JP2006144955A - フローティングシール組立用治具及びそれを用いたフローティングシール組立方法 - Google Patents

フローティングシール組立用治具及びそれを用いたフローティングシール組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フローティングシール組立用治具及びそれを用いたフローティングシール組立方法に関し、簡素な構成で、Oリングの取付作業における作業性及び生産性を向上させる。
【解決手段】 固定部材と回転部材との間に形成された環状溝内部に、該固定部材に着接する第1弾性環とそれに内嵌される第1シール環と該回転部材に着接する第2弾性環とそれに内嵌される第2シール環とを備えたフローティングシールを組み立てるための組立用治具であって、第1又は第2シール環4の内周面4dが摺接しうる外径を有する筒部2と、第1又は第2シール環4の端部4cに当接して軸方向の移動を拘束する段部3と、端部4cの段部3への当接時に、第1又は第2弾性環5と該固定部材又は該回転部材との着接面Bへ組立用潤滑材を付着させるアプリケータ1とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、フローティングシールの組立時に用いて好適なフローティングシール組立用治具及びそれを用いたフローティングシール組立方法に関する。
従来より、油圧ショベル等の作業機械に用いられる軸受装置では、軸受部に潤滑油を封入するために、ゴムリング等のOリングを用いたフローティングシールや、単純なOリング,オイルシール,ダストシール等のシール機構が用いられている。これらのうち、フローティングシールを用いたシール機構を適用した軸受装置は、摺動可能なシール面を形成することができ、外部から軸受部分への異物の侵入を防止しながら摩擦による摩耗を抑えることができる優れた特性を有している。
軸受装置に用いられるフローティングシールに関する技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1には、軸受装置の固定部である固定ケーシングと回転部である回転ケーシングとに対して、各々対向する一対のシールリングと一対のOリングとを備え、各ケーシングとシールリングとの間にOリングを弾性変形させながら挟装して、各Oリングの押圧力によって一対のシールリング同士が密接するように構成されたシール機構が記載されている。
このようなフローティングシールの構成により、各ケーシングとOリング,Oリングとシールリング,及びシールリング同士が密接してシールされ、シール内の軸受部の潤滑油を効果的に封入しておくことができるようになっている。
ところで、このようなフローティングシールのシール機構において、対向する一対のシールリング同士の接触面は、互いに密接した状態で摺動しながら液密性(シール)を保つように機能する部位であり、一方、各ケーシングとOリング,及びOリングとシールリングとの接触面は、相対移動することなく、言わばそれらが互いに固着された状態でシールを保持するように機能する部位である。したがって、もしもOリングの取付け位置が正規の位置からずれたり捩れた状態でフローティングシールが組立てられた場合には、Oリングがずれたまま、又は捩れれたままとなってしまう。このように、各ケーシングとOリング,及びOリングとシールリングとの接触面のシーリング性能は、フローティングシールの組立時におけるOリングの取付精度や組立品質によって大きく左右される。
そのため、一般にフローティングシールの組立作業においては、Oリングに捩れや歪みのないことをひとつひとつ人の手で確認しながら、Oリングの取り付けが行われるようになっている。
特開2000−46197号公報
しかし、各ケーシングとOリング,及びOリングとシールリングとの接触面では、Oリングが弾性変形した状態で各ケーシング,シールリングを押圧するように組み立てられるため、Oリング取付時におけるOリングとそのハウジング(すなわち、Oリングが収められる部位)との接触抵抗が大きく、捩れや歪みなく取付けることが困難であるという課題がある。
このような課題に対して、予めOリングにアルコール等の潤滑材を塗布して、接触抵抗を低減させた後に取付けを行うことも考えられる。しかしこの場合、取付の完了後にOリング表面に潤滑材が残留したままであれば、Oリングがハウジング内で沈み込んで、Oリングが正規の取付位置からずれて歪んだ形状となることがあり、シール性能が大きく低下する原因ともなりかねず、塗布した潤滑材がハウジング内で乾燥する乾燥時間を大きく取る必要が生じてしまう。
