JP3238388U - 手指巻着具 - Google Patents

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左儒 金光
有希 寺本
祐次 奥野
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武内製薬株式会社
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Abstract

【課題】指先の血流を弱めることでへバーデン結節の痛みを和らげる手指巻着具を提供する。【解決手段】へバーデン結節の痛みを軽減するための伸縮性素材からなる手指巻着具1であって、手指に接着するための粘着面4を備える巻着部2と、巻着部の粘着面に設けられた非粘着部3とを備える、手指巻着具。【選択図】図1

Description

本考案は、手指の変形関節の痛みを軽減するための手指巻着具に関し、特にへバーデン結節の痛みを軽減するための手指巻着具に関する。
手指の変形性指関節症であるヘバーデン結節は、手指の第一関節が太くなったり、骨が隆起して変形する症状が現れる。また第二関節に症状が現れるブシャール結節も知られており、関節の腫れや痛みが生じ、また骨の変形によって指先が曲げにくくなり手作業が不便になる。
従来、このような症状に対しては、手指第一関節や第二関節の腫れや変形を固定するため、テーピングや包帯を使用して患部に作用する負荷を制限し、痛みを緩和しながら症状の進行防止を図っている。
他方で、手指の関節を固定することで関節への負荷を軽減し、痛みを緩和する従来の製品とは異なり、指先の血流を弱めることで痛みを和らげる製品の開発が求められている。
したがって、本考案は以下を提供する。
(項目1)
へバーデン結節の痛みを軽減するための伸縮性素材からなる手指巻着具であって、
(1)前記手指に接着するための粘着面を備える巻着部と、
(2)前記巻着部の前記粘着面に設けられた非粘着部と
を備える、手指巻着具。
(項目2)
前記伸縮性素材がウレタンを含む、上記項目に記載の手指巻着具。
(項目3)
前記粘着面が、前記手指巻着具の両端にそれぞれ位置する、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目4)
前記手指巻着具の厚みが約50μm~100μmである、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目5)
前記非粘着部がPETを含む、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目6)
前記手指巻着具が、1または複数の部材から構成される台紙をさらに備え、前記台紙は、前記手指巻着具の肌対向面側に剥離可能に貼着する、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目7)
前記台紙が、前記手指巻着具の一端に剥離可能に貼着する第1の部材と、前記手指巻着具の他端に剥離可能に貼着する第2の部材とからなり、前記第1の部材の少なくとも一部と前記第2の部材の少なくとも一部とが重層し、前記非粘着部が前記手指巻着具と前記第1の部材または前記第2の部材との間に配される、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目8)
手指方向の長さが約1.5cm~約4cmである、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目9)
前記粘着面がアクリル系粘着剤を含む、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
(項目10)
手指の第一関節用の、上記項目のいずれか一項に記載の手指巻着具。
本開示において、上記の1つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。なお、本開示のさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
なお、上記した以外の本開示の特徴及び顕著な作用・効果は、以下の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
本考案によれば、伸縮性素材を利用することで、手指の血流を調節できる手指巻着具を提供することができるため、手指の関節を固定することなくヘバーデン結節の痛みを軽減することができ、非常に有用である。
図1は、本考案の一実施形態に係る手指巻着具を示す概略正面図である。 図2は、本考案の一実施形態に係る手指巻着具を示す概略正面図および側面図である。
以下、本開示を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。
本明細書において、「約」とは、後に続く数値の±10%を意味する。
(好ましい実施形態)
以下に本開示の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本開示のよりよい理解のために提供されるものであり、本開示の範囲は以下の記載に限定されるべきでない。したがって、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本開示の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本開示の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができる。また具体的な実施形態について図1~2に基づいて説明する。
本考案の一局面において、へバーデン結節の痛みを軽減するための伸縮性素材からなる手指巻着具であって、(1)前記手指に接着するための粘着面を備える巻着部と、(2)前記巻着部の前記粘着面に設けられた非粘着部とを備える、手指巻着具を提供することができる。
1つの具体的な実施形態として、図1および2に示すような、へバーデン結節の痛みを軽減するための伸縮性素材からなる手指巻着具1であって、(1)前記手指に接着するための粘着面4を備える巻着部2と、(2)前記巻着部2の前記粘着面4に設けられた非粘着部3とを備える、手指巻着具1を提供することができる。
ヘバーデン結節やブシャール結節では、手指の関節の変形や隆起が生じるため、従来の製品では、痛みが生じないように、この変形した関節を曲げないように固定することを目的としている。そのため、従来の製品では、患部の関節をテーピングや包帯を使用して固定するか、専用の部材で固定することが多いが、いずれも手指の運動が制限されるため、日常生活では極めて不便である。また従来のテーピングや包帯では、水に弱く、手洗いの際に剥がれてしまうなど、日常生活での使用では何度も貼替が必要となり不便である。
また着脱可能なシリコン素材の筒状タイプのサポートテープも市販されているが、汚れやすい、通気性が悪い、内側が濡れてしまうと抜けてしまう、調節が効かない、サイズが合わない、鬱血する、髪の毛に絡むなどの欠点が指摘されており、手指に巻き付けるテープ形状の手指巻着具が好ましい。
また布状、ナイロン素材などのマジックテープタイプのサポーターも市販されているが、分厚くて手指の動作の妨げになる、付けたまま水作業ができない、マジックテープが洋服などに引っかかる、通気性が悪い、サイズが合わないなどの欠点が指摘されており、手指に巻き付けるテープ形状の手指巻着具が好ましい。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具は、伸縮性素材を用いているため、患部の関節の血流を調節し、痛みを軽減するように血流を弱めることができる。伸縮性のある素材としては、例えばウレタンや塩化ビニルフィルムを挙げることができ、伸縮性素材を用いることで、本考案の手指巻着具を手指にフィットさせ血流を調節することができる。
