JP2006136913A - セラミックグリーンシート用レーザ加工装置及びグリーンシート用レーザ加工方法 - Google Patents

セラミックグリーンシート用レーザ加工装置及びグリーンシート用レーザ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 PETフィルムがレーザビームによるダメージを受けることが無く、安価な構成からなるセラミックグリーンシートレーザ加工装置及びセラミックグリーンシートレーザ加工方法を提供すること。
【解決手段】 レーザ源からセラミックグリーンシートに至るまでの前記レーザビームの光路上に、ビームのスポット形状を略矩形状にし、かつビーム強度分布を略均一にする光学素子を備えるセラミックグリーンシート用レーザ加工装置もしくはそのレーザ加工方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品のレーザ加工に用いるセラミックグリーンシート用レーザ加工装置及びセラミックグリーンシート用レーザ加工方法に関する。
従来より、積層チップ電子部品等に用いられるセラミックグリーンシートに対してレーザビームを用いて打ち抜き加工を施して、配線パターン用の抜き穴を形成することが行われている。この様な加工に用いられるレーザ加工装置においては、ホモジナイザや非球面レンズ等を用いてレーザビームの光軸に対して垂直な面内でのビーム強度分布の調整がなされている。具体的には、ビーム強度分布がガウシアン型のレーザビームを、トップハット型のビーム強度分布とするレーザ加工装置が知られている。また、エキシマレーザを用いたレーザ加工装置も用いられている。このような装置は、複数個のレンズを配列した光学素子により矩形状のスポット形状になるように重ね合わせて、ビーム強度分布を均一にするものである(特許文献1、2参照。)。
さらに、上記のようなレーザ加工装置を用いて形成されたセラミックグリーンシートの抜き穴には導電性のペースト等が充填され、内部電極部材を充填したセラミックグリーンシートは所定枚数積層され、さらなる工程を経ることにより積層チップ電子部品が作製される(特許文献3参照。)。
特開2000ー326081号公報(段落番号〔0012〕、第1図) 特開平6ー179087号公報(段落番号〔0007〕、第1図) 特開平6ー251971号公報(段落番号〔0009〕〜段落番号〔0011〕、第1図)
ビーム強度分布を均一化する手段の一つであるレンズアレイを用いる従来のレーザ加工方法では、エキシマレーザなど、ビームモードがそれほど良くないレーザ光に対してはビーム強度の均一化について一定の効果がある。
ここで、エキシマレーザを用いるレーザ加工装置の構造は、他のレーザ加工装置と比較してその構造が複雑であり、レーザ加工装置が高価となるばかりでなく、加工装置としてその制御が困難という課題を有している。
従って、エキシマレーザによらない光源からなるレーザビーム加工装置若しくはレーザ加工方法を用いることが望ましい。
しかし、例えば、固体レーザ(YAGレーザ、YVOレーザ、YLFレーザなどの固体結晶レーザ)の場合には、非常にコヒレンス性が高い為、通常レンズアレイを通過したレーザビーム同士が干渉し、ビーム強度分布を均一化することが困難である。
レーザビームのビーム強度の均一化がなされていないこのようなレーザビームを用いた場合、セラミックグリーンシートを加工する際、ビーム強度が所定値より高い部分によって、セラミックグリーンシートの基体であるPETフィルムに穴が開いてしまう恐れがある。PETフィルムに穴が存在すると、内部電極用の金属ペーストを充填する際に、ペーストが漏れてしまったり、十分に金属ペーストが充填されないといった問題が生じる恐れがある。従って、PETフィルムに穴を開けない、固体レーザを用いた加工装置あるいは加工方法の構築が望まれる。
そこで、本発明は、PETフィルムがレーザビームによるダメージを受けることが無く、安価な構成からなるセラミックグリーンシート用加工装置及びセラミックグリーンシート用加工方法を提供することを一の目的とする。
上記目的を達成するための本発明のセラミックグリーンシート用レーザ加工装置の第1の態様は、レーザ源からセラミックグリーンシートに至るまでの前記レーザビームの光路上に、ビームのスポット形状を略矩形状にし、かつビーム強度分布を略均一にする光学素子を備えることを特徴とするである。