また、Oリングの取付に際しては、人の手で確認しながら作業を行う必要があることから、例えば潤滑材の塗布のみを機械化したとしても効率的ではなく、一般には人力によって潤滑油の塗布作業を行うため、潤滑材の塗布量にばらつきが生じやすい。
このように、Oリングの取付作業においては、作業性を向上させにくく、このため、フローティングシールの生産性を高めにくいという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、Oリングの取付作業における作業性及び生産性を向上させることができるフローティングシール組立用治具及びそれを用いたフローティングシール組立方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のフローティングシール組立用治具(請求項1)は、固定部材と該固定部材に対して回転摺動する回転部材との間に形成された環状溝内部に、該固定部材に環状に着接する第1弾性環と、該第1弾性環に内嵌されて該固定部材側に配される第1シール環と、該回転部材に環状に着接する第2弾性環と、該第2弾性環に内嵌されて該回転部材側に配される第2シール環とを備え、該第1シール環及び該第2シール環の軸方向に互いに対向するシール面を該第1弾性環及び該第2弾性環の弾力によって当接させながら摺動させるよう構成されたフローティングシール、を組み立てるための組立用治具であって、該第1シール環又は該第2シール環の内周面が摺接しうる外径を有する筒部と、該第1シール環又は該第2シール環の該筒部との摺接時に、該第1シール環又は該第2シール環の端部に当接して該第1シール環又は該第2シール環の軸方向の移動を拘束する段部と、該端部の該段部への当接時に、該第1シール環に外嵌された該第1弾性環と該固定部材との着接面又は該第2シール環に外嵌された該第2弾性環と該回転部材との着接面へ組立用潤滑材を付着させるアプリケータとを備えたことを特徴としている。
また、該アプリケータは、該組立用潤滑材を付着させる際に、該第1弾性環又は該第2弾性環の該着接面と面接触する面部を有することが好ましい(請求項2)。
また、該アプリケータの一端部に設けられて該組立用潤滑材を貯留する貯留部とを併せて備えるとともに、該アプリケータは、内部に連なる細孔を有した多孔質から形成されていることが好ましい(請求項3)。
また、本発明のフローティングシール組立方法(請求項4)は、請求項1記載のフローティングシール組立用治具を用意し、該第1シール環又は該第2シール環の内周面を該筒部の外周に摺接させ、該端部を該段部へ当接させた時に、該アプリケータによって、該第1シール環に外嵌された該第1弾性環と該固定部材との着接面又は該第2シール環に外嵌された該第2弾性環と該回転部材との着接面へ組立用潤滑材を付着させ、その後、該第1シール環に外嵌された該第1弾性環又は該第2シール環に外嵌された該第2弾性環を該環状溝内部に組み付けることを特徴としている。
本発明のフローティングシール組立用治具及びフローティングシール組立方法(請求項1,4)によれば、簡素な構成で、組立用潤滑材の塗布範囲及び塗布量を正確に設定することができ、塗布範囲及び塗布量のばらつきをなくすことができ、フローティングシールの作業性を改善でき、組立品質を安定化させることができる。
また、塗布範囲及び塗布量を必要最小限に設定することにより、組立用潤滑材の乾燥時間を短縮させることができ、生産性を向上させることができる。
また、本発明のフローティングシール組立用治具(請求項2)によれば、組立用潤滑材は、アプリケータの面部と面接触によって着接面へ付着するようになっているため、着接面において均一に組立用潤滑材を付着させることができる。
また、本発明のフローティングシール組立用治具(請求項3)によれば、毛細管現象を利用して、該貯留部に貯留された該組立用潤滑材の面部への供給量を適量にコントロールすることができる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態としてのフローティングシール組立用治具を示すもので、図1は本治具の全体構成を示す斜視図、図2は本治具の構成を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその縦断面図〔図2(a)のA−A断面図〕、図3(a)〜(d)は本治具を用いたフローティングシールの組立作業を説明するための断面模式図、図4は本治具を用いて組み立てられる一般的なトラックローラの構成を示す図であり、(a)はその部分断面側面図、(b)はトラックローラのフローティングシールの構成を示す拡大断面図である。
