JP2003236690A - レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工方法

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JP2003236690A
JP2003236690A JP2002036925A JP2002036925A JP2003236690A JP 2003236690 A JP2003236690 A JP 2003236690A JP 2002036925 A JP2002036925 A JP 2002036925A JP 2002036925 A JP2002036925 A JP 2002036925A JP 2003236690 A JP2003236690 A JP 2003236690A
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Keiji Iso
圭二 礒
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂層に形成する穴の開口率を高めることが
可能なレーザ加工方法を提供する。 【解決手段】 第1の層の上に、該第1の層よりもレー
ザ照射によってエッチングされやすい材料からなる第2
の層が密着した加工対象物を準備する。加工対象物の第
2の層に、該第2の層の表面におけるビームプロファイ
ルが、ビームスポットの周辺部に、中央よりも盛り上が
った肩部を有するレーザビームを入射させて、第2の層
に穴を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ加工方法に
関し、特に金属層の表面上に密着した樹脂層に穴を形成
するレーザ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂層と金属配線とが交互に積層された
プリント配線板の樹脂層にレーザビームを照射して、穴
を形成する方法が知られている。通常のレーザビーム
は、ビームスポットの中心においてパワー密度が高く、
中心から離れるに従ってパワー密度が低下するプロファ
イルを有する。
【0003】このレーザビームを樹脂層に入射させる
と、ビームスポットの中心のパワー密度の高い部分の加
工速度が速く、中心から離れるに従って加工速度が遅く
なる。このため、側面が傾斜した穴が形成される。この
ため、穴の開口部の直径をDt、底面の直径をDbとし
たとき、Db/Dtで定義される開口率が小さくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プリント配線板におい
ては、樹脂層に形成された穴の底面に金属層が露出す
る。樹脂層の上に形成される配線が、この穴の内部を経
由して、穴の底面に露出した金属層に接続される。穴の
開口率が小さくなると、穴の底面の面積が小さくなるた
め、上層の配線と下層の金属層との接触面積が小さくな
る。接触面積が小さくなると、接触抵抗が増大してしま
う。
【0005】本発明の目的は、樹脂層に形成する穴の開
口率を高めることが可能なレーザ加工方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、第1の層の上に、該第1の層よりもレーザ照射によ
ってエッチングされやすい材料からなる第2の層が密着
した加工対象物を準備する工程と、前記加工対象物の前
記第2の層に、該第2の層の表面におけるビームプロフ
ァイルが、ビームスポットの周辺部に、中央よりも盛り
上がった肩部を有するレーザビームを入射させて、該第
2の層に穴を形成する工程とを有するレーザ加工方法が
提供される。
【0007】このようなビームプロファイルのレーザビ
ームを用いることにより、開口率の大きな穴を形成する
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1(A)に、本発明の実施例で
使用されるレーザ加工装置の概略図を示す。加工用レー
ザ光源1が、加工用のパルスレーザビームを出射する。
【0009】図1(B)に、加工用レーザ光源1の一構
成例を示す。全反射鏡20と部分反射鏡21とにより、
光共振器が画定されている。光共振器内に、レーザ媒質
22及び波長変換素子23が配置されている。レーザ媒
質22として、例えばNd:YAGが用いられる。波長
変換素子23として、BBOやKDP光学結晶を用いる
ことができる。部分反射鏡21から、Nd:YAGレー
ザの第2高調波(波長532nm)のパルスビームが出
射する。なお、波長変換素子23を光共振器の外に出し
てもよい。また、炭酸ガスレーザ等を用いることも可能
である。
【0010】図1(A)に示すように、レーザ光源1か
ら出射したレーザビームが、ビームエキスパンダ2によ
