JP2006146078A - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度の顔料を含んでいても低粘度で、分散安定性に優れ、特に保存安定性等が良好であり、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いてフィルタセグメントを形成してなり、コントラストが高いカラーフィルタの提供。
【解決手段】少なくとも透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、有機顔料と、顔料分散剤として下記一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩とを含有するカラーフィルタ用着色組成物、および該着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
【化1】
(式中、Xはアセト基またはシアノ基、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、または置換基を有しても良いフェニレン基、Yはスルホン酸基またはカルボキシル基である。)
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、有機顔料と、顔料分散剤として下記一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩とを含有するカラーフィルタ用着色組成物、および該着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
【化1】
(式中、Xはアセト基またはシアノ基、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、または置換基を有しても良いフェニレン基、Yはスルホン酸基またはカルボキシル基である。)
【選択図】なし
Description
本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物およびこれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっており、主に下記の2通りの方法でカラーフィルタが製造されている。
第1の方法では、感光性透明樹脂溶液中に顔料を分散した感光性着色組成物をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
第1の方法では、感光性透明樹脂溶液中に顔料を分散した感光性着色組成物をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
第2の方法では、透明樹脂溶液中に顔料を分散した着色組成物をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去して顔料分散塗膜を形成した後、その塗膜上にポジ型レジスト等のレジストを塗布し、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、現像してレジストパターンを形成し、これをエッチングレジストとして、レジストパターンの付着していない顔料分散塗膜をエッチング液で除去し、レジスト塗膜を剥離して1色目のパターンを形成する。必要により加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。なお、レジストの現像と顔料分散塗膜のエッチングを同時に行うこともできる。
このようなカラーフィルタの製造にあたっては、着色組成物における顔料の分散性が重要であり、分散性の低い着色組成物を用いてカラーフィルタを製造すると、色相不良、コントラストの低下等の原因となる。
そこで、着色組成物に、顔料分散剤として、特許文献1に記載されているイソインドリン骨格を有する化合物等を添加することが提案されている。しかし、特許文献1に記載されているイソインドリン骨格を有する化合物は、イソインドリン顔料には分散効果があるもののその効果はわずかであり、必要とされる低粘度は達成できなかった。そのため、より効果の高い分散剤の開発が課題となっていた。
特開昭63−161061号公報
そこで、着色組成物に、顔料分散剤として、特許文献1に記載されているイソインドリン骨格を有する化合物等を添加することが提案されている。しかし、特許文献1に記載されているイソインドリン骨格を有する化合物は、イソインドリン顔料には分散効果があるもののその効果はわずかであり、必要とされる低粘度は達成できなかった。そのため、より効果の高い分散剤の開発が課題となっていた。
以上に述べたように、分散安定性、保存安定性、フィルタセグメントを形成する際の塗布均一性など、カラーフィルタの製造に用いられる着色組成物の物性に対する要求が高まっている状況下においては、従来から使用されている顔料分散剤では、その対応が困難になってきている。特に近年では、テレビモニタ用途に液晶表示装置が適用されており、パネルを作成するためには顔料分を多く含む高濃度カラーフィルタが求められている。
そこで、本発明は、高濃度の顔料を含んでいても低粘度で、分散安定性に優れ、特に保存安定性等が良好であり、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いてフィルタセグメントを形成してなり、コントラストが高いカラーフィルタの提供を目的とする。
そこで、本発明は、高濃度の顔料を含んでいても低粘度で、分散安定性に優れ、特に保存安定性等が良好であり、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いてフィルタセグメントを形成してなり、コントラストが高いカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、有機顔料と、顔料分散剤として下記一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩とを含有することを特徴とする。
(式中、Xはアセト基またはシアノ基、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、または置換基を有しても良いフェニレン基、Yはスルホン酸基またはカルボキシル基である。)
