JP2006143137A - 視覚認識支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 走行に必要な明るさを保ちつつ、運転者の視認性を向上させること。
【解決手段】 ヘッドライト以外の別の光源であるLEDライトの発する光を利用してノイズ光を発生させる。その場合、光源の輝度、色彩の内少なくとも一方を変化させて区別する。また、視線検出手段が検出した方向にノイズ発生場所を決めるようにさせる照射方向制御手段を設ける。これにより走行に必要な照度を保ちつつ運転者の視認性を向上させることが出来る。
【選択図】 図3
【解決手段】 ヘッドライト以外の別の光源であるLEDライトの発する光を利用してノイズ光を発生させる。その場合、光源の輝度、色彩の内少なくとも一方を変化させて区別する。また、視線検出手段が検出した方向にノイズ発生場所を決めるようにさせる照射方向制御手段を設ける。これにより走行に必要な照度を保ちつつ運転者の視認性を向上させることが出来る。
【選択図】 図3
Description
本発明は、視覚認識支援装置に関するものである。
従来、歩行者に眩しさを与えることなく、運転者から視認できるようにすることを目的とした前照灯制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている前照灯制御装置によれば、可視光線を車体前方へ向けて照射する第1前照灯と、紫外線を車体前方へ向けて照射する第2前照灯とを備える。この第2前照灯からの紫外線は、前方歩行者の衣服に反応して前方歩行者を浮き上がらせる。そのため、運転者は、前方歩行者を視認することができるようになり、また、前方歩行者は、紫外線を受けても眩しさを感じることがない。
特開2000−203335号公報
上述した、従来の前照灯制御装置は、衣服の反射する紫外線を利用するため、その反射度合いは、衣服の色に大きく影響する。従って、運転者は、反射度合いが低くなる色の衣服を着用した歩行者を視認することが難くなる。また、犬や猫等の小動物から反射される紫外線の反射度合いは、衣服を着用した歩行者に比べて低いため、運転者は、小動物等を視認することが難しくなる。
このように、従来の前照灯制御装置は、運転者の視認性を向上させることができない場合がある。これに対して、確率共振(SR、Stochastic Resonance)を利用して、運転者の視認性を向上させる提案がある。確率共振(SR)とは、感覚神経細胞におけるノイズ印加が閾値以下の入力信号の検出力を高めるという現象をいい、人の生体機能(例えば、知覚、調節、行為等のマクロな機能)がこの確率共振(SR)によって向上するというものである。
ここで、確率共振(SR)について詳細に説明する。図5(a)は、感覚神経細胞を非線型系システムとして模式的に示したものであるが、感覚神経細胞は、図5(b)に示すように、一般に閾値型の入出力特性を有するため、閾値以下の微小な入力信号は検出できない。しかしながら、ランダムな広帯域ノイズを入力信号と同時に印加すると、閾値以下の微弱な入力信号を検出するようになる。
なお、ランダムな広帯域ノイズの強度は、図5(c)に示す「信号雑音比−ノイズ強度」曲線から明らかなように、ノイズ強度が小さ過ぎたり、あるいは、入力信号の強弱とは無関係に閾値を超えるほど大き過ぎたりした場合、出力信号の信号雑音比を低下させることが知られている。従って、ランダムな広帯域ノイズには、出力信号の信号雑音比を最大化する最適ノイズ強度が存在する。
この確率共振(SR)を利用して、運転者の視認性を向上させる具体的な方法としては、例えば、前照灯(ヘッドライト)の発する光を利用して視覚的なノイズ(ノイズ光)を運転者に与える方法が考えられる。しかしながら、ヘッドライトの発する光を利用する場合、ノイズ光の照射範囲は、ヘッドライトの照射範囲内に限定されてしまう。また、上述したように、ランダムな広帯域ノイズには最適ノイズ強度が存在するため、この最適ノイズ強度にノイズ光の強度(明るさ)を合わせることになるが、このノイズ光の強度(明るさ)は、トンネル内や夜間等の走行において十分な明るさであるとは限らない。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、走行に必要な明るさを保ちつつ、運転者の視認性を向上させることができる視覚認識支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の視覚認識支援装置は、視覚的なノイズを視認することができるノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的なノイズを生成し、その生成した視覚的なノイズを車両の進行方向に発生する視覚認識支援装置であって、車両のヘッドライトと異なる光源と、光源の発する光を利用して、視覚的なノイズを発生するノイズ発生手段と、を備えることを特徴とする。
このように、ヘッドライト以外の別の光源の発する光を利用して視覚的なノイズ(ノイズ光)を発生することで、トンネル内や夜間等の走行に必要な明るさを確保するとともに、ノイズ光の照射範囲をヘッドライトの照射範囲に限定しないようにすることができる。その結果、走行に必要な明るさを保ちつつ、運転者の視認性を向上させることができるようになる。
なお、請求項2に記載のように、光源は、LEDによって構成されるLEDライトであることが好ましい。周知のように、LED(light-emitting diode)は、消費電力が低いとともに、応答性に優れた特徴をもつ。従って、ノイズ光を発生する際の消費電力を低く抑えることができるとともに、ノイズ光の発生開始時や停止時における応答性を良くすることができる。
