JP2006142674A - 平板樹脂成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単でコンパクトな平板樹脂成形装置を提供する。
【解決手段】平板樹脂成形装置10は、原料樹脂12を平板樹脂14に成形するための成形部16と、1本の連続した離型フィルム18を搬送するための離型フィルム搬送装置20と、を含み、離型フィルム搬送装置20は、離型フィルム18の搬送経路の一部を構成し、離型フィルム20の一部を引き出してなる2つ折りの折曲部26を形成可能であるように略水平方向に進退動自在である可動ガイド28を備え、折曲部26内に原料樹脂12を保持して成形部16に搬入するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電子部品を封止するための素材等として用いられる平板樹脂の成形装置に関する。
従来、半導体のような電子部品を樹脂で封止する手法の一つとして、被封止物及び平板樹脂を金型内に投入し、平板樹脂を溶融させて所定の形状に成形しつつ被封止体を封止する手法が知られている。
平板樹脂は、熱硬化性の樹脂を一対の金型を用いて加熱・押圧することにより得られるが、成形された平板樹脂が金型に固着することがある。このため、金型から取出される際に平板樹脂が変形し、所望の寸法精度が得られないことがある。
これに対し、一対の金型の表面にそれぞれ離型フィルムを配設し、平板樹脂を型から容易に分離できるようにした平板樹脂成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような平板樹脂成形装置は、一対の金型に対応した一対の離型フィルム搬送装置を備えており、原料樹脂は、原料供給部において一方の離型フィルム上に載置されてから2本の離型フィルムに挟まれて保持され、この状態で一対の金型が設けられた成形部に搬送され、加熱されつつ平板樹脂に成形される。成形された平板樹脂は、一対の離型フィルムに保持された状態で除熱部に搬送されて除熱され、更に取出部に搬送されて取出される。
各離型フィルム搬送装置は、それぞれ供給ロール、回収ロール、ガイドローラ等を備えており、供給ロールに巻装された離型フィルムをガイドローラ等で案内して金型の表面に供給し、回収ロールに巻き取って回収するようになっている。
このように、平板樹脂の成形から取出しまで、平板樹脂は一対の離型フィルムに挟まれて保持され、これら離型フィルムと共に金型から容易に分離されるとともに、平板樹脂は取出部において離型フィルムから容易に分離されるので、成形後の変形が防止され、高い寸法精度が確実に得られる。
特開2003―85836号公報
しかしながら、従来の平板樹脂成形装置は、2台の離型フィルム搬送装置を備えているため大型なものとならざるを得なかった。又、平板樹脂を安定した状態で搬送するために一対の離型フィルムを等しい速度で搬送する必要があり、離型フィルム搬送装置の構造が複雑であった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、構造が簡単でコンパクトな平板樹脂成形装置を提供することをその課題とする。
本発明は、原料樹脂を平板樹脂に成形するための成形部と、1本の連続した離型フィルムを搬送するための離型フィルム搬送装置と、を含み、該離型フィルム搬送装置は、前記離型フィルムの搬送経路の一部を構成し、前記離型フィルムの一部を引き出してなる2つ折りの折曲部を形成可能であるように略水平方向に進退動自在である可動ガイドを備え、前記折曲部内に前記原料樹脂を保持して前記成形部に搬入するように構成された平板樹脂成形装置、により上記課題を解決したものである。
このように、1本の連続した離型フィルムに折曲部を形成し、この折曲部内に原料樹脂を保持して成形部に搬入し、又、折曲部内に平板樹脂を保持して成形部から搬出できるので、離型フィルム搬送装置が1台で足り、2台の離型フィルム搬送装置を備える従来の平板樹脂成形装置よりも構造が簡単でコンパクトである。
又、折曲部が移動する際、原料樹脂、平板樹脂を挟む折曲部の上側部分及び下側部分が一体で移動するので、2本の離型フィルムの搬送速度を同期させる機構が不要であり、この点でも構造の簡略化が図られている。
尚、可動ガイドは、離型フィルムを係止/解放自在であるとよい。可動ガイドが離型フィルムを係止した状態で進退動することにより、折曲部の上側部分及び下側部分の移動速度に差が生じることが確実に防止され、高い成形精度が得られる。
又、前記折曲部における前記原料樹脂が載置される部分の周囲を支持し、該折曲部の下側部分の変形を抑制するためのフィルム支持器を備え、該フィルム支持器と共に前記原料樹脂を前記成形部に搬入可能とするとよい。
フィルム支持器により折曲部の不適切な変形を抑制することで、平板樹脂の成形精度を一層高めることができる。
