JP2006134538A - 光ヘッド装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダの剛性を確保でき、さらには、レンズホルダへの給電線を兼ねた弾性支持部材を当該レンズホルダに接続可能な光ヘッド装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 光ヘッド装置において、レンズホルダ2をチルト方向、フォーカシング方向、およびトラッキング方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた弾性支持部材61、71、81を金属板60、70、80で構成し、かつ、金属板60、70、80には、弾性支持部材61、71、81と一体のコイル接続用端子62、72、82を形成しておく。また、金属板60、70、80をインサート成形する際、チルト駆動用およびフォーカシング駆動用の弾性支持部材61、71を構成するための金属板60、70の一部を補強板63、73としてレンズホルダ2に埋め込む。
【選択図】 図3
【解決手段】 光ヘッド装置において、レンズホルダ2をチルト方向、フォーカシング方向、およびトラッキング方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた弾性支持部材61、71、81を金属板60、70、80で構成し、かつ、金属板60、70、80には、弾性支持部材61、71、81と一体のコイル接続用端子62、72、82を形成しておく。また、金属板60、70、80をインサート成形する際、チルト駆動用およびフォーカシング駆動用の弾性支持部材61、71を構成するための金属板60、70の一部を補強板63、73としてレンズホルダ2に埋め込む。
【選択図】 図3
Description
本発明は、CDやDVDなどの光記録ディスクの再生等に用いられる光ヘッド装置、およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、光ヘッド装置において、対物レンズを保持したレンズホルダを駆動する磁気駆動機構に関するものである。
CDやDVDなどの光記録ディスクの再生等に用いられる光ヘッド装置としては、対物レンズを保持したレンズホルダをワイヤで支持したワイヤサスペンション方式のものが知られており、この種の光ヘッド装置では、磁気駆動回路により、レンズホルダをトラッキング方向、フォーカシング方向、およびチルト方向に駆動している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−373435号公報
このような光ヘッド装置において、ノート型のパーソナルコンピュータなどに搭載可能なように小型かつ薄型のものが求められており、このような要求に対応するために、レンズホルダを樹脂成形により、全体として小型かつ薄型にするとともに、各部分を肉薄化することが検討されている。その結果、レンズホルダの剛性が低下し、レンズホルダに変形や振動が発生しやすいという問題点がある。かかる問題点については、従来の比較的、大型のレンズホルダであれば、肉厚などを最適化することにより解消できるが、小型かつ薄型のレンズホルダでは、このような対策を行うことができない。
また、従来は、レンズホルダに搭載されたコイルに給電を行うために、レンズホルダの側面に配線基板を取り付けるとともに、この配線基板にワイヤを接続してワイヤをコイルへの給電線として利用しているが、レンズホルダを小型化、薄型化すると、このような配線基板を取り付けるスペースも確保できないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダの剛性を確保できる光ヘッド装置およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の課題は、レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダへの給電線を兼ねた弾性支持部材を当該レンズホルダに接続可能な光ヘッド装置およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、トラッキング方向を左右方向としたとき、少なくとも、光源からの出射光を光記録媒体に収束させる対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダをフォーカシング方向、トラッキング方向、またはチルト方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対の第1の弾性支持部材と、該第1の弾性支持部材を介して前記レンズホルダを支持する固定側部材とを有する光ヘッド装置において、前記レンズホルダは樹脂成形品であり、前記第1の弾性支持部材は、基端側が前記固定側部材に支持された金属板により構成されているとともに、先端側が前記レンズホルダに埋め込まれて当該レンズホルダに連結され、前記レンズホルダ内には、前記第1の弾性支持部材と同一材料および同一厚の補強板が埋め込まれていることを特徴とする。
