JP2006141238A - 揚たがね餅の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 やわらかく、サクサクした食感が得られ、しかも、風味が損なわれることがなく、後味のよい揚たがね餅の製造方法を提供する。
【解決手段】 餅米とうるち米とを配合した原料粉から生地を作る蒸練工程と、所定の厚さに伸ばす成形工程と、所定の大きさに切断する切断工程と、所定の水分量になるまで前記生地を乾燥させる乾燥工程と、とろ火にかけて、さらに前記生地の水分を除去する予熱工程と、油で揚げる油揚工程と、この油で揚げた生地を冷却しながら乾燥させる仕上げ乾燥工程とを有する揚たがね餅の製造方法であって、予熱工程の後、油揚工程の前に、予熱した前記生地を弱火ないし強火で焼いて膨張させる煎り工程を設けるとともに、仕上げ乾燥工程は、室(むろ)内で行い、この室内の温度を15℃以下に、および/または湿度を35%以下に下げた状態で、空気を循環させながら、蒸気を除去して行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 餅米とうるち米とを配合した原料粉から生地を作る蒸練工程と、所定の厚さに伸ばす成形工程と、所定の大きさに切断する切断工程と、所定の水分量になるまで前記生地を乾燥させる乾燥工程と、とろ火にかけて、さらに前記生地の水分を除去する予熱工程と、油で揚げる油揚工程と、この油で揚げた生地を冷却しながら乾燥させる仕上げ乾燥工程とを有する揚たがね餅の製造方法であって、予熱工程の後、油揚工程の前に、予熱した前記生地を弱火ないし強火で焼いて膨張させる煎り工程を設けるとともに、仕上げ乾燥工程は、室(むろ)内で行い、この室内の温度を15℃以下に、および/または湿度を35%以下に下げた状態で、空気を循環させながら、蒸気を除去して行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、揚たがね餅の製造方法に関する。
古くから、餅米とうるち米とを混ぜて作ったたがね餅が知られている。うるち米を混ぜているため、あっさりしたうるち米の食感と独特の舌触りが好まれている。
また、たがね餅は、焼いて煎餅にしたり、油で揚げて揚げ餅にしたり、あられや、かきもちにしたりしても食べられており、ぱりっとしたたがね特有の食感が好まれている。
また、たがね餅は、焼いて煎餅にしたり、油で揚げて揚げ餅にしたり、あられや、かきもちにしたりしても食べられており、ぱりっとしたたがね特有の食感が好まれている。
ところで、煎餅や揚げ餅には、さまざまな食感、歯ごたえのものがあり、硬いものややわらかいもの等千差万別である。
しかしながら、硬いものは食べにくく、逆にやわらかいものは歯ごたえがなくて、香ばしい食感も得られない。また、揚げ餅は、油で揚げているので、ややもすると酸化しやすく風味が損なわれるおそれがある。
そこで、本願発明は、子供からお年寄りまで広く好まれる、やわらかく、しかもサクサクした食感が得られる揚たがね餅の製造方法を提供することを第1の課題とする。また、香味が損なわれることがなく、香ばしい風味が残り、後味のよい揚たがね餅の製造方法を提供することを第2の課題とする。
しかしながら、硬いものは食べにくく、逆にやわらかいものは歯ごたえがなくて、香ばしい食感も得られない。また、揚げ餅は、油で揚げているので、ややもすると酸化しやすく風味が損なわれるおそれがある。
そこで、本願発明は、子供からお年寄りまで広く好まれる、やわらかく、しかもサクサクした食感が得られる揚たがね餅の製造方法を提供することを第1の課題とする。また、香味が損なわれることがなく、香ばしい風味が残り、後味のよい揚たがね餅の製造方法を提供することを第2の課題とする。