この場合、前記可動ガイドは、前記フィルム支持器に装着され、該フィルム支持器と共に進退動自在であるようにするとよい。
このようにすることで、フィルム支持器及び折曲部の移動速度に差が生じることを防止し、更に高い成形精度が得られる。
本発明によれば、平板樹脂成形装置の構造の簡略化、コンパクト化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための好ましい形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る平板樹脂成形装置10は、原料樹脂12を平板樹脂14に成形するための成形部16と、1本の連続した離型フィルム18を搬送するための離型フィルム搬送装置20と、を備え、離型フィルム搬送装置20の構造に特徴を有している。他の構成については、本第1実施形態の理解のために重要とは思われないため、説明を適宜省略することとする。
離型フィルム搬送装置20は、離型フィルム18を巻装してなる供給ロール22から成形部16等に離型フィルム18を搬送し、回収ロール24に回収するようになっている。
離型フィルム搬送装置20は、離型フィルム18の搬送経路の一部を構成し、離型フィルム20の一部を引き出してなる2つ折りの折曲部26を形成可能であるように略水平方向に進退動自在である可動ガイド28を備え、折曲部26内に原料樹脂12を保持して成形部16に搬入し、又、折曲部26内に平板樹脂14を保持して成形部16から搬出するように構成されている。
又、離型フィルム搬送装置20は、折曲部の上側の基端30Aを形成するための上側基端ガイド32と、上側基端ガイド32よりも成形部16から離間して配置された、折曲部26の下側の基端30Bを形成するための下側基端ガイド34と、を備えている。
可動ガイド28は、軸が離型フィルム18の幅方向に平行な2本のローラ28A、28Bで構成されている。これらローラ28A、28Bはローラ28Aが折曲部26の先端部を形成するように水平方向に並んで、図示しないベース部材に回転自在に装着され、該ベース部材と共に水平方向に進退動自在とされている。又、これらローラ28A、28Bは、図2に示されるように、離型フィルム18を挟むようにして案内するとともに、相互に接近/離間自在であるようにベース部材に装着されており、ローラ28A、28Bが接近して離型フィルム18を挟み込むことにより、離型フィルム18を係止し、ローラ28A、28Bが離間することにより、離型フィルム18を解放するようになっている。
上側基端ガイド32は、軸が離型フィルム18の幅方向に平行なローラであり、その下端の上下方向の位置が、ローラ28A、28Bの上端よりも僅かに高くなるように配置されている。
下側基端ガイド34も軸が離型フィルム18の幅方向に平行なローラであり、その上端の上下方向の位置が、ローラ28A、28Bの上端とほぼ一致するように配置されている。
又、上側基端ガイド32の近傍には、ローラ35が設置されている。具体的には、ローラ35は、上側基端ガイド32に対して、水平方向の下側基端ガイド34側、上下方向の上側に配置されている。尚、上側基端ガイド32、下側基端ガイド34、ローラ35はいずれも回転自在であるように軸心の位置が固定されている。
又、離型フィルム搬送装置20は、離型フィルム18が緊張した状態で可動ガイド28が進退動可能であるように離型フィルム18に緊張力を付与する緊張力調整機構36を備えている。
緊張力調整機構36は、上側緊張力調整装置38と、下側緊張力調整装置40と、を有して構成されている。
上側緊張力調整装置38は、供給ロール22と上側基端ガイド32との間において離型フィルム18を案内するローラ38Aと、このローラ38Aを先端近傍において回転自在に支持し、基端近傍において回転自在に設置されたアーム38Bと、このアーム38Bを介してローラ38Aを該ローラ38Aが離型フィルム18に当接する方向に付勢するための付勢機構38Cと、を備えている。尚、図1では付勢機構38Cとして、引っ張りコイルばねを例示しているが、付勢機構として例えば圧縮コイルばね、ねじりコイルばね等の他の種類のばねや、空気圧シリンダ、電磁ソレノイド等のアクチュエータを用いてもよい。
下側緊張力調整装置40は、回収ロール24と下側基端ガイド34との間において離型フィルム18を案内するローラ40Aと、アーム40Bと、付勢機構40Cと、を備えている。下側緊張力調整装置40の構造は、上側緊張力調整装置38と同様である。
成形部16は、上型16Aと、下型16Bと、枠体16Cと、これらを加熱するための図示しない加熱器を備えている。上型16A及び下型16Bは、上下方向に接近/離間自在であり、離型フィルム18の折曲部26を上下方向両側から挟みこむことができるようになっている。枠体16Cは、平板樹脂14の側面を成形するために下型16Bの外周を囲むように、該下型16Bの上端よりも上方に若干突出して下型16Bに取付けられている。
