JP2006129780A - 甘藷挿苗機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンドルフレーム7に位置固定され、回転駆動される植付け駆動軸25と、植付け駆動軸25と一体に、その周りを公転する第一支点軸29と、ハンドルフレーム7に位置固定される姿勢調整軸27と、姿勢調整軸27周りに公転自在に設けられる第二支点軸30と、互いに平行な第一支点軸29および第二支点軸30に二点支持される、植付け爪20L・20Rの爪支持ケース31と、を備え、走行機体4の走行に連動して、植付け爪20L・20Rが往復運動を行なう甘藷挿苗機1であって、爪支持ケース31の姿勢調整板39には、第二支点軸30の取付位置となる取付用長孔39aおよび取付用孔39bが設けられ、ハンドルフレーム7には姿勢調整軸27の取付位置F1・F2が二ヶ所設けられる。
【選択図】図5
Description
このような甘藷挿苗機には、苗の植付けを行なう植付け爪を開閉させる機構と、この植付け爪を、苗の搬送台から畝中に至る経路で往復運動させる爪往復動機構と、が備えられている。そして、この植付け爪が、苗の搬送台より苗を掴み取って畝中に突入し、畝内で苗を解放することで、苗の植付けが行なわれる。
加えて、このような植付け爪の往復および開閉運動は、機体の走行に連動して行なわれるものであり、機体の走行方向に沿って、畝上に順次、苗移植が行なわれる。
そして、「船底植え」に対応した甘藷挿苗機や、「斜め植え」に対応した甘藷挿苗機が存在する。
このため、一台の甘藷挿苗機は、自らに備える爪往復動機構によって、可能な植付け姿勢が一種類に限定された専用機となっていた。
そして、ユーザは、異なる植付け姿勢による植付けを実施する場合は、その植付け姿勢に対応した専用機を新たに購入する必要があり、収容スペースやコスト面が大きな負担となっていた。また、メーカーでも、植付け姿勢に応じて専用機を生産する必要があり、生産性を損なうものとなっていた。
機体フレームに位置固定され、回転駆動される植付け駆動軸と、
植付け駆動軸と一体に、その周りを公転する第一支点軸と、
機体フレームに位置固定される姿勢調整軸と、
姿勢調整軸周りに公転自在に設けられる第二支点軸と、
互いに平行な第一支点軸および第二支点軸に二点支持される、植付け爪の爪支持体と、
を備え、
機体の走行に連動して、前記植付け爪が往復運動を行なう甘藷挿苗機であって、
前記爪支持体には、第二支点軸の取付位置が複数設けられる、ものである。
機体フレームには、前記姿勢調整軸の取付位置が複数設けられる、ものである。
前記支持体には、前記第二支点軸の取付位置を連続的に付与する取付用長孔が形成されると共に、
この取付用長孔は、第一支点軸から第二支点軸までの距離を変化させる方向に形成される、ものである。
前記支持体に、複数ヶ所で位置決め固定可能な位置決め体を備え、
この位置決め体には、前記第二支点軸を長手方向に通過自在とする受け用長孔が形成されると共に、
この受け用長孔は、前記複数ヶ所の固定位置によらず、前記取付用長孔と交わる方向に形成される、ものである。
一台の甘藷挿苗機において、複数の植付け姿勢で甘藷苗の植付けを行なうことが可能である。例えば、一台の甘藷挿苗機で、苗の植付け姿勢を、船底植えと斜め植えとで切り替え可能とすることもできる。
取付位置が連続的に付与される取付用長孔を備える爪支持体にも、第二支点軸を位置決め固定可能である。したがって、受け用長孔の形状や長さの異なる位置決め板を用意して適宜交換することにより、第二支点軸を爪支持体に対して任意の位置に位置決め固定することも可能である。
甘藷挿苗機1は、畝に沿って走行しながら、自動的に甘藷苗(以下苗)を畝中に植え付ける歩行型の自走式作業機であり、畝間の谷部17を走行する左右一対の前輪2・2および後輪3・3と、畝の上方に位置する走行機体4と、を備えている。
走行機体4には、前記各種装置として、走行方向の前方より後方に向けて、畝ガイド装置8、前輪支持装置9、エンジン10、後輪支持装置11、前記ミッションケース6、畝高さ検出装置16、苗搬送台12、植付け装置13、押圧装置14、運転操作部15、が備えられている。