請求項1に係る発明は、餅米とうるち米とが所定の割合で配合された原料粉から生地を作る蒸練工程と、この生地を所定の厚さに伸ばす成形工程と、この成形された生地を所定の大きさに切断する切断工程と、この切断された生地を所定の水分量になるまで乾燥機内で乾燥させる乾燥工程と、この乾燥後、前記生地をとろ火にかけて、さらに前記生地の水分を飛ばす予熱工程と、この予熱した生地を油で揚げる油揚工程と、この油で揚げた生地を冷却しながら乾燥させる仕上げ乾燥工程とを有する揚たがね餅の製造方法であって、前記予熱工程の後、前記油揚工程の前に、予熱した前記生地を前記予熱工程より温度の高い弱火ないし強火で焼いて膨張させる煎り工程を設けたことを特徴とする。
かかる発明によれば、予熱した生地を予熱工程より温度の高い弱火ないし強火で焼くことにより、生地に含まれていた水分が急速に蒸発して、生地が膨張することによって、軽くてソフトなサクサクした食感をより一層増大させることができる。
ここで、「予熱」とは、生地を油で揚げる前に、生地に含まれる水分を飛ばすために、予めとろ火で熱を加えることをいう。また、「煎り」とは、生地に含まれる水分を急激に蒸発させ、生地を膨張させるために、弱火ないし強火で加熱することをいう。
なお、「冷却しながら乾燥させる」とは、いわゆる常温で放置して自然乾燥することも含まれる広い概念を意味する。
かかる発明によれば、予熱した生地を予熱工程より温度の高い弱火ないし強火で焼くことにより、生地に含まれていた水分が急速に蒸発して、生地が膨張することによって、軽くてソフトなサクサクした食感をより一層増大させることができる。
ここで、「予熱」とは、生地を油で揚げる前に、生地に含まれる水分を飛ばすために、予めとろ火で熱を加えることをいう。また、「煎り」とは、生地に含まれる水分を急激に蒸発させ、生地を膨張させるために、弱火ないし強火で加熱することをいう。
なお、「冷却しながら乾燥させる」とは、いわゆる常温で放置して自然乾燥することも含まれる広い概念を意味する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の揚たがね餅の製造方法であって、前記煎り工程は、前記予熱した生地を箱の中で振動させながら焼くことを特徴とする。
かかる発明によれば、予熱した生地をさらに箱の中で振動させながら予熱工程より温度の高い弱火ないし中火で焼くことにより、生地が転がりながら加熱されるため、生地の周囲を満遍なく焼き上げることができ、生地がむらなく膨張し、さらに軽くてソフトなサクサクした食感を著しく向上させることができる。
かかる発明によれば、予熱した生地をさらに箱の中で振動させながら予熱工程より温度の高い弱火ないし中火で焼くことにより、生地が転がりながら加熱されるため、生地の周囲を満遍なく焼き上げることができ、生地がむらなく膨張し、さらに軽くてソフトなサクサクした食感を著しく向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の揚たがね餅の製造方法であって、前記煎り工程と前記予熱工程とは、上段と下段に仕切られた炉の中で、前記下段に熱源を備えて前記煎り工程を行い、前記上段で前記予熱工程を行うことを特徴とする。
かかる発明によれば、底部に熱源を備えた1つの炉の中で、下段では前記煎り工程を行い、上段では前記予熱工程を同時進行することにより、下段では熱源から近接しているため、熱源から遠い上段に対して加熱温度を高く設定できるとともに、上段では熱源から遠いため、包み込むような柔らかな加熱状態が得られ最適な温度設定が可能となる。
併せて、1つの炉の中で、1つの熱源により、予熱工程と煎り工程が行えるため、作業効率を向上させるとともに、エネルギーの効率化を達成でき、コストを削減することが可能となる。
かかる発明によれば、底部に熱源を備えた1つの炉の中で、下段では前記煎り工程を行い、上段では前記予熱工程を同時進行することにより、下段では熱源から近接しているため、熱源から遠い上段に対して加熱温度を高く設定できるとともに、上段では熱源から遠いため、包み込むような柔らかな加熱状態が得られ最適な温度設定が可能となる。