[フローティングシールの構成]
本発明のフローティングシール組立用治具は、作業機械の走行装置等に装着されるフローティングシールの組み立て作業時に用いられる。このフローティングシールは、例えば履帯を駆動する駆動輪(スプロケット)や遊動輪(アイドラ),上転輪(キャリアローラ),下転輪(トラックローラ)等の夫々の回転部に装着されるようになっている。
一例として図4に、フローティングシールが装着された下転輪(トラックローラ)を示す。
図4(a),(b)に示すように、このトラックローラ10は、図示しない履帯に内接する回転部材としてのローラ7と、ローラ7の回転軸としてのシャフト8と、シャフト8に固定された固定部材としてのカラー6とを備えている。ローラ7はカラー6及びシャフト8に対して回転摺動するようになっており、ローラ7とシャフト8との間にベアリング9が介装されるとともに、カラー6とローラ7との間にフローティングシール11が設けられている。
フローティングシール11は、カラー6とローラ7との摺動部に沿って凹形状に形成された凹部(環状溝)6a,7aの内部において、環状の弾性体によって形成されてカラー6に着接する第1ゴムリング(第1弾性環)5Aと、第1ゴムリング5Aに内嵌される凹形状の装着部4Aaが設けられた固定メタルリング(第1シール環)4Aと、環状の弾性体によって形成されてローラ7に着接する第2ゴムリング(第2弾性環)5Bと、第2ゴムリング5Bに内嵌される凹形状の装着部4Baが設けられた回転メタルリング(第2シール環)4Bとを備えて構成されている。
一対のゴムリング5A,5Bは、例えば弾性的に変形が可能なゴム製のシールリングとなっており、ゴムリング5Aには固定メタルリング4Aが、ゴムリング5Bには回転メタルリング4Bがそれぞれ内嵌されるようになっている。
一方、一対のメタルリング4A,4Bは、耐磨耗性の高い樹脂や金属材料から形成されており、各々の外周に設けられた凹形状の装着部4Aa,4Ba(これらを単に、装着部4aとも呼ぶ)にゴムリング5A,5Bが外嵌されるようになっている。これにより、固定メタルリング4Aは、第1ゴムリング5Aを介してカラー6に固定され、一方、回転メタルリング4Bは、第2ゴムリング5Bを介してローラ7と一体的に回転するようになっている。
なお、図4(a)に示すトラックローラ10は、図中の中心線CLについて略左右対称に形成されており、符号を左右いずれか一方のみに付している。
また、一対のゴムリング5A,5Bがカラー6,ローラ7に着接する凹部6a,7aの内周面6b,7bは、シャフト8の軸方向に対して所定角度の傾斜を持つように形成されており、一対のゴムリング5A,5Bが内周面6b,7bに着接した状態で、一対のゴムリング5A,5B同士が互いに押圧し合う方向に力が働くようにその傾斜が設定されている。
つまり、一対のゴムリング5A,5Bが内周面6b,7bに着接した状態では、各ゴムリング5A,5Bに内嵌された固定メタルリング4A,回転メタルリング4B同士が、接触する方向に互いに押圧するようになっている。これにより、一対のメタルリング4A,4Bは、シャフト8の回転軸方向に対向する各々のシール面4Ab,4Bb(これらを単に、シール面4bとも呼ぶ)を所定の面圧で当接させながら摺動して、常にシール構造を保持できるようになっている。
また、図4(b)に示すように、固定メタルリング4A,回転メタルリング4Bは、カラー6やローラ7へ直接接触しないようになっており、断面図上において各メタルリング4A,4Bの内周面4dがカラー6やローラ7から浮いたような状態で備えられている。
また、カラー6及びローラ7の凹部6a,7aにおいて、一対のゴムリング5A,5Bによって密閉されたシール空間13には、回転摺動面であるシール面4bを潤滑するための潤滑油が密封されている。このように、本シール構造によってカラー6とローラ7との摺動部分において、外部からの異物(例えば、泥水や土砂等)の侵入が防止されるとともに、内部の潤滑油の漏洩が防止されるようになっている。