また、上記目的を達成するための本発明のセラミックグリーンシート用レーザ加工方法の第1の態様は、ビームのスポット形状を矩形状にし、かつ均一なビーム強度分布に変換するレーザビーム変換工程と、レーザビーム変換工程で変換されたレーザビームをセラミックグリーンシートに照射するレーザビーム照射工程と、を備える。
上記レーザ加工装置若しくはレーザ加工方法において使用する光学素子は、その直径方向に沿った断面形状の微細パターンが、当該光学素子に入射する円形状のレーザビームの一次回折光が矩形状に分布するようにフリーエ変換により計算・設計して導き出した形状を有する。このような形状にすることで、レーザビームの回折光同士の干渉が発生することなくビームのスポット形状を矩形状とし、かつ、ビーム強度分布を均一化できる。
本発明のセラミックグリーンシート用レーザ加工装置の第2の態様では、上記光学要素が回折型光学部品である。
本発明のセラミックグリーンシート用レーザ加工装置の第3の態様は、レーザ源からセラミックグリーンシートに至るまでの前記レーザビームの光路上に、レーザ源から順に、レーザビームを整形する光学素子と、セラミックグリーンシートに形成される内部電極パターンに対応する開口部を有するマスクとを配置し、光学素子を通過したレーザビームの照射領域が、マスクの開口部より僅かに広く、かつ、開口部と相補的な形状である。
本発明のセラミックグリーンシート用レーザ加工方法の第2の態様は、マスクの開口部より僅かに広く、かつ、該開口部と相補的な形状の照射領域となるように、レーザ源から照射されたレーザビームを整形するレーザビーム変換工程と、レーザビーム変換工程で変換されたレーザビームをセラミックグリーンシートに照射するレーザビーム照射工程と、を有する。
使用するマスクの開口部とレーザビームの照射領域をマスクの開口部より僅かに広く、かつ、開口部と相補的な形状でとすることで、レーザビームを効率的に利用することが可能となる。また、マスクを用いてレーザビームのスポット形状を整形するレーザ加工装置やレーザ加工方法に比べ、マスクに蓄熱される量を少なくすることが可能となる。
さらに、セラミックグリーンシート用レーザ加工装置の第4の態様では、マスクの開口部及びレーザビームの照射領域は、略多角形状である。
セラミックグリーンシート用レーザ加工装置の第5の態様では、マスクはマスクを回転させるためのマスク回転機構を備え、マスクの開口部はU字状である。
セラミックグリーンシート用レーザ加工方法の第3の態様では、マスクを回転させるためのマスク回転工程を備え、一のセラミックグリーンシートについてレーザビーム照射工程を行った後に、別のセラミックグリーンシートにレーザビーム照射工程を行う前に、マスク回転工程を行う。
上記構成のレーザ加工方法によれば、複数のセラミックグリーンシートに対して、同一の内部電極パターンを有するマスクを用いるので、内部電極の形状が変わる毎にマスクを取り替える構成のレーザ加工装置やレーザ加工方法に比べ、レーザ加工に要する時間を短縮化できる。さらに、レーザ加工装置やレーザ加工方法の構成を簡素にできる。
本明細書中において特に言及していなければ、明細書を通して、ビームのスポット形状は、レーザビームの光軸に対して垂直方向の面上のレーザビームの形状を意味し、ビーム強度分布は、レーザビームの光軸に対して垂直方向に延びる線上に沿ったレーザビームの相対的なエネルギの大きさを示す。
本発明のレーザ加工装置及びレーザ加工方法によれば、レーザビームの回折光同士の干渉を防止できる回折型光学部品を利用することにより、ビームのスポット形状を矩形状にし、さらに、ビーム強度分布を均一にすることにより、セラミックグリーンシートのくり抜き工程を、高精度で行うことができる。よって、内部電極を構成するペースト材料がセラミックグリーンシートから漏れることを防止することができる。
また、ビームのスポット形状を、マスクの開口部に対応した形状とすることにより、蓄熱によるマスクの変形を防止し、マスクの耐久性を延ばすことができる。
