JP2008014075A - スライドドア構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】スライドドアを閉じきる際のドア閉まり性が良好な(ドアを閉じきり易い)スライドドア構造を提供する。
【解決手段】スライドドア構造10によれば、スライドドア22の車両前後方向前側22Aに当接部材60が設けられ、Bピラー46に被当接部材62が設けられている。そして、スライドドア22が閉じきられるときには、当接部材60と被当接部材62が当接した状態でスライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点として車体側に回動される。従って、スライドドア22の車両前後方向後側22Bに設けられたドアロック機構44を確実にロック状態とすることができる。これにより、スライドドア22の車両前後方向後側22Bのドア閉まり性が確保される(すなわち、スイング式のドアと同様なドア閉まり性を確保できる)。この結果、スライドドア22を閉じきる際のドア閉まり性が良好となる(すなわち、ドアを閉じきり易い)。
【選択図】図2
【解決手段】スライドドア構造10によれば、スライドドア22の車両前後方向前側22Aに当接部材60が設けられ、Bピラー46に被当接部材62が設けられている。そして、スライドドア22が閉じきられるときには、当接部材60と被当接部材62が当接した状態でスライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点として車体側に回動される。従って、スライドドア22の車両前後方向後側22Bに設けられたドアロック機構44を確実にロック状態とすることができる。これにより、スライドドア22の車両前後方向後側22Bのドア閉まり性が確保される(すなわち、スイング式のドアと同様なドア閉まり性を確保できる)。この結果、スライドドア22を閉じきる際のドア閉まり性が良好となる(すなわち、ドアを閉じきり易い)。
【選択図】図2
Description
本発明は、スライドドア構造に係り、特に、リンクアームの揺動を伴ってスライドドアをスライドさせるように構成されたスライドドア構造に関する。
従来、車両用のスライドドア構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、自動車用ドア構造の例が開示されている。この特許文献1に記載の例では、ドアが二本のレバーを介して車体に連結されている。そして、このドアは、この二本のレバーの揺動を伴って車体の前後方向にスライドされる構成とされている。
特開2000−248828号公報
しかしながら、特許文献1に記載の例の如く、リンクアームの揺動を伴ってスライドドアをスライドさせるように構成されたスライドドア構造において、例えばスライドドアの前後端部にドアロック機構がそれぞれ設けられた場合、スライドドアを閉じきるためには、この二つのドアロック機構の両方をロック状態とする必要がある。従って、一つのドアロック機構によってドアを閉じきるスイング式のドアと同様なドア閉まり性(ドアの閉じきり易さ)を確保するためには改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スライドドアを閉じきる際のドア閉まり性が良好な(ドアを閉じきり易い)スライドドア構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のスライドドア構造は、一端側が車体に回動自在に連結されたリンクアームと、前記リンクアームの他端側が回動自在に取り付けられ、前記リンクアームの揺動を伴ってスライドされるスライドドアと、前記スライドドアのドア幅方向一方側に設けられた当接部と、前記車体に設けられ、前記当接部が当接されることによって前記スライドドアのドア幅方向一方側を前記車体に対して前記当接部周りに回動自在に支持する被当接部と、前記スライドドアのドア幅方向他方側を車体に固定保持するドアロック機構と、を備えたことを特徴とする。
なお、この場合のドア幅方向とは、例えば、スライドドアが車体の側面に設けられたサイドドアである場合には、車両前後方向に相当し、スライドドアが車体の背面に設けられたバックドアである場合には、車両幅方向に相当する。
請求項1に記載のスライドドア構造において、ドア開口を開いた状態とされたスライドドアは、リンクアームの揺動を伴ってドア開口を閉じる側にスライドされる。そして、スライドドアがスライドされて車体に近づいたときには、スライドドアのドア幅方向一方側に設けられた当接部が車体に設けられた被当接部に当接される。このとき、当接部が被当接部に当接されることによって、スライドドアがドア幅方向一方側を支点として車体に対して回動自在な状態となる。
