JP2006138447A - 転がり軸受 - Google Patents

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Shuichi Yano
修一 矢野
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    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/20Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows with loose spacing bodies, e.g. balls, between the bearing balls

Abstract

【課題】ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保しつつトルクや発熱量の増加を抑えて早期の焼き付け防止や異音の発生防止を図り長期に亘り高い潤滑性を維持可能な転がり軸受を提供する。
【解決手段】各種自動車の走行状態に応じてエンジンの回転を、ベルトを使って無段階で連続的に変速するベルト式無断変速機に組み込まれた転がり軸受であって、転がり軸受2は、相対回転可能に配置された内輪4及び外輪6と、内外輪の軌道面4s,6s間に転動自在に配列された複数の転動体8a,8bとを具備し、複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体で構成され、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまは負の値、最も小さな直径の転動体のラジアルすきまは正の値に設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種自動車のベルト式無断変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に組み込まれた転がり軸受に関する。
従来から各種自動車には、走行状態(例えば、傾斜地での走行、高速運転)に応じてエンジンの回転を変速してドライブシャフト側に出力するために、ベルトを使って無段階で連続的に変速するベルト式無断変速機(ベルト式CVT)が搭載されている。その一例として特許文献1及び特許文献2に示されたベルト式CVT10は、図5(a),(b)に示すように、互いに平行に配置された入力側回転軸12と出力側回転軸14とを備えており、各々の回転軸12,14は、その両側に設けられた転がり軸受2を介して変速機ケース(図示しない)に回転自在に支持されている。
入力側回転軸12は、トルクコンバータや電磁クラッチなどの発進クラッチ16を介して駆動源(例えば、エンジン)18に接続されており、駆動源18の駆動力により所定方向に回転制御されるようになっている。また、入力側回転軸12には、当該入力側回転軸12と同期して回転する駆動側プーリ20が設けられており、駆動側プーリ20は、駆動側アクチュエータ22により相対的に接近或いは離間させることが可能な一対の駆動側プーリ板20a,20bを備えている。一対の駆動側プーリ板20a,20bは、その環状の先細り傾斜面S1を互いに対向させて配置されており、これら先細り傾斜面S1の間に金属製の無端ベルト24を掛け渡すことができる。この場合、駆動側アクチュエータ22で例えばいずれかの駆動側プーリ板20a(20b)を軸方向に変位させることにより、一対の駆動側プーリ板20a,20bの先細り傾斜面S1相互の間隔を調節することができる。
出力側回転軸14には、当該出力側回転軸14と同期して回転する従動側プーリ26が設けられており、従動側プーリ26は、従動側アクチュエータ28により相対的に接近或いは離間させることが可能な一対の従動側プーリ板26a,26bを備えている。一対の従動側プーリ板26a,26bは、その環状の先細り傾斜面S2を互いに対向させて配置されており、これら先細り傾斜面S2の間に無端ベルト24を掛け渡すことができる。この場合、従動側アクチュエータ28で例えばいずれかの従動側プーリ板26a(26b)を軸方向に変位させることにより、一対の従動側プーリ板26a,26bの先細り傾斜面S2相互の間隔を調節することができる。