本発明では、第1の弾性支持部材を先端側がレンズホルダに埋め込まれた金属板で構成し、かつ、レンズホルダには、第1の弾性支持部材と同一材料および同一厚の補強板が埋め込まれている。すなわち、レンズホルダを樹脂成形する際、金属板をインサート成形し、第1の弾性支持部材の先端側がレンズホルダに埋め込まれた状態にする。このため、レンズホルダに第1の弾性支持部材を後付けする必要がないので、レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダへの給電線を兼ねた第1の弾性支持部材をレンズホルダに接続することができる。また、金属板をインサート成形する際、この金属板の一部を補強板としてレンズホルダに埋め込むことができるので、レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダの剛性を確保できる。
本発明において、前記補強板は、前記レンズホルダ内部の左右対称位置に前記第1の弾性支持部材と平行に埋め込まれていることが好ましい。このように構成すると、レンズホルダの両端部がフォーカシング方向に変形することに起因する高次共振を防止、あるいはそのピークを低減することができるので、読み取りエラーなどを防止できる。
本発明において、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板は、その一部が前記補強板として前記レンズホルダの内部に埋め込まれていることが好ましい。例えば、本発明において、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板は、前記第1の弾性支持部材の先端側で前記レンズホルダ内に埋め込まれ、かつ、前記第1の弾性支持部材の先端側で折れ曲がって前記固定側部材に向かう部分により前記補強板が構成されていることが好ましい。このように構成すると、補強板をレンズホルダ内部の左右対称位置に第1の弾性支持部材と平行に容易に埋め込むことができる。また、このように構成した場合、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板において、前記補強板の前記固定側部材側の端部がコイル接続用端子として前記レンズホルダから突出している構成とすることができ、コイル接続用端子をコイルに近づけることができる。それ故、コイル端部の引き回し作業を効率よく行うことができる。
本発明において、前記レンズホルダの左右両側には、フォーカシング方向、トラッキング方向、およびチルト方向のうち、当該レンズホルダを他の2方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対の第2の弾性支持部材および第3の弾性支持部材の先端側が接続され、前記第2の弾性支持部材および前記第3の弾性支持部材も、基端側が前記固定側部材に支持された金属板により構成されているとともに、先端側が前記レンズホルダに埋め込まれて当該レンズホルダに連結されている構成を採用することができる。
この場合、前記第2の弾性支持部材を構成する金属板、および前記第3の弾性支持部材を構成する金属板の少なくとも一方の金属板も、その一部が前記レンズホルダに対する補強板として当該レンズホルダ内に埋め込まれていることが好ましい。
また、前記第2の弾性支持部材および前記第3の弾性支持部材を構成する金属板の一部も、コイル接続用端子として前記レンズホルダから突出していることが好ましい。
本発明において、前記レンズホルダには、コイル端部の途中位置を掛けるコイル係合突起が形成されていることが好ましい。このように構成すると、コイル端部が途中で弛むことがない。また、コイル端部をコイル係合突起に絡げておけば、コイル端部をコイル接続用端子に巻回にしてハンダ付けした状態でコイル端部には引っ張り応力が作用するため、コイル端部が弛むことを確実に防止することができる。
本発明において、前記弾性支持部材の長さ方向の途中位置には、局部的に幅寸法が広がった幅広部分を備えていることが好ましい。このように構成すると、幅広部分において弾性支持部材の姿勢を適正に保つことができる。
本発明に係る光ヘッド装置の製造方法において、前記レンズホルダを樹脂成形する際、前記弾性支持部材を構成する金属板をインサート成形するとともに、前記固定側部材も同時に樹脂成形することが好ましい。
本発明において、前記レンズホルダを樹脂成形する際、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板、前記第2の弾性支持部材を構成する金属板、および前記第3の弾性支持部材を構成する金属板を重ねた状態でインサート成形することが好ましい。
本発明において、前記補強板と前記弾性支持部材が共通の金属板に一体に形成されている光ヘッド装置の製造方法においては、前記レンズホルダを樹脂成形する前、前記補強板を備えた前記弾性支持部材を構成する金属板に対して前記補強板同士を連結する連結部を形成しておき、前記レンズホルダを樹脂成形する際、前記弾性支持部材を構成する金属板をインサート成形し、前記レンズホルダを樹脂成形した後、前記レンズホルダの幅方向における中央位置に形成された開口部で露出している前記連結部分の一部を切除して左右の前記弾性支持部材を分離することが好ましい。その結果、前記レンズホルダの幅方向における中央位置には開口部が形成され、当該開口部の内周面には、前記補強板を備えた前記弾性支持部材を構成する金属板の一部が露出している構成の光ヘッド装置が製造される。
