JP2006137711A - ピリジン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は医薬中間体として有用な6−クロロアセチルピリジン−2−カルボン酸誘導体の製造方法に関する。
6−クロロアセチルピリジン−2−カルボン酸誘導体は医薬中間体として有用であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。その製造方法として、2,6−ピリジンジカルボン酸からモノエステルを経由して酸クロリドとし、マロン酸ハーフエステルと反応させた後、クロル化、加水分解、脱炭酸を経て製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、上記従来技術の製造方法では工程数が長く、大規模スケールの製造には適さない等の問題があり、工業的に効率良く6−クロロアセチルピリジン−2−カルボン酸誘導体を製造する方法が求められていた。
本発明者らは上記課題を解決し、工業的に有利な6−クロロアセチルピリジン−2−カルボン酸誘導体の製造方法を開発すべく鋭意検討した結果、6−アセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体を出発原料として、ブロム化後加水分解反応とハロゲン交換反応を同時に行なう製造方法を見出し、本発明を完成したものである。
即ち本発明は、一般式(II)
(式中、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、C1-6アルキル基、ハ
ロC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はハロC1-6アルコキシ基を示し、nは0〜3
の整数を示す。RはC1-6アルキル基を示す。)で表される6−アセチルピリジン−2−
カルボン酸エステル誘導体をブロム化し、一般式(III)
(式中、X、n及びRは前記に同じ。)で表される6−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体とし、次いで、該化合物と塩酸とを反応させることを特徴とする式(I)
(式中、X及びnは前記に同じ。)で表される6−クロロアセチルピリジン−2−カルボン酸誘導体の製造方法に関する。
ロC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はハロC1-6アルコキシ基を示し、nは0〜3
の整数を示す。RはC1-6アルキル基を示す。)で表される6−アセチルピリジン−2−
カルボン酸エステル誘導体をブロム化し、一般式(III)
本発明は、医薬中間体として有用な6−クロロアセチルピリジン−2−カルボン酸誘導体の工業的に有利な製造方法を提供するものである。
本発明の一般式(I)〜(III)で表される化合物の置換基の定義中、「C1-6アルキル基」とは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。
式(II)で表される6−アセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体 を不活性溶媒の存在下又は非存在下にブロモ化することにより、一般式(III )で表される6
−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体と し、該化合物を単離又は単離することなく、不活性溶媒の存在下又は非存在下 に塩酸と反応させることにより式(I)で表される6−クロロアセチルピリジ ン−2−カルボン酸誘導体を製造することができる。
尚、式(II)で表される6−アセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘 導体は公知の文献(例えば、特開昭64−45365号公報)記載の方法に準 じて製造することができる。
−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体と し、該化合物を単離又は単離することなく、不活性溶媒の存在下又は非存在下 に塩酸と反応させることにより式(I)で表される6−クロロアセチルピリジ ン−2−カルボン酸誘導体を製造することができる。
尚、式(II)で表される6−アセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘 導体は公知の文献(例えば、特開昭64−45365号公報)記載の方法に準 じて製造することができる。
1. 式(II)→ 式(III)
本反応で使用できるブロム化剤としては、臭素、ジ亜臭素酸ナトリウム、N −ブロモコハク酸イミド、N,N’−ジブロモ−3,5−ジメチルヒダントイ ン等のN−ハロイミド類等を挙げることができる。
本反応で使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであ れば良く、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の ハロゲン化炭化水素類、モノフルオロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロ ロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、t−ブチルメチルエーテル、ジ オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、2 −プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類、ジメチルスルホ キシド、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用しても良く、 二種以上混合して使用することもできる。反応温度は通常0〜100℃の範囲 で行うことができ、好ましくは10〜60℃である。反応時間は反応規模、反
応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い 。
ブロム化剤の使用量としては、化合物(II)1モルに対して、少なくとも1 .0モル量、好ましくは、2.0モル〜5.0モル量使用するのがよい。
また、本反応は必要に応じて、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過 酸化ベンゾイル等の反応開始剤を添加することにより、又は光照射により、反 応を促進させることができる。反応終了後、常法により単離し、必要に応じて 再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により精製することができる 。又、単離せずに次の反応に使用することもできる。
本反応で使用できるブロム化剤としては、臭素、ジ亜臭素酸ナトリウム、N −ブロモコハク酸イミド、N,N’−ジブロモ−3,5−ジメチルヒダントイ ン等のN−ハロイミド類等を挙げることができる。
本反応で使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであ れば良く、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の ハロゲン化炭化水素類、モノフルオロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロ ロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、t−ブチルメチルエーテル、ジ オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、2 −プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類、ジメチルスルホ キシド、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用しても良く、 二種以上混合して使用することもできる。反応温度は通常0〜100℃の範囲 で行うことができ、好ましくは10〜60℃である。反応時間は反応規模、反
