JP2006130165A - 手首関節固定用粘着部材及びその使用方法 - Google Patents
手首関節固定用粘着部材及びその使用方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 手首関節部分の形状及び当該部分の筋肉の動き等を考慮し、予め粘着部材の形状や材質を特定することによる。具体的には、伸縮布からなる基材及び医療貼付用粘着層を含む粘着部材であって、該粘着部材は長辺部と短辺部を含む帯状の形状からなり、一方の短辺部側から中央に向かって切れ目が施されていることにより2分割された部分を含み、さらに長辺部の少なくとも一辺が凹状に切り抜かれた部分を有する手首関節固定用粘着部材による。
【選択図】 図4
Description
1.伸縮布からなる基材と医療貼付用粘着層を含む粘着部材であって、該粘着部材は長辺部と短辺部を含む帯状の形状からなり、一方の短辺部側から中央に向かって切れ目が施されていることにより帯状の形状の一方が2分割されており、さらに長辺部の少なくとも一辺が凹状に切り抜かれた部分を有することを特徴とする手首関節固定用粘着部材。
2.前記粘着部材において、一方の短辺部側から中央に向かって施される切れ目の長さが、長辺部の長さの1/10〜1/2である前項1に記載の手首関節固定用粘着部材。
3.前記粘着部材において、凹状に切り抜かれた部分の大きさは、長辺部の長さの1/10〜1/2であり、短辺部の長さの1/10〜1/2である前項1又は2に記載の手首関節固定用粘着部材。
4.前記伸縮布からなる基材が、長手方向又は短手方向の少なくとも1方向に伸縮性を有し、該長手方向又は短手方向の少なくとも1方向の伸長時における引張応力が50〜280N/25mm幅で、その伸びが50〜270%である前項1〜3のいずれか一に記載の手首関節固定用粘着部材。
5.前記伸縮布からなる基材が、強撚布、織物、編物又はネット地、或いはスパンボンド不織布に伸縮糸又は伸縮糸と非伸縮糸を編みこんだ不織布伸縮性編物地である前項4に記載の手首関節固定用粘着部材。
6.以下の手順により手首関節を固定する前項1〜5のいずれか一に記載の手首関節固定用粘着部材の使用方法:
1)手首関節固定用粘着部材の2分割された部分の先端を指側に向け、該2分割された部分の切れ目の起点部を手の甲側に位置を定めて貼り;
2)次に2分割された部分の先端を掌側に伸長させながら、掌側に貼り合わせ;
3)さらに2分割されていない部分を伸張させながら手首に巻きつけるように貼り合わせる。
7.以下の手順により手首関節を固定する前項1〜5のいずれか一に記載の手首関節固定用粘着部材の使用方法:
1)手首関節固定用粘着部材の2分割された部分の先端を指側に向け、該2分割された部分の切れ目の起点部を掌側に位置を定めて貼り;
2)次に2分割された部分の先端を手の甲側に伸長させながら、手の甲側に貼り合わせ;
3)さらに2分割されていない部分を伸張させながら手首に巻きつけるように貼り合わせる。
以下に本発明の粘着部材を、添付図面(図1〜3)を参照しながら説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応する部分を示すものとする。
該切り抜かれている凹状の形状は特に限定されないが、好ましくは曲線状であり、例えば円周の一部を切り抜くような形状が好適である。このように、切り抜かれている部分(E)の大きさは、長辺部(a)の長さの1/10〜1/2、好ましくは1/5〜3/7であり、短辺部(b)の長さの1/10〜1/2、好ましくは1/5〜3/7である。
具体的には、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、綿等からなる強撚布、不織布、編布及び伸縮性を有するシートや布、縦糸に伸縮糸を用いたタテ伸び布、縦糸及び横糸に伸縮糸を用いた伸縮布等が好適である。さらに詳しくは、ナイロン、ポリエステル、綿等の繊維に特殊加工を施して伸縮性を持たせたストレッチヤーンや、ポリウレタン系弾性糸等の伸縮性の大きい合繊糸を単独で編成した編物地、又はこのような合繊糸とポリエステル繊維や綿等の伸縮性の小さい繊維を混合して編成した編布を使用することができる。また、ポリウレタン層のウレタンに関しては、エーテル系、エステル系の一般的なものであれば良く、特に制限することはない。
