JP2006144153A - 高比重複合繊維 - Google Patents

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修二 宮崎
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Abstract

【課題】 芯成分に生じるボイドを最小限に抑制し、水産資材用、中でも定置網用途に使用した際に十分な沈降速度と保形性を有することが可能となる比重の高さと高強度を有する高比重複合繊維を提供する。
【解決手段】 イソフタル酸を共重合したポリブチレンテレフタレートを主成分とし、高比重粒子を含有する芯成分、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする鞘成分とからなる芯鞘型複合繊維であって、繊維の比重が1.50以上、強度が3.5cN/dtex以上であることを特徴とする高比重複合繊維。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル成分を芯鞘成分とし、芯成分中に高比重粒子を含有する複合繊維であって、水産資材用途に好適な比重の高さ(沈降性)と高強度を有した高比重複合繊維に関するものである。
従来より、ポリエステルやポリアミド等の合成繊維は高強度であるため、漁網等の水産資材用の繊維として使用されている。
水産材用の繊維の中でも、定置網用途に用いる繊維としては、水中での沈降速度を速くするためと、潮流に対する漁網の保形性を向上させるために、使用する繊維は比重の高いものが求められている。そして、合成繊維の中でも安価で比較的比重も高く、高強度が得られやすいポリエステルが使用されており、中でもポリエチレンテレフタレート繊維が多く用いられていた。
近年、さらに比重の高い繊維が求められるようになり、特許文献1や特許文献2に記載されているように、芯鞘型複合繊維の芯成分に高比重粒子を含有させ、比重を1.5ないしは1.7以上とした高比重複合繊維が提案されている。
しかしながら、このような複合繊維においては、芯成分に高比重粒子を高濃度に含有させると均一な分散が困難となりやすく、その結果、延伸する際に高濃度に高比重粒子が含有された部分は延伸流動性に劣ることとなり、芯成分にボイド(空隙)が発生するという問題があった。そしてボイドが発生すると、繊維中の高比重粒子の含有量に相当する比重を有する繊維が得られ難くなり、目的とする比重を得るためには芯成分中の高比重粒子の含有量を多くする必要があり、延伸性が低下したり、コストが高くなるという問題があった。
特開平8−311721公報 特開平8−144125公報
本発明は、上記の問題点を解決し、芯成分に生じるボイドを最小限に抑制し、水産資材用、中でも定置網用途に使用した際に十分な沈降速度と保形性を有することが可能となる比重の高さと高強度を有する高比重複合繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、イソフタル酸を共重合したポリブチレンテレフタレートを主成分とし、高比重粒子を含有する芯成分、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする鞘成分とからなる芯鞘型複合繊維であって、繊維の比重が1.50以上、強度が3.5cN/dtex以上であることを特徴とする高比重複合繊維を要旨とするものである。
本発明の高比重複合繊維は、芯成分の高比重粒子が均一に分散していることにより、芯成分のボイドの発生を抑制することができ、高比重でかつ高強度の繊維であり、水産資材用途、特に定置網用途に好適に使用することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の高比重複合繊維は、芯成分が高比重粒子を含有している芯鞘型の複合繊維である。まず、本発明の複合繊維の芯成分としては、共重合ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと称す。)を主成分とするものを用いる。PBTは高濃度の高比重粒子をより均一に分散含有させることができるため、延伸時にボイドの発生を抑制することができる。しかしながら、PBTは結晶性が高く、延伸流動性に劣るため、延伸毛羽が発生しやすい。
そこで、本発明においては、イソフタル酸を共重合したPBTとする。これによりPBTの高い結晶性が抑制されて延伸流動性が向上し、延伸毛羽が発生することなく繊維を延伸性よく得ることが可能となる。
イソフタル酸を共重合成分として共重合させるが、イソフタル酸の共重合量は、5〜30質量%であることが好ましく、中でも10〜25質量%とすることが好ましい。
共重合量が5質量%未満であると、上記したような結晶性の抑制と延伸流動性の向上が不十分となり、延伸毛羽の発生なく、延伸性よく繊維を得ることが困難となる。一方、共重合量が30質量%を超えると耐熱性に劣るようになるため、紡糸口金内等で劣化が進み、安定した製糸性が得られず、高強度の繊維を得ることが困難となる。