そして、この状態からスライドドアがドア幅方向一方側を支点としてドア開口を閉じる側に回動されると、やがてスライドドアがドア開口を閉じた状態となる。また、このようにしてスライドドアが回動されてドア開口を閉じたときには、スライドドアのドア幅方向他方側がドアロック機構によって車体に固定保持され、これにより、スライドドアが閉じきり状態となる。
このように、請求項1に記載のスライドドア構造によれば、スライドドアが閉じきられるときにドア幅方向一端側を支点として回動されるので、スライドドアのドア幅方向他方側に設けられたドアロック機構を確実にロック状態とすることができる。従って、スライドドアのドア幅方向他方側のドア閉まり性が確保される(すなわち、スイング式のドアと同様なドア閉まり性を確保できる)。これにより、スライドドアを閉じきる際のドア閉まり性が良好となる(すなわち、ドアを閉じきり易い)。
また、請求項1に記載のスライドドア構造によれば、例えば、スライドドアのドア幅方向両側にドアロック機構が設けられ、このドアロック機構によりスライドドアのドア幅方向両側が車体に固定保持されるように構成されていても、スライドドアのドア幅方向他方側のドアロック機構を単独でロック状態とすることができる。これにより、スライドドアのドア幅方向他方側のドア閉まり性(ドアの閉じきり易さ)を確実に確保できる。
さらに、請求項1に記載のスライドドア構造によれば、例えば、スライドドアのドア幅方向他方側が、ドア幅方向一方側よりもスライドドアの重心から遠い側とされていても、スライドドアの重心から遠い側であるドア幅方向他方側のドアロック機構を単独でロック状態とすることができる。これにより、スライドドアのドア幅方向他方側が、ドア幅方向一方側よりもスライドドアの重心から遠い側とされていても、このスライドドアのドア幅方向他方側のドア閉まり性(ドアの閉じきり易さ)を確実に確保できる。
請求項2に記載のスライドドア構造は、請求項1に記載のスライドドア構造において、前記当接部は、前記車体側に突出する凸部又は前記車体と反対側に凹む凹部を有して構成され、前記被当接部は、前記当接部の凸部と回動自在に係止される凹部又は前記当接部の凹部と回動自在に係止される凸部を有して構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のスライドドア構造によれば、スライドドアがスライドされて車体に近づいたときには、当接部と被当接部とが互いの凹凸形状により回動自在に係止された状態となる。これにより、スライドドアのドア幅方向一端側の移動を規制(ずれを防止)して、スライドドアのドア幅方向一方側を車体に対して確実に回動自在に支持することが可能となる。
請求項3に記載のスライドドア構造は、請求項1又は請求項2に記載のスライドドア構造において、前記リンクアームの一端側を前記車体に対して接離可能とする車体側アーム位置変更手段を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載のスライドドア構造によれば、リンクアームの一端側が、車体側アーム位置変更手段により車体に対して接離可能とされている。これにより、スライドドアにリンクアームが連結されていても、スライドドアをドア幅方向一端側を支点として回動させて閉じきることが許容される(スライドドアの回動時におけるリンクアームの軌跡不成立が解消される)。
請求項4に記載のスライドドア構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のスライドドア構造において、前記リンクアームの他端側を前記スライドドアに対して接離可能とするドア側アーム位置変更手段を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載のスライドドア構造によれば、リンクアームの他端側が、ドア側アーム位置変更手段によりスライドドアに対して接離可能とされている。これにより、スライドドアにリンクアームが連結されていても、スライドドアをドア幅方向一端側を支点として回動させて閉じきることが許容される(スライドドアの回動時におけるリンクアームの軌跡不成立が解消される)。
以上詳述したように、本発明によれば、スライドドアが閉じきられるときにドア幅方向一端側を支点として回動されるので、スライドドアのドア幅方向他方側に設けられたドアロック機構を確実にロック状態とすることができる。従って、スライドドアのドア幅方向他方側のドア閉まり性が確保される(すなわち、スイング式のドアと同様なドア閉まり性を確保できる)。これにより、スライドドアを閉じきる際のドア閉まり性が良好となる(すなわち、ドアを閉じきり易い)。
