JP2006135021A - 電気機器キャビネット - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボトムシャーシとトップカバーとの結合に用いられていたビスを抹消して部品点数や組立工数を削減し、併せて、1つの成形用金型でボトムシャーシとトップカバーとを成形する。
【解決手段】 ボトムシャーシ2とトップカバー5とを合わせてビス止めすることによって箱形に形成されるキャビネット本体1の前端に、フロントパネル7が装着される電気機器キャビネットにおいて、ビス止めすることに代え、ボトムシャーシ2とトップカバー5とを樹脂ヒンジ9によって連結する。トップカバー5側の突片61をボトムシャーシ2側の差込み孔62に圧入して両者を結合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気機器キャビネット、特に、樹脂成形体でなる個別のボトムシャーシとトップカバーとを合わせてビス止めすることによって形成されるキャビネット本体を備える電気機器キャビネットの改良に関する。
図6は従来例を示し、この従来例の電気機器キャビネットは、樹脂成形体でなる個別のボトムシャーシ2とトップカバー5とを合わせてビス止めすることによって前面が開放した偏平箱形のキャビネット本体1が形成されており、そのキャビネット本体1の前端にフロントパネル7が嵌合状に装着されている。この電気機器キャビネットには、たとえばDVDプレーヤなどのディスク装置などの機構部品が収容され、その場合には、図示のように、ディスク装置のディスクトレイを出退させる開口窓71がフロントパネル7に設けられる。
この種の電気機器キャビネットでは、部品点数を削減することによる組立工数の削減を図るための対策が種々行われており、図6に示した従来例にあっても、ボトムシャーシ2に合わせたトップカバー5を、その後部合わせ個所の3箇所だけをビス8で締め付けてボトムシャーシ1に結合することに加えて、フロントパネル7をボトムシャーシ2及びトップカバー5の前端部に嵌合状態で取り付けるという構成を採用することによって、ビス8の必要数を極力削減している。
一方、ボトムシャーシにトップカバーを止ネジ1本だけで組み立てることができるようにした記録再生装置の外筐体についての先行例がある(特許文献1参照)。また、コンピュータのケースの上面に軸棒を介して上面板を取り付け、その上面板を、軸棒を中心に開閉動することができるようにしたものもある(特許文献2参照)。
特開2000−11622号公報 実用新案登録第3100165号公報
図6を参照して説明した従来例では、ボトムシャーシ2にトップカバー5を結合するためのビス8の必要本数が3本にまで削減されており、また、特許文献1のものでは止ネジの必要本数が1本にまで削減されているとは云え、ボトムシャーシにトップカバーを結合するためのビスの必要本数を皆無にしたものではなく、ビス8又は止ネジが必要であることに変わりはない。そのため、部品としてのビスが必要であるだけでなく、組立工程中に必要本数のビスを締め付けるという煩わしいビス締め工程が含まれて作業工数がそれだけ増えていたという問題があった。その上、ボトムシャーシ2とトップカバー5とを個別に樹脂で成形することを要したので、ボトムシャーシ成形用の金型とトップカバー成形用の金型とが別々に必要になってそれだけ金型の製作管理の費用が高くついていた。
本発明はこの問題や状況を改善するためになされたものであり、図6を参照して説明した3点のビス8を完全に抹消することによって必要部品点数を削減することを意図し、ビスを用いずにボトムシャーシとトップカバーとを合わせて結合することのできる電気機器キャビネットを提供することを目的とする。
また、本発明は、ボトムシャーシとトップカバーとを合わせることによって構成されるキャビネット本体を、1つの成形用金型を用いて成形することのできる電気機器キャビネットを提供することを目的とする。
本発明に係る電気機器キャビネットは、ボトムシャーシとトップカバーとを合わせてビス止めすることによって箱形に形成されるキャビネット本体の前端に、フロントパネルが装着される電気機器キャビネットにおいて、ボトムシャーシとトップカバーとをビス止めすることに代え、ボトムシャーシとトップカバーとを、それら2者の合わせ個所の一辺部でそれら2者と一体成形された樹脂ヒンジによって連結すると共に、上記合わせ個所を、それら2者と一体成形された係着手段によって結合することによってキャビネット本体を形成してある、というものである。
