JP2006133404A - 画像形成装置 - Google Patents

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Yoshiaki Hiranaka
義明 平中
Seishi Taira
誠士 平
Noriyuki Miyoshi
則行 三好
Keita Yano
啓太 矢野
Masakatsu Eda
正勝 枝
Tomofumi Suzuki
智文 鈴木
Keiji Sanba
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Abstract

【課題】 重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置において、記録材における波打ちやドッグイヤーの発生を抑制する。
【解決手段】 定着ロール61と加圧ロール62とで形成される定着ニップ部Nの下流側近傍にて定着ロール61と当接して、定着ロール61から用紙Pを剥離する剥離爪92を備え、剥離爪92は、定着ロール61との当接部P2より延びる剥離ガイド面92aを有し、剥離ガイド面92aは、かかる当接部P2を通る鉛直線に対して加圧ロール62側へ2.5°傾いた位置よりも定着ロール61側に傾斜して形成されている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に関し、より詳しくは記録材を略垂直方向に搬送しながら画像形成を行なう画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、このトナー像を転写部において感光体ドラム上から記録材に転写した後、定着装置によってこのトナー像を記録材に定着している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置としては、一般に、内部に加熱源が配設された円筒状の芯金に、耐熱性弾性体層と離型層とが積層して形成された定着ロールと、芯金に耐熱性弾性体層と耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜からなる離型層とが積層されて形成された加圧ロールとが互いに圧接されて構成されたものが用いられている。このような構成においては、回転する定着ロールと加圧ロールとの間に、未定着トナー像を担持した記録材を通過させて、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録材にトナー像を定着している。
そして、かかる画像形成装置の配置構成として、上記したような定着装置を感光体ドラムに対して鉛直方向上方に配置するとともに、感光体ドラムの鉛直方向下方に配置された用紙トレイから給紙された記録材を略垂直方向上方に向けて搬送する搬送路を形成し、この搬送路に沿って配置された転写部において感光体ドラム上のトナー像を記録材に転写し、定着装置に搬送するように構成されたものが知られている。
このような配置構成を有する画像形成装置は、記録材を搬送する搬送路が非常に短くてすみ、さらには画像形成装置の一側面を開放するだけで搬送路の大部分を露出させることができる。そのため、給紙から排紙までの出力時間を短縮することができるとともに記録材の搬送性の向上が得られ、また紙詰まり(ジャム)した際の記録材の除去性も非常に優れている。さらに、画像形成装置の設置面積を小さく設計することができるという利点もある。
ところが、記録材を略垂直方向上方に向けて搬送(垂直搬送)する画像形成装置では、重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設するので、定着装置において定着された後の記録材を搬送する際に、定着装置から排出される記録材に作用する重力の方向は記録材の搬送方向と略同一線上であって、かつ逆方向となる。そのため、記録材を水平方向に搬送する従来の画像形成装置とは異なり、垂直搬送の画像形成装置では、重力を利用して搬送中の記録材を安定的に支持することが構成上困難であり、記録材の挙動は不安定となり易い。すなわち、圧接されながら回転する定着ロールと加圧ロールとによって略鉛直上方に搬送される記録材に対して、水平方向において記録材を安定して支持することが難しいことから、記録材が水平方向に不安定となる。そのために、記録材の進行方向が一定方向に定まらず、記録材には進行方向に向けて波状の撓み(所謂「波打ち」)が生じ易くなる。加えて、記録材が搬送路周辺の部材と当接し易くなり、その際の当接角度によっては、記録材の先端両端部に曲がりや折れ(所謂「ドッグイヤー」)が生じるおそれもある。
そこで、かかる波打ちやドッグイヤーを解消するための技術として、定着装置の下流側に幅方向に亘って所定の間隔で複数の搬送ロールを配設し、幅方向中央領域に配置された搬送ロールの周速を定着ロールの周速と実質的に同じに設定し、幅方向両端部に配置された搬送ロールの周速を定着ロールの周速よりも実質的に大きく設定することで、定着ロールと搬送ロールとの間において記録材に微小な張りを生成させて、波打ちの発生を抑制する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、他の技術として、定着ロールに設けられた剥離爪によって剥離された記録材を案内する案内リブにおいて、剥離爪の近傍に位置する第1の案内リブと、剥離爪から離れて位置する第2の案内リブとの形状を記録材の姿勢に応じて異なるように形成することで、波打ちやドッグイヤーの発生を抑制する技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−195668号公報(第3-5頁) 特開2004−233405号公報(第6-7頁)
しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、定着ロールと搬送ロールとの間において記録材を引っ張ることとなるため、記録材には搬送方向への伸びが生じ、画像を歪ませるという新たな問題が発生する。また、記録材を略垂直方向上方に向けて搬送する画像形成装置では、搬送ロール等のような駆動部材を設けると、駆動部材に記録材を導く際の記録材の搬送が不安定となるために駆動部材への正確な搬送ができず、駆動部材において紙詰まりを生じる可能性が高くなるという問題もある。さらに、上記した特許文献2に記載された技術では、案内リブの形状が記録材の幅方向で異なることから、記録材の幅方向での波打ちが新たに生じる可能性がある。このように、重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置では、記録材の搬送時の挙動が不安定となり易い構成であるため、波打ちやドッグイヤーを解消することは容易ではなく、上記したような従来の方法では波打ちやドッグイヤーを充分に抑えることが困難であった。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置において、記録材における波打ちやドッグイヤーの発生を抑制することにある。
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置であって、定着装置を構成し、内部に加熱源が配設された回転可能な加熱部材と、定着装置を構成し、加熱部材に圧接配置されて定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、定着ニップ部の加熱部材の回転方向下流側近傍にて加熱部材と当接し、加熱部材から記録材を剥離する剥離部材とを備え、離部材は、加熱部材との当接部より延びる剥離ガイド面を有し、かかる剥離ガイド面は、かかる当接部を通る鉛直線に対して加圧部材側へ2.5°傾いた位置よりも加熱部材側に傾斜して形成されることを特徴としている。なお、ここでは、断面構成における位置関係で規定している(以下、同様である。)。
ここで、加熱部材と加圧部材との間の定着ニップ部から排出される記録材を装置外部に導く排紙ガイド面を有する排紙ガイド部材をさらに備え、剥離部材の剥離ガイド面は、排紙ガイド面と鈍角で交差する方向に形成されたことを特徴とすることができる。特に、排紙ガイド部材は、排紙ガイド面が定着ニップ部の最下流点における加熱部材の接線と交差するとともに、接線との交差角が鈍角をなすことを特徴とすることもできる。さらに、剥離部材と排紙ガイド部材とは、リブで形成されたことを特徴とすることもできる。
また、剥離部材は、剥離ガイド面が記録材を担持することを特徴とすることもできる。加えて、加圧部材は、中心が加熱部材の中心を通る水平面よりも鉛直方向上方に配置されたことを特徴とすることもできる。
また、本発明の画像形成装置は、重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置であって、定着装置を構成し、内部に加熱源が配設された回転可能な定着ロールと、定着装置を構成し、中心が定着ロールの中心を通る水平面よりも鉛直方向上方に配置されるとともに、定着ロールに圧接配置されて定着ニップ部を形成する回転可能な加圧ロールと、定着ニップ部の定着ロールの回転方向下流側近傍にて定着ロールと当接するとともに、定着ロールとの当接部を通る鉛直線に対して加圧ロール側へ2.5°傾いた位置よりも定着ロール側に傾斜して形成された剥離ガイド面を有し、加熱部材から前記記録材を剥離する剥離部材と、剥離部材の記録材の搬送方向下流側にて、記録材を装置外部に導く排紙ガイド面を有する排紙ガイド部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、剥離部材の剥離ガイド面と排紙ガイド部材の排紙ガイド面とは、定着ニップ部を通過した記録材から押圧されながら記録材を導くことを特徴とすることができる。また、剥離部材の剥離ガイド面と排紙ガイド部材の排紙ガイド面とは、鉛直方向に対して定着ロール側に向けて凸となる湾曲した面を形成することを特徴とすることもできる。さらに、排紙ガイド部材は、排紙ガイド面が定着ニップ部の最下流点における定着ロールの接線と鈍角で交差するとともに、剥離部材の剥離ガイド面と鈍角で交差することを特徴とすることもできる。
本発明によれば、重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置において、記録材における波打ちやドッグイヤーの発生を抑制することが可能となる。それによって、定着された後の記録材の平坦性を維持し、高品質な定着画像を形成することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置1は、矢印A方向に回転するトナー像担持体の一例としての感光体ドラム10の周囲に、感光体ドラム10を帯電する帯電器11、感光体ドラム10上に静電潜像を書込むレーザ露光器12(図中露光ビームを符号Bmで示す)、トナーが収容されて感光体ドラム10上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器13、感光体ドラム10上に形成されたトナー像を記録材である用紙Pに転写する転写手段の一例としての転写ロール14、感光体ドラム10上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ15等の電子写真用デバイスが配設されている。さらには、用紙Pに転写された未定着トナー像を定着する定着手段の一例としての定着器60、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を備えている。
