JP2006138008A - 金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜 - Google Patents

金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜 Download PDF

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Abstract

【課題】金型や切削工具等の金型加工工具表面用保護膜によって、成型品の外観を向上させるために、ある程度の高硬度を有すると共に、潤滑性を向上させ、且つ濡れ性を低下させる。
【解決手段】 気相薄膜形成法によって金属表面に形成される、遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素との混合膜又は積層膜からなる金属加工工具表面保護膜。

Description

本発明は、金型及び金属加工工具の表面に形成する保護膜に関する。
ダイカストや熱間押し出し成形等に用いられる金型表面には、従来、TiN、CrN、或いは窒化鋼等の遷移金属窒化物からなる硬質な保護膜を形成してあった。ところが、上記の保護膜は硬質であるが、潤滑性が不十分で、且つ濡れ性が良いため、以下の問題があった。
熱間押し出し成形の場合には金型表面の平滑面度を上げすぎると、被加工材である金属が表面に凝着して後から出てくる部分に傷を付けるため、表面をある程度粗面にして凝着を予防していた。しかしながら、その粗面程度に応じて成型品の表面が傷付くという問題がある。また、ダイカスト成形の場合には金型への溶湯の付着量が多く、その付着量に応じて成型品が凹んで外観を損ねたり、寸法精度に問題が生じたりすることになった。
別の技術としては、絶縁耐力を有する加工液中で導電性を有する電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させ、放電の熱作用により被処理材の表面に処理層を形成する放電表面処理方法があり、電極と加工液の構成材料に硬質材料としてTiAlNを、潤滑材料としてCを含有するものが存在する(特許文献1)。
特開2001−279465号公報(請求項7)
放電表面処理方法の原理は、放電加工の電極をTi等の金属(導電体)とすることにより、電極のTiと油中の炭素が反応してTiCとなり、被処理材に付着するものである。従って、上述した放電表面処理方法には、Ti、Al、N、及びCからなる膜ができるかのように記載してあるが、実際には製膜中にTi及びAlと大半のCとが反応してTiAlCとなるので、TiAlNと非晶質炭素の混合膜を製作することは困難で、同様にこの方法でTiAlN中にCを分散させることは困難と考えられる。
本発明は上記実情を考慮しつつ、非鉄金属を対象として開発されたもので、その目的は、非鉄金属の成型品の外観を向上させるべく、ある程度の高硬度を有すると共に、潤滑性を向上させ、且つ濡れ性を低下させる金型表面用保護膜を形成することである。
上記問題は、熱間押し出し金型、ダイカスト金型だけでなく、その他のプレス金型、打ち抜き金型などあらゆる金型の表面用保護膜について同様に指摘される。また、金型表面用保護膜に関する技術は、切削工具の表面用保護膜の場合でも適用できることが多いと当業者には考えられている。しかしながら、その確証はない。ここで、熱間押し出し金型、ダイカスト金型、押出金型等の金型だけでなく、切削工具等をまとめて金属加工工具と定義する。
請求項2の発明の目的は、請求項1の発明の目的と同様であって、その適用範囲を金属加工工具用保護膜に拡大することである。
請求項1の発明は、気相薄膜形成法によって金属表面に形成される、遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素との混合膜又は積層膜からなる金型表面用保護膜である。又、請求項2の発明は、請求項1の発明と同一発明特定事項からなる金属加工工具表面用保護膜である。気相薄膜形成法を用いることによって、金属表面に混合膜又は積層膜を形成する。
また、遷移金属元素の窒化物とは、例えばTiAlN相、TiAlSiN相、又はTiSiN相が挙げられる。TiAlN相は、30GPa程度の高い塑性変形硬さと、高い耐酸化性を有する。TiAlSiN相、及びTiSiN相も同様のことが言えると共に、耐酸化性がTiAlN相よりも向上する。また、これらのNaCl型の結晶はX線回折法から求めた結晶粒サイズが概ね30nm以下であることが高硬度を維持するために望ましい。
炭素は、非晶質構造であって、硬いものであればダイヤモンド構造を有する微結晶(DLC:ダイヤモンドライクカーボン)を含有していたり、高い潤滑性を要するものであればグラファイト構造の微結晶を含有していても良い。非晶質の炭素は塑性変形硬さが10GPa以上で固体潤滑性を有し、非鉄金属との濡れ性が悪いため、非鉄金属の凝着を防止できる。なお、本発明の目的達成のために遷移金属元素の窒化物と、非晶質構造の炭素の両者がそれぞれの機能を発揮できる程度に混在していればよく、この二つの成分を完全に分離することは必要ない。また、製膜プロセスにおいても遷移金属元素の窒化物と、非晶質構造の炭素は界面で相互に交じり合ったり、化合物を形成したりするため、二つの成分を完全に分離することは不可能である。したがって、これら成分の間に相互に各成分が若干混入することは当然ありえることである。