請求項3に記載の視覚認識支援装置は、光源の発する光の輝度、及び色彩の少なくとも一方を変化させることで、視覚的なノイズを生成するノイズ生成手段を備え、ノイズ発生手段は、ノイズ生成手段の生成した視覚的なノイズを発生することを特徴とする。これにより、光の輝度や色彩の変化によるノイズ光を生成することができる。
請求項4に記載の視覚認識支援装置は、車両の乗員の視線方向を検出する視線方向検出手段と、視線方向検出手段の検出した視線方向に視覚的なノイズを発生すべきノイズ発生場所を決定するノイズ発生場所決定手段と、ノイズ発生場所決定手段の決定したノイズ発生場所に視覚的なノイズを発生するように、光源の発する光の照射方向を制御する照射方向制御手段と、を備えることを特徴とする。これにより、乗員の視線方向に常時ノイズ光を発生させることができる。
以下、本発明の視覚認識支援装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に、本実施形態における視覚認識支援装置の全体構成のブロック図を示す。同図に示すように、視覚認識支援装置は、視線方向検出装置100、ノイズ発生装置200、LEDライト制御装置300によって構成される。
本実施形態の視覚認識支援装置は、上述した確率共振(SR、Stochastic Resonance)の研究成果(人の脳における確率共振現象の実験的検証、日高等、生体・生理シンポジウム論文集Vol.15th、P.261〜264)に着目してなされたものである。
本実施形態の視覚認識支援装置では、上述した最適ノイズ強度の視覚的なノイズを生成し、その生成した視覚的なノイズを車両の乗員(以下、運転者を対象とする)の視線方向に発生するものであり、図3に示すヘッドライトとは異なる光源であるLEDライトの発する光を利用して、視覚的なノイズ(ノイズ光)を発生する。
LED(light-emitting diode)は、周知のように、消費電力が低いとともに、応答性に優れた特徴をもつ。従って、LEDライトを採用することで、ノイズ光を発生する際の消費電力を低く抑えることができるとともに、ノイズ光の発生開始時や停止時における応答性を良くすることができる。
なお、LEDライトは、同図に示すように、既存のヘッドライトに追加した2灯式であってもよいし、あるいは、LEDを採用したLEDヘッドライトの場合には、その一部のLEDをノイズ光の発生に利用するようにしてもよい。また、LEDライトは、LEDライト制御装置300によって、その照射方向を変更することができるように構成されている。
図1に示す視線方向検出装置100は、運転者の視線方向を検出するために用いられるもので、周知の装置を採用することができる。例えば、特開2003−80969号公報に開示されているCCDカメラ、赤外線照射器、画像処理ユニット、及び電子制御ユニット等からなる視線方向検出手段と同様な構成を採用することができる。
この視線方向検出装置100では、上記特開2003−80969号公報に開示されているように、画像処理ユニットにおいて、運転者が車両前方方向を向いたときの2次元の車両固定投影面座標系における水平方向及び垂直方向の角度からなる視線方向データE(θu、θv)を求める。電子制御ユニットでは、この視線方向データE(θu、θv)に基づいて、車両前方に仮想的に設けた車両固定投影平面における運転者の視線方向の座標位置を示す視線位置データP(U、V)を求め、この視線位置データP(U、V)をノイズ発生装置200へ常時出力する。
ノイズ発生装置200は、図2に示すように、ノイズ発生場所決定部210、ノイズ強度記憶部220、最適ノイズ強度設定部230、ノイズ生成部240、及びノイズ出力部250によって構成される。
ノイズ発生場所決定部210は、視線方向検出装置100から出力される視線位置データP(U、V)を運転者の中心視野の中心位置として特定するとともに、この中心視野の中心位置に基づいて、上述した車両固定投影平面における周辺視野の領域を把握する。
そして、ノイズ発生場所決定部210は、運転者の中心視野を含む周辺視野の領域をノイズ発生場所として決定する。
そして、ノイズ発生場所決定部210は、運転者の中心視野を含む周辺視野の領域をノイズ発生場所として決定する。
ノイズ強度記憶部220は、運転者が視覚を介して知覚することのできる視覚的なノイズのノイズ強度の周波数分布が一様であるランダムノイズや、視覚的なノイズのノイズ強度が周波数の上昇に対して反比例する1/fノイズ等の種類の異なるノイズのノイズ強度の閾値を記憶するものである。
上述したように、確率共振(SR)を引き起こすために用いる視覚的なノイズは、ランダムな広帯域ノイズ(すなわち、特定の周波数帯域で強い強度を示すことのないノイズ)でなければならない。従って、例えば、ノイズ強度の周波数分布が一様であるランダムノイズや、ノイズ強度が周波数の上昇に対して反比例する1/fノイズ等を用いることで、確率共振(SR)を引き起こすことができるようになる。そのために、ノイズ強度記憶部220では、運転者における各種ノイズのノイズ強度の閾値を記憶する。
なお、ノイズ強度の閾値は、ノイズ出力部250から出力する視覚的なノイズの強度を徐々に高めていったときに、運転者がそのノイズを最初に視認したタイミングでのノイズの強度を示すものである。