又、平板樹脂成形装置10は、原料樹脂12を離型フィルム18上に載置するための、原料樹脂供給装置42と、成形部16で加熱された平板樹脂14を除熱するための除熱部44と、平板樹脂14が取出される取出部46と、を備えている。
原料樹脂供給装置42は、上側基端ガイド32及び下側基端ガイド34の間において原料樹脂12を離型フィルム18上に載置するように設置されている。
除熱部44は、成形部16の原料樹脂供給装置42と反対側に配置されている。除熱部44は、上側伝熱部材44Aと、下側伝熱部材44Bと、を備えている。上側伝熱部材44A及び下側伝熱部材44Bは、上下方向に接近/離間自在であり、離型フィルム18の折曲部26を上下方向両側から挟みこむことができるように設置されている。
取出部46は、下側基端ガイド34の成形部16と反対側に配置されている。取出部46は、台状の部材であり、上面の高さが下側基端ガイド34の上端よりも僅かに低くなるように、下側基端ガイド34に隣接して配置されている。
次に、平板樹脂成形装置10の作用について説明する。
まず、図3Aに示されるように、可動ガイド28がローラ35の下方近傍に位置する状態で、原料樹脂供給装置42から離型フィルム18上に原料樹脂12を供給する。この際、可動ガイド28のローラ28A、28Bを接近させて離型フィルム18を挟み込み、離型フィルム18を係止しておく。又、供給ロール22、回収ロール24は回転しないように係止しておく。
可動ガイド28を上側基端ガイド32よりも成形部16側に移動させると、図3Bに示されるように折曲部26が形成され、原料樹脂12は折曲部26内に挟まれた状態で保持される。尚、緊張力調整機構36により、離型フィルム18は適度な緊張力で緊張した状態に保持される。可動ガイド28が成形部16の上型16A及び下型16Bの間を通り抜け、原料樹脂12がこれら上型16A及び下型16Bの間まで搬送されたところで、可動ガイド28を停止させる。ここで、上型16A及び下型16Bを接近させて型締めし、所定の時間加熱することにより原料樹脂12は平板樹脂14に成形される。
次に、上型16A及び下型16Bを離間させ、折曲部26内に保持された平板樹脂14を除熱部44まで移動させる。平板樹脂14は、折曲部26内に保持されているので、折曲部26と共に上型16A及び下型16Bから容易に分離される。図3Cに示されるように、可動ガイド28が除熱部44の上側伝熱部材44A及び下側伝熱部材44Bの間を通り抜け、平板樹脂14がこれら上側伝熱部材44A及び下側伝熱部材44Bの間まで搬送されたところで、可動ガイド28を停止させる。ここで、上側伝熱部材44A及び下側伝熱部材44Bで折曲部26を所定の時間挟むことにより、折曲部26内に保持された平板樹脂14が除熱される。
次に、上側伝熱部材44A及び下側伝熱部材44Bを離間させ、図3Dに示されるように、平板樹脂14を取出部46まで移動させる。折曲部26は、可動ガイド28が上側基端ガイド32の下方を通過する際に開放され、平板樹脂14の上面に密着していた離型フィルム18は平板樹脂14から分離される。更に、可動ガイド28が、下側基端ガイド34に接近すると、平板樹脂14の下面に密着していた離型フィルム18も平板樹脂14から除々に分離され、平板樹脂14は取出部46の上に滑るように載置される。尚、緊張力調整機構36により、離型フィルム18は適度な緊張力で緊張した状態に保持され、弛みが生じることはない。
これにより、1枚の平板樹脂14の成形が完了する。同様に所定の回数、平板樹脂14の成形を行ったところで、可動ガイド28のローラ28A、28Bを僅かに離間させて可動ガイド28から離型フィルム18を解放し、所定の長さの離型フィルム18を供給ロール22から供給すると共に、回収ロール24で回収する。これにより、離型フィルム18における使用済みの部分は折曲部26よりも回収ロール24側へ移動し、未使用部分が折曲部26を構成するようになる。尚、1枚の平板樹脂14を成形する毎に、離型フィルム18における使用済みの部分を回収ロール24側へ送り出すようにしてもよい。以下同様に、平板樹脂14の成形を繰り返す。
このように、1本の連続した離型フィルム18に折曲部26を形成し、この折曲部26内に原料樹脂12を保持して成形部16に搬入し、又、折曲部26内に平板樹脂14を保持して成形部16から搬出できるので、平板樹脂成形装置10は、離型フィルム搬送装置20が1台で足り、2台の離型フィルム搬送装置を備える従来の平板樹脂成形装置よりも構造が簡単でコンパクトである。
又、折曲部26が移動する際、原料樹脂12、平板樹脂14を挟む折曲部26の上側部分及び下側部分が一体で移動するので、2本の離型フィルムの搬送速度を同期させる機構が不要であり、この点でも構造の簡略化が図られている。
