JP2006131122A - 車両制動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦ブレーキの周期的制動トルク変動の影響が車体に伝達されないようにする。
【解決手段】制動要求があり、ある車輪の液圧ブレーキが制動トルク変動の大きい特定摩擦ブレーキでなければ、当該液圧ブレーキを(再配分された)個別車輪制動力に基づいて作動させる(S33,S34)。特定摩擦ブレーキである場合、個別車輪制動力が電気制動装置により発生可能であれば(S35)、当該液圧ブレーキを作動させずに回生制動(S37,S38)か逆転制動(S39,S40)を行う。電気制動装置により発生不可能であり、その制動力を当該液圧ブレーキ以外の液圧ブレーキに再配分可能であれば(S41)、当該液圧ブレーキを作動させず、他の液圧ブレーキに制動力を分担させる(S42,S43.)。再配分不可能であれば、当該液圧ブレーキを作動させるとともに、その液圧ブレーキの制動トルク変動を打ち消すように回生制動あるいは逆転制動を行う(S44)。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両を制動する制動システムに関するものであり、特に、摩擦ブレーキの制動トルクの周期的変動の影響が車体に伝達されることを回避し得る車両制動システムに関する。
摩擦ブレーキは、車輪と共に回転するブレーキ回転体に、非回転部材に支持された摩擦部材を押し付けることによって、ブレーキ回転体および車輪の回転を抑制する制動トルクを発生させ、その結果車輪と路面との間に生じる摩擦力である制動力の和によって車両を制動するものである。本明細書においては、個別の車輪の制動力を個別車輪制動力、それら個別車輪制動力の和を車両制動力と称することとする。
さて、摩擦ブレーキの作動時に車体に比較的周期の長い振動が生じることがある。その一因は、ブレーキ回転体の周方向における不均一に起因する制動トルク変動である。例えば、ディスクロータに摩擦部材を押し付けることによりディスクロータの回転を抑制するディスクブレーキにおいて、ディスクロータが周方向において不均一に摩耗すること等により、厚さの不均一が生じることがあり、これが周期的制動トルク変動の原因となる。従来は、ブレーキシリンダに接続される液圧回路にダンパ装置を設ける等、機械的な手段を設けることによって振動を抑制することが行われていたが、機械的手段を設ければ制動システムのコストが上昇し、しかも必ずしも十分な効果が得られなかった。
一方、摩擦ブレーキの作動時に周波数の高い振動が発生し、「ブレーキの鳴き」と称される異音が発生することがある。この鳴きの原因は上記周期的制動トルク変動とは異なるが、鳴きも摩擦ブレーキの振動の一種であり、この鳴きを防止する技術が下記特許文献1および2に記載されている。特許文献1には、左右前後いずれかの車輪の摩擦ブレーキが鳴く状態となった場合に、その鳴く摩擦ブレーキの制動トルクを鳴きが生じない範囲の大きさに変更するとともに、車両制動力が変わらないようにすることが記載されている。具体的には、鳴く摩擦ブレーキと、その摩擦ブレーキとは左右反対側の摩擦ブレーキの制動トルクとを同様に変更し、代わりに前後反対側の左右車輪の摩擦ブレーキの制動トルクを逆向きに変更して、車両制動力は変わらないようにするのである。ブレーキの鳴きは、ブレーキシリンダの液圧が特定範囲内である場合に生じ易いため、鳴きが生じる摩擦ブレーキの制動トルクをその特定範囲から外れた大きさにすれば、鳴きの発生を回避することができ、かつ、車輪制動力の和が左右で異ならないようにすれば、操縦安定性が損なわれることもないのである。
また、特許文献2には、鳴く摩擦ブレーキの制動トルクを鳴かない範囲の大きさに変更するとともに、その変更とは逆向きに回生制動トルクを変更し、両制動トルクの和は変化させることなく、鳴きの発生を回避することが記載されている。
さらに、特許文献3には、各車輪の液圧ブレーキの制動トルクを制御することにより、回生制動による回収エネルギ量を最大限にする技術が記載されている。
特開平10−305768号公報 特開平10−329681号公報 特開平9−215107号公報
本発明は以上の事情の下に、車両の複数の車輪の摩擦ブレーキに周波数の低い周期的制動トルク変動が発生する場合に、その制動トルク変動が乗員に不快感を与えることを、車両制動力を変化させることなく、回避することを目的としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両制動システムは、(a)1台の車両の複数の車輪の各々に対応して設けられ、それぞれブレーキ回転体に摩擦部材を押し付けて各車輪の回転を抑制する複数の摩擦ブレーキと、(b)それら複数の摩擦ブレーキのうち、作動時に周期的な制動トルク変動が生じる摩擦ブレーキである特定摩擦ブレーキの情報を取得する特定摩擦ブレーキ情報取得部と、(c)前記1台の車両全体としての要求制動力を取得する全体要求制動力取得部と、(d)その全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力を、前記特定摩擦ブレーキの周期的な制動トルク変動が前記車両に伝達されない状態で発生させるように、少なくとも前記複数の摩擦ブレーキを含む制動トルク発生装置を制御する制御装置とを含むものとされる。
上記「特定摩擦ブレーキの情報」には、どの摩擦ブレーキに周期的な制動トルク変動が生じるかの情報や、制動トルクの周期的変動の波形の情報が含まれる。前者は、例えば、後述の特定摩擦ブレーキ除外制御部,分担制御部,代替制御部等により利用され、後者は、例えば、後述の打消制御部において使用される。
本発明に係る車両制動システムにおいては、特定摩擦ブレーキ情報取得部が特定摩擦ブレーキの情報を取得する。特定摩擦ブレーキ情報取得部が、複数の摩擦ブレーキの作動毎に、それらのいずれかに周期的な制動トルク変動が生じるか否かを検出し、特定摩擦ブレーキの情報を取得するようにすることも可能であるが、予め特定摩擦ブレーキの情報が取得され、記憶部に記憶されているものを読み出して取得するものとすることが望ましい。そのようにすれば、制動開始当初から、制御装置が周期的な制動トルク変動の影響が車体に伝達されることを回避する制御を行うことができるからである。車両制動システムが、後述の特定摩擦ブレーキ検出部を備えたものである場合には、その特定摩擦ブレーキ検出部により予め取得された特定摩擦ブレーキの情報を記憶部に記憶させることができる。ただし、不可欠ではない。例えば、乗員やサービスマンが特定摩擦ブレーキを認識し、入力部から入力する情報を記憶部が記憶するようにすることも可能なのである。
本発明に係る車両制動システムにおいてはさらに、全体要求制動力取得部が車両全体としての要求制動力を取得する。例えば、車両制動システムが、乗員の制動操作部材の操作に応じて作動させられる場合には、制動操作部材の操作力,操作ストローク等の操作情報に基づいて要求制動力を取得する操作情報依拠取得部により、また、車両の走行速度が設定車速に自動制御される定速走行制御や先行車両に自動で追従する追従走行制御が行われている場合には、走行制御装置から供給される所要減速度の情報に基づいて要求制動力を取得する所要減速度依拠取得部により、それぞれ要求制動力を取得するのである。
そして、取得された特定摩擦ブレーキ情報と要求制動力とに基づいて、制御装置が、少なくとも摩擦ブレーキを含む制動トルク発生装置を制御し、特定摩擦ブレーキの周期的な制動トルク変動が生じないようにするか、生じても車体に伝達されないようにし、かつ、全体要求制動力を確保するとともに車両の左右において制動力差が生じないようにする。制動トルク発生装置は、複数の摩擦ブレーキのみを含む場合と、後述の電気制動装置等別のブレーキをも含む場合とがあり、制御装置は、摩擦ブレーキと、別のブレーキとの少なくとも一方を制御する。例えば、後述の分担制御部は摩擦ブレーキを制御し、代替制御部は特定摩擦ブレーキとそれに対応する電気制動装置とを制御するのであり、特定摩擦ブレーキは作用させられないため周期的な制動トルク変動自体が生じない。また、例えば、後述の打消制御部は、別のブレーキとしての電気制動装置を単独であるいは特定摩擦ブレーキと共に制御し、特定摩擦ブレーキの作動によって生じる周期的な制動トルク変動を電気制動装置の制動トルク制御により打ち消させるのであり、周期的な制動トルク変動は車体へは伝達されない。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(6)項が請求項4に、(10)項と(11)項とを合わせたものが請求項5に、(12)項が請求項6に、(13)項,(14)項および(15)項を合わせたものが請求項7に、(19)項が請求項8に、(21)項が請求項9に、それぞれ相当する。
(1)1台の車両の複数の車輪の各々に対応して設けられ、それぞれブレーキ回転体に摩擦部材を押し付けて各車輪の回転を抑制する複数の摩擦ブレーキと、
それら複数の摩擦ブレーキのうち、作動時に周期的な制動トルク変動が生じる摩擦ブレーキである特定摩擦ブレーキの情報を取得する特定摩擦ブレーキ情報取得部と、
前記1台の車両全体としての要求制動力を取得する全体要求制動力取得部と、