併せて、1つの炉の中で、1つの熱源により、予熱工程と煎り工程が行えるため、作業効率を向上させるとともに、エネルギーの効率化を達成でき、コストを削減することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された揚たがね餅の製造方法であって、前記仕上げ乾燥工程は、温度を15℃以下に、および/または湿度を35%以下に下げた室(むろ)内で行うことを特徴とする。
かかる発明によれば、室内の温度を下げて乾燥させることにより、油の酸化が抑制され、さらに、室内の湿度を下げて乾燥させることにより、乾燥時間が短縮されて、油の酸化が抑制され、風味が損なわれることなく、後味のよい揚たがね餅を製造することができる。
かかる発明によれば、室内の温度を下げて乾燥させることにより、油の酸化が抑制され、さらに、室内の湿度を下げて乾燥させることにより、乾燥時間が短縮されて、油の酸化が抑制され、風味が損なわれることなく、後味のよい揚たがね餅を製造することができる。
本発明によれば、第1に、軽くてやわらかく、しかもサクサクした食感が得られる揚たがね餅の製造方法を提供することができ、また、第2に、香味が損なわれることがなく、香ばしい風味が残り、後味のよい揚たがね餅の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る揚たがね餅の製造方法は、餅米とうるち米とを配合し、製粉した原料粉から生地を作る蒸練工程と、この生地を所定の厚さに伸ばす成形工程と、この成形された生地を所定の大きさに切断する切断工程と、この切断された生地を乾燥機内で水分を蒸発させて乾燥させる乾燥工程と、この乾燥後、さらに、予熱をかけて前記生地の余分な水分を除去する予熱工程と、この予熱した生地を焼いて膨張させる煎り工程と、この生地を油で揚げる油揚工程と、この油で揚げた生地を冷却し、乾燥させる仕上げ乾燥工程とを有している。
本実施形態に係る揚たがね餅の製造方法は、餅米とうるち米とを配合し、製粉した原料粉から生地を作る蒸練工程と、この生地を所定の厚さに伸ばす成形工程と、この成形された生地を所定の大きさに切断する切断工程と、この切断された生地を乾燥機内で水分を蒸発させて乾燥させる乾燥工程と、この乾燥後、さらに、予熱をかけて前記生地の余分な水分を除去する予熱工程と、この予熱した生地を焼いて膨張させる煎り工程と、この生地を油で揚げる油揚工程と、この油で揚げた生地を冷却し、乾燥させる仕上げ乾燥工程とを有している。
本実施形態に係る揚たがね餅の製造方法においては、一例として、もち米を7に対し、うるち米を3の割合で配合したものを原料としている。
たがね餅特有のあっさりとした食感ともち米の滑らかさが適度な調和を醸し出し、食感がよいからである。
この配合した米を水洗いして、白水がなくなるまでよく磨いでから、水分がなくなるまでよく水を切り、さらさらした状態になったら、製粉機により製粉する。米の粒が1/6から1/8程度の大きさになるまで製粉して、原料粉とする。粒の大きさをなるべく揃えるようにすることが望ましい。
なお、本実施形態においては、もち米とうるち米を配合してから製粉したが、各別に製粉したものを配合して原料粉としてもよい。また、もち米とうるち米の配合の割合は、5対5〜7対3としてもよい。
たがね餅特有のあっさりとした食感ともち米の滑らかさが適度な調和を醸し出し、食感がよいからである。
この配合した米を水洗いして、白水がなくなるまでよく磨いでから、水分がなくなるまでよく水を切り、さらさらした状態になったら、製粉機により製粉する。米の粒が1/6から1/8程度の大きさになるまで製粉して、原料粉とする。粒の大きさをなるべく揃えるようにすることが望ましい。
なお、本実施形態においては、もち米とうるち米を配合してから製粉したが、各別に製粉したものを配合して原料粉としてもよい。また、もち米とうるち米の配合の割合は、5対5〜7対3としてもよい。
[蒸練工程]
蒸練工程は、もち米とうるち米を配合した原料粉に水を加え、蒸し煮釜の中で攪拌しながら練り上げる工程である。ここで、蒸し煮の際の水分の割合は、原料粉が例えば60kgであれば、最初に原料粉に含まれる水分量にもよるが、およそ25〜37%とすると良好であり、30〜32%とすればさらに良好である。