また、共重合PBTの極限粘度〔η〕は0.6〜0.9が好ましい。この範囲より低くなると延伸時に芯成分が切断し、延伸性に劣るようになりやすく、一方、この範囲より高くなると、延伸流動性に劣るようになりやすい。
次に、本発明の繊維の鞘成分としては、強度と製糸性を考慮し、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称す。)を主成分とするものを用いる。PETは、芯成分の共重合PBTと相溶性があるため剥離し難く、また安価で寸法安定性にも優れるため好ましい。
そして、PETの極限粘度〔η〕は0.9〜1.2が好ましい。この範囲より低くなると強度の高い繊維とすることが困難となりやすく、一方、この範囲より高くなると、延伸性に劣るようになり好ましくない。
本発明の複合繊維において、芯成分に含有させる高比重粒子は、バリウム、チタン、アルミニウム、タングステン等の金属粒子や二酸化チタン、酸化亜鉛、沈降性硫酸バリウム等の金属化合物を用いることができる。中でも硫酸バリウムは比重が高く、芯成分のPBTへの分散性に優れ、延伸性にも優れるため好ましい。
また、高比重粒子の最大粒子径(直径)は、延伸性を考慮して、4.0μm以下、中でも3.0μm以下とすることが好ましい。
芯成分に含有させる高比重粒子の含有量は、芯成分中の30〜70質量%とすることが好ましい。芯成分中の30質量%未満であると、比重を高くするためには芯成分の複合比率を大きくする必要性が生じ、鞘成分の複合比率が低下することにより強度の高い繊維とすることが困難となりやすい。一方、芯成分中の70質量%を超えると、芯成分中に均一に練り込むことが困難となり、延伸流動性に劣るようになりやすい。
また、芯鞘複合比は、質量比(芯:鞘)で30:70〜70:30が好ましい。芯成分の比率がこの範囲より小さいと、比重を高くすることが困難となりやすい。一方、芯成分の比率がこの範囲より大きいと鞘成分の割合が少なくなり、繊維の強度が低くなる傾向にある。
なお、芯成分と鞘成分ともにその効果や特性を損なわない範囲において、上記のような主たる成分に加えて、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分や1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体、及び4−ヒドロキシ安息香酸等のオキシカルボン酸成分等の共重合成分を含んでいてもよい。
また、芯成分と鞘成分ともにその効果や特性を損なわない範囲において、酸化チタンなどの艶消剤、ヒンダートフェノール系化合物等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、導電性付与剤等が配合されていてもよい。
本発明の複合繊維の横断面形状は、芯成分、鞘成分ともに多角形や多葉形状等の異形であってもよい。また、芯成分と鞘成分の中心点が一致していない偏心芯鞘型のものであってもよい。中でも、高強度が得やすいため、芯成分と鞘成分の中心点が一致しており、丸断面形状のものである同心円型の芯鞘型複合繊維が特に好ましい。
本発明の複合繊維は、繊維比重が1.50以上であり、中でも1.52以上が好ましく、さらに好ましくは1.53以上である。繊維比重が1.50未満であると、定置網用途に用いる際に、漁網の沈降性や保形性が不十分となる。また、本発明の高比重複合繊維においては、芯成分中に高比重粒子を含有させるものであるため、高比重化するには高比重粒子の含有量を多くする必要がある。しかしながら、高比重粒子の含有量が多くなるに従って繊維を高強度化することは困難となる。また、前記したように高比重粒子の含有量を芯成分中の70質量%以下とすると、強度3.5cN/dtex以上の繊維を得るためには、繊維比重の上限は1.80とすることが好ましい。
また、本発明の複合繊維は、強度3.5cN/dtex以上であり、中でも4.0cN/dtex以上であることが好ましい。強度が3.5cN/dtex未満であると、水産資材用途に用いるには不十分な強度のものとなる。そして、前記同様に繊維比重を考慮にいれると、強度の上限は5.0cN/dtexとすることが好ましい。
さらに、本発明の複合繊維は、耐摩耗性や製糸性を考慮し、単糸繊度10〜30dtex、切断伸度15〜20%とすることが好ましい。
次に、本発明の高比重複合繊維の製造方法について、一例を用いて説明する。
複合型の溶融紡糸装置に、芯鞘複合型の紡糸口金を装着し、芯成分と鞘成分を導入して溶融紡糸を行う。紡出された糸条を口金直下に設置された壁面温度200〜500℃の加熱筒内を通過させた後、冷却装置で温度10〜30℃、速度0.5〜1m/秒の冷却風を吹き付けて冷却し、油剤付与する。その後、非加熱の第一ローラに引き取り、引き続き温度120〜170℃の第二ローラに掛けて1.005〜1.05倍の引き揃えを行い、温度130〜200℃の第三ローラとの間で3.5〜4.5倍(一段目)の延伸を行う。続いて温度200〜260℃の第四ローラとの間で1.2〜1.5倍(二段目)の延伸を行った後、温度100〜200℃の第五ローラとの間で2〜5%の弛緩熱処理を行い、速度1500〜3500m/分でワインダーに巻き取る。