その全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力を、前記特定摩擦ブレーキの周期的な制動トルク変動が前記車両に伝達されない状態で発生させるように、少なくとも前記複数の摩擦ブレーキを含む制動トルク発生装置を制御する制御装置と
を含む車両制動システム。
(2)前記制御装置が、前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力を、前記制動トルク発生装置の、前記特定摩擦ブレーキを除く部分により発生させる特定摩擦ブレーキ除外制御部を含む(1)項に記載の車両制動システム。
特定摩擦ブレーキ除外制御部による場合は、特定摩擦ブレーキは作動させられないため、周期的な制動トルク変動自体が生じない。
(3)前記特定摩擦ブレーキ除外制御部が、前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力に基づいて、前記複数の摩擦ブレーキのうち前記特定摩擦ブレーキ以外のものである一般摩擦ブレーキの各々が分担すべき分担制動力を、それら分担制動力の和が前記全体要求制動力に等しく、かつ、前記車両の右側の制動力と左側の制動力とが互いに等しくなる大きさに決定し、その決定した分担制動力を前記一般摩擦ブレーキの各々に分担させる分担制御部を含む(2)項に記載の車両制動システム。
分担制御部による場合は、摩擦ブレーキ装置のみの制御により目的を達し得るため、電気制動装置等の存在は不可欠ではない。また、特定摩擦ブレーキは作動させられないため、周期的な制動トルク変動自体が生じない。
(4)前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、前記制御装置がその電気制動装置を前記特定摩擦ブレーキの代わりに作動させる代替制御部を含む(1)項または(2)項に記載の車両制動システム。
電気制動装置は、1台の車両のすべての車輪に対応して設けられることが望ましいが、一部の車輪、例えば、左右前輪あるいは左右後輪にのみ対応して設けられてもよい。下記各項の電気制動装置についても同様である。
車両の複数の車輪のうちの少なくとも一部のものに対応して電動機が設けられ、それら少なくとも一部の車輪に駆動トルクが付与される場合があり、その場合には、制動時に電動機が発電機として作動させられ、発電された電流がバッテリへ回収されるようにすることが既に知られている。ただし、車輪速が低い領域においては回生制動は有効ではなく、また、バッテリに充電余裕がない場合にも回生制動の実施は不可能である。したがって、車輪の各々に摩擦ブレーキも設けられるのが普通である。本項の発明に係る車両制動システムはこの種の車両に適しているが、不可欠ではない。少なくとも制動時に発電機あるいは電動機として機能するものが左車輪と右車輪とにそれぞれ設けられていれば、それらを利用して回生制動と逆転制動との少なくとも一方を実施することができるのである。
なお、上記回生制動は、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換して回収し得るため回生制動が有効であり、かつ、バッテリへの充電が可能である限り、回生制動が実行され、回生制動では制動トルクが不足の場合に、不足分だけ摩擦ブレーキ装置が作動させられるのが普通である。その場合には回生制動を行う電気制動装置は本発明に係る電気制動装置には当たらず、逆転制動を行う場合にはじめて本発明に係る電気制動装置に当たることとなる。しかし、特定摩擦ブレーキが生じた場合には、原則として回生制動は行わず、特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置にのみ回生制動を行わせるようにすることも可能であり、その場合には、回生制動を行う電気制動装置が本発明に係る電気制動装置となる。上記のように電気制動装置に原則として回生制動を行わせないのは、バッテリの充電余裕が少ない場合のみとすることもできる。
代替制御部による場合も、特定摩擦ブレーキは作動させられないため、周期的な制動トルク変動自体が生じない。
(5)前記電気制動装置が、前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪に逆転制動により制動トルクを加える逆転制動部を含む(4)項に記載の車両制動システム。
逆転制動によれば、回生制動による場合より大きな制動トルクを車輪に付与することができる。
(6)前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、前記制御装置が、少なくともその電気制動装置を制御することにより、その電気制動装置に前記特定摩擦ブレーキの前記周期的な制動トルク変動を打ち消す打消トルクを発生させる打消制御部を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両制動システム。
制御装置は、前記電気制動装置と共に特定摩擦ブレーキを制御するものであっても、制御しないものであってもよい。前者は、特定摩擦ブレーキの制動トルクを、周期的な変動による最大制動トルクが特定摩擦ブレーキに対応する車輪が分担すべき分担制動力に対応する制動トルク以下となるように低下させ、その低下させた制動トルクと分担制動力に対応する制動トルクとの差を電気制動装置に埋めさせるものであり、後者は、特定摩擦ブレーキの制動トルクが分担制動力に対応する制動トルクより大きい状態では、過大な分を、電気制動装置の発電機を電動機として作動させてそれの駆動トルクにより打ち消し、特定摩擦ブレーキの制動トルクが分担制動力に対応する制動トルクより小さい状態では、不足の分を電気制動装置の回生制動や逆転制動により補うものである。制御装置が電気制動装置と共に特定摩擦ブレーキを制御するものである場合、摩擦ブレーキ装置の周期的な変動による最小制動トルクが分担制動力に対応する制動トルク以上となるように摩擦ブレーキ装置の制動トルクを制御し、その結果過大になる分の制動トルクを電気制動装置の発電機を電動機として作動させることによる駆動トルクで打ち消すものとすることも可能である。
いずれにしても、特定摩擦ブレーキの作動に伴って発生する周期的な制動トルク変動が、意図的に発生させられる電気制動装置の制動トルクの変動により打ち消され、車体に伝達されることが回避される。
(7)前記摩擦ブレーキが液圧で作動するブレーキシリンダにより前記摩擦部材を前記ブレーキ回転体に押し付ける液圧ブレーキである(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両制動システム。
液圧ブレーキは液圧の制御により周期的な制動トルク変動を打ち消すことが困難であるため、摩擦ブレーキが液圧ブレーキである場合に、本発明の効果を特に有効に享受できる。
(8)前記摩擦ブレーキが電動アクチュエータの作動力に基づいて前記摩擦部材を前記ブレーキ回転体に押し付ける電動ブレーキである(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両制動システム。
電動ブレーキにおいては、制動トルクの周期的な変動に起因して電動アクチュエータを流れる電流に周期的な変動が現れるため、後述の特定摩擦ブレーキ検出部を、電動アクチュエータの電流を検出する電流センサと、その電流センサの検出結果に基づいて制動トルクの周期的な変動を検出する電流依拠検出部とを含むものとすることができる。
(9)前記制御装置が、前記特定摩擦ブレーキの電動アクチュエータを、前記周期的な制動トルク変動を打ち消しつつその特定摩擦ブレーキに対応する車輪が発生させるべき個別車輪制動力を発生させるように制御する電動アクチュエータ制御部を含む(8)項に記載の車両制動システム。
本項の特徴によれば、摩擦ブレーキのみの制御によって目的を達し得るが、不可欠ではない。電動ブレーキの他に電気制動装置を設けて、摩擦ブレーキが液圧ブレーキである場合と同様にして目的を達成することもできるのである。
(10)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する、前記制動トルク発生装置の構成要素としての複数の電気制動装置と、
前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力に基づいて、前記複数の車輪の各々が発生させるべき制動力である個別車輪制動力を取得する個別車輪制動力取得部と
の少なくとも一方を含む(1)項に記載の車両制動システム。
(11)前記電気制動装置と前記個別車輪制動力取得部との両方を含み、かつ、前記制御装置が、
(a)前記個別車輪制動力取得部により取得された前記特定摩擦ブレーキの個別車輪制動力が、その特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置により発生可能な大きさである場合に、その対応する電気制動装置を作動させ、特定摩擦ブレーキを作動させない第一制御部と、
(b)前記個別車輪制動力取得部により取得された前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力が、その特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置により発生不可能な大きさである場合に、前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力に基づいて、前記複数の摩擦ブレーキのうち前記特定摩擦ブレーキ以外のものである一般摩擦ブレーキの各々が分担すべき制動力である分担制動力を、それら分担制動力の和が前記全体要求制動力に等しくかつ前記車両の右側と左側とで相等しくなる大きさに決定して、一般摩擦ブレーキを制御する第二制御部と、
