JP3800183B2 - 苗移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、甘しょ苗等のつる苗を圃場に植付ける苗移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下記特許文献1に示されるように、機体を自走させる走行装置と、つる状苗の基部を保持し機体側面視で閉ループ状軌跡を描いて昇降する苗植付け体を備えた植付装置とを備えた苗移植機が知られている。
【0003】
該苗移植機において、前記苗植付け体は、つる状苗の基部を押え付けるように作用することで保持して下降し圃場の土中に突入した後、機体進行方向に沿う方向に移動し、該方向へ設定距離移動した後に上昇し土中から抜け出すよう動作する構成としたものである。
【0004】
甘しょ苗の植付けは、苗の茎部を横たわるような状態で土中に長く挿入する舟底植と呼ばれる植付けを行う場合と、苗の茎部が前倒れに傾斜したような状態で土中に短く挿入する斜め植えと呼ばれる植付けを行う場合とがある。前者の植付けは、苗が大きく成長し長い苗になったとき、できるだけ多くの節部が土中になるよう植え付けるのに適し、後者の植付けは短い苗のときに、苗が土中に埋れ過ぎないように植付けるのに適する。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−305918号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、苗の土中への挿入長さを変更できず、上記のいずれか一方の植付けしか行えなかった。
そこで、本発明は、甘しょ等のつる状苗の移植機において、苗の長さ等に応じて、苗の土中への挿入長さを変更可能にすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題を解決するために次の構成を採用した。
請求項1記載の発明は、機体を自走させる走行装置(1)と、該走行装置(1)上に植付用のつる状の苗を搬送する苗搬送部(3)と、該苗搬送部(3)からつる状の苗を受け取り、つる状の苗の基部を保持して機体側面視で閉ループ状軌跡を描いて昇降する間に、つる状の苗を圃場に植え付ける苗植付け体(4)とを備えた苗移植機において、前記苗植付け体(4)はつる状苗の基部を保持して下降して圃場の土中に突入した後、機体進行方向に沿う方向に移動し、該方向へ設定距離移動した後に苗の保持を解いて上昇して土中から抜け出すよう動作する構成とし、前記苗植付け体(4)への動力伝動部を設け、該伝動部に、該苗植付け体(4)をその昇降動最上位の位置で、またはその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構を設け、該間欠駆動機構には、該間欠駆動機構によって苗植付け体(4)を作動停止する時間を調節して苗植付け体(4)による苗植付株間を変更調節する変速機構を設け、さらに、前記苗植付け体(4)への伝動部の前記間欠駆動機構の下手側に、苗植付け体(4)が土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの速度を変更可能とする変速伝動部(80)を設け、該変速伝動部(80)には、同一の変速比で複数の伝動部と該複数の伝動部のうちのいずれかの伝動部を択一的に伝動状態に切換える切換え操作手段とを設け、前記複数の伝動部は、等速伝動部と少なくとも一つは不等速伝動部で構成し、前記不等速伝動部が等速伝動部に比べて遅い伝動状態のとき、または速い伝動状態のときが、苗植付け体(4)が土中に突入して機体進行方向に沿う方向に移動するときとなるように前記複数の伝動部を設定した苗移植機である。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、苗植付け体が土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの速度を変更することができ、前記移動速度の変更で苗植付け体のその方向への移動距離が変化して、苗の土中への挿入長さをつる状の苗の大きさに合わせて変更できる。
【0009】
【発明の効果】
機体の進行により苗植付け体は機体進行方向に移動しながら動作する。このとき、苗植付け体が土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの速度を変更すると、苗植付け体のその方向への移動距離が変化して、苗の土中への挿入長さが変更される。よって、苗の長さ等に適した良好な植付けが行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の苗移植機について図面と共に説明する。