本発明の高比重複合繊維の製造は、未延伸糸を一旦巻き取った後、別工程で延伸を行う二工程法で行うこともできるが、未延伸糸を引き取った後に連続して延伸を行うスピンドロー法で行うのが生産性やコストの面において好ましい。このとき、巻取速度は1500〜3500m/分とすることが生産性や延伸性の面において好ましい。
また、本発明の複合繊維中に高比重粒子を含有させる際には、芯成分中により均一に含有させるため、共重合PBTと高比重粒子を紡糸時にドライブレンドする方法を採用するよりも、共重合PBTに高比重粒子を含有させて練り込んだもの(チップ状のもの)を予め作製しておき、このチップ(芯成分)と鞘成分とを用いて溶融紡糸することが好ましい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例における各物性値は、次の方法で測定した。
(a)極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度20℃で測定した。
(b)強伸度
JIS L−1013 引張強さ及び伸び率の標準時試験に従い、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、試料長25cm、引張速度30cm/分で測定した。
(c)繊維比重
JIS L−1013 比重(浮沈法)に従い測定した。
(d)延伸性
得られた繊維の延伸毛羽の有無を目視にて判定し、以下の3段階で評価した。
○:延伸毛羽の発生がない。
△:延伸毛羽の発生が少しあるが製品としては合格である。
×:延伸毛羽の発生が多く、製品として不合格である。
実施例1
鞘成分として極限粘度〔η〕1.1のPETを用い、芯成分として、イソフタル酸を18モル%共重合した極限粘度〔η〕0.7の共重合PBT中に平均粒子径が0.6μm、最大粒子径2μm、比重4.3の沈降性硫酸バリウムを芯成分中の50質量%となるように溶融混合を行ったもの(チップ)を用いた。
そして、芯成分と鞘成分を複合型溶融紡糸装置に導入し、直径0.6mm、孔数60個の紡糸孔を有する芯鞘型複合紡糸口金より、温度290℃、芯鞘質量比(芯:鞘)35:65で溶融紡糸した。紡出された糸条を壁面温度350℃の加熱筒を通過させた後、横型冷却装置を用いて、温度15℃、速度0.8m/秒の冷却風を吹き付けて冷却し、油剤を付与した。続いて、非加熱の第1ローラに引き取り、温度150℃の第2ローラとの間で1.01倍の引き揃えを行った後、温度160℃の第3ローラとの間で4.1倍(1段目)の延伸を行った。その後、温度240℃の第4ローラとの間で1.3倍(2段目)の延伸を行い、温度150℃、速度2015m/分の第5ローラとの間で3%の弛緩熱処理を行い、速度2000m/分のワインダーに巻き取り、1110dtex/60フィラメント、同心円型の芯鞘型複合繊維を得た。
実施例2〜4
芯成分に用いる共重合PBTのイソフタル酸の共重合量を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
比較例1
芯成分として、共重合成分を有していない極限粘度〔η〕0.7のPBTを用いた以外は実施例1と同様に行った。
比較例1
芯成分として、共重合成分を有していない極限粘度〔η〕0.7のPETを用いた以外は実施例1と同様に行った。
実施例1〜4、比較例1〜2で得られた繊維の特性値及び延伸性の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4の繊維は、切断強度、切断伸度ともに良好な値であり、繊維比重が高く、かつ延伸性も良好であった。 一方、比較例1の繊維は芯成分に共重合成分を有していないPBTを用いたため、高比重粒子の均一な分散性に劣り、ボイドが発生したために繊維比重の低いものとなった。また、延伸毛羽の発生も多く、延伸性に劣るものであった。比較例2の繊維は芯成分にPETを用いたため、高比重粒子の均一な分散性に劣り、ボイドが発生したために繊維比重の低いものとなった。

Claims (1)

  1. イソフタル酸を共重合したポリブチレンテレフタレートを主成分とし、高比重粒子を含有する芯成分、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする鞘成分とからなる芯鞘型複合繊維であって、繊維の比重が1.50以上、強度が3.5cN/dtex以上であることを特徴とする高比重複合繊維。
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