JP2006130196A - ゴルフクラブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴルフクラブシャフトの先端にゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブにおいて、ゴルフクラブヘッドのソール部に突状部を有する。この突状部の先端部はヘッド基準幅に対して、後方側から0〜40%の箇所に存在し、かつ前記突状部の先端部とソール部の最下点との高低差が2mm以上である。
【選択図】図3
Description
特に、ソール 部の形状に関しては、芝上での滑りを良くしたり、ゴルフクラブヘッドの低重心化を図る技術が提案されていた。
これらソールの形状を改良したゴルフクラブヘッドは、スイング中に地面から受ける抵抗に関して、地面から受ける抵抗を減らし、ゴルフクラブヘッドの抜けをよくしたり、非力なゴルファのバンカーショットを容易にしている。
換言すると、従来では、ゴルフクラブのソールの形状を改良することにより、ゴルフボールのインパクト時に地面から受ける抵抗を減少させていた。
本発明は、本発明者の知見に基づいてなされたものであり、ゴルフボールのインパクト時に、地面からの抵抗を利用してバックスピン量を増大させるゴルフクラブを提供することを目的とする。
さらに、ゴルフクラブヘッドのロフト角度が41度以上であることが好ましい。
したがって、ゴルファは、本発明のゴルフクラブを用いることにより、バックスピン量が多い打球を打つことができる。
図1に示すように、本実施形態のゴルフクラブ1は、ゴルフクラブシャフト2と、ゴルフクラブシャフト2の一端を被覆するグリップ3と、ゴルフクラブシャフト2の他端に装着するゴルフクラブヘッド4とを備え、ゴルフクラブヘッド4はヒール側で上方に向けられて突設されたホーゼルにソケット5を介してゴルフクラブシャフト2に連結される。
グリップ3は、ゴルファがゴルフクラブを把持する部分であり、例えばゴムや皮革などにより形成される。
ゴルフクラブヘッド4は、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するフェース部5と、ゴルフクラブシャフトが挿入され結合されるホーゼル部6とを有する。
ゴルフクラブヘッド4は、地面と接地する下側の部分をソール部といい、ソール部と反対側でゴルフクラブヘッドの上側の部分をクラウン部という。また、ゴルフクラブヘッド4とゴルフクラブシャフト2の接合側のフェース部4の端部をヒール部といい、ヒール部と反対側のフェース部の端部をトウ部という。
本実施形態のゴルフクラブヘッドは、通常のアドレスポジションに設置した状態において、図2に示すように、ソール部に切り欠きが設けられ、また、打球打ち出し方向を前方とした場合に、その切り欠きに対して後方側に位置するような形態で突状部が設けられる。
通常のアドレスポジションに設置した状態とは、ライ角度に従ってゴルフクラブを配置した状態をいい、この状態は後で詳しく説明する。
すなわち、ゴルフクラブヘッド4は、スイング中に地面と突状部が接触した際に生じる抵抗によって、ロフト角度を減少する方向に回転する。
さらに、このようなゴルフクラブヘッドの挙動は、打ち出されたゴルフボールにかかるバックスピン量を増大させる。このゴルフクラブヘッドの挙動については後で詳しく説明する。
このゴルフクラブを用いたゴルファは、バックスピン量が多い打球を容易に打つことができる。すなわち、従来のゴルフクラブでバックスピン量を増大させようとするには、プロゴルファやレベルの高い上級者は、ゴルフクラブを強制的にロフト角度が減少する方向に動くような特殊な打ち方をしていたが、本発明のゴルフクラブによって、特殊な打ち方をしないでもバックスピン量を増大させることのできるゴルフクラブの提供が可能になる。
ここで、ヘッド基準幅とは、図2に示すように、ソール部の厚さに基づくゴルフクラブヘッドの厚さを指し、ゴルフクラブヘッド4を通常のアドレスポジションに設置した状態において、フェース部5の前端部E(以下、リーディングエッジともいう)から突状部10の後端部まで、飛球線方向に対する基準面8に平行な距離dをいう。