さらに、打ち抜き加工と異なり、セラミックグリーンシートの基台であるPETフィルムに穴や裂け目等の損傷が生じる虞がないので、後工程の剥離工程においてセラミックグリーンシートをPETフィルムから確実に剥離することができ、積層体の製品の信頼性を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明のレーザ加工装置及びレーザ加工方法の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、レーザ加工の際に用いるレーザ加工装置の基本構成の斜視図を示す。レーザ加工装置101は、レーザ発振器103及びガイドレーザ発振器105を有するビーム発生部107と、レーザビームを被加工物である矩形状のセラミックグリーンシート109に導く光学系201と、光学系201等を載置するための支持架台263と、矩形状のセラミックグリーンシート109を搬送するための搬送系(無端ベルト268、搬送ローラ270、272等)と、を備える。
まず、光学系201について説明する。光学系201は、複数の全反射ミラー203、205、207、209、211、コンバイナ213、エキスパンダ215、回折型光学部品221,マスク223、コリメータレンズ225、xガルバノスキャナ251、yガルバノスキャナ253の各々が有するガルバノスキャンミラー257,259、集光レンズ261からなる。なお、マスク223には、マスク回転機構222が連結し、マスクが所定量回転(矢印224方向)できるようになっている。
xガルバノスキャナ251、yガルバノスキャナ253は、ガルバノボックス255内に配置されている。各スキャナに設けられたガルバノスキャンミラー257、259は、その反射角度を変えることによりレーザビームの照射位置を規定する。
次に、支持架台263について説明する。支持架台263は逆U字状であり、鉛直方向に延びる一対の脚部265、267と、両脚部265、267の上端部間を連結し略水平に延在する一対の横断部材269、271からなる。横断部材269、271は、平行でかつ互いに離間している。横断部材269、271間には、不図示のボールねじ機構により矢印273方向(y軸方向)に移動可能なガルバノボックス255が装着されている。ガルバノボックス255の側面には、鉛直方向下方に向けられセラミックグリーンシート109の位置を認識するための画像処理用カメラ279が配置されている。
さらに、搬送系について説明する。搬送系は、X軸ステージ275と、一対のローラ270、272と、一対のローラ間に張架され、矩形状のセラミックグリーンシート109を支持する無端ベルト268と、からなる。矩形状セラミックグリーンシート109は、支持架台263の横断部材269、271と交差する方向(すなわち、図1において左から右方向)に搬送される。また、X軸ステージ275は、セラミックグリーンシート109の延在する方向、すなわちx軸方向(矢印277)に移動可能である。
図2は、上記実施形態における光学系201の主要要素を示す構成図である。レーザ発振器から被加工物であるセラミックグリーンシート109に至る光路上には、レーザ光源側から回折型光学部品221、マスク223、コリメートレンズ225、転写レンズ(fθレンズ)261の順に配置されている。
回折型光学部品221は、ガウシアン形状のビーム強度分布を有するレーザビーム(図3(a)参照。)を、スポット形状が矩形状で、均一のビーム強度分布を有するレーザビーム(図3(b)参照。)に整形するためのものである。
図4は、図2の線IV−IVに沿った断面図である。回折型光学部品の断面は、図4に示されている。従来より知られているフォトリソグラフィやエッチング等により、レンズ基材の表面に図4に示すような微細パターンを加工する。この微細パターンは、回折型光学部品に入射するビームスポットが円形状のレーザビームの一次回折光が矩形状に分布するようにフリーエ変換により計算・設計することで導き出した形状である。ここで、レーザビームの回折光同士の干渉が発生することなくビームのスポット形状を矩形状とし、かつ、ビーム強度分布を均一化する。
光路上において、回折型光学部品221の下流側に配置されるマスク223は、所定の加工パターンが形成されていて、レーザビームを所望の加工パターンに形成するためのものである。
図5は、本実施形態で用いるマスク223を示す。図に示すマスク223は、略矩形状であり、内部電極パターンすなわちコイル電極パターンに対応する形状の開口部226を有している。図中において符号228は、マスクの中心を示し、マスク中心228は、光軸と一致するように光路上に配置される。また、マスク223に接続するマスク回転機構222(図1参照。)により、マスク中心228を回転中心としてマスク223が回転できる構成となっている。
