[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う半導体装置の要部の構成を示す図である。図1において、外部パッド5に対して設けられる出力回路1および終端回路10を代表的に示す。このパッド5は、図示しないピン端子に接続される。
出力回路1は、電源ノードと出力ノード3の間に接続され、出力制御信号ZOTHに従って選択的に導通するPチャネルMOSトランジスタ2aおよび2bと、出力ノード3と接地ノードの間に接続され、出力制御信号OTLに従って選択的に導通するNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bを含む。電源ノードへ、出力回路用の電源電圧VCCQが与えられ、接地ノードへ、出力回路用の接地電圧VSSQが与えられる。出力ノード3が、出力パッド5に接続される。
出力制御信号ZOTHおよびOTLは、出力回路1の動作状況および内部信号に従ってそれらの論理レベルが設定される。出力制御信号ZOTHがHレベルでありかつ出力制御信号OTLがLレベルのときには、MOSトランジスタ2a、2b、4aおよび4bはすべてオフ状態であり、この出力回路1は、出力ハイインピーダンス状態に設定される。この出力ハイインピーダンス状態においては、出力回路1は、スタンバイ状態にある。出力制御信号ZOTHおよびOTLがともにHレベルとなると、MOSトランジスタ2aおよび2bがともにオフ状態、MOSトランジスタ4aおよび4bがともにオン状態となり、出力ノード3は、接地電圧VSSQレベルに駆動される。
出力制御信号ZOTHおよびOTLがともにLレベルのときには、MOSトランジスタ2aおよび2bがオン状態、MOSトランジスタ4aおよび4bがともにオフ状態となる。応じて、出力ノード3は、出力回路用電源電圧VCCQレベルに駆動される。
この出力回路1の動作時において、出力制御信号ZOTHおよびOTLは、内部信号に従って生成される。この内部信号は、半導体装置がメモリ装置に適用される場合、内部の読出データであり、この内部データと読出動作タイミング制御信号とに基づいてこれらの出力制御信号ZOTHおよびOTLが生成される。
MOSトランジスタ2aおよび2bが2つ並列に設けられ、またはMOSトランジスタ4aおよび4bが2つ並列に設けられているのは、以下の理由による。これらのMOSトランジスタ2a、2b、4aおよび4bを、それぞれ単位MOSトランジスタで構成し、必要な駆動力を出力回路1に与えるために、複数の単位トランジスタを利用する。したがって、出力放電用のプルダウンNチャネルMOSトランジスタの数および出力充電用のプルアップPチャネルトランジスタの数は、この外部パッド5に対して要求される駆動力および単位MOSトランジスタの電流駆動力に応じて適当に定められる。
終端回路10は、出力ノード12に一端が接続される抵抗素子13と、抵抗素子13の他方端と電源ノードの間に接続されかつその他のゲートに終端制御信号ZTERMを受けるPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bと、出力ノード14に一端が接続される抵抗素子14と、抵抗素子14の他方端と接地ノードの間に接続されかつそのゲートに終端制御信号TERMを受けるNチャネルMOSトランジスタ15aおよび15bを含む。
この終端回路10に与えられる電圧VCCおよびVSSは、出力回路1へ与えられる電圧VCCQおよびVSSQと異なる電源端子から与えられる電圧である。出力回路1に対し専用に、動作電源電圧VCCQおよびVSSQを与えることにより、出力回路1の動作の安定化を図り、または出力動作時の電源ノイズが他回路に伝達されるのを防止する。しかしながら、この終端回路10へ与えられる電圧VCCおよびVSSは、出力回路1へ与えられる電圧VCCQおよびVSSQと同一電源端子から与えられる電圧であってもよい。また、電圧VCCおよびVCCQは同一電圧レベルであってもよく、また、異なる電圧レベルであってもよい。
終端制御信号ZTERMおよびTERMは、互いに相補な制御信号である。終端回路10の終端動作を活性化する場合には、終端制御信号ZTERMがLレベル、終端制御信号TERMがHレベルに設定される。終端回路10の終端動作を停止する場合には、終端制御信号ZTERMがHレベル、終端制御信号TERMがLレベルに設定される。
この終端回路10において、MOSトランジスタ11a、11bが2つHレベル側に設けられ、またMOSトランジスタ15aおよび15bが2つLレベル側に設けられているのは、出力回路1と同様、単位MOSトランジスタを複数個用いて、それぞれ、終端制御用のPおよびNチャネルのスイッチングMOSトランジスタを形成するためである。
この終端回路10においては、MOSトランジスタ11aおよび11bは、抵抗素子13を介して出力ノード12に接続され、またMOSトランジスタ15aおよび15bは、抵抗素子14を介して出力ノード12に接続される。この出力ノード12は、パッド5に接続される。したがって、この終端制御用のMOSトランジスタ11a、11b、15aおよび15bは、出力ピンに直接接続される出力用MOSトランジスタ2a、2b、4aおよび4bのように、その静電破壊に対する信頼性用から規定されるドレインコンタクト−ゲート間距離を遵守する必要が必ずしも要求されない。そこで、MOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート間距離を、MOSトランジスタ2aおよび2bのそれよりも短くし、またはMOSトランジスタ15aおよび15bのドレインコンタクト−ゲート間距離を、MOSトランジスタ4aおよび4bのそれよりも短くする。このドレインコンタクト−ゲート間距離を短くすることにより、ドレイン抵抗を低減し、終端トランジスタ11a、11b、15aおよび15bのドレイン領域のレイアウト面積を低減する。