この構成であれば、ボトムシャーシとトップカバーとがそれらの合わせ個所の一辺部でそれら2者と一体成形された樹脂ヒンジによって連結されているので、ボトムシャーシとトップカバーとを成形するための金型が1つで済み、また、樹脂ヒンジで連結されているボトムシャーシとトップカバーとが、それらの合わせ個所でそれらに一体成形された係着手段により結合されているので、ボトムシャーシとトップカバーとの結合にビスを用いる必要がなくなる。なお、この発明において、樹脂ヒンジによってボトムシャーシとトップカバーとを連結する個所は、後部合わせ個所であっても、左右いずれかの側部合わせ個所であっても、さらには、前部合わせ個所であってもよい。
本発明では、上記係着手段が、ボトムシャーシとトップカバーとのうちの一方側部材に設けられた突片と、他方側部材に設けられて上記突片が圧入された差込み孔とでなることが望ましい。これによれば、樹脂ヒンジを折り曲げてボトムシャーシの上にトップカバーを重ね合わせるときに併せて、突片を差込み孔に圧入させてボトムシャーシとトップカバーとをそれらの合わせ個所で結合することができるので、ボトムシャーシとトップカバーとを合わせて組み立てる工程を容易にかつ迅速に行うことができるようになる。
本発明では、ボトムシャーシとトップカバーとの後端部同士の後部合わせ個所で、それら2者が上記樹脂ヒンジによって連結され、上記係着手段が、上記後部合わせ個所から前向きに延び出た左右の側部合わせ個所を結合しているという構成を採用することが可能である。この構成であれば、樹脂ヒンジを伸ばしてトップカバーをボトムシャーシの後側へ開いた状態でボトムシャーシにディスク装置などの機構部品を組み付けることが可能になるので、ボトムシャーシへの機構部品の組付けを、ボトムシャーシの左右や前側から容易に行うことが可能になる。
本発明では、ボトムシャーシとトップカバーとのうちの一方側部材に、他方側部材の側壁部に重なり状に嵌合してその他方側部材の位置ずれを防ぐ位置決め片が一体成形されていることが望ましい。これによれば、後部合わせ個所でボトムシャーシに樹脂ヒンジで連結されているトップカバーの左右の振れによる位置ずれが位置決め片によって阻止されるため、箱形のキャビネット本体の保形性が向上し、併せて、その強度も向上する。
本発明では、上記位置決め片と上記他方側部材との重なり個所に凹凸嵌合構造が介在されてその凹凸嵌合構造によって一方側部材からの他方側部材の浮き上がりが阻止されていることが望ましい。これによっても、ボトムシャーシからのトップカバーの浮き上がりが凹凸嵌合構造によって阻止されるために、上記同様に、箱形のキャビネット本体の保形性が向上し、併せて、その強度も向上する。
本発明では、ボトムシャーシ及びトップカバーの前端部に上記フロントパネルを嵌合状態で取り付けるようになっていることが望ましい。これによれば、図6を参照して説明した電気機器キャビネットに用いられているフロントパネルをそのまま用いることが可能になるという利点があるだけでなく、ボトムシャーシからのトップカバーの浮き上がりが、トップカバーの前端部で確実に阻止されるという利点がある。
本発明に係る電気機器キャビネットは、ボトムシャーシとトップカバーとを合わせてビス止めすることによって箱形に形成されるキャビネット本体の前端に、フロントパネルが装着される電気機器キャビネットにおいて、ボトムシャーシとトップカバーとをビス止めすることに代え、ボトムシャーシとトップカバーとを、それら2者の後端部同士の後部合わせ個所でそれら2者と一体成形された樹脂ヒンジによって連結すると共に、その後部合わせ個所から前向きに延び出た左右の側部合わせ個所を、トップカバーに設けられた突片とボトムシャーシに設けられて上記突片が圧入された差込み孔とでなる係着手段により結合してキャビネット本体が形成されており、ボトムシャーシに、トップカバーの側壁部に重なり状に嵌合してそのトップカバーの左右方向での位置ずれを防ぐ位置決め片が一体成形され、その位置決め片に設けられた凹部にトップカバーの上記突片に設けられた凸部が嵌合することによって構成された凹凸嵌合構造によりトップカバーのボトムシャーシからの浮き上がりが阻止されていると共に、ボトムシャーシ及びトップカバーの前端部に上記フロントパネルを嵌合状態で取り付けるようになっている、という構成を好ましく採用することが可能であり、この構成によって本発明がいっそう具体化される。この発明の作用などについては後述する実施形態を参照して詳細に説明する。
