JP2006137203A - ワイパ装置におけるブレード支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スタビライザー(支持部材)13を上片部13aと一対の側片部13bとで構成して、ワイパブレード3を外嵌支持する支持凹部が形成されたものとし、側片部13bの内側面に窓面方向に長いリブ13hを複数形成し、ワイパブレード3の第一レバー末端部10dに外嵌された支持受け体15の両側片部15b外側面に対して線状接触するように構成する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自家用車、トラック、バス等の車両に装備されるワイパ装置におけるブレード支持装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種ワイパ装置のなかには、ワイパアーム基端部に一体取付けされたワイパ軸の正逆回転駆動に伴い、ワイパアーム先端部に設けたワイパブレードが往復反転して窓面の払拭作動をするように構成されたものがある。このものでは、ワイパブレードの中間部を、ワイパアーム先端部にアーム長方向に対して略直交する枢軸を介して揺動自在に枢支して、ワイパ軸の正逆回転駆動に伴うワイパアームの往復反転揺動に追随してワイパブレードが窓面を払拭するように構成することが一般的である。ところで、このようなワイパ装置において、例えば大型のワイパ装置であって長いワイパブレードが窓面を払拭するような場合、あるいは、往復反転揺動の範囲を広くしたような場合等では、ワイパブレードのワイパ軸側部位である末端側が先端側よりも払拭作動の速度が遅れ気味になって、ワイパアームへの追随性が悪くなってしまうことがある。
そこで、ワイパブレードの末端側を、ワイパアームに設けた支持部材により支持してワイパアームへの追随性を高めるようにすることが提唱され、例えば特表2001−501893号公報のようなものがある。このものにおける支持部材は、ワイパアームに固定されており、ワイパアームの揺動方向一側方においてワイパブレードを支持するように構成されている。ところで、近年、窓面は湾曲状に形成される傾向にあり、ワイパブレードは、ワイパアームに対して枢軸を支点として窓面方向(窓面に対して離接する方向)への揺動をすることになる。このため、このものでは、支持部材を構成する凹溝状の支持凹部をワイパアームの一側に設ける一方、ワイパブレード側に支持受け体を一体的に設け、支持凹部に支持受け体を摺動自在に内嵌させるように構成し、これによって、ワイパブレードの前記窓面方向への揺動を許容するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前記従来の支持部材は、支持凹部内を支持受け体が窓面方向に揺動する構成となっているが、支持凹部と支持受け体とは互いに面接触状態となっている。このため、ワイパブレードが前記窓面方向の揺動をするとき、支持受け体は支持凹部内を面接触状に摺動しており、これらのあいだに摺動抵抗が生じてワイパブレードの円滑な揺動が損なわれてしまう惧れがあって問題がある。しかもこのものでは、ワイパアーム固定部と、支持凹部と、支持受け体とをそれぞれ一つのユニットとして連結した状態で構成しているため、支持部材の構造が複雑になって大型化してしまううえ、支持部材が外部に露出して意匠的にも劣ってしまうという問題もあり、これらに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、ワイパアーム基端部に一体取付けされたワイパ軸の正逆回転駆動に伴い、ワイパアーム先端部に取付けられたワイパブレードが窓面の払拭作動をしてなるワイパ装置において、前記ワイパブレードの中間部を、ワイパアーム先端部にアーム長方向に対して略直交する枢軸を介して揺動自在に枢支する一方、ワイパブレードの前記中間部よりワイパ軸側部位を、ワイパアームに設けた支持部材に窓面方向移動自在に支持するにあたり、前記支持部材は、ワイパブレードを支持する支持凹部が形成されたものとし、該支持凹部の内側面には、ワイパブレードに線状接触するべく窓面方向に長いリブが複数形成されているものである。
そして、このようにすることにより、支持部材に対するワイパブレードの移動が線接触状態で行われるようになって、摺動抵抗が低減されて円滑な払拭作動が行えるとともに耐久性を高めることができる。
このものにおいて、本発明の支持部材は、支持凹部を構成する上片部がワイパアームに固定されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明のワイパアームは、先端部にワイパブレードが取付けられるアームピースの基端部を、断面略冂字形状に形成されたアームシャンクの先端部に内嵌状に固定する構成とし、支持部材は、アームピースの基端部に支持凹部の内側から螺合される螺子を介して固定され、アームピースとともにアームシャンク先端部に固定されているものとすることができ、螺子による螺合部位を含む支持部材の略全体がワイパアームにより覆われて意匠性に優れたものにできる。