また、本実施の形態の画像形成装置1では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを転写ロール14へ所定のタイミングで送り込むレジストロール53、レジストロール53から送り出された用紙Pを転写ニップ部Cに導くインレットシュート54、転写ロール14により転写された後に搬送される用紙Pを定着器60へと搬送する搬送ガイド55、トナー像が転写されて搬送されてくる用紙Pを定着器60へ導く定着入口ガイド80、定着器60から排紙される用紙Pを排紙載置部58に導く排紙ガイド部材としての排紙ガイド90、91を備えている。
そして、本実施の形態の画像形成装置1では、感光体ドラム10に対して定着器60を鉛直方向上方に配置するとともに、感光体ドラム10の鉛直方向下方に用紙トレイ50が配置構成されている。用紙トレイ50から給紙された用紙Pは、略垂直方向上方に向けて形成された搬送路を搬送され、この搬送路に沿って配置された転写ニップ部Cにおいて感光体ドラム10上に形成されたトナー像を用紙Pに転写し、さらに転写ニップ部Cの上方に配置された定着器60に至って定着処理が行なわれることとなる。
このような配置構成の画像形成装置1は、用紙Pを搬送する搬送路が非常に短く、さらには画像形成装置1の一側面を開放するだけで搬送路の大部分を露出させることが容易である。そのため、給紙から排紙までの出力時間を短縮することができるとともに用紙Pの搬送性の向上が得られ、また紙詰まり(ジャム)した際の用紙Pの除去性も非常に優れている。さらに、画像形成装置1の設置面積を小さく設計することができるという利点もある。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置1では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、ガンマ補正、枠消し編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、レーザ露光器12に出力される。
レーザ露光器12では、入力された画像データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを感光体ドラム10に照射している。感光体ドラム10では、帯電ロールからなる帯電器11によって表面が所定の帯電電位(例えば、−750V)に帯電された後、このレーザ露光器12によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。
形成された静電潜像は、現像器13によりマイナス帯電されたトナーが反転現像される。すなわち、例えば重合法により作成され、形状係数SF1が100〜140のトナーと、磁性粒子からなるキャリアとが混合した現像剤を担持した現像剤担持体(現像スリーブ)13aに、図示しない電源から直流電圧からなる現像バイアス、または交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアスが印加されて、感光体ドラム10との間に現像電界が形成される。それによって、現像スリーブ13a上のトナーが静電潜像の画像部(露光部)に転移し、静電潜像が可視像化される。
次に、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が感光体ドラム10と転写ロール14とが当接する転写ニップ部Cに搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が転写ニップ部Cに搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、レジストロール53に到達する。このレジストロール53においては、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された感光体ドラム10の移動タイミングに合わせてレジストロール53が回転する。それによって、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされ、用紙Pはインレットシュート54に導かれて、転写ニップ部Cに送り出される。
転写ニップ部Cでは、転写ロール14が感光体ドラム10に圧接配置されている。転写ロール14は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層は例えばカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。
転写ロール14には、転写電源(不図示)からトナー帯電極性(マイナス極性)とは反対極性(プラス極性)の転写バイアスが安定的に印加されるように、例えば定電流制御された電流が供給される。それにより、転写ロール14から用紙Pに対し、感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。なお、転写バイアスは、感光体ドラム10上におけるイメージ領域が転写ニップ部Cを通過する際にのみ印加され、イメージ領域とイメージ領域との間のインターイメージ領域が転写ニップ部Cを通過する際には印加されないように設定されている。