本発明の光ヘッド装置では、第1の弾性支持部材を先端側がレンズホルダに埋め込まれた金属板で構成し、かつ、レンズホルダには、第1の弾性支持部材と同一材料および同一厚の補強板が埋め込まれている。すなわち、レンズホルダを樹脂成形する際、金属板をインサート成形し、第1の弾性支持部材の先端側がレンズホルダに埋め込まれた状態にする。このため、レンズホルダに第1の弾性支持部材を後付けする必要がないので、レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダへの給電線を兼ねた第1の弾性支持部材をレンズホルダに接続することができる。また、金属板をインサート成形する際、この金属板の一部を補強板としてレンズホルダに埋め込むことができるので、レンズホルダを小型、薄型化しても、レンズホルダの剛性を確保できる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した光ヘッド装置を説明する。なお、以下の説明では、第1、第2および第3の弾性支持部材をそれぞれチルト駆動用、フォーカシング駆動用、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材とし、レンズホルダのトラッキング駆動方向を左右方向として説明する。
(全体構成)
図1(a)、(b)は、本発明を適用した光ヘッド装置の平面図、および右側面図である。図2(a)、(b)は、本発明を適用した光ヘッド装置を斜め上方からみた斜視図、および斜め下方からみた斜視図である。図3は、本発明を適用した光ヘッド装置のレンズホルダ2に形成したコイル係合突起の説明図である。
図1(a)、(b)は、本発明を適用した光ヘッド装置の平面図、および右側面図である。図2(a)、(b)は、本発明を適用した光ヘッド装置を斜め上方からみた斜視図、および斜め下方からみた斜視図である。図3は、本発明を適用した光ヘッド装置のレンズホルダ2に形成したコイル係合突起の説明図である。
図1(a)、(b)および図2(a)、(b)に示す光ヘッド装置1は、CDやDVDなどの光記録ディスクの再生等に用いられるものであり、この光ヘッド装置1では、光源からの出射光を光記録媒体に収束させる対物レンズ20を保持した樹脂製のレンズホルダ2を弾性支持部材61、71、81で支持したワイヤサスペンション方式が採用されている。
本形態の光ヘッド装置1では、対物レンズ20を保持するレンズホルダ2と、固定側部材5とが対向配置されており、レンズホルダ2の側に搭載された駆動コイル6、7、8と、ベースとしてのヨーク4の側に直接、あるいは間接的に搭載されたマグネット16、17、18とによって、レンズホルダ2をフォーカシング方向、トラッキング方向、およびチルト方向に駆動するための磁気駆動回路が構成されている。すなわち、レンズホルダ2には、固定側部材5の側から先端側に向かって、チルト駆動用のコイル6、トラッキング駆動用のコイル8、フォーカシング駆動用のコイル7がこの順に配置されている。
これらのコイルのうち、トラッキング駆動用のコイル8は、レンズホルダ2の幅方向における中央位置に形成された第1の開口部21に配置され、フォーカシング駆動用のコイルは、第1の開口部21に対して対物レンズ20が搭載されている側で隣接する第2の開口部22の内側に配置されている。また、チルト駆動用のコイル6は、レンズホルダ2において、固定側部材5と対向する位置に配置されている。従って、固定側部材5においてレンズホルダ2と対向する位置にチルト駆動用のマグネット16が配置され、レンズホルダ2の第1の開口部21の内側にトラッキング駆動用のマグネット18が配置され、レンズホルダ2の第2の開口部22の内側にフォーカシング駆動用のマグネット17が配置されている。なお、ヨーク4は、レンズホルダ2の第1の開口部21を貫通してレンズホルダ2を覆う上面部41を備えている。また、チルト駆動用のマグネット16は、チルト用ヨーク160を介して固定側部材5に保持されている。
レンズホルダ2と固定側部材5との間には、レンズホルダ2をチルト方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対のチルト駆動用の弾性支持部材61、レンズホルダ2をフォーカシング方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対のフォーカシング駆動用の弾性支持部材71と、レンズホルダをトラッキング方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対のトラッキング駆動用の弾性支持部材81とが配置されている。
チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81は、上段から下段に向けてこの順に多段に配置され、かつ、平面的には重なった位置に配置されている。また、チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81はいずれも、レンズホルダ2の左右側面に先端側が接続され、基端側は固定側部材5に対して接続されている。なお、固定側部材5には、チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81に対するゲルポット50が配置されている。
このように構成した光ヘッド装置1のレンズホルダ2や弾性支持部材61、71、81の詳細構成については、光ヘッド装置1の製造方法を説明しながら後述するが、レンズホルダ2および固定側部材5はいずれも、同一の樹脂材料を用いた樹脂成形品から構成されている。