終端回路10に対する終端制御信号TERMおよびZTERMと出力制御信号ZOTHおよびOTLの関係は、特に規定されない。出力回路1の信号/データ出力動作時に、終端回路10の終端動作が活性化されてもよい。また、出力回路1の信号/データ出力動作時に、この終端回路10の終端動作が停止され、別の図示しない信号バスに接続される回路の終端回路が活性化される構成が用いられてもよい。また、このパッド5が、信号入力ピンにも接続され、このパッド5が図示しない入力回路に接続される場合、この信号入力動作時に終端回路10の終端動作が停止されてもよく、または活性化されてもよい。
また、この終端回路10の終端動作の活性化期間が、外部バスに接続される負荷の条件に応じて設定されてもよい。
したがって、終端制御信号TERMおよびZTERMの活性/被活性化タイミングおよび期間は、この半導体回路装置が適用されるシステムのバスの終端制御条件に応じて適当に定められる。
図2は、図1に示す出力回路1および終端回路10のMOSトランジスタの平面レイアウトを概略的に示す図である。図2において、出力回路1のMOSトランジスタ2aおよび2bは、矩形状の活性領域18に形成され、または出力MOSトランジスタ4aおよび4bは、この活性領域18と対向して配置される矩形状の活性領域19に形成される。
活性領域18は、中央部に形成されるドレイン不純物領域PDaと、その両側に形成されるソース不純物領域PSaおよびPSbを含む。ソース不純物領域PSaとドレイン不純物領域PDaの間に、ゲート電極22aが配設され、ドレイン不純物領域PDaとソース不純物領域PSbの間に、ゲート電極22bが配置される。ドレイン不純物領域PDaは、トランジスタ2aおよび2bにより共有される。これらのゲート電極22aおよび22bには、出力制御信号ZOTHが共通に与えられる。
ソース不純物領域PSaおよびPSbは、それぞれ、ソースコンタクト20aおよび20bを介して電源ノードに接続される。ドレイン不純物領域PDaは、ドレインコンタクト21aを介して出力ノード3に接続される。このドレインコンタクト21aとゲート電極22aの間の距離は、Lpoであり、同様、明確には示さないが、このドレインコンタクト21aとMOSトランジスタ2bのゲート電極22bの間の距離もLpoである。
活性領域19においても、中央部にN型ドレイン不純物領域NDaが配置され、その両側に、N型ソース不純物領域NSaおよびNSbが配置される。N型ソース不純物領域NSaとN型ドレイン不純物領域NDaの間にゲート電極22cが配置され、ドレイン不純物領域NDaとソース不純物領域NSbの間に、ゲート電極22dが配置される。このドレイン不純物領域NDaは、MOSトランジスタ4aおよび4bに共有される。ドレイン不純物領域NDaは、ドレインコンタクト21bを介して出力ノード3に接続される。このドレインコンタクト21bとゲート電極22cの間の距離は、Lnoである。同様、図2においては、明確には示さないが、ドレインコンタクト21bとゲート電極22bに対しても、同じ距離Lnoが確保される。ソース不純物領域NSaおよびNSbは、それぞれ、ソースコンタクト22cおよび22dを介して接地ノードに電気的に接続される。
終端回路10においては、終端用のMOSトランジスタ11aおよび11bが、P型活性領域30に形成され、MOSトランジスタ15aおよび15bが、N型活性領域32に形成される。このP型活性領域30においては、中央部にドレイン不純物領域PDbが形成され、その両側に、ソース不純物領域PScおよびPSdが形成される。ドレイン不純物領域PDbとソース不純物領域PScの間にゲート電極22eが配設され、ドレイン不純物領域PDbとソース不純物領域PSdの間に、ゲート電極22fが配置される。
不純物領域PDbは、MOSトランジスタ11aおよび11bにより共有される。このドレイン不純物領域PDbは、ドレインコンタクト21cを介して抵抗素子13の他方端に接続される。ソース不純物領域PScおよびPSdは、それぞれ、ソースコンタクト20eおよび20fを介して電源ノードに電気的に接続される。このドレインコンタクト21cとゲート電極22eの間の距離は、Lptであり、同様、ドレインコンタクト21cとゲート電極22fの間の距離も、Lptである。図2においては、MOSトランジスタ11aのドレインコンタクト−ゲート間距離を示す。
N型活性領域32において、中央部に、N型ドレイン不純物領域NDbが形成され、その両側に、N型ソース不純物領域NScおよびNSdが配置される。N型ソース不純物領域NScとN型ドレイン不純物領域NDbの間にゲート電極22gが配置され、N型ドレイン不純物領域NDbとN型ソース不純物領域NSdの間に、ゲート電極22hが配置される。ソース不純物領域NScおよびNSdは、それぞれ、ソースコンタクト20gおよび20hを介して接地ノードに電気的に接続される。ドレイン不純物領域NDbは、ドレインコンタクト21dを介して抵抗素子14の他方端に接続される。抵抗素子13および14は、それぞれの一方端がノード12に接続される。このドレインコンタクト21dとMOSトランジスタ15aおよび15bのゲート電極22gおよび22hそれぞれの間の距離は、Lntである。
MOSトランジスタ2aおよび2bの、ドレインコンタクト−ゲート間距離Lpoは、MOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lptよりも長い。また、MOSトランジスタ4aおよび4bのドレインコンタクト−ゲート間距離Lnoは、MOSトランジスタ15aおよび15bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lntよりも長い。
ドレイン不純物領域PDaおよびPDbの不純物濃度が同じであり、ドレイン不純物領域NDaおよびNDbの不純物濃度が同じであれば、ドレインコンタクト−ゲート電極間距離が短い方が、ドレイン抵抗は小さくなる。その場合、抵抗素子13および14による電界緩和により、終端回路10におけるMOSトランジスタ11a、11b、15aおよび15bのドレイン抵抗低減を補償する。