なお、上述のフローティングシール11では、一対のメタルリング4A,4B及び一対のゴムリング5A,5Bは、それぞれ同一の形状を有したものとなっており、以下これらを単に、メタルリング4,ゴムリング5と呼ぶ。
[治具の構成]
次に、上述のフローティングシール11を組み立てるための組立用治具を説明する。
図1,図2(a),(b)に示すように、本フローティングシール組立用治具12は、メタルリング4の内周面が摺接しうる外径を有する筒部2と、メタルリング4の筒部2との摺接時にメタルリング4の端部に当接する段部3と、メタルリング4と段部3とが当接した時に、メタルリング4に外嵌されるゴムリング5へ組立用潤滑材を付着させるスポンジ(アプリケータ)1とを備えて構成されている。
筒部2は、その外周面2aがメタルリング4の内周面4dと略同径に形成されており、メタルリング4の内周面4dを筒部2の外周面2aに摺接させると、メタルリング4は筒部2上を自在に摺動できるようになっている。
また、図2(b)中における筒部2の下部には、筒部2に隣接して筒部2の外形が拡径形成された段部3が設けられており、筒部2上を摺動するメタルリング4の端部4c(図3(a)参照)がこの段部3に当接して、メタルリング4が図2(b)中における段部3よりも下方へ移動しないようになっている。つまり段部3は、筒部2上を摺動するメタルリング4の軸方向への移動を拘束するように機能することになる。
スポンジ1は、図2(a)に示すように、段部3の外周に沿って形成された溝部14の内部に、筒部2の周囲を囲むように環状に備えられている。このスポンジ1は、ゴムリング5をカラー6又はローラ7の凹部6a,7aへ取り付ける際の接触抵抗を低減させるための組立用潤滑材(例えば、イソプロピルアルコール等)を含有したスポンジであり、メタルリング4の端部4cが段部3に当接したときに、メタルリング4に外嵌されたゴムリング5の図3中B部に組立用潤滑材を付着させるようになっている。なお、ここでは揮発性の高い組立用潤滑材が用いられており、組立時には潤滑材として働くが、組立完了後には揮発して潤滑性が失われるようになっている。
ここで、ゴムリング5のB部は、ゴムリング5に内嵌されたメタルリング4をカラー6又はローラ7の凹部6a,7aへ取り付けたときに、ゴムリング5が内周面6b,7bと接触する部位であり、B部の面積はゴムリング5を捩れや歪みなく内周面6b,7bに着接するために必要な最小限の面積となっている。
なお、スポンジ1には、ゴムリング5のB部に対して面接触するテーパ面(面部)1aが形成されている。これにより、ゴムリング5のB部にスポンジ1から与えられる面圧が略一定となり、ゴムリング5のB部には略均一に組立用潤滑材が付着するようになっている。
また、スポンジ1の一端部、すなわち図2(b)に示すように、スポンジ1が備えられた溝部14の底部には、組立用潤滑材が貯留する潤滑材貯め部(貯留部)1bが備えられており、スポンジ1の底部がこの潤滑材貯め部1bに浸されてるようになっている。これにより、潤滑材貯め部1bの組立用潤滑材は、毛細管現象によりスポンジ1の内部を吸い上げられて、テーパ面1aへ供給されるようになっている。
なお、本組立用治具には、上述のようなゴムリング5へ潤滑材を付着させる構造が二組設けられており、具体的には、図2(b)に示すように、上述の筒部2,段部3,溝部14及びテーパ面1aを有するスポンジ1のそれぞれに対応して、略同一の断面形状を有し同一機能を備えた、より大径の筒部2′,段部3′,溝部14′及びスポンジ1′を備えている。これにより、本組立用治具を用いて、小径・大径の2種類のゴムリングに対して潤滑材を付着させることができるようになっている。
[作用・効果]
以上のような構成により、本実施形態におけるフローティングシール組立用治具によれば以下のようにフローティングシールが組み立てられる。
まず、ゴムリング5をメタルリング4の装着部4aへ外嵌させる。次に、図3(a)に示すように、ゴムリング5に内嵌されたメタルリング4のシール面4bが上面となる向きで、メタルリング4の内周面4dをフローティングシール組立用治具12の筒部2の外周面2aにあてがい、メタルリング4を矢印C方向へ摺動させて、図3(b)に示すようにメタルリング4の端部4cを段部3へ当接させる。
このとき、メタルリング4に外装されたゴムリング5のB部に対してスポンジ1のテーパ面1aが略垂直に面接触する。スポンジ1は潤滑材貯め部1bから吸い上げられた組立用潤滑材を含んでいるため、ゴムリング5のB部に組立用潤滑材が付着する。
