JP3458760B2 - セラミックグリーンシートの加工方法 - Google Patents

セラミックグリーンシートの加工方法

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JP3458760B2 JP09577299A JP9577299A JP3458760B2 JP 3458760 B2 JP3458760 B2 JP 3458760B2 JP 09577299 A JP09577299 A JP 09577299A JP 9577299 A JP9577299 A JP 9577299A JP 3458760 B2 JP3458760 B2 JP 3458760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、積層セラミック
電子部品を製造する場合などに用いられるセラミックグ
リーンシートの加工方法に関し、詳しくは、セラミック
グリーンシートに微小穴(例えば、ビアホールやスルー
ホールとして機能させるための穴)を形成するためのセ
ラミックグリーンシートの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】積層型
コイル部品、積層基板、その他の種々の積層セラミック
電子部品においては、通常、セラミック層を介して積
層、配設された内部電極間(層間)の電気的接続を、セ
ラミックグリーンシートに形成されたビアホール(貫通
孔)を介して行っている。
【0003】そして、セラミックグリーンシートにビア
ホール(貫通孔)を形成するための加工方法として、従
来は、金型とピンを用いてセラミックグリーンシートを
打ち抜く方法、YAGレーザやCOレーザなどを利用
したレーザ加工方法が用いられている。
【0004】ところで、近年、電子部品の小型化、高密
度化にともない、セラミックグリーンシートに形成され
るビアホールの径を小さくすることが要求されるように
なっている。しかし、上記の打ち抜き加工方法の場合、
孔径(穴径)が小さくなるにつれて、加工精度(形状精
度)が低下するという問題点がある。
【0005】また、YAGレーザやCOレーザを利用
したレーザ加工方法においても、孔径(穴径)が50μ
m以下になると、高い形状精度及び寸法精度で貫通孔を
形成することが困難になり、形成可能な最小孔径は30
μm程度とされている。これは、YAGレーザやCO
レーザを利用したレーザ加工方法の場合に、レーザ波長
が最小孔径に近くなると、シャープな集光を行うことが
困難になることによるものである。
【0006】また、従来のレーザ加工法では、微小な貫
通孔を形成することができるように、レーザ発振器の出
力調整を行っている。これは、レーザ発振器の出力(エ
ネルギー)とレーザビームの幅とは、図5に示すような
関係があり、微小な孔径dの貫通孔を形成しようとする
と、セラミックグリーンシートに照射されるレーザビー
ムの幅がdであることが必要となるが、通常のレーザ発
振器の出力レベルでは、放射されるレーザビームのエネ
ルギーが大きく、その幅が形成されるべき貫通孔の孔径
dより大きくなり、目標とする孔径dの貫通孔を形成す
ることができなくなることから、レーザ発振器の出力を
下げることにより、レーザビームの幅を貫通孔の孔径d
まで小さくしようとするものである。
【0007】しかし、レーザ発振器の出力を下げること
により、レーザビームの幅を貫通孔の孔径dまで小さく
しようとすると、安定したレーザ発振を行わせることが
できなくなり、加工品質が不安定になって、形状精度及
び寸法精度の高い微小な貫通孔を形成することが困難に
なるという問題点がある。
【0008】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、セラミックグリーンシートの所定の位置に、穴径
が50μm以下の複数個の微小穴を効率よく形成するこ
とが可能なセラミックグリーンシートの加工方法を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明のセラミックグリーンシートの加工方法
は、パルス状のレーザビームを放射するレーザ光源と、
レーザ光源の近傍に配置され、レーザビームを通過させ
て、穴径が50μm以下の微小穴をセラミックグリーン