中でも、顔料分散剤として、一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体のアルミニウム塩を用いると、高い保存安定性を発揮するため望ましい。さらに、樹脂型分散剤、特に塩基性樹脂型分散剤を含有させると顔料分散剤との相性が良いため望ましい。
また、本発明のカラーフィルタは、上記着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
中でも、顔料分散剤として、一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体のアルミニウム塩を用いると、高い保存安定性を発揮するため望ましい。さらに、樹脂型分散剤、特に塩基性樹脂型分散剤を含有させると顔料分散剤との相性が良いため望ましい。
また、本発明のカラーフィルタは、上記着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料分散剤としてイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩を用いているため、分散安定性に優れ、特に保存安定性、コントラストが高い。
そして、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、均一なフィルタセグメントを具備するカラーフィルタを製造することができる。
そして、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、均一なフィルタセグメントを具備するカラーフィルタを製造することができる。
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物について説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも顔料担体と、有機顔料と、顔料分散剤として上記一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩(以下、イソインドリン誘導体類ということがある。)とを含有する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも顔料担体と、有機顔料と、顔料分散剤として上記一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩(以下、イソインドリン誘導体類ということがある。)とを含有する。
本発明の一般式(1)で示されるイソインドリン誘導体は、一般的に次の3工程を経て合成される。即ち、第1は、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有し、且つ活性メチレンを有する化合物を合成する工程である。第2は、得られた化合物を1,3−ジイミノイソインドリンと付加させる工程である。第3は、pHを4以下の酸性下においてバルビツール酸を付加する工程である。
第1の工程では、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有する活性メチレン化合物を作成する。これには、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有し、アセトアセチル基を有するいわゆるカップラー(カップリング剤)を用いても良いし、分子内にスルホン酸基もしくはカルボキシル基を有し、さらにアミノ基を有する化合物を使ってシアノ酢酸エチルやアセト酢酸エチルとのエステルアミド交換反応やケテンダイマーとの付加反応によるアセトアセチル化等によって得ることができる。
第1の工程に用いる、分子内にスルホン酸基もしくはカルボキシル基を有し、さらにアミノ基を有するアルキレン骨格の化合物としては、βアラニン、タウリン等があげられる。ただし、炭素数が7を超えるアルキレン基を有する化合物であるとエステルアミド交換反応が困難になるため、アルキレン基の場合は炭素数が1〜6の範囲であることが望ましい。
また、第1の工程に用いる、分子内にスルホン酸基もしくはカルボキシル基を有し、さらにアミノ基を有するフェニレン骨格の化合物としては、スルファニル酸、p−アミノ安息香酸等のアリールにアミノ基と酸性基を持つ化合物や、ベンゼン環にアミノ基、酸性基およびその他の置換基を有する化合物等も挙げられる。その他の置換基としては、メトキシ基等のアルコキシル基、フッ素、臭素、塩素等のハロゲン、メチル基、エチル基等のアルキル基、また追加の酸性基を持つ事ができる。置換基の位置は特に限定されるものではない。
また、第1の工程に用いる、分子内にスルホン酸基もしくはカルボキシル基を有し、さらにアミノ基を有するフェニレン骨格の化合物としては、スルファニル酸、p−アミノ安息香酸等のアリールにアミノ基と酸性基を持つ化合物や、ベンゼン環にアミノ基、酸性基およびその他の置換基を有する化合物等も挙げられる。その他の置換基としては、メトキシ基等のアルコキシル基、フッ素、臭素、塩素等のハロゲン、メチル基、エチル基等のアルキル基、また追加の酸性基を持つ事ができる。置換基の位置は特に限定されるものではない。
第2の工程である1,3−ジイミノイソインドリンとの反応では、一般的にメタノール、エタノール等のアルコール中で行う。1,3−ジイミノイソインドリンと第1工程の生成物(スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有する活性メチレン化合物)を1:0.095〜1:1.1のモル比率で混ぜ、アルコール中で20〜60℃さらに0.5〜3時間で反応を行う。この工程では水が介在してもよく、アルコールに対して0〜3倍までの量をとることができる。この工程では第1工程の生成物が溶解していることが重要であり、そのために、反応はアルカリ存在下で行うことが望ましい。
第3の工程は、第2工程での生成物とバルビツール酸との付加反応である。この反応は第二反応の反応溶液をそのまま用いても良いし、濾別して用いても良い。この反応は酸性条件下で行う。pHが4以下であればよく、水は介在してもしなくても良い。反応は、20〜110℃の間の反応温度かつ0.5〜12時間の反応時間、特に20〜70℃、1〜4時間の条件で行うことが望ましい。以上の工程によって、一般式(1)で示されるイソインドリン誘導体を得ることができる。