終端用抵抗素子13および14が拡散抵抗で構成されてもよく、また、ポリシリコン抵抗で構成されてもよい。
この図2に示すように、P型活性領域30の図2における水平方向の長さは、P型活性領域18よりも、最低2・(Lpo−Lpt)短くなる。同様、N型活性領域32も、N型活性領域19に比べて、その水平方向の長さが、最低、2・(Lno−Lnt)短くなる。したがって、この終端回路10において、出力回路1のMOSトランジスタ2a、2b、4aおよび4bと同様の静電破壊に対する処置を行なう場合に比べて、この活性領域30および32の占有面積を低減することができる。応じて、終端回路10の占有面積を低減でき、この出力回路および終端回路10を含む半導体回路装置の占有面積の増大を抑制することができる。終端トランジスタ11a、11b、15aおよび15bのドレイン電界/電流の緩和が、抵抗素子13および14によりそれぞれ実現され、終端トランジスタ11a、11b、15aおよび15bの静電破壊を防止することができる。
また、終端回路10を利用することにより、パッド5を介して高速で、バスとのインピーダンス整合を維持して、高速で信号を伝達することができる。
なお、図2において、ドレインコンタクト−ゲート電極間距離は、以下の式が満たされている。
Lpo>Lpt,Lno>Lnt。
しかしながら、この場合、以下の条件式が満たされてもよい。
Lpo>Lpt,Lno>Lpt、
Lpo>Lnt,かつLno>Lnt。
なお、この図2に示す構成においては、出力トランジスタ2a、2b、4aおよび4bが、2つの単位トランジスタで構成され、また終端回路10においても、MOSトランジスタ11a、11b、15aおよび15bと、2つの単位トランジスタで、それぞれプルアップ用およびプルダウン用の終端トランジスタが形成されている。しかしながら、それらは、パッド5の負荷に応じて、3個以上の単位トランジスタを用いて出力制御トランジスタまたは終端制御トランジスタが形成されてもよい。用いられる単位トランジスタの数が増大すれば、このドレインコンタクト−ゲート電極間距離の低減による面積削減の効果は、より顕著となる。
[変更例1]
図3は、この発明の実施の形態1の変更例1に従う出力回路1および終端回路10のトランジスタのレイアウトを概略的に示す図である。この図3に示す半導体回路装置のレイアウトは、図2に示す半導体回路装置のレイアウトと以下の点が異なっている。すなわち、終端回路10において、プルダウンの終端を行なう回路部分は配置されない。終端抵抗素子13と、PチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bを形成するP活性化領域30が設けられる。P活性領域30においてドレインコンタクト21cとゲート電極22eおよび22fそれぞれの間の距離Lptは、出力回路1に含まれるPチャネルMOSトランジスタの対応の距離Lpoに比べて十分小さくされる。この場合、また出力回路1のNチャネルMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも、距離Lptは短くされる。
この図3に示す回路レイアウトの他の構成は図2に示す構成と同じであり、対応する部分には同一番号を付して、それらの詳細説明は省略する。
この図3に示す構成においては、出力回路1の構成は、図2に示す構成と同じである。終端回路10においてプルダウン用の抵抗素子およびNチャネルMOSトランジスタが配置されないため、終端回路10の占有面積を低減することができ、またノード12に結合する寄生容量も低減され、出力回路1は、高速でパッド5を駆動することができる。
図4は、図3に示す構成の電気的等価回路を示す図である。図4に示すように、終端回路10において、抵抗素子13がノード12にその一端が接続され、この抵抗素子13と電源ノードの間に、終端制御信号ZTERMをゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bが接続される。
出力回路1は、図1に示す構成と同様、プルアップ用のトランジスタ2aおよび2bと、プルダウン用のトランジスタ4aおよび4bを含む。
終端回路10は、MOSトランジスタ11aおよび11bのドレイン拡散抵抗が小さく、また、プルダウン用のトランジスタ15aおよび15bが配置されていないため、高速で、寄生容量が低減されたノード12に対する終端動作を行なうことができる。この終端動作条件は、先に図1を参照して説明したのと同様であり、用いられるシステムのバス終端条件に応じて適当に定められる。
また、この終端回路10において抵抗素子13を介して図1に示すMOSトランジスタ15aおよび15bのドレイン接合容量がパッド5に結合されないため、パッド5の負荷を軽減することができ、高速でパッド5を、出力回路1が駆動することができる。
この出力回路1の構成は、図1に示す出力回路1の構成と同じであり、出力制御信号ZOTHおよびOTLに従って出力ノード3を介してパッド5を駆動する。
この図3に示す終端制御回路10において、プルダウン動作時、パッド5を、電源電圧VCCレベルにプルアップしている。この終端電圧VCCは、出力回路1の電源電圧VCCQと同一の電圧であってもよく、また、電源電圧VCCQの電源端子と異なる電源端子から印加される電圧であってもよい。また、電圧VCCおよびVCCQは異なる電圧レベルであってもよく、また、異なる電圧レベルであってもよい。また、終端回路10は、この終端動作時、パッド5を接地電圧レベルに駆動するプルダウン回路のみで構成されてもよい(抵抗素子14とMOSトランジスタ15aおよび15bとで構成する)。
[変更例2]