また、さらに良好な滑らかな面の生地に仕上げるためには、新粉つき機で、蒸し練された生地を粉つきするとよい。生地に含まれる水分を平均化して、均一に練り上げることができるため、生地の仕上げ面をさらに滑らかにすることができる。
蒸練工程は、もち米とうるち米を配合した原料粉に水を加え、蒸し煮釜の中で攪拌しながら練り上げる工程である。ここで、蒸し煮の際の水分の割合は、原料粉が例えば60kgであれば、最初に原料粉に含まれる水分量にもよるが、およそ25〜37%とすると良好であり、30〜32%とすればさらに良好である。
また、さらに良好な滑らかな面の生地に仕上げるためには、新粉つき機で、蒸し練された生地を粉つきするとよい。生地に含まれる水分を平均化して、均一に練り上げることができるため、生地の仕上げ面をさらに滑らかにすることができる。
[成形工程]
成形工程は、所定の大きさの型枠に入れて、生地を所定の厚さに伸ばす工程である。本実施形態においては、一例として、1.5〜1.7cmの厚さにしている。
成形工程は、所定の大きさの型枠に入れて、生地を所定の厚さに伸ばす工程である。本実施形態においては、一例として、1.5〜1.7cmの厚さにしている。
[切断工程]
成形後は、生地を安定させるために、冷蔵庫に入れて冷却しながら2日間程度寝かせる。そして、生地が安定したら、裁断機で、製品の揚たがね餅の大きさに切断する。ここでは、一例として、縦1.5cm、横1.0cm程度のあられ状の角形に切断する。
なお、本実施形態では、あられ状の角形に切断しているが、この形状に限定されるものではなく、本発明は、処理時間等の調整により、種々の形状に適用可能である。
成形後は、生地を安定させるために、冷蔵庫に入れて冷却しながら2日間程度寝かせる。そして、生地が安定したら、裁断機で、製品の揚たがね餅の大きさに切断する。ここでは、一例として、縦1.5cm、横1.0cm程度のあられ状の角形に切断する。
なお、本実施形態では、あられ状の角形に切断しているが、この形状に限定されるものではなく、本発明は、処理時間等の調整により、種々の形状に適用可能である。
[乾燥工程]
乾燥工程は、乾燥機内で8時間程度、じっくり時間をかけて乾燥させる工程である。できるだけ加熱せず、自然な状態で乾燥させることが望ましい。低い温度の温風乾燥や回転テーブル、またはコンベア方式の乾燥機を用いることができる。乾燥後は、さらに一晩蒸らし、翌日再度乾燥機で乾燥させ、水分残量を18〜19%まで低減させている。
乾燥工程は、乾燥機内で8時間程度、じっくり時間をかけて乾燥させる工程である。できるだけ加熱せず、自然な状態で乾燥させることが望ましい。低い温度の温風乾燥や回転テーブル、またはコンベア方式の乾燥機を用いることができる。乾燥後は、さらに一晩蒸らし、翌日再度乾燥機で乾燥させ、水分残量を18〜19%まで低減させている。
[予熱工程]
予熱工程とは、生地を油で揚げる前に、生地に含まれる水分を飛ばすために、予めとろ火で加熱することをいう。
予熱工程では、切断した生地の大きさや火力等の条件により異なるが、乾燥させた生地を約15分〜30分程度、バーナ等の熱源を用いて、略120℃〜180℃程度の温度で比較的時間をかけてとろ火で加熱することにより、さらに不必要な水分を除去している。
予熱工程とは、生地を油で揚げる前に、生地に含まれる水分を飛ばすために、予めとろ火で加熱することをいう。
予熱工程では、切断した生地の大きさや火力等の条件により異なるが、乾燥させた生地を約15分〜30分程度、バーナ等の熱源を用いて、略120℃〜180℃程度の温度で比較的時間をかけてとろ火で加熱することにより、さらに不必要な水分を除去している。
[煎り工程]
煎り工程とは、生地に含まれる水分を急激に蒸発させ、生地を膨張させるために、弱火ないし強火で加熱することをいう。
煎り工程では、210℃〜260℃程度の予熱工程よりも高い温度で、約2分間程度の短かい時間加熱して生地を膨張させている。なお、煎り工程は、前記予熱工程の後、連続して行うことが望ましい。また、加熱時間は、生地の膨張の程度を見ながら適宜設定する。