シートに形成するのに適したエネルギーを有する複数個
のレーザビームに分光する回折格子と、レーザビームを
所定の反射角度で反射させるガルバノスキャンミラー
と、ガルバノスキャンミラーにより反射されたレーザビ
ームを個々に集光する集光レンズと、セラミックグリー
ンシートを所定の位置関係となるように配設し、レーザ
光源から放射されたパルス状のレーザビームを、前記回
折格子を通過させて、穴径が50μm以下の微小穴をセ
ラミックグリーンシートに形成するのに適したエネルギ
ーを有する複数個のレーザビームに分光し、分光された
複数個のパルス状のレーザビームをガルバノスキャンミ
ラーで反射させてセラミックグリーンシートに照射し、
セラミックグリーンシートの所定の位置に、穴径が50
μm以下の複数個の微小穴を形成した後、ガルバノスキ
ャンミラーの反射角度を変化させて、レーザビームのセ
ラミックグリーンシートへの照射を繰り返し、ガルバノ
スキャンミラーの反射角度を変えることで異なる位置に
穴径が50μm以下の微小穴を形成することができる領
域のすべてに微小穴を形成した後、セラミックグリーン
シートを所定量だけ移動させ、ガルバノスキャンミラー
の反射角度を変化させてレーザビームのセラミックグリ
ーンシートヘの照射を繰り返し、セラミックグリーンシ
ートの全体の所定の位置に、穴径が50μm以下の複数
個の微小穴を形成することを特徴としている。
【0010】レーザ光源から放射されたレーザビーム
を、レーザ光源の近傍に配置された回折格子を通過させ
て、穴径が50μm以下の微小穴をセラミックグリーン
シートに形成するのに適したエネルギーを有する複数個
のレーザビームに分光し、分光された複数個のレーザビ
ームをセラミックグリーンシートに照射することによ
り、セラミックグリーンシートに、穴径が50μm以下
の複数個の微小穴を効率よく形成することが可能にな
る。
【0011】本願発明の方法によれば、図3に示すよう
に、回折格子3を用いて、エネルギーレベルの高いレー
ザビーム2(図4(a)参照)を、複数個のレーザビーム
2aに分光することにより、分光された各レーザビーム
2aのエネルギーを、微小穴を形成するのに適したレベ
ルになるまで(すなわち、レーザビームの幅が、微小穴
の穴径dに対応する幅になるまで)減衰させることが可
能になり(図4(b)参照)、レーザ発振器を安定した出
力で稼働させることが可能になる。したがって、穴径が
50μm以下の微小穴を、高い位置精度及び形状精度
で、効率よく形成することが可能になる。
【0012】また、ガルバノスキャンミラーの反射角度
を変化させて、レーザビームのセラミックグリーンシー
トへの照射を繰り返し、ガルバノスキャンミラーの反射
角度を変えることで異なる位置に穴径が50μm以下の
微小穴を形成することができる領域のすべてに微小穴を
形成した後、セラミックグリーンシートを所定量だけ移
動させ、ガルバノスキャンミラーの反射角度を変化させ
てレーザビームのセラミックグリーンシートヘの照射を
繰り返し、セラミックグリーンシートの全体に、穴径が
50μm以下の複数個の微小穴を形成することにより、
セラミックグリーンシートの所定の領域では、セラミッ
クグリーンシートを移動させることなく、ガルバノスキ
ャンミラーの反射角度を変えるだけで、セラミックグリ
ーンシートの移動回数を少なくして、効率よくセラミッ
クグリーンシート全体の所定の位置に、穴径が50μm
以下の複数個の微小穴を形成することが可能になる。
【0013】なお、本願発明の方法において、「穴径が
50μm以下の微小穴をセラミックグリーンシートに形
成するのに適したエネルギーを有する複数個のレーザビ
ームに分光し」とは、レーザビームを回折格子により分
光して、個々のレーザビームのエネルギーレベルを低下
させることにより、セラミックグリーンシートに照射さ
れる個々のレーザビームの幅が50μm以下になるよう
にすることを意味する概念であり、絶対的なエネルギー
レベルは、セラミックグリーンシートの組成や、形成す
べき微小穴の形状、寸法などにより適宜決定されるべき
ものである。
【0014】また、本願発明において、微小穴とは、貫
通した穴(貫通孔)に限らず、貫通していない有底穴、
一部分が貫通し、他の部分が貫通していない部分貫通穴
などを含む概念である。
【0015】また、請求項2のセラミックグリーンシー
