JP2006144537A - プッシュラッチ - Google Patents

Abstract

【課題】グローブボックスのドアまたはゴミ箱を開閉するために自動車内で使用されるプッシュラッチにおいて、品質と機能を保ちながら部品の数を少なくし、金属製のピンやバネの使用を排除し、組立が簡易で且つ製造コストも削減したプッシュラッチ機構の提供。
【解決手段】プッシュラッチ１０はハウジング１２とロック１４とボタン１６を有する。ロック１４は可撓性のあるバネアーム４６とボタン１６のカムスロット５６に係合する円筒形ボス４８とを有する。動作時、ボタン１６が押されると、カムスロット５６はグローブボックスのドアを開放せしめるようにボス４８とロック１４とを下方に押し進める。ボタン１６が解放されると、バネアーム４６が円筒形ボス４８をカムスロット５６内で上方に押し進め、ボタン１６とロック１４とが元の位置に戻される。
【選択図】図１

Description

本発明は、概して、プッシュラッチに関し、特に、グローブボックスやカップホルダーやゴミ箱容器などの自動車内の用途で使用されるプッシュラッチに関する。

プッシュラッチは、グローブボックスやカップホルダーやゴミ箱容器のような区画を開閉するために自動車内で使用されることで知られている。これら公知のラッチ機構の多くは、「プッシュ・プッシュ」構造を使用している。この構造によれば、ラッチ機構は、使用者が押すことでラッチがかかり、同様の或いは全く同じく押すことでラッチが外れる。他のラッチ機構は、「プッシュ・リリース」構造を使用している。この構造によれば、ラッチ機構は、使用者が押し離しすることでラッチがかかり、そして、ラッチが外れるようになる。

ある公知のプッシュラッチは、ボタンと、ボタンを受容するハウジングと、ボタンに動作可能に連結された金属製のロックピンと、ロックピンをロック位置に付勢する金属製のバネとを備える。この従来のデザインは、特定用途においては有用であることが証明されているが、部品の数が比較的多いこととその性質が様々であることを考慮すると、組み立てるのが面倒である。実際に、非常に注意深く組み立てなければ、ロックピンが組立体から早期に外れ、このため、組立者は、始めからやり直さなければならなくなる。こうした余分な複雑さがあるために、組立コストが高くなってしまう。

本発明は、こうした問題と共に、公知のプッシュラッチに関する従来技術の他の問題を解決する。

本発明は、同じ品質と機能を保ちながら、従来技術に典型的に見られる部品の数を減らしたプッシュラッチに関する。また、本発明のプッシュラッチは、金属製のピンやバネの使用を排除し、組立が簡易で且つ製造コストも削減する組立を提供する。例示的な実施形態では、プッシュラッチは、大まかに、三つの部品、すなわち、ハウジングとロックとボタンとを有する。ロックは、可撓性のあるバネアームと、ボタンのカムスロットに係合するボスとを有する。概要的な動作では、ボタンが押されると、カムスロットは、グローブボックスのドアを解放せしめるようにボスとロックとを下方に押し進める。ボタンが解放されると、可撓性のあるバネアームが円筒形ボスをカムスロット内で上方へと押し進め、したがって、ボタンとロックとが元の位置に戻される。

本発明の他の特徴と利点は、特許請求の範囲、以下の説明、および、同様の構成を示すときには同様の参照符号を付してある図面を参照すれば、当業者には明らかであろう。

本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途が以下で説明し図示した構成要素の詳細な構造や配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、別の実施形態も可能であり、様々な形態で実施され実行される。また、ここで使用する言い回しや用語は、説明を目的としたものであって、制限することを目的としたものではない。「備える」「有する」「具備する」やその活用形の使用は、その前に挙げる要素やその均等物のみならず、追加の要素やその均等物をも包含することを意図している。

図１および図２を参照すると、本発明のプッシュラッチ１０の例示的な実施形態の分解組立図が示されており、このプッシュラッチ１０は、例示としてのハウジング１２とロック１４とボタン１６とを有している。以下、これら例示としての部品の構造と関係を説明する。例示としてのハウジング１２は、プラスチックまたは他の適当な材料から作製される箱型のハウジング本体１８を画成する。ハウジング本体１８は、頂壁２４と底壁２６と第一側壁２８と第二側壁３０と後壁３２とによって画成される空洞２０を形成する。さらに、頂壁は、後述するように、ノッチ３４を画成し、このノッチ３４を通ってロックボス４９が延在する。後壁３２は、開口３６を画成する。図３ａを参照すると、開口３６の両側に、スナップまたは可撓性のある保持部材３８が配置され、空洞２０内へと延在している。また、スナップ３８は、後述するように、ロック１４をハウジングに取り付ける働きをし、ハウジング内でロック１４の回動を可能にしている。スナップ３８は、略平行に延在し、図３ｂに示されるように、スナップ３８間にロック１４の円筒形ロッド４４を保持するために互いに向かって延在する対向した端部３９を画成する。さらに、端部３９は、ロック１４の円筒形ロッド４４を挿入しやすくする傾斜面４１を画成する。