すなわち、基準面8に投影したフェース部5の前端部と突状部10の後端部と間の飛球線方向の距離である。
また、突状部の先端部は、ヘッド基準幅に対して、後方側から0〜30%の箇所に存在することが好ましい。
このように突状部10の後端部が不明確な場合は、設置面8から所定の距離h(h=8mm)の高さにおいて接するゴルフクラブヘッド後側の箇所を突状部の後端部とみなし、ヘッド基準幅はその箇所からフェース部の前端部まで、飛球線方向に対する基準面に平行な距離d’とする。
つまり、ヘッド基準幅の後端部は、設置面8から0〜8mmの箇所における最も張り出した位置とすればよい。
したがって、突状部の先端部とソール部の最下点との高低差gが2mm以上であることによって、スイング時に突状部の先端部が地面に接し、ロフト角度が減少するゴルフクラブヘッドの挙動を適度な程度に与え、打ち出されるゴルフボールのバックスピン量を増大することができる。なお、突状部の先端部とソール部の最下点との高低差の上限値については、特に限定しないが、ゴルフクラブの使いやすさを考慮すると、高低差は15mm程度である。
また、高低差は好ましくは3〜12mmである。
図4には、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスポジションに設置した状態における、突状部の壁部と基準面のなす角度θが示される。
突状部10の壁部と基準面のなす角を10〜120度にすることによって、スイング時に突状部の先端部が地面に接し、ロフト角度が減少するゴルフクラブヘッドの挙動がより大きくなり、打ち出されるゴルフボールにかかるバックスピン量をより増大させることができる。
なお、図2では突状部の壁部は平面であるが、突状部の壁部は曲面であってもよい。図4は壁部が曲面の場合の一例を示す。この場合には、突状部の壁部の深さaの半分の箇所(基準面8からa/2の高さの箇所)を接点とし、その接線と基準面とのなす角を、突状部10の壁部と基準面のなす角として代用することができる。
その際、ゴルフクラブヘッド14は、ゴルフボール12を打撃方向に打ち出すため、図5中左から右方向に向かって移動する。
地面と接触したゴルフクラブヘッド14は、最下点Bを中心として、時計回り(図中矢印で示す)に回転運動をする。
本発明のように、後方側0〜40%、かつ高低差2mm以上であるから、ゴルフクラブヘッドのロフト角度が減少する方向に動く。
バックスピン量が増大したゴルフボールは、地面に着弾した後のゴルフボールの転がり(ロール距離)を減らし、落下した地面の状態によって左右されるゴルフボールの飛距離のばらつきを抑える。
ライ角度通りに設置とは、ソール部のラウンドと基準面とのなす隙間がトウ側及びヒール側にて略等しくなる状態に設置することをいう。
ソール部のラウンドが不明瞭な場合は、フェース面に描かれるスコアライン(図6参照)が基準面に平行になるように設置してもよい。ソール部のラウンドが不明瞭でかつスコアラインが直線状でない等により基準面との平行が判別できない場合は、ライ角度は、ライ角度(度)=(100−クラブ長さ(インチ))にて設定される。例えば、40インチのクラブ長さであれば、ライ角度は100−40=60度になる。
通常のアドレスポジションにおいて、リーディングエッジの方向はフェース面が指す方向と直角な方向に設定される。
図7は、アイアンゴルフクラブをロフト角度測定器に取り付けた一例を示す図であり、図8は、図7中のゴルフクラブヘッド4の周辺拡大図であり、図9は、分度器を用いたロフト角度の測定方法を示す図である。
ロフト角度の測定は、上述のように、ゴルフクラブによって測定する他、ゴルフクラブヘッド単体にシャフトピンを差し込んで測定することも可能である。
ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスポジションに設置した状態において、基準面8からの高さHが0.875インチ(22.23mm)となる位置と、フェース面のトウ側の先端との間における基準面8に対して平行な距離をフェース面の幅とする。