一実施形態として、伸縮性の程度としては、例えば、素材の伸び率が約110%~約250%、約130%~約230%、約150%~約220%、約160%~約210%、または約180%~約200%であることが好ましい。一実施形態において、伸縮性素材としては、その伸び率が約180%~約200%であることが特に好ましい。このような伸び率の素材を用いることにより、本考案の手指巻着具は、手指を固定することなくフィットし、血液の流れを少なくすることで、血管の近くにある神経への刺激が抑えられて、痛みを軽減することができる。一実施形態において、本考案の手指巻着具は、このような伸縮性素材を用いることで、手指にフィットしない、不織布ではホールド感を維持できない、テーピングでは固定しすぎるなどの課題を解決することができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具の粘着面には、アクリル系粘着剤を用いることができる。低アレルギー性で肌への負担が少ないアクリル系粘着剤を使用することで、毎日使用した場合でも安心して使用することができる。また本考案の一実施形態において、粘着面が、手指巻着具の両端にそれぞれ位置するができる。へバーデン結節は手指に貼り付けたテープをはがす際でも痛みを伴うため、肌に接触する面にはウレタンやナイロンなどの滑らかな素材を用いることで、極力肌に接触する粘着面を減らすことができる。また粘着剤を塗布することで、装着の際の支えとなり、貼りやすく、使用中もはがれにくさを保つことができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具の粘着面は、巻着部の全体を覆っていてもよい。一実施形態において、本考案の手指巻着具の粘着面は、巻着部の一部のみ、例えば両端部にのみに存在するのが好ましい。一実施形態において、本考案の手指巻着具の粘着面は、手指巻着具を手指に巻き付けた際に、手指または間接を固定しすぎることなく巻着できるような面積で存在することができる。本考案の手指巻着具の粘着面を少なくすることで、手指から剥がす際の痛みを軽減することができるため、一実施形態において、本考案の手指巻着具の粘着面は、血液の流れを弱めるという機能を維持したまま、極力少ない面積とすることが好ましい。一実施形態において、本考案の手指巻着具の粘着面は、血液の流れを弱めることができる限り、手指巻着具の一端または両端の約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、または約3%未満の面積に存在することができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具は、その手指(短手)方向の長さが、約1.0cm~約5.0cm、約1.2cm~約4.5cm、約1.5cm~約4.0cm、約2.0cm~約3.5cm、または約2.5cm~約3.0cmとすることができる。一実施形態において、手指巻着具の手指(短手)方向の長さは、約1.8cm~約2.5cmとするのが特に好ましく、例えば、約19mmまたは約22mmであることが好ましい。このような長さとすることで、関節部分をしっかりと覆いながら、他の関節(例えば、第一関節を覆いたい場合には、第二関節)に手指巻着具が届かず、折れ曲がらないようにすることができる。そのため、本考案の手指巻着具は、手指の運動を制限されることなく装着することができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具は、その長手方向の長さが、約3.0cm~約12.0cm、約4.0cm~約11.0cm、約5.0cm~約10.0cm、約5.5cm~約9.0cm、約6.0cm~約8.0cm、または約7.0cm~約7.5cmとすることができる。一実施形態において、手指巻着具の長手方向の長さは、約7.0cm~約7.5cmとするのが特に好ましく、例えば、約72mmであることが好ましい。このような長さとすることで、手指に巻着した場合に、血流を弱め、痛みを軽減することができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具は、手指の関節であればいずれの箇所にも使用することができるが、好ましくは手指の第一関節用の手指巻着具とすることができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具の厚みは約50μm~約100μm、約55μm~約95μm、約60μm~約90μm、約65μm~約85μm、約70μm~約80μm、または約75μm~約80μmとすることができる。一実施形態において、手指巻着具の厚みは、約100μmであることが特に好ましい。このような厚さとすることで、手指巻着具を手指から剥がした場合にも手指への負荷が少なく、痛みを軽減することができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具の非粘着部は、手指の肌に接触する芯部を含むことができ、例えば、そのような芯部の素材としては、弾力性があり、防水性があるものであればよく、例えば、非粘着部は、芯部として、PETを含むことができる。非粘着部が芯部としてPETを含むことで、弾性力を提供することができる。
本考案の一実施形態において、非粘着部の芯部の厚みは約30μm~約60μm、約35μm~約55μm、または約40μm~約50μmとすることができる。一実施形態において、非粘着部の芯部の厚みは、約50μmであることが特に好ましい。このような厚さとすることで、指には沿うが、関節を曲げた際には支えにすることができる。
本考案の一実施形態において、本考案の手指巻着具は、1または複数の部材から構成される台紙をさらに備えることができ、このような台紙は、本考案の手指巻着具の肌対向面側に剥離可能に貼着することができる。また本考案の一実施形態において、台紙は、本考案の手指巻着具の一端に剥離可能に貼着する第1の部材と、手指巻着具の他端に剥離可能に貼着する第2の部材とからなり、第1の部材の少なくとも一部と第2の部材の少なくとも一部とが重層し、非粘着部が手指巻着具と第1の部材または第2の部材との間に位置するように構成することができる。へバーデン結節は手指に貼り付けたテープをはがす際でも痛みを伴うため、本考案の一実施形態に係る手指巻着具では、手指巻着具の一端の台紙を手指巻着具に残したまま使用することができ、剥がす際に、その残した台紙を把持して剥がしやすくすることができる。
以上のように、本考案の手指巻着具は、従来品と比較して、伸縮性素材を使用することで手指に巻いた際の血流を弱めることができ、またフィット感を良好なものとすることができる。また手指に触れる面を極力減らすことで、剥がす際の手指への負担も軽減することができる。
本明細書において「または」は、文章中に列挙されている事項の「少なくとも1つ以上」を採用できるときに使用される。「もしくは」も同様である。本明細書において「2つの値」の「範囲内」と明記した場合、その範囲には2つの値自体も含む。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
(注記)
以上のように、本開示の好ましい実施形態を用いて本開示を例示してきたが、本開示は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願及び他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本考案に係る手指巻着具は工業的に安価で量産することが可能で、手指巻着具の直径や各種部位の長さを変更すれば、様々な患者の手指に合わせた手指巻着具とすることができ、医療器具の分野で有用である。
1…手指巻着具
2…巻着部
3…非粘着部
4…粘着面