煎り工程とは、生地に含まれる水分を急激に蒸発させ、生地を膨張させるために、弱火ないし強火で加熱することをいう。
煎り工程では、210℃〜260℃程度の予熱工程よりも高い温度で、約2分間程度の短かい時間加熱して生地を膨張させている。なお、煎り工程は、前記予熱工程の後、連続して行うことが望ましい。また、加熱時間は、生地の膨張の程度を見ながら適宜設定する。
図1は、前記予熱工程および煎り工程を説明するための模式図である。
煎り工程は、本実施形態においては、前記予熱工程と並行して作業を行う形態を採用している。すなわち、焼成炉5の中に仕切板5dを設け、上段と下段に分離し、下段焼成室5bの底部に熱源としてガスバーナ5cを設置し、下段焼成室5bで煎り工程を行い、上段焼成室5aで予熱工程を行ない、上段の予熱工程が終わったものを下段に移動して、煎り工程を行っている。
したがって、下段焼成室5bは、ガスバーナ5cと近接しているため、焼成温度が高く、210℃〜260℃程度に設定されているが、さらに好ましくは、230℃から250℃程度である。一方、上段焼成室5aは、ガスバーナ5cから遠いため、下段焼成室5bより温度が低く、略120℃〜180℃程度に設定されている。
煎り工程は、本実施形態においては、前記予熱工程と並行して作業を行う形態を採用している。すなわち、焼成炉5の中に仕切板5dを設け、上段と下段に分離し、下段焼成室5bの底部に熱源としてガスバーナ5cを設置し、下段焼成室5bで煎り工程を行い、上段焼成室5aで予熱工程を行ない、上段の予熱工程が終わったものを下段に移動して、煎り工程を行っている。
したがって、下段焼成室5bは、ガスバーナ5cと近接しているため、焼成温度が高く、210℃〜260℃程度に設定されているが、さらに好ましくは、230℃から250℃程度である。一方、上段焼成室5aは、ガスバーナ5cから遠いため、下段焼成室5bより温度が低く、略120℃〜180℃程度に設定されている。
図1を参照しながら、予熱工程、および煎り工程の具体的内容を詳細に説明する。
図1に示すように、予熱工程および煎り工程は、中央に仕切板5dが形成された同じ焼成炉5の中で同時に進行して行なわれている。
具体的には、前記予熱工程では、あられ状に切断した生地1をトレイ6に載せて、上段焼成室5aで約20分程度予熱を与えて、生地1に含まれる水分を除去する。
また、前記煎り工程では、ガスバーナ5c等の熱源の上に台座9を介して、金網箱8を設置し、その金網箱8の中に予熱工程で予熱されたあられ状の生地2を入れて、例えば、台座9を図示しないモータ等で図示しないクランク機構等により振動させて、生地2を躍らせるようにして攪拌しながら焼成する。
なお、本実施形態では、請求項2に記載の「箱」として、金網箱を使用したが、熱が伝達でき、生地がこぼれ落ちないような形態であれば、鉄板等の板状のものでもよい。
また、本実施形態では、熱源となるバーナを下段焼成室5bの底部のみに設けているが、所定の温度に設定できれば、底部に加えて、さらに、下段焼成室5bの側面や上段焼成室5aの側面や上部等に設けてもよい。
図1に示すように、予熱工程および煎り工程は、中央に仕切板5dが形成された同じ焼成炉5の中で同時に進行して行なわれている。
具体的には、前記予熱工程では、あられ状に切断した生地1をトレイ6に載せて、上段焼成室5aで約20分程度予熱を与えて、生地1に含まれる水分を除去する。
また、前記煎り工程では、ガスバーナ5c等の熱源の上に台座9を介して、金網箱8を設置し、その金網箱8の中に予熱工程で予熱されたあられ状の生地2を入れて、例えば、台座9を図示しないモータ等で図示しないクランク機構等により振動させて、生地2を躍らせるようにして攪拌しながら焼成する。
なお、本実施形態では、請求項2に記載の「箱」として、金網箱を使用したが、熱が伝達でき、生地がこぼれ落ちないような形態であれば、鉄板等の板状のものでもよい。