トの加工方法は、前記回折格子が、レーザビームの透過
率の高い材料を用いて形成されていることを特徴として
いる。
【0016】光学系、特に、回折格子に、レーザビーム
の透過率の高い材料を用いることにより、エネルギー効
率を向上させることが可能になり、セラミックグリーン
シートに、穴径が50μm以下の複数個の微小穴を効率
よく形成することが可能になる。
【0017】また、請求項3のセラミックグリーンシー
トの加工方法は、前記レーザ光源から放射されるレーザ
が、COレーザであることを特徴としている。
【0018】COレーザは、セラミックグリーンシー
トを構成するセラミック自体による吸収率が低く、セラ
ミック自体の変質などによる特性のばらつきを防止する
ことが可能であるため、本願発明のセラミックグリーン
シートの加工方法に用いるのに好適である。
【0019】なお、COレーザは、上述のように、セ
ラミックグリーンシートを構成するセラミック自体には
吸収されにくいが、セラミックグリーンシートを構成す
るバインダなどに、COレーザの吸収率の高い物質を
配合しておくことにより、COレーザを用いた場合に
も、効率よくセラミックグリーンシートの加工(除去)
を行うことが可能になる。
【0020】また、請求項4のセラミックグリーンシー
トの加工方法は、前記セラミックグリーンシートが、キ
ャリアフィルムで一面を支持されたキャリアフィルム付
きセラミックグリーンシートであることを特徴としてい
る。
【0021】本願発明は、キャリアフィルム(通常は樹
脂フィルム)で一面を支持されたキャリアフィルム付き
セラミックグリーンシートを加工する場合にも適用する
ことが可能である。キャリアフィルム付きセラミックグ
リーンシートを加工するようにした場合、キャリアフィ
ルムに支持された状態で、セラミックグリーンシートを
取り扱うことが可能になるため、セラミックグリーンシ
ートの変形や歪みの発生を抑制して、微小穴の寸法精度
や位置精度を向上させることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0023】図1は、本願発明の一実施形態において
ラミックグリーンシートを加工するのに用いた加工装置
の概略構成を示す図である。また、図2は図1の加工装
置を用いて微小穴を形成したセラミックグリーンシート
を示す図である。
【0024】この実施形態では、例えば、積層型コイル
部品の製造に用いられるセラミックグリーンシートを加
工して、図2に示すように、平面形状が円形の微小穴1
5を形成する場合を例にとって説明する。なお、上記微
小穴15は、製品(積層型コイル部品)においてビアホ
ールとして機能することになるものであり、この実施形
態では、穴径が50μm及び30μmの微小穴を形成し
た。
【0025】また、この実施形態で用いた加工装置は、
図1に示すように、セラミックグリーンシート10を支
持するとともに、所定の方向にセラミックグリーンシー
ト10を移動させることができるように構成された支持
手段(この実施形態ではXYテーブル)11と、レーザ
光源1と、レーザ光源1から放射されたレーザビーム2
を通過させて、穴径が50μm以下(この実施形態で
は、50μm及び30μm)の微小穴15(図2)をセラ
ミックグリーンシート10に形成するのに適したエネル
ギーを有する複数個のレーザビーム2aに分光する回折
格子3と、回折格子3を通過し、複数個に分光されたレ
ーザビーム2aを所定の反射角度で反射させるガルバノ
スキャンミラー4と、ガルバノスキャンミラー4により
所定の反射角度で反射されたレーザビーム2aを個々に
集光する集光レンズ5とを備えており、集光レンズ5を
通過して集光されたレーザビーム2aが、XYテーブル
11上のセラミックグリーンシート10に照射されるよ
うに構成されている。
【0026】この加工装置は、さらに、レーザ光源1を
駆動するレーザ光源駆動手段6、ガルバノスキャンミラ
ー4の反射角度を変化させるガルバノスキャンミラー駆
動手段7と、XYテーブル11を所定の方向に移動させ
て、その上に支持されたセラミックグリーンシート10
を所定の方向に移動させるためのテーブル駆動手段(移
動手段)12とを備えている。
【0027】また、この加工装置においては、レーザ光
源1として、パルス幅の短いCOレーザを放射するレ
ーザ光源が用いられている。また、回折格子3、ガルバ