以上のように、本発明によれば、図6を参照して説明した3点のビスを完全に抹消することが可能になるだけでなく、部品点数が少なくて組立性や保形性などに優れた電気機器キャビネットを安価に提供することができるようになる。また、ボトムシャーシとトップカバーとを合わせることによって構成されるキャビネット本体を、1つの成形用金型を用いて成形することが可能になるので、金型の製作コストや管理コストが従来例の場合よりも抑えられて、、そのことが電気機器キャビネットをいっそう安価に提供することに役立つ。
図1は本発明に係る電気機器キャビネットの組立前のキャビネット本体1を示した側面図、図2は同組立途中のキャビネット本体1を示した側面図、図3は同組立後のキャビネット本体1を示した側面図である。また、図4はキャビネット本体1の概略斜視図、図5は係着手段6による結合構造などを示した縦断側面図である。なお、この実施形態の説明においては、理解を容易にするために、図6で説明した部分と同一又は相応する部分には同一符号を付すことにする。
図4に概略で示したように、キャビネット本体1は、矩形の底板22の後辺部及び左右の側辺部から立ち上げられた後板23及び左右の側板24を備えたボトムシャーシ2と、背低の縁枠51を前後の辺部と左右の辺部とに備える矩形のトップカバー5とを備えている。そして、図3に示したように、ボトムシャーシ2の上にトップカバー5を重ね合わせて結合することにより、前面が開放した偏平箱形のキャビネット本体1が形成される。また、キャビネット本体1の前端部に同図に仮想線で示したフロントパネル7が嵌合状態で取り付けられるようになっている。
図3のように、ボトムシャーシ2とその上に重ね合わされたトップカバー5とは、それら2者の後端部同士の後部合わせ個所イでそれら2者と一体成形された樹脂ヒンジ9によって連結されている。また、その後部合わせ個所イから前向きに延び出た左右の側部合わせ個所ロが次に説明する係着手段6により結合されている。
図4に概略で示したように、係着手段6は、トップカバー5の縁枠51の左右3箇所ずつに所定間隔を隔てて設けられた設けられた突片61と、ボトムシャーシ2の左右の側板24のそれぞれの所定間隔を隔てた3箇所に設けられた差込み孔62(左側の側板24の差込み孔は図に現れない)とでなり、突片61が差込み孔62に各別に圧入されるようになっている。
また、図4のように、ボトムシャーシ2の左右の側板24のそれぞれに前後に長いリブ状の位置決め片25が備わっている。そして、これらの位置決め片25の間隔を隔てた前後方向複数個所に凹部27が形成されているのに対し、トップカバー5側の上記突片61のそれぞれに凸部28が形成されている。
上記したボトムケース2及びトップカバー5は、樹脂ヒンジ9と共に1つの金型を用いて樹脂で一体成形される。したがって、ボトムシャーシ2とトップカバー5とを個別に成形するための金型は不要である。また、凹部27を有する位置決め片25や凸部28を有する突片61もボトムケース2及びトップカバー5と共に一体成形されている。そして、金型から離型したときには、図1のように、樹脂ヒンジ9が伸びてボトムシャーシ2の後側へトップカバー5が開いている。したがって、この状態から樹脂ヒンジ9を折り曲げて図1の矢印Aのようにトップカバー5をボトムシャーシ2の上に折り返し、図2の状態を経て図3のようにトップカバー5をボトムシャーシ2の上に重ね合わせる。このようにすると、図5によって類推できるように、ボトムシャーシ2側の左右の位置決め片25がトップカバー5側の縁枠51の内側に重なり状に嵌合してトップカバー5が左右に位置ずれすることを防ぎ、ボトムシャーシ2側の差込み孔62のそれぞれにトップカバー5側の突片61のそれぞれが各別に圧入されてトップカバー5がボトムシャーシ2に結合され、さらに、位置決め片25の凹部27のそれぞれに突片61の凸部28が嵌合して凹凸嵌合構造26を形成することによりトップカバー5がボトムシャーシ2から浮き上がることを防ぐ。こうして、ボトムシャーシ2とトップカバー5とを樹脂ヒンジ9によって連結したこと、及び、トップカバー5をボトムシャーシ2に突片27と差込み孔62とでなる係着手段6によって結合したこと、によって、図6を参照して説明した3本のビス8を省略することが可能になった。また、図3に仮想線で示したように、キャビネット本体1の前端部にフロントパネル7を嵌合状態で取り付けると、ボトムシャーシ2の前端部からのトップカバー5の前端部の浮き上がりがフロントパネル7によって確実に阻止されるため、上記した凹凸嵌合構造26による浮き上がり防止作用と相まって、ボトムシャーシ2からのトップカバー5の浮き上がりが確実に防止されて両者が密着した状態を保つ。また、位置決め片27と縁枠51との重なり部分によって箱形のキャビネット本体1の保形性が向上し、併せて、その強度も向上することが判った。