なお、これらの各種装置において、ミッションケース6より前側に配置される装置はエンジンフレーム5に支持され、ミッションケース6より後側に配置される装置はハンドルフレーム7に支持されている。
後輪支持装置11も、前輪支持装置9と同様の構成であり、ミッションケース6に位置固定されている後輪支持軸11aと、後輪支持軸11a回りに回転自在で、各後輪3を支持するチェーンケース11b・11bと、が備えられている。
なお、後輪支持軸11aの内部には、後輪3・3の駆動軸が内蔵されており、この駆動軸の回転駆動が、左右それぞれで、チェーンケース11b内のチェーンを介して、後輪3に伝達される。
まず、前輪アーム9bとチェーンケース11bとは図示せぬ連結軸を介して連結されており、前輪アーム9bおよびチェーンケース11bが平行リンクに構成されている。そして、前輪アーム9bまたはチェーンケース11bを回転させることで、前輪2・2および後輪3・3に対する走行機体4の上下高さが可変である。
本実施の形態では、チェーンケース11bを走行機体4に対して回転させる手段として、エンジンフレーム5とチェーンケース11bとを連結して伸縮させるアクチュエータ19が設けられている。このアクチュエータ19を伸縮させることにより、前記平行リンクの作動を介して、前輪2・2および後輪3・3に対して、走行機体4が上下動する。
前記畝高さ検出装置16には、畝上面18と接触するセンサーローラ16aと、センサーローラ16aを支持しエンジンフレーム5に回転自在に設けられるセンサーアーム16bと、が備えられている。
このセンサーアーム16bの傾斜角度は、エンジンフレーム5と畝上面18との離間距離に関する情報を与えるものである。そして、このセンサーアーム16bの傾動に応じて、油圧バルブのスプールが押し引きされて、油圧式とした前記アクチュエータ19の作動が制御され、エンジンフレーム5と畝上面18との離間距離が一定に保たれるように、走行機体4の高さ位置が制御される。
また、左右一方のチェーンケース11bを他方のチェーンケース11bに対して回転させる(傾斜させる)アクチュエータ(図示せず)が、前記アクチュエータ19とは別に設けられており、甘藷挿苗機1は、左右傾斜制御も可能に構成されている。
苗搬送台12は、図示せぬ苗収容ケースに収容されている苗を、植付け装置13に備える植付け爪20L・20Rに、自動的に搬送して供給する装置である。
苗搬送台12には、前後方向で左回りに回転する帯状の搬送ベルト21が備えられると共に、この搬送ベルト21上には、スポンジ等の弾性体で構成した一対の樹脂材が対向配置されてなる保持部22が、苗を保持する手段として、等間隔に配置されている。
搬送ベルト21の上面は、前記苗収容ケースから取り出した苗を保持させる載置部であり、搬送ベルト21の下端位置は、植付け爪20L・20Rに苗を引き継ぐ受渡し位置21dである。
植付け装置13は、左右一対の植付け爪20L・20Rと、植付け爪20L・20Rを受渡し位置21dから畝中まで往復運動させる爪往復動機構24と、を備えている。
前記往復運動の最上位置は受渡し位置21dであり、この受渡し位置21dにある苗を、植付け爪20L・20Rが挟み込んで掴み取り、畝中にある前記往復運動の最下位置で、植付け爪20L・20Rが苗を解放し、植付け爪20L・20Rが上方へ退くことで、畝中への苗の移植が行なわれる。
より詳しくは、ミッションケース6および植付け装置13の左右一側には、ミッションケース6から植付け装置13に至る伝動ケース45(図2に図示)が配置され、前記PTO軸からの動力が、伝動ケース45内に配置されるチェーン等よりなる駆動伝達機構を介して、植付け装置13の植付け駆動軸25に伝達される構成である。
爪往復動機構24には、植付け駆動軸25と一体的に回転する第一リンクアーム26と、姿勢調整軸27に回動自在に設けられる第二リンクアーム28と、が備えられている。
植付け駆動軸25は、自転(自らの軸心周りの回転)は可能であるが、ハンドルフレーム7に位置固定される構成である。また、姿勢調整軸27は、ハンドルフレーム7に位置固定される構成である。