そして、タイミングを合わせて搬送された用紙Pが、転写ニップ部Cに搬送され、感光体ドラム10と転写ロール14との間に挟み込まれる。その際に、転写ロール14から転写バイアスが印加されることで、感光体ドラム10上に担持された未定着トナー像は、用紙P上に静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、転写ロール14からの静電吸着力と用紙Pのコシによって感光体ドラム10から剥離されて搬送され、転写ロール14の用紙P搬送方向下流側に設けられた定着器60まで送られる。なお、用紙Pが感光体ドラム10から剥離されず、感光体ドラム10に吸着されたままの状態となった場合には、転写ニップ部Cの下流側の感光体ドラム10表面近傍に配設された分離爪16によって、用紙Pは感光体ドラム10から分離されるように構成されている。
定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60において熱および圧力による定着処理を受けることによって用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙載置部58に搬送され、一連の画像形成動作が完了する。
続いて、定着器60の構成について説明する。
図2は、定着器60の構成を示す断面図である。図2に示すように、定着器60は、加熱部材の一例としての定着ロール61を回転自在に支持する第1の筺体65と、加圧部材の一例としての加圧ロール62を回転自在に支持する第2の筐体66とが連結され、ユニット化されて構成されている。そして、画像形成装置1に対して、定着ロール61の中心と加圧ロール62の中心とを結んだ線が略水平方向を向くように装着される。そして、加圧ロール62は、コイルバネ等からなる弾性体(不図示)により定着ロール61に圧接され、定着ニップ部Nが形成されている。
定着ロール61は、円筒状のコア611と、このコア611の表面側に被覆された離型層612から構成されている。コア611は、外径が例えば25mmであり、肉厚が例えば1〜1.5mmである。コア611を形成する材料としては、例えば鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属である。離型層612には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂が用いられるが、トナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が使用できる。離型層612の膜厚は、例えば5〜100μmに形成される。
また、定着ロール61の内部には例えば定格600Wのハロゲンヒータ67が配設され、定着ロール61を加熱する。定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置1の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ67の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、175℃)を維持するように調整している。さらに、第1の筐体65の内部の定着ロール61の近傍には、サーモスタット70が設けられ、このサーモスタット70により加熱ロール61の過温昇による故障が防止される。
加圧ロール62は、例えば柱状で中実のシャフト621と、このシャフト621の周囲に設けられた耐熱弾性体層622と、耐熱弾性体層622の表面を覆う離型層623とから構成されている。シャフト621は、例えば鉄またはアルミニウムからなり、中空であってもよい。耐熱弾性体層622は、硬度が例えば45°(アスカーC)の耐熱性材料であり、例えばシリコンスポンジまたはシリコンゴムから形成されている。また、耐熱弾性体層622は、肉厚は6mm以上で構成され、加圧ロール62が定着ロール61に圧接される際に、略一定のニップ幅が得られるように形成されている。なお、耐熱弾性体層622の肉厚は、6〜8mmの範囲が好適である。離型層623は、トナーに対する離型性や耐摩耗性を有する例えばPFAから形成されている。また、離型層623の膜厚は例えば30〜100μmの範囲が好適である。
定着ロール61と加圧ロール62とで形成される定着ニップ部Nを挟んで上流側方向および下流側方向には、用紙Pが搬送される搬送路が形成され、用紙Pが下方から上方へと搬送される。定着ニップ部Nの上流側(給紙側)には、用紙搬送系を構成する例えば板状の金属からなる定着入口ガイド80が配設されている。また、定着ニップ部Nの下流側(排紙側)には用紙搬送系を構成する排紙ガイド90、91がそれぞれ配置されている。排紙ガイド90、91は、複数のリブで形成され、第1の筐体65側と第2の筐体66側とにそれぞれ設けられている。そして、排紙ガイド90と排紙ガイド91との間を用紙Pが通過するように構成されている。さらに、排紙ガイド90の排紙ガイド91側の頂部には回転ロール93が設けられ、排紙ガイド90と排紙ガイド91との間を通過する際に用紙Pに毛羽が生じないよう、円滑な搬送を実現している。
また、定着ニップ部Nの下流側近傍で第1の筐体65には、剥離部材としての剥離爪92が定着ロール61の軸方向(用紙の幅方向)に複数配設されている。この剥離爪92は、定着ロール61の表面を傷付けない程度の弱い力で定着ロール61側に付勢され、かかる定着ロール61の先端が定着ロール61の表面に圧接し、定着ロール61に巻き付こうとする用紙を剥がすように構成されている。