本発明の粘着部材の2分割された部分の剥離ライナーの一部を剥がし、切れ目の起点部(A')を掌側に貼付する。次に2分割された部分の端部(B)を持ち、適度に伸張しながら手の甲側に貼付する。さらに、2分割された部分の残りの部位(C)を持ち、適度に伸張しながら手の甲側に貼付する。
その後、分割していない側の剥離ライナーを剥がし、該分割していない側の端(D)を適度に伸張させながら手首を廻るように貼り合わせる。このような方法でテーピングすると、手首が外側に屈折するのを軽減するように関節部の良好な固定性が得られるため、痛みを軽減することができる。
本発明の粘着部材の2分割された部分の剥離ライナーの一部を剥がし、切れ目の起点部(A')を手の甲側に貼付する。次に2分割された部分の端部(B)を持ち、適度に伸張しながら、掌側に貼付する。さらに、2分割された部分の残りの部位(C)を持ち、適度に伸張しながら掌側に貼付する。
その後、分割していない側の剥離ライナーを剥がし、該分割していない側の端(D)を適度に伸張させながら手首を廻るように貼り合わせる。このような方法でテーピングすると、手首が内側に屈折するのを軽減するように関節部の良好な固定性が得られるため、痛みを軽減することができる。
以上のように、本発明の粘着部材は2分割された部分(B)(C)とされていない部分(D)とを有することで貼付する位置や方法が明確となる。また、切り抜き部分(E)を有することでさらに粘着部材の追従性が増し、手にフィットする。よって本発明の粘着部材を使用すると、テーピングの専門知識のない人であっても手首関節のテーピングを容易に行うことができる。
上質紙にポリエチレンをラミネートした面にシリコーン処理を施した剥離ライナーの処理面に、2-エチルヘキシルアクリレート96.5重量部及びアクリル酸3.5重量部からなる混合物を不活性ガス雰囲気下で酢酸エチルによって共重合されたアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが80μmになるように塗布し、この粘着層上に基材としてポリエステル75デニール糸をスムーズ編された厚さ450μmで伸縮するように編み込んだ伸縮性編布を貼合せ、基材、粘着層、剥離ライナーの積層体を得た。
上記積層体に打抜き加工を施し、長辺部(a)の長さが300mm、短辺部(b)の長さが60mmの矩形状で、一方の短辺部側から図1に示す長さ100mmの切込み(A)を設け、これにより粘着部材1を得た。
実施例1と同様に、シリコーン処理をした剥離ライナー上に、粘着剤を乾燥後の厚みが70μmになるように塗布し、この粘着層上に基材としてポリエステル75デニール糸をスムーズ編された厚さ350μmで伸縮するように編み込んだ伸縮性編布と10μmのポリエステル系ウレタンフィルムの積層品に貼合せ、基材、粘着層、剥離ライナーの積層体を得た。
上記積層体に打抜き加工を施し、長辺部(a)の長さが350mm、短辺部(b)の長さが75mmの矩形状で、一方の短辺部側から図2に示す切り抜き及び長さ95mmの切込み(A)を設け、これにより粘着部材2を得た。
実施例2と同様に、シリコーン処理をした剥離ライナー上に、粘着剤を粘着層に条状に塗布し、乾燥後の厚みが70μmになるようにした。この粘着層上に、基材としてポリエステル75デニール糸をスムーズ編された厚さ450μmで伸縮するように編み込んだ伸縮性編布の積層体を得た。
上記積層体を打抜き加工を施し、長辺部(a)の長さが250mm、短辺部(b)の長さが75mmの矩形状で、一方の短辺部側から図3に示す切り抜き及び長さ100mmの切込み(A)を設け、これにより粘着部材3を得た。
長辺部(a)の長さを90mm、短辺部(b)の長さを5mm、切込み(A)の長さを30mmとする以外は実施例1と同様にして加工された粘着部材を得た。