このような構成において、駆動源18から発進クラッチ16を介して入力側回転軸12に伝達された動力は、駆動側プーリ20から無端ベルト24を介して従動側プーリ26に伝達される。なお、無端ベルト24として押し付け方向に動力を伝達するものと、引っ張り方向に動力を伝達するものとがある。従動側プーリ26に伝達された動力は、出力側回転軸14から減速歯車列30及びデファレンシャルギヤ32を介してドライブシャフト34に出力され駆動輪36を回転させる。この場合、入力側回転軸12と出力側回転軸14との間の変速比を変える方法としては、駆動側及び従動側プーリ20,26の先細り傾斜面S1,S2の間隔(以下、プーリ幅という)を相対的に調節(増減変更)すれば良い。
例えば入力側回転軸12と出力側回転軸14との間の減速比を大きくする場合には、駆動側プーリ20のプーリ幅を大きくすると共に、従動側プーリ26のプーリ幅を小さくすれば良い。これにより、駆動側及び従動側プーリ20,26に掛け渡された無端ベルト24の径が、駆動側プーリ20で小さく、従動側プーリ26で大きくなるため、入力側回転軸12と出力側回転軸14との間で減速が行なわれる。
これに対して、入力側回転軸12と出力側回転軸14との間の増速比を大きく(減速比を小さく)する場合には、駆動側プーリ20のプーリ幅を小さくすると共に、従動側プーリ26のプーリ幅を大きくすれば良い。これにより、無端ベルト24の径が、駆動側プーリ20で大きく、従動側プーリ26で小さくなるため、入力側回転軸12と出力側回転軸14との間で増速が行なわれる。
ところで、上述したようなベルト式CVT10では、無端ベルト24のスリップを防止するため、駆動側及び従動側プーリ20,26に比較的強いクランプ力が付与されている。この場合、無端ベルト24の張力が増大することにより、入力側回転軸12及び出力側回転軸14を支持する転がり軸受2には、大きな荷重(例えば、ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重)が作用する。このため、ベルト式CVT10には、無端ベルト24の張力に抗して入力側回転軸12及び出力側回転軸14を一定位置に保持し、最適なベルトアライメントを維持することで、変位の抑制、異音の発生防止や耐久性(剛性)の向上が要求されている。なお、異音としては、例えば無端ベルト24の走行時の異音、転がり軸受2の異音(内外輪4,6と転動体8との衝突音)などが想定され、耐久性としては、例えばラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対する転がり軸受2の剛性が想定される。そして変位としては、転がり軸受2に対する荷重付加時のラジアル方向やアキシアル方向へのズレや偏心(傾斜)などが想定される。
このような要求に応える構成として、例えば、軸受すきま(ラジアル内部すきま、アキシアル内部すきま、角すきま)を極力小さく設定したり、すきま以外に溝半径(軌道曲率半径)も小さく設定するといった構成が考えられる。例えば特許文献3の発明では、ラジアル内部すきまを−10〜+7μmに設定する構成が提案されている。しかしながら、このような構成で無端ベルト24を走行させると、転がり軸受2の温度上昇に伴って早期に焼き付きが生じる場合がある。
具体的に説明すると、転がり軸受2の運転中には転動体8と内輪4と外輪6との間の温度差が生じるが、その際、例えば転動体8の温度が最も高く、内輪4がそれに次ぎ、外輪6が最も低い温度になると、外輪6よりもその内部の部品(転動体8、内輪4)の温度が高くなる。このとき部品の熱膨張は外輪6よりも大きな値となるため、例えば特許文献3のようにラジアル内部すきまを負の値に設定すると、転動体8と内外輪4,6との間の接触面圧が高くなり、その結果、早期に焼き付きが生じる場合がある。このような焼き付きを防止するためには、例えば運転条件(例えば、無端ベルト24の走行速度)や使用条件(例えば、転がり軸受2のすきま設定値)が制限されてしまうため、満足できるものでは無い。
また、例えば特許文献4の発明では、内外輪4,6と転動体8とを多点接触(4点)させることにより、耐久性(剛性)の向上を図る構成が提案されている。
しかし、内外輪4,6と転動体8とを多点接触させる構成では、接触点の数が増えるに従ってトルクや発熱量が増加し、このトルクや発熱量の増加に伴って転がり軸受2自体の温度も上昇する。転がり軸受2の温度が上昇すると、上述したように内外輪4,6と転動体8との間の接触面圧が高くなり、その結果、早期に焼き付きが生じる場合がある。また、転がり軸受2の温度上昇は、封入された潤滑剤の劣化(潤滑性の低下)を促進し、その結果、潤滑不良による異音や早期の焼き付きが生じる場合がある。