上記一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体のアミン塩または金属塩を得る場合は、次の第4の工程を行う必要がある。アミンまたは金属との造塩反応は、まず第3工程の生成物を大量の水に分散し、その後アミンもしくは金属塩を溶解させる。溶解させるために加温しても良い。アミンもしくは金属塩を投入後1〜10時間撹拌し、造塩が終了することを確認した後、濾過、水洗、乾燥等を行い目的とする化合物を得る。
アミン塩を構成するアミンとしては、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ジヒドロキシエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン等の低級アミン、ラウリルアミン、オレイルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ジメチルラウリルアミン等の炭素数12以上のアルキル基を有する長鎖アルキルアミン、ラウリルアンモニウム、ステアリルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム等の炭素数12以上のアルキル基を有する長鎖アルキル4級アンモニウムイオンが挙げられる。これらの中でも、ラウリルアンモニウム、ステアリルアンモニウム等の炭素数12以上のアルキル基を有する長鎖アルキル4級アンモニウムイオンとの塩を用いると、最も分散安定性に優れ、特に保存安定性が高い着色組成物が得られる。
金属塩を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト、ストロンチウム等の各種金属が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム塩を用いると、製造における単離性、及び顔料分散剤としての分散性に優れるだけでなく、低粘度、流動特性、経時粘度安定性に最も優れた着色組成部が得られる。
また、一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体を得るためには、1,3−ジイミノイソインドリンを使用せずフタロニトリルを出発原料とし、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有する活性メチレン化合物を付加、その後バルビツール酸を付加する方法もある。どちらの手法によっても純度が高く目的とする化合物を得ることができるが、1,3−ジイミノイソインドリンを使用する方法のほうが、反応時間的に有利である。
以下に、一般式(1)で表される顔料分散剤の具体例を示す。但し、本発明においてはこれらに制限されるものではない。
本発明の着色組成物に含有される有機顔料としては、一般に市販されているものを用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。その中でも、本発明の顔料分散剤であるイソインドリン誘導体と同一または類似の化学構造を有する顔料を用いた場合に、非集合性、非結晶性、流動性等の効果が大きい。それらは、具体的には、イソインドリノン系顔料(例えばC.I. Pigment Yellow 109, 110, 173)、イソインドリン系顔料(例えばC.I. Pigment Yellow 139, 185)などである。また、キノフタロン系顔料(C.I. Pigment Yellow138) を用いた場合にも効果が高く、顔料の色相を変化することがない点で有利である。
有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料等は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、本発明の着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料等は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、本発明の着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
本発明の着色組成物から赤色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272等の赤色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物から緑色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物から青色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の青色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物から緑色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物から青色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の青色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物からイエロー色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、198、213、214等の黄色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物からマゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物からシアン色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するため、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料を含有させることができる。
本発明の着色組成物からシアン色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するため、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料を含有させることができる。
本発明の着色組成物において、有機顔料とイソインドリン誘導体類とは、通常重量比で50:50〜99:1、好ましくは60:40〜97:3、より好ましくは80:20〜95:5の割合で含有される。イソインドリン誘導体類の量が上記範囲よりも少なければ、顔料の分散安定化効果が充分に発揮されず、逆に上記範囲よりも多ければ、フィルタセグメントの色相が好ましくないほど変化する可能性が生じ、また製造コスト面でも問題となる。