図１および図２を再び参照すると、後壁３２から外方へ、自動車内の壁部材のような取付面にハウジング１２をスナップ嵌めするように働く取付部材４０が延在している。取付部材４０は、適合穴または適合開口（図示略）へ取付部材４０が挿入されたときに取付部材が適合穴または適合開口を通り抜けられるように撓んで取付部材４０が完全に挿入された後で元の位置にスナップ式に戻る可撓性のある指部４３を有する。可撓性のある指部４３は、いったんこの位置になると、ハウジング１２を取付面に保持すると共にハウジング１２が取付面の適合穴または適合開口から引っ張り出されてしまうのを防ぐために取付面の背面に接触している。当業者には、本発明を自動車の内部壁に取り付けたり、本発明を取り付けることが望ましい他の壁や表面に本発明を取り付けたりするために、他の適当な取付部材や技術を利用可能であることは明らかであろう。

図１〜図３ｂを参照すると、例示としてのロック１４は、プラスチックまたは他の適当な材料から形成され、一端に円筒形ロッド４４を形成する比較的平らなロック本体４２を画成する。組立時、円筒形ロッド４４は、図３ａおよび図３ｂに示されるように、スナップまたは保持部材３８内にスナップ式に嵌まり込む。いったんその位置にスナップ式に嵌まり込むと、ロック１４は、方向を示す矢印４５（図３ｂ参照）で示されているように、スナップ３８内で円筒形ロッド４４周りで枢動可能となる。ロック本体４２から外方へ、可撓性のあるバネアーム４６が角度をつけて延在している。バネアーム４６は、端部４７のところでロック本体４２に接続される。図３ｂに示すように、バネアーム４６は、曲線のある形状であり、ハウジング１２の底壁２６の内側に接する自由端５１を画成する。プッシュラッチ１０の動作中、バネアーム４６は、ロック本体４２を円筒形ロッド４４周りでハウジング１２のスナップ３８内で枢動せしめている。また、バネアーム４６は、ロック本体４２を元の位置に戻るように付勢する。その付勢は、バネアーム４６が撓むと共に自由端５１がハウジングの底壁２６の内側に沿ってスライドすることによってなされる。バネアーム４６は、ハウジング内でロック本体４２を付勢せしめる種々の形状と構造とを画成する。

図１および図２を参照すると、ロック本体４２の下方で該ロック本体４２から外方へ、互いに反対側に位置する二つの円筒形ボス４８が延在しており、これら円筒形ボス４８は、ボタン１６に形成される適合カムスロット５６と互いにそれぞれ係合する。また、円筒形ボス４８は、後述するように、カムスロット５６に沿って互いにスライドする。なお、円筒形ボス４８は、カムスロット５６に沿ってスライド可能な他の形状と構造とを画成してもよい。

円筒形ロッド４４とは反対側のロック本体４２の端部のところには、ロック本体４２の上方で該ロック本体４２から外方へ延在するロックボス４９がある。ロックボス４９は、テーパの付いた端部５３を有するＵ字型の本体を画成する。ロックボス４９は、グローブボックスのドアまたはゴミ箱（図示略）を閉じた位置に保持する働きをする。後述するように、ロックボス４９がハウジング内へと下方へ引っ張られると、ロックボス４９は、グローブボックスのドアまたはゴミ箱から離れ、それによって、グローブボックスのドアまたはゴミ箱が開くことが許可される。グローブボックスのドアまたはゴミ箱が閉じた位置に動かされると、グローブボックスのドアまたはゴミ箱は、テーパ端部５３に接触し、テーパ端部５３に沿ってスライドし、それによって、ロックボス４９がハウジング１２内へと下方へ動かされてグローブボックスのドアまたはゴミ箱から離れ、グローブボックスのドアまたはゴミ箱が閉じた位置に移動することが許可される。