この実施形態では、位置決め片27をボトムシャーシ2側に設けたけれども、この位置決め片27はトップカバー5側に設けてもよい。また、ボトムシャーシ2とトップカバー5とがそれらの後部合わせ個所イで樹脂ヒンジ9により連結されているものを説明したけれども、樹脂ヒンジ9による両者の連結個所は、左右いずれかの側部併せ個所ロであってもよい。
以上説明した電気機器キャビネットのキャビネット本体1にDVD装置などの機構部品を組み付ける作業は、図1又は図2のように、樹脂ヒンジ9を伸ばしてトップカバー5を全開又は半開させた状態で行うことが可能であり、そのような組付け作業の後、上記したように樹脂ヒンジ9を折り曲げてトップカバー5をボトムシャーシ2に重ね合わせて結合する。
本発明に係る電気機器キャビネットの組立前のキャビネット本体を示した側面図である。 同組立途中のキャビネット本体を示した側面図である。 同組立後のキャビネット本体を示した側面図である。 キャビネット本体の概略斜視図である。 係着手段による結合構造などを示した縦断側面図である。 従来例の概略斜視図である。
符号の説明
1 キャビネット本体
2 ボトムシャーシ
5 トップカバー
6 係着手段
7 フロントパネル
8 ビス止
9 樹脂ヒンジ
27 位置決め片
27 凹部
26 凹凸嵌合構造
28 凸部
61 突片
62 差込み孔
イ 後部合わせ個所
ロ 側部合わせ個所

Claims (7)

  1. ボトムシャーシとトップカバーとを合わせてビス止めすることによって箱形に形成されるキャビネット本体の前端に、フロントパネルが装着される電気機器キャビネットにおいて、
    ボトムシャーシとトップカバーとをビス止めすることに代え、ボトムシャーシとトップカバーとを、それら2者の後端部同士の後部合わせ個所でそれら2者と一体成形された樹脂ヒンジによって連結すると共に、その後部合わせ個所から前向きに延び出た左右の側部合わせ個所を、トップカバーに設けられた突片とボトムシャーシに設けられて上記突片が圧入された差込み孔とでなる係着手段により結合してキャビネット本体が形成されており、
    ボトムシャーシに、トップカバーの側壁部に重なり状に嵌合してそのトップカバーの左右方向での位置ずれを防ぐ位置決め片が一体成形され、その位置決め片に設けられた凹部にトップカバーの上記突片に設けられた凸部が嵌合することによって構成された凹凸嵌合構造によりトップカバーのボトムシャーシからの浮き上がりが阻止されていると共に、ボトムシャーシ及びトップカバーの前端部に上記フロントパネルを嵌合状態で取り付けるようになっていることを特徴とする電気機器キャビネット。
  2. ボトムシャーシとトップカバーとを合わせてビス止めすることによって箱形に形成されるキャビネット本体の前端に、フロントパネルが装着される電気機器キャビネットにおいて、
    ボトムシャーシとトップカバーとをビス止めすることに代え、ボトムシャーシとトップカバーとを、それら2者の合わせ個所の一辺部でそれら2者と一体成形された樹脂ヒンジによって連結すると共に、上記合わせ個所を、それら2者と一体成形された係着手段によって結合することによってキャビネット本体を形成してあることを特徴とする電気機器キャビネット。
  3. 上記係着手段が、ボトムシャーシとトップカバーとのうちの一方側部材に設けられた突片と、他方側部材に設けられて上記突片が圧入された差込み孔とでなる請求項2に記載した電気機器キャビネット。
  4. ボトムシャーシとトップカバーとの後端部同士の後部合わせ個所で、それら2者が上記樹脂ヒンジによって連結され、上記係着手段が、上記後部合わせ個所から前向きに延び出た左右の側部合わせ個所を結合している請求項2又は請求項3に記載した電気機器キャビネット。
  5. ボトムシャーシとトップカバーとのうちの一方側部材に、他方側部材の側壁部に重なり状に嵌合してその他方側部材の位置ずれを防ぐ位置決め片が一体成形されている請求項4に記載した電気機器キャビネット。
  6. 上記位置決め片と上記他方側部材との重なり個所に凹凸嵌合構造が介在されてその凹凸嵌合構造によって一方側部材からの他方側部材の浮き上がりが阻止されている請求項5に記載した電気機器キャビネット。
  7. ボトムシャーシ及びトップカバーの前端部に上記フロントパネルを嵌合状態で取り付けるようになっている請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載した電気機器キャビネット。
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