本発明の着色組成物は、さらに樹脂型分散剤を含有することが好ましい。樹脂型分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ低級アルキレンイミンと遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等が用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、燐酸エステル等も用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明の着色組成物に用いられる樹脂型分散剤は、酸性基または塩基性基をアンカーとして有機顔料およびイソインドリン誘導体類の表面に吸着し、ポリマーの反発効果が有効に作用して分散安定性保持を発現することから、酸性基または塩基性基を有するポリマーであることが好ましい。酸性基としては、吸着特性に優れる点でカルボキシル基、スルホン酸基が好ましく、塩基性基としては、吸着特性に優れる点でアミノ基が好ましい。特に、塩基性基を有する塩基性樹脂型分散剤は、イソインドリン誘導体類からなる顔料分散剤との相性が良いため好ましい。
酸性基または塩基性基を有するポリマーとしては、酸性基または塩基性基を有する幹ポリマー部に枝ポリマー部がグラフト結合した構造の櫛型ポリマーが、枝ポリマー部の優れた立体反発効果から有機溶剤可溶性をより有するため好ましい。
さらに、幹ポリマー1分子に2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した分子構造を有する櫛型ポリマーが上記理由からより好ましい。
塩基性樹脂型分散剤の具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンポリアミン、ポリキシリレンポリ(ヒドロキシプロピレン)ポリアミン、ポリ(アミノメチル化)エポキシ樹脂、アミン付加グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸エステル化グリシジル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらの合成法は、例えば以下の通りである。
さらに、幹ポリマー1分子に2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した分子構造を有する櫛型ポリマーが上記理由からより好ましい。
塩基性樹脂型分散剤の具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンポリアミン、ポリキシリレンポリ(ヒドロキシプロピレン)ポリアミン、ポリ(アミノメチル化)エポキシ樹脂、アミン付加グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸エステル化グリシジル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらの合成法は、例えば以下の通りである。
ポリエチレンイミンは、エチレンイミンを酸触媒存在下で開環重合することで得られる。ポリエチレンポリアミンは、二塩化エチレンとアンモニアをアルカリ触媒存在下で重縮合することで得られる。ポリ(アミノメチル化)エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香環をクロルメチル化後にアミノ化することで得られ、別名マンニッヒ塩基と呼ばれる。アミノ化で使用するアミンとして具体的には、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。
アミン付加グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸エステル化グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートをラジカル重合してポリマー化した後、同ポリマー中のエポキシ基の一部に先に例示したものと同様のアミンを付加してポリ〔アミン付加グリシジル(メタ)アクリレート〕を得た後、残ったエポキシ基を(メタ)アクリル酸のカルボキシル基とエステル化反応させて得られる。
枝ポリマーは、有機溶剤可溶性のものが好ましく、その具体例としては、ポリマー末端にカルボキシル基を有し、前記したような幹ポリマー部のアミノ基とアミド化反応することでグラフト結合を形成し得るポリマーであるポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)、ポリリシノール酸、ε−カプロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。また、幹ポリマーが前記したアミン付加グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸エステル化グリシジル(メタ)アクリレート共重合体のようにビニル基を有する場合には、該ビニル基にグラフト重合し得るポリ〔(メタ)アクリル酸メチル〕、ポリ〔(メタ)アクリル酸エチル〕等を枝ポリマー部として挙げることができる。これらの合成法は例えば以下の通りである。
ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)は、12−ヒドロキシステアリン酸の脱水重縮合ポリエステル化反応によって得られる。ポリリシノール酸は、同様にリシノール酸の脱水重縮合ポリエステル化反応によって得られる。ε−カプロラクトンの開環重合体は、ε−カプロラクトンに脂肪族モノカルボン酸であるn−カプロン酸を付加させて開環重合を開始させて得られる。
有機顔料および一般式(1)で示されるイソインドリン誘導体もしくはそれらのアミン塩または金属塩からなる顔料分散剤を分散させる顔料担体は、上述したように、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の含有量は、着色組成物の固形分(着色組成物に含まれる溶剤以外の成分)を基準として5〜50重量%であることが好ましく、8〜45重量%であることがより好ましい。透明樹脂の含有量が5重量%未満では現像性能が低くなり50重量%を越えると着色組成物の硬化性や、色相不良を招くといった点から好ましくない。