その後、ゴムリング5をメタルリング4とともにフローティングシール組立用治具12から取り出し、カラー6又はローラ7の凹部6a,7aへ取り付ける。例えば、ローラ7側フローティングシール11の組立の場合、図3(c)に示すように、B部にのみ組立用潤滑材が付着したゴムリング5が、メタルリング4に外嵌された状態で矢印D方向へ動かされてローラ7の凹部7aへ取り付けられる。
このとき、ローラ7の凹部7aの内周面7bにゴムリング5のB部が接触するが、B部には組立用潤滑材が付着しているため、ゴムリング5が捩れたり歪むことなく取付がスムーズに行われる。
そして、図3(d)に示すように、ゴムリング5のB部が凹部7aへ着接し、メタルリング4が正規の位置へ備えられて、組立てが完了する。このとき、B部の面積はゴムリング5を捩れや歪みなく内周面6b,7bに着接するために必要な最小限の面積となっているため、組立用潤滑材の付着量も最小限に済ませることができ、組立用潤滑材の乾燥時間を短縮することができる。したがって、組立工程を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
また、環状のスポンジ1にはテーパ面1aが形成されて、このテーパ面1aがゴムリング5のB部に対して面接触するようになっているため、ゴムリング5のB部対して略均一に組立用潤滑材を付着させることができ、組立用潤滑材の付着ムラの発生を防止することができる。
また、スポンジ1は、毛細管現象を利用して潤滑材貯め部1bに貯留された組立用潤滑材を吸い上げるようになっているため、常に適量の組立用潤滑材をスポンジ1のテーパ面1aへ供給することができる。なお、スポンジ1の材質や大きさ、潤滑材貯め部1bからテーパ面1aまでの距離等を適宜調整することで、スポンジ1のテーパ面1aへ供給される組立用潤滑材の量を調整することも可能である。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、ゴムリング5のB部へ組立用潤滑材を付着させるアプリケータとしてスポンジ1が用いられているが、アプリケータの材質や種類や形状は任意であり、組立用潤滑材を付着させる機能を有するものであればよい。
また、上述の実施形態では、毛細管現象を利用して組立用潤滑材を潤滑材貯め部1bから吸い上げるべくスポンジ1が用いられているが、スポンジに限らず、内部に連なる細孔を有した多孔質材料であれば毛細管現象を利用することができ、同様の効果を奏するものとなる。なお、毛細管現象を利用する構成は必須ではなく、例えば、一組立作業毎に、必要に応じてスポンジ1のテーパ面1aへ組立用潤滑材を手動で供給するような構成をこれに換えて適用することも考えられる。
また、上述の実施形態では、小径・大径の2種類のゴムリングに対して潤滑材を付着させる構造が二組設けられているが、いずれか一方のみを備えた構成でもよいし、径の異なる別のゴムリングに対応する構造がさらに追加形成された治具としてもよい。
なお、上述の実施形態では、図4に示すような構成のフローティングシールの組立作業に本フローティングシール組立用治具を用いた場合を説明したが、本治具はその他一般のフローティングシールの組立作業に用いることが可能であり、例えば、メタルリング4やゴムリング5の形状や材質に関わらず適用することができる。
本発明の一実施形態としてのフローティングシール組立用治具の全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態としてのフローティングシール組立用治具の構成を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその縦断面図〔図2(a)のA−A断面図〕である。 本発明の位置実施形態としてのフローティングシール組立用治具を用いたフローティングシールの組立作業を説明するための模式的断面図であり、(a)は本治具に対し、弾性環に内嵌されたシール環をあてがった状態を示す模式的断面図、(b)は本治具を用いて弾性環に組立用潤滑材を付着させた状態を示す模式的断面図、(c)は弾性環及びシール環のローラへの取付時の状態を示す模式的断面図、(d)は弾性環及びシール環のローラへの取付完了時の状態を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態としてのフローティングシール組立用治具を用いて組み立てられるトラックローラの構成を示す図であり(a)はトラックローラの部分断面側面図,(b)はトラックローラのフローティングシールの構成を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 スポンジ(アプリケータ)