ここで、図3は、排紙ガイド90と剥離爪92とが設定された幅方向における配置構成を示す図である。図3に示すように、排紙ガイド90と剥離爪92とは、排紙ガイドホルダ94にそれぞれが所定の間隔を隔てて略交互に配設されている。そして、排紙ガイド90の頂部には回転ロール93が設けられている。このような構成により、定着ニップ部Nを通過した用紙Pを排紙載置部58に送っている。
次に、搬送路周りの各構成要素の配置構成について説明する。
図4は、搬送路周りの各構成要素の配置構成を説明する図である。まず、図4を用いて、転写ロール14と感光体ドラム10との位置関係について説明する。本実施の形態の画像形成装置1では、下方から上方に向けて略垂直方向に用紙Pが搬送される搬送路が形成されているが、感光体ドラム10と転写ロール14との当接部である転写ニップ部Cの出口(下流側)において、用紙Pが鉛直方向よりも感光体ドラム10側に傾いて排出されると、用紙Pはトナー像が転写された面を感光体ドラム10側に傾けて搬送されることとなる。その場合には、そのトナー像と画像形成装置1に配設された部材とが接触してしまい、トナー像は乱され、画像不良を引き起こす原因となる。そこで、図4に示したように、転写ロール14が感光体ドラム10に当接する位置は、感光体ドラム10の中心を通る水平面よりも若干下方となるように設定している。このように配置することで、転写ニップ部Cを通過した用紙Pは、鉛直方向よりも転写ロール14側に傾いて排出されるので、用紙P上のトナー像が部材と接触することが抑制される。
続いて、定着器60における定着ロール61と加圧ロール62との位置関係について説明する。定着器60では、上述したように、画像形成装置1に対して、定着ロール61の中心と加圧ロール62の中心とを結んだ線が略水平方向を向くように装着されている。しかし、定着器60から排出された用紙Pが、排紙ガイド90と排紙ガイド91との間を通過して排紙載置部58に搬送される際に、排紙ガイド90と排紙ガイド91との間で形成される搬送路の曲率半径が小さい(カーブが急峻となる)場合には、定着器60によって熱を受けた直後の用紙Pにカールが生じ易くなる。そこで、図4に示したように、定着器60では、加圧ロール62側を定着ロール61の中心を通る水平面から若干上方に配置している。このように配置することで、定着器60の定着ニップ部Nを通過した用紙Pは、鉛直方向よりも定着ロール61側、すなわち排紙載置部58側に傾いて排出されるので、排紙ガイド90と排紙ガイド91との間の搬送路の曲率半径を大きく構成することができ、用紙Pにカールが生じることを抑制することができる。
さらには、感光体ドラム10と転写ロール14との転写ニップ部Cと、定着器60における定着ロール61と加圧ロール62とが圧接される定着ニップ部Nとの間の水平方向における位置関係について説明する。水平方向において、定着ニップ部Nが転写ニップ部Cを越えて感光体ドラム10側に位置すると、転写ニップ部Cを通過した用紙Pを定着器60に搬送するに際して、用紙Pを定着ニップ部N側に急激に傾ける必要が生じる。そのため、かかる配置では用紙Pは感光体ドラム10と接触し易くなり、好ましくない。一方、水平方向において、定着ニップ部Nが転写ニップ部Cから転写ロール14側方向に離れて配置されると、用紙Pを安定して搬送するために、用紙Pを転写ロール14側に吸着しながら搬送する手段が必要となる。また、この場合には、画像形成装置1の設置面積も大きくなる。このような点から、水平方向における定着ニップ部Nの位置は、水平方向における転写ニップ部Cの位置と重なる位置、または転写ニップ部Cの位置よりも若干転写ロール14側にずれた位置が好適である。
このような感光体ドラム10および転写ロール14と、さらには定着器60における定着ロール61および加圧ロール62との配置構成により、転写ニップ部Cと定着ニップ部Nとの間の搬送路においては、転写ニップ部Cの出口側では、用紙Pが感光体ドラム10から離れるように傾斜して搬送され、それを感光体ドラム10側に傾いて給紙される定着器60が受け取ることとなる。かかる構成により、転写ニップ部Cと定着ニップ部Nとの間の搬送路では、図4に示したように、用紙Pは、鉛直方向よりも転写ロール14側(加圧ロール62側)に凸となるような緩やかなカーブを描いて搬送されることとなり、用紙Pのトナー像を担持する側の表面は、搬送路周辺に配設された部材と接触し難くなる。
特に、本実施の形態の画像形成装置1では、転写ニップ部Cと定着ニップ部Nとの間の長さが、例えばA4サイズの用紙Pの縦方向長さよりも短いため、用紙Pが転写ニップ部Cと定着ニップ部Nとの両方に挟持される状態が生じる。そのため、転写ニップ部Cに挟持された部分が定着ニップ部Nに挟持された部分から引っ張られることで転写ずれが生じないように、定着器60での搬送速度を転写ニップ部Cでの搬送速度よりも若干遅くしている。それにより、転写ニップ部Cと定着ニップ部Nとの間の搬送路では用紙Pに僅かな弛みが生じる。そのため、用紙Pと搬送路周辺に配設された部材との接触を生じ難くするために、上述したような鉛直方向よりも転写ロール14側(加圧ロール62側)に凸となるカーブを描いて搬送されるように構成することは重要である。
次に、上述した搬送路によって転写ニップ部Cから定着器60に搬送され、定着器60において定着された後の用紙Pが定着器60から排紙される際の搬送路について説明する。