(c)前記個別車輪制動力取得部により取得された前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力が、その特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置により発生不可能な大きさである場合に、少なくとも電気制動装置を制御し、電気制動装置による正または負の制動トルクが特定摩擦ブレーキによる制動トルクの前記周期的な変動を打ち消し、かつ、それら互いに対応する特定摩擦ブレーキと電気制動装置とにより発生させられる車輪制動力の和が前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力と等しくなるようにする第三制御部と
の少なくとも2つを含む(10)項に記載の車両制動システム。
上記「電気制動装置による負の制動力」とは、前記(6)項に関連して説明した発電機が電動機として作動して発生させる駆動力のことである。
上記第一制御部,第二制御部および第三制御部は、記載の順序が早いものほど、無理なくあるいは高い信頼性を以て周期的変動の車体への伝達を回避し得るため、記載の順序と同じ優先度で実施されるようにすることが望ましい。第一制御部と、第二制御部または第三制御部との併用が有効であることは当然であり、説明を要しない。第二制御部と第三制御部との併用は、例えば、通常は第二制御部が作動させられ、第二制御部では全体要求制動力を発生させ得ない場合、あるいは、第二制御部の故障時に、第三制御部が作動させられるようにする場合に特に有効である。
(12)前記周期的な制動トルク変動が、前記ブレーキ回転体の1回転を周期とするものである(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両制動システム。
ブレーキ回転体の1回転を周期とする制動トルク変動は検出することも、打消制御部により打ち消すことも容易であり、本発明を容易に実施することができる。しかも、前述のように、ブレーキ回転体の周方向の不均一に起因する制動トルク変動は、必然的にブレーキ回転体の1回転を周期として発生するので好都合である。
なお、ブレーキ回転体の1回転を周期とする周期的な制動トルク変動を検出するためには、ブレーキ回転体と同期して回転するロータリエンコーダを設けることが望ましく、発電機を備えた電気制動装置が設けられる場合には、その発電機のロータの回転角度を検出するロータリエンコーダをブレーキ回転体の回転角度を検出するロータリエンコーダとして利用することが望ましい。
(13)前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する特定摩擦ブレーキ検出部を含む(1)ないし(12)項のいずれかに記載の車両制動システム。
(14)前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記特定摩擦ブレーキにおいて発生する周期的な制動トルク変動を、前記ブレーキ回転体の1回転を周期として検出し、記憶する制動トルク変動検出・記憶部を含む(13)項に記載の車両制動システム。
(15)前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記車両が一定車速で走行している際に、前記複数の摩擦ブレーキを予め定められた強さで作動させ、発生制動トルクに周期的な変動が含まれている摩擦ブレーキが存在するか否かを検出する一定車速時検出部を含む(13)項または(14)項に記載の車両制動システム。
車両が一定車速で走行している際に特定摩擦ブレーキ検出部を作動させれば、ブレーキ回転体の1回転の間における回転速度の変化を無視し得るため、検出が容易である。制動トルク変動検出・記憶部に記憶される制動トルク変動に回転速度変化に基づく修正を加える必要がないことは特に好都合である。この観点からすれば、上記「予め定められた強さ」は、周期的な制動トルク変動の有無を検出し得る範囲で、できる限りかぎり弱く設定することが望ましい。
(16)前記一定車速時検出部が、前記複数の摩擦ブレーキを順次1つずつ作動させ、各摩擦ブレーキが特定摩擦ブレーキであるか否かを検出する順次検出部を含む(15)項に記載の車両制動システム。
摩擦ブレーキを順次1つずつ作動させれば、いずれの摩擦ブレーキが特定摩擦ブレーキであるかが明確に判り、かつ、車両全体としての制動力が小さくて済み、ブレーキ回転体の回転速度の変化を小さくすることができる。
(17)前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記一定車速時検出部を作動させる際、作動させられる1つまたは複数の摩擦ブレーキの制動トルクに対応する駆動トルク増加を前記車両の走行駆動装置に生じさせ、車両に一定車速の走行を続けさせる車速維持部を含む(15)項または(16)項に記載の車両制動システム。
ブレーキ回転体の1回転における回転速度の変化を良好に回避することができ、かつ、特定摩擦ブレーキ検出部の作動により乗員に違和感を抱かせることを良好に回避することができる。
(18)前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記車両が設定車速以上の車速で走行している状態で前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する設定車速以上時検出部を含む(15)項ないし(17)項のいずれかに記載の車両制動システム。
制動トルクの周期的変動は、例えば、時速80km以上というように、車速が比較的大きい場合に生じ易いため、本項の特徴によれば、特定摩擦ブレーキの有無を確実に検出することができる。
(19)前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、かつ、当該車両制動システムが、前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する特定摩擦ブレーキ検出部を含み、かつ、その特定摩擦ブレーキ検出部が、前記電気制動装置が作動している状態で前記摩擦ブレーキを作動させ、前記特定摩擦ブレーキの検出を行う電気制動時検出部を含む(13)項ないし(18)項のいずれかに記載の車両制動システム。
電気制動時検出部の作動により乗員に違和感を抱かせることを回避するため、電気制動時検出部は、摩擦ブレーキの制動トルク分、電気制動装置の制動トルクを低減させる電気制動トルク低減部を含むものとすることが望ましい。
電気制動装置の作動により車両に減速度が生じているため、さらに特定摩擦ブレーキ検出部を作動させても、乗員に違和感を抱かせることが少なくて済む。
(20)前記電気制動時検出部が、前記発電機または電動機の電流の変動に基づいて前記特定摩擦ブレーキの検出を行う電流依拠検出部を含む(19)項に記載の車両制動システム。
本項の特徴によれば、特定摩擦ブレーキを容易に検出することができる。特定摩擦ブレーキと電気制動装置とが同時に作用している状態では、特定摩擦ブレーキの制動トルク変動が車輪の回転速度変動を引き起こすため、電気制動装置の電流に変動が生じる。したがって、電気制動装置の電流変動を監視すれば、同時に作動している摩擦ブレーキが特定摩擦ブレーキであるか否かを検出することができるのである。
(21)前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する特定摩擦ブレーキ検出部を含み、かつ、その特定摩擦ブレーキ検出部が、前記複数の摩擦ブレーキの作動時に前記特定摩擦ブレーキの検出を行う摩擦ブレーキ作動時検出部を含む(13)項ないし(20)項のいずれかに記載の車両制動システム。
特定摩擦ブレーキの検出のためにわざわざ摩擦ブレーキを作動させるわけではないので、無駄なく検出を行うことができ、頻繁に検出を行っても差し支えない。ただし、ブレーキ回転体の1回転の間における回転速度の変化が大きくなる可能性があるため、制動トルク変動検出・記憶部を作動させる場合には制動トルク検出結果が修正されるようにするか、または制動トルクが設定値(車輪の1回転中における回転速度の低下を無視し得る大きさに設定される)以下の場合にのみ制動トルク変動の波形検出が行われるようにすることが望ましい。あるいは、摩擦ブレーキ作動時検出部は制動トルクの周期的な変動が生じているか否かのみを検出するものとし、生じていることが判明した場合に一定車速時検出部等が作動させられて、制動トルクの検出が行われるようにすることが望ましい。
(22)前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、前記摩擦ブレーキ作動時検出部が、前記電気制動装置を作動させ、前記発電機または電動機の電流の変動に基づいて前記特定摩擦ブレーキの検出を行う電流依拠検出部を含む(21)項に記載の車両制動システム。