図１および図２を参照すると、例示としてのボタン１６は、ボタン本体５０と外方へ延在する一対のアーム５２とを画成する。ボタン本体５０は、例えば、プラスチックまたは他の適当な材料から作られ、数々の形状と構造とを画成する。各アーム５２は、ボタン本体５０から外方へ延在する。各アーム５２は、ロック１４の円筒形ボス４８を受けるスナップ５４とカムスロット５６とを画成する。スナップ５４は、円筒形ボス４８がカムスロット５６内へと通過することを許可するが円筒形ボス４８がカムスロット５６から外方へ出てしまうのを防ぐ下方へ延在する可撓性のある指部として形成される。さらに、スナップ５４は、角度を付けられた面５７を画成し、面５７は、円筒形ボス４８が接触したとき、スナップ５４を撓ませ、それによって、円筒形ボス４８がスナップ５４を通過することが許可される。また、スナップ５４は、湾曲形状の凹部５９を画成し、この凹部５９は、図４ｂに示されているように、スロット５６内に円筒形ボス４８を収容すると共に円筒形ボス４８がスロット５６から外れて後方へ移動してしまうのを防ぎ、それによって、ボタン１６がハウジング１２から落ちたり引っ張り出されたりすることを防ぐストッパとして機能する。

カムスロット５６は、傾いたスロットとして構成され、円筒形ボス４８を受容する大きさと形状にされている。後述するように、ボタン１６が押されると、カムスロット５６は、該カムスロット５６に沿って円筒形ボス４８を移動させるように円筒形ボス４８に作用する。

図５ａ〜図５ｃおよび図６ａ〜図６ｃは、プッシュラッチ１０の動作のいくつかの状態を示している。図５ａ〜図５ｃを参照すると、ボタン１６が矢印７０方向に押されると、ボタン１６のアーム５２にあるカムスロット５６は、ロック１４の円筒形ボス４８をカムスロット５６内で下方へと促す。図５ｂおよび図５ｃに示されるように、これにより、ロック１４がハウジング内で下方へと移動せしめられ、さらに、ロックボス４９がノッチ３４を通ってハウジング１２内へと下降せしめられる。いったんロックボス４９がハウジング１２内へ移動せしめられると、ロックボス４９は、もはや、グローブボックスのドアまたはゴミ箱（図示略）を保持しておらず、したがって、グローブボックスのドアまたはゴミ箱が開くことが許可される。また、図５ａ〜図５ｃに示されるように、バネアーム４６は、ハウジング１２内へのロックボス４９の下降が許可されるように押し下げられる。

図６ａ〜図６ｃに示されるように、ボタン１６が解放されると、ロック１４の押し下げられていたバネアーム４６は、ロック１４の円筒形ボス４８をボタン１６のカムスロット５６内で上方へと付勢し或いは促す。また、図６ａおよび図６ｂに示されるように、押し下げられていたバネアーム４６は、方向を示す矢印７１で示されるように、ノッチ３４を通るようにロックボス４９をハウジング１２内で上方へと回動させる。図６ｂおよび図６ｃに示されるように、これにより、方向を示す矢印７２で示されるように、ボタン１６が外方へ移動せしめられ、元の位置へ戻される。図６ａ〜図６ｃに示されるように、スナップ３８内での円筒形ロッド４４の回転動作は、ロック１４の移動をさらに容易にし、したがって、プッシュラッチ１０の動作も容易にする。

上述した事項の変更と改良も、本発明の範囲内である。ここで開示され定義された発明は、上述した個々の特徴、或いは、本明細書および／または図面から明らかな個々の特徴の二つ又はそれ以上の代替的な全ての組合せにまで及ぶ。これら様々な組合せは、全て、本発明の種々の代替的な特徴を構成する。ここで説明した実施形態は、本発明を実践するために知られる最良の形態を説明しており、当業者に本発明を利用可能とするためのものである。特許請求の範囲は、代替の実施形態を先行技術によって許容される範囲まで包含するように解釈されるべきである。

本発明の種々の特徴は、特許請求の範囲に記載されている。

本発明のプッシュラッチの例示的な実施形態の組立分解等角図である。 本発明のプッシュラッチの例示的な実施形態の別の組立分解等角図である。 図1のプッシュラッチの例示的なハウジングへの例示的なロックの取付けの断面等角図である。 図３ａの組み立てられたロックとハウジングとの側断面図である。 図３ｂの例示としてのロック・ハウジング組立体への例示としてのボタンの取付けの断面等角図である。 図４ａの組み立てられたボタンとロックとハウジングとの側断面図である。 プッシュラッチの開放動作位置の側断面図を描写している。 プッシュラッチの別の開放動作位置の側断面図を描写している。 プッシュラッチの別の開放動作位置の側断面図を描写している。 プッシュラッチの閉鎖動作位置の側断面図を描写している。 プッシュラッチの別の閉鎖動作位置の側断面図を描写している。 プッシュラッチの別の閉鎖動作位置の側断面図を描写している。