図5は、この発明の実施の形態1の変更例2に従う出力回路および終端回路のレイアウトを概略的に示す図である。この図5に示すレイアウトは、以下の点が、図2に示すレイアウトと異なっている。すなわち、出力回路1においては、N型活性領域19が配置され、P型活性領域18は配置されない。このN型活性領域19におけるドレインコンタクト21bとゲート電極22cの間の距離はLnoに設定される。ソース不純物領域NSaおよびNSbが、それぞれ、ソースコンタクト20cおよび20dを介して接地ノードに結合される。
この出力回路1において、MOSトランジスタ4aおよび4bが配置され、ゲート電極22cおよび22dに与えられる出力制御信号OTLに従って出力ノード3を駆動する。従って、この出力回路は、オープンドレイン方式に従って、出力パッド5を介して外部信号線を駆動する。
終端回路10の構成は、図2に示す終端回路10のレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図5に示す構成においては、終端回路10に含まれるPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bの、ドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lptは、出力回路1に含まれるNチャネルMOSトランジスタのゲート電極−ドレインコンタクト間距離Lnoよりも小さくされる。同様に、終端回路10におけるNチャネルMOSトランジスタ15aおよび15bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lntは、出力回路1のNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも小さくされる。
この出力回路1においては、出力ノード3を、出力制御信号OTLに従ってプルダウンするオープンドレイン方式の回路が配置されるだけである。出力ノード3には、プルダウン用のNチャネルMOSトランジスタが接続されるだけであり、この出力ノード3の負荷を軽減でき、高速でパッド5を駆動することができる。
図6は、図5に示す構成の、電気的等価回路を示す図である。図6において、出力回路1においては、出力ノード3と接地ノードの間に、出力制御信号OTLをゲートに受けるNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bが並列に配置される。終端回路10は、その回路構成は、図1に示す終端回路10と同じである。終端トランジスタ11a、11b、15aおよび15bと、終端抵抗13および14が配置される。
出力回路1が出力制御信号OTLに従って出力パッド5を接地電圧VSSQレベルに駆動した後、この終端回路10を用いて、再びパッド5を、電源電圧VCCレベルにプリチャージすることができる。またオープンドレイン方式の出力回路を用いているため、出力回路1の負荷が軽減され、高速で出力信号を生成することができる。
このオープンドレイン方式の出力回路1の構成においても、終端回路10においては、その構成要素のMOSトランジスタのゲート電極−ドレインコンタクト間距離が小さくされており、その占有面積が十分に小さくすることができ、回路の占有面積増大を抑制して、高速でかつ正確に、出力信号を生成することができる。
[変更例3]
図7は、この発明の実施の形態1に従う半導体装置の変更例3のレイアウトを概略的に示す図である。図7に示す半導体装置のレイアウトは、図5に示す半導体装置のレイアウトと以下の点が異なっている。すなわち、終端回路10においては、抵抗素子14およびN活性領域32が配置されない。抵抗素子13と、P活性領域30が配置される。すなわち、終端回路10においては、電源電圧レベルに終端するPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bが配置される。これらのPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bの、ドレインコンタクト21cとゲート電極22eおよび22fの間の距離Lptは、出力回路1に含まれるNチャネルMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも小さくされる。ソース不純物領域PScおよびPSdは、それぞれソースコンタクト20aおよび20fを介して電源ノードに接続される。
出力回路1においても、ソース不純物領域NSaおよびNSbは、それぞれソースコンタクト20cおよび20dを介して接地ノードに接続される。すなわち、出力回路1においては、図5に示す構成と同様、NチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bが配置され、プルアップ用のPチャネルMOSトランジスタは配置されない。
この図7に示す構成においては、パッド5がオープンドレイン方式に従ってNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bにより接地電圧レベルに駆動され、また、パッド5が電源電圧レベルに終端される。
この図7に示す終端回路10および出力回路1の構成においては、オープンドレイン方式で、出力パッド5を駆動し、バスの条件に合わせて、適当なタイミングで、この終端回路10が、出力パッド5を電源ノードへ終端する。出力パッド5に対する負荷は、活性領域19および30のドレイン接合容量と配線容量だけであり、終端回路10におけるNチャネルMOSトランジスタのドレイン接合容量をなくすことができ、より高速で、出力パッド5を駆動することができる。
図8は、図7に示す半導体装置の電気的等価回路を示す図である。この図8に示すように、終端回路10においては、抵抗素子13と、抵抗素子13を、終端制御信号ZTERMに従って選択的に電源ノードに接続するPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bが配置される。