1a テーパ面(面部)
1b 潤滑材貯め部(貯留部)
2 筒部
2a 外周面
3 段部
4(4A,4B) メタルリング(第1シール環,第2シール環)
4a(4Aa,4Ba) 装着部
4b(4Ab,4Bb) シール面
4c 端部
4d 内周面
5(5A,5B) ゴムリング(第1弾性環,第2弾性環)
6 カラー(固定部材)
7 ローラ(回転部材)
6a,7a 凹部(環状溝)
6b,7b 内周面
8 シャフト
9 ベアリング
10 トラックローラ
11 フローティングシール
12 フローティングシール組立用治具
13 シール空間
14 溝部

Claims (4)

  1. 固定部材と該固定部材に対して回転摺動する回転部材との間に形成された環状溝内部に、該固定部材に環状に着接する第1弾性環と、該第1弾性環に内嵌されて該固定部材側に配される第1シール環と、該回転部材に環状に着接する第2弾性環と、該第2弾性環に内嵌されて該回転部材側に配される第2シール環とを備え、該第1シール環及び該第2シール環の軸方向に互いに対向するシール面を該第1弾性環及び該第2弾性環の弾力によって当接させながら摺動させるよう構成されたフローティングシール、を組み立てるための組立用治具であって、
    該第1シール環又は該第2シール環の内周面が摺接しうる外径を有する筒部と、
    該第1シール環又は該第2シール環の該筒部との摺接時に、該第1シール環又は該第2シール環の端部に当接して該第1シール環又は該第2シール環の軸方向の移動を拘束する段部と、
    該端部の該段部への当接時に、該第1シール環に外嵌された該第1弾性環と該固定部材との着接面又は該第2シール環に外嵌された該第2弾性環と該回転部材との着接面へ組立用潤滑材を付着させるアプリケータとを備えた
    ことを特徴とする、フローティングシール組立用治具。
  2. 該アプリケータは、該組立用潤滑材を付着させる際に、該第1弾性環又は該第2弾性環の該着接面と面接触する面部を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載のフローティングシール組立用治具。
  3. 該アプリケータの一端部に設けられて該組立用潤滑材を貯留する貯留部とを併せて備えるとともに、
    該アプリケータは、内部に連なる細孔を有した多孔質から形成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のフローティングシール組立用治具。
  4. 請求項1記載のフローティングシール組立用治具を用意し、
    該第1シール環又は該第2シール環の内周面を該筒部の外周に摺接させ、
    該端部を該段部へ当接させた時に、該アプリケータによって、該第1シール環に外嵌された該第1弾性環と該固定部材との着接面又は該第2シール環に外嵌された該第2弾性環と該回転部材との着接面へ組立用潤滑材を付着させ、
    その後、該第1シール環に外嵌された該第1弾性環又は該第2シール環に外嵌された該第2弾性環を該環状溝内部に組み付ける
    ことを特徴とする、フローティングシール組立方法。
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Citations (3)

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JPS5993573A (ja) * 1982-11-17 1984-05-30 Fuji Tekkosho:Kk フロ−テイングシ−ルの取付け構造及び組付け方法
JPH0293173A (ja) * 1988-09-30 1990-04-03 Riken Corp フローティングシート
JPH0740042U (ja) * 1993-12-25 1995-07-18 株式会社ユニシアジェックス Oリング装着装置

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