図5は、定着器60の排紙側に配置された排紙ガイド90を説明する図である。上述したように、定着器60の排紙側には、リブで形成された排紙ガイド90、91および剥離爪92が配置されている。定着器60から排出された用紙Pは、排紙ガイド90と排紙ガイド91との間に導かれ、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙載置部58に搬送される(図1も参照)。その際に、本実施の形態の排紙ガイド90では、定着器60から排出された用紙Pに、進行方向に向けて形成される波状の撓み(所謂「波打ち」)や、先端両端部での曲がりや折れ(所謂「ドッグイヤー」)が生じることを抑制するために、図5で示したように、排紙ガイド90の搬送路側の排紙ガイド面90aが、定着ニップ部Nの出口点N2における定着ロール61表面の接線mと、定着ロール61の近傍において交差角βが鈍角で交差するように形成されている。
ここで、定着器60から排出された用紙Pに波打ちが発生する際のメカニズムについて述べる。まず、定着器60から排出される用紙Pに対しては、圧接されながら回転する定着ロール61と加圧ロール62とから、定着ニップ部Nの出口点N2における定着ロール61表面の接線m方向に押し出す力f1が強く働いている。これは、実験により実証されている事象であるが、定着ニップ部Nでは定着ロール61と加圧ロール62とが圧接されながら回転していることから、用紙Pにおける定着ロール61との吸着力と加圧ロール62との吸着力との間の力のバランスの結果によって生じるものと考えられる。また、用紙Pには定着ロール61側の表面にトナー像が担持されているため、トナー像と定着ロール61表面との間に付着力が働く。それにより、用紙Pには定着ロール61表面側に向かう力f2も作用する。この定着ロール61表面側に向かう力f2は、トナー像と定着ロール61表面との間の付着力であるため、用紙P表面のトナー像の占める面積比率によっても変化するものである。なお、重力の方向は、用紙Pの搬送方向と略逆方向となるため、用紙Pに対して作用する力としての影響は極めて小さい。
このような力が作用する状態のもとでは、定着器60から排紙される用紙Pに働く力としては、定着ニップ部Nから押し出される力f1が主となるが、トナー像の多少によって変化する定着ロール61表面側に向かう力f2が作用することによって、用紙Pの進行方向は、定着ロール61表面の接線m方向から定着ロール61表面側に振られることとなる。具体的には、定着ロール61表面への力f2が比較的強い状態には、用紙Pは定着ロール61表面側に向き、定着ロール61表面への力f2が比較的弱い状態には、接線m方向に向く。このような動きが不安定に生じることによって、用紙Pに波打ちが発生するものと考えられる。
そこで、本実施の形態の排紙ガイド90では、排紙ガイド90の搬送路側の排紙ガイド面90aが、定着ニップ部Nの出口点N2における定着ロール61表面の接線mと、定着ロール61の近傍において交差角βが鈍角で交差するように形成されている。
上述したように、定着器60では、加圧ロール62の中心Q2が定着ロール61の中心Q1を通る水平面から角度θ(θ>0)だけ上方に配置している。それにより、定着ニップ部Nの出口点N2における定着ロール61表面の接線mは、定着ロール61側に傾いて設定される。そのため、定着ロール61側であって、定着ロール61の近傍に排紙ガイド90を配設し、定着ロール61表面の接線mと交差角βが鈍角で交差する排紙ガイド面90aを形成すれば、定着器60から排出される用紙Pに対して強く作用する接線m方向に押し出す力f1が、用紙Pを排紙ガイド面90aに強く押し付けることとなる。それによって、定着器60から排出された用紙Pは、定着ニップ部Nと排紙ガイド面90aとの双方によって強く支持されながら、図6に示すように、剥離爪92の加圧ロール62側の剥離ガイド面92aおよび排紙ガイド90の排紙ガイド面90aの方向に凸となる湾曲した搬送路を通って搬送されることとなる。
このように、定着器60から排出された用紙Pは、定着ニップ部Nと排紙ガイド90の排紙ガイド面90aとによって強く支持されるので、用紙Pが定着器60から排出される際に、定着ロール61表面側に向かう力f2が働いたとしても、定着ニップ部Nにおける支持力と、排紙ガイド面90aからの反力とによって用紙Pには力f2に対向する力が生じる。そのため、用紙Pの進行方向が定着ロール61表面の接線m方向から定着ロール61表面側に振られることが安定的に抑えられて、用紙Pに波打ちが発生することが抑制される。
また、接線mと排紙ガイド90の排紙ガイド面90aとの交差角βは鈍角であるので、排紙ガイド90の排紙ガイド面90aに当接した後の用紙Pは、排紙ガイド面90a上を円滑に搬送される。そのため、用紙Pの先端に進行を妨げるような不要な力が働くことがないので、用紙Pの先端両端部でのドッグイヤーの発生をも抑制することができる。
ところで、このような構成では、接線m方向に押し出す力f1が用紙Pを排紙ガイド90の排紙ガイド面90aに強く押し付ける際に、接線m方向に押し出す力f1を排紙ガイド面90aまで伝えるのは用紙Pの剛性(所謂「こし」)である。そのため、用紙Pの剛性を強く維持するために、定着ニップ部Nの出口点N2と排紙ガイド面90aとの間の距離は短く設定するのが好ましい。そのため、排紙ガイド90の排紙ガイド面90aは定着ロール61の近傍に配置される。具体的には、排紙ガイド面90aは、接線mとの交点が定着ロール61の中心Q1を通る鉛直線よりも加圧ロール62側に位置するように設定している。