(23)前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記摩擦ブレーキが発生する制動トルクを検出する制動トルク検出部と、その制動トルク検出部により検出された制動トルクの変動に基づいて前記特定摩擦ブレーキを検出する制動トルク依拠検出部とを含む(13)項ないし(22)項のいずれかに記載の車両制動システム。
制動トルク依拠検出部は、例えば、摩擦部材が周方向に移動しようとする力や、摩擦部材を保持しているマウンティングブラケットの歪みに基づいて制動トルクを検出するものとすることができる。
(24)前記摩擦ブレーキが液圧により作動するブレーキシリンダを備えた液圧ブレーキであり、前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記ブレーキシリンダの液圧を検出する液圧センサと、その液圧センサにより検出された液圧の変動に基づいて前記特定摩擦ブレーキを検出する液圧変動依拠検出部とを含む(13)項ないし(23)項のいずれかに記載の車両制動システム。
制動トルク変動が生じる場合にはブレーキシリンダの液圧も変動するため、液圧変動依拠検出部により制動トルク変動を検出することができる。
(25)前記特定摩擦ブレーキ検出部が、前記複数の車輪の各々の回転速度である車輪速を検出する複数の車輪速センサと、それら車輪速センサにより検出された車輪速の変動に基づいて前記特定摩擦ブレーキを検出する車輪速変動依拠検出部とを含む(13)項ないし(24)項のいずれかに記載の車両制動システム。
制動トルク変動が生じる場合には車輪速も変動するため、車輪速変動依拠検出部により制動トルク変動を検出することができる。
(26)乗員による入力に応じて前記特定摩擦ブレーキ検出部の作動を禁止する禁止部を含む(13)項ないし(25)項のいずれかに記載の車両制動システム。
禁止部は、特定摩擦ブレーキ検出部の作動開始を乗員が望まない場合にはその作動開始を禁止するものであるが、それとともに、あるいはそれに代えて、作動開始後にその作動を停止させるものとすることもできる。下記報知部が設けられる場合には、その報知に応じて乗員が作動禁止スイッチ等の操作部材を操作し、特定摩擦ブレーキ検出部の作動を禁止し得るようにすることが望ましい。
(27)前記特定摩擦ブレーキ検出部の作動を報知する報知部を含む(13)項ないし(26)項のいずれかに記載の車両制動システム。
特定摩擦ブレーキ検出部が作動する場合には、運転者が意図しない減速度が生じる可能性があるため、報知部を設けることが望ましい。
(28)前記報知部が、前記特定摩擦ブレーキ検出部の作動を前記車両の乗員に報知する(27)項に記載の車両制動システム。
乗員が違和感を抱くことを回避することができる。
(29)前記報知部が、前記特定摩擦ブレーキ検出部の作動を後続車の乗員に報知する(27)項または(28)項に記載の車両制動システム。
減速の可能性を後続車の運転者に知らせることができる。
(30)前記制御装置に、前記車両の使用期間と、車両の積算走行距離と、前記特定摩擦ブレーキ情報取得部により最後に特定摩擦ブレーキ情報が取得された時期と、前記制御装置による周期的な制動トルク変動の車両への伝達防止制御が実行された時期との少なくとも1つの情報を供給する情報供給部を含む(1)項ないし(29)項のいずれかに記載の車両制動システム。
摩擦ブレーキの制動トルクの周期的変動は、ブレーキ回転体の周方向における不均一、例えば、ディスクロータの厚さの周方向不均一やブレーキドラムの内周面半径の周方向不均一等により発生することが多いが、これらは、発生するにしても、例えば数千km単位の積算走行距離増加に伴って発生するに過ぎないため、その程度の積算距離走行する毎に特定摩擦ブレーキ情報の取得が行われればよい。上記情報のいずれかが制御装置に供給されれば、制御装置は、例えば、それら情報に基づいて適切な時間間隔あるいは積算走行距離間隔をおいて特定摩擦ブレーキ検出部を作動させることができる。
以下、請求可能発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
請求可能発明の一実施例としての車両制動システムを図1および図2に示す。本車両制動システムは、1台の車両の左右前後に位置する4つの車輪10,11,12,13の各々に対応して設けられた、電気制動装置20と、摩擦ブレーキの一種である液圧ブレーキ24,25,26,27とを含む制動トルク発生装置を備えている。電気制動装置20は、図1に示す電動モータ30を備える。本実施例における電動モータ30は、車輪10〜13のホイール32の内側に設けられたインホイールモータとされている。電動モータ30は、ステータ34とロータ36とを備えている。ステータ34は、非回転側保持部材40に固定されている。非回転側保持部材40は、結合装置42によりナックル44に固定されている。結合装置42は、本実施例では、ナックル44から非回転側保持部材40に向かって延びる複数のアーム部材によって構成されている。ナックル44は、サスペンションアーム46,48に連結されている。これらナックル44およびサスペンションアーム46,48が非回転部を構成している。また、ロータ36は、ステータ34に対して半径方向外側に隙間を隔てて設けられ、回転側保持部材50に固定されている。回転側保持部材50は、その内周側において軸受52を介して非回転側保持部材40により回転可能に保持されており、その外周側においてホイール32に結合されている。
60はホイール32と結合されたハブ部、62はサスペンション装置であり、サスペンション装置62は前記サスペンションアーム46,48およびショックアブソーバ64,スプリング66等により構成されている。ハブ部60には、ブレーキ回転体たるブレーキディスク70が固定され、そのブレーキディスク70とキャリパ72とにより前記液圧ブレーキ24,25,26,27が構成されている。液圧ブレーキ24〜27は、キャリパ72に設けられたブレーキシリンダ74,75,76,77を備え、ブレーキシリンダ74〜77の液圧によって作動させられる。車輪10〜13とともに回転するブレーキディスク70に、非回転部に保持された摩擦部材としてのブレーキパッド78をブレーキシリンダ74〜77が押し付けることにより、液圧ブレーキ24〜27が作動させられ、各車輪10〜13に液圧制動トルクが加えられる。
電動モータ30は、図2に示すように、コンピュータを主体とするモータECU(電気制御ユニット)90によって制御される。なお、電動モータ30,電源装置としてのバッテリ92,電力変換装置94等が走行駆動装置を構成している。電力変換装置94は、インバータ等を含むものであり、モータECU90によって制御される。インバータによる電流制御により、少なくとも、電動モータ30がバッテリ92から電気エネルギが供給されて回転させられる回転駆動状態と、回生制動により発電機として機能することによりバッテリ92に電気エネルギーを充電する回生制動状態と、電動モータ30に駆動時の回転方向とは逆回転する向きの電流が供給されることにより、電動機として機能して回生制動よりは強いブレーキを作動させる逆転制動状態とに切り換えられる。回生制動状態においては、車輪10に回生制動トルクが加えられ、回転が抑制される。したがって、走行駆動装置は、電動モータ30の回生制動により車輪10に回生制動トルクを加える回生制動装置(回生制動部)であり、かつ、電動モータ30の逆転制動により車輪10に制動トルクを加える逆転制動装置(逆転制動部)でもある。電気制動装置20は、これら回生制動装置および逆転制動装置を含むものである。
液圧ブレーキ24〜27を主体とする液圧ブレーキシステムについて、図2に基づいて説明する。このシステムは、制動操作部材としてのブレーキペダル110,2つの加圧室を含むマスタシリンダ112,動力により作動させられる動力液圧源114,前記液圧ブレーキ24〜27等を含む。マスタシリンダ112は、2つの加圧ピストンを含むものであり、2つの加圧ピストンのそれぞれの前方の液圧室には乗員たる運転者によるブレーキペダル110の操作によって、その操作力に応じた液圧が発生させられる。マスタシリンダ112の2つの加圧室には、それぞれ、マスタ通路126,127を介して左右前輪のブレーキシリンダ74,75が接続されている。マスタ通路126,127の途中には、それぞれ、マスタ遮断弁129,130が設けられている。マスタ遮断弁129,130は常開の電磁開閉弁である。
また、動力液圧源114には、4つのブレーキシリンダ74〜77がポンプ通路136を介して接続されている。ブレーキシリンダ74〜77には、マスタシリンダ112から遮断された状態で動力液圧源114から液圧が供給され、液圧ブレーキ24〜27が作動させられる。ブレーキシリンダ74〜77の液圧は液圧制御弁装置138により制御される。このように、左右前後輪のブレーキシリンダ74〜77は、動力液圧源114の液圧によって作動可能なものであるが、左右前輪のブレーキシリンダ74,75は、マスタシリンダ112の液圧(マスタ圧と称する)によっても作動可能である。
