、ラジカル反応停止剤を適宜配合することができる。
好ましくは、枠体の一部が補強部を構成する。この形態であると、枠体とは別に補強部構成部材を用意する必要が無く、蓄電装置を構成する部品点数の増加と装置の複雑化を防止することができる。
補強部或いは枠体は、材料に応じて選択される一般的な方法で製造又は成形加工されればよく、本発明の実施にあたって特別なプロセスは要求されない。例えば材料として合成樹脂を用いた場合、材料の性質(例えば、熱可塑性、熱硬化性の硬化特性)に応じて射出成形、熱成形(真空成形、圧縮空気成形)等の一般的な成形加工技法が採用される。
補強部とフランジ部との位置関係は、特に限定されない。例えば、フランジ部又はフランジ部とともに突出部の一部が補強部(枠体の一部であり得る)に埋設された形態が好適例として挙げられる。このように配置される補強部及びフランジ部(又はフランジ部付き突出部)は、補強部を構成する材料とフランジ部(又はフランジ部付き突出部)を構成する材料との組み合わせに応じた適切な従来公知の方法を適宜選択して形成することができる。例えば補強部が合成樹脂製で、フランジ部が金属製であるならば、インサート成形加工法や圧入成形加工法により、かかる配置形態で補強部(枠体であり得る)とフランジ部(又はフランジ部付き突出部)とを一体に形成することができる。
或いは、補強部とフランジ部との位置関係の典型的な他の形態として、該フランジ部が補強部の外面(即ち外装フィルムの接着面と対向する表面側)に配置される形態が挙げられる。かかる形態においてさらにフランジ部と外装フィルムとの間にこれらと容易に密着し得るシール層を備えることが好ましい。かかるシール層を備えることにより、外装フィルムとフランジ部とが強固に接合され得、突出部周囲における密封性がより向上される。なお、シール層を構成する材料としては、フランジ部と外装フィルムの構成材料に応じて適宜選択されればよく、特に限定されるものではない。例えば、フランジ部が金属製で外装フィルムの接着面がポリオレフィン系樹脂であれば、それらのいずれとも密着可能な合成樹脂から成るシール層が挙げられる。具体例としては、活性化ポリプロピレン等のプラズマ照射等によって適当な官能基が導入された活性化ポリオレフィンを主体に構成されるシール層が挙げられる。或いは、接着性の優れた市販の樹脂テープ(たとえばポリプロピレン製テープ、ポリプロピレン製両面テープ)を用いてシール層を形成してもよい。
フランジ部が補強部の外面側に配置される形態において、補強部の表面がフランジ部の表面(即ち外装フィルムと対向する面)と重なる(即ち同一面を形成する)か、或いは該フランジ部の表面の一部(縁部分)に補強部の一部が被さる形態、換言すればフランジ部が補強部にめり込むように配置されるか或いはそのような配置とともに補強部の一部が該フランジ部の表面(少なくとも周縁)上に進出している形態が好ましい。かかる構成であると、フランジ部を補強部に強く固定することが容易である。このような形態のフランジ部と補強部は、例えば補強部が合成樹脂製であってフランジ部が金属製である場合、インサート成形加工法や圧入成形加工法によって形成することができる。
ここで開示されるフィルム外装型電池その他の蓄電装置に搭載される電極体ユニットは、所定の電力を貯蔵及び放出し得る蓄電素子構成要素(或いは発電素子構成要素ともいえる)たり得るものであれば特に限定されない。典型的な蓄電素子としては、種々の形態の一次電池(例えばリチウム一次電池、マンガン電池)、二次電池(例えばリチウム二次電池、ニッケル水素電池)、或いはキャパシタ(例えば電気二重層キャパシタ)を挙げることができる。例えば、リチウム二次電池等で使用されるような、シート形状の正極及び負極をセパレータとともに捲回して成る電極体ユニット又はシート形状の正極、負極及びセパレータを複数積層して成る電極体ユニットは、ここで開示されるフィルム外装型蓄電装置(フィルム外装型電池)を構成する電極体ユニットの一典型例である。フィルム外装型蓄電装置の電極体ユニットの形状やサイズには特に制限はなく、所望の形態、サイズをとり得る。
例えば、フランジ部付き突出部の採用により、外装フィルムと突出部(例えば外部接続用端子)とを直接接合する代わりにフランジ部と外装フィルムとを接合し、それによって突出部周囲の封止(密封)を行うことができる。これにより、密封性の確保という制約がなくなり、突出部本体(例えば外部接続用端子)の形状を自由に設計することができる。例えば、高出力化を目的とした電池その他の蓄電装置用として、導通面積が広い(即ち太い)外部接続用端子を採用することができる。