透明樹脂の含有量は、着色組成物の固形分(着色組成物に含まれる溶剤以外の成分)を基準として5〜50重量%であることが好ましく、8〜45重量%であることがより好ましい。透明樹脂の含有量が5重量%未満では現像性能が低くなり50重量%を越えると着色組成物の硬化性や、色相不良を招くといった点から好ましくない。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、着色組成物中のモノマーおよびオリゴマーの含有量は、着色組成物の固形分を基準として5〜30重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から7〜28重量%であることがより好ましく、特に好ましくは10〜25重量%である。モノマーおよびオリゴマーの含有量が30重量%より多い場合は、フィルタセグメントの形状不良を生じるため好ましくなく、5重量%より少ない場合は、光硬化性が不充分なため好ましくない。
また、着色組成物中のモノマーおよびオリゴマーの含有量は、着色組成物の固形分を基準として5〜30重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から7〜28重量%であることがより好ましく、特に好ましくは10〜25重量%である。モノマーおよびオリゴマーの含有量が30重量%より多い場合は、フィルタセグメントの形状不良を生じるため好ましくなく、5重量%より少ない場合は、光硬化性が不充分なため好ましくない。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
着色組成物に光重合開始剤を使用する際の含有量は、着色組成物の固形分を基準として5〜25重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から6〜23重量%であることがより好ましく、特に好ましくは7〜22重量%である。光重合開始剤の含有量が25重量%より多い場合は、フィルタセグメントの形状不良を生じるため好ましくなく、5重量%より少ない場合は、光硬化性が不充分なため好ましくない。
着色組成物に光重合開始剤を使用する際の含有量は、着色組成物の固形分を基準として5〜25重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から6〜23重量%であることがより好ましく、特に好ましくは7〜22重量%である。光重合開始剤の含有量が25重量%より多い場合は、フィルタセグメントの形状不良を生じるため好ましくなく、5重量%より少ない場合は、光硬化性が不充分なため好ましくない。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
着色組成物に増感剤を使用する際の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤量の3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。増感剤の含有量が3重量%より少ない場合は、充分な光硬化性が得られない可能性があるため好ましくなく、60重量%よりも多い場合はフィルタセグメントの形状不良を招くため好ましくない。
着色組成物に増感剤を使用する際の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤量の3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。増感剤の含有量が3重量%より少ない場合は、充分な光硬化性が得られない可能性があるため好ましくなく、60重量%よりも多い場合はフィルタセグメントの形状不良を招くため好ましくない。
本発明の着色組成物は、顔料担体溶液中に有機顔料を分散させる方法や、水または有機溶媒中に有機顔料を分散して顔料分散液を作製したのち顔料担体溶液と混合する方法などにより製造される。顔料の分散方法には特に制限はないが、ビーズミル、サンドミル、ボールミル、3本ロールミル、2本ロールミル等を用いる方法が好ましい。なお、有機顔料とイソインドリン誘導体類からなる顔料分散剤は、別々に顔料担体溶液に分散したのち混合することもできるが、有機顔料の分散性を向上するためには、有機顔料を分散する際にイソインドリン誘導体類からなる顔料分散剤を添加することが好ましい。
着色組成物が2種以上の顔料等を含む場合には、着色組成物は、2種以上の顔料等を混合した後、得られた顔料混合物を顔料担体中に既知の方法で微細に分散して製造することができる。また、着色組成物は、各顔料等を別々に顔料担体中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
有機顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、界面活性剤、他の色素誘導体等の分散助剤を用いることができる。
着色組成物が2種以上の顔料等を含む場合には、着色組成物は、2種以上の顔料等を混合した後、得られた顔料混合物を顔料担体中に既知の方法で微細に分散して製造することができる。また、着色組成物は、各顔料等を別々に顔料担体中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
有機顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、界面活性剤、他の色素誘導体等の分散助剤を用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
他の色素誘導体とは、有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。特に、塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。
色素誘導体が有する塩基性基として具体的には、下記一般式(2)、(3)、(4)および(5)で表される置換基が挙げられる。なかでも、下記一般式(5)で表されるトリアジン骨格を含む塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。
〔式中、X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