特開2003−336703号公報 特許第3446821号公報 特開2003−49837号公報 特開2003−227515号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保しつつ、トルクや発熱量の増加を抑えて早期の焼き付け防止や異音の発生防止を図り、長期に亘り高い潤滑性を維持可能な転がり軸受を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、各種自動車の走行状態に応じてエンジンの回転を、ベルトを使って無段階で連続的に変速するベルト式無断変速機に組み込まれた転がり軸受であって、ベルト式無断変速機は、入力側回転軸及び出力側回転軸と、これら回転軸にそれぞれ設けられ且つプーリ幅を相対的に調節可能なプーリと、これらプーリ相互間に掛け渡されたベルトとを備えており、入力側回転軸及び出力側回転軸は、その両側に設けられた転がり軸受を介して回転可能に支持されていると共に、転がり軸受は、相対的に回転可能に対向配置された内輪及び外輪と、内外輪の軌道面間に転動自在に配列された複数の転動体とを具備し、複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体で構成されており、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまは負の値に設定され且つ最も小さな直径の転動体のラジアルすきまは正の値に設定されている。
この発明において、最も大きな直径の転動体と最も小さな直径の転動体とは、線膨張係数及び縦弾性係数の少なくともいずれか一方が互いに異なっている。また、最も大きな直径の転動体は、内外輪構成部の軌道面間に所定の順序で等間隔に配列されている。この場合、最も大きな直径の転動体は、セラミックスで形成されており、一方、最も小さな直径の転動体は、鋼で形成されている。
本発明によれば、内外輪構成部の軌道面間に異なる直径を有する2種類以上の転動体を配列し、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまを負の値に設定し、且つ最も小さな直径の転動体のラジアルすきまを正の値に設定したことにより、ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保しつつ、トルクや発熱量の増加を抑えて早期の焼き付け防止や異音の発生防止を図り、長期に亘り高い潤滑性を維持可能な転がり軸受を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受について添付図面を参照して説明する。
本実施の形態では、各種自動車のベルト式無断変速機(CVT:Continuously Variable
Transmission)に組み込まれた転がり軸受を想定する。なお、ベルト式無断変速機(ベルト式CVT)10は、図5(a),(b)に示した構成例と同一であるため、以下では相違する部分の説明に止める。
本実施の形態に係る転がり軸受2は、ベルト式CVT10の入力側回転軸12及び出力側回転軸14の両側にそれぞれ設けられており、図1(a),(b)の基本構成図に示すように、相対的に回転可能に対向配置された内輪4及び外輪6と、内外輪4,6の軌道面4s,6s間に転動自在に配列された複数の転動体(例えば、玉、ころ)とを備えている。なお、転がり軸受2に封入された潤滑剤(例えば、グリース、油)の漏洩防止と共に、異物(例えば、水、塵埃)の浸入防止を図るために、内外輪4,6間に密封板(図示しない)を配設しても良く、この場合、密封板としては、例えばシールやシールドを適用すれば良い。
このような転がり軸受2において、複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体(例えば、8a,8b)で構成されており、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体8aのラジアルすきまは負の値に設定され、且つ、最も小さな直径の転動体8bのラジアルすきまは正の値に設定されている。この場合、ラジアルすきまの正負の設定値は、転がり軸受2の種類や大きさ、転動体8a,8bの形状や大きさなどに応じて最適な値に設定されるため、ここでは特に数値限定はしない。
なお、転動体の直径寸法差は、生産上のばらつきが1μm以下であることから、本実施の形態では、転動体の直径寸法差が1μm以下であるものは同一直径とみなす。