以下、本発明の好適ないくつかの実施形態を、詳細な実施例として図面を参照しつつ説明する。なお、本発明を以下の説明及び関連する図面に示す形状に限定することを意図したものではない。
<第一実施例>
本実施例は蓄電装置の一典型例として、平箱形状のフィルム外装型リチウム二次電池を示したものである。図1は本実施例に係るフィルム外装型電池10の概略を示す側面図である。図2は、いくつかの突出部40,70,80が配置されている該電池10の正面図である。
図1に示すように、本実施例のフィルム外装型電池10は、大まかにいって、外装フィルム20(上述の三層構造ラミネートフィルム)と、該フィルム20によって覆われる枠体30と、その枠体30内部に収容される電極体ユニット2と、フィルム20外方に突出する一対の外部接続用端子(即ち正極端子40及び負極端子70)及び排気弁80とを備えている。
本実施例に係る枠体30はポリプロピレン樹脂製であり、電池10の向かいあう広面積の側面方向から見たときに略ロの字形状に形成されている。この枠体30の一部(即ちフランジ部の周囲に配置される部分)が本発明に係る補強部32を構成する。かかる枠体30の内方に電極体ユニット2が保持されるが、電極体ユニット2の保持構造自体は従来のリチウム二次電池と同様でよく本発明を特徴付けるものではない。また、枠体30の内部には電極体ユニット2とともに適当な電解質が注入される。ここで注入される電解質は従来からリチウム二次電池の電解質として使用されるものであれば特に制限なく使用し得、本発明を特徴付けるものではない。典型的には液状(例えば非水電解液)或いは典型的にはゲル状であるポリマー電解質を用い得る。例えば、ジエチルカーボネート(DEC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒(例えばDEC:ECが8:3の質量比である混合溶媒)にリチウム塩として1mol/LのLiPFを溶解した非水電解液を好適に使用することができる。
本実施例に係る電極体ユニット2は図示しない正極シート(正極)と負極シート(負極)をセパレータと共に積層し、さらに捲回して作製される捲回型電極体ユニットである。なお、電極体ユニット2の構成自体は本発明を制限するものではなく、従来使用されている種々の材料を用いて構成されておればよい。例えば、正極シートは長尺状の正極集電体の上にリチウム二次電池用正極活物質層が付与されて形成され得る。正極集電体にはアルミニウム箔等の金属箔が好適に使用される。正極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種又は二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、LiMn4,LiCoO2,LiNiO等を挙げることができる。他方、負極シートは長尺状の負極集電体の上にリチウム二次電池用負極活物質層が付与されて形成され得る。負極集電体には銅箔等の金属箔が好適に使用される。負極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種又は二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等を挙げることができる。正負極シート間に使用される好適なセパレータシートとしては多孔質オレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。
而して、電極体ユニット2の正極シートには外部接続用正極端子40(典型的にはアルミニウム製の端子)が電気的に接続され、負極シートには外部接続用負極端子70(典型的には銅製の端子)が電気的に接続されている。
次に、本実施例の突出部について説明する。図1及び図2に示すように、本実施例のフィルム外装型電池10には一対の外部接続用端子、即ちアルミニウム製正極端子40及び銅製負極端子70が設けられている。さらに、他の突出部として、金属(例えばアルミニウム、スチール、ステンレス)製の排気弁80が備えられている。これら突出部40,70,80には、それぞれ、フランジ部(即ち正極端子のフランジ部44、負極端子のフランジ部74、排気弁のフランジ部84)が突出部本体42,72,82と一体に形成されている。これにより、各突出部の周囲における外装フィルム24,26,28と突出部40,70,80との間から電池内方への水分透過を効果的に防止することができる。