はじめに、図1乃至図5を参照しながら、本発明の一実施形態に係るスライドドア構造10の構成について説明する。
図1乃至図5は、本発明の一実施形態を示す図であり、図1は、スライドドア構造10が適用された車両Vの右側面部の平面断面図、図2,図3は、この車両Vにおいてスライドドア22が閉じられる際の動作を説明する説明図、図4は、このスライドドア構造10に設けられたアーム長変更機構26の構成を示す拡大断面図、図5は、このスライドドア構造10に設けられた当接部材60及び被当接部材62の構成を示す斜視図である。なお、これらの図において示される矢印Fr、矢印Out、矢印Upは、車両前後方向前側、車両幅方向外側、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係るスライドドア構造10が適用された車両Vでは、車体のリア側面にドア開口12が設けられている。この車両Vにおいて、ドア開口12の下縁は、ロッカ部14とされており、このロッカ部14には、車両前後方向に並設された一対のリンクアーム16,18の一端がヒンジベース20を介してそれぞれ回動自在に連結されている。
また、この一対のリンクアーム16,18の他端は、スライドドア22にドアヒンジ24を介してそれぞれ回動自在に連結されている。そして、本実施形態では、この一対のリンクアーム16,18の揺動を伴ってスライドドア22が車両前後方向にスライドされる構成となっている。
このスライドドア22をスライドさせるための一対のリンクアーム16,18のうち、車両前後方向後側に設けられたリンクアーム18は、車体側の部分にアーム長変更機構26を備えた構成とされている。すなわち、図4に示されるように、リンクアーム18は、その長手方向にアームベース28とアーム本体30とに二分割されて構成されている。
アームベース28は、ヒンジピン32によってヒンジベース20に回動自在に連結されている。このアームベース28には、アーム本体30側に開口し長手方向に延びるガイド部34が凹設されており、このガイド部34の側壁部には、ガイド部34の長手方向に沿って長穴状のガイド溝36が形成されている。
アーム本体30は、長手部材で構成されており、ガイド部34に挿入されることでアームベース28に対して長手方向に進退動自在(車体に対し接離可能)とされている。このアーム本体30は、側面部に突起38が設けられた構成とされており、この突起38は、上述のガイド溝36に移動自在に挿入されている。そして、アーム本体30は、突起38がガイド溝36の両端部に係止されることでアームベース28に対する移動範囲が制限されるように構成されている。
また、上述のガイド部34には、スプリング40が挿入されている。このスプリング40は、ガイド部34の底部34Aに対してアーム本体30の端部30Aをスライドドア22側(X1側)に付勢する構成である。
図1に示されるように、スライドドア22には、その車両前後方向両端部にドアロック機構42,44がそれぞれ設けられている。車両前後方向前側のドアロック機構42には、Bピラー46に設けられたストライカ部材48と係合可能なラッチ部材50が設けられている。一方、車両前後方向後側のドアロック機構44には、Cピラー52に設けられたストライカ部材54と係合可能なラッチ部材56が設けられている。
さらに、このスライドドア22には、インナパネル58の車体内側面の車両前後方向前側の部分に当接部材60が設けられている。一方、車体のBピラー46には、車両前後方向面に車両幅方向外側に面して被当接部材62が設けられている。
図5に示されるように、当接部材60には、車両上下方向に延び車体内側に向けて突出する凸部64が形成されている。この凸部64は、その突出端が曲面状に形成されている。一方、被当接部材62には、車両上下方向に延び上述の当接部材60の凸部64と当接される曲面状の凹部66が形成されている。
この当接部材60及び被当接部材62は、後に詳述するように、図2に示される如く、スライドドア22が閉じられて車両前後方向前側のドアロック機構42がロック状態となったときに、互いに当接された状態となって、スライドドア22の車両前後方向前側22Aを車体に対して回動自在に支持する構成である。なお、このスライドドア22には、アウタパネル68の車体外側面の車両前後方向前側の部分にドアノブ70が設けられている。