つる状の苗として甘しょ苗を植え付ける場合を例に説明する。なお、以下の図示例についての説明で前又は後というときは、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前としていい、そして、右又は左というときは、機体後部において機体前部に向って立つ作業者から見て右手側を右とし、左手側が左としていう。
【0011】
図1は本発明の実施の形態の苗移植機の側面図、図2は図1の苗移植機の平面図、図3は図1の苗移植機の苗搬送部と苗植付け体とを示す一部省略した斜視図、図4は図1の苗移植機の苗搬送部と苗植付け体とを示す一部省略した背面図である。
【0012】
苗移植機は、走行装置1と操縦ハンドル2を備えた機体に、甘しょ苗を搬送する苗搬送部3と、該苗搬送部3によって搬送されてきた苗を圃場に植付ける苗植付け体4とを備えた苗移植機である。
【0013】
走行装置1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪6、6と、該車輪6、6の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪7、7とを備えたものとしている。
【0014】
エンジン5の後部には、ミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達される構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9、9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9、9の回動中心にミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9、9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9、9内の伝動機構を介して機体後方側に延びて、その後端側側方に突出する車軸10、10に伝動し、後輪6、6が駆動回転するようになっている。
【0015】
また、伝動ケース9、9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11、11を一体的に取り付けていて、これがミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に上下軸心周りに回動自在に取り付けた天秤杆13の左右両側部と連結している。その連結部の右側はロッド14で連結し、左側は伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
【0016】
昇降用油圧シリンダ12が作動してそのピストンロッド12aが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11、11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9、9が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド12aが機体前方に引っ込むと、左右の前記アーム11、11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9、9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、機体に対する畝上面高さを検出するセンサー24の検出結果に基づいて機体を畝上面高さに対して設定高さになるよう作動するよう構成しており、また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具の人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう作動する構成ともしている。
【0017】
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、前記天秤杆13が、その左右中央部の昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド12aの先端と連結する上下軸心周りに回動して左右の伝動ケース9、9を互い違いに上下動させ機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサー(図示せず)の検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動するよう構成している。
【0018】