続いて、剥離爪92の加圧ロール62側に形成された剥離ガイド面92aの設定角度(傾斜角)について述べる。
図7は、剥離爪92の剥離ガイド面92aの傾斜角範囲について説明する図である。上記したように、定着器60から排出される用紙Pに対しては接線m方向に押し出す力f1が作用し、用紙Pを排紙ガイド90の排紙ガイド面90aに強く押し付けるので、定着器60から排出された用紙Pは、定着ニップ部Nと排紙ガイド面90aとの双方によって強く支持される。そして、用紙Pは、定着ニップ部Nと排紙ガイド面90aとの双方によって強く支持されながら、剥離爪92の剥離ガイド面92aの一部および排紙ガイド面90aに沿う搬送路を通って搬送される。それによって、波打ちが抑制される。したがって、剥離爪92の剥離ガイド面92aは、接線m方向に押し出す力f1が用紙Pを介して排紙ガイド面90aに効率良く伝達されるように設定する必要がある。
ここで、剥離爪92の剥離ガイド面92aが加圧ロール62側に寄って形成される場合(図中、剥離ガイド面92a´に設定された場合)を想定する。この場合には、用紙Pの搬送路は剥離爪92の剥離ガイド面92aによって接線mよりも鉛直方向上方に移動して、図中の経路nに沿うこととなる。そうすると、定着ニップ部Nの出口点N2から接線mと排紙ガイド面90aとの交点P1に向かう力f1は、その方向が経路nの方向に移動し、経路nに沿う方向を向く力f1´に変化する。この場合、力f1´の排紙ガイド90側に向かう成分f1´sは、接線mに沿う力f1の排紙ガイド90側に向かう成分f1sよりも小さくなるので、用紙Pが排紙ガイド90の排紙ガイド面90aに押し付けられる力が低下する。それにより、定着器60から排出された用紙Pを定着ニップ部Nと排紙ガイド面90aとの双方によって強く支持することができなくなり、用紙Pでの波打ちの発生を抑制する効果が充分に得られないこととなる。そのため、剥離爪92の剥離ガイド面92aは、剥離爪92が定着ロール61と当接する点P2を基点として、定着ロール61側の所定の角度(傾斜角)の範囲内に設定する必要がある。
そこで、用紙Pでの波打ちの発生を充分に抑制できるように、接線m方向に押し出す力f1が用紙Pを介して排紙ガイド面90aに効率良く伝達されるような剥離ガイド面92aの傾斜角の設定を調べる実験を行なった。ここでは、剥離爪92の剥離ガイド面92aが、剥離爪92と定着ロール61との当接点P2における鉛直線とのなす角度(傾斜角)をγとして、剥離ガイド面92aの傾斜角γの設定を変化させて、用紙Pでの波打ちの発生を観察した。ただし、傾斜角γは時計回転方向(定着ロール61側)を正とする。
その結果を図8に示した。図8に示したように、傾斜角γが−2.5°よりも小さい場合(鉛直線に対して2.5°より大きく加圧ロール62側に傾斜した場合)には、排紙ガイド90のガイド面90aに用紙Pを押し付けられる力が低下するために、用紙Pにおいて波打ちが発生した。これに対し、傾斜角γが−2.5°以上の場合(鉛直線に対して−2.5°加圧ロール62側に傾斜した位置よりも定着ロール61側に傾斜させた場合)には、排紙ガイド90のガイド面90aに用紙Pを押し付けられる力が充分に得られ、用紙Pでの波打ちの発生を抑制することができた。
このように、剥離爪92の剥離ガイド面92aの傾斜角としては、剥離爪92と定着ロール61との当接点P2における鉛直線とのなす傾斜角γを、γ≧−2.5°に設定することにより、接線m方向に押し出す力f1が用紙Pを介して排紙ガイド面90aに効率良く伝達される。それにより、定着器60から排出された用紙Pは、定着ニップ部Nと排紙ガイド90の排紙ガイド面90aとによって強く支持されるので、剥離爪92の加圧ロール62側の剥離ガイド面92aおよび排紙ガイド90の排紙ガイド面90aの方向に凸となる湾曲した搬送路を形成し、用紙Pでの波打ちの発生を抑制することが可能となる。
また、その一方で、剥離爪92の剥離ガイド面92aと排紙ガイド90の排紙ガイド面90aとのなす角度αは、鈍角(α>90°)であることが好ましい。剥離ガイド面92aと排紙ガイド面90aとのなす角度αを鈍角で形成することで、剥離ガイド面92aから排紙ガイド面90aへの用紙Pの搬送は円滑に行なわれるので、ドッグイヤーの発生を抑えることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1においては、剥離爪92の剥離ガイド面92aは、剥離爪92と定着ロール61との当接点P2における鉛直線とのなす傾斜角γがγ≧−2.5°となるように設定されている。このように構成することによって、定着器60から排出された用紙Pは、定着ニップ部Nと排紙ガイド90のガイド面90aとによって強く支持されるので、用紙Pが定着器60から排出される際に、定着ロール61表面側に向かう力f2が働いたとしても、定着ニップ部Nでの支持力と、排紙ガイド90の排紙ガイド面90aからの反力とによって用紙Pには力f2に対向する充分な力が生じる。それによって、用紙Pの進行方向が定着ロール61表面の接線m方向から定着ロール61表面側に振られることが安定的に抑えられて一定に定まることから、用紙Pに波打ちが発生することが抑制される。
加えて、剥離爪92では、剥離ガイド面92aと排紙ガイド90の排紙ガイド面90aとのなす角度αを鈍角(α>90°)に設定している。これによって、剥離爪92の剥離ガイド面92aから排紙ガイド90のガイド面90aへの用紙Pの搬送は円滑に行なわれるので、ドッグイヤーの発生を抑えることも可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、さらにはこれらの複合機等への適用がある。