出力回路1においては、出力制御信号OTLに従って出力ノード3を接地電圧VSSQレベルに駆動するNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bが並列に接続される。したがって、オープンドレイン方式で出力パッド5を駆動し、かつこのパッド5を、電源電圧VCCレベルに終端することにより、パッド5の負荷を軽減して、高速で信号を転送することができる。終端回路10へ印加される電源電圧VCCは、電源電圧VCCQであってもよく、また、異なる電圧であってもよい。
この場合においても、終端用のPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lptは、出力回路1のNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも十分小さくされており、終端回路10の占有面積を十分小さくすることができる。
また、オープンドレイン方式において、一般に、出力パッドは、接地電圧VSSQレベルに駆動される。これに代えて、出力回路1において、電源電圧レベルに出力制御信号に従ってプルアップするプルアップ用のトランジスタが配置され、終端回路10において、接地電圧レベルに終端するトランジスタが配置されてもよい。
なお、出力回路1において、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタ両者が用いられる場合、それらのドレインコンタクト−ゲート電極間距離LpoおよびNチャネルMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoが互いに等しくなくてもよい。また、終端回路10において、PチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタが用いられる場合において、それらのドレインコンタクト−ゲート電極間距離LptおよびLntが互いに等しくなくてもよい。
最小限、終端回路のMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離が、出力回路に含まれるMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離よりも小さく、終端用のMOSトランジスタのレイアウト面積が、出力用のMOSトランジスタのレイアウト面積よりも十分小さいという条件が満たされればよい。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、終端用のMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離を、出力用のMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離を小さくしており、終端回路のレイアウト面積を、通常の静電破壊対策を施す構成に比べて十分に低減することができ、信号出力部の占有面積を低減することができる。
また、半導体装置内に終端回路を配置しており、バスの使用条件に応じてバスの終端条件を最適化することができ、インピーダンス整合を維持して高速でかつ正確に信号/データを転送することができる。
[実施の形態2]
図9は、この発明の実施の形態2に従う出力回路および終端回路(以下両者をまとめて半導体装置と称す)の構成を概略的に示す図である。この図9に示す構成においては、出力回路1の出力ノード3は、配線50を介してパッド5に電気的に接続される。この出力回路1に対し、パッド5から遠方に、終端回路10が配置される。この終端回路10の終端ノード12が、また同じ配線50に接続される。終端回路10の終端ノード12および出力回路1の出力ノード3は、共通の配線50を介してパッド5に電気的に接続される。
出力回路1は、実施の形態1と同様、プルアップ用のPチャネルMOSトランジスタ2aおよび2bと、プルダウン用のNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bを含み、それぞれ、出力制御信号ZOTHおよびOTLに従って出力ノード3を駆動する。
終端回路10は、実施の形態1と同様、その構成要素としては、抵抗素子13および14と、終端制御信号ZTERMに応答して選択的に導通するPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bと、終端制御信号TERMに応答して選択的に導通するNチャネルMOSトランジスタ15aおよび15bを含む。
この終端回路10および出力回路1の動作自体は、先の実施の形態1と同様であり、パッド5に接続される外部バスの終端条件に応じて出力回路1の動作に応じて終端回路10に対する終端制御信号ZTERMおよびTERMの論理レベルが設定される。
この図9に示す構成においては、共通の配線50を介して終端回路10の終端ノード12および出力回路1の出力ノード3がパッド5に接続される。この配線50が、パッド5から、出力回路1を介して終端回路10にまで延在する。したがって、この出力回路1の出力ノード3とパッド5の間の距離L1よりも、終端回路10の終端ノード12とパッド5の間の距離L2が長くなる。
共通の配線50を介して出力回路1および終端回路10がパッド5を、動作時、駆動する。出力回路1においては、その配線およびMOSトランジスタ2a、2b、4aおよび4bによる接合容量により、パッド5に対する入力容量が存在する。また、配線50においても配線抵抗が存在する。したがって、このパッド5から配線50を介して終端回路10に伝達するまでに、寄生容量と配線抵抗とによるローパスフィルタが形成される。パッド5にサージが発生しても、この急峻なサージは、寄生ローパスフィルタにより緩和されて終端回路10に伝達される。