前記左右前輪7、7は、エンジン5下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた前輪支持フレーム16の左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17、17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7、7は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。
【0019】
前記操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定したハンドルフレーム2bの後端部に取り付けている。ハンドルフレーム2bは、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、ハンドルフレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a、2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a、2aは、作業者がそのグリップ部2a、2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a、2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0020】
なお、上記走行装置1は、四輪構成としたものであるが、左右一対の駆動輪のみの2輪構成でもよいし、前輪の替わりに畝上面を転動する鎮圧輪としてもよい。また、クローラー式の走行装置としてもよい。
【0021】
次に、苗植付け体4及び苗搬送部3について説明する。
苗植付け体4は、その苗植付け作用部4aを昇降動させる駆動部と連結し、該苗植付け体4の苗植付け作用部4a(一対の苗植付け挟持具4a1、4a2)が、苗搬送部3により搬送されてきた苗に作用して苗を圃場に植付ける構成としたものである。
【0022】
苗植付け体4を駆動する駆動部は、ミッションケース8内から苗植付け体4の駆動用の動力を受けて伝動する伝動機構を内装する植付け伝動ケース18に設けている。図例のように植付け伝動ケース18は、その前部がミッションケース8の後部に連結し、そこから後斜め上方に延びる第一ケース部18aと、この第一ケース部18aの上部左側部に左右方向の軸心まわりに回動自在に取付けられて左側方に延びる第二ケース部18bと、その第二ケース部18bの左端部に固定され後斜め下方に延びる第三ケース部18c内に苗植付け体4を駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。
【0023】
なお、第一ケース部18a内に内装した伝動機構には、苗植付け体4をその昇降動最上位の位置で、またはその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、苗植付け体4及び苗搬送部3を作動停止させるクラッチ機構とを備える。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付け体4による苗植付株間が変更調節されるようになっている。
【0024】
そして、苗植付け体4は、その駆動部としての駆動回転する駆動アーム19と連結して駆動される。駆動アーム19は、前記第三ケース部18cの後部右側部から突出して駆動回転する駆動軸20に固定されている。そして、駆動アーム19の先端部に苗植付け体4の支持リンク部21の上端部を回転自在に連結し、その支持リンク部21の下端部に揺動リンク22の前端部を回転自在に連結している。
【0025】
また、揺動リンク22の後端部は支持軸25で回転自在に支持されている。支持軸25の一端部は第三ケース部18cと一体に設けた支持フレーム23の後端部に回転自在に支持されている。
【0026】
また、図3の苗植付け体4部分の拡大斜視図に示すように、苗植付け体4は一対の支持アーム4b1、4b2からなる支持部4bと該支持部4bの先端部で苗を挟持する一対の苗植付け挟持具4a1、4a2と、前記支持部4bの各支持アーム4b1、4b2の基部を支持する一対の開閉部材4c1、4c2と、該開閉部材4c1、4c2との基部側に回転自在に設けたローラー4d1、4d2とからなる。一対の開閉部材4c1、4c2はその中間部で回動自在に交差しており、常時は挟持具4a1、4a2を閉じる方向にスプリング4eで付勢されている。また、ローラー4d1、4d2が後述する円盤状のカム54の左右両側面に形成したカム面にそれぞれ当接している。
【0027】