符号206は、レーザビーム照射領域を示し、図中において外縁部206aにより囲まれた斜線部として示されている、そして、レーザ照射領域206は、略正方形である。開口部(レーザビームがマスクを透過できる部分)226はマスク開口縁部226aにより規定され、略U字状である。図から明確なように、レーザビームの照射領域は、開口部226と相補的な形状を有し、開口部226及び開口縁部226aを覆うようなレーザビームである。
なお、本発明に係るレーザ加工装置において、本実施形態の如く、マスクを使用してもよい。一般に、効果的にくり抜き加工を行う上で、レーザビームを所定のスポット形状に整形するために光路中にマスクを配置することが行われる。マスクを配置することにより簡易にスポット形状を整形することができるが、マスクでレーザビームが遮光されると、ビームエネルギの利用効率が低下するとともに、マスクに熱が蓄えられてしまう。
そこで、上記説明したように、レーザビーム照射領域206が、マスク開口部226より僅かに広く、かつ、開口部226の形状と相補的な形状とする構成である。このように構成することで、マスクの蓄熱を極力抑えることにより耐久性を向上でき、かつレーザエネルギを効率的に利用できる。
なお、上記実施形態のレーザ加工装置の縮小転写倍率は、転写レンズ261の焦点距離をf0として、コリメータレンズ225の焦点距離f1とすれば、f1/f0と一意的に定まる(図2参照。)。例えば、縮小転写倍率が1/3の場合には、被加工物109上に形成される内部電極パターンの加工寸法を3倍にした寸法の開口部226をマスク223に形成すればよい。
次に上記構成のレーザ加工装置101によるレーザビーム204の照射について図1を参照して説明する。被加工物を加工するための加工用レーザビーム(波長355nm)は、ビーム発生部107のレーザ発振器103から放射される。レーザ発振器103としては、従来から知られるYAGレーザの固体結晶レーザを用いる。
レーザ発振器103から照射された加工用レーザビームは全反射ミラー203により所定の方向に反射されコンバイナ213に入射する。他方、ガイドレーザ発振器105から照射された可視光領域のガイドレーザビームも同じくコンバイナ213に入射する。加工用レーザビームとガイドレーザビームは、コンバイナ213により光軸が互いに一致する。
さらに、コンバイナ213で同軸になった加工用レーザビームとガイドレーザビームは、反射ミラー205を介してエキスパンダ215に入射する。エキスパンダ215は、発散レンズ215a及びコリメータレンズ215bから構成され、入射したビームの所定寸法に拡大される。なお、エキスパンダ215の発散レンズ215a及びコリメータレンズ215bは、従来から知られている構成のものである。
エキスパンダ215を通過したレーザビーム204は、回折型光学部品221に入射する。回折型光学部品221を通過したレーザビームは、そのビーム強度分布が略均一であり、スポット形状が略矩形状となり、かつ、マスク223の開口部226を完全に覆うような大きさとなる(図5の斜線部206参照。)。
図6は、レーザビームがマスク223に到達した際のビーム強度分布を示す。図6(a)は、マスク223の配置位置におけるx軸座標及びy軸座標を示す。図6(b)は、図6(a)のx軸座標に沿ったビーム強度分布を示し、図5(c)は、図6(a)のy軸座標に沿ったビーム強度分布を示す。ここで、図6(b)の横軸は中心Oからx軸方向に沿った距離(μm)を示し、縦軸は、ビーム強度を示す。図5(c)の横軸は中心Oからy軸方向に沿った距離(μm)を示し、縦軸は、ビーム強度を示す。
上記グラフから、回折型光学部品221を通過したレーザビームは、x軸方向、y軸方向いずれにおいても、ビーム強度分布が均一であることがわかる。
光路上において、マスク223の下流側に配置されたコリメータレンズ225は、レーザビームを平行光に整形する。平行光に整形されたレーザビームは、xガルバノスキャナー251、yガルバノスキャナー253のxガルバノスキャンミラー257、yガルバノスキャンミラー259を反射した後、集光レンズである転写レンズ261に入射する。転写レンズ261に入射したレーザビームは集光され、セラミックグリーンシート109を照射する。