出力回路1において、MOSトランジスタ2a、2b、4aおよび4bは、そのドレインコンタクト−ゲート電極間距離は十分大きくされて、ドレイン抵抗が大きくされて、サージに対する信頼性は保証されている。一方、終端回路10においてはサージは、この出力回路1と配線50により形成される寄生ローパスフィルタにより緩和されて伝達される。したがって、この終端回路10においてMOSトランジスタ11a、11b、15aおよび15bに対するサージに対する信頼性を確保する制約がさらに緩和される。抵抗素子13および14と寄生ローパスフィルタによるサージの緩和が十分な場合、終端回路10においてMOSトランジスタ11a、11b、15aおよび15bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離は、設計上の制約、すなわち、最小設計寸法にまで小さくすることができ、より終端回路10の占有面積を低減することができる。
図10は、図9に示す半導体装置のレイアウトを概略的に示す図である。図10において、出力回路1がパッド5に近接して配置され、また終端回路10が、このパッド5から出力回路1に比べて遠方に配置される。この終端回路10の終端ノード12および出力回路1の出力ノード3は、共通の配線50によりパッド5に接続される。
出力回路1は、実施の形態1と同様、PチャネルMOSトランジスタを形成するP活性領域18と、NチャネルMOSトランジスタを形成するN活性領域19を含む。この出力回路1において、図2に示す実施の形態1の出力回路10の構成と対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
P活性領域18において、ドレイン不純物領域PDaに対して形成されるドレインコンタクト21aとゲート電極22aおよび22bの間の距離は、Lpoである。また、N活性領域19において、ドレイン不純物領域NDaに形成されるドレインコンタクト21bとゲート電極22cおよび22dそれぞれとの間の距離は、Lnoである。図10においては、各活性領域において、一方のドレインコンタクト−ゲート電極間距離を示す。これらの距離LpoおよびLnoを長くすることにより、ドレイン抵抗を高くして、パッド5に生じるサージに対する信頼性を確保する。
終端回路10は、配線50を介して出力回路1よりもパッド5から離れて配置される点を除いて、そのレイアウトは図2に示す終端回路10のレイアウトと同じである。この終端回路10については、対応する部分には同一参照番号を付しその詳細説明は省略する。
P活性領域30において、ドレイン不純物領域PDbに対して形成されるドレインコンタクト21cとMOSトランジスタ11aおよび11bのゲート電極22eおよび22fの間の距離は、Lptである。また、N活性領域32において、ドレイン不純物領域NDbに対して形成されるドレインコンタクト21bと、MOSトランジスタ15aおよび15bのゲート電極22gおよび22hの間の距離は、Lntである。前述のように、終端ノード12が配線50および出力ノード3を介してパッド5に電気的に接続されるため、この終端ノード12に対して寄生ローパスフィルタが等価的に接続される。したがって、ドレインコンタクト−ゲート電極間距離LptおよびLntは、それぞれ設計用の最小設計寸法Lpt(min)およびLnt(min)に設定される。これにより、活性領域30および32のレイアウト面積を低減でき、より終端回路10の占有面積を低減することができる。
なお、実施の形態2においても、LptおよびLntが互いに等しく設定される必要はなく、またよりLpoおよびLnoが互いに等しくされる必要はない。
[変更例1]
図11は、この発明の実施の形態2の変更例1の構成を示す図である。この図11に示す半導体装置においては、終端回路10は、パッド5を電源電圧VCCに終端する。この終端電圧VCCは、出力回路1に与えられる電源電圧VCCQと異なる電源端子から与えられる電圧である。これらの電圧VCCQおよびVCCは、同一電圧レベルであってもよく、異なる電圧レベルであってもよい。
終端回路10は、終端ノード12に一端が接続される抵抗素子13と、終端制御信号ZTERMに従って抵抗素子13の他方端を電源ノードに接続するPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bを含む。
終端回路10において、接地に終端するトランジスタは配置されない。出力回路1の構成は、図9に示す出力回路1の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図11に示す構成においても、終端回路10の終端ノード12は、配線50により、出力回路1が出力ノード3を介してパッド5に接続される。したがって終端回路10の終端ノード12からパッド5までの距離L2は、先の図9に示す構成と同様、出力回路1の出力ノード3とパッド5の間の距離L1よりも十分長い。この配線50において、その寄生抵抗および寄生容量により出力パッド5に突入したサージが緩和され、また、終端抵抗13によりサージ電圧が緩和され、サージによる急峻な電圧が、緩やかな電圧に緩和される。したがって、終端回路10においてMOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離は、出力回路1のMOSトランジスタ2aおよび2bのそれよりも十分小さくされ、そのドレイン抵抗が低減される。
図12は、図11に示す半導体装置のレイアウトを概略的に示す図である。この図12に示す半導体装置のレイアウトは、図10に示すレイアウトと、単に、抵抗素子14およびN活性領域32が終端回路10において取除かれていることを除いて同じである。したがって、図12に示す構成において、図10に示す構成と対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この終端回路10が、電源に終端する構成においても、ドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lptは、出力回路1のMOSトランジスタ2aおよび2bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lpoよりも小さくされ、好ましくは、この距離Lptは、最小設計寸法Lpt(min)に設定される。この場合、距離Lptは、また出力回路1の導電用のMOSトランジスタのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも短く設定されている。