また、このものにおいて、本発明の支持部材のアームピースとの組込み部には、アームピースを位置決め状に嵌め込むための位置決め手段が形成されているワイパ装置におけるものとすることができ、このようにすることによって、支持部材の組み込み精度を向上させることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明の位置決め手段は、ワイパアームのアーム長方向を向く一対の突出片と、アーム長方向に対し直交しアームピース基端縁が突当てられる突出片とで構成され、アームピースに対するスタビライザーの振れ止めをする振れ止め手段に兼用するように構成されているものとすることができ、このようにすることによって、位置決めと振れ止めの両機能を備えたものとすることができて、部材の兼用化が計れる。
さらに、このものにおいて、本発明の支持部材は、ワイパブレードを構成するブレードレバーを支持するものとし、ブレードレバーの支持部には、支持部材の支持凹部に内嵌する支持受け体が抜止め状に設けられているものとすることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明の支持部材によるブレードレバーの支持部は、ワイパアームに連結される第一レバーと第二レバーとの枢支部近傍とし、支持凹部の少なくとも一つのリブは、枢支部に止着されるピンに対向するように構成されているものとすることができる。
また、このものにおいて、本発明の支持受け体には、第一レバーと第二レバーとのあいだを枢支するピンの両端部の突出を許容する貫通孔が開設されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の支持受け体は、支持受け体は、窓面側が開口する断面略冂字形状に形成される一方、第一レバーの第二レバー枢支部に嵌着する嵌着部と、該嵌着部から延出して第二レバーに干渉し、第二レバーの払拭方向の移動規制をする延長部とを備えて構成されているものとすることができ、このようにすることにより、スタビライザーを介したワイパブレードのワイパアームに対する追随性をガタつきのない安定した状態で高めることができる。
また、このものにおいて、本発明の支持受け体の嵌着部は、延長部よりも肉薄に形成され、第一レバーへの嵌着は嵌着部の弾性変形によりなされるように構成されているものとすることができ、このようにすることにより、支持受け体の取付け操作を簡単かつ容易に行える。
さらにまた、このものにおいて、本発明の支持受け体の嵌着部には、第一レバーと窓面方向に係合して抜止めをする第一段差部と、第一レバーとレバー長方向に係合して抜止めをする第二段差部とが形成されているものとすることができ、このようにすることにより、支持受け体をワイパブレードに対して抜止め状に固定することができる。
さらに、このものにおいて、本発明の第二段差部は、第一段差部のレバー長方向両端部に位置して形成されているものとすることができる。
また、このものにおいて、本発明の少なくとも一つの第二段差部は、第一段差部に連続して形成されているものとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図10に示す図面に基づいて説明する。
図面において、1はワイパ装置のワイパアームであって、該ワイパアーム1は、車両本体に回動自在に支持されるピボット軸(ワイパ軸)2に基端部が一体的に止着されている。そして、ピボット軸2の正逆回動に基づいてワイパアーム1が往復反転揺動することにより、該ワイパアーム1の先端部に取付けられたワイパブレード3が窓面の払拭作動を行うように構成されていること等は、何れも従来通りの構成となっている。
【0006】
前記ワイパアーム1は、基端部がピボット軸2に一体的に取付けられるアームサポート4と、基端部が前記アームサポート4先端部にアーム長方向に直交状に支持されたピン4aを介して支持され、窓面に対して離接する方向(窓面方向)に揺動自在に連結されるアームシャンク5と、基端部がアームシャンク5の先端部に覆蓋されるようにして一体的に連結されるアームピース6とで構成されている。そして、前記アームピース6の先端部にはU字形状に折曲された支持部6aが形成されており、該支持部6aに、前記ワイパブレード3が連結支持されるように設定されている。さらに、ワイパアーム1は、アームサポート4先端部とアームシャンク5基端側とのあいだにフック7aを介して弾機7が設けられており、アームピース6先端側の支持部6aを窓面側に向けて付勢するように設定されている。
【0007】