突出部から張り出すフランジ部44,74,84の形状は外装フィルム20と略平行方向であって突出部本体42,72,82を中心に張り出されていれば特に限定されない。但し、よりサイズが大きいフランジ部ほど水分浸入防止(遮断)能力は増大し得る。典型的な張り出し形状としては、円形、楕円形あるいは長方形などを挙げることができる。本実施例では、正極端子50と負極端子70には長方形に張り出したフランジ部44,74が備えられており、一方、排気弁80には円形のフランジ部84が備えられている。
以下、本実施例に備えられる個々の突出部40,70,80について図面を参照しつつ説明する。なお、外部接続用端子40,70については、構成材料(正極端子40はアルミニウム製であり負極端子70は銅製である。)を除いた事項は同様の形態であるため、負極端子70についての説明は省略する。また、それぞれの突出部40,70,80にフランジ部44,74,84を形成する方法自体は、従来の成形加工技法を選択すればよく、特に本発明を特徴付けるものではない。例えば本実施例では突出部40,70,80はいずれも金属製であるので、一般的なアプセッティング加工や張り出し成形加工によって突出部本体42,72,82とフランジ部44,74,84とを一体に成形することができる。
先ず本実施例のフィルム外装型電池10に用いられているアルミニウム製正極端子40の態様について説明する。
図3は図2のIII−III線断面図であり、本実施例に係る正極端子40を模式的に示している。正極端子40は長尺形状の端子本体42と水分透過を防止し得る長方形のフランジ部44とが一体で構成されている。端子本体42は電池内方にある電極体ユニット2と電気的に接続している。図示するように、補強部32と外装フィルム20とを貫通し(越えて)、電池外方に突出する形態で備えられている。ここで正極端子40と一体成形されたフランジ部44は、枠体30の一部である補強部32の表層部に嵌め込まれた形状で備えられている。このように正極端子(フランジ部44を含む)40を補強部32(枠体30)に設置する方法には種々の加工法が挙げられる(例えばインサート成形法や圧入成形法)が、ここではインサート成形によって樹脂製枠体30の成形と同時に所定の部位(補強部)に正極端子40を配置・固定している。
このフランジ部44と外装フィルム20との間には、該フランジ部44及び外装フィルム20接着層のいずれとも強固に密着(接着)し得る活性化ポリプロピレン(即ちプラズマ照射等によって適当な官能基が導入されたポリプロピレン)製のシール層4が備えられている。該シール層4を含んだフランジ部44は補強部32の外面側(外装フィルム20側)とほぼ同一平面を構成するように設けられている。
なお、正極端子40が外装フィルム20を越えるフィルムの突き出し口24付近では、外装フィルム20に含まれる金属層(ここではアルミニウム層)と端子本体42が直接接触しないように絶縁処理が施されており、外装フィルム20の金属層を介した端子40,70間の導通が生じないように構成されている。なお、絶縁処理の一つとして、外装フィルムの突き出し口24と端子40との間に絶縁性材料(例えば合成樹脂)を充填してもよい。
次に、本実施例のフィルム外装型電池10に用いられる排気弁80について説明する。
図4は図2におけるIV−IV線断面図であり、本実施例に係る排気弁80を模式的に示している。排気弁80は電池の使用によって発生したガスを速やかに排出し得る手段であって、電池の安全性を向上させる部材の一つである。図示されるように、本実施例で示される排気弁80は大まかにいって、排気管82と排気口86、金属球(封止球)88、コイルバネ(圧力調節バネ)90によって構成される圧力リリーフ弁である。かかる排気弁80は、排気路92を通じた電池内方のガス圧力がコイルバネ90の弾性力を超過した場合に金属球88が圧力によって押し上げられ、ガスが排出されるように構成されている。かかる構成自体は従来の排気弁と同様でよく、何ら本発明を特徴付けるものではない。
この排気弁本体を構成する排気管82の外周であって、排気路92の出口近傍(即ち金属球88の近傍)には、円盤形状のフランジ部84が一体に形成されている。このフランジ部84と外装フィルム20との間には、該フランジ部84及び外装フィルム20接着層のいずれとも強固に密着(接着)し得る活性化ポリプロピレン製のシール層4が備えられている。このシール層4の構成は上述した正極端子40の場合と同様である。
図示するように、排気弁80は、補強部32(枠体30)と外装フィルム20とを貫通し(越えて)、電池外方に突出する形態で備えられている。ここで排気弁80と一体成形されたフランジ部84は、枠体30の一部である補強部32の表層部に嵌め込まれた形状で備えられている。このように排気弁(フランジ部84を含む)80を補強部32(枠体30)に設置する方法には種々の加工法が挙げられる(例えばインサート成形法や圧入成形法)が、ここではインサート成形によって樹脂製枠体30の成形と同時に所定の部位(補強部32)に排気弁80を配置・固定している。