ノスキャンミラー4、及び集光レンズ5には、CO
ーザの吸収が少ないZnSeが用いられている。
【0028】次に、上記のように構成されたセラミック
グリーンシートの加工装置を用いて、セラミックグリー
ンシートに微小穴を形成する方法について説明する。
【0029】(1)まず、NiCuZnフェライトを主成
分とするセラミックに酢酸ビニル系バインダを添加し、
ボールミルで17時間混合した後、ドクターブレード法
によりシート状に成形した、厚さ50μmのセラミック
グリーンシート10を、支持手段11上に載置する。 (2)そして、定格出力300Wの穴あけ用のCOレー
ザ発生装置のレーザ光源1から放射されたパルス状のレ
ーザビーム2を、回折格子3を通過させて、穴径が50
μm及び30μmの微小穴15(図2)をセラミックグリ
ーンシート10に形成するのに適したエネルギーを有す
る複数個のレーザビーム2aに分光する。 (3)それから、複数個に分光されたパルス状のレーザビ
ーム2aを、ガルバノスキャンミラー4で反射させてセ
ラミックグリーンシート10に照射し、セラミックグリ
ーンシート10の所定の位置を除去して、複数個の微小
穴15(図2)を形成する。 (4)それからさらに、ガルバノスキャンミラー4の反射
角度を変化させて、レーザビーム2aのセラミックグリ
ーンシート10への照射を繰り返し、セラミックグリー
ンシート10の異なる所定の位置に微小穴15(図2)
を形成する。 (5)そして、(4)の、ガルバノスキャンミラー4の反射
角度を変化させてレーザビーム2aをセラミックグリー
ンシート10に照射する工程を繰り返し、セラミックグ
リーンシート10の所定の領域(ガルバノスキャンミラ
ーの反射角度を変えることにより、異なる位置に微小穴
15を形成することができる領域)のすべてに微小穴1
5を形成した後、XYテーブル11を所定量だけ移動さ
せ、照射を繰り返して、セラミックグリーンシート10
の全体の所定の位置に、微小穴15を形成する。
【0030】この実施形態の加工方法によれば、回折格
子3を通過させて分光した、穴径が50μm及び30μm
の微小穴15(図2)をセラミックグリーンシート10
に形成するのに適したエネルギーを有する複数個のレー
ザビーム2aを、セラミックグリーンシート10に照射
することにより、セラミックグリーンシート10に複数
個の微小穴15(図2)を同時に形成するようにしてい
るので、セラミックグリーンシート10の所定の位置
に、高い位置精度及び形状精度で、効率よく微小穴15
を形成することができる。
【0031】なお、従来の、レーザ発振器の出力調整に
よるレーザ加工法で形成した微小穴と、上記実施形態の
方法により形成した微小穴の、穴径ばらつき及び微小穴
の真円度を表1及び表2に示す。なお、表1は、穴径5
0μmの微小穴を形成した場合のデータを示しており、
表2は、穴径30μmの微小穴を形成した場合のデータ
を示している。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表1及び表2より、上記実施形態の加工方
法によれば、穴径ばらつきが小さく、真円度の高い微小
穴を効率よく形成できることがわかる。
【0035】なお、上記実施形態では、平面形状が円形
の微小穴を形成する場合を例にとって説明したが、本願
発明において、微小穴の形状に特別の制約はなく、回折
格子の設計パターンを変更することにより、方形、方形
以外の多角形、楕円形など、種々の形状の微小穴を形成
することができる。
【0036】また、上記実施形態では、積層型コイル部
品の製造に用いられるセラミックグリーンシートに微小
穴を形成する場合を例にとって説明したが、本願発明
は、微小穴を形成すべきセラミックグリーンシートの種
類や用途に特別の制約はなく、例えば、積層基板その他
の種々の積層セラミック電子部品に用いられるセラミッ
クグリーンシートにビアホール用の微小穴を形成する場
合などに広く適用することが可能である。
【0037】また、上記実施形態では、COレーザを
用いているが、本願発明においては、他種類のレーザを
用いることも可能である。
【0038】また、上記実施形態では、パルス状のレー
ザビームを用いているが、場合によっては、パルス状の
レーザビーム以外のレーザビームを用いることも可能で
ある。
【0039】また、上記実施形態では、セラミックグリ