第一リンクアーム26の先端には、第一支点軸29が固定されると共に、第二リンクアーム28の先端には、第二支点軸30が固定されている。
そして、植付け爪20L・20Rを支持する爪支持ケース31が、第一支点軸29および第二支点軸30により、二点支持される。
なお、本明細書において、軸間の距離とは、軸心間の距離のことを意味する。
第一支点軸29から第二支点軸30までの距離が一定のため、爪支持ケース31の公転(植付け駆動軸25周りの回転)に伴って、第二リンクアーム28が姿勢調整軸27周りの円弧軌道上を往復運動する。つまり、第一支点軸29と第二支点軸30との相対位置が変化する。
このため、第一支点軸29および第二支点軸30により二点支持される爪支持ケース31の姿勢が変化する。爪支持ケース31の姿勢の変化は、植付け爪20L・20Rの姿勢の変化を意味する。
なお、図3に示す三日月状経路R1は、甘藷挿苗機1本体を停止した状態で植付け爪20L・20Rを駆動させたものであり、本体を走行しながら植え付ける移動経路とは、異なるものである。
これは、植付け爪20L・20Rの運動が、前記爪往復動機構24による運動(三日月の外周状の往復運動)と、甘藷挿苗機1の走行による運動(直線運動)とを、合成したものとなるためである。
また、マルチフィルムの敷設された畝への植付けにおいては、植付け穴の開口幅(畝表面の開口幅)が小さくなるにつれ、植付けに際してのマルチフィルムの切断幅が小さくて済む。特に、植付け爪20L・20Rの畝への突入位置と、畝からの退出位置とが略一致する場合は、植付け爪20L・20Rの先端に設ける切断刃33a(後述)により、突入時に植付け穴の表面となる部位のマルチフィルムを切断しておけば、退出時にも問題がない。したがって、植付け爪20L・20Rとマルチフィルムとの引っ掛かりを防止すべく、マルチフィルムの切断装置を別設するなどの必要がない。
したがって、植付け爪20L・20Rによる苗移植が行なわれた状態で、苗が土中より露出することがなく、苗の植付けが確実となっている。
苗の植付け姿勢は、主として、植付け爪20L・20Rの往復運動の経路形状によって決定されるものである。爪往復動機構24は、植付け爪20L・20Rの往復運動の経路を、複数のパターンで切り替えることが可能に構成されており、この経路形状の変更により、異なる植付け姿勢で苗が植え付けられることになる。
そこで、前記往復運動の経路を変更する手段として、第二支点軸30および姿勢調整軸27の位置を変更させる構成が、爪往復動機構24には設けられている。
一つは、爪支持ケース31に対する第二支点軸30の取付位置を変更可能とする構成である。もう一つは、ハンドルフレーム7に対する姿勢調整軸27の取付位置を変更可能とする構成である。
以下で、これらの構成について具体的に説明する。
前記爪支持ケース31は、より詳しくは、次の三部分、開閉機構ケース37、ボス38、姿勢調整板39を、略一直線状に順に連結固定してなっている。
ここで、開閉機構ケース37には、植付け爪20L・20Rを開閉運動させるリンク機構が内蔵されている。ボス38には、第一支点軸29に回動自在に支持させるためのベアリングが内蔵されている。
一方、姿勢調整板39には、第二支点軸30の取付位置を変更可能とする手段として、取付用長孔39aと取付用孔39bとが、形成されている。そして、第二支点軸30を取付用長孔39aや取付用孔39bに挿入した状態で、姿勢調整板39に第二支点軸30をボルト等により枢支することが可能である。取付用長孔39aと取付用孔39bはボス38の軸心から徐々に離れるように配置し、かつ、図6においてボス38を中心として左回りに所定角度ずつ回転した位置に設けられる。言い換えれば、第二支点軸30は第一支点軸29との間の距離及び角度を変更できるようにしている。
ここで、取付用長孔39aの形成方向は、第一支点軸29の接線方向と半径方向の間の斜め方向に開口し、取付用長孔39a内に第二支点軸30を挿入した状態で、第一支点軸から第二支点軸までの距離を変化させる方向となっている。