一方、外装フィルム20には、これら突出部(正極端子40、負極端子70、排気弁80)の突き出し部分に対応した突き出し口24,26,28が形成されている。これにより、突き出し口24,26,28から突出部40,70,80を引き出した後、封止箇所を適宜接着(熱融着)させることによって、図1に示すような外装フィルム20で覆われたフィルム外装型電池10が構築される。
かかる構成の本実施例のフィルム外装型電池10によると、外装フィルム20に形成された突き出し口24,26,28からの水分浸入が突出部40,70,80と一体成形されたフランジ部44,74,84によって遮断される。この結果、フランジ部44,74,84よりも内方(即ち電極体ユニット2)への直線的な水分透過経路は絶たれ、電池内部(例えば電極体ユニット2又は電解質)への水分浸入を効果的に防止することができる。従って、本実施例のフィルム外装型電池10によると、水分浸入による性能低下を抑えて長期にわたってフィルム外装型電池10の性能を維持することができる。さらに、補強部32(枠体30)を有することにより、外部からの衝撃によるフランジ部44,74,84等の変形を抑止することができる。
<他の実施例>
次に上記実施例の変更例(他の実施例)として、外部接続用端子(ここでは正極端子)の形状や枠体への配置形態の好適な変更例のいくつかを図面を参照しつつ説明する。なお、補強部(枠体)における正極端子フランジ部の形状或いは設置位置と、補強部における正極端子の突き出し部分における形状を除く構成要素は上述した第一実施例と同様であるため、かかる事項についての重複した説明は省略する。また、以下に説明する変更例を他の突出部(排気弁等)に適用し得ることは勿論である。
図5〜図7に、それぞれ異なる形態の変更例を示している。これら変更例では、上記実施例とは異なり、フランジ部54,64と一体の突出部たる正極端子50,60が枠体30(補強部32)の内部に埋設されている。このような形態で正極端子50,60その他突出部を枠体30(補強部32)に配置する手段としては従来公知の種々の技法が挙げられるが、例えばインサート成形によって好ましく形成することができる。
図5に示す例では、正極端子本体52と一体成形されたフランジ部54は、外装フィルム20と略平行となり且つフィルム20に近接する位置において、枠体(樹脂製基材)30中に埋設されている。さらにフランジ部54の外面(フィルム対向面)側54aには粗面加工処理が施されている。これにより、枠体30との密着(固定)強度を向上することができる。また、上記シール層を介在させることなく、ラミネートフィルム20の接着層と樹脂製枠体30(補強部32)とを直接強固に熱融着させることができる。
図6に示す例では、正極端子60に対応する突き出し口の付近が波形状36に凹凸加工された枠体30(補強部32)を備えるとともに、当該波形状36に対応させた波形状がフランジ部64に形成されている。このような波形状をフランジ部64と枠体30(補強部32)における該フランジ部64に近接する部分とに形成することによって、フランジ部64の表面積を広くし得ると共にフィルム20(24)と正極端子60との隙間から万一水分が樹脂製枠体30に浸入した場合であっても該水分が枠体30のさらに内方に浸入していくために要する水分経路(即ちフランジ部64を迂回する経路)をより長く確保することができる。従って、単純な平板形状である大サイズのフランジ部と同等の水分透過防止能を備えたフランジ部64を比較的コンパクトに(横方向に嵩張らさせずに)形成することができる。
図7に示す例では、図5に示す形態に加え、更に正極端子50に対応する突き出し口の付近において枠体30(補強部32)を圧縮している。これにより、圧縮した部分38におけるフィルム20とフランジ部54との距離を縮めるとともに該圧縮部分38を構成する樹脂の結晶性を高めている。このことによって、フィルム20と正極端子50との隙間から万一水分が樹脂製枠体30(38)に浸入した場合であっても枠体30(38)を構成する高分子の分子間の隙間を水分子が通り抜け難い。従って、水分透過防止能を向上させることができる。なお、かかる高結晶化は、例えば枠体30(補強部32)を外面側からヒートプレス処理することによって容易に行うことができる。