動力液圧源114は、ポンプ166およびそのポンプ166を駆動するポンプモータ168を備えたポンプ装置を含む。ポンプ166の吸入側は吸入通路170を介してマスタリザーバ172(以下、リザーバ172と略称する)に接続され、吐出側にはアキュムレータ174が接続されている。ポンプ166によってリザーバ172の作動液が汲み上げられてアキュムレータ174に供給され、加圧された状態で蓄えられる。これらポンプ166,ポンプモータ168,アキュムレータ174等によって動力液圧源114が構成されている。また、ポンプ166の吐出側の部分と吸入側の部分とが戻し通路としてのリリーフ通路176によって接続されている。リリーフ通路176にはリリーフ弁178が設けられている。リリーフ弁178は、高圧側であるポンプ166の吐出側の液圧(吐出圧)が設定圧を超えると閉状態から開状態に切り換わる。
液圧制御弁装置138は、ポンプ通路136に設けられた電磁制御弁である増圧弁200〜203と、ブレーキシリンダ74〜77とリザーバ172とを直接接続する減圧通路204に設けられた電磁制御弁である減圧弁210〜213とを含む。これら増圧弁200〜203と減圧弁210〜213との制御によりブレーキシリンダ74〜77の液圧がそれぞれ別個独立に制御され得る。増圧弁200〜203,減圧弁210,211は、コイルに電流が供給されない間は、閉状態にある常閉弁であるが、後輪側の減圧弁212,213は、コイルに電流が供給されない間は開状態にある常開弁である。
マスタ通路126には、ストロークシミュレータ装置220が接続されている。ストロークシミュレータ装置220は、ストロークシミュレータ222と常閉のシミュレータ用開閉弁224とを含み、シミュレータ用開閉弁224の開閉により、ストロークシミュレータ222がマスタシリンダ112に連通させられる連通状態と遮断される遮断状態とに切り換えられる。
液圧ブレーキ24〜27は、ブレーキECU250の指令に基づいて制御される。ブレーキECU250は、コンピュータを主体とするもので、CPU252,ROM254,RAM256,入出力部258等を含む。入出力部258には、ブレーキペダル110の操作ストロークを検出するストロークセンサ260,マスタ圧センサ262,ブレーキ液圧センサ264,各車輪10〜13の回転速度である車輪速をそれぞれ検出する車輪速センサ266,液圧源液圧センサ268,アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ270,操舵操作部材たるステアリングホイールの操作角度を検出する操舵角センサ272,車両の走行速度を検出する車速センサ273,ブレーキディスク70と同期して回転し、ブレーキディスク70の回転角度を検出する回転角度検出装置としてのロータリエンコーダ274等が接続されるとともに、増圧弁200〜203および減圧弁210〜213のソレノイド、マスタ遮断弁129,130およびシミュレータ用開閉弁224の各ソレノイド等が図示しないスイッチ回路を介して接続されるとともに、ポンプモータ168等が図示しない駆動回路を介して接続されている。入出力部258にはまた、情報供給部280および乗員による入力操作が可能な入力装置282が接続されるとともに、乗員に対する報知装置284が接続されている。情報供給部280には、車両の使用期間や、車両の積算走行距離等の情報が記憶され、ブレーキECU250に上記情報が供給されるようになっている。上記車速センサ273は、上記車輪速センサ266により検出された車輪速に基づいて車速を取得するものとすることも可能である。
ブレーキECU250のROM254には、図3にフローチャートで示す特定摩擦ブレーキ検出ルーチンや、図4にフローチャートで示す制動トルク変動抑制ルーチン等、種々のプログラム,データ等が記憶されている。また、ブレーキECU250のRAM256には、後述する仮記憶メモリ,収集メモリ,制御用メモリ等が設けられている。なお、モータECU90とブレーキECU250とは、互いに接続されており、情報のやり取りが可能である。モータECU90からの情報がブレーキECU250に供給され、ブレーキECU250からの指令に基づいて、モータECU90が電力変換装置94を制御するのである。
本液圧ブレーキシステムにおいては、通常、運転者によりブレーキペダル110の踏込み操作が行われれば、マスタ遮断弁129,130が閉状態とされてマスタシリンダ112とブレーキシリンダ74〜77とが遮断されるとともに、ストロークシミュレータ222がマスタシリンダ112に連通させられて運転者に操作感を付与するようにされる。一方、液圧制御弁装置138においては、運転者によるブレーキペダル110の操作量(操作ストロークと操作力に対応するマスタシリンダ圧との少なくとも一方)と、車両の走行速度から演算される車体減速度とに基づいて、ブレーキECU250により増圧弁200〜203および減圧弁210〜213の制御が行われ、各ブレーキシリンダ74〜77内の液圧が増圧,減圧されることにより、車体減速度がブレーキペダル110の操作量に対応した大きさとなるようにされる。制動時に車輪のスリップが過大となることを防止するアンチロック制御,加速時に車輪のスリップが過大となることを防止するトラクション制御,車両が操舵操作通りに走行するようにするビークルスタビリティ制御等のためのブレーキシリンダ74〜77の液圧制御も行われる。
上記ブレーキECU250と前記モータECU90とは共同して、図3の機能ブロック図で示すように、全体要求制動力取得部290,個別車輪制動力取得部292,特定摩擦ブレーキ検出部294および制動トルク制御部296を備えた制動力制御装置300を構成している。全体要求制動力取得部290は、ストロークセンサ260とマスタ圧センサ262との検出結果から運転者が車両全体として要求している制動力である全体要求制動力を取得する部分であり、個別車輪制動力取得部292は、取得された全体要求制動力を、車輪10〜13の接地荷重の比率に応じて各車輪に分配し、個別車輪制動力を取得する部分である。これら両部290,292は公知のものであり、かつ、詳細は請求可能発明を理解する上で必要でもないので、説明を省略する。特定摩擦ブレーキ検出部294は、例えば図4のフローチャートで表される特定摩擦ブレーキ検出ルーチンの実行により、特定摩擦ブレーキ(作動時に周波数の低い周期的制動トルク変動が発生する摩擦ブレーキ)が存在するか否かと、存在すれば、どの摩擦ブレーキであるかと、制動トルクの変動波形とを検出するものである。制動トルク制御部296は制動トルク変動抑制部298を有し、制動トルク変動抑制部298は、例えば図5のフローチャートで表される制動トルク変動抑制ルーチンの実行により、特定摩擦ブレーキの制動トルク変動の影響が車体に伝達されることを防止するものである。
以上のように構成された車両制動システムにおいては、車輪10〜13の液圧ブレーキ24〜27のいずれかが特定摩擦ブレーキであることが検出されれば、制動時に車両全体としての制動力を変化させることなく、その制動トルク変動の発生が防止され、あるいは制動トルク変動が打ち消されて、車体への影響が防止ないし抑制される。
まず、液圧ブレーキ24〜27の作動時に、ブレーキディスク70の1回転を周期とする周期的な制動トルクの変動が生じるか否かの検出の一形態を、図4のフローチャートに基づいて説明する。特定摩擦ブレーキ検出ルーチンでは、車両の一定速度での走行時に、特定摩擦ブレーキの検出が行われる。図4において、まず、ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同じ。)では、エンジンがスタートさせられたか否かが判定される。S1の判定がYESであれば、S2が実行され、S1の判定がNOであれば、本ルーチンの1回の実行が終了する。S2においては、特定摩擦ブレーキの検出を開始するための条件が満たされているか、例えば、本ルーチンの前回の実行から適切な時間間隔あるいは積算走行距離間隔がおかれているか否かが判定される。車両の使用期間や、車両の積算走行距離等の情報が前記情報供給部282において取得されており、その情報をブレーキECU250が読み出して、上記S2の判定が実施される。例えば、車両の使用開始から1ヶ月毎に、あるいは、車両の積算走行距離が1000km毎に、制動トルク変動の有無が検出される。S2の判定がYESであれば、S3において、液圧ブレーキの周期的制動トルクの変動検出が行われることが報知装置284によって運転者に予告される。予告の手段は、音声,ランプの点灯あるいは点滅,文字等による表示等種々のものを選択可能である。S2の判定がNOであれば、本ルーチンの1回の実行が終了する。
S3の予告に続いて、S4において、制動トルク変動の検出が禁止されているか否かが判定される。上記予告の後、運転者が入力装置282への入力によって制動トルク変動の検出を禁止すれば、S4の判定がYESとなり、S5において仮記憶メモリおよび収集メモリが全て消去された後、本ルーチンの実行が終了する。上記仮記憶メモリおよび収集メモリについては後に説明する。一方、S4の判定がNOであれば、S6において、車両が一定車速で設定時間以上直進走行中であるか否かが判定される。車速センサ273によって検出された車速の変化量が一定範囲内に維持されていれば、一定車速で走行中であると判定される。S6の判定がYESであれば、S7において、車両の走行速度が設定車速以上であるか否かが判定される。周期的制動トルク変動は、一般に車速が比較的大きい場合に生じ易いため、S6およびS7の判定が共にYESとなる場合に制動トルク変動の検出を行えば、上記検出が容易となる。そこで、S6とS7とのいずれかがNO判定となれば、前記S5が実行されて、制動トルク変動の検出は行われないようにされているのである。