なお、本実施の形態では、第二支点軸30の取付位置は取付用長孔39a内の三ヶ所で位置決め固定可能な構成とし、そのために姿勢調整板39の反ボス38側端部に位置決め孔39c・39d・30eを形成し、位置決め板40を取り付ける構成としている。このように位置決め固定可能な箇所が設けられているのは、爪支持ケース31への第二支点軸30の位置決め精度を高めるためである。
図7に示すように、位置決め板40には、その一端部に、第一支点軸29の外径と一致する半円状の凹部40cが形成されており、位置決め板40を第一支点軸29周りに当接させた状態で回転させることが可能である。
また、位置決め板40には、前記凹部40cと反対側の端部に、位置決め孔40dが形成されている。この位置決め孔40dは、姿勢調整板39に対して位置決め板40を位置決めする際に用いられるものであり、図6に示すように、姿勢調整板39に設けた複数の位置決め孔39c・39d・30eは前記位置決め孔40dに対応するように形成されている。
このため、姿勢調整板39に対して、位置決め板40を三つの異なる姿勢で、取り付けることが可能である。
姿勢調整板39に形成される挿通孔は、前記取付用長孔39aおよび取付用孔39bである。
一方、位置決め板40に形成される挿通孔は、受け用長孔40aおよび受け用孔40bである。ここで、受け用長孔40aは取付用長孔39aに対応するものであり、取付用孔39bは取付用孔40bに対応するものである。
ここで、この三ヶ所の位置決めに応じて、それぞれ、受け用長孔40aと取付用長孔39aとの間で異なる合流部が形成されるように、受け用長孔40aおよび取付用長孔39aの形成長さや形成方向が、適宜設定されている。
同じく、前記位置決めが位置決め孔39dで行なわれた場合に、受け用長孔40aと取付用長孔39aとで形成される合流部がM2であり、合流部M2から第一支点軸29までの距離はL2である。
同じく、前記位置決めが位置決め孔39eで行なわれた場合に、受け用長孔40aと取付用長孔39aとで形成される合流部がM3であり、合流部M3から第一支点軸29までの距離はL3である。
第一支点軸29から受け用孔40bまでの距離と、第一支点軸29から取付用孔39bまでの距離は同一であり、この距離をL4とする。そして、距離L1<L2<L3<L4と徐々に長くなるようにし、かつ、L1の線からL4の線までそれぞれ順に所定角度左回転した位置で固定される。
姿勢調整軸27は、次の構成により、ハンドルフレーム7に対して、複数の取付位置のいずれかで固定されるものとなっている。
まず、姿勢調整軸27は、支持アーム41の一端部に固定されている。この支持アーム41の他端部は、ハンドルフレーム7に固定される支持板42に取り付けられて固定されるものとなっている。
この支持板42に対する支持アーム41の取付位置は、複数設けられており、具体的には次の構成である。
ここで、挿通孔41a・41b間の距離と、挿通孔42a・42c間の距離および挿通孔42b・42c間の距離は共に同一であり、この距離をDとする。
このため、支持アーム41を支持板42に対して、二通りの姿勢で位置決め固定することが可能となっている。支持アーム41の挿通孔41a・41bを、支持板42の挿通孔42a・42cに合わせて、ピン44・44を挿入して位置決めした場合、姿勢調整軸27の取付位置はF1である。また、支持アーム41の挿通孔41a・41bを、支持板42の挿通孔42b・42cに合わせて、ピン44・44を挿入して位置決めした場合、姿勢調整軸27の取付位置はF2である。
したがって、これらの取付位置を組み合わせると、植付け爪20L・20Rの往復運動の経路として、合計八つの可能なパターンが存在することになるが、本実施の形態の甘藷挿苗機1において、植付け姿勢として特に有効であるパターンは、以下の四つのパターンである。
「船底植え」とは、甘藷苗の植付け姿勢において、船の底面の一端側形状のように、横に寝かせるように植え付ける姿勢のことを意味する。
図5に示すように、船底植えは、姿勢調整軸27が、二ヶ所で変更可能な取付位置のうち、より第一支点軸29に近い位置(取付位置F1)に取り付けられた場合の植付け姿勢である。第一支点軸29と姿勢調整軸27とが接近すると、植付け爪20L・20Rの姿勢変更幅(前後上下方向の振れ幅)が、より大きなものとなる。