一方、前記ワイパブレード3は長尺状に形成されており、ゴム製のブレードゴム8と、該ブレードゴム8を支持するブレードレバー9とで構成されている。前記ブレードレバー9は、ブレードゴム8の長手方向複数箇所を支持するものであるが、ブレードレバー9を構成する第一レバー10は、長手方向中間部にピン10aが設けられ、該ピン10aに、ワイパアーム1との連結用のクリップ10bが揺動自在に軸承されている。さらに、第一レバー10の長手方向両端部10c、10dには、それぞれピン10eを介して第二レバー11の長手方向中間部が揺動自在に枢支されているが、これら第一レバー10両端部のうち、ワイパ軸2側の端部に相当する第一レバー末端部10dに、後述するスタビライザー13が外嵌する設定となっている。また、前記一対の第二レバー11の両端部には、さらに四つの第三レバー12の長手方向中間部がそれぞれピン11aを介して揺動自在に枢支されており、これら第三レバー12の両端部に一体形成された支持片部12aが、ブレードゴム8の長手方向八箇所の上端部(窓面方向から離れる側の部位)を固定支持するように設定されている。このように構成されたワイパブレード3は、ブレードレバー9を構成する第一レバー10のクリップ10aを、アームピース支持部6aに係脱自在に係合することで、ワイパアーム1への連結がなされるように設定されている。
【0008】
さて、前記アームシャンク5は、窓面に対向する上片部5aと、該上片部5aの両側縁部(ワイパアーム1の揺動方向の側縁部)から窓面側に延出する一対の側片部5bとを備えて断面略冂字形状に形成されている。そして、アームピース6の基端部は、アームシャンク上片部5a先端側の内側面に沿って固定され、上片部5aにより覆蓋されるように構成されている。そして、前記アームピース6のアームシャンク5固定部位が、ワイパブレード3の第一レバー末端部10dに対向するように設定されており、該第一レバー末端部10dに、後述するスタビライザー(本発明の支持部材に相当する)13が固定されるように設定されている。
【0009】
前記スタビライザー13は、窓面に対向する上片部13aと、これら上片部13aの両側縁部から窓面側に延出する一対の側片部13bとを備えて断面略冂字形状の支持凹部に形成されている。さらに、スタビライザー13の上片部13aには、先端側を除く外周縁部から上方に突出する突出片13cが一体形成されており、上片部13aの上面に取付け凹部13dが形成されている。前記突出片13cは、アームピース6の板厚に相当する寸法に設定されており、該凹部13d内に、アームピース6の基端部を嵌め込んだとき、アームピース6上面と突出片13cの上端縁部とが略面一状になるように設定されている。
このとき、スタビライザー13は、前記取付け凹部13dの基端側に位置する突出片13cが位置決め手段として機能しており、アーム長方向に対して直交する状態で形成された突出片13cをアームピース6基端縁部に突当てることで、アームピース6に対するスタビライザー13のアーム長方向の位置決めができるようになっている。また、揺動方向の位置決めは、対向する一対の突出片13cによりなされるが、これら対向する突出片13cはアームピース6に対するスタビライザーの振れ止め手段(回り止め手段)としても機能している。そして、この組み込み状態において、スタビライザー上片部13aの貫通孔13eとアームピース6基端部の貫通孔6bとに、スタビライザー13内側から挿入された螺子14を用いて螺合することで、スタビライザー13とアームピース6とが固定されるように設定されている。尚、13fはスタビライザー13側の貫通孔13eに設けられたカラーである。
【0010】
そして、このようにしてスタビライザー13が組込まれたアームピース6基端部を、アームシャンク上片部5aの先端部内側面に固定することで、ワイパアーム1にスタビライザー13が組込まれるが、アームシャンク上片部5aの内側面には僅かに突出する位置合せ用突部5cが形成されている一方、アームピース6基端部には折曲部6cが形成されており、位置合せ用突部5cにアームピース折曲部6cを沿わせるようにして固定することで、アームピース6のアームシャンクに対するアーム長方向の位置決めができるように設定されている。
さらにこのとき、スタビライザー側片部13bの外面には段差部13gが形成されており、該段差部13gの上側面にアームシャンク側片部5bの下端縁(先端縁)が突当たるように設定されており、これによって、アームシャンク両側片5bによるスタビライザー両側片13bに対する支持がなされるとともに、スタビライザー13のアームシャンク5に対する窓面方向の位置決めができるように設定されている。
この状態において、スタビライザー13は、アーム長方向の位置決めとともに窓面方向の位置決めがなされた状態でワイパアーム1に取付けられており、該スタビライザー13の取付け位置に対し、前述したように、アームピース支持部6aに連結されたワイパブレード3の末端側、即ち、第一レバー末端部10dが対向する位置関係となっている。
【0011】
一方、15は、ワイパアーム1側のスタビライザー13とワイパブレード3とのあいだに介装される支持受け体であって、該支持受け体15は予め第一レバー末端部10dに固定されるように設定されている。