又、可動ガイド28は、離型フィルム18を係止/解放自在であり、可動ガイド28が離型フィルム18を係止した状態で進退動するので、折曲部28の上側部分及び下側部分の移動速度に差が生じることを確実に防止でき、高い成形精度が得られる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態は、上記第1実施形態に対し、折曲部26を引き出しつつ平板樹脂14を複数回連続して成形可能であるように、折曲部26の長さが複数の平板樹脂14を水平方向に並べて保持可能な長さになる位置まで可動ガイド28が移動可能とされたことを特徴としている。他の点は、上記第1実施形態と同様であるので、同様の点については説明を省略しつつ本第2実施形態における平板樹脂成形装置10の作用について説明する。
まず、図4Aに示されるように、第1の平板樹脂14の成形のために折曲部26に保持された原料樹脂12又は成形された第1の平板樹脂14が成形部16に位置している間に、第2の平板樹脂の原料となる原料樹脂12を離型フィルム18上に載置する。尚、第1の平板樹脂14の成形と、第2の平板樹脂の原料となる原料樹脂12の供給は、同時に行ってもよく、若干時間をずらして行ってもよい。
次に、図4Bに示されるように、第1の平板樹脂14を除熱部44に移動させると共に、第2の平板樹脂の原料となる原料樹脂12を成形部16に移動させ、第2の平板樹脂14を成形する。尚、第1の平板樹脂14の除熱と、第2の平板樹脂の成形は、同時に行ってもよく、若干時間をずらして行ってもよい。
更に、図4Cに示されるように、第1の平板樹脂14を除熱部44の成形部16と反対側に突出する位置まで移動させ、第2の平板樹脂14を除熱部44に移動させる。
第2の平板樹脂14の除熱が完了したら、可動ガイド28が取出部46の近傍まで移動する。これにより、第1の平板樹脂14、第2の平板樹脂14は、取出部46の上に滑るように連続して載置される。これにより、2枚の平板樹脂14の成形が完了する。
このように、2枚の平板樹脂14の成形を連続して行うことで、生産効率の向上を図ることができる。尚、更に長い折曲部26を形成する位置まで可動ガイド18が移動するように構成し、3枚以上の平板樹脂14の成形を連続して行うことも可能である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図5Aに示されるように、本第3実施形態に係る平板樹脂成形装置50は、折曲部26における原料樹脂12が載置される部分の周囲を支持し、折曲部26の下側部分の変形を抑制するためのフィルム支持器52を備え、フィルム支持器52と共に原料樹脂12を成形部16に搬入可能、且つ、平板樹脂14をフィルム支持器52と共に成形部16から搬出可能とされたことを特徴としている。
又、平板樹脂成形装置50は、取出部46の近傍において離型フィルム18から平板樹脂14を分離するための突出し装置54と、平板樹脂14を取出部46に移載するための移載装置56と、を備えている。他の構成については、前記第1実施形態に係る平板樹脂成形装置10と同様であるので、図1と同一符号を付することとして説明を適宜省略する。
フィルム支持器52は、具体的には、枠状のベース部材58に、可動ガイド28が装着された構造であり、可動ガイド28は、フィルム支持器52と共に進退動自在とされている。可動ガイド28は、その上端がベース部材58の上面とほぼ一致するようにベース部材58の(取出部46と反対側の)一端近傍に装着されている。ベース部材58は、折曲部26における原料樹脂12が載置される部分に対応する開口部58Aが設けられている。開口部58Aは、成形部16の枠体16C、除熱部44の下側伝熱部材44Bが挿入可能な大きさとなっている。
突出し装置54は、上下動自在の突出し部54Aを備え、突出し部54Aがフィルム支持器52の開口部58Aに挿入されて離型フィルム18と共に平板樹脂14を上方に突き出し、離型フィルム18及び平板樹脂14を分離するように構成されている。
移載装置56は、吸着部56Aを備え、吸着部56Aで平板樹脂14を負圧により吸着して取出部46に移載するように構成されている。
次に、平板樹脂成形装置50の作用について説明する。
図5Bに示されるように、原料樹脂12は、フィルム支持器52と共に成形部16に搬入され、平板樹脂14に成形される。下型16B、枠体16Cは、フィルム支持器52の開口部58Aに挿入され、折曲部26に当接して上型16Aと共に原料樹脂12を平板樹脂14に成形する。この際、折曲部26は、フィルム支持器52により変形が抑制される。