また、本実施形態では、熱源となるバーナを下段焼成室5bの底部のみに設けているが、所定の温度に設定できれば、底部に加えて、さらに、下段焼成室5bの側面や上段焼成室5aの側面や上部等に設けてもよい。
[油揚工程]
煎り工程の終了後、生地が冷めないうちに、生地を約180℃〜200℃に加熱した油で、20分間程度、生地がこんがりときつね色になるまで揚げる。この揚げ上がりは、口に入れたときに、香ばしい風味が感じられることが必要である。
そして、油で揚げた揚げ餅は、熱いうちに醤油等をかけて味付けする。
煎り工程の終了後、生地が冷めないうちに、生地を約180℃〜200℃に加熱した油で、20分間程度、生地がこんがりときつね色になるまで揚げる。この揚げ上がりは、口に入れたときに、香ばしい風味が感じられることが必要である。
そして、油で揚げた揚げ餅は、熱いうちに醤油等をかけて味付けする。
[仕上げ乾燥工程]
仕上げ乾燥工程は、油で揚げて醤油等で味付けされた揚げ餅を包装する前に乾燥させる工程である。
図2は、仕上げ乾燥工程を説明するための模式図である。図2に示すように、仕上げ乾燥工程は、室(むろ)12で行なわれている。具体的には、図示しない空調機により、例えば、室12内の温度を15℃以下に、および湿度を35%以下に下げた状態で行われている。この室内の温度および湿度は、操作盤13で設定できるようになっている。
もっとも、温度が15℃以上、または湿度が35%以上でも構わないが、その場合には良好な乾燥状態となるように乾燥時間を調整する。
所定の温度および湿度に維持された室12内に油で揚げた揚げ餅3をトレイ14に入れて搬入し、所定間隔でラック15に段積みにして乾燥させる。揚げ餅3から放出された水分や油等の蒸気は、換気口16から排出されるように図示しない換気装置が設けられている。
仕上げ乾燥工程は、揚げ餅3の大きさや温度等の条件により異なるが約2時間程度かけて行い、揚げ餅3の水分や油の蒸気が発生しないように完全に除去する。
なお、図2に示すように、送風ファン18を設置して揚げ餅3から発生する蒸気を強制的に飛ばすようにすると、さらに満遍なく乾燥できるためより望ましい。
仕上げ乾燥工程は、油で揚げて醤油等で味付けされた揚げ餅を包装する前に乾燥させる工程である。
図2は、仕上げ乾燥工程を説明するための模式図である。図2に示すように、仕上げ乾燥工程は、室(むろ)12で行なわれている。具体的には、図示しない空調機により、例えば、室12内の温度を15℃以下に、および湿度を35%以下に下げた状態で行われている。この室内の温度および湿度は、操作盤13で設定できるようになっている。
もっとも、温度が15℃以上、または湿度が35%以上でも構わないが、その場合には良好な乾燥状態となるように乾燥時間を調整する。
所定の温度および湿度に維持された室12内に油で揚げた揚げ餅3をトレイ14に入れて搬入し、所定間隔でラック15に段積みにして乾燥させる。揚げ餅3から放出された水分や油等の蒸気は、換気口16から排出されるように図示しない換気装置が設けられている。
仕上げ乾燥工程は、揚げ餅3の大きさや温度等の条件により異なるが約2時間程度かけて行い、揚げ餅3の水分や油の蒸気が発生しないように完全に除去する。
なお、図2に示すように、送風ファン18を設置して揚げ餅3から発生する蒸気を強制的に飛ばすようにすると、さらに満遍なく乾燥できるためより望ましい。
仕上げ乾燥工程が完了した後に、揚げたがね餅を室から出し、箱に入れて、最終的に十分蒸らす。
そして、よく蒸らした揚たがね餅をクリーンな恒温室で品質を検査した後、自動計量機および金属探知機にかけて、熟練した作業者により、1袋ずつ目視にて検査しながら丁寧に包装する。
そして、よく蒸らした揚たがね餅をクリーンな恒温室で品質を検査した後、自動計量機および金属探知機にかけて、熟練した作業者により、1袋ずつ目視にて検査しながら丁寧に包装する。
続いて、本実施形態に係る揚たがね餅の製造方法の作用について説明する。
本実施形態においては、前記予熱工程の後、油揚工程の前に、予熱した前記生地をその予熱工程より温度の高い弱火ないし強火で焼いて膨張させる煎り工程を設けている。