また、本実施の形態では一例として、互いに直径が異なる2種類の転動体(大径転動体8a、小径転動体8b)を想定し、大径転動体8aの配置状態を明確化するために、該当する大径転動体8aにはハッチングを施している。
この場合、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6s間に2種類の転動体8a,8bを配列した状態において、内外輪構成部(内外輪)4,6に対して接触面圧を有する大径転動体8aと接触面圧の無い小径転動体8bとが混在することにより、転がり軸受2は周方向に沿って部分的に予圧が付加された状態となる。
かかる状態は転がり軸受2の動作中にも維持され、内外輪構成部(内外輪)4,6が転動体8a,8bを介して相対的に回転する際、内外輪構成部(内外輪)4,6に対して接触面圧の無い小径転動体8bの位置が周方向に変化することになるが、その間、内外輪構成部(内外輪)4,6に対して接触面圧を有する大径転動体8aは、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6sに常時接した状態を維持する。
また、大径転動体8aと小径転動体8bとは、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6s間に所定の順序で等間隔に配列することが好ましい。例えば図1(a)では、4個の大径転動体8aと4個の小径転動体8bとを1個ずつ交互に等間隔に配列している。このような配列によれば、転がり軸受2は周方向に沿って等間隔に予圧付加状態となる。
このような構成によれば、ラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を有する転がり軸受2を実現することができる。例えば図1(b)に示すように、転がり軸受2の中心Tからオフセットされた位置にラジアル荷重Frが加わってもモーメント剛性の変化を小さくすることができる。この結果、転がり軸受2を安定して且つ滑らかに動作させることが可能となり、トルク制御を安定して行うことが可能となる。
更に、転がり軸受2は周方向に沿って等間隔に予圧付加状態とすることにより、内輪4と外輪6とが相対的に傾斜するのを抑制することができる。この結果、内外輪4,6の軌道面4s,6sと転動体8との間に潤滑剤を引き込み易くなり、潤滑不良による異音や早期の焼き付きも生じない。特に、耐熱性の潤滑剤を用いた転がり軸受2では、低温化での潤滑剤の流動性が低くなるが、この場合でも異音や焼き付きが生じることはない。
また、本実施の形態の転がり軸受2において、大径転動体8aと小径転動体8bとは、線膨張係数及び縦弾性係数の少なくともいずれか一方が互いに異なるように形成することが好ましい。この場合、大径転動体8aは、例えば金属元素と非金属元素がイオン結合又は共有結合したセラミックスで形成し、一方、小径転動体8bは、例えば2パーセント以下の炭素を含有する鋼で形成すれば良い。なお、線膨張係数とは、例えば応力値が材料により定まる一定値を超えない範囲で、それにより生じる歪との間の比例関係(フックの法則)における比例定数(ヤング率)を示し、一方、縦弾性係数とは、材料が1℃上昇する毎に膨張する長さ方向の割合を示す。
この場合、例えば転がり軸受2を高温下で運転する際、2種類の転動体8a,8bの熱膨張量の違いにより、転動体相互の直径差が緩和されるため、転動体回転時の軸受振動を抑制することができると共に、全ての転動体8a,8bが荷重負荷を分担するようになるため、軸受内部の接触面圧が低減され転がり軸受2の転がり疲れ寿命を延命化することができる。
ここで、ラジアルすきまが負の値に設定された大径転動体8aと正の値に設定された小径転動体8bとを備えた転がり軸受2の軸受温度の変化に対するモーメント剛性(図2)及び最大接触面圧(図3)並びに転がり疲れ寿命(図4)の各計算結果について説明する。
この計算では呼び番号(開放形)6203の転がり軸受2を適用する。この場合、転がり軸受2は、内径が17mm、外径が40mm、幅が12mmであり、玉径は7.938mm、玉数は8個に設定した。なお、ラジアル荷重Fr(図1(b))を1000N、モーメント荷重を1Nm、軸受初期すきまを0.022mmとした。
また、ハウジング12としては鋼製とし、その直径を40mmに設定した。この場合、ハウジング穴の交差を交差域クラスP7(−0.017/−0.042)とした。一方、回転軸14としてはアルミニウム製とし、その直径を17mmに設定した。この場合、軸の交差を交差域クラスh6(0/−0.011)とした。