前記支持受け体15は、前記ワイパブレード3の第一レバー末端部10dである、第一レバー11と第二レバー11との枢支部に抜止め状に固定される嵌着部P1と、該嵌着部P1の先端側であってワイパ軸2側に延出して第二レバー11に対向する延長部P2とが一体に形成されたものとなっており、スタビライザー13が外嵌することで全体が覆われる大きさに寸法設定されている。そして、支持受け体15は、窓面と対向する上片部15aと、該上片部15aの左右両側縁から窓面方向に伸長する一対の側片部15bとで断面略冂字形状に形成されており、前記一対の側片部15bの平板状に形成された外側面に、スタビライザー13の側片部13bが外嵌するように構成されている。
【0012】
そして、支持受け体15は、嵌着部P1相当部位の両側片部15bを弾性変形させて前記第一レバー末端部10dに押し込むことで外嵌状に嵌着され、これによって固定されている。ここで、前記支持受け体嵌着部P1相当部位における両側片部15bには貫通孔15cが開設されており、該貫通孔15cに、第一レバー末端部10d部位と第二レバー11との枢支部を構成する枢支ピン10eの外方に突出する端部が遊嵌するように設定されている。尚、支持受け体15は、前記取付けられた状態で、支持受け体両側片部15bの外側面と、前記貫通孔15cから臨まれる枢支ピン10eの両端部とが略同位置か、それよりも僅かに退避して位置するように設定されている。
【0013】
また、前記支持受け体15の各側片部15bの嵌着部P1対向部位の下端部(窓面側部)内側面には、第一レバー末端部10dと窓面方向に係合して、第一レバー末端部10dからの抜止めをするための係合爪(本発明の第一段差部に相当する)15dが内側に向けてそれぞれ突出形成されている。さらに、前記支持受け体15は、前記嵌着部P1と延長部P2とのあいだ、即ち、第一レバー末端部10dに嵌着固定したとき、第一レバー末端部10dの先端面に対向する両側片部15bの内側面には、これらのあいだを仕切るようにして肉厚状の仕切り段差部(本発明の第二段差部に相当する)15eが内側に向けて突出形成されている。また、支持受け体両側片部15bの嵌着部P1対向部位には、基端側縁部の内側面に位置し、前記係止爪15dに連続する状態で段差部(本発明の第二段差部に相当する)15fが内側に向けて突出形成されている。これによって、支持受け体15が第一レバー末端部10dに嵌着する前記取付け状態において、第一レバー末端部10dに形成されている矩形状の枢支片部Bの、窓面側縁部B1と係合爪15dとが窓面方向に係合状態となるとともに、レバー長方向両端縁部B2、B3と、仕切り段差部15e、段差部15fとがそれぞれレバー長方向に係合状態となって、窓面方向およびレバー長方向の抜止めがなされるとともに位置決めがなされるように設定されている。
【0014】
ここで、前記仕切り段差部15eは、嵌着部P1と延長部P2との肉厚の差に基づいて形成されており、これによって、嵌着部P1は延長部P2よりも肉厚が薄いものとなっており、これによって、嵌着部P1が第一レバー10d末端部に嵌着する取付け作業が簡単かつ容易にできるようになっている。
尚、15gは延長部P2相当部位の上片部15aに開設された貫通孔であって、該貫通孔15gは、ワイパ装置による窓面払拭作動がなされてスタビライザー13が窓面方向に揺動したとき、スタビライザー13をアームピース6に止着するべく内側から挿入された螺子14の螺子頭14aが支持受け体15に干渉するのを避けるために形成されている。
【0015】
そして、スタビライザー13の両側片部13bの対向間は、前記支持受け体15の窓面方向への摺動を許容する寸法に設定されており、スタビライザー13は、両側片部13b内側面に支持受け体15の両側片部15bを挟み込む状態で支持受け体15を内嵌する状態で取付けられている。このとき、スタビライザー両側片部13bの内側面には、窓面方向に長く、かつ、内方に突出するリブ13hの複数(本実施の形態では四本)がアーム長方向に並列して形成されている。そして、スタビライザー13を支持受け体15に外嵌させたとき、これらリブ13hの先端部が前記支持受け体両側片部15bの平板状の外側面に弾圧状に当接するように設定されている。そしてこの取付け状態において、ワイパアーム1が往復反転揺動した場合に、ワイパブレード3の末端部は、スタビライザー13の両側片部13aによる揺動方向の移動規制を受け、かつ、ワイパブレード3のワイパアーム1に対する窓面方向への揺動については、リブ13hの先端部が支持受け体両側片15bの外側面を摺動することにより許容されることで円滑になされるように設定されている。これによって、ワイパブレード3の前記窓面方向への揺動は、支持受け体両側片部15bにより構成される平板状の面に対するスタビライザー両側片部13bのリブ13h先端部による線状の摺動によりなされることになり、もって、スタビライザー13と支持受け体15とのあいだに生じる摺動抵抗が低減されて、ワイパブレード3の払拭揺動方向への移動規制が損なわれることがなく、窓面の湾曲面に対する追随性が向上するように設定されている。