非晶質構造の炭素は固体潤滑性を有し、非鉄金属との濡れを阻害する効果を有するので、割合を体積比で多くした方が効果を充分に得られるが、その反面、硬度が低下するので、場合によってはその硬度が金型としては不十分となるおそれもある。これらを防止するには、10GPa以上の塑性変形硬さHplを得られるように、該炭素の割合が体積比で0%よりも多く65%以下であることが望ましい。また、該炭素の効果をよりよく発揮させるには該炭素の割合が5%以上であることが望ましく、さらに望ましくは10%以上がよい。他方、より大きな圧力がかかる金型の部分においては、塑性変形硬さは10GPa以上であることが望ましく、より硬い保護膜にするために該炭素の割合が50%以下が望ましく、さらに望ましくは35%以下がよい。
金型関係の適用範囲としては、非鉄金属(例えばAl、Mg、Cu、Zn及びそれらの合金が挙げられる。)用の金型、さらに具体的に言えばアルミダイカスト用金型やマグネシウムダイカスト用金型(可動型、固定型、及び鋳抜きピン)、或いはアルミニウム押し出し金型等が例示できる。金属加工工具関係の適用範囲としては、上記金型に加え、例えば切削工具が例示できる。
上記遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素は、それぞれが三次元的に混じり合う混合膜であってもよいし、金型母材表面から交互に積層された多層膜であっても本発明の目的を達成できる。なお、改めて述べる必要性はないかもしれないが、ここでの混合膜とは、遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素が均一に混合しているか否かは問わないものとし、不均一に混合している一例としては、混合膜、TiAlN、混合膜が順番に積層したものが挙げられる。金型母材との界面にはTiSi、TiAl、TiAlSiなどの合金層および/またはTiSiN、TiAlN、TiAlSiNなどの窒化物層を1μm以下の厚さで配置し、その上に本発明の混合膜または多層膜を配置することは本発明の膜の母材への密着性を向上させる効果がある。また、製膜時の母材を100℃以上で800℃以下、かつ母材の硬度低下が生じない温度範囲で加熱することも本発明の保護膜の形成に有効である。なお、アルミニウム等の押し出し金型は、大気中で400℃から500℃で数時間加熱された後に使用されることが多い。この予熱(加熱)により本発明の膜の一部が酸化されて劣化することが考えられる。この予熱による劣化の防止には、積層膜が有効である。又、本発明の膜(1から4μm程度)の最上層に耐酸化性に優れたTiAlN、TiSiN、あるいはTiAlSiN膜を0.1から0.5μm程度配置することも予熱による劣化の防止には有効な手段である。
上述した金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜を形成する場合は気相薄膜形成法を用いるが、その際には2つのターゲットを用い、一方のターゲットの材料には遷移金属元素を用い、他方のターゲットの材料には炭素を用いる。
請求項1の発明は、遷移金属元素の窒化物と、非晶質構造の炭素の双方の利点を兼備することにより、ある程度の高硬度を保ちながらも、非鉄金属への潤滑性の良さ、濡れ性の悪さが発揮され、溶融非鉄金属の金型への凝着、付着が抑制され、成型品の外観が向上する。また、熱間押し出し成形の場合は、凝着を防止できるので、遷移金属窒化物の保護膜を形成する場合よりも金属(金型母材)の表面を平滑面にしても凝着を防止でき、その結果、成型品の表面に傷が付かず外観が向上する。ダイカスト成形の場合は、溶融非鉄金属の付着量を減らせるので、付着による成型品の凹みが減少し、外観の保全、寸法精度の維持が可能になる。
上述した遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素との混合膜の耐用性が、極めて優れていることを試験結果より確認できたことから、上記混合膜を請求項2の発明のように金型加工工具表面用保護膜として適用できる。また、積層膜についても同様の効果が得られると推測される。
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)ターゲットと純度99.0%のCターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、ターゲットに対向する基板を3rpmの回転速度で連続回転することにより基板表面に保護膜を製作した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比4:1)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、Ti-AlターゲットおよびCターゲットにはDC電源を接続し、Ti-Alターゲットには約2kW、またCターゲットには約4kWの電力を投入し、基板には鋼製工具(鋳ぬきピン、キャビティ部φ10.0mm×L10.0mm)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/C混合膜の製膜を行った。TiAlNとCの製膜レートから見積られる混合比はTiAlN:C=1:1であった。