最適ノイズ強度設定部230は、ランダムノイズのノイズ強度の閾値に対して所定割合のノイズ強度をランダムノイズの最適強度として設定し、ランダムノイズのノイズ強度の閾値に対して所定割合のノイズ強度を1/fノイズの最適強度として設定するものである。
ノイズ生成部240は、最適ノイズ強度設定部230の設定した最適強度に基づいてノイズ光を出力するための制御信号を生成し、この生成した制御信号をノイズ出力部250へ送信する。
この制御信号は、LEDライトの発する光の輝度や色彩を変化させる制御信号である。例えば、輝度については、LEDライトの発する光の輝度をランダムに変化させるための制御信号であり、色彩については、LEDライトの発する光の色そのものをランダムに変化させるための制御信号である。
ノイズ出力部250は、ノイズ光を出力するものであり、ノイズ生成部240からの制御信号に応じてLEDライトの発する光を変化させる。これにより、光の輝度や色彩の変化したノイズ光が出力される。
LEDライト制御装置300は、ノイズ発生装置200において決定されるノイズ発生場所の情報を取得し、このノイズ発生場所にLEDライトの発する光が照射されるように、LEDライトの照射方向を制御(調整)する。これにより、運転者の視線方向に常時ノイズ光を発生させることができる。
次に、本実施形態の視覚認識支援装置によるノイズ発生処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、視覚認識支援装置が起動すると、ステップ(以下、Sと記す)10では、運転者の視線方向を検出する。
S20では、S10にて検出した運転者の視線方向に基づいてノイズ発生場所を決定する。S30では、S20にて決定したノイズ発生場所にLEDライトの発する光が照射されるように、LEDライトの照射方向を調整する。
S40では、最適ノイズ強度設定部230の設定する最適強度のノイズ光を出力するための制御信号を生成する。S50では、S40で生成した制御信号に応じて、LEDライトの発する光を変化させる。以後、S10〜S50を繰り返し行う。
このように、本実施形態の視覚認識支援装置では、ヘッドライト以外の別の光源であるLEDライトの発する光を利用してノイズ光を発生させる。これにより、トンネル内や夜間等の走行に必要な明るさを確保するとともに、ノイズ光の照射範囲をヘッドライトの照射範囲に限定しないようにすることができる。その結果、走行に必要な明るさを保ちつつ、運転者の視認性を向上させることができるようになる。
100 視線方向検出装置
200 ノイズ発生装置
300 LEDライト制御装置
200 ノイズ発生装置
300 LEDライト制御装置
Claims (4)
- 視覚的なノイズを視認することができるノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的なノイズを生成し、その生成した視覚的なノイズを車両の進行方向に発生する視覚認識支援装置であって、
前記車両のヘッドライトと異なる光源と、
前記光源の発する光を利用して、前記視覚的なノイズを発生するノイズ発生手段と、を備えることを特徴とする視覚認識支援装置。 - 前記光源は、LEDによって構成されるLEDライトであることを特徴とする請求項1記載の視覚認識支援装置。
- 前記光源の発する光の輝度、及び色彩の少なくとも一方を変化させることで、前記視覚的なノイズを生成するノイズ生成手段を備え、
前記ノイズ発生手段は、前記ノイズ生成手段の生成した視覚的なノイズを発生することを特徴とする請求項1又は2記載の視覚認識支援装置。 - 前記車両の乗員の視線方向を検出する視線方向検出手段と、
前記視線方向検出手段の検出した視線方向に前記視覚的なノイズを発生すべきノイズ発生場所を決定するノイズ発生場所決定手段と、
前記ノイズ発生場所決定手段の決定したノイズ発生場所に前記視覚的なノイズを発生するように、前記光源の発する光の照射方向を制御する照射方向制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の視覚認識支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004339380A JP2006143137A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | 視覚認識支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004339380A JP2006143137A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | 視覚認識支援装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004339380A Pending JP2006143137A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | 視覚認識支援装置 |
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Country | Link |
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-
2004
- 2004-11-24 JP JP2004339380A patent/JP2006143137A/ja active Pending
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