ここで、予熱工程では、生地に刺激を与えないように、比較的低い温度のとろ火で十分な時間をかけて徐々に水分を除去して、その後油で揚げていた。
しかしながら、加熱温度が比較的低いため、生地が乾燥しても生地の膨張には一定の限度があり、ソフトでサクサクした満足の行く食感が得られなかった。
これに対し、本実施形態のように、予熱工程よりさらに高温の230℃程度の弱火ないし強火で、生地を短時間で加熱することにより、残存していた水蒸気が急速に放散されて、生地の膨張が促進され、ソフトでサクサクした食感が大幅に増大する。
本実施形態においては、前記予熱工程の後、油揚工程の前に、予熱した前記生地をその予熱工程より温度の高い弱火ないし強火で焼いて膨張させる煎り工程を設けている。
ここで、予熱工程では、生地に刺激を与えないように、比較的低い温度のとろ火で十分な時間をかけて徐々に水分を除去して、その後油で揚げていた。
しかしながら、加熱温度が比較的低いため、生地が乾燥しても生地の膨張には一定の限度があり、ソフトでサクサクした満足の行く食感が得られなかった。
これに対し、本実施形態のように、予熱工程よりさらに高温の230℃程度の弱火ないし強火で、生地を短時間で加熱することにより、残存していた水蒸気が急速に放散されて、生地の膨張が促進され、ソフトでサクサクした食感が大幅に増大する。
また、本実施形態においては、仕上げ乾燥工程は、室(むろ)内で行い、この室内の温度を15℃以下に、および湿度を35%以下に下げた状態で、室内の空気を循環させながら、水分や油等の蒸気を室外へ排出して行なっている。このように生地の温度を下げているため、油の酸化が抑制され、また、室内の湿度を下げているため、乾燥時間も短縮されて、醤油の風味を損なうことがなく、後味のよい、香味が高い揚たがね餅に仕上げることができる。
なお、常温で放置して自然乾燥させた場合には、製品の温度が高い時間が長いため、その間は油の酸化が速く進行し、風味が損なわれるおそれがあった。
なお、常温で放置して自然乾燥させた場合には、製品の温度が高い時間が長いため、その間は油の酸化が速く進行し、風味が損なわれるおそれがあった。
以上、本発明について最良と思われる実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、同一の技術的思想の範囲内で適宜変更して実施することができる。
例えば、煎り工程は、生地の表面を均一に短時間で焼いて生地を膨張させることができればよく、本実施形態のような振動させながら加熱する態様に限定されるものではない。
したがって、攪拌しながら加熱するようなものや、回転ローラの中で転がしながら加熱するようなものでもよい。
また、仕上げ乾燥工程では、送風ファンにより、製品に送風して乾燥させたが、これは必ずしも必要ではなく、温度または湿度を下げた室内であれば本発明の実施は可能であり、ファンを用いないものであっても、本発明の技術的範囲に属するものである。
例えば、煎り工程は、生地の表面を均一に短時間で焼いて生地を膨張させることができればよく、本実施形態のような振動させながら加熱する態様に限定されるものではない。
したがって、攪拌しながら加熱するようなものや、回転ローラの中で転がしながら加熱するようなものでもよい。
また、仕上げ乾燥工程では、送風ファンにより、製品に送風して乾燥させたが、これは必ずしも必要ではなく、温度または湿度を下げた室内であれば本発明の実施は可能であり、ファンを用いないものであっても、本発明の技術的範囲に属するものである。
1 あられ状に切断した生地
2 予熱されたあられ状の生地
3 揚げ餅
5 焼成炉
5a 上段焼成室
5b 下段焼成室
5c ガスバーナ
5d 仕切板
6 トレイ
8 金網箱
9 台座
12 室(むろ)
13 操作盤
16 換気口
2 予熱されたあられ状の生地
3 揚げ餅
5 焼成炉
5a 上段焼成室
5b 下段焼成室
5c ガスバーナ
5d 仕切板
6 トレイ
8 金網箱