【0016】
さらに、スタビライザー両側片部13bの内側面に形成されている複数のリブ13hは、支持受け体両側片部15bの外側面に当接するような位置関係で形成されているが、これらリブ13hのうち、ワイパアーム1先端側から二本目のリブ13hは、支持受け体15の貫通孔15cから臨めるピン10eに対向するとともに、他のリブ13hよりも僅かに突出するように形成されている。これによって、図6(B)に示すように、ワイパブレード3に支持受け体15を設けない場合であっても、スタビライザー13は、二番目のリブ13hがワイパブレード3側のピン10eに当接する状態で嵌着されるように設定されている。
【0017】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、ワイパアーム1をアームサポート4、アームシャンク5、アームピース6とをそれぞれ連結することで構成したものにおいて、スタビライザー13はワイパアーム1の先端部となるアームシャンク5とアームピース6との連結部位に設けられている。そして、ワイパブレード3を移動規制するべく支持するためのスタビライザー両側片部13bは、内側面に複数のリブ13hが突出形成されており、リブ13hの突出端部とワイパブレード3の支持受け体15の外側面とが線接触状に当接する構成となっている。このため、ワイパブレード3が窓面の湾曲面にって窓面方向に揺動したとき、揺動するワイパブレード3の支持受け体15とワイパアーム1に固定されるスタビライザー13とは、両側片15b外側面とリブ13h突出端部との線接触状態での摺動をすることになって、ワイパブレード3は、スタビライザー13の両側片部13bによる払拭揺動方向への規制は有効に受けながら、かつ、窓面方向への揺動は摺動抵抗が小さい状態で許容されることになり、もって、ワイパブレード3による窓面払拭作動が何ら損なわれることなく、しかも円滑になされるうえ、耐久性の向上を果すことができて、高性能、高品質なワイパ装置を提供することができる。
【0018】
さらに、本発明が実施されたものにおいては、スタビライザー13は、ワイパブレード13を支持するべく断面冂字形を構成するための上片部13aと両側片部13bの上側部位が、アームシャンク5の上片部5aと両側片部5bとで構成される凹部内に外嵌されるように支持されているため、窓面外方から臨んだとき、スタビライザー13の略全体がアームシャンク5により覆われている。しかも、ワイパブレード3側の支持受け体15についてもスタビライザー13により略全体が覆われるため、これら各部材の外部に露出する部位が少なく、意匠的に優れたものにできる。
【0019】
しかもこのものにおいて、スタビライザー13は予めアームピース6の基端部に螺子14を介して螺合固定され、該螺合固定部位が、アームシャンク5先端部の上片部5a内側面に沿う部位に位置しているため、前記螺合固定部がアームシャンク上片部5aにより覆蓋され、この結果、螺合固定部位、さらには、支持受け体15が雨等に晒されることがなくなって防錆性の向上等が計れることになって、耐久性を高めることもできる。
【0020】
また、このものにおいて、スタビライザー13のアームピース6基端部への取付けは、位置決め手段および振れ止め手段を構成するべく上片部13aに形成された突出片13cにより形成された凹部13dに、アームピース6基端部を嵌め込む状態で固定されている。このため、スタビライザー13は、両側片部13b上方の一対の突出片13cがアームピース6両側面と当接することで払拭揺動方向における位置決めとともに振れ止めがなされるうえ、基端側のアーム長方向に直交する突出片13cによりアーム長方向の位置決めがなされて、スタビライザー13の取付け精度が向上するとともに、ワイパアーム1に対するスタビライザー13のガタつきがなく、追随性のよいものとすることができる。
さらには、このようにガタつきのない状態でスタビライザー13が取付けられたアームピース6をアームシャンク5に取付けたとき、スタビライザー13はアームシャンク5の断面冂字形状の凹部に嵌め込まれるようにして設けられていて、両側片部5bがスタビライザー側片部13bの長手方向全体に亘る上側部位を挟み込む状態となっている。このため、スタビライザー13がアームシャンク5に対してガタ付くような不具合がないうえ、ワイパブレード3による揺動作動の負荷を受ける場合に、該負荷をスタビライザー13の長手方向全体で受けることができて耐久性の向上が計れる。
【0021】