前記カム54は、駆動アーム19の先端部に一体的に取付けられ支持リンク部21の上端部を回動自在に取付けている連結軸55に一体回転するように取付けられている。円盤状のカム54の左右両側面に形成されるカム面は、前記ローラー4d1、4d2が当接する円盤外周側部分の左右の厚みを変化させることによって構成し、一対の挟持具4a1、4a2が苗搬送部3から苗を取出して土中に苗を持って行くために苗を挟持する区間で閉じ状態となり、それ以外の区間で開き状態となるように開閉動作するよう形成している。このようにカム面を形成したカム54を、挟持具4a1、4a2が上記のように開閉動作するカム面の位相となるように駆動アーム19の姿勢を基準として取付け姿勢を調節して取付ける。
【0028】
従って、駆動軸20が駆動回転して駆動アーム19が回動すると、該駆動アーム19の先端部と揺動リンク22の下端部とに回動自在に連結された支持リンク部21が設定した軌跡で動作するとともに、前記ローラー4d1、4d2がカム54の左右から挟み込むように当接する円盤外周側部分のカム面が前記ローラー4d1、4d2に対して回転することになる。そして、回転するカム54のカム面の作用を受けて開閉部材4c1、4c2の左右上端部が左右に拡縮動作して支持アーム4b1、4b2が左右に開閉動作し、左右の挟持具4a1、4a2が開閉する。
【0029】
これにより、苗植付け体4の一対の挟持具4a1、4a2は、苗搬送部3の苗取出し個所Pを通過するときに閉じて、そこに搬送されたつる状苗の基部側部分を挟持する。そして、挟持具4a1、4a2が閉じたまま土中に突入した後、機体進行方向に沿う方向に移動し、挟持した苗を土中に挿入する。そして、機体進行方向に沿う方向に設定距離移動した後に挟持具4a1、4a2が開いて苗を開放し、次に、上昇して土中から抜け出すように動作する。
【0030】
ところで、駆動アーム19の先端部に一体的に取付ける連結軸55を、駆動アーム19の取付位置を変えずに連結軸55をその軸心回りに回動調節可能とする調節機構を設けることにより、連結軸55に一体回転するように取り付けたカム54のカム面を連結軸55の軸心回りに移動調節して挟持具4a1、4a2の開閉タイミングを調節することが容易に行える。
【0031】
カム54を連結リンク55に沿った左右方向にスライド可能に取付けることで一対の苗植付け挟持具4a1、4a2の先端も左右方向に微調整できるので、苗植付け挟持具4a1、4a2が苗搬送部3の苗収容部26から苗を取り出すとき、茎支持部材26cと苗植付け挟持具4a1、4a2との位置が左右にずれているときに、前記のようにして苗植付け挟持具4a1、4a2の先端位置を左右に微調整すれば、容易に位置ずれを解消することができる。
【0032】
上記構成により苗植付け体4は、駆動アーム19が駆動回転すると、支持リンク部21と一体の苗植付け体4の先端部(下端部)の苗植付け作用部4aが、図6に示すような軌跡T又は軌跡T’(図7)を描いて運動することになる。なお、図6に示すような軌跡Tは、機体停止時に機体に対して苗植付け作用部4aが描く運動軌跡であり、図7に示す軌跡T’は、設定した作業時速度で機体が前進走行したときの圃場に対して苗植付け作用部4aが描く運動軌跡である。
【0033】
苗植付け体4の概略駆動系の構成について説明する。図5には苗搬送部3と苗植付け体4の概略駆動系を示し、図6にはケース18b、18c内の駆動系の断面略図を示す。
【0034】
苗植付け体4に動力を伝達する伝動系(伝動経路上)に、植付け体40が土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの速度を変更可能とする変速伝動部、即ち、苗植付け体4の苗植付け作用部4aが土中において機体進行方向に沿う方向へ移動を開始する個所から該方向への移動を終了する個所までの区間の平均移動速度を変更可能とする変速伝動部80を設けている。
【0035】
変速伝動部80は、植付け体40の苗植付け作用部4aが土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの伝動回転速度が異なる状態となる伝動部を同一の変速比で複数設けて、該複数の伝動部を択一的に伝動状態に切換える切換え操作手段を備える。また、複数の伝動部の少なくとも一つは、偏芯或は非円形のギヤやスプロケット等による不等速伝動部で構成する。
【0036】