S6およびS7の判定が共にYESとなれば、S8において、制動トルク変動検出のための制動が実施されることが報知装置284によって乗員に報知される。報知の手段は、前述の予告の場合と同様、音声,ランプの点灯あるいは点滅,文字等による表示等種々のものを選択可能であるが、制動実施の報知は予告とは異なる態様で行われるようにすることが望ましい。続いて、S9において、液圧ブレーキ24(液圧ブレーキ24〜27のいずれかであるが、ここでは、代表的に液圧ブレーキ24として説明する。)が予め定められた強さで作動させられるとともに、前記走行駆動装置を介して、液圧ブレーキ24の制動トルクに対応する駆動トルクの増加が行われる。この駆動トルクの増加によって、液圧ブレーキ24が作動させられても車両の一定車速の走行が維持される。本実施例では、液圧ブレーキ24の制動トルクに対応して、予め定められた駆動力が増加させられるように走行駆動装置が制御されるが、これに代えて、車両の走行速度を実際に検出し、一定車速を設定範囲内で維持するために、走行駆動装置の駆動力の増加量が決定され、制御されるようにすることも可能である。
続いて、S10において、車両が操縦されたか否かが判定される。本実施例においては、ブレーキペダル110が操作されたか否かがストロークセンサ260による検出に基づいて判定され、アクセルペダル(図示省略)が操作されたか否かがアクセルセンサ270による検出に基づいて判定され、ステアリングホイール(図示省略)が操作されたか否かが操舵角センサ272による検出に基づいて判定される。これらの操縦が行われれば、車両の走行状態が制動トルク変動の検出には不適切となるためである。S10の判定がYESとなれば、S16において検出中止処理が実行される。この検出中止処理では、S9において作動させられた液圧ブレーキ24が緩められるとともに、増加させられた走行駆動装置の駆動力が低減させられる。上記検出中止処理の後、本ルーチンの1回の実行が終了する。
S10の判定がNOであれば、S11において、液圧ブレーキ24の1回転を周期とする周期的制動トルク変動が検出されるとともに、仮記憶メモリに格納される。この検出では、ブレーキディスク70の1回転を周期とする制動トルク変動の大きさがブレーキディスク70の位相と対応付けて検出され、仮記憶メモリに格納される。制動トルクの大きさは、例えば、ブレーキパッド78を保持しているマウンティングブラケットの歪みを、そのマウンティングブラケットに設けた歪みゲージで検出することにより検出することができる。ロータリエンコーダ274によってブレーキディスク74の回転位相(予め定められている回転基準位置からの回転角度)が検出されつつ上記制動トルクの大きさが検出されることにより、周期的変動の波形が記憶されるのである。あるいは、ブレーキシリンダ74〜77の液圧の変動をブレーキ液圧センサ264によって検出することにより、制動トルク変動を検出したり、車輪速センサ266による車輪速の変動に基づいて制動トルク変動を検出することもできる。
次に、S12において、S10と同様に、車両が操縦されたか否かが検出され、S12の判定がYESであれば、S15において、前述のようにして仮記憶メモリに記憶された情報が消去され、S16において検出中止処理が実行される。それに対し、S12の判定がNOであれば、S13において、S11において仮に記憶された液圧ブレーキ24の周期的制動トルク変動のデータが、液圧ブレーキ24の識別コードと対応付けて収集メモリへ格納され、S14において検出終了処理が実行される。この検出終了処理では、前記検出中止処理と同様に、S9において作動させられた液圧ブレーキ24が緩められるとともに、増加させられた走行駆動装置の駆動力が低下させられる。
次に、S17において、制動トルク変動が検出される車輪が変更される。そして、S18において、全ての車輪について制動トルク変動検出が行われたか否かが判定され、判定がNOとなれば、再びS4に戻されて、全ての車輪について制動トルク変動の検出が終了してS18の判定がYESとなるまで、S4以降が繰り返し実行される。その結果、S18の判定がYESであれば、S19において、検出済みの車輪のうちに特定摩擦ブレーキがあるか否か、すなわち、周期的に変動する制動トルクの最大値と最小値との差が設定値以上であるものが存在するか否かが判定され、判定がYESであれば、S20において、制御用メモリの情報が更新される。特定摩擦ブレーキの制動トルク変動の波形を表すデータが、その特定摩擦ブレーキの識別コードと共に制御用メモリに格納されるのである。なお、既に記憶されている情報がない場合は、新規の情報として制御用メモリに記憶される。S20の後、S21において、前記S2での条件成否の判定を行うための情報供給部280のデータがリセットされる。例えば、次回のルーチンの実行までの時間間隔を計測するために、既に記憶されている車両の使用期間がゼロにリセットされるのである。あるいは、既に記憶されている、今回のルーチンの実行までの積算走行距離がゼロにリセットされる。また、S21においては、仮記憶メモリおよび収集メモリのデータの消去も行われる。そして、本ルーチンの1回の実行が終了する。S19の判定がNOであれば、S22において制御用メモリがクリアされた後、S21が実行される。
なお、本ルーチンにおいて、S4のYES判定,S6およびS7のNO判定の場合に、S5において仮記憶メモリおよび収集メモリが全て消去されるが、これに代えて、それまでに収集メモリに記憶されているデータを消去せずに記憶させておき、再び制動トルク変動の検出が実行される際には、既に収集メモリに記憶されているデータに加えて、それまで検出されていなかった液圧ブレーキについての制動トルク変動のデータが記憶されるようにすることも可能である。
次に、制動トルク変動抑制ルーチンについて図5のフローチャートに基づいて説明する。本制動トルク変動抑制ルーチンは、各車輪10〜13の液圧ブレーキ24〜27ごとに独立して同時に実行されるものとする。ここでは、代表的に車輪10の液圧ブレーキ24について実行される制動トルク変動抑制ルーチンについて説明する。図5のS30において、制動要求がなされているか否かが判定される。本実施例では、運転者によるブレーキペダル110の踏込み操作がストロークセンサ260により検出されることによって、制動要求の有無が検出される。制動要求がなければ、本ルーチンの1回の実行が終了する。制動要求があると判定されれば、S31において、該当する車輪10の液圧ブレーキ24が特定摩擦ブレーキとして検出されているか否かが判定される。S31の判定は、前述の制御用メモリに記憶されている各液圧ブレーキ24〜27についての特定摩擦ブレーキの情報が読み出され、その情報に基づいて行われる。
S31において、特定摩擦ブレーキではないと判定されれば、S32において、液圧ブレーキ24が特定摩擦ブレーキ以外の液圧ブレーキ(一般摩擦ブレーキ)であって、かつ、各個別車輪制動力が再配分されているものの一つであるか否かが判定される。これについては後に説明する。再配分されていなければ、S32の判定がNOとなり、S33において、全体要求制動力に基づいて取得された各車輪10〜13が発生させるべき個別車輪制動力に基づいて液圧ブレーキ24が作動させられる。全体要求制動力は、前述の、運転者によるブレーキペダル110の操作量に基づいて取得される。上記各車輪10〜13の個別車輪制動力の取得については、別のルーチンにおいて実行され、記憶されているものが使用される。各車輪10〜13の個別車輪制動力は、それら個別車輪制動力の和が全体要求制動力に等しく、かつ、車両の右側の制動力と左側の制動力とが互いに等しくなる大きさに決定されている。S32の判定がYESであれば、S34において、再配分された個別車輪制動力に基づいて液圧ブレーキ24が作動させられる。
S31において、液圧ブレーキ24が特定摩擦ブレーキであると判定されれば、S35において、その車輪10の個別車輪制動力が電動モータ30を含む電気制動装置20により発生可能な大きさ以下であるか否かが判定される。S35の判定がYESであれば、S36において、上記個別車輪制動力が回生制動により発生させられる制動力である回生制動力以下であるか否かが判定される。S36の判定がYESであれば、S37において、液圧ブレーキ24を作動させず(液圧ブレーキ24に対応する増圧弁200が閉状態に保たれ)、S38において液圧ブレーキ24の代わりに回生制動が実施される。また、S36において上記個別車輪制動力が回生制動力を超えていれば、S36の判定がNOとなり、S39において液圧ブレーキ24が非作動状態にされ、S40において、液圧ブレーキ24に代わって逆転制動が実行される。
また、S35において、該当する車輪10の個別車輪制動力が電気制動装置20による制動能力を超えていて判定がNOであれば、S41において、各車輪10〜13の個別車輪制動力を再配分することが可能であるか否かが判定される。S41の判定がYESであれば、S42において液圧ブレーキ24が作動しないようにされ、S43において、該当する車輪10の液圧ブレーキ24の非作動による不足分の個別車輪制動力がそれ以外の車輪11〜13によって補われるように、それら車輪11〜13の液圧ブレーキ25〜27(一般摩擦ブレーキに相当する)の個別車輪制動力が再配分される。車輪11〜13の液圧ブレーキ25〜27の各々が分担すべき分担制動力が、それら分担制動力の和が全体要求制動力に等しく、かつ、車両の右側の制動力と左側の制動力とが互いに等しくなる大きさに決定されるのである。個別車輪制動力の再配分により全体要求制動力を発生させることが不可能であって、S41の判定がNOであれば、S44において、液圧ブレーキ24と電気制動装置20とによる協調制動が行われる。