図4には、前記合流部M1に第二支点軸30が取り付けられた場合における、植付け爪20L・20Rの往復運動の経路を示している。このとき、合流部M1から第一支点軸29までの距離はL1である。
図5には、前記合流部M2に第二支点軸30が取り付けられた場合における、植付け爪20L・20Rの往復運動の経路を示している。このとき、合流部M2から第一支点軸29までの距離はL2である。
図6には、前記合流部M3に第二支点軸30が取り付けられた場合における、植付け爪20L・20Rの往復運動の経路を示している。このとき、合流部M3から第一支点軸29までの距離はL3である。
「斜め植え」とは、甘藷苗の植付け姿勢において、斜め方向(例えば45度方向)に沿って植え付ける姿勢のことを意味する。
図9に示すように、斜め植えは、姿勢調整軸27が、二ヶ所で変更可能な取付位置のうち、より第一支点軸29に遠い位置(取付位置F2)に取り付けられた場合の植付け姿勢である。第一支点軸29と姿勢調整軸27とが離間すると、植付け爪20L・20Rの姿勢変更幅(前後上下方向の振れ幅)が、より小さなものとなる。
植付け爪20L・20Rは左右対称の形状であるので、左側の植付け爪20Lについて説明する。
側面視において、植付け爪20Lの形状は、一方の辺が他方の辺よりも三倍程度長いV字状であり、長辺部である畝中突入部20aと、短辺部である基部20bよりなる。畝中突入部20aは、第一リンクアーム26の回転に伴って畝中へ突入する部分であり、基部20bは、爪支持ケース31内のリンクに接続される部分である。また、畝中突入部20aの先端部には、苗を挟み込むための当接板33が固設されている。
この当接板33の端部には、マルチフィルムを切り裂くための切断刃33aが形成されており、この切断刃33aが、植付け爪20L・20Rの畝中への突入時に、植付け穴の表面に位置するマルチフィルムを切断する。
ここで、畝中突入部20aは、植付け爪20L・20Rを往復運動させる爪往復動機構24の駆動源となる植付け駆動軸25に対して、凹状となっている。
このため、畝中突入部20aの全体が、前記α字状経路(植付け爪20L・20Rの先端の移動経路)に沿って移動し、植付け穴を必要以上に拡大することがない。
このため、植付け爪20L・20Rを畝中に差し込むだけで、苗を挿入するのに必要なだけの長さを有する植付け穴を形成することができる。畝中突入部の長さが、必要とされる植付け穴の長さよりも短い場合は、植付け爪を畝中でスライドさせて、畝上面を前後方向に切り裂くなどして、自らよりも長い範囲に穴を形成する必要があるが、植付け爪20L・20Rの場合は、このようなことを行なう必要がない。また、マルチフィルムの切断幅も小さくて済む。
前記爪支持ケース31内には、植付け爪20L・20Rを開閉運動させるリンク機構と、このリンク機構の始端に位置するレバー36とが、備えられている。
植付け爪20L・20Rの開閉および開度は、「閉」の状態と、苗を保持する「小さく開」の状態と、保持している苗を解放する「大きく開」の三段階で変化するものとされており、この三段階に対応するように、前記開閉カム32の外周面は、その半径が変化するように形成されている。
一方、爪支持ケース31の姿勢も、第一リンクアーム26の回転に伴って変化するが、この爪支持ケース31の姿勢変化の運動は、開閉カム32の回転運動とは、相対的に異なる運動である。
このため、爪支持ケース31に備える前記レバー36に、開閉カム32の外周面が当たる位置が、植付け駆動軸25の回転に応じて変化する。したがって、植付け駆動軸25の回転に応じて、植付け爪20L・20Rが開閉することになる。
第一の発明たる甘藷挿苗機は、機体フレームに位置固定され、回転駆動される植付け駆動軸と、植付け駆動軸と一体に、その周りを公転する第一支点軸と、機体フレームに位置固定される姿勢調整軸と、姿勢調整軸周りに公転自在に設けられる第二支点軸と、互いに平行な第一支点軸および第二支点軸に二点支持される、植付け爪の爪支持体と、を備えている。そして、機体の走行に連動して、植付け爪が往復運動を行なうものである。