また、図5及び図6に示すように、不等速伝動部を、ギヤの歯のピッチ円半径が1回転中に変化する偏芯或は非円形のギヤ対による不等速伝動ギヤ対とし、他の伝動部を等速伝動ギヤ対或は別の不等速伝動ギヤ対として、前者の伝動部による伝動状態と後者の伝動部による伝動状態とに切換可能に設ける場合、伝動上手側の入力軸に取付ける複数のギヤと、該ギヤにそれぞれ噛合う伝動下手側に取付ける複数のギヤとの回転比をそれぞれ一対一に設定するとともに、伝動上手側の入力軸に取付ける複数のギヤは該入力軸に対して一体回転するように取付け、伝動下手側に取付ける複数のギヤは該出力軸に対して回転自在に取付けるとともに、切換え操作手段は、伝動下手側に取付ける複数のギヤのうち一つのギヤのみを出力軸と一体回転する状態に切換るよう構成し、且つ、出力軸とギヤとはそれぞれ一箇所で係合して一体回転する構成とする。これにより、切換え操作手段の操作によって不等速伝動部の位相がずれることがなくなり、切換え操作が容易且つ適確に行えるものとなる。
【0037】
図6に示した変速伝動部80の具体例について説明する。この変速伝動部80は、入力軸となる伝動軸85と出力軸となる伝動軸86との間に、等速伝動する円形ギヤ83、87を経由して伝動する等速伝動部と、不等速伝動する偏芯ギヤ82、93を経由して伝動する不等速伝動部とを並列に設け、該等速伝動部の回転比と不等速伝動部の回転比は、それぞれ1対1に設定し、等速伝動部を経由する伝動状態と不等速伝動部を経由する伝動状態とに択一的に切換える切換え操作機構を設ける。不等速伝動部を経由する伝動状態のときには、入力軸となる伝動軸85側の偏芯ギヤ82の短径部分の歯が出力軸となる伝動軸86側の偏芯ギヤ93の長径部分の歯と噛合っているとき、即ち、遅い伝動状態のとき、苗植付け体4の苗植付け作用部4aが土中に突入して機体進行方向に沿う方向に移動するときとなるように設定する。これにより、苗植付け体4が軌跡Tで動作しながら機体が前進すると、等速伝動部を経由する伝動状態に切換えた時には、図7の一点鎖線で示した軌跡T’で動作するものとなり、不等速伝動部を経由する伝動状態に切換えた時には、図7の二点鎖線で示した軌跡T”で動作するものとなり、この不等速伝動時の軌跡T”は、等速伝動時の軌跡T’と比べて苗植付け体4の先端が土中に突入してから機体進行方向に沿う方向に移動する距離が短くなる。したがって、図8に示すように、等速伝動時の苗の挿入長さは不等速伝動時と比べて長くなり、不等速伝動時の苗の挿入長さは等速伝動時と比べて短くなる。なお、不等速伝動部において、入力軸(伝動軸85)側の偏芯ギヤ82の長径部分の歯が出力軸(伝動軸86)側の偏芯ギヤ93の短径部分の歯と噛合っているとき、即ち、速い伝動状態のとき、苗植付け体4の苗植付け作用部4aが土中に突入して機体進行方向に沿う方向に移動するときとなるように設定すると、等速伝動時の軌跡T’と比べて苗植付け体4の先端が土中に突入してから機体進行方向に沿う方向に移動する距離が長くなって、苗の挿入長さが長くなる。このように設定した不等速伝動部を、変速伝動部80に更に追加したり、上記等速伝動部と置き換えたり、又、上記不等速伝動部の設定をこのように変更することもできる。
【0038】
また、図6に示した変速伝動部80では、入力軸は、植付け伝動ケース18の第二ケース部18b内から第三ケース18c内に突出する伝動軸85であり、この伝動軸85の第三ケース18c内に突出した部分に、該伝動軸85に取付けたキーに係合して一体回転するように偏芯ギヤ82と円形ギヤ83とを取付け、これらのギヤ82、83にそれぞれ噛合う偏芯ギヤ93、円形ギヤ87を第三ケース18c内に設けた出力軸となる伝動軸86に取付ける。この偏芯ギヤ93、円形ギヤ87は切換え操作機構によって伝動軸86に対して自由回転する状態から伝動軸86と一体的に回転する状態に択一的に切換えられる。伝動軸86には、スプロケット89が一体回転するように取付けられ、このスプロケット89と、第三ケース18cの後端部に設けた駆動軸20に取付けたスプロケットとの間にチェン89aが掛けられ、変速伝動部80を経た動力が苗植付け体4を駆動する。
【0039】
切換え操作機構は、伝動軸86の外周部の一箇所で、軸方向において偏芯ギヤ93の取付け部から円形ギヤ87の取付け部にかけて形成したキー溝に軸方向スライド自在にシフトキー91aを取付け、このシフトキー91aに対し軸方向に係合した状態でシフター91bを伝動軸86に軸方向にスライド自在に取付ける。このシフター91bには、第三ケース18cの外側に取付けたシフトレバー90の操作によって軸方向に移動操作されるシフトピン91が係合する。シフトレバー90を入力軸(伝動軸85)側位置に移動させた状態で、シフター91bが円形ギヤ87側(図6の左側)に移動してシフトキー91aが円形ギヤ87のキー溝に嵌合して円形ギヤ83、87を経由する等速伝動状態となる。シフトレバー90を図6の矢印F方向に移動して出力軸(伝動軸86)側位置に切換え操作すると、シフトピン91が図6の矢印G方向に回動してシフター91bが偏芯ギヤ93側(図6の右側)に移動しシフトキー91aが偏芯ギヤ93のキー溝に嵌合して偏芯ギヤ82、93を経由する不等速伝動状態に切替る。