したがって、この終端回路10は、電源電圧VCCに終端する構成においても、配線50には、出力回路1の入力容量および配線容量と配線抵抗が存在し、ローパスフィルタが形成され、サージを緩和して、終端回路10に伝達する。主短回路10においてMOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離が、設計最小寸法Lpt(min)に設定されていても、十分にサージが緩和されて伝達されるため、サージ生成時のこれらのトランジスタ11aおよび11bの信頼性は、十分に確保することができる。
したがって、先の図9および図10に示す構成と同様の効果を得ることができる。また終端回路10においては電源電圧VCCレベルに終端するだけであり、接地電圧レベルへの終端が行なわれないため、終端回路10の占有面積をより低減することができる。終端回路10の終端電圧VCCは、電源電圧VCCQと同一電圧であってもよく、また、異なる電圧レベルであってもよい。
[変更例2]
図13は、この発明の実施の形態2の半導体装置の変更例の構成を示す図である。この図13に示す半導体装置においては、出力回路1としては、出力ノード3を接地電圧レベルに駆動するオープンドレイン方式の出力回路が用いられる。すなわち、出力回路1においては、出力制御信号OTLに応答して出力ノード3を接地電圧レベルに駆動するNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bが設けられる。プルアップ用のPチャネルMOSトランジスタは、出力回路1において配置されない。
終端回路10の構成は、図9に示す終端回路10の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。この終端回路10の終端ノード12は、配線50により、出力回路1の出力ノード3を介してパッド5に接続される。終端ノード12とパッド5との間の距離はL2であり、出力ノード3とパッド5との間の距離はL1である。パッド5においてサージが発生しても、終端回路10へは配線50を介してこのサージが伝達されるため、十分に、このサージを緩和して終端回路10へ転送することができる。
したがって、出力回路1がオープンドレイン方式の出力回路であっても、MOSトランジスタ4aおよび4bのドレイン接合容量に起因する入力容量と配線50の寄生容量が存在し、また配線50の寄生抵抗が存在する。したがって、終端ノード12に対しては、ローパスフィルタが寄生的に接続されるため、これらによりサージ対策が実現されるため、これらの4つのMOSトランジスタ11a、11b、15aおよび15bは、特にサージ対策を必要とせず、それらのドレイン−ゲート電極間距離を短くすることができ、終端回路10のレイアウト面積を低減することができる。
図14は、図13に示す半導体装置のレイアウトを概略的に示す図である。この図14に示すレイアウトは、図11に示すレイアウトと、P活性領域15が出力回路1において取除かれていることを除いて同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、それらの詳細説明は省略する。
この図14に示すレイアウトは、終端回路10においてPチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lptは、出力回路のMOSトランジスタ4aおよび4bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも短くされ、好ましくは、最小設計寸法Lpt(min)に設定される。同様に、終端回路10において、MOSトランジスタ15aおよび15bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lntが、出力回路1のMOSトランジスタ4aおよび4bのコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも短くされ、好ましくは最小設計寸法Lnt(min)に設定される。
この図14に示すレイアウトにおいて明確に見られるように、終端回路10の活性領域30および32は、レイアウト面積を低減することができ、また、出力回路1においても、活性領域19が配置されるだけであり、レイアウト面積を低減することができる。これにより、オープンドレイン方式に従って小占有面積でかつ高速でパッド5を駆動する出力回路を実現することができる。なお、終端回路10に印加される接地電圧と出力回路1に与えられる接地電圧は、同一端子から与えられてもよく、また、異なる端子から印加されてもよい。
[変更例3]
図15は、この発明の実施の形態2の変更例3の構成を示す図である。この図15に示す構成は、以下の点が、図13に示す半導体装置とその構成が異なる。すなわち、終端回路10において、電源電圧に終端するためのMOSトランジスタ11aおよび11bと、終端ノード12に接続する抵抗素子13が設けられる。これらのMOSトランジスタ11aおよび11bは、終端制御信号ZTERMに従って抵抗素子13を電源ノードに接続する。
出力回路1は、図13に示す構成と同様の構成を備え、出力制御信号OTLに従って出力ノード3を介してパッド5を接地電圧レベルに駆動するためのNチャネルMOSトランジスタ4aおよび4bを含む。