また、チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81はいずれも、同一の材料からなる金属板から構成されている。また、チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81はいずれも、図4(a)、(b)、(c)を参照して後述する金属板60、70、80をインサート成形したものであり、チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81の各先端側は、レンズホルダ2において弾性支持部材61、71、81が延びている方向における略中央位置で埋め込まれ、各基端側は固定側部材5においてレンズホルダ2が位置する側の端面に埋め込まれている。
レンズホルダ2では、チルト駆動用のコイル端部が接続されたコイル接続用端子62と、フォーカシング駆動用のコイル端部が接続されたコイル接続用端子72と、トラッキング駆動用のコイル端部が接続されたコイル接続用端子82とが突出している。
本形態では、これらのコイル接続用端子62、72、82も、図4(a)、(b)、(c)を参照して後述する金属板60、70、80の一部によって構成され、コイル接続用端子62、72、82と弾性支持部材61、71、81とは一体に構成されている。なお、各コイル接続用端子62、72、82において、コイル端部は、各コイル接続用端子62、72、82に巻回された状態でハンダ付けされている。
ここで、チルト駆動用の弾性支持部材61、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材81の各先端側は、レンズホルダ2において弾性支持部材61、71、81が延びている方向における略中央位置で埋め込まれ、その埋め込み位置に近い位置にフォーカシング駆動用のコイル7、およびトラッキング駆動用のコイル8が配置されている。
これに対して、チルト駆動用のコイル6は、チルト駆動用の弾性支持部材61の先端側から遠い位置(固定側部材5が位置する方)に配置されており、本形態では、チルト駆動用のコイル端部が接続されたコイル接続用端子62は、チルト駆動用のコイル6に近い位置(固定側部材5が位置する方)に配置されている。それ故、チルト駆動用のコイル6についても、コイル端部の引き回し作業を効率よく行うことができる。
また、レンズホルダ2の上面には、チルト駆動用のコイル6の端部の途中位置を掛けるコイル係合突起25が左右に高さが約0.3mm程度のピンとして形成されている。このため、コイル端部が途中で弛むことがない。また、コイル端部をコイル係合突起25に、チルト駆動用のコイル6の巻回方向(矢印Cで示す)に対応させて、図3に示すように巻回にしてハンダ付けすれば、コイル端部には引っ張り応力が作用するため、コイル端部が弛むことを確実に防止することができる。
ここで、チルト駆動用の弾性支持部材61とコイル接続用端子62とは、共通の金属板に一体に形成され、その間の部分はレンズホルダ2内に埋め込まれている。本形態では、以下に説明するように、金属板のレンズホルダ2への埋め込み部分をレンズホルダ2に対する補強板として利用している。
(光ヘッド装置の製造方法)
図4(a)、(b)、(c)は、本形態の光ヘッド装置の製造方法においてインサート成形する前の金属板を構成を示す平面図であり、図4(a)、(b)、(c)はそれぞれ、チルト駆動用の弾性支持部材を形成するための金属板、フォーカシング駆動用の弾性支持部材を形成するための金属板、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材を形成するための金属板の平面図である。図5は、本形態の光ヘッド装置において弾性支持部材の中間位置に幅広部分を形成した場合の効果を示す説明図である。
図4(a)、(b)、(c)は、本形態の光ヘッド装置の製造方法においてインサート成形する前の金属板を構成を示す平面図であり、図4(a)、(b)、(c)はそれぞれ、チルト駆動用の弾性支持部材を形成するための金属板、フォーカシング駆動用の弾性支持部材を形成するための金属板、およびトラッキング駆動用の弾性支持部材を形成するための金属板の平面図である。図5は、本形態の光ヘッド装置において弾性支持部材の中間位置に幅広部分を形成した場合の効果を示す説明図である。
本形態の光ヘッド装置を製造するにあたっては、レンズホルダ2および固定側部材5を樹脂成形する際、図4(a)、(b)、(c)に示すリードフレーム状の金属板60、70、80を三枚所定の隙間を介して重ねた状態でインサート成形を行う。
ここで、図4(a)に示す金属板60には、矩形枠部分65から内側に向かって計4つの連結部69が延びており、それらの先端側には、チルト駆動用の弾性支持部材61と、この弾性支持部材61の先端側から内側に屈曲した後、基端側に向けて弾性支持部材61と平行に長く延びた補強板63と、この補強板63の先端部で外側に屈曲したコイル接続用端子62が構成されている。図4(a)において、点線で示す部分がインサート成形によりレンズホルダ2および固定側部材5が形成される樹脂部分であり、インサート成形した際、矩形枠部分65、連結部分69、弾性支持部材61およびコイル接続用端子62がレンズホルダ2および固定側部材5から露出する。従って、連結部分69で余剰な部分を切除すると、レンズホルダ2および固定側部材5からチルト駆動用の弾性支持部材61とコイル接続用端子62とが露出した状態で残る。これに対して、補強板63は、弾性支持部材2と平行に長く延びた状態でレンズホルダ2に左右対称に埋め込まれる結果、レンズホルダ2の剛性を高めるのに寄与する。このようにして、弾性支持部材61と同一材質および同一厚の補強板63が構成される。