上述した実施例1の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表1である。比較例としては、実施例1と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlNの各保護膜を付けたもの、背景技術に記載した放電表面処理法(EDC法)によるTiCの保護膜を付けたもの、基板に窒化処理のみを施したものを用いた。実施例1と比較例の保護膜が付いた基板を、アルミニウム合金(ADC12)ダイカスト用鋳ぬきピンとして3000回の鋳造をそれぞれ行った後、比較した。比較は、アルミニウム及びその酸化物などが付着している状態を目視で判定すると共に、付着物の重量を測定した。
Figure 2006138008
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)のターゲットと純度99.0%のCターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、基板を3rpmの回転速度で連続回転することにより混合膜を製膜した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比4:1)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、TiAlターゲットおよびCターゲットにはDC電源を接続し、TiAlターゲットには約2.0kW、またCターゲットには約1.0kWの電力を投入し、基板には鋼製工具(中子ピン、キャビティ部φ6.0mm×L5.0mm)を用い、予め真空プラズマ窒化処理を施した基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/C混合膜の製膜を行った。TiAlNとCの製膜レートから見積もられる混合比はTiAlN:C=4:1であった。
上述した実施例2の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表2である。比較例としては、実施例2と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrNとTiAlNの各保護膜を付けたものを用いた。実施例2と比較例の保護膜が付いた基板をマグネシウム合金(AZ91D)ダイカスト用中子ピンとして用い、20000回の鋳造を行った後、基板のキャビティー部表面に溶着したマグネシウム合金の形状をレーザー顕微鏡で調べ、溶着物の最大高さを比較した。
Figure 2006138008
Cターゲットには約4.0kWの電力を投入すること以外は、実施例2と同条件で、予め真空プラズマ窒化処理を施した基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/C混合膜の製膜を行った。TiAlNとCの製膜レートから見積もられる混合比はTiAlN:C=1:1であった。
上述した実施例3の保護膜を他の保護膜と比較したのが図1のグラフである。比較例としては、アークイオンプレーティングによって厚さ3ミクロンのTiAlNの保護膜を付けたものを用いた。実施例3の保護膜が付いた基板と、比較例の保護膜が付いた基板をマグネシウム合金(AZ91D)ダイカスト用中子ピンとして用いて鋳造を行い、マグネシウムの溶着高さを比較した。グラフより、実施例3の保護膜の溶着高さは56450回鋳造後であっても0.5ミクロン程度であるのに対し、比較例の保護膜の溶着高さは20000回鋳造後の時点で既に1.8ミクロン程度であり、溶着性能に大差があることが分かる。なお、実施例2の保護膜の場合は20000回鋳造後の溶着高さが0.8ミクロンとなっており、実施例3の保護膜の同回数後の溶着高さ0.1ミクロンよりも悪い結果となっているが、これはTiAlNとC混合比が異なることに起因する。
下記の表3には、本発明の保護膜について、TiAlNとCの混合比率を変えた場合の塑性変形硬さ、ヤング率の測定結果を、DLCの保護膜と比較して示してある。
Figure 2006138008
また、下記の表4には本発明の保護膜を切削工具(超硬チップソー:Φ510×5mm、100枚刃)に適用した場合の耐用性試験結果が示してある。これは切削工具表面を、表3中の一例である混合比率TiAlN/C=4/1の厚さ1ミクロンの保護膜で覆った場合と、スパッタによって厚さ1ミクロンのDLCの保護膜で覆った場合と、むきだしにした(保護膜のない)場合の3パターンで性能を比較してある。試験内容は、アルミニウム押出形材(肉厚1.8mm程度、長さ5m程度)の長手方向全長に亘る切断を各パターンの切削工具で行い、チップソーのバリ形状によって耐用性を判断した。切削条件は回転数:5526rpm、周速度:147.6m/sである。表4の試験結果より、本発明の保護膜は切削距離、即ち耐摩耗性に代表される耐用性がDLCの2〜3倍も延びることが確認された。従って、本発明の保護膜を、切削工具表面に形成した場合であっても顕著な効果が得られると言える。
Figure 2006138008