本実施例の協調制動は、図6に示すように、液圧ブレーキ24の液圧制御が通常通り行われたとすれば、その制御液圧に対応する制動トルクが水平な直線で示す大きさとなり、実際の制動トルクが斜線で示すように不足したり、過大になったりするのを、図7に示すように液圧ブレーキ24の制御目標トルクを二点鎖線で示す大きさに修正して、実際の制動トルクの最大値が車輪10の通常の個別車輪制動力に対応する制動トルクと等しくなるようにし、図7に斜線で示す不足制動トルクを電気制動装置20に発生させるものである。具体的には、液圧ブレーキ24が分担すべき個別車輪制動力に対応する目標液圧から、前記制御用メモリに記憶されている特定摩擦ブレーキの情報(ブレーキディスク70の回転位相に対応する周期的制動トルク変動の大きさ)に基づいて決まる制動トルクの最大値と最小値との差の1/2(これが予め算出されて制御用メモリに記憶されていてもよい)が差し引かれた値に修正目標液圧が決定されて液圧制御が行われるとともに、電動モータ30の回生制動あるいは逆転制動により、不足分の制動トルクが発生させられるのである。
なお、協調制動は、本実施例のものに限られるわけではない。例えば、液圧ブレーキ24の目標液圧は、図6に示す通常の個別車輪制動力に対応する大きさのままとし、制動トルクが不足する分は電動モータ30の回生制動あるいは逆転制動により補い、制動力が過大となる場合は、逆転制動により低減させてもよいのである。
このように、液圧ブレーキ24の制動トルクの変動が、電気制動装置20により発生させられる打消トルクにより打ち消されるようにすれば、車輪10にとっては液圧ブレーキ24の制動トルク変動がないに等しいこととなり、制動トルク変動に起因する振動が車体に伝達されることはなくなる。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、ブレーキECU250およびモータECU90が、ストロークセンサ260,マスタ圧センサ262,ロータリエンコーダ274,増圧弁200〜203,減圧弁210〜213等と共同して制御装置を構成している。また、ブレーキECU250において、制動トルク変動抑制ルーチンのS32,S34およびS41,S42,S43をそれぞれ実行する部分が、特定摩擦ブレーキ除外制御部の一例としての分担制御部を構成し、かつ第二制御部を構成している。ブレーキECU250において、制動トルク変動抑制ルーチンのS35〜S40をそれぞれ実行する部分が代替制御部を構成し、かつ第一制御部を構成している。ブレーキECU250において、制動トルク変動抑制ルーチンのS44を実行する部分がモータECU90とともに打消制御部を構成し、かつ第三制御部を構成している。ブレーキECU250において、制動トルク変動抑制ルーチンのS40を実行する部分が逆転制動部を構成している。
また、本実施例においては、ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が特定摩擦ブレーキ検出部を構成しており、その特定摩擦ブレーキ検出ルーチンがS6を含むことにより、ブレーキECU250のこの特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が車速センサ273とともに一定車速時検出部を構成していることになる。また、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンがS17,S18を含むことにより、ブレーキECU250のこの特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が順次検出部を構成していることになり、S7を含むことにより、ブレーキECU250のこの特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が車速センサ273とともに設定車速以上時検出部を構成していることになる。
さらに、ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS11,S13,S19,S20を実行する部分が制動トルク変動検出・記憶部を構成し、ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS9の一部を実行する部分が車速維持部を構成し、ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS11を実行する部分が、制動トルク依拠検出部(歪みゲージの検出結果による場合),液圧変動依拠検出部(ブレーキ液圧センサ264の検出結果による場合),車輪速変動依拠検出部(車輪速センサ266の検出結果による場合)等を構成している。ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS4を実行する部分が、入力装置282とともに禁止部を構成している。ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS3およびS8をそれぞれ実行する部分が、報知装置284とともに報知部を構成している。
特定摩擦ブレーキ検出ルーチンの別の形態について、図8のフローチャートに基づいて説明する。ただし、図8に示す特定摩擦ブレーキ検出ルーチンにおいて、S51〜S56,S58,S59およびS60〜S72については、図4に示す特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS1〜S5,S7〜S9およびS11〜S22と同じ内容であるため、ここでは詳細な説明は省略し、図1〜図7に示す実施例と異なる部分のみについて説明する。
本実施例では、回生制動のみの作動時に、特定摩擦ブレーキの検出が行われる。エンジンがスタートさせられ、本ルーチンの実行が適切な時間間隔あるいは積算走行距離間隔をおいていれば、S53において制動トルク変動検出が予告される。続いて、S54において乗員によって上記検出が禁止されず、かつ、S56で車両が設定車速以上であると判定されれば、S57において、回生制動のみが作動させられている状態であるか否かが判定される。S57の判定がYESであれば、S58において、制動トルク変動検出が行われることが乗員に報知され、S59で液圧ブレーキ24が作動させられるとともに、液圧ブレーキ24が作動させられる分回生制動トルクが低減させられる。そして、車両が操縦されなければ、S60の判定がNOとなり、S61において、液圧ブレーキ24の、ブレーキディスク70の1回転を周期とする制動トルク変動が検出され、仮記憶される。本実施例では、例えば、液圧ブレーキの作動時に現れる回生制動の電流の周期的変動に基づいて、上記制動トルク変動が検出される。S56あるいはS57の判定がNOであれば、S55において、仮記憶メモリ,収集メモリが全て消去させられた後、本ルーチンの1回の実行が終了する。
本実施例においては、ブレーキECU250の、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が電気制動時検出部を構成している。ブレーキECU250において、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS59の一部を実行する部分が電気制動トルク低減部を構成している。また、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンがS61を含むことにより、ブレーキECU250のこの特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が電流依拠検出部を構成していることになる。
特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのさらに別の形態について、図9のフローチャートに基づいて説明する。ただし、図9に示す特定摩擦ブレーキ検出ルーチンにおいて、S81〜S86,S88〜S97については、図4に示す特定摩擦ブレーキ検出ルーチンのS1〜S5,S7,S8,S10〜S13,S15,S19〜S22と同じ内容であるため、ここでは詳細な説明は省略し、図1〜図7に示す実施例と異なる部分のみについて説明する。図4および図8にそれぞれ示す特定摩擦ブレーキ検出ルーチンにおいては、特定摩擦ブレーキ検出の精度を高めるために、車輪1輪ずつについて順次上記検出が実施されていたが、本実施例の特定摩擦ブレーキ検出ルーチンにおいては、特定摩擦ブレーキの検出は、各車輪について独立して同時に実施されるものとする。