りビームサイズを大きくされ、ビームプロファイル整形
ユニット3に入射する。レーザ光源1から出射したレー
ザビームのビーム断面の直径は約1mmであり、ビーム
エキスパンダ2を通過したレーザビームのビーム断面の
直径は約10mmである。
【0011】レーザ光源1から出射したレーザビーム、
及びビームエキスパンダ2を通過したレーザビームは、
通常ガウシアンビームであり、ビームスポットの中心に
おいてパワー密度が大きく、中心から離れるに従ってパ
ワー密度が低下する。ビームプロファイル整形ユニット
3は、ビームスポットの中央よりも周辺部が盛り上がっ
た肩部を有するプロファイルになるように、レーザビー
ムのプロファイルを整形する。
【0012】ビームプロファイル整形ユニット3は、例
えば2枚の非球面平凸レンズを、凸面同士が向かい合う
ように配置した構成を有する。レーザビームの入射側に
配置される平凸レンズの焦点距離は50mm、出射側に
配置される平凸レンズの焦点距離は100mmである。
両者の間隔を調整することにより、ビームプロファイル
を変化させることができる。例えば、両者の間隔を20
0mmにすると、上述のような肩を持ったビームプロフ
ァイルを得ることができる。
【0013】ビームプロファイル整形ユニット3を通過
したレーザビームが、ビームコンプレッサ4に入射す
る。ビームコンプレッサ4は、レーザビームのスポット
サイズを小さくする。ビームプロファイル整形ユニット
3を通過したレーザビームのビーム断面の直径は約5m
mであり、ビームコンプレッサ4を通過したレーザビー
ムのビーム断面の直径は約1mmである。
【0014】ビームコンプレッサ4を通過したレーザビ
ームが、マスク5に入射する。マスク5に設けられた直
径0.75mmの貫通孔を通過したレーザビームが、折
り返しミラー6に入射する。
【0015】折り返しミラー6で反射されたレーザビー
ムが、ガルバノスキャナ7に入射する。ガルバノスキャ
ナ7は、一対の揺動可能な反射鏡を含んで構成され、レ
ーザビームを2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ
7で走査されたレーザビームがfθレンズ8で収束さ
れ、XYステージ9に保持された加工対象物30に入射
する。fθレンズ8は、マスク5の貫通孔を加工対象物
30の表面上に結像させる。結像倍率は、例えば1/1
5倍である。このとき、加工対象物30の表面上におけ
るビームスポットの直径は50μmになる。
【0016】次に、図2を参照して、本発明の実施例に
よるレーザ加工方法について説明する。図2(A)に、
レーザ加工されるプリント配線板30の断面図を示す。
エポキシ樹脂製の下地基板31の表面上に、銅配線パタ
ーン32が形成されている。下地基板31の上に、銅配
線パターン32を覆うように、エポキシ樹脂製の被覆層
33が形成されている。被覆層33の厚さは、約40μ
mである。このプリント配線板30を、図1(A)に示
したレーザ加工装置のXYステージ9の上に固定し、レ
ーザビームを照射する。
【0017】図2(B)に、照射されるレーザビームの
ビーム断面内のプロファイルを示す。ビームプロファイ
ルは、ビームスポットの中心Oよりも周辺部が盛り上が
っており、周辺部に肩部Sを有する。レーザビームの波
長は355nm、パルス幅は100ns、1ショットあ
たりのフルエンスは1J/cm2である。このレーザビ
ームを40ショット照射することにより、被覆層33を
貫通する穴34を形成することができた。
【0018】図3(A)に、上記方法で形成された穴の
電子顕微鏡写真のスケッチを示す。比較のために、図3
(B)に、ビームプロファイル以外の条件を上記実施例
で照射したレーザビームの条件と同一にしたガウシアン
ビームを照射して形成された穴の電子顕微鏡写真のスケ
ッチを示す。
【0019】実施例による方法で形成された穴の開口部
及び底面の直径が、それぞれ43μm及び35μmであ
るのに対し、比較例の穴の開口部及び底面の直径は、そ
れぞれ53μm及び35μmであった。実施例による方
法で形成された穴の開口率が約81%であるのに対し、
比較例の穴の開口率は約66%でる。このように、実施
例による方法で穴を形成することにより、穴の開口率を
大きくすることができる。
【0020】上記実施例では、金属層上の樹脂層に穴を
形成したが、その他の積層構造の基板に穴を形成するこ
とも可能である。図4(A)及び(B)に、加工対象物
の積層構造の一例を示す。
【0021】図4(A)に示した加工対象物は、金属配
線パターン32を覆う樹脂層33の表面上に、さらに金
属配線パターン40が形成された積層構造を有する。金
属配線パターン32及び40は、例えば銅で形成され、
樹脂層33は、例えばエポキシ樹脂で形成されている。
【0022】まず、銅に穴を形成するのに必要とされる