9 台座
12 室(むろ)
13 操作盤
16 換気口
Claims (4)
- 餅米とうるち米とが所定の割合で配合された原料粉から生地を作る蒸練工程と、
この生地を所定の厚さに伸ばす成形工程と、
この成形された生地を所定の大きさに切断する切断工程と、
この切断された生地を所定の水分量になるまで乾燥機内で乾燥させる乾燥工程と、
この乾燥後、前記生地をとろ火にかけて、さらに前記生地の水分を飛ばす予熱工程と、
この予熱した生地を油で揚げる油揚工程と、
この油で揚げた生地を冷却しながら乾燥させる仕上げ乾燥工程とを有する揚たがね餅の製造方法であって、
前記予熱工程の後、前記油揚工程の前に、予熱した前記生地を前記予熱工程より温度の高い弱火ないし強火で焼いて膨張させる煎り工程を設けたことを特徴とする揚たがね餅の製造方法。 - 前記煎り工程は、前記予熱した生地を箱の中で振動させながら焼くことを特徴とする請求項1に記載の揚たがね餅の製造方法。
- 前記煎り工程と前記予熱工程とは、上段と下段に仕切られた炉の中で、前記下段に熱源を備えて前記煎り工程を行い、前記上段で前記予熱工程を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の揚たがね餅の製造方法。
- 前記仕上げ乾燥工程は、温度を15℃以下に、および/または湿度を35%以下に下げた室内で行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の揚たがね餅の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333161A JP2006141238A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 揚たがね餅の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004333161A JP2006141238A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 揚たがね餅の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006141238A true JP2006141238A (ja) | 2006-06-08 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006141238A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109497112A (zh) * | 2018-11-23 | 2019-03-22 | 广州富港万嘉智能科技有限公司 | 一种油条机 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS52154559A (en) * | 1976-06-18 | 1977-12-22 | Masuya Shiyokuhin Kk | Production of and apparatus for rod like rice cracker |
JPH0549402A (ja) * | 1991-08-16 | 1993-03-02 | Meiji Seika Kaisha Ltd | スナツク菓子の製造法およびスナツク菓子 |
JPH0928297A (ja) * | 1995-07-19 | 1997-02-04 | Nippon Shokuhin Kako Co Ltd | 米菓生地用硬化促進剤及び米菓の製造法 |
-
2004
- 2004-11-17 JP JP2004333161A patent/JP2006141238A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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