次に、本発明の一実施形態に係るスライドドア構造10の作用及び効果について説明する。
本発明の一実施形態に係るスライドドア構造10が適用された車両Vにおいて、図1に示される如くドア開口12を開いた状態とされたスライドドア22は、リンクアーム16,18の揺動を伴ってドア開口12を閉じる側、すなわち車両前後方向前側(R1側)にスライドされる。
そして、図2に示される如く、スライドドア22がスライドされて車体に近づいたときには、車両前後方向前側のドアロック機構42がロック状態となる。すなわち、ドアロック機構42のラッチ部材50がストライカ部材48と係合した状態となる。このとき、スライドドア22の車両前後方向前側(例えばドアノブ70)に操作力を加えてスライドドア22をスライドさせれば、操作力入力部とドアロック機構42との距離が近いため、ドアロック機構42を確実にロック状態とすることができる。
また、本実施形態では、車両前後方向前側のドアロック機構42がロック状態となると同時に、スライドドア22の車両前後方向前側22Aに設けられた当接部材60が車体のBピラー46に設けられた被当接部材62に当接される。また、このときには、図5に示される当接部材60の凸部64が被当接部材62の凹部66に回動自在に係止された状態となる。従って、図2に示されるスライドドア22では、車両前後方向前側22Aの移動が規制(ずれが防止)されて、スライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点として車体に対して回動自在な状態となる。
そして、この状態からスライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点としてドア開口12を閉じる側(R2側)に回動されると、図3に示されるように、やがてスライドドア22がドア開口12を閉じた状態となる。
なお、本実施形態では、このようにして、スライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点として回動されるときには、車両前後方向後側のリンクアーム18において、図4に示されるアーム本体30がスプリング40の付勢力に抗して車体側(X2側)に移動し、このリンクアーム18のアーム長が縮められる。従って、スライドドア22に一対のリンクアーム16,18が連結されていても、図2,図3に示される如く、スライドドア22を車両前後方向前側22Aを支点として回動させることが許容される(つまり、リンクアーム18のアーム長が軌跡変化に追従し、スライドドア22の回動時におけるリンクアーム18の軌跡不成立が解消される)。
そして、このようにしてスライドドア22が回動されてドア開口12を閉じたときには、図3に示されるように、車両前後方向後側のドアロック機構44がロック状態となる。すなわち、ドアロック機構44のラッチ部材56がストライカ部材54と係合した状態となる。このとき、スライドドア22の車両前後方向後側22Bの部分に操作力を加えてスライドドア22を回動させれば、操作力入力部とドアロック機構44との距離が近いため、ドアロック機構44を確実にロック状態とすることができる。
そして、このようにして、ドアロック機構44をロック状態とすることにより、スライドドア22の車両前後方向後側22Bが車体のCピラー52に固定保持され、これにより、スライドドア22が閉じきり状態となる。
このように、本実施形態のスライドドア構造10によれば、スライドドア22が閉じきられるときに車両前後方向前側22Aを支点として回動されるので、スライドドア22の車両前後方向後側22Bに設けられたドアロック機構44を確実にロック状態とすることができる。従って、スライドドア22の車両前後方向後側22Bのドア閉まり性が確保される(すなわち、スイング式のドアと同様なドア閉まり性を確保できる)。これにより、スライドドア22を閉じきる際のドア閉まり性が良好となる(すなわち、ドアを閉じきり易い)。
また、本実施形態のように、スライドドア22の車両前後方向両側にドアロック機構42,44が設けられ、このドアロック機構42,44によりスライドドア22の車両前後方向両側が車体に固定保持されるように構成されていても、本実施形態のスライドドア構造10によれば、スライドドア22の車両前後方向後側22Bのドアロック機構44を単独でロック状態とすることができる。これにより、スライドドア22の車両前後方向後側22Bのドア閉まり性(ドアの閉じきり易さ)を確実に確保できる。