1パルスあたりのフルエンスの閾値以上のフルエンスの
レーザビームを金属配線パターン40に入射させて、金
属配線パターン40を貫通する穴を形成する。金属配線
パターン40に形成された穴の底面の樹脂層33の一部
も、同時にエッチングされる。その後、1パルスあたり
のフルエンスを、銅をエッチングする閾値よりも小さく
して、樹脂層33に穴を形成する。フルエンスを小さく
することにより、埋め込まれた金属配線32の損傷を防
止することができる。
【0023】金属配線パターン40及び樹脂層33に穴
を形成するレーザビームのビームプロファイルは、上記
実施例で使用したレーザビームのプロファイルと同様
に、肩部を有するものである。このため、金属配線パタ
ーン40及び樹脂層33に、開口率の大きな穴を形成す
ることができる。
【0024】図4(B)に示した加工対象物は、樹脂層
41の両面に金属層42及び43が密着したテープオー
トメイテッドボンディング(TAB)用フィルムであ
る。銅に穴を形成するための閾値以上のフルエンスのレ
ーザビームを入射させることにより、この3層を貫通す
る穴を形成することができる。使用するレーザビームの
プロファイルは、上記実施例で使用したレーザビームの
プロファイルと同様に、肩部を有するものである。これ
により、樹脂層41の表側の金属層42及び裏側の金属
層43に形成される穴の大きさの差を小さくすることが
できる。
【0025】穴の開口率を大きくする十分な効果を得る
ためには、ビームプロファイルの肩部よりも内側の最低
のパワー密度が、肩部の最大のパワー密度の95%以下
となるようなレーザビームを使用することが好ましい。
【0026】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ビーム断面の中央部よりも周辺部が盛り上がったビーム
プロファイルを有するレーザビームを用いることによ
り、開口率の大きな穴を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、本発明の実施例で用いられるレー
ザ加工装置の概略図であり、(B)は、レーザ光源の概
略図である。
【図2】 (A)は、加工対象物の断面図であり、
(B)は、レーザビームのビームプロファイルを示すグ
ラフである。
【図3】 (A)は、本発明の実施例による方法で形成
した穴の電子顕微鏡写真をスケッチした図であり、
(B)は、ガウシアンビームで形成した穴の電子顕微鏡
写真をスケッチした図である。
【図4】 他の積層構造を有する加工対象物の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 ビームエキスパンダ 3 ビームプロファイル整形ユニット 4 ビームコンプレッサ 5 マスク 6 折り返しミラー 7 ガルバノスキャナ 8 fθレンズ 9 XYステージ 20 全反射鏡 21 部分反射鏡 22 レーザ媒質 23 波長変換素子 30 加工対象物 31 下地基板 32、40 配線パターン 33 被覆層 34 穴 41 樹脂層 42、43 金属層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の層の上に、該第1の層よりもレー
    ザ照射によってエッチングされやすい材料からなる第2
    の層が密着した加工対象物を準備する工程と、 前記加工対象物の前記第2の層に、該第2の層の表面に
    おけるビームプロファイルが、ビームスポットの周辺部
    に、中央よりも盛り上がった肩部を有するレーザビーム
    を入射させて、該第2の層に穴を形成する工程とを有す
    るレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記ビームプロファイルの肩部よりも内
    側の最低のパワー密度が、該肩部の最大のパワー密度の
    95%以下である請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の層が金属からなる層であり、
    前記第2の層が樹脂からなる層である請求項1または2
    に記載のレーザ加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007029990A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ加工装置およびレーザ加工方法
US8288682B2 (en) * 2007-09-28 2012-10-16 Intel Corporation Forming micro-vias using a two stage laser drilling process
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