画像形成装置を示した概略構成図である。 定着装置の構成を示す断面図である。 排紙ガイドと剥離爪とが設定された幅方向における配置構成を示す図である。 搬送路周りの各構成要素の配置構成を説明する図である。 定着器の排紙側に配置された排紙ガイドを説明する図である。 定着された後の用紙Pが定着器から排紙される際の搬送路を説明する図である。 剥離爪の剥離ガイド面の設定角度範囲について説明する図である。 剥離爪の剥離ガイド面が剥離爪と定着ロールとの当接点における鉛直線とのなす角度γと、用紙Pでの波打ちの発生との関係を示した図である。
符号の説明
1…画像形成装置、10…感光体ドラム、11…帯電器、12…レーザ露光器、13…現像器、14…転写ロール、15…ドラムクリーナ、16…分離爪、17…スターホイール、40…制御部、50…用紙トレイ、51…ピックアップロール、52…搬送ロール、53…レジストロール、54…インレットシュート、55…搬送ガイド、60…定着器、61…定着ロール、62…加圧ロール、65…第1の筺体、66…第2の筐体、67…ハロゲンヒータ、70…サーモスタット、80…定着入口ガイド、90,91…排紙ガイド、92…剥離爪、93…回転ロール、94…排紙ガイドホルダ

Claims (10)

  1. 重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置であって、
    前記定着装置を構成し、内部に加熱源が配設された回転可能な加熱部材と、
    前記定着装置を構成し、前記加熱部材に圧接配置されて定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、
    前記定着ニップ部の前記加熱部材の回転方向下流側近傍にて当該加熱部材と当接し、当該加熱部材から前記記録材を剥離する剥離部材とを備え、
    前記剥離部材は、前記加熱部材との当接部より延びる剥離ガイド面を有し、当該剥離ガイド面は、当該当接部を通る鉛直線に対して前記加圧部材側へ2.5°傾いた位置よりも前記加熱部材側に傾斜して形成されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記加熱部材と前記加圧部材との間の定着ニップ部から排出される前記記録材を装置外部に導く排紙ガイド面を有する排紙ガイド部材をさらに備え、
    前記剥離部材の前記剥離ガイド面は、前記排紙ガイド面と鈍角で交差する方向に形成されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記排紙ガイド部材は、前記排紙ガイド面が前記定着ニップ部の最下流点における前記加熱部材の接線と交差するとともに、当該接線との交差角が鈍角をなすことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記剥離部材と前記排紙ガイド部材とは、リブで形成されたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記剥離部材は、前記剥離ガイド面が前記記録材を担持することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記加圧部材は、中心が前記加熱部材の中心を通る水平面よりも鉛直方向上方に配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 重力に逆らって記録材を下方から上方に搬送する箇所に定着装置を配設する画像形成装置であって、
    前記定着装置を構成し、内部に加熱源が配設された回転可能な定着ロールと、
    前記定着装置を構成し、中心が前記定着ロールの中心を通る水平面よりも鉛直方向上方に配置されるとともに、前記定着ロールに圧接配置されて定着ニップ部を形成する回転可能な加圧ロールと、
    前記定着ニップ部の前記定着ロールの回転方向下流側近傍にて当該定着ロールと当接するとともに、前記定着ロールとの当接部を通る鉛直線に対して前記加圧ロール側へ2.5°傾いた位置よりも前記定着ロール側に傾斜して形成された剥離ガイド面を有し、当該加熱部材から前記記録材を剥離する剥離部材と、
    前記剥離部材の前記記録材の搬送方向下流側にて、当該記録材を装置外部に導く排紙ガイド面を有する排紙ガイド部材と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記剥離部材の前記剥離ガイド面と前記排紙ガイド部材の前記排紙ガイド面とは、前記定着ニップ部を通過した前記記録材から押圧されながら当該記録材を導くことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記剥離部材の前記剥離ガイド面と前記排紙ガイド部材の前記排紙ガイド面とは、鉛直方向に対して前記定着ロール側に向けて凸となる湾曲した面を形成することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  10. 前記排紙ガイド部材は、前記排紙ガイド面が前記定着ニップ部の最下流点における前記定着ロールの接線と鈍角で交差するとともに、前記剥離部材の前記剥離ガイド面と鈍角で交差することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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