さらに、本発明が実施されたものにおいて、スタビライザー13は支持受け体15を介してワイパブレード3に設けられ、これによって、スタビライザー13の窓面方向への揺動(摺動)は支持受け体両側片部15bとのあいだでなされることになるが、このとき、各側片部15bの外側面は平板状に形成されているため、スタビライザー13のリブ13hとの相対揺動が円滑でかつ摺動抵抗の少ないものにすることができる。そして、このものにおいて、前記支持受け体15は、第一レバー末端部10dに嵌着する嵌着部P1に延長部P2が形成されたものになっていて、延長部P2が第一レバー10に枢支される第二レバー11のワイパ軸2側部位に対向して揺動方向の移動規制を行うように構成されているので、ワイパブレード3のスタビライザー13を介したワイパアーム1への追随性がさらに高められる。
【0022】
そのうえ、支持受け体15は、肉薄状に形成された嵌着部P1が弾性変形に基づいて第一レバー末端部10dに嵌着する構成であるので、第一レバー10dへの取付け作業が簡単かつ容易になる。
また、支持受け体15は、第一レバー10側に対向する嵌着部P1と第二レバー12側に対向する延長部P2とで外形状が異なり、レバー長方向に非対称となるように形成されているため、支持受け体15のワイパブレード3への取付け方向を間違えてしまうような不具合が低減されて、組付け性の向上を計ることができる。
【0023】
さらに、支持受け体15の両側片部15aには、第一レバー末端部10dに形成される矩形状の枢支片部Bの窓面側縁部B1に対して係合爪15dが係合し、レバー長方向両端縁部B2、B3に対して、仕切り段差部15eと段差部15fとがそれぞれ係合し、窓面方向とアーム長方向との両方向における抜止めがなされている。この結果、支持受け体15が第一レバー末端部10dに対して確りとした固定がなされて、脱落等の不具合を回避できる。
【0024】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、スタビライザーとワイパアームとの位置決め手段および振れ止め手段としては次のように構成することもできる。
つまり、図11(A)、(B)に示す第二の実施の形態のものでは、アームピース16のスタビライザー17取付け部相当部位において、基端側にスタビライザー17を固定するための貫通孔16aが開設されているとともに、該貫通孔16aよりも先端側に位置してもう一つの貫通孔(第二貫通孔)16bが開設されている。一方、スタビライザー17には上片部17aの上面から上方に向けて突出する突部17bが一体形成されている。そして、前記突部17bを、アームピース第二貫通孔16bに嵌入させることにより、スタビライザー17のアームピース16に対する位置決めと振れ止めとが実施される構成となっている。
これに対し、図11(C)、(D)に示す第三の実施の形態のものでは、アームピース18のスタビライザー19取付け部相当部位において、基端側にスタビライザー19を固定するための貫通孔18aが開設されているとともに、該貫通孔18aよりも先端側に位置して下方に突出する突部18bが形成されている。一方、スタビライザー19には上片部19aに貫通孔19bが開設されており、前記アームピース18側の突部18bを、スタビライザー19側の貫通孔19bbに嵌入させることにより、スタビライザー19のアームピース18に対する位置決めと振れ止めとが実施される構成となっている。
このように、アームピースとスタビライザーとは、これらを固定するための螺子止め部とは位置ズレする状態で互いに係合する係合部を形成することにより、互いの位置決め及び振れ止め手段を構成することができ、このような手段を設けることによって、ワイパアームとワイパブレードとの追随性をより優れたものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイパ装置の正面図である。
【図2】図2(A)、(B)はそれぞれワイパアームの一部正面図、図2(A)の側面図である。
【図3】図3(A)、(B)はそれぞれワイパブレードの側面図、図3(A)のX−X断面図である。
【図4】図4(A)、(B)、(C)はそれぞれスタビライザーの正面図、側面図、図4(A)のX−X断面図である。
【図5】ワイパアームのスタビライザー取付け部位における断面図である。
【図6】図6(A)、(B)はそれぞれワイパアームのスタビライザー取付け状態を説明する断面図、スタビライザーとワイパブレードとの関係を説明する一部断面図である。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれスタビライザーの斜視図、スタビライザーとアームピースとの組込み状態を示す分解斜視図である。
【図8】図8(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ支持受け体の側面図、平面図、底面図、図8(A)のX−X断面図である。
【図9】図9(A)、(B)、(C)はそれぞれ支持受け体の正面図、側面断面図、図9(B)のX−X断面図である。
【図10】第一レバー末端部と支持受け体との嵌着状態を説明する側面図である。
【図11】図11(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれアームピースとスタビライザーとの取付け状態を説明する第二の実施の形態の正面図、側面断面図、第三の実施の形態の正面図、側面断面図である。