そのフェース面を2分する、フェース面の幅の中央を中心として、左右に幅全体の20%以内の範囲において、基準面8に対して直交し、かつフェース面に対して直角な平面Mで切断したときの断面を基に各値を測定する。
つまり、上記の左右に幅全体の20%以内の範囲における任意の一断面において、本発明が達成されていれば、本発明に含まれる。
10人のゴルファが5回ずつゴルフボールを打ち、計50回のゴルフボールの測定結果を得、測定結果の平均値を求めた。ゴルフクラブはロフト角度52度のゴルフクラブを用い、ゴルフボールは横浜ゴム株式会社製のTRボールを用いた。
このバックスピン量は、打ち出し直後のゴルフボールのバックスピン量であり、3つのマークを表面に記したゴルフボールをカメラにより一定の時間間隔で撮影することにより測定した。
また、「角度」は、突状部の壁部と基準面のなす角度θである。「壁部の深さ−高低差」は、突状部の壁部の深さから上記高低差を除算して得られた値である。
また、本発明においては、(壁部の深さ−高低差)が2〜10mmであることが好ましい。(壁部の深さ−高低差)とは、突状部の壁部の深さから上記高低差を除算して得られた値である。(壁部の深さ−高低差)が2〜10mmであることによって、特にスイング時に突状部の先端部が地面に接して、ゴルフクラブヘッドのロフト角度が減少する方向への挙動をする際の妨げとなり得る芝等を、壁部からなる凹状の空間に排除することによって、よりバックスピン量を増大することが可能になる。
しかし、実験例2をみると、突状部が先端の位置が50%の場合にはバックスピン量の増加は少なく、突状部の先端部はヘッド基準幅に対して、後方側から50%未満、例えば0〜40%の箇所に存在することが好ましいことが判る。
また、実験例3をみると、高低差が0.5mmと本発明の2mm以上の範囲外であり、その結果バックスピン量の増加が少ないことが判る。
これら実験例4〜12は、突状部の先端の位置を後方側から30%以下、つまり0〜40%の範囲内で、突状部の先端部とソール部の最下点との高低差と、壁部と基準面のなす角と組み合わせを変更したものである。
実験例7より、突状部の先端部とソール部の最下点との高低差は4mmであり、壁部と基準面のなす角は70度であるゴルフクラブヘッドが最も良好であることが判る。
2 ゴルフクラブシャフト
3 グリップ
4 ゴルフクラブヘッド
5 フェース部
10 突状部
12 ゴルフボール
60 ロフト角度測定器
70 分度器
Claims (7)
- ゴルフクラブシャフトの先端にゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブにおいて、
ゴルフクラブヘッドのソール部に突状部を有し、前記突状部の先端部がヘッド基準幅に対して後方側から0〜40%の箇所に存在し、かつ前記突状部の先端部とソール部の最下点との高低差が2mm以上であることを特徴とするゴルフクラブ。 - 前記突状部が壁部を有し、前記壁部と基準面とのなす角が10〜120度である請求項1に記載のゴルフクラブ。
- ゴルフクラブヘッドのロフト角度が41度以上である請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
- ゴルフクラブシャフトの先端にゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブにおいて、
スイング時に地面から受ける抵抗を増大させるように突出した突状部を、ゴルフクラブヘッドのソール部に有することを特徴とするゴルフクラブ。 - 前記突状部の先端部がヘッド基準幅に対して後方側から0〜40%の箇所に存在し、かつ前記突状部の先端部とソール部の最下点との高低差が2mm以上である請求項4に記載のゴルフクラブ。
- 前記突状部が壁部を有し、前記壁部と基準面とのなす角が10〜120度である請求項4又は5に記載のゴルフクラブ。
- ゴルフクラブヘッドのロフト角度が41度以上である請求項4乃至6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
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