また、図4(a)に示す金属板60では、補強板63同士を連結する細幅の連結部分64が形成されている。このため、補強板63は、細く延びているが、連結部分64で補強されているので、インサート成形時、変形することがない。なお、レンズホルダ2を樹脂成形すると、幅方向における中央位置には第1の開口部21が形成され、この第1の開口部21の内側で連結部分64が露出する。従って、インサート成形後、連結部分64を切除すれば、図1(a)および図3に示すように、弾性支持部材61および補強板63を左右で分離できる。この状態において、第1の開口部21の内周面では、連結部分64の切断面(金属板60の一部)が露出している状態となる。
図4(b)に示す金属板70には、矩形枠部分75から内側に向かって計4つの連結部79が延びており、その先端側には、フォーカシング駆動用の弾性支持部材71と、この弾性支持部材71の先端側から内側に屈曲した後、さらに先端側に向けて延びてコイル接続用端子72を構成する部分と、弾性支持部材71の先端側から内側に屈曲した後、基端側に向けて短く延びた補強板73とが構成されている。図4(b)においても、点線で示す部分がインサート成形によりレンズホルダ2および固定側部材5が形成される樹脂部分であり、インサート成形した際、矩形枠部分75、連結部分79、弾性支持部材71およびコイル接続用端子72がレンズホルダ2および固定側部材5から露出する。従って、連結部分79で余剰な部分を切除すると、レンズホルダ2および固定側部材5からフォーカシング駆動用の弾性支持部材71とコイル接続用端子72とが露出した状態で残る。これに対して、補強板73は、レンズホルダ2に埋め込まれる結果、短いが、レンズホルダの剛性を高めるのに寄与する。このようにして、弾性支持部材71と同一材質および同一厚の補強板73が構成される。
図4(c)に示す金属板80には、矩形枠部分85から内側に向かって計4つの連結部89が延びており、その先端側には、トラッキング駆動用の弾性支持部材81と、この弾性支持部材81の先端側から内側に屈曲した後、さらに先端側に向けて延びてコイル接続用端子82を構成する部分とが構成されている。図4(c)においても、点線で示す部分がインサート成形によりレンズホルダ2および固定側部材5が形成される樹脂部分であり、インサート成形した際、矩形枠部分85、連結部分89、弾性支持部材81およびコイル接続用端子82がレンズホルダ2および固定側部材5から露出する。従って、連結部分89で余剰な部分を切除すると、レンズホルダ2および固定側部材5からトラッキング駆動用の弾性支持部材81とコイル接続用端子82とが露出した状態で残る。
なお、図1(a)、および図4(a)、(b)、(c)に示すように、いずれの弾性支持部材61、71、81においても、長さ方向の途中位置には、局部的に幅寸法が広がった幅広部分66、76、86が形成されている。このため、3枚の金属板60、70、80を重ねた状態でインサート成形を行う際、これらの幅広部分66、76、86によって弾性支持部材61、71、81の姿勢が水平に保持される。
ここで、幅広部分66、76、86は、弾性支持部材61、71、81の固定側部材5の端面からレンズホルダ2に埋め込まれている先端部分との間のうち、略中間位置に形成されていることが好ましい。すなわち、図1(a)に示す寸法Aと寸法Bとが略等しいことが好ましい。このように構成すると、図5に示すように、レンズホルダ2がフォーカシング方向に駆動された際、弾性支持部材61、71、81が曲がっても、幅広部分66、76、86は斜めに直線的に延びる位置にある。それ故、幅広部分66、76、86は、大きく曲がって歪みが大きな部分を避けることになるので、弾性支持部材61、71、81に幅広部分66、76、86を形成した場合でも、レンズホルダ2の移動に支障がない。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光ヘッド装置1では、レンズホルダ2をチルト方向、フォーカシング方向、およびトラッキング方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた弾性支持部材61、71、81を、先端側がレンズホルダ2に埋め込まれた金属板60、70、80で構成し、かつ、金属板60、70、80には、弾性支持部材61、71、81と一体のコイル接続用端子62、72、82を形成しておく。このため、レンズホルダ2に弾性支持部材61、71、81を配線基板を用いて後付けする必要がないので、レンズホルダ2を小型、薄型化しても、給電線を兼ねた弾性支持部材61、71、81をレンズホルダ2に接続することができる。
以上説明したように、本形態の光ヘッド装置1では、レンズホルダ2をチルト方向、フォーカシング方向、およびトラッキング方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた弾性支持部材61、71、81を、先端側がレンズホルダ2に埋め込まれた金属板60、70、80で構成し、かつ、金属板60、70、80には、弾性支持部材61、71、81と一体のコイル接続用端子62、72、82を形成しておく。このため、レンズホルダ2に弾性支持部材61、71、81を配線基板を用いて後付けする必要がないので、レンズホルダ2を小型、薄型化しても、給電線を兼ねた弾性支持部材61、71、81をレンズホルダ2に接続することができる。