ーンシートを直接XYテーブル(支持手段)に載置して
加工するようにしているが、キャリアフィルム上に支持
されたセラミックグリーンシートをキャリアフィルムご
と支持手段に載置して加工することも可能である。な
お、キャリアフィルム付きセラミックグリーンシートを
加工するようにした場合、キャリアフィルムに支持され
た状態で、セラミックグリーンシートを取り扱うことが
できるため、セラミックグリーンシートの変形や歪みの
発生を抑制して、微小穴の寸法精度や位置精度を向上さ
せることが可能になる。
【0040】なお、本願発明は、上記の実施形態によっ
て限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内におい
て、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
セラミックグリーンシートの加工方法は、レーザビーム
を、レーザ光源の近傍に配置された回折格子を通過さ
せ、穴径が50μm以下の微小穴をセラミックグリーン
シートに形成するのに適したエネルギーを有する複数個
のレーザビームに分光して、セラミックグリーンシート
に照射するようにしているので、セラミックグリーンシ
ートに、穴径が50μm以下の複数個の微小穴を効率よ
く形成することが可能になる。
【0042】すなわち、本願発明の方法によれば、レー
ザビームを回折格子により分光して、分光された個々の
レーザビームのエネルギーレベルを低下させることによ
り、セラミックグリーンシートに照射される個々のレー
ザビームの幅を、50μm以下にすることが可能になる
ため、レーザ発振器の出力を特に低下させることが不要
になり、レーザ発振器を安定した出力で稼働させること
が可能になる。したがって、穴径が50μm以下の複数
個の微小穴を、高い位置精度及び形状精度で、効率よく
形成することが可能になる。
【0043】また、ガルバノスキャンミラーにより反射
角度を変化させて、レーザビームのセラミックグリーン
シートへの照射を繰り返し、ガルバノスキャンミラーの
反射角度を変えることで異なる位置に穴径が50μm以
下の微小穴を形成することができる領域のすべてに微小
穴を形成した後、セラミックグリーンシートを所定量だ
け移動させ、ガルバノスキャンミラーの反射角度を変化
させてレーザビームのセラミックグリーンシートヘの照
射を繰り返し、セラミックグリーンシートの全体に、穴
径が50μm以下の複数個の微小穴を形成するようにし
ているので、セラミックグリーンシートの所定の領域で
は、セラミックグリーンシートを移動させることなく、
ガルバノスキャンミラーの反射角度を変えるだけで、複
数の領域において複数個の微小穴を形成することが可能
になり、セラミックグリーンシートの移動回数を少なく
して、セラミックグリーンシート全体の所定の位置に、
効率よく穴径が50μm以下の複数個の微小穴を形成す
ることが可能になる。
【0044】また、請求項2のセラミックグリーンシー
トの加工方法のように、光学系、特に、回折格子に、レ
ーザビームの透過率の高い材料を用いた場合、エネルギ
ー効率を向上させることが可能になり、セラミックグリ
ーンシートに、穴径が50μm以下の複数個の微小穴を
効率よく形成することが可能になる。
【0045】また、請求項3のセラミックグリーンシー
トの加工方法のように、レーザとして、COレーザを
用いた場合、セラミックグリーンシートを構成するセラ
ミック自体による吸収が少ないため、セラミック自体の
変質などによる特性のばらつきを防止することが可能に
なる。
【0046】また、請求項4のセラミックグリーンシー
トの加工方法のように、本願発明は、キャリアフィルム
(通常は樹脂フィルム)で一面を支持されたキャリアフ
ィルム付きセラミックグリーンシートを加工する場合に
も適用することが可能であり、その場合、キャリアフィ
ルムに支持された状態で、セラミックグリーンシートを
取り扱うことができるため、セラミックグリーンシート
の変形や歪みの発生を抑制して、寸法精度や位置精度の
高い微小穴を確実に形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態においてセラミックグリ
ーンシートを加工するのに用いた加工装置の概略構成を
示す図である。
【図2】本願発明の一実施形態において、図1の加工装