図7は、レーザビームが被加工物109に到達した際のビーム強度分布を示す図である。図7(a)は、セラミックグリーンシート109上のレーザビームパターンと、セラミックグリーンシート109上に規定されたx軸座標及びy軸座標とを示す。なお、図7(b)の横軸は、図7(a)の中心0xからx軸に沿った距離(μm)を示し、縦軸は、ビーム強度を示す。図7(c)の横軸は、図7(a)の中心0yからy軸に沿った距離(μm)を示し、縦軸は、ビーム強度を示す。
上記グラフから、セラミックグリーンシート109上において略U字状に整形されたレーザビームパターンは、x軸方向、y軸方向いずれの方向にもビーム強度分布が均一であることがわかる。
次に本発明のレーザ加工装置を用いたセラミックグリーンシートの加工工程について説明する。図8は、積層チップ電子部品の製造工程の一部を示す斜視図である。
図8には、積層チップ電子部品の加工工程の内、セラミックグリーンシートに所定のスルーホールを形成するスルーホール加工工程と、セラミックグリーンシートに内部電極パターンのくり抜きを行うくり抜き工程と、内部電極部材を印刷する内部電極印刷工程が示されている。
図8中、コラム(I)は、スルーホール加工工程におけるグリーンシートを示す。コラム(II)は、くり抜き工程におけるグリーンシートを示す。コラム(III)は、内部電極印刷工程におけるグリーンシートを示す。
また、各工程(I)〜(III)には、行(A)〜(P)の順番でセラミックグリーンシートが送られる。例えば、A行のグリーンシート303が、スルーホール加工工程(I)に送られ、スルーホール303aが形成される。次に、B行のグリーンシート305が、スルーホール加工工程(I)に送られる。グリーンシート303と同様に、スルーホール305aがグリーンシート305に形成される。
同様に、グリーンシート309(D行)、313(F行)、317(H行)、321(J行)、325(L行)、329(N行)〜333(P行)が、順にスルーホール工程(I)に送られ、所定位置にスルーホール309a、313a、317a、321a、325a329a〜333aがそれぞれ形成される。
次のくり抜き工程(II)では、内部電極に対応する形状の開口部である内部電極パターンが形成される。内部電極を備えるセラミックグリーンシート同士を直接積層すると、内部電極による段差がセラミックグリーンシート間に生じることを防ぐため、内部電極パターンを有するセラミックグリーンシートを介在させている。さらに、内部電極構成部材とセラミックグリーンシートの熱収縮率の違いから、焼成時に内部電極、特にコイル電極とセラミックグリーンシートとの間に隙間が生じて、漏れ磁束等の特性劣化を防止する役目も内部電極パターンを有するセラミックグリーンシートが果たす。
上記の機能を果たすためのグリーンシート307(C行)、311(E行)、315(G行)、319(I行)、323(K行)、327(M行)は、スルーホール加工工程(I)及び内部電極印刷工程(III)での処理は行われない。くり抜き工程(II)において、グリーンシート307、311、315、319、323、327は、内部電極パターン307b、311b、315b、319b、323b、327bが形成される。このくり抜き工程(II)における加工は、実施の形態で詳述したレーザ加工装置が使用される(図1〜2参照。)。
くり抜き工程(II)では、図1のレーザ加工装置からレーザビームが照射されて、内部電極パターンが形成される。不図示のマスクを用いてグリーンシート307(C行)の引き出し電極パターン307bが形成される。
次に、くり抜き工程(II)に送られるのは、グリーンシート311(E行)である。図1のレーザ加工装置を用いてレーザ加工が行われる。なお、前述のグリーンシート307の引き出し電極パターン307bを作製するために使用したマスクをマスク223(図1、図2、図5参照。)に取り替えた後、レーザ照射を行う。そうすると、グリーンシート311(コラムII、E行)に、略U字状の内部電極用パターンすなわちコイル電極用パターン311bが形成される。
さらに、グリーンシート315(G行)が、くり抜き工程(II)に送られる。この際、マスク(図1の223)を反時計回り(図1の矢印224方向)に90゜回転させる。そして、レーザ加工装置からレーザビームをグリーンシートに照射する。そうすると、グリーンシート315のコイル電極用パターン315b(G行)は、グリーンシート311のコイル電極パターン311b(E行)に対して90゜の回転させた形状となる。