また、金属板60、70、80をインサート成形する際、チルト駆動用およびフォーカシング駆動用の弾性支持部材61、71を構成するための金属板60、70の一部を補強板63、73としてレンズホルダ2に埋め込むことができるので、レンズホルダ2を小型、薄型化しても、レンズホルダ2の剛性を確保できる。それ故、レンズホルダ2の両端部分がフォーカシング方向に変形することに起因する高次共振を防止、あるいはそのピークを低減することができるので、読み取りエラーなどを防止できる。
(その他の実施の形態)
上記形態では、チルト駆動用の弾性支持部材61を構成する金属板60に長く延びる補強板63を形成したが、フォーカシング駆動用、または/およびトラッキング駆動用の弾性支持部材71、81を構成する金属板70、80に長く延びた補強板を形成してもよい。また、補強板の幅寸法に関しては、幅が広い方がレンズホルダ2の剛性を高めるという点では好ましい。
上記形態では、チルト駆動用の弾性支持部材61を構成する金属板60に長く延びる補強板63を形成したが、フォーカシング駆動用、または/およびトラッキング駆動用の弾性支持部材71、81を構成する金属板70、80に長く延びた補強板を形成してもよい。また、補強板の幅寸法に関しては、幅が広い方がレンズホルダ2の剛性を高めるという点では好ましい。
上記形態において、補強板63、73は、弾性支持部材61、71と一体に構成されていたが、補強板63、73と弾性支持部材61、71とはレンズホルダ2内で分離していてもよい。このような補強板の形成は、金属板60、70において、補強板を連結部69、79で矩形枠部分65、75に接続しておけば可能である。
上記形態では、フォーカシング駆動用、トラッキング駆動用、チルト駆動用の3本の弾性支持部材61、71、81を備えた光ヘッド装置に本発明を適用したが、弾性支持部材が2本の光ヘッド装置に本発明を適用してもよい。
また、上記形態では、チルト駆動用のコイルに対するコイル接続端子62も、他の端子と同様、レンズホルダ2の側面に形成したが、図6に示すように、第1の開口部21の内周面にチルト駆動用のコイルに対するコイル接続端子63を配置してもよい。このように構成すると、弾性支持部材61、71、81が通っていない箇所でコイル接続端子63でのハンダ付け作業を行えるので、作業性がよいという利点がある。
1 光ヘッド装置
2 レンズホルダ
5 固定側部材
6 チルト駆動用のコイル
7 フォーカシング駆動用のコイル
8 トラッキング駆動用のコイル
16 チルト駆動用のマグネット
17 フォーカシング駆動用のマグネット
18 トラッキング駆動用のマグネット
25 コイル係合突起
60、70、80 金属板
61、71、81 弾性支持部材
62、72、82 コイル接続端子
63、73 補強板
64 連結部分
2 レンズホルダ
5 固定側部材
6 チルト駆動用のコイル
7 フォーカシング駆動用のコイル
8 トラッキング駆動用のコイル
16 チルト駆動用のマグネット
17 フォーカシング駆動用のマグネット
18 トラッキング駆動用のマグネット
25 コイル係合突起
60、70、80 金属板
61、71、81 弾性支持部材
62、72、82 コイル接続端子
63、73 補強板
64 連結部分
Claims (14)
- トラッキング方向を左右方向としたとき、少なくとも、光源からの出射光を光記録媒体に収束させる対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダをフォーカシング方向、トラッキング方向、またはチルト方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対の第1の弾性支持部材と、該第1の弾性支持部材を介して前記レンズホルダを支持する固定側部材とを有する光ヘッド装置において、
前記レンズホルダは樹脂成形品であり、
前記第1の弾性支持部材は、基端側が前記固定側部材に支持された金属板により構成されているとともに、先端側が前記レンズホルダに埋め込まれて当該レンズホルダに連結され、
前記レンズホルダ内には、前記第1の弾性支持部材と同一材料および同一厚の補強板が埋め込まれていることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1において、前記補強板は、前記レンズホルダ内部の左右対称位置に前記第1の弾性支持部材と平行に埋め込まれていることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項1または2において、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板は、その一部が前記補強板として前記レンズホルダの内部に埋め込まれていることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項3において、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板は、前記第1の弾性支持部材の先端側で前記レンズホルダ内に埋め込まれ、かつ、前記第1の弾性支持部材の先端側で折れ曲がって前記固定側部材に向かう部分により前記補強板が構成されていることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項4において、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板では、前記補強板の前記固定側部材側の端部がコイル接続用端子として前記レンズホルダから突出していることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記レンズホルダの左右両側には、フォーカシング方向、トラッキング方向、およびチルト方向のうち、当該レンズホルダを他の2方向に駆動するためのコイル給電線を兼ねた左右一対の第2の弾性支持部材および第3の弾性支持部材の先端側が接続され、