符号の説明

１０ プッシュラッチ
１２ ハウジング
１４ ロック
１６ ボタン
１８ ハウジング本体
２０ 空洞
２４ 頂壁
２６ 底壁
２８ 第一側壁
３０ 第二側壁
３２ 後壁
３４ ノッチ
３６ 開口
３８ スナップ
３９ 端部
４０ 取付部材
４１ 傾斜面
４２ ロック本体
４３ 指部
４４ 円筒形ロッド
４５ 矢印
４６ バネアーム
４７ 端部
４８ 円筒形ボス
４９ ロックボス
５０ ボタン本体
５１ 自由端
５２ アーム
５３ テーパ端部
５４ スナップ
５６ カムスロット
５７ 面
５９ 凹部
７０，７１，７２ 矢印

Claims (20)

1. 壁を画成するハウジングであって前記壁が該壁から外方へ延在する保持部材を有するハウジングと、前記保持部材に取り付けられるロッドを画成するロック本体と該ロック本体から外方へ延在するバネ部材と前記ロック本体から外方へ延在する少なくとも一つのボスと前記ロック本体から外方へ延在するロックボスとを画成するロックと、前記少なくとも一つのボスを受容するスロットを画成する少なくとも一つのアーム部材を有するボタンとを具備するプッシュラッチ機構。
2. 前記少なくとも一つのアーム部材がスナップ部材を画成する請求項１に記載のプッシュラッチ機構。
3. 前記スナップ部材が前記少なくとも一つのボスを収容する接触面を画成する請求項２に記載のプッシュラッチ機構。
4. 前記ボタンが二つのアーム部材を有し、各アーム部材がスロットとスナップ部材とを画成する請求項１に記載のプッシュラッチ機構。
5. 前記ハウジングが底壁を画成し、前記バネ部材が前記ロック本体から外方へ延在して前記底壁と接触する請求項１に記載のプッシュラッチ機構。
6. 前記ロック本体が互いに反対側に位置する二つのボスを画成する請求項４に記載のプッシュラッチ機構。
7. 前記ハウジングが頂壁と該頂壁に形成されるノッチとを画成する請求項１に記載のプッシュラッチ機構。
8. 頂壁と底壁と後壁とを画成するハウジングであって前記後壁が該後壁から外方へ延在する保持部材を画成するハウジングと、前記保持部材に取り付けられるロッドを有するロック本体と前記ロック本体から外方へ延在して前記底壁と接触するバネ部材と前記ロック本体から外方へ延在する少なくとも一つのボスと前記ロック本体から前記頂壁を通って外方へ延在するロックボスとを画成するロックと、前記少なくとも一つのボスを受容するスロットを画成する少なくとも一つのアーム部材を有するボタンとを具備する自動車内で使用されるプッシュラッチ機構。
9. 前記少なくとも一つのアーム部材がスナップ部材を画成する請求項８に記載のプッシュラッチ機構。
10. 前記スナップ部材が前記少なくとも一つのボスを収容する接触面を画成する請求項９に記載のプッシュラッチ機構。
11. 前記ボタンが二つのアーム部材を有し、各アーム部材がスロットとスナップ部材とを画成する請求項８に記載のプッシュラッチ機構。
12. 前記ロック本体が互いに反対側に位置する二つのボスを画成する請求項１１に記載のプッシュラッチ機構。
13. 前記頂壁が該頂壁に形成されるノッチを画成する請求項８に記載のプッシュラッチ機構。
14. 前記バネ部材が前記ロック本体から外方へ角度をつけて延在し、前記ロッド周りでの前記ロック本体の回転動作を生じさせる請求項８に記載のプッシュラッチ機構。
15. 頂壁と底壁と後壁とを画成するハウジングであって前記後壁が該後壁から外方へ延在する保持部材を画成するハウジングと、前記保持部材に取り付けられるロッドを画成するロック本体と前記ロック本体から外方へ延在して前記底壁と接触するバネ部材と前記ロック本体から外方へ延在する互いに反対側に位置する二つのボスと前記ロック本体から前記頂壁を通って外方へ延在するロックボスとを画成するロックと、それぞれが前記ボスを受容するスロットを画成する二つのアーム部材を有するボタンとを具備する自動車内で使用されるプッシュラッチ機構。
16. 前記二つのアーム部材のそれぞれがスナップ部材を画成する請求項１５に記載のプッシュラッチ機構。
17. 前記スナップ部材のそれぞれが前記スロット内に前記ボスを収容する接触面を画成する請求項１６に記載のプッシュラッチ機構。
18. 前記ロックボスが傾斜面を画成する請求項１５に記載のプッシュラッチ機構。
19. 前記スナップ部材のそれぞれが可撓性があり、前記スロット内へ前記ボスを挿入せしめる傾斜面を画成する請求項１７に記載のプッシュラッチ機構。
20. 前記バネ部材が前記ロック本体から外方へ角度をつけて延在し、前記ロッド周りでの前記ロック本体の回転動作を生じさせる請求項１５に記載のプッシュラッチ機構。

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