【0040】
なお、シフトレバー90を入力軸(伝動軸85)側位置と出力軸(伝動軸86)側位置との中間位置にすると、シフトキー91aが、円形ギヤ87のキー溝に嵌合せず偏芯ギヤ93のキー溝にも嵌合しない非伝動状態となる。このように、切換え操作手段に、変速伝動部80の入力軸側から出力軸側への伝動を遮断した非伝動状態への切換え操作も可能に構成することで、苗植付け体4の作動を停止するクラッチ操作装置として用いることもできる。
【0041】
苗搬送部3は、図4に示すように苗収容部26を機体上部側で左右外側から内側への搬送方向Cに搬送する上部横搬送部3aと、該上部横搬送部3aにより搬送されてきた苗収容部26を、機体下側で苗植付け体4が苗を取出す苗取出し個所Pに向けて下降搬送する下降搬送部3bと、該下降搬送部3bにより搬送されてきた苗収容部26を苗取出し個所Pから機体外側斜上方に搬送し前記上部横搬送部3aの搬送始端側に戻す上昇搬送部3cとを備える。
【0042】
また、苗搬送部3は、上記の搬送部3a、3b、3cを形成するように配置した駆動回転する回転体29、29と自由回転する複数の回転体30、31、32に湾曲自在の幅広無端ベルト26aを掛け回し、該幅広無端ベルト26aの外周面に前後方向に沿う板状の仕切り部材26bを周方向に設定間隔で多数立設して、該仕切り部材26bで周方向に挟まれた個所のそれぞれを苗収容部26として構成している。幅広無端ベルト26aの仕切り部材26bで周方向に挟まれた個所の前後一端部につる状苗の基部側部分を左右の苗挟持部材によって保持する苗保持部26cを設けている。幅広無端ベルト26aの前後両端側に周方向設定間隔で送り孔26d(図1)を多数形成し、前記駆動回転体29、29の外周部の突起がその送り孔26dに係合して幅広無端ベルト26aを周回駆動する構成としている。苗保持部26cは、図示例では、苗搬送方向上手側の苗挟持部材を毛先が苗搬送方向下手側の苗挟持部材に向うブラシ体で構成し、苗搬送方向下手側の苗挟持部材はスポンジ等の弾性部材で構成し、これら左右の苗挟持部材間につる状苗の基部側部分を押し込んで挟持させる構成としている。
【0043】
苗搬送部3を駆動回転する回転体29、29は、機体上部側で左右中央側に前後方向に配置した回転軸33の前後に一体回転するように取付けて配置し、機体上部側で左右外側に自由回転する前後に長いローラで構成した回転体を配置し、そして、機体下部側に前後に長いローラで構成した回転体31、32を苗取出し個所Pを挟んで左右に接近させて並べて配置している。これらの回転体29、29;30、31、32は、第三ケース18cと支持フレーム23に組み付けた支持部材によって支持している。そして、苗搬送部3を駆動回転する回転体29、29と、苗植付け体4の支持リンク21の下端部を揺動支持する揺動リンク22とを伝動機構を介して連動連結している。揺動リンク22の中途部に連動ロッド34(図1)の下端部を枢着し、該連動ロッド34の上端部をラチェット機構により構成した間欠駆動装置35に連結し、間欠駆動装置35の間欠駆動出力部を苗搬送部3を駆動回転する回転体29、29を取付けている回転軸33の端部に接続している。揺動リンク22の上下揺動によって連動ロッド34が上下往復動し、この上下往復動の上動時に間欠駆動装置35が駆動回転出力し、下動時に間欠駆動装置35が駆動回転出力を停止する構成としている。従って、苗植付け体4が苗を土中で開放して上昇するときに苗搬送部3が駆動され、苗植付け体4が苗を苗取出し個所Pから取出して土中に突入し苗を開放して上昇するときまでは苗搬送部3が駆動停止される。
【0044】
苗搬送部3は、上記のように幅広無端ベルト62aを用いて構成したので、苗搬送部の軽量化及び簡略化が図れ、また、前記上昇搬送部3cは左右の駆動車輪6、6の間から駆動車輪6の上方に重なる位置に配置して、機体の前後長が短いコンパクトな機体構成となり、しかも、上昇搬送部3cの幅広無端ベルト26aの外周にテンションローラ36を押し当てて該上昇搬送部3cが周回内側に屈折する構成としているので、上部横搬送部の巾と高さを適宜設定して苗供給の作業性を損なわないようにしながらも、上昇搬送部の下側に位置する駆動車輪の上下移動範囲を充分に確保できて、機体の傾斜適応性が良好なものとなる。
【0045】