この図15に示す構成においても、終端回路10の終端ノード12は、配線50を介して、出力ノード3を介してパッド5に電気的に接続される。この終端ノード12とパッド5の間の距離L2と出力ノード3とパッド5の間の距離L1は、L2>L1の関係を満たし、配線50における寄生ローパスフィルタにより、十分にサージを緩和して、終端回路10に伝達することができる。したがって、終端回路10においてMOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離は、設計上許容される最小寸法(設計最小寸法)に設定される。
図16は、図15に示す半導体装置のレイアウトを概略的に示す図である。この図16に示す半導体装置のレイアウトは、図14に示す半導体装置のレイアウトと、以下の点が異なる。すなわち、終端回路10において、抵抗素子14および活性領域32が配置されず、抵抗素子13とP活性領域30が配置される。他の構成は、図14に示すレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図16に示すレイアウトにおいて、PチャネルMOSトランジスタ11aおよび11bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lptは、出力回路1におけるMOSトランジスタ4aおよび4bのドレインコンタクト−ゲート電極間距離Lnoよりも短くされ、最小設計寸法Lpt(min)に設定される。
この図16に示すように、終端回路10においては、P活性領域30および抵抗素子13が配置されるだけであり、そのレイアウト面積を低減することができ、また出力回路1においても、N活性領域19が配置されるだけであり、レイアウト面積を低減することができる。単に、配線50に対する制約として、終端ノード12と出力ノード3が配線50に共通に接続され、かつ、条件L2>L1を満たす必要がある。
図17は、この発明に従う半導体回路装置の全体の構成を概略的に示す図である。図17において、半導体回路装置70は、出力制御信号ZOTHおよびOTLに従って出力ノード3を介してパッド5を駆動する出力回路1と、終端制御信号ZTERMおよびTERMに従って終端ノード12を介してパッド5を所定の電圧レベルに終端する終端回路10を含む。
出力回路1は、出力制御信号ZOTHに従って出力ノード3を電源電圧レベルに駆動するプルアップトランジスタ2と、出力制御信号OTLに従って出力ノード3を接地電圧レベルに駆動するプルダウントランジスタ4を含む。これらのプルアップトランジスタ2およびプルダウントランジスタ4は、先の実施の形態1および2において示すMOSトランジスタ2a、2bおよびMOSトランジスタ4a、4bにそれぞれ対応する。終端回路10は、先の図9に示す構成と同様の構成を備える。
この半導体回路装置70は、さらに、外部からの制御信号に従って各種指定された動作を制御する主制御回路72と、主制御回路72の制御のもとに所定の処理動作を行なって出力制御信号ZOTHおよびOTLを生成する内部回路74と、主制御回路72の制御にもとに、終端制御信号ZTERMおよびTERMを生成する終端制御回路76を含む。
内部回路74が、メモリ回路の場合、この出力制御信号ZOTHおよびOTLは、内部読出データと出力制御信号との合成信号として生成する。パッド5は、信号を入力する入力パッドとして用いられる場合には、そのパッド5を介して主制御回路72に内部回路74へ、それぞれ所定の信号/データが与えられる。出力パッドおよび入力パッドは別々に設けられている場合には、図示しない入力パッドを介してこれらの主制御回路72および内部回路71へ、信号/データが与えられる。
終端制御回路76は、この半導体回路装置70が用いられるバスの使用条件に応じて、その終端制御信号ZTERMおよびTERMの状態を変化させる。
図17に示す出力回路1において、オープンドレイン型の出力回路が設けられ、プルダウントランジスタ4のみが配置されてもよい。終端回路10は、図9から図16に示す構成のいずれの構成を備えてもよい。また、終端回路10に対して、電源電圧および/または接地電圧が、出力回路1と同一端子を介して与えられてもよく、また、異なる端子を介して印加されてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、共通の配線を介して終端回路および出力回路を接続し、かつ終端回路を、パッドに対し、出力回路よりも遠方に配置している。したがって、この配線の寄生容量および寄生抵抗によりローパスフィルタが形成され、サージを緩和することができる。これにより、終端回路のトランジスタのドレイン抵抗を低減することができ、ドレインコンタクト−ゲート電極間距離を低減でき、このドレインコンタクトーゲート電極間距離を設計最小寸法に設定することができる。応じて、信号/データの出力部のレイアウト面積を低減することができる。
なお、ゲート電極とドレインコンタクト間の距離は、MOSトランジスタのドレインノードが内部ノードに接続する部分からドレイン領域がチャネル領域と接触する部分との間の距離に相当する。MOSトランジスタにおいては、通常、ドレイン領域のゲート電極直下部において、ドレイン高電界が発生する。このドレインとチャネルとの境界部までに信号電荷が伝播する距離を調整することによりサージ発生時のドレイン高電界を緩和することができる。従って、ドレインコンタクトとゲート電極との間の距離は、平面レイアウトで見たときの距離である。
なお、上述の構成においては、出力回路はMOSトランジスタで構成されている。しかしながら、出力回路がバイポーラトランジスタで構成されている場合においても、ドレインをコレクタで置換し、ゲートをベースで置換することにより、同様の効果を得ることができる。
1 出力回路、2a,2b MOSトランジスタ、2 プルアップトランジスタ、3 出力ノード、4a,4b MOSトランジスタ、4 プルダウントランジスタ、5 パッド、10 終端回路、11a,11b MOSトランジスタ、12 終端ノード、13,14 抵抗素子、15a,15b MOSトランジスタ、PDa,PDb,NDa,NDb ドレイン不純物領域、21a,21b,21c,21d ドレインコンタクト、22a−22h ゲート電極、50 配線。