つまり、本実施形態のスライドドア構造10によれば、スライドドア22が閉じられるときには、車両前後方向両端側のドアロック機構42,44が順にドアロック状態となる。従って、ドアロック機構42,44を同時にドアロック状態とする場合に比して、スライドドア22を閉じきる際のドア閉まり性が向上される(すなわち、ドアを閉じきり易い)。
さらに、本実施形態のスライドドア構造10によれば、例えば、ドアパネルの形状やドアモータ等のドア内部部品の配置によって、スライドドア22の車両前後方向後側22Bが、車両前後方向前側22Aよりもスライドドア22の重心から遠い側とされていても、スライドドア22の重心から遠い側である車両前後方向後側22Bのドアロック機構44を単独でロック状態とすることができる。これにより、スライドドア22の車両前後方向後側22Bが、車両前後方向前側22Aよりもスライドドア22の重心から遠い側とされていても、このスライドドア22の車両前後方向後側22Bのドア閉まり性(ドアの閉じきり易さ)を確実に確保できる。
つまり、一般に、スライドドアの車両前後方向両端部にドアロック機構が設けられた構成において、スライドドアを閉じきる際に前後のドアロック機構を同時にロック状態にしようとすると、スライドドアの重心から遠い側のドアロック機構は近い側のドアロック機構に比してロック状態となりにくくなる。
ところが、本実施形態の上記構成によれば、スライドドア22の車両前後方向後側22Bが、車両前後方向前側22Aよりもスライドドア22の重心から遠い側とされていても、このスライドドア22の重心から遠い側である車両前後方向後側22Bのドアロック機構44を単独でロック状態とすることができる。このため、このスライドドア22の重心から遠い側である車両前後方向後側22Bのドア閉まり性(ドアの閉じきり易さ)を確実に確保できる。
また、本実施形態のスライドドア構造10によれば、当接部材60と被当接部材62とは、スライドドア22を閉じたときには、互いに当接した状態とされる。従って、例えば、側突等によってスライドドア22に対し車両幅方向内側へ所定値以上の荷重が作用した場合でも、この荷重を当接部材60及び被当接部材62を介して車体のBピラー46へ伝達することができる。これにより、スライドドア22に作用した荷重をBピラー46へ分散することができ、荷重分散効率を向上することができる。
また、本実施形態のスライドドア構造10によれば、当接部材60と被当接部材62とは、スライドドア22を閉じたときには、互いの凹凸部が係止された状態とされる。従って、例えば、側突等によってスライドドア22に対し車両幅方向内側へ所定値以上の荷重が作用した場合でも、当接部材60と被当接部材62との係止によって、スライドドア22の車両幅方向内側への入り込みを防止できる。
次に、本発明の一実施形態に係るスライドドア構造10の変形例について説明する。
上記実施形態では、当接部材60の凸部64及び被当接部材62の凹部66が、それぞれ車両上下方向に延びるように形成され、当接部材60及び被当接部材62が蝶番状に構成されていたが、当接部材60及び被当接部材62は、この構成に限定されるものではない。その他にも、当接部材60及び被当接部材62は、例えば、図6に示されるように構成されていても良い。
すなわち、図6に示される変形例では、当接部材60の凸部64は、車体内側に向けて突出する突起状に構成されており、その突出端に球状部64A(その他、半球状、円弧状でも可)が設けられている。また、被当接部材62の凹部66は、突起状の凸部64が挿入可能な凹状に構成されている。この凹部66は、曲面状に構成されている。
そして、この構成により、この当接部材60及び被当接部材62は、図2に示される如く、スライドドア22が閉じられて車両前後方向前側のドアロック機構42がロック状態となったときには、互いに当接された状態となって、スライドドア22の車両前後方向前側22Aを車体に対して回動自在に支持するように構成されている。このように、当接部材60及び被当接部材62は、自在継手状に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、スライドドア22が閉じられるときに、先ず、このスライドドア22の車両前後方向前側22Aが車体に当接されて、その後に、この車両前後方向前側22Aを支点として車体側に回動されて車両前後方向後側22Bが車体に固定保持されるように構成されていたが、次のように構成されていても良い。
すなわち、当接部材60及び被当接部材62がスライドドア22の車両前後方向後側に設けられた上で、スライドドア22が閉じられるときには、先ず、このスライドドア22の車両前後方向後側22Bが車体に当接されて、その後に、この車両前後方向後側22Bを支点として車体側に回動されて車両前後方向前側22Aが車体に固定保持されるように構成されていても良い。