幅広無端ベルト26aの外周面に立設する前記仕切り部材26bを、前記幅広無端ベルト26aの前後幅より短い前後幅に設けるとともに、前端部が前記幅広無端ベルト26aの前端部より後側で、後端部が前記幅広無端ベルト26aの後端部より前側になるよう設け、前記テンションローラ36を、幅広無端ベルト26aの外周面にあって、該ベルト26aの前後方向一端側個所と、該ベルト26aの前後方向他端側で前記苗保持部26cと仕切り部材26bの前後一端部との間の仕切り部材が無い個所とに配置している。これにより、幅広無端ベルト26aのテンションを前後にわたってバランスよく与えることができ、また、テンションローラ36が仕切り部材26bを押し倒すこともなく、苗搬送部3を適確且つ円滑に周回駆動できる。しかも、苗保持部26cより前後方向外側にベルト端部を張出させる構成も回避できて、苗植付け体4の苗の取出しも良好に行われるものとなる。
【0046】
また、前記幅広無端ベルト26aの外周面に立設する前記仕切り部材26bを、前記幅広無端ベルト26aの前後幅より短い前後幅に設けるとともに、前端部が前記幅広無端ベルト26aの前端部より後側で、後端部が前記幅広無端ベルト26aの後端部より前側になるよう設け、前記幅広無端ベルト26aに、該幅広無端ベルト26aを周回駆動する駆動回転体29、29の外周部の突起に係合する送り孔26dを周方向設定間隔で多数形成し、該幅広無端ベルト26aの送り孔26dは、幅広無端ベルト26aの外周面にあって、該ベルト26aの前後方向一端側個所と、該ベルト26aの前後方向他端側で前記苗保持部26cと仕切り部材26bの前後一端部との間の仕切り部材が無い個所とに設けている。これにより、幅広無端ベルト26aを前後にわたってバランスよく駆動回転でき、苗搬送部3を適確且つ円滑に周回駆動でき、しかも、苗保持部26cより前後方向外側にベルト端部を張出させる構成も回避できて、苗植付け体4の苗の取出しも良好に行われるものとなる。
【0047】
更に、苗搬送部3は、幅広無端ベルト26aを用いて構成して苗搬送部3の軽量化、簡略化を図ったものであるとともに、その幅広無端ベルト26aに取付ける苗保持部26cは、その取付け部材が苗搬送部3の周回動中に容易に撓まない部材で構成し、苗搬送部3の周回動中に苗保持部26cから苗が脱落し難いようにしたものでありながら、苗保持部26cの取付け部材のそれぞれは、幅広無端ベルト26aの各取付け部に対しその周方向において単一個所で取付けて、幅広無端ベルト26aの周回動中に苗保持部26cの取付け部材の左右側が幅広無端ベルト26aの外周面から離間可能となっているので、幅広無端ベルト26aの周回軸(前記回転体29、29;30、31、32の回転軸)の周りの屈曲移動が円滑に行われ、苗搬送部3が円滑且つ適確に周回動するものとなる。
【0048】
苗植付け体4で圃場に移植した苗に対して土を寄せて鎮圧する覆土鎮圧輪40、40を苗搬送部3の苗取出し個所Pの後方の左右両側方に設けている。この覆土鎮圧輪40、40は、支持フレーム23の後部に固着の支持部材41に取付けた支持装置42の下部に回転自在に取付けている。苗搬送部3及び苗植付け体4を支持するフレーム(第三ケース部18cとそれに一体の支持フレーム23)は、前記のようにその前部において横方向の軸芯回りに回動自在に機体側に取付けられて後部が上下動可能に構成しているので、覆土鎮圧輪40、40は、苗搬送部3及び苗植付け体4の重量を地面に受けさせる接地輪としても機能する。また、支持装置42は、上部に設けたハンドル43を操作することにより下側支持部42bが上側支持部42aに対して上下動する構成としていて、覆土鎮圧輪40、40を上下に位置調節可能となっている。従って、覆土鎮圧輪40、40の上下位置調節によって、苗搬送部3及び苗植付け体4の支持高さが上下調節されることになる。なお、苗搬送部3及び苗植付け体4の全重量を畝上面に受けさせると畝表面の土が軟らかい場合は、畝を崩してしまうおそれがあるので、苗搬送部3及び苗植付け体4の重量の一部は、走行装置1で支持されている機体側に受けさせるように、苗搬送部3及び苗植付け体4を支持するフレームの後部(前記支持部材41に固着の取付部材)と走行装置1で支持されている機体(ハンドル2に固着の取付部材)とにスプリング44を掛けている。
【0049】
更に、苗植付け体4で圃場に移植した苗に対して覆土鎮圧輪40、40が土を寄せて鎮圧した後、土中に挿入された苗の基部側部分の上方に寄せられた土に対してその上方から下降して鎮圧する第二鎮圧輪45を設けている。第二鎮圧輪45は、第二鎮圧輪支持部材46の後部に横軸回りに回転自在に取付けている。第二鎮圧輪支持部材46の前部は、第二ケース部18cの後端側下部に回動自在に取付けた横軸47に取付け、該横軸47の苗植付け体4取付け側に、先端部にベアリング等の回転体を取付けたアーム48を取付け、このアーム48の先端部が苗植付け体4の駆動軸19の基部側に駆動軸19と一体回転するように取付けたカム体49の外周に接当可能に設け、また、第二鎮圧輪支持部材46を上方に引上げるよう付勢するスプリング50を設ける。前記カム体49によって第二鎮圧輪支持部材46が適宜タイミングで下方回動し、土中に挿入された苗の基部側部分の上方の表土に第二鎮圧輪45が下降して鎮圧する。なお、第二鎮圧輪45の下降をスプリング50による付勢で動作するようにし、第二鎮圧輪45の上昇をカム体49の作用で動作するように設けても良い。
