JP2006132141A - 施解錠確認装置 - Google Patents

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Shigeki Kikuchi
茂樹 菊池
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Abstract

【課題】表示マグネットによる施解錠確認を行う施解錠確認装置において、マグネットの表示が信頼性と耐久性が高く、既存の鍵と錠にも適用できる汎用性の高い施解錠確認装置を提供すること。
【解決手段】鍵の回転軸に直交する方向に沿って設けられたガイド穴と、前記ガイド穴に移動可能に設けられた移動磁石と、前記ガイド穴の両端側に設けられた磁性体片と、鍵穴の近傍に前記鍵を鍵穴に挿入し施錠側に回転した時に前記移動磁石と反撥して前記移動移動磁石を施錠側磁性体に吸着させる施錠磁石と、前記鍵を解錠側に回転した時に前記移動磁石を解錠側磁性体片に吸着させる解錠磁石を備える。前記移動磁石の位置を確認するための位置表示部を視認する事で施解錠確認を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、鍵の最終の使用状態を鍵に表示させ、外出後に鍵の表示を視認する事により施解錠状態を確認出来る施解錠確認装置に関する。
上記機能を有する施解錠確認装置はこれまでに様々な方式のものが提案されている。中でも確認の表示に電気を使用することなく、機構的にも簡単で、かつ信頼性の高い方式としてマグネットを確認の表示に使用する方法は着想に優れている。
上記方式の例は、特開平4−38382によって提案された施解錠確認装置がある。ここでの表示マグネットの動作原理は、半径方向に着磁された小さな円柱状の表示マグネットを鍵の摘み部内に回動自在に装着し、一方錠側端面の表示マグネットの移動軌跡に沿って相互に着磁方向が異なるドライブマグネットを配設して、ドライブマグネットと表示マグネットが近接したときに両者の間に生じる磁気吸引力及び磁気反発力を利用して表示マグネットを反転させるものである。
しかし、表示マグネットの反転動作は、微妙な磁力バランスの上で成り立つものであり、鍵回転時の急速な磁界の変化や表示マグネット自身の回転時の慣性によって、その反転位置角度を性格に制御する事は難しく、また鍵を戻して抜く時にも磁界の変化を受けるため、表示マグネットの反転位置角度を誤動作なく保持する事は難しく、この点が課題であった。この課題についての改良の提案がいくつかなされている。
例えば特開平8−13868では表示マグネットの上下に間隙を介し、磁性体のブレーキ板を配設して、表示マグネットの急速な回転に伴う暴走に対して、前記ブレーキ板にレンツの法則による渦電流の発生によって表示マグネットにブレーキをかけている。また特開平7−301036では、表示マグネットと間隙を設けて位置保持のマグネットを摺動自在に装着した構造としている。
他の例として、特開平10−196175では鍵を鍵孔から抜いたときの表示マグネットの反転位置を安定に保持するため、鍵の摘み部内に前後方向に移動可能に案内されるようになっているトリガーにて、鍵を鍵孔から抜いた状態でトリガーの傾斜端縁により表示マグネットで弾圧保持している。
上記例は比較的シンプルな構造のもの取り上げたが、この他にも表示マグネットの反転位置角度の保持という課題を解決する手段が提案されている。但しその趣旨とするところは、表示マグネットの回転運動を緩衝または拘束するというものであった。しかし、上記施解錠確認装置の表示マグネットの反転運動は、ドライブマグネットと表示マグネットとの間の磁気の変化で敏感に応答するものであり、この反転運動を緩衝または、拘束して位置を保持する事は、却って表示の信頼性の低下を招き表示の誤動作の原因になる。
また鍵の長期使用によっては、これら緩衝や拘束する手段のメカニズムが磨耗等の不具合によって表示マグネットが円滑に回転しなくなり、施解錠確認機能を維持出来なくなる事態も考えられる。