また、上記実施形態では、当接部材60がスライドドア22に別部材として設けられていたが、当接部材60は、スライドドア22に当接部として一体的に設けられていても良い。同様に、本実施形態では、被当接部材62が車体のBピラー46に別部材として設けられていたが、被当接部材62は、車体のBピラー46に被当接部として一体的に設けられていても良い。
また、上記実施形態では、当接部材60に凸部64が設けられ、被当接部材62に凸部64と回転自在に係止される凹部66が設けられていたが、当接部材60に車体と反対側に凹む凹部が設けられ、被当接部材62に車体側に突出し凹部と回転自在に係止される凸部が設けられていても良い。
また、上記実施形態では、スライドドア22の車両前後方向前側22Aにおいて、ラッチ部材50及びストライカ部材48と、当接部材60及び被当接部材62とが別々に設けられていたが、ラッチ部材50が当接部材60を、ストライカ部材48が被当接部材62をそれぞれ兼ねるように構成されていても良い。若しくは、当接部材60がラッチ部材50を、被当接部材62がストライカ部材48をそれぞれ兼ねるように構成されていても良い。
また、上記実施形態では、アーム長変更機構26が、アームベース28、アーム本体30、スプリング40を備えた構成とされていたが、アーム長変更機構26は、この構成に限定されるものではない。その他にも、アーム長変更機構26は、例えば、図7に示されるように構成されていても良い。
すなわち、図7に示される変形例では、アーム長変更機構26がU字状の板バネ72を有して構成されている。この板バネ72の一端は、車体のロッカ部14に固設されており、板バネ72の他端には、ヒンジベース73が設けられている。また、リンクアーム18は、ヒンジベース73にヒンジピン74によって回転自在に連結されている。そして、板バネ72は、ロッカ部14に対してヒンジベース73をスライドドア22側(X1側)に付勢する構成である。
このように構成されていても、スライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点として回動されるときには、図7に示されるリンクアーム18が板バネ72の付勢力に抗して車体側(X2側)に移動し、このリンクアーム18のアーム長(スライドドア22との連結部からロッカ部14との連結部までの距離)が縮められた状態となる。従って、スライドドア22に一対のリンクアーム16,18が連結されていても、図2,図3に示される如く、スライドドア22を車両前後方向前側22Aを支点として回動させることが許容される(つまり、リンクアーム18のアーム長が軌跡変化に追従し、スライドドア22の回動時におけるリンクアーム18の軌跡不成立が解消される)。
また、上記実施形態では、車体のロッカ部14側でリンクアーム18のアーム長が変更されるように構成されていたが、例えば、図8に示されるように、スライドドア22側でリンクアーム18のアーム長が変更されるように構成されていても良い。すなわち、図8に示される変形例では、リンクアーム18のスライドドア22側の部分に、上述のアーム長変更機構26(図4参照)と同様な構成からなるアーム長変更機構76が設けられている。
そして、この変形例では、スライドドア22が車両前後方向前側22Aを支点として回動されるとき(図2参照)には、車両前後方向後側のリンクアーム18において、アーム本体80がスプリング90の付勢力に抗してスライドドア22側(X3側)に移動し、このアームベース78及びアーム本体80からなるリンクアーム18のアーム長が縮められる。
これにより、スライドドア22に一対のリンクアーム16,18が連結されていても、図3に示される如く、スライドドア22を車両前後方向前側22Aを支点として回動させることが許容される(つまり、リンクアーム18のアーム長が軌跡変化に追従し、スライドドア22の回動時におけるリンクアーム18の軌跡不成立が解消される)。このように、スライドドア22側でリンクアーム18のアーム長が変更されるように構成されていても良い。
また、上記実施形態では、車両前後方向後側のリンクアーム18のアーム長を変更可能とすることにより、スライドドア22を車両前後方向前側22Aを支点として回動させることが許容されていたが、その他にも、例えば、車両前後方向前側のリンクアーム16のアーム長を変更可能とすることにより、スライドドア22を車両前後方向前側22Aを支点として回動させることが許容されても良い。