次に、図5Cに示されるように、平板樹脂14は、フィルム支持器52と共に除熱部44に搬送される。下側伝熱部材44Bはフィルム支持器52の開口部58Aに挿入され、折曲部26に当接して上側伝熱部材44Aと共に平板樹脂14を除熱する。除熱部44においても折曲部26は、フィルム支持器52により変形が抑制される。
次に、図5Dに示されるように、平板樹脂14は、フィルム支持器52と共に取出部46の近傍に搬送される。これにより折曲部26は開放されるが、平板樹脂14はフィルム支持器52の上に載置された状態であり、取出部46の上までは移動しない。ここで、突出し装置54の突出し部54Aが、フィルム支持器52の開口部58Aに挿入されて離型フィルム18と共に平板樹脂14を上方に突き出し、離型フィルム18及び平板樹脂14を分離する。更に、移載装置56が、吸着部56Aで平板樹脂14を負圧により吸着して取出部46に移載する。
このように、フィルム支持器52を用いることで、折曲部26の不適切な変形を確実に防止し、平板樹脂14の成形精度を高めることができる。又、可動ガイド28は、フィルム支持器52に装着され、フィルム支持器52と共に進退動するので、フィルム支持器52及び折曲部26の移動速度に差が生じることが確実に防止され、この点でも高い成形精度が得られる。
尚、本第3実施形態において、フィルム支持器52は、1枚の平板樹脂14の成形に対応した構成であるが、前記第2実施形態のように複数の平板樹脂14を連続して成形する場合には、図6A〜図6Fに示される本発明の第4実施形態のように、複数(本第4実施形態では2枚)の平板樹脂14に対応した構成のフィルム支持器60を用いればよい。
フィルム支持器60は、ベース部材62が、2枚の平板樹脂14を水平方向に並べて載置できる長さを有し、2枚の平板樹脂14に対応して2つの開口部62Aが設けられ、これら2つの開口部62Aの間は、中間支持部62Bとなっている。他の構成は、前上記第3実施形態と同様である。ベース部材を更に延長することで、3枚以上の平板樹脂14の連続成形を行うことも可能である。
尚、図6Aは、1枚目の平板樹脂のための原料樹脂12の供給工程を示す。又、図6Bは、1枚目の平板樹脂14の成形工程及び2枚目の平板樹脂のための原料樹脂12の供給工程を示す。図6Cは、1枚目の平板樹脂14の除熱工程及び2枚目の平板樹脂14の成形工程を示す。図6Dは、2枚目の平板樹脂14の除熱工程を示す。図6Eは、1枚目の平板樹脂14の取出工程を示す。図6Fは、2枚目の平板樹脂14の取出工程及び次の平板樹脂の成形のための原料樹脂12の供給工程を示す。
尚、上記第1〜第4実施形態において、可動ガイド28は、2本のローラ28A、28Bが接近/離間することにより、離型フィルム18を係止/解放自在であるが、折曲部26を形成することができ、且つ、離型フィルム18を係止/解放自在であれば、可動ガイドの構造は特に限定されず、例えばローラと回転しない丸棒状体を有して構成される可動ガイドや、2本の回転しない丸棒状体を有して構成される可動ガイドを用いてもよい。又、1本のローラ又は丸棒状体のガイドと、例えば、離型フィルムの幅方向の端部近傍だけをこのガイドに加圧して離型フィルムを係止するための係止部材と、を有してなる可動ガイドを用いてもよい。
更に、折曲部26の上側部と下側部との速度差が生じないように、折曲部26を進退動させることができれば、離型フィルム18を係止する機能を有しない可動ガイドを用いてもよい。
本発明は、例えば電子部品を封止するための素材等として用いられる平板樹脂の成形に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る平板樹脂成形装置の構造を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置の可動ガイドの周辺構造を拡大して示す側面図 同平板樹脂成形装置の原料樹脂の供給工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置の平板樹脂の成形工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置の平板樹脂の除熱工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置の平板樹脂の取出工程を模式的に示す側面図 本発明の第2実施形態に係る平板樹脂成形装置による第1の平板樹脂の成形工程及び第2の平板樹脂のための原料樹脂の供給工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による第1の平板樹脂の除熱工程及び第2の平板樹脂の成形工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による第2の平板樹脂の除熱工程を模式的に示す側面図 