更に、施解錠操作時に表示マグネットは鍵の摘み部内で静かに回転するだけなので、施錠後表示マグネットがきちんと回転したか否かを視認しない限り、施解錠確認装置が確実に動作したという判断が容易に行えない不安が残る事になる。
本発明は、上記の背景に鑑み、信頼性と耐久性に富み、さらに施解錠時には装置が動作した事を積極的に使用者に伝えられる機能をも合わせ持ち、かつ、鍵携帯時にはその表示が確実に保持される施解錠確認装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明は、鍵の掴み部に前記鍵の回転軸に直交する方向に沿って設けられたガイド穴と、前記ガイド穴に移動可能に設けられた移動磁石と、前記ガイド穴の両端側に設けられた磁性体と、鍵穴の近傍に前記鍵を鍵穴に挿入し施錠側に回転した時に前記移動磁石と反撥して前記移動磁石を施錠側磁性体に吸着させる施錠磁石と、前記鍵を解錠側に回転した時に前記移動磁石を解錠側磁性体に吸着させる解錠磁石を備え、前記移動磁石の位置を確認するための位置表示部を有している事を特徴とする。
施錠時は、鍵を回転し施錠検知位置において移動磁石は、施錠磁石との反発力で施錠側方向に移動し施錠側磁性体に吸着する。すなわち施錠を検知した時点で移動磁石は施錠磁石から最も遠ざかった位置にある。このため鍵を戻し、引き抜く時に施錠磁石の磁力の影響をまったく受けない事になり、施錠側磁性体に吸着してその位置を確実に保持する。
また解錠時には、前記と逆になり、解錠検知位置において移動磁石が開錠磁石との反発力で開錠側方向に移動し解錠側磁性体に吸着する。すなわち解錠を検知した時点で移動磁石は解錠磁石から最も遠ざかった位置にある。したがってこの場合も鍵を戻して引き抜く時に解錠磁石の磁力の影響をまったく受けない事になり、解錠側磁性体に吸着してその位置を確実に保持する。
また移動磁石が施解錠時に反発力によりそれぞれ反対側の磁性体に吸着する際に、移動磁石と磁性体がぶつかる時に“カチッ”という打撃音が生じる。この打撃音を確認する事で施解錠装置が確実に機能したことを使用者に知らせることが出来る。
信頼性と耐久性に富み、施解錠時には装置が動作した事を積極的に使用者に伝えられる機能をも合わせ持ち、かつ、鍵携帯時にはその表示が確実に保持される施解錠確認装置を提供するという目的を、最小の部品点数で、かつ既存の鍵にも簡単に適用できるように実現した。
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明について説明する。最初にこの発明が適用される錠の説明をする。現行使用されている鍵の施解錠の動作形態は以下の2つのタイプがある。
タイプ1:鍵を水平にした状態で鍵孔に挿入し、時計方向或いは反時計方向に90度回して施錠し、反時計方向或いは時計方向に90度戻して鍵を鍵孔から抜き、解錠するときには、施錠と反対の動作を行うもの(90度でないものもある)。
タイプ2:垂直にして鍵孔に挿入し、時計方向或は反時計方向に180度回して施錠し、そのままの状態で鍵孔から抜く。解錠するときには鍵孔に鍵を挿入し反時計方向または時計方向に180度回して解錠して、そのままの状態で鍵を抜くもの。
以上のように施解錠時の鍵の動作形態がそれぞれ異なっている。本発明による施解錠確認装置はタイプ1、タイプ2いずれの動作形態の鍵においても構成を変えることなく適用出来ものである。ここでは説明の都合錠タイプ1の場合で行う。
図1(A)(B)(C)は本発明の移動磁石と施解錠磁石の動作を説明する図であって、鍵穴を正面から見た図になっている。1は錠の外筒を、2は内筒をそれぞれ示し、3は鍵、4および5のハッチング部分は非磁性体からなる鍵の掴み部の断面、6は施錠磁石、7は解錠磁石であり、それぞれの磁石は鍵穴の近傍に固定されている。また8は移動磁石、9は解錠側磁性体、10は施錠側磁性体である。