ところで、図5〜図7に示すように、これらの変更例では、正極端子(突出部)50,60の周囲において、該正極端子(突出部)50,60と外装フィルム20との間に、枠体(補強部32)の一部34が配置されている。このような構成によると、正極端子50,60の周囲における外装フィルム20(24)の金属層(典型的にはアルミニウム層)と該正極端子50,60との間の絶縁性を別途の絶縁処理工程を行うことなく実現することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、実施例として本発明を二次電池に適用した態様を説明したが、本発明に係るフィルム外装型蓄電装置はリチウム二次電池に限定されない。例えば、本発明の目的は蓄電装置(詳細には蓄電素子)内方への水分浸入を効果的に防止することであるから、水分の浸入が問題となる非水系電解質を用い得るいずれの蓄電素子を備える蓄電装置に対しても本発明を好ましく適用することができる(例えば、リチウム一次電池、有機系パワーキャパシタ)。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、その一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本発明の一実施例に係るフィルム外装型電池を模式的に示した側面図である。 図1に示すフィルム外装型電池の突出部がある面を模式的に示した正面図である。 図2におけるIII−III線断面を部分的に示した部分断面図である。 図2におけるIV−IV線断面を部分的に示した部分断面図である。 本発明の一実施例に係る突出部の形状を模式的に示した断面図である。 本発明の一実施例に係る突出部の形状を模式的に示した断面図である。 本発明の一実施例に係る突出部の形状を模式的に示した断面図である。
符号の説明
2 電極体ユニット
10 フィルム外装型蓄電装置
20 外装フィルム
40,50,60,70,80 突出部
44,54,64,74,84 フランジ部

Claims (10)

  1. 正極及び負極を有する少なくとも一つの電極体ユニットと、該電極体ユニットを覆う外装フィルムとを備えたフィルム外装型蓄電装置であって、
    前記外装フィルムの内方から該フィルムを越えて外方へ突き出た少なくとも一つの突出部と、
    実質的に水分が透過しない材質のフランジ部であって、前記突出部から前記外装フィルムの面方向に張り出した形状で該フィルムと近接した位置に設けられたフランジ部とを備え、
    ここで前記フランジ部と前記突出部周囲の外装フィルムとの間が封止されていることを特徴とする、フィルム外装型蓄電装置。
  2. 前記フランジ部は前記突出部と一体である、請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記フランジ部と前記外装フィルムとの間に、該フランジ部と該フィルムのいずれにも密着可能なシール層を備える、請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記外装フィルムの内方において、前記フランジ部に近接し、且つ、該フランジ部よりも該フィルムの面方向に張り出した補強部をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電装置。
  5. 前記電極体ユニットを収容する枠体を備えており、該枠体の一部が前記補強部を構成する、請求項4に記載の蓄電装置。
  6. 前記フランジ部及び前記突出部は、該枠体の一部に固定された状態で配置されている、請求項5に記載の蓄電装置。
  7. 前記枠体はその本体部分が合成樹脂製であり、
    前記フランジ部は、該枠体の内部に埋設された状態で配置されている、請求項6に記載の蓄電装置。
  8. 前記フランジ部は、前記外装フィルムと対向する面として粗面加工処理された面を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄電装置。
  9. 前記突出部として、前記電極体ユニットと電気的に接続された外部接続用端子を備える、請求項1〜8のいずれかに記載の蓄電装置。
  10. 蓄電装置に備えられる外部接続用端子であって、
    長尺状端子本体と、
    実質的に水分が透過しない材質のフランジ部であって、前記端子本体の長手方向に対して略垂直方向に張り出した形状で該端子本体と一体に成形されたフランジ部と、
    を備える、端子。
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