長辺部(a)の長さを300mm、短辺部(b)の長さを30mmのものを2本にした以外は、実施例1と同様にして加工された粘着部材を得た。
長辺部(a)の長さを300mm、短辺部(b)の長さを60mm(切込み無し)に変更した以外は、実施例2と同様にして加工された粘着部材を得た。
1)引張応力
実施例1〜3及び比較例1〜3の各粘着剤を幅25mm×長さ150mmに切出し、100mmの標線を入れた。各粘着剤を引張速度300mm/minで引張り、破断した時の引張応力を測定した。
2)伸び
実施例1〜3及び比較例1〜3の各粘着剤を幅25mm×長さ150mmに切出し、100mmの標線を入れた。各粘着剤をおよそ300mm/minの引張速度で手で引張り、最大伸張時の伸びを測定した。
実施例1〜3、及び比較例1〜3を、年齢層30代以上のボランティア20人の手首関節に貼付し、下記の基準によって貼付性評価を行った。
関節の固定感については、テーピングをしない時に比べて「固定感が非常にある」「固定感がある」「固定感が少しある」「変わらない」の4段階で評価し、相当する人数の結果を表2に記す。上記段階のうち、「固定感が非常にある」「関節の固定感がある」を関節部の固定感に対して有効とし、有効率を表2に併記した。
装着感については、「非常に快適」「問題なし」「不快に感じる」「非常に不快」の4段階で評価し、相当する人数の結果を表3に記す。上記段階のうち、「非常に快適」「問題なし」を装着感が良好であるので有効とし、有効率を表3に併記した。
b 短辺部
A 切れ目部
A’切れ目起点部
B 2分割された部分の端部
C 2分割された部分の端部
D 2分割していない側の端部
E 切りぬき部分
Claims (7)
- 伸縮布からなる基材と医療貼付用粘着層を含む粘着部材であって、該粘着部材は長辺部と短辺部を含む帯状の形状からなり、一方の短辺部側から中央に向かって切れ目が施されていることにより帯状の形状の一方が2分割されており、さらに長辺部の少なくとも一辺が凹状に切り抜かれた部分を有することを特徴とする手首関節固定用粘着部材。
- 前記粘着部材において、一方の短辺部側から中央に向かって施される切れ目の長さが、長辺部の長さの1/10〜1/2である請求項1に記載の手首関節固定用粘着部材。
- 前記粘着部材において、凹状に切り抜かれた部分の大きさは、長辺部の長さの1/10〜1/2であり、短辺部の長さの1/10〜1/2である請求項1又は2に記載の手首関節固定用粘着部材。
- 前記伸縮布からなる基材が、長手方向又は短手方向の少なくとも1方向に伸縮性を有し、該長手方向又は短手方向の少なくとも1方向の伸長時における引張応力が50〜280N/25mm幅で、その伸びが50〜270%である請求項1〜3のいずれか一に記載の手首関節固定用粘着部材。
- 前記伸縮布からなる基材が、強撚布、織物、編物又はネット地、或いはスパンボンド不織布に伸縮糸又は伸縮糸と非伸縮糸を編みこんだ不織布伸縮性編物地である請求項4に記載の手首関節固定用粘着部材。
- 以下の手順により手首関節を固定する請求項1〜5のいずれか一に記載の手首関節固定用粘着部材の使用方法:
1)手首関節固定用粘着部材の2分割された部分の先端を指側に向け、該2分割された部分の切れ目の起点部を手の甲側に位置を定めて貼り;
2)次に2分割された部分の先端を掌側に伸長させながら、掌側に貼り合わせ;
3)さらに2分割されていない部分を伸張させながら手首に巻きつけるように貼り合わせる。 - 以下の手順により手首関節を固定する請求項1〜5のいずれか一に記載の手首関節固定用粘着部材の使用方法:
1)手首関節固定用粘着部材の2分割された部分の先端を指側に向け、該2分割された部分の切れ目の起点部を掌側に位置を定めて貼り;
2)次に2分割された部分の先端を手の甲側に伸長させながら、手の甲側に貼り合わせ;
3)さらに2分割されていない部分を伸張させながら手首に巻きつけるように貼り合わせる。
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