同様に、グリーンシート319(I行)、323(K行)は、くり抜き工程(II)に送られる。そして、マスク223を反時計回りに90゜回転させた後に、レーザ照射がグリーンシートに対してなされてコイル電極パターン319b、323bが加工される。
このように、コイル電極パターン311b、315b、319b、323b(E行、G行、I行、K行)は、同一のマスク223をマスク回転機構222(図1参照。)により回転させることのみで加工することができる。よって、くり抜き工程(II)で用いるレーザ加工装置の構成を簡素にできるとともに、加工効率を高めることできる。
さらに、スルーホール加工工程(I)でスルーホールが形成されたグリーンシート309(D行)、313(F行)、317(H行)、321(J行)、325(L行)、329(N行)が、内部電極印刷工程(III)に送られる。
ここで、グリーンシート309(D行)、329(N行)には、それぞれ所定の形状の引き出し電極309c、329cが印刷される。他方、グリーンシート313(F行)、317(H行)、321(J行)、325(L行)には、それぞれ、コイル電極313c、317c、321c、325cが印刷される。
なお、印刷された内部電極の形状及び寸法と、くり抜き工程(II)で形成された内部電極パターンの開口の形状及び寸法とは、予めほぼ同じになるように設定されている。よって、例えば、グリーンシート307とグリーンシート309を重ね合わせると、内部電極309cが内部電極パターン307bに嵌合し、重ね合わされたグリーンシート307、309間に段差は生じない構成である。
上記の工程を経たグリーンシート303〜333(A〜P行)は、図8に示す順番(すなわち、A〜Jの順)で重ね合わされ、後工程の脱バインダ処理、焼結加工がなされる。
ところで、従来の積層チップ電子部品の積層方法では、各セラミックグリーンシートに対して、形成される内部電極に対応するマスクを用意することが必要である。よって、積層チップ電子部品の積層工程が煩雑になるとともに、レーザ加工装置の構成が複雑になる。また、加工する対象であるセラミックグリーンシートが変わる度に、マスクを交換するための時間が必要となり、積層チップ電子部品の製造に要する時間の短縮化に限界が生じる。
そこで、上記実施形態の構成を採ることで、セラミックグリーンシートのレーザ加工方法を簡素化するとともに、レーザ加工装置の構成を簡素化することができる。
本実施形態においては、ビームのスポット形状をマスクの開口部より僅かに大きな領域を有する形状としている。これにより、レーザビームのエネルギを有効に利用できるとともに、マスクが蓄熱し、マスク開口部の形状が変化するといった不都合を解消できる。
また、レーザ加工に用いる固体レーザとして、YAGレーザを使用したが、その他のYVOレーザ、YLFレーザなどの固体結晶レーザを用いることができることは言うまでもない。
上記実施形態では、積層チップインダクタを製造する場合について説明しているが、その他の積層チップコンデンサ等の積層チップ電子部品を製造する際にも適用できることは言うまでもない。
なお、上記実施形態では、一つのセラミックグリーンシートに単一の内部電極を形成する工程として説明したが、これは専ら説明のためである。よって、一のグリーンシート上に複数の内部電極を形成する場合であっても同様に本発明を適用できることは言うまでもない。さらに、上記実施形態では、セラミックグリーンシートにU字状の内部電極パターンを加工する構成について説明したが、本発明はこの形状に限定されるものではない。例えば、内部電極が丸みを帯びたU字状である場合や、三角形、四角形等の多角形状の内部電極を形成する場合には、その形状に対応する内部電極パターンをくり抜く構成とすることができる。
上記実施の形態のレーザ加工装置では、マスク223に回転駆動機構222を接続し、マスク223を回転可能としているが、この構成に制限されるものではない。例えば、くり抜き工程の後、積層工程においてセラミックグリーンシートを回転させるための回転機構を設けて所定の向きとなるよう方向付けする構成としてもよい。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態及び実施例は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