また、上記実施形態では、スライドドア構造10が車体の側面に適用されてスライドドア22が車体の側面に設けられたサイドドアとして構成されていたが、その他にも、例えば、スライドドア構造10が車体の背面に適用されてスライドドア22が車体の背面に設けられたバックドアとして構成されていても良い。
10 スライドドア構造
16,18 リンクアーム
22 スライドドア
26 アーム長変更機構(車体側アーム位置変更手段)
42,44 ドアロック機構
60 当接部材(当接部)
62 被当接部材(被当接部)
64 凸部
66 凹部
76 アーム長変更機構(ドア側アーム位置変更手段)
V 車両
16,18 リンクアーム
22 スライドドア
26 アーム長変更機構(車体側アーム位置変更手段)
42,44 ドアロック機構
60 当接部材(当接部)
62 被当接部材(被当接部)
64 凸部
66 凹部
76 アーム長変更機構(ドア側アーム位置変更手段)
V 車両
Claims (4)
- 一端側が車体に回動自在に連結されたリンクアームと、
前記リンクアームの他端側が回動自在に取り付けられ、前記リンクアームの揺動を伴ってスライドされるスライドドアと、
前記スライドドアのドア幅方向一方側に設けられた当接部と、
前記車体に設けられ、前記当接部が当接されることによって前記スライドドアのドア幅方向一方側を前記車体に対して前記当接部周りに回動自在に支持する被当接部と、
前記スライドドアのドア幅方向他方側を車体に固定保持するドアロック機構と、
を備えたことを特徴とするスライドドア構造。 - 前記当接部は、前記車体側に突出する凸部又は前記車体と反対側に凹む凹部を有して構成され、
前記被当接部は、前記当接部の凸部と回動自在に係止される凹部又は前記当接部の凹部と回動自在に係止される凸部を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドドア構造。 - 前記リンクアームの一端側を前記車体に対して接離可能とする車体側アーム位置変更手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスライドドア構造。
- 前記リンクアームの他端側を前記スライドドアに対して接離可能とするドア側アーム位置変更手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のスライドドア構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006187972A JP2008014075A (ja) | 2006-07-07 | 2006-07-07 | スライドドア構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006187972A JP2008014075A (ja) | 2006-07-07 | 2006-07-07 | スライドドア構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008014075A true JP2008014075A (ja) | 2008-01-24 |
Family
ID=39071352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006187972A Pending JP2008014075A (ja) | 2006-07-07 | 2006-07-07 | スライドドア構造 |
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JP (1) | JP2008014075A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103089094A (zh) * | 2011-10-31 | 2013-05-08 | 曼卡车和巴士股份公司 | 用于机动车-车门的锁紧装置 |
JP2013515638A (ja) * | 2009-12-24 | 2013-05-09 | フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト | 車両ドア機構 |
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2006
- 2006-07-07 JP JP2006187972A patent/JP2008014075A/ja active Pending
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