前記第2の弾性支持部材および前記第3の弾性支持部材も、基端側が前記固定側部材に支持された金属板により構成されているとともに、先端側が前記レンズホルダに埋め込まれて当該レンズホルダに連結されていることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項6において、前記第2の弾性支持部材を構成する金属板、および前記第3の弾性支持部材を構成する金属板の少なくとも一方の金属板も、その一部が前記レンズホルダに対する補強板として当該レンズホルダ内に埋め込まれていることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項6または7において、前記第2の弾性支持部材および前記第3の弾性支持部材を構成する金属板の一部は、コイル接続用端子として前記レンズホルダから突出していることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記レンズホルダには、コイル端部の途中位置を掛けるコイル係合突起が形成されていることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記弾性支持部材の長さ方向の途中位置には、局部的に幅寸法が広がった幅広部分を備えていることを特徴とする光ヘッド装置。
- 請求項3、4または7において、前記レンズホルダの幅方向における中央位置には開口部が形成され、
当該開口部の内周面には、前記補強板を備えた前記弾性支持部材を構成する金属板の一部が露出していることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1ないし11のいずれかに規定する光ヘッド装置の製造方法において、前記レンズホルダを樹脂成形する際、前記弾性支持部材を構成する金属板をインサート成形するとともに、前記固定側部材も同時に樹脂成形することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
- 請求項6ないし8のいずれかに規定する光ヘッド装置の製造方法において、前記レンズホルダを樹脂成形する際、前記第1の弾性支持部材を構成する金属板、前記第2の弾性支持部材を構成する金属板、および前記第3の弾性支持部材を構成する金属板を重ねた状態でインサート成形することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
- 請求項3、4または7のいずれかに規定する光ヘッド装置の製造方法において、前記レンズホルダを樹脂成形する前、前記補強板を備えた前記弾性支持部材を構成する金属板に対して前記補強板同士を連結する連結部を形成しておき、
前記レンズホルダを樹脂成形する際、前記弾性支持部材を構成する金属板をインサート成形し、
前記レンズホルダを樹脂成形した後、前記レンズホルダの幅方向における中央位置に形成された開口部で露出している前記連結部分の一部を切除して左右の前記弾性支持部材を分離することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004325412A JP2006134538A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 光ヘッド装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004325412A JP2006134538A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 光ヘッド装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006134538A true JP2006134538A (ja) | 2006-05-25 |
Family
ID=36727913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004325412A Pending JP2006134538A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 光ヘッド装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006134538A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008079230A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-04-03 | Hokuriku Electric Ind Co Ltd | 圧電発音器 |
-
2004
- 2004-11-09 JP JP2004325412A patent/JP2006134538A/ja active Pending
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