置を用いてセラミックグリーンシートを加工することに
より微小穴を形成したセラミックグリーンシートを示す
図である。
【図3】回折格子を用いてエネルギーレベルの高いレー
ザビームを、複数個のレーザビームに分光している状態
を示す図である。
【図4】(a)は回折格子を用いて分光する前のレーザビ
ームのエネルギーと幅を示す図、(b)は回折格子を用い
て分光した後のレーザビームのエネルギーと幅を示す図
である。
【図5】レーザ発振器の出力(エネルギー)とレーザビ
ームの幅との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 レーザビーム 2a 回折格子により分光した後のレーザビーム 3 回折格子 4 ガルバノスキャンミラー 5 集光レンズ 6 レーザ光源駆動手段 7 ガルバノスキャンミラー駆動手段 10 セラミックグリーンシート 11 支持手段(XYテーブル) 12 テーブル駆動手段 15 微小穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−242617(JP,A) 特開 平10−34365(JP,A) 特開 平2−117791(JP,A) 特開 平8−33993(JP,A) 特公 昭62−13120(JP,B2) 国際公開00/053365(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/42 H05K 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルス状のレーザビームを放射するレーザ
    光源と、レーザ光源の近傍に配置され、レーザビームを
    通過させて、穴径が50μm以下の微小穴をセラミック
    グリーンシートに形成するのに適したエネルギーを有す
    る複数個のレーザビームに分光する回折格子と、レーザ
    ビームを所定の反射角度で反射させるガルバノスキャン
    ミラーと、ガルバノスキャンミラーにより反射されたレ
    ーザビームを個々に集光する集光レンズと、セラミック
    グリーンシートを所定の位置関係となるように配設し、 レーザ光源から放射されたパルス状のレーザビームを、
    前記回折格子を通過させて、穴径が50μm以下の微小
    穴をセラミックグリーンシートに形成するのに適したエ
    ネルギーを有する複数個のレーザビームに分光し、 分光された複数個のパルス状のレーザビームをガルバノ
    スキャンミラーで反射させてセラミックグリーンシート
    に照射し、セラミックグリーンシートの所定の位置に、
    穴径が50μm以下の複数個の微小穴を形成した後、 ガルバノスキャンミラーの反射角度を変化させて、レー
    ザビームのセラミックグリーンシートへの照射を繰り返
    し、 ガルバノスキャンミラーの反射角度を変えることで異な
    る位置に穴径が50μm以下の微小穴を形成することが
    できる領域のすべてに微小穴を形成した後、セラミック
    グリーンシートを所定量だけ移動させ、ガルバノスキャ
    ンミラーの反射角度を変化させてレーザビームのセラミ
    ックグリーンシートヘの照射を繰り返し、セラミックグ
    リーンシートの全体の所定の位置に、穴径が50μm以
    下の複数個の微小穴を形成することを特徴とするセラミ
    ックグリーンシートの加工方法。
  2. 【請求項2】前記回折格子が、レーザビームの透過率の
    高い材料を用いて形成されていることを特徴とする請求
    項1記載のセラミックグリーンシートの加工方法。
  3. 【請求項3】前記レーザ光源から放射されるレーザが、
    COレーザであることを特徴とする請求項1又は2記
    載のセラミックグリーンシートの加工方法。
  4. 【請求項4】前記セラミックグリーンシートが、キャリ
    アフィルムにより一面を支持されたキャリアフィルム付
    きセラミックグリーンシートであることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のセラミックグリーンシー
    トの加工方法。
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