R1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更に窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
R3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
R4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
R8、R9:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
P:一般式(6)で表される置換基または一般式(7)で表される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、一般式(6)で表される置換基または一般式(7)で表される置換基を表す。
n:1〜10の整数を表す。
R1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更に窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
R3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
R4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
R8、R9:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
P:一般式(6)で表される置換基または一般式(7)で表される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、一般式(6)で表される置換基または一般式(7)で表される置換基を表す。
塩基性基を有する色素誘導体を構成する有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素が挙げられる。また、先に例示した有機顔料でもよい。
また、塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲンまたはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
塩基性基を有する色素誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素に、下記式(8)〜(11)で表される置換基を導入した後、該置換基と反応して一般式(2)〜(5)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
式(8) −SO2Cl
式(9) −COCl
式(10) −CH2NHCOCH2Cl
式(11) −CH2Cl
式(9) −COCl
式(10) −CH2NHCOCH2Cl
式(11) −CH2Cl
有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(2)〜(5)で表される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによって塩基性基を有するアゾ系色素誘導体を製造することもできる。
また、本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(2)〜(5)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
また、本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(2)〜(5)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
一般式(2)〜(5)で表される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明の着色組成物には、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が1〜2.5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
本発明の着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット用印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。着色レジスト材は、顔料担体である熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂または感光性樹脂とモノマー、光重合開始剤を含有する組成物中に、有機顔料と、イソインドリン誘導体類からなる顔料分散剤とを分散させたものである。
有機顔料は、好ましくは、フィルタセグメントをフォトリソグラフィー法により形成する場合には、着色組成物中に1.5〜7重量%の割合で含有され、フィルタセグメントを印刷法により形成する場合には、着色組成物中に1.5〜40重量%の割合で含有される。いずれにしろ、有機顔料は、最終フィルタセグメント(着色組成物の固形分)中に好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜40重量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、カラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明あるいは反射基板上に、一色または複数色のフィルタセグメントが形成されているものであり、一般的にはR(赤)、G(緑)、B(青)の3色のフィルタセグメントが形成されたものや、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のフィルタセグメントが形成されたもの等がある。各色のフィルタセグメントは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物を用いて形成することができる。
本発明のカラーフィルタは、透明あるいは反射基板上に、一色または複数色のフィルタセグメントが形成されているものであり、一般的にはR(赤)、G(緑)、B(青)の3色のフィルタセグメントが形成されたものや、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のフィルタセグメントが形成されたもの等がある。各色のフィルタセグメントは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物を用いて形成することができる。