Claims (10)

  1. へバーデン結節の痛みを軽減するための伸縮性素材からなる手指巻着具であって、
    (1)前記手指に接着するための粘着面を備える巻着部と、
    (2)前記巻着部の前記粘着面に設けられた非粘着部と
    を備える、手指巻着具。
  2. 前記伸縮性素材がウレタンを含む、請求項1に記載の手指巻着具。
  3. 前記粘着面が、前記手指巻着具の両端にそれぞれ位置する、請求項1に記載の手指巻着具。
  4. 前記手指巻着具の厚みが約50μm~100μmである、請求項1に記載の手指巻着具。
  5. 前記非粘着部がPETを含む、請求項1に記載の手指巻着具。
  6. 前記手指巻着具が、1または複数の部材から構成される台紙をさらに備え、前記台紙は、前記手指巻着具の肌対向面側に剥離可能に貼着する、請求項1に記載の手指巻着具。
  7. 前記台紙が、前記手指巻着具の一端に剥離可能に貼着する第1の部材と、前記手指巻着具の他端に剥離可能に貼着する第2の部材とからなり、前記第1の部材の少なくとも一部と前記第2の部材の少なくとも一部とが重層し、前記非粘着部が前記手指巻着具と前記第1の部材または前記第2の部材との間に配される、請求項6に記載の手指巻着具。
  8. 手指方向の長さが約1.5cm~約4cmである、請求項1に記載の手指巻着具。
  9. 前記粘着面がアクリル系粘着剤を含む、請求項1に記載の手指巻着具。
  10. 手指の第一関節用の、請求項1に記載の手指巻着具。
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