本発明の第3実施形態に係る平板樹脂成形装置の構造を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による平板樹脂の成形工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による平板樹脂の除熱工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による平板樹脂の取出工程を模式的に示す側面図 本発明の第4実施形態に係る1枚目の平板樹脂のための原料樹脂の供給工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による1枚目の平板樹脂の成形工程及び2枚目の平板樹脂のための原料樹脂の供給工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による1枚目の平板樹脂の除熱工程及び2枚目の平板樹脂の成形工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による2枚目の平板樹脂の除熱工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による1枚目の平板樹脂の取出工程を模式的に示す側面図 同平板樹脂成形装置による1枚目の平板樹脂の取出工程を模式的に示す側面図
符号の説明
10、50…平板樹脂成形装置
12…原料樹脂
14…平板樹脂
16…成形部
16A…上型
16B…下型
16C…枠体
18…離型フィルム
20…離型フィルム搬送装置
22…供給ロール
24…回収ロール
26…折曲部
28…可動ガイド
28A、28B、35、38A、40A…ローラ
30A、30B…基端
32…上側基端ガイド
34…下側基端ガイド
36…緊張力調整機構
38…上側緊張力調整装置
38B、40B…アーム
38C、40C…付勢機構
40…下側緊張力調整装置
42…原料樹脂供給装置
44…除熱部
44A…上側伝熱部材
44B…下側伝熱部材
46…取出部
52、60…フィルム支持器
54…突出し装置
54A…突出し部
56…移載装置
56A…吸着部
58、62…ベース部材
58A、62A…開口部

Claims (7)

  1. 原料樹脂を平板樹脂に成形するための成形部と、1本の連続した離型フィルムを搬送するための離型フィルム搬送装置と、を含み、該離型フィルム搬送装置は、前記離型フィルムの搬送経路の一部を構成し、前記離型フィルムの一部を引き出してなる2つ折りの折曲部を形成可能であるように略水平方向に進退動自在である可動ガイドを備え、前記折曲部内に前記原料樹脂を保持して前記成形部に搬入するように構成された
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
  2. 請求項1において、
    前記可動ガイドは、前記離型フィルムを係止/解放自在である
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
  3. 請求項1又は2において、更に、
    前記折曲部の上側の基端を形成するための上側基端ガイドと、該上側基端ガイドよりも前記成形部から離間して配置された、前記折曲部の下側の基端を形成するための下側基端ガイドと、これら上側基端ガイド及び下側基端ガイドの間において前記原料樹脂を前記離型フィルム上に載置するための原料樹脂供給装置と、を備える
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記離型フィルムが緊張した状態で前記可動ガイドが進退動可能であるように前記離型フィルムに緊張力を付与する緊張力調整機構を備える
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記折曲部における前記原料樹脂が載置される部分の周囲を支持し、該折曲部の下側部分の変形を抑制するためのフィルム支持器を備え、該フィルム支持器と共に前記原料樹脂を前記成形部に搬入可能とした
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
  6. 請求項5において、
    前記可動ガイドは、前記フィルム支持器に装着され、該フィルム支持器と共に進退動自在である
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記折曲部を引き出しつつ前記平板樹脂を複数回連続して成形可能であるように、前記折曲部の長さが複数の前記平板樹脂を水平方向に並べて保持可能な長さになる位置まで前記可動ガイドが移動可能とした
    ことを特徴とする平板樹脂成形装置。
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