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)のターゲットと純度99.0%のCターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、基板を3rpmの回転速度で連続回転することにより混合膜を製膜した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比4:1)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、TiAlターゲットおよびCターゲットにはDC電源を接続し、TiAlターゲットには約2.0kW、またCターゲットには約1.0kWの電力を投入し、基板には予め表面粗さ(Ra)を0.05μm程度に調整した鋼製工具(押出金型、ベアリング部長さ4.0mm)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/C混合膜の製膜を行った。TiAlNとCの製膜レートから見積もられる混合比はTiAlN:C=4:1であった。
上述した実施例5の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表5である。比較例としては、実施例5と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlNの各保護膜を付けたものを用いた。実施例5と比較例の保護膜が付いた基板をアルミニウム合金(A6063)用押出金型として用い、基板に対するアルミニウムの局部的な凝着や凝着による保護膜の剥離を比較した。
Figure 2006138008
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)のターゲットと純度99.0%のCターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、基板を3rpmの回転速度で連続回転することにより混合膜を製膜した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比4:1)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、TiAlターゲットおよびCターゲットにはDC電源を接続し、TiAlターゲットには約2.0kW、またCターゲットには約1.0kWの電力を投入し、基板には予め表面粗さ(Ra)を0.1μm程度に調整した後、真空プラズマ窒化処理を施した鋼製工具(押出金型、ベアリング部長さ4.0mm)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/C混合膜の製膜を行った。TiAlNとCの製膜レートから見積もられる混合比はTiAlN:C=4:1であった。
上述した実施例6の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表6である。比較例としては、実施例6と同一の基板、及び表面粗さが実施例6よりも粗い基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlNの各保護膜を付けたものを用いた。実施例6と比較例の保護膜が付いた基板をアルミニウム合金(A6063)用押出金型として用い、アルミニウムが凝着した基板の表面粗さや得られたアルミニウム押出形材の表面粗さを比較した。なお、基板の表面粗さが0.08μmの基板に比較材の保護膜を付けたものは、傷付きが酷く押出形材の製品としては使えない程度だった。
Figure 2006138008
本発明は、比較実験により上記した6つの実施例のいずれにおいても、良好な結果が得られたことにより、非鉄金属に対する金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜として好適であり、耐摩耗性と潤滑性の向上及び濡れ性の悪化が得られたものと判断できる。また、現時点では本発明の保護膜は、TiAiN等の遷移金属元素の窒化物の保護膜に比べて、濡れ性が悪いと推測される。上記実施例で得られた本発明の保護膜をX線回折法で分析し、X線回折ピークの半値幅からScherrerの式を用いて計算したところ、TiAlN相の平均結晶粒サイズは20nm以下であると求められた。なお、結晶粒サイズは測定法により誤差が出てくるので、かかる誤差を考慮すればTiAlN相の平均結晶粒サイズは30nm以下であることが、保護膜の高い硬度を得るには必要であると考えられ、20nm以下であることが望ましい。
なお、本発明の金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜は気相薄膜形成法によって製作されるもので、上述した実施例にはPVD法が用いられているが、条件を整えればCVD法を用いることも可能である。
保護膜の性能を鋳造回数と溶着高さとの関係で示すグラフである。

Claims (2)

  1. 気相薄膜形成法によって金属表面に形成される、遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素との混合膜又は積層膜からなる金型表面用保護膜。
  2. 気相薄膜形成法によって金属表面に形成される、遷移金属元素の窒化物と非晶質構造の炭素との混合膜又は積層膜からなる金属加工工具表面用保護膜。
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