透明基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
反射基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
反射基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布し、必要により乾燥して顔料分散塗膜を形成する。次いで、この膜と接触あるいは非接触状態で所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめ着色組成物の層を形成しておき、この着色組成物の層を所望の透明基板に転写させる方法である。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめ着色組成物の層を形成しておき、この着色組成物の層を所望の透明基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラスト比を一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
カラーフィルタと対向基板とを、シール剤を用いて張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
カラーフィルタと対向基板とを、シール剤を用いて張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に,実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」および「%」とは、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表わす。
(製造例1)
シアノ酢酸エチル1mol、スルファニル酸1mol、水30ml、苛性ソーダ1.1molを沸点で12時間加熱撹拌した。50℃まで冷却後、メタノール300ml、1,3−ジイミノイソインドリン1.005molを加え、さらに50℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、60%酢酸水溶液2000mlを加え、さらにバルビツール酸1molを加え、そのまま室温で1時間撹拌した。その後pHを中性にまで戻した後、金属塩を与える化合物として硫酸アルミニウム0.167molを加え40℃にて1時間撹拌した。得られた溶液を濾過、水洗し表1に示す顔料分散剤(a)を得た。
(製造例2)
製造例1のスルファニル酸をβアラニンに変更した以外は、すべて同じ方法で、製造を行い、表1に示す顔料分散剤(b)を得た。
シアノ酢酸エチル1mol、スルファニル酸1mol、水30ml、苛性ソーダ1.1molを沸点で12時間加熱撹拌した。50℃まで冷却後、メタノール300ml、1,3−ジイミノイソインドリン1.005molを加え、さらに50℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、60%酢酸水溶液2000mlを加え、さらにバルビツール酸1molを加え、そのまま室温で1時間撹拌した。その後pHを中性にまで戻した後、金属塩を与える化合物として硫酸アルミニウム0.167molを加え40℃にて1時間撹拌した。得られた溶液を濾過、水洗し表1に示す顔料分散剤(a)を得た。
(製造例2)
製造例1のスルファニル酸をβアラニンに変更した以外は、すべて同じ方法で、製造を行い、表1に示す顔料分散剤(b)を得た。
(製造例3)
スルファニル酸1molを5%酢酸水溶液400mlに溶解させ、ケテンダイマー1.1molを徐々に滴下し室温で6時間撹拌し、できた化合物を濾別した。メタノール400mlに化合物および1,3−ジイミノイソインドリン1molを加え50℃にて1時間加熱した。室温まで冷却後、40%酢酸水溶液300mlを加え、バルビツール酸1molを加えた。2時間沸点にて加熱撹拌した後、メタノールを留去し室温まで冷却した。水2000mlを加え、塩化カルシウム0.5molを加えて40℃にて1時間撹拌した。得られた溶液を濾過、水洗し表1に示す顔料分散剤(c)を得た。
(製造例4)
製造例3のスルファニル酸をp−アミノ安息香酸に変更した以外は、すべて同じ方法で製造を行い、表1に示す顔料分散剤(d)を得た。
スルファニル酸1molを5%酢酸水溶液400mlに溶解させ、ケテンダイマー1.1molを徐々に滴下し室温で6時間撹拌し、できた化合物を濾別した。メタノール400mlに化合物および1,3−ジイミノイソインドリン1molを加え50℃にて1時間加熱した。室温まで冷却後、40%酢酸水溶液300mlを加え、バルビツール酸1molを加えた。2時間沸点にて加熱撹拌した後、メタノールを留去し室温まで冷却した。水2000mlを加え、塩化カルシウム0.5molを加えて40℃にて1時間撹拌した。得られた溶液を濾過、水洗し表1に示す顔料分散剤(c)を得た。
(製造例4)
製造例3のスルファニル酸をp−アミノ安息香酸に変更した以外は、すべて同じ方法で製造を行い、表1に示す顔料分散剤(d)を得た。
(製造例5〜8)
製造例1〜4において、硫酸アルミニウムをラウリルアミン1molに変更した以外は、すべて同じ方法で表1、2に示す顔料分散剤(e)〜(h)を得た。
(製造例9〜10)
製造例1〜2において、金属塩とする処理を行わず、そのまま取り出した以外は、すべて同じ方法で表2に示す顔料分散剤(i)〜(j)を得た。
製造例1〜10で得られた顔料分散剤は、1H-NMRおよびLC/MSにて化合物の同定を行い、それぞれ目的の化合物が得られていることを確認した。
製造例1〜4において、硫酸アルミニウムをラウリルアミン1molに変更した以外は、すべて同じ方法で表1、2に示す顔料分散剤(e)〜(h)を得た。
(製造例9〜10)
製造例1〜2において、金属塩とする処理を行わず、そのまま取り出した以外は、すべて同じ方法で表2に示す顔料分散剤(i)〜(j)を得た。