図1(A)の状態は、鍵を水平にして鍵穴に挿入し、時計方向に90度回転して施錠をしたところを示している。図1(A)の状態になった時、すなわち移動磁石8が施錠検知位置で近接し施錠磁石6と対向した時にお互いの反撥力で反対側にとばされ施錠側磁性体10に吸着する。ここで移動磁石8の位置をみると施錠磁石6からは最も遠い位置になっている。すなわち施錠後に鍵を引き抜くため戻す際に移動磁石8は施錠磁石6の影響を最も受け難い位置にある事がわかる。
図1(B)は鍵を反時計方向に回転し水平に戻して抜く直前の状態である。
図1(C)は解錠位置の状態を示しており、前記の施錠とは逆の動作を行っている。このときも移動磁石8が解錠検知位置で解錠磁石7に近接し対向した時にお互いの反撥力で反対側にとばされ解錠側磁性体9に吸着する。ここでも移動磁石8の位置をみると解錠磁石6からは最も遠い位置にある事がわかる。
以上の説明で、タイプ1の鍵動作の場合においても確実に施解錠の動作がおこなわれるのは明らかである。つまり本発明では磁石の反発力と移動磁石の保持位置を巧みに利用する事により、施解錠時における移動磁石のそれぞれの位置保持を誤動作なく制御出来るわけで、どちら側の位置に移動磁石があるかを視認する事で施錠か解錠かを確認する事出来る。
図2は本発明の構成を示す実施例で、図は鍵穴側から見た図になっている。1〜10は図1(A)(B)(C)と同様である。11は覗き窓付きシートでこの一部分が透明になっており、この透明部の窓から移動磁石8の位置を視認することで、施解錠の確認を行う。鍵3を鍵の掴み部下4と鍵の掴み部上5の間にはさみ、ワッシャー13とネジ14および板ナット12にて固定する。15は掴み部上5と掴み部下4を固定するネジであり、16は錠への取り付け板、17は磁石ホルダーである。
図3はシート11を外した図で、鍵の摘み部上5内の詳細な構成を示している。非磁性体材質の鍵の掴み部上5に設けられたガイド穴18は鍵の回転軸と直交している。ガイド穴18と同じ軸方向に着磁された移動磁石8と、施解錠磁性体9,10はガイド穴18の両端で仕切られた壁を挟んだ状態で吸着しており、この壁の距離と磁性体と移動磁石10の磁力の関係によって生ずる吸着力によって、移動磁石10の位置保持力が定まる。この位置保持力より大きな反撥力が移動磁石10に加わると、移動磁石10はガイド穴18の反対側に飛ばされ、反対側の磁性体と吸着する。以上のような構成になっており、可動部は移動磁石10のみという極めてシンプルな構造を実現した。
施解錠の状態を鍵が確実に保持するので、携帯する鍵でない場合に鍵を保管する場所にて、移動磁石の位置を自動的に読み取るセンサーを取り付ける事によって、鍵の操作者による施解錠忘れを防止する用途にも適用できる。
施解錠確認装置の動作原理を示した説明図である。 施解錠確認装置の全体構成を説明する実施例である。 施解錠確認装置の動作部を説明する実施例である。
符号の説明
1 錠の外筒
2 錠の内筒
3 鍵
4 鍵の掴み部/上
5 鍵の掴み部/下
6 施錠磁石
7 解錠磁石
8 移動磁石
9 解錠側磁性体
10 施錠側磁性体
11 覗き窓つきシート
12 板ナット
13 座金
14 固定ネジ
15 固定ネジ
16 錠への取り付け板
17 磁石ホルダー
18 ガイド穴

Claims (1)

  1. 鍵の掴み部に、前記鍵の回転軸に直交する方向に沿って設けられたガイド穴と、前記ガイド穴に移動可能に設けられた移動磁石と、前記ガイド穴の両端側に設けられた磁性体と、鍵穴の近傍に前記鍵を鍵穴に挿入し施錠側に回転した時に前記移動磁石と反撥して前記移動磁石を施錠側磁性体に吸着させる施錠磁石と、前記鍵を解錠側に回転した時に前記移動磁石を解錠側磁性体に吸着させる解錠磁石を備え、前記移動磁石の位置を確認するための位置表示部を有していることを特徴とする施解錠確認装置。
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