更に、転動体8a,8bは、その直径及び線膨張係数が互いに異なったものを用意し、これら転動体8a,8bを図1(a)に示すように等配させた。即ち、大径転動体8aと小径転動体8bとを1個ずつ交互に配列させた。この場合、大径転動体8aの直径を6.747+0.006mm、線膨張係数を2.9×10−6に設定し、小径転動体8bの直径を6.747±0mm、線膨張係数を12.5×10−6に設定した。
まず、転がり軸受2の軸受温度の変化に対するモーメント剛性の変化について、上記の設定条件に従った本発明の転がり軸受2(発明品)と従来の軸受(従来品)とを比較した。この場合、図2に示すように、発明品は常温時から高いモーメント剛性を有しており、そのモーメント剛性の変化が従来品に比べて小さくなっていることが分る。これにより、発明品は、例えば取付誤差や取付制限などから生じるオフセット荷重Fr(図1(b))に対してモーメント剛性比が変化し難いという意味で、従来品よりも高いロバスト性(例えば、安定性、最適性)を有していることが分る。
次に、転がり軸受2の軸受温度の変化に対する最大接触面圧(図3)並びに転がり疲れ寿命(図4)の変化について、発明品と従来品とを比較した。この場合、発明品は周方向に沿って等間隔に予圧付加状態となっており、負荷を受ける転動体(大径転動体8a)の数が少ない。このため、発明品は従来品に比べて接触面圧が増加すると共に、転がり疲れ寿命が低下している。しかしながら、このような変化量は実用上問題の無い範囲であり、特に軸受運転時の軸受温度(120℃近辺)では発明品と従来品とは同等レベル値となる。
このような転がり軸受2を組み込んだベルト式CVT10(図5(a),(b))によれば、その運転中、ベルト式CVT10の入力側回転軸12と出力側回転軸14とを一定位置に保持し、最適なベルトアライメントを維持することができるため、各種自動車の走行状態に応じてエンジンの回転を安定して且つ滑らかに変速することができる。
また、内外輪構成部(内外輪)4,6の軌道面4s,6s間に直径の異なる2種類の転動体8a,8bを配列し、転がり軸受2の周方向に沿って部分的に予圧を付加した状態にしたことにより、軸受すきまの大きさを問わずラジアル荷重及びアキシアル荷重並びにモーメント荷重に対して高い剛性を確保することができる。この場合、例えば駆動側及び従動側プーリ20,26に掛け渡された無端ベルト24の張力により転がり軸受2の中心Tからオフセットされた位置にラジアル荷重Frが加わっても(図1(b))、モーメント剛性の変化を小さくすることができるため、転がり軸受2を安定して且つ滑らかに動作させることができる。この結果、ベルト式CVT10を安定して且つ滑らかに動作させることができる。
更に、本実施の形態の転がり軸受2は、3点及び4点接触軸受に比べて軸受トルクを小さくすることができるため、運転中の発熱量を軽減することができる。この結果、従来品に比べて、潤滑剤の劣化(潤滑性の低下)を生じさせることが無いため、潤滑不良による異音や早期の焼き付きが生じることも無い。これにより、ベルト式CVT10(入力側及び出力側回転軸12,14、駆動側及び従動側プーリ20,26、無端ベルト24)の回転安定性及び円滑性を長期に亘って確保することが可能となる。更にまた、転がり軸受2の軸受トルクを小さくすることにより、ベルト式CVT10の消費馬力の増大を抑えることも可能となる。
更にまた、高温環境下で使用されるベルト式CVT10の転がり軸受2では、その大径転動体8aの線膨張係数を小径転動体8bの線膨張係数よりも小さく設定することが好ましい。高温下で使用される転がり軸受2は、通常、運転時の負のすきまによる軸受焼き付けを防止するため、常温時の残留すきまが正の値に設定されているが、これが軸受ガタの要因となる。しかしながら、本実施の形態の転がり軸受2では、大径転動体8aにより転がり軸受2の周方向に沿って部分的に予圧付加状態となるため、高温運転時には熱膨張量の違いにより転動体8a,8bの径相互差が緩和される。この場合、転動体回転時の軸受振動を抑制することができると共に、全ての転動体8a,8bが荷重負荷を分担するようになるため、軸受内部の接触面圧が低減され転がり軸受2の転がり疲れ寿命を延命化することができる。この結果、長期に亘ってベルト式CVT10を安定して且つ滑らかに動作させることができる。