また、エンジン10より出力される動力は、ミッションケース6を介して、後輪3・3を駆動する走行駆動力と、植付け駆動軸25を駆動する作業駆動力とに分岐されて出力されるものであり、植付け駆動軸25による植付け爪20L・20Rの往復運動は、甘藷挿苗機1の走行に連動するものである。
このため、一台の甘藷挿苗機において、複数の植付け姿勢で甘藷苗の植付けを行なうことが可能である。例えば、一台の甘藷挿苗機で、苗の植付け姿勢を、船底植えと斜め植えとで切り替え可能とすることもできる。
機体フレームには、前記姿勢調整軸の取付位置が複数設けられる、ものである。
このため、第一の発明と同様の効果がある。
前記支持体には、前記第二支点軸の取付位置を連続的に付与する取付用長孔が形成されると共に、この取付用長孔は、第一支点軸から第二支点軸までの距離を変化させる方向に形成される、ものである。
このため、第一の発明と同様の効果がある。
この甘藷挿苗機は、前記支持体に、複数ヶ所で位置決め固定可能な位置決め体を、備えている。この位置決め体には、前記第二支点軸を長手方向に通過自在とする受け用長孔が形成されると共に、この受け用長孔と前記取付用長孔との合流部で、前記第二支点軸が前記支持体に位置決め固定されるものである。
この位置決め板40には、前記取付用長孔49aと異なる方向に、受け用長孔40aが形成されている。この受け用長孔40aの形成方向は、前記三ヶ所の固定位置(位置決め孔39c・39d・39e)のいずれに、位置決め孔40dが合うように固定された場合であっても、取付用長孔49aと交わるものとなっている。
そして、爪支持ケース31と位置決め板40との位置決め位置に応じて、受け用長孔40aと取付用長孔39aとに合流部M1・M2・M3がそれぞれ形成されるものである。
択一的に形成される合流部M1・M2・M3のどれにでも、第二支点軸30を挿通可能であり、この挿通を行なうことで、第二支点軸30が爪支持ケース31に位置決め固定される。
このため、取付位置が連続的に付与される取付用長孔を備える爪支持体にも、第二支点軸を位置決め固定可能である。したがって、受け用長孔の形状や長さの異なる位置決め板を用意して適宜交換することにより、第二支点軸を爪支持体に対して任意の位置に位置決め固定することも可能である。
7 ハンドルフレーム(機体フレームの一部)
20L・20R 植付け爪
25 植付け駆動軸
27 姿勢調整軸
29 第一支点軸
30 第二支点軸
31 爪支持ケース(爪支持体)
39 姿勢調整板
39a 取付用長孔(取付位置)
39b 取付用孔(取付位置)
40 位置決め板(位置決め体)
40a 受け用長孔
40b 受け用孔
Claims (4)
- 機体フレームに位置固定され、回転駆動される植付け駆動軸と、
植付け駆動軸と一体に、その周りを公転する第一支点軸と、
機体フレームに位置固定される姿勢調整軸と、
姿勢調整軸周りに公転自在に設けられる第二支点軸と、
互いに平行な第一支点軸および第二支点軸に二点支持される、植付け爪の爪支持体と、
を備え、
機体の走行に連動して、前記植付け爪が往復運動を行なう甘藷挿苗機であって、
前記爪支持体には、第二支点軸の取付位置が複数設けられる、
ことを特徴とする甘藷挿苗機。 - 機体フレームには、前記姿勢調整軸の取付位置が複数設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の甘藷挿苗機。 - 前記支持体には、前記第二支点軸の取付位置を連続的に付与する取付用長孔が形成されると共に、
この取付用長孔は、第一支点軸から第二支点軸までの距離を変化させる方向に形成される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の甘藷挿苗機。 - 前記支持体に、複数ヶ所で位置決め固定可能な位置決め体を備え、
この位置決め体には、前記第二支点軸を長手方向に通過自在とする受け用長孔が形成されると共に、
この受け用長孔は、前記複数ヶ所の固定位置によらず、前記取付用長孔と交わる方向に形成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の甘藷挿苗機。
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