マスクを配置してビームを効率的に使用できる本発明の構成は、印字装置等にも適用可能である。
本発明の実施形態によるレーザ加工装置の基本構成図である。 図1の光学系の主要要素を示す構成図である。 (a)は、ガウシアン形状のビーム強度分布を示し、(b)は、矩形状のビーム強度分布を示す。 図2の回折型光学部品の線IV−IVに沿った断面図である。 図1、2のマスクを示す図である。 (a)は、図2のマスクにおけるx軸座標及びy軸座標を示し、(b)はx軸座標に沿ったビーム強度分布であり、(c)は、y軸座標に沿ったビーム強度分布である。 (a)は、図2の被加工物におけるx軸座標及びy軸座標を示し、(b)はx軸座標に沿ったビーム強度分布であり、(c)は、y軸座標に沿ったビーム強度分布である。 積層チップ電子部品の製造工程の一部を示す斜視図である。
符号の説明
101 レーザ加工装置
103 レーザ発振器
109 セラミックグリーンシート
203 レーザ発振部
221 回折型光学部品
222 マスク回転機構
223 マスク
261 転写レンズ

Claims (8)

  1. セラミックグリーンシートにレーザビームを照射してくり抜き加工するためのセラミックグリーンシート用レーザ加工装置であって、
    レーザ源からセラミックグリーンシートに至るまでの前記レーザビームの光路上に、ビームのスポット形状を略矩形状にし、かつビーム強度分布を略均一にする光学素子を備えることを特徴とするセラミックグリーンシート用レーザ加工装置。
  2. 該光学素子は回折型光学部品であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート用レーザ加工装置。
  3. セラミックグリーンシートにレーザビームを照射してくり抜き加工するためのセラミックグリーンシート用レーザ加工装置であって、
    レーザ源からセラミックグリーンシートに至るまでの前記レーザビームの光路上に、レーザ源から順に、該レーザビームを整形する光学素子と、該セラミックグリーンシートに形成される内部電極パターンに対応する開口部を有するマスクとを配置し、
    該光学素子を通過したレーザビームの照射領域が、該マスクの開口部より僅かに広く、かつ、該開口部と相補的な形状であることを特徴とするセラミックグリーンシート用レーザ加工装置。
  4. 該マスクの開口部及び該レーザビームの照射領域は、略多角形状であることを特徴とする請求項3に記載のセラミックグリーンシート用レーザ加工装置。
  5. 該マスクはマスクを回転させるためのマスク回転機構を備え、該マスクの開口部はU字状であることを特徴とする請求項3に記載のセラミックグリーンシート用レーザ加工装置。
  6. セラミックグリーンシートにレーザビームを照射してくり抜き加工するためのセラミックグリーンシート用レーザ加工方法であって、
    ビームのスポット形状を矩形状にし、かつ均一なビーム強度分布に変換するレーザビーム変換工程と、
    前記レーザビーム変換工程で変換されたレーザビームをセラミックグリーンシートに照射するレーザビーム照射工程と、を備えることを特徴とするセラミックグリーンシート用レーザ加工方法。
  7. セラミックグリーンシートにレーザビームを照射してくり抜き加工するためのセラミックグリーンシート用レーザ加工方法であって、
    マスクの開口部より僅かに広く、かつ、該開口部と相補的な形状の照射領域となるように、レーザ源から照射されたレーザビームを整形するレーザビーム変換工程と、
    前記レーザビーム変換工程で変換されたレーザビームをセラミックグリーンシートに照射するレーザビーム照射工程と、を有するセラミックグリーンシート用レーザ加工方法。
  8. 該マスクを回転させるためのマスク回転工程を備え、一のセラミックグリーンシートについてレーザビーム照射工程を行った後に、別のセラミックグリーンシートにレーザビーム照射工程を行う前に、マスク回転工程を行うことを特徴とする請求項7に記載のセラミックグリーンシート用レーザ加工方法。
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