なお、上述した実施の形態では、互いに直径が異なる2種類の転動体8a,8bを想定したが、これに限定されることは無く、互いに直径が異なる3種類又はそれ以上の転動体を備えた転がり軸受2に対して本発明を適用することができることは言うまでも無い。更に、単列及び複列の軸受にも本発明を適用することができることは言うまでも無い。
また、上述した実施の形態では、大径転動体8aと小径転動体8bとを1個ずつ交互に配列した転がり軸受2を例示して説明したが、これに限定されることは無く、例えば図6(a)に示すように2個の大径転動体8aの間に1個の小径転動体8bを交互に介在させた配列構成や、例えば図6(b)に示すように1個の大径転動体8aの間に2個の小径転動体8bを交互に介在させた配列構成など、転がり軸受2の使用目的や使用環境に応じて任意の配列構成を適用することができる。なお、かかる配列構成でも上述した実施の形態と同様の効果を得ることができることは言うまでも無い。
(a)は、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受の断面図、(b)は、同図(a)のY−Y線に沿う断面図。 軸受温度の変化に対するモーメント剛性の変化について発明品と従来品とを比較した結果を示す図。 軸受温度の変化に対する最大接触面圧の変化について発明品と従来品とを比較した結果を示す図。 軸受温度の変化に対する転がり疲れ寿命の変化について発明品と従来品とを比較した結果を示す図。 (a)は、本発明の転がり軸受が組み込まれたベルト式無断変速機(ベルト式CVT)の構成例を模式的に示す部分断面図、(b)は、本発明の転がり軸受が組み込まれたベルト式無断変速機(ベルト式CVT)の具体的な構成例を示す断面図。 (a)は、2個の大径転動体の間に1個の小径転動体を交互に介在させた転がり軸受の構成例を示す断面図、(b)は、1個の大径転動体の間に2個の小径転動体を交互に介在させた転がり軸受の構成例を示す断面図。
符号の説明
2 転がり軸受
4 内輪
4s 内輪の軌道面
6 外輪
6s 外輪の軌道面
8a 大径転動体
8b 小径転動体
10 ベルト式無断変速機(ベルト式CVT)
12 入力側回転軸
14 出力側回転軸
16 発進クラッチ
18 駆動源
20 駆動側プーリ
22 駆動側アクチュエータ
24 無端ベルト
26 従動側プーリ
28 従動側アクチュエータ
30 減速歯車列
32 デファレンシャルギヤ
34 ドライブシャフト
36 駆動輪

Claims (4)

  1. 各種自動車の走行状態に応じてエンジンの回転を、ベルトを使って無段階で連続的に変速するベルト式無断変速機に組み込まれた転がり軸受であって、
    ベルト式無断変速機は、入力側回転軸及び出力側回転軸と、これら回転軸にそれぞれ設けられ且つプーリ幅を相対的に調節可能なプーリと、これらプーリ相互間に掛け渡されたベルトとを備えており、入力側回転軸及び出力側回転軸は、その両側に設けられた転がり軸受を介して回転可能に支持されていると共に、
    転がり軸受は、相対的に回転可能に対向配置された内輪及び外輪と、内外輪の軌道面間に転動自在に配列された複数の転動体とを具備し、
    複数の転動体は、異なる直径を有する2種類以上の転動体で構成されており、少なくとも非使用時において、最も大きな直径の転動体のラジアルすきまは負の値に設定され、且つ、最も小さな直径の転動体のラジアルすきまは正の値に設定されていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 最も大きな直径の転動体と最も小さな直径の転動体とは、線膨張係数及び縦弾性係数の少なくともいずれか一方が互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 最も大きな直径の転動体は、内外輪構成部の軌道面間に所定の順序で等間隔に配列されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 最も大きな直径の転動体は、セラミックスで形成されており、一方、最も小さな直径の転動体は、鋼で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
JP2004330686A 2004-11-15 2004-11-15 転がり軸受 Pending JP2006138447A (ja)

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