応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い 。
ブロム化剤の使用量としては、化合物(II)1モルに対して、少なくとも1 .0モル量、好ましくは、2.0モル〜5.0モル量使用するのがよい。
また、本反応は必要に応じて、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過 酸化ベンゾイル等の反応開始剤を添加することにより、又は光照射により、反 応を促進させることができる。反応終了後、常法により単離し、必要に応じて 再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により精製することができる 。又、単離せずに次の反応に使用することもできる。
2. 式(III)→ 式(I)
本反応で用いる塩酸の濃度としては1〜37重量%から適宜選択して用いれ ば良く、好ましくは5〜20重量%の範囲である。塩酸の使用量は一般式(II I)で表される
6−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体 に対して等モル〜10倍モルの範囲で適宜選択することができるが、好ましく は2〜6倍モルの範囲である。
本反応は、通常上記濃度の塩酸中で行なうが、溶媒を用いることもできる。 本反応で使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであれ ば良く、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハ ロゲン化炭化水素類、モノフルオロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロ ベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、t−ブチルメチルエーテル、ジオ キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、2− プロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ ド等のアミド類、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用して も良く、二種以上混合して使用することもできる。反応温度は室温〜150℃ の範囲で行うことができ、好ましくは60〜100℃である。反応時間は反応
規模、反応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択す れば良い。
反応終了後、常法により単離し、必要に応じて再結晶、シリカゲルカラムク ロマトグラフィー等により精製して目的物を製造することができる。
本反応で用いる塩酸の濃度としては1〜37重量%から適宜選択して用いれ ば良く、好ましくは5〜20重量%の範囲である。塩酸の使用量は一般式(II I)で表される
6−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エステル誘導体 に対して等モル〜10倍モルの範囲で適宜選択することができるが、好ましく は2〜6倍モルの範囲である。
本反応は、通常上記濃度の塩酸中で行なうが、溶媒を用いることもできる。 本反応で使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであれ ば良く、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハ ロゲン化炭化水素類、モノフルオロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロ ベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、t−ブチルメチルエーテル、ジオ キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、2− プロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ ド等のアミド類、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用して も良く、二種以上混合して使用することもできる。反応温度は室温〜150℃ の範囲で行うことができ、好ましくは60〜100℃である。反応時間は反応
規模、反応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択す れば良い。
反応終了後、常法により単離し、必要に応じて再結晶、シリカゲルカラムク ロマトグラフィー等により精製して目的物を製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない 。尚、実施例中の純度は高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率で表し た。
実施例−1. 6−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
1Lの4径フラスコに6−アセチルピリジン−2−カルボン酸エチル104 .3g(0.54mol)、エタノール69.8gを仕込み、湯浴上で攪拌、 溶解し、内温を
30℃に調製した。この溶液に、予め調製した臭素のエタノー ル溶液224.4g(臭素0.70mol相当)を、25〜35℃で約30分 掛けて滴下した。滴下終了後、1
時間攪拌し、重亜硫酸ナトリウム水溶液を加 えて約30分攪拌した。15℃に冷却し、析出した結晶をろ集した。結晶を水 /エタノール混液でゆっくりと洗浄、次いで水で洗浄した後、乾燥して目的物 115.8gを得た。
収率:78.8%
純度:94.1%
物性:NMR:1.456(3H,t)、4.485(2H,q)、5.220(2H,s)、8.045(1H,t)、8. 253(1H,dd
)、8.321(1H,t)
実施例−1. 6−ブロモアセチルピリジン−2−カルボン酸エチルの製造
30℃に調製した。この溶液に、予め調製した臭素のエタノー ル溶液224.4g(臭素0.70mol相当)を、25〜35℃で約30分 掛けて滴下した。滴下終了後、1
時間攪拌し、重亜硫酸ナトリウム水溶液を加 えて約30分攪拌した。15℃に冷却し、析出した結晶をろ集した。結晶を水 /エタノール混液でゆっくりと洗浄、次いで水で洗浄した後、乾燥して目的物 115.8gを得た。
収率:78.8%
純度:94.1%
物性:NMR:1.456(3H,t)、4.485(2H,q)、5.220(2H,s)、8.045(1H,t)、8. 253(1H,dd
)、8.321(1H,t)
Claims (3)
- 一般式(II)
ロC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はハロC1-6アルコキシ基を示し、nは0〜3
の整数を示す。RはC1-6アルキル基を示す。)で表される6−アセチルピリジン−2−
カルボン酸エステル誘導体をブロム化し、一般式(III)
- Rがメチル基又はエチル基である請求項1記載の製造方法。
- nが0である請求項1又は2いずれか1項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004329394A JP2006137711A (ja) | 2004-11-12 | 2004-11-12 | ピリジン誘導体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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-
2004
- 2004-11-12 JP JP2004329394A patent/JP2006137711A/ja active Pending
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