製造例1〜10で得られた顔料分散剤は、1H-NMRおよびLC/MSにて化合物の同定を行い、それぞれ目的の化合物が得られていることを確認した。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管より、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート60.0部、アゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下後さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約40000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管より、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート60.0部、アゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下後さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約40000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
(黄色処理顔料の調製)
C.I. Pigment Yellow185(BASF社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色処理顔料1を得た。
C.I. Pigment Yellow185(BASF社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色処理顔料1を得た。
[実施例1〜15および比較例1〜4]
表3に示す組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散し、5μmのフィルタで濾過して、顔料分散体を作製した。得られた顔料分散体を含む下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物であるアルカリ現像型着色レジスト材を得た。
表3に示す顔料分散体 60.0部
光重合開始剤(Ciba社製「イルガキュア907」) 1.2部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.2部
(新中村化学株式会社製「NKエステルATMPT」)
増感剤(保土ヶ谷化学株式会社製「EAB−F」) 0.4部
アクリル樹脂溶液 11.0部
シクロヘキサノン 23.2部
表3に示す組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散し、5μmのフィルタで濾過して、顔料分散体を作製した。得られた顔料分散体を含む下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物であるアルカリ現像型着色レジスト材を得た。
表3に示す顔料分散体 60.0部
光重合開始剤(Ciba社製「イルガキュア907」) 1.2部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.2部
(新中村化学株式会社製「NKエステルATMPT」)
増感剤(保土ヶ谷化学株式会社製「EAB−F」) 0.4部
アクリル樹脂溶液 11.0部
シクロヘキサノン 23.2部
C.I. Pigment Yellow 139:BASF社製「パリオトールエローD1819」
C.I. Pigment Yellow 185:BASF社製「パリオトールエローD1155」
*2:実施例および比較例に用いられた塩基性樹脂型分散剤は以下の通りである。
PB−821:味の素ファインケミカル社製「アジスパーPB−821」
SP24000:アビシア社製「ソルスパーズ24000」
実施例1〜15、比較例1〜4で得られたアルカリ現像型着色レジスト材の、調整翌日の粘度および40℃で7日静置後の粘度を、E型粘度計(東機産業社製「R110」)を用いて測定した。40℃で7日静置前後の粘度の変化量が1割未満を◎、1割以上2割未満を○、2割以上5割未満を△、5割以上を×として、保存安定性を評価した。
ついで、実施例1〜15、比較例1〜4で得られたアルカリ現像型着色レジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpm、1000rpm、1500rpmの回転数で塗布し、着色レジスト材の膜厚が異なる3種の塗布基板を得た。レジスト材塗布基板を、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mj/cm2で紫外線露光を行い、230℃で40分加熱、放冷後、コントラスト比を測定した。
評価結果を表4に示す。
ついで、実施例1〜15、比較例1〜4で得られたアルカリ現像型着色レジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpm、1000rpm、1500rpmの回転数で塗布し、着色レジスト材の膜厚が異なる3種の塗布基板を得た。レジスト材塗布基板を、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mj/cm2で紫外線露光を行い、230℃で40分加熱、放冷後、コントラスト比を測定した。
評価結果を表4に示す。
Claims (5)
- 前記顔料分散剤が、一般式(1)で表されるイソインドリン誘導体のアルミニウム塩であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに、樹脂型分散剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記樹脂型分散剤が塩基性樹脂型分散剤であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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JP2019113671A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及び顔料分散剤 |
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- 2004-11-24 JP JP2004339374A patent/JP2006146078A/ja active Pending
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