本実施例では、液圧ブレーキ24〜27の作動時に、特定摩擦ブレーキの検出が行われる。エンジンがスタートさせられ、本ルーチンの実行が適切な時間間隔あるいは積算走行距離間隔をおいていれば、S83において制動トルク変動検出が予告される。続いて、S84において乗員によって上記検出が禁止されず、かつ、S86で車両が設定車速以上であると判定されれば、S87において、液圧ブレーキ24〜27が作動させられているか否かが判定される。S87の判定がYESであれば、S88において、制動トルク変動の検出が開始されることが乗員に報知される。そして、車両が操縦されておらず、S89の判定がNOであれば、S90において、ブレーキディスク70の1回転を周期とする制動トルク変動が検出され、仮記憶される。本実施例では、ブレーキ液圧センサ264により検出されたブレーキシリンダ74〜77の液圧の変動に基づいて、上記制動トルク変動が検出される。S87の判定がNOであれば、S85において、仮記憶メモリ,収集メモリが全て消去させられた後、本ルーチンの1回の実行が終了する。
本実施例においては、ブレーキECU250の、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が摩擦ブレーキ作動時検出部を構成している。また、特定摩擦ブレーキ検出ルーチンがS90を含むことにより、ブレーキECU250のこの特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを実行する部分が液圧変動依拠検出部を構成していることになる。
本発明の一実施例である車両制動システムの液圧ブレーキと電気制動装置とが車両に設けられた状態を示す要部側面断面図である。 上記車両制動システムの回路図である。 上記車両制動システムにおける制動力制御装置を示す機能ブロック図である。 上記車両制動システムの構成要素である制御装置の主体を成すコンピュータに記憶された特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを表すフローチャートである。 上記コンピュータに記憶された制動トルク変動抑制ルーチンを表すフローチャートである。 上記制動トルク変動抑制ルーチンの実行の一部を説明するための図である。 上記制動トルク変動抑制ルーチンの実行の一部を説明するための図である。 本発明の別の実施例である車両制動システムの構成要素である制御装置の主体を成すコンピュータに記憶された特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを表すフローチャートである。 本発明のさらに別の実施例である車両制動システムの構成要素である制御装置の主体を成すコンピュータに記憶された特定摩擦ブレーキ検出ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
10,11,12,13:車輪 20:電気制動装置 24,25,26,27:液圧ブレーキ 30:電動モータ 74,75,76,77:ブレーキシリンダ 78:ブレーキパッド 90:モータECU 250:ブレーキECU 254:ROM 256:RAM 300:制動力制御装置

Claims (9)

  1. 1台の車両の複数の車輪の各々に対応して設けられ、それぞれブレーキ回転体に摩擦部材を押し付けて各車輪の回転を抑制する複数の摩擦ブレーキと、
    それら複数の摩擦ブレーキのうち、作動時に周期的な制動トルク変動が生じる摩擦ブレーキである特定摩擦ブレーキの情報を取得する特定摩擦ブレーキ情報取得部と、
    前記1台の車両全体としての要求制動力を取得する全体要求制動力取得部と、
    その全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力を、前記特定摩擦ブレーキの周期的な制動トルク変動が前記車両に伝達されない状態で発生させるように、少なくとも前記複数の摩擦ブレーキを含む制動トルク発生装置を制御する制御装置と
    を含むことを特徴とする車両制動システム。
  2. 前記制御装置が、前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力を、前記制動トルク発生装置の、前記特定摩擦ブレーキを除く部分により発生させる特定摩擦ブレーキ除外制御部を含む請求項1に記載の車両制動システム。
  3. 前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、前記制御装置がその電気制動装置を前記特定摩擦ブレーキの代わりに作動させる代替制御部を含む請求項1または2に記載の車両制動システム。
  4. 前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、前記制御装置が、少なくともその電気制動装置を制御することにより、その電気制動装置に前記特定摩擦ブレーキの前記周期的な制動トルク変動を打ち消す打消トルクを発生させる打消制御部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の車両制動システム。
  5. 前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する、前記制動トルク発生装置の構成要素としての複数の電気制動装置と、
    前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力に基づいて、前記複数の車輪の各々が発生させるべき制動力である個別車輪制動力を取得する個別車輪制動力取得部と
    の両方を含み、かつ、前記制御装置が、
    (a)前記個別車輪制動力取得部により取得された前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力が、その特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置により発生可能な大きさである場合に、その対応する電気制動装置を作動させ、特定摩擦ブレーキを作動させない第一制御部と、
    (b)前記個別車輪制動力取得部により取得された前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力が、その特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置により発生不可能な大きさである場合に、前記全体要求制動力取得部により取得された全体要求制動力に基づいて、前記複数の摩擦ブレーキのうち前記特定摩擦ブレーキ以外のものである一般摩擦ブレーキの各々が分担すべき制動力である分担制動力を、それら分担制動力の和が前記全体要求制動力に等しくかつ前記車両の右側と左側とで相等しくなる大きさに決定して、一般摩擦ブレーキを制御する第二制御部と、
    (c)前記個別車輪制動力取得部により取得された前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力が、その特定摩擦ブレーキに対応する電気制動装置により発生不可能な大きさである場合に、少なくとも電気制動装置を制御し、電気制動装置による正または負の制動トルクが特定摩擦ブレーキによる制動トルクの前記周期的な変動を打ち消し、かつ、それら互いに対応する特定摩擦ブレーキと電気制動装置とにより発生させられる車輪制動力の和が前記特定摩擦ブレーキに対応する車輪の個別車輪制動力と等しくなるようにする第三制御部と
    の少なくとも2つを含む請求項1に記載の車両制動システム。
  6. 前記周期的な制動トルク変動が、前記ブレーキ回転体の1回転を周期とするものである請求項1ないし5のいずれかに記載の車両制動システム。
  7. 前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する特定摩擦ブレーキ検出部を含み、かつ、その特定摩擦ブレーキ検出部が、
    前記特定摩擦ブレーキにおいて発生する周期的な制動トルク変動を、前記ブレーキ回転体の1回転を周期として検出し、記憶する制動トルク変動検出・記憶部と、
    前記車両が一定車速で走行している際に、前記複数の摩擦ブレーキを予め定められた強さで作動させ、発生制動トルクに周期的な変動が含まれている摩擦ブレーキが存在するか否かを検出する一定車速時検出部と
    を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の車両制動システム。
  8. 前記制動トルク発生装置が、前記複数の車輪の少なくとも一部のものの各々に対応して設けられ、各車輪により駆動される発電機あるいは各車輪に回転方向とは逆向きの回転トルクを付与する電動機を備えて各車輪の回転を抑制する複数の電気制動装置を含み、かつ、当該車両制動システムが、前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する特定摩擦ブレーキ検出部を含み、かつ、その特定摩擦ブレーキ検出部が、前記電気制動装置が作動している状態で前記摩擦ブレーキを作動させ、前記特定摩擦ブレーキの検出を行う電気制動時検出部を含む請求項1ないし7のいずれかに記載の車両制動システム。
  9. 前記複数の摩擦ブレーキのいずれかが前記周期的な制動トルク変動が生じる状態にあることを検出する特定摩擦ブレーキ検出部を含み、かつ、その特定摩擦ブレーキ検出部が、前記複数の摩擦ブレーキの作動時に前記特定摩擦ブレーキの検出を行う摩擦ブレーキ作動時検出部を含む請求項1ないし8項のいずれかに記載の車両制動システム。
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