【符号の説明】
1 ワイパアーム
2 ピボット軸
3 ワイパブレード
4 アームサポート
5 アームシャンク
6 アームピース
7 弾機
8 ブレードゴム
10 第一レバー
10d 第一レバー末端部
11 第二レバー
13 スタビライザー
13a 上片部
13b 側片部
13c 突出片
13d 取付け凹部
13e 貫通孔
13h リブ
15 支持受け体
Claims (13)
- ワイパアーム基端部に一体取付けされたワイパ軸の正逆回転駆動に伴い、ワイパアーム先端部に取付けられたワイパブレードが窓面の払拭作動をしてなるワイパ装置において、前記ワイパブレードの中間部を、ワイパアーム先端部にアーム長方向に対して略直交する枢軸を介して揺動自在に枢支する一方、ワイパブレードの前記中間部よりワイパ軸側部位を、ワイパアームに設けた支持部材に窓面方向移動自在に支持するにあたり、前記支持部材は、ワイパブレードを支持する支持凹部が形成されたものとし、該支持凹部の内側面には、ワイパブレードに線状接触するべく窓面方向に長いリブが複数形成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項1において、支持部材は、支持凹部を構成する上片部がワイパアームに固定されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項1または2において、ワイパアームは、先端部にワイパブレードが取付けられるアームピースの基端部を、断面略冂字形状に形成されたアームシャンクの先端部に内嵌状に固定する構成とし、支持部材は、アームピースの基端部に支持凹部の内側から螺合される螺子を介して固定され、アームピースとともにアームシャンク先端部に固定されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項3において、支持部材のアームピースとの組込み部には、アームピースを位置決め状に嵌め込むための位置決め手段が形成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項4において、位置決め手段は、ワイパアームのアーム長方向を向く一対の突出片と、アーム長方向に対し直交しアームピース基端縁が突当てられる突出片とで構成され、アームピースに対するスタビライザーの振れ止めをする振れ止め手段に兼用するように構成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項1乃至5において、支持部材は、ワイパブレードを構成するブレードレバーを支持するものとし、ブレードレバーの支持部には、支持部材の支持凹部に内嵌する支持受け体が抜止め状に設けられているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項6において、支持部材によるブレードレバーの支持部は、ワイパアームに連結される第一レバーと第二レバーとの枢支部近傍とし、支持凹部の少なくとも一つのリブは、枢支部に止着されるピンに対向するように構成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項6または7において、支持受け体には、第一レバーと第二レバーとのあいだのピンの両端部を外部に露出する貫通孔が開設されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項6乃至8において、支持受け体は、窓面側が開口する断面略冂字形状に形成される一方、第一レバーの第二レバー枢支部に嵌着する嵌着部と、該嵌着部から延出して第二レバーに干渉し、第二レバーの払拭方向の移動規制をする延長部とを備えて構成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項6乃至9において、支持受け体の嵌着部は、延長部よりも肉薄に形成され、第一レバーへの嵌着は嵌着部の弾性変形によりなされるように構成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項6乃至10において、支持受け体の嵌着部には、第一レバーと窓面方向に係合して抜止めをする第一段差部と、第一レバーとレバー長方向に係合して抜止めをする第二段差部とが形成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項11において、第二段差部は、第一段差部のレバー長方向両端部に位置して形成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
- 請求項11または12において、少なくとも一つの第二段差部は、第一段差部に連続して形成されているワイパ装置におけるブレード支持装置。
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