【0050】
図示の苗移植機は、機体上部に予備の苗を載置しておく予備苗載せ枠60を設けている。また、機体前部で前輪7、7より前側に畝の両側部に接触して転動する案内ローラ61、61を左右に設けて、該案内ローラ61、61により機体が畝に沿って進行するようになる。また、案内ローラ61、61は、機体前部に横軸回りに回動可能に取付け、駆動車輪6、6が上昇するときは案内ローラ61、61を上昇させ駆動車輪6、6が下降するときは案内ローラ61、61を下降させる連動機構62を設けている。これにより、機体を畝の端から畝に跨がせた状態で入りこませるとき、苗搬送部3の下端部が畝と接触しないように、駆動車輪6、6を下降して機体を上昇させた状態にして入り込ませる。このとき駆動車輪6、6の下降に連動して案内ローラ61、61が上方に移動しているので、案内ローラ61を上下固定した従来技術と比べ、案内ローラ61が畝に接触しする事態が生じにくくなり、機体の操縦が行いやすくなる。
【0051】
ところで、図示例の苗移植機は、苗搬送部3の下部後側で苗植付け体4が苗を取出して土中に突入し機体進行方向に沿う機体後方へ移動し、設定距離その方向に移動した後に苗を開放して苗を土中に挿入し、そして、上昇して土中から抜け出すように動作する構成であり、即ち、苗搬送部3の後側で苗の植付けを行う構成であり、このような構成で変速伝動部80を上記のように設けたものであるが、苗搬送部3の前側で苗の植付けを行う構成、即ち、苗搬送部3の下部前側で苗植付け体4が苗を取り出して土中に突入し機体進行方向に沿う機体前方に移動し、設定距離その方向に移動した後に苗を開放して苗を土中に挿入し、そして、上昇して土中から抜け出すように動作する構成としたものにおいても本件発明の技術思想を適用した変速伝動部を設けることができる。
【0052】
以上の構成からなる本実施の形態の苗移植機では、その走行装置1により機体は自走し、その自走する機体の苗搬送部3に作業者から甘しょの苗が供給される。苗搬送部3は供給された苗を搬送し、そして、苗搬送部3によって搬送されてきた苗を苗植付け体4が圃場に植付ける。苗搬送部3は、苗収容部26・・・を苗搬送方向Cに複数備え、この苗収容部26・・・に甘しょ苗がその茎部が前後方向に向く姿勢で収容される。上部横搬送部3aにより機体上部側で左右一方向に搬送される苗収容部26・・・に作業者が苗を供給し、苗が供給された苗収容部26・・・は、上部横搬送部3aに続いて下降搬送部3bにより機体下方に搬送される。該下降搬送部3bにより搬送されてきた苗収容部26・・・は、苗植付け体4が苗を取り出す個所P(最下降位置)まで下降し、その個所で苗植付け体4が苗を取り出して苗を圃場に植え付ける。苗が取り出された後の苗収容体26は、上昇搬送部3cにより機体上方に搬送されて前記上部横搬送部3aの搬送始端側に戻る。
【0053】
苗植付け体4の苗植付け作用部4aが、苗搬送部3の苗取出し個所Pからつる状苗を基部側部分を保持して取出して土中に突入し、そして、土中において機体進行方向に沿う方向に移動して、保持した苗を土中に挿入する。機体進行方向に沿う方向に設定距離移動した後に苗植付け作用部4aが苗を開放して上昇し土中から抜け出す。苗の挿入長さを変更する場合は、変速伝動部80を切換え操作して、苗植付け体4が土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの速度を変更することで可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の苗移植機の側面図。
【図2】 図1の苗移植機の平面図。
【図3】 図1の苗移植機の苗植付け体部分の拡大斜視図。
【図4】 図1の苗移植機の苗搬送部の背面図。
【図5】 図1の苗移植機の苗搬送部と苗植付け体の概略駆動系を示す図。
【図6】 図1の苗移植機の植付けケース内の駆動系の断面略図。
【図7】 図1の苗移植機の苗植付け体の先端の軌跡を示す図。
【図8】 苗植付状態を示す断面側面図。
【符号の説明】
1 走行装置 2 操縦ハンドル
2a グリップ部 2b ハンドルフレーム
3 苗搬送部 3a 上部横搬送部
3b 下降搬送部 3c 上昇搬送部
3d 下部横搬送部 4 苗植付け体
4a 作用部 4a1、4a2 挟持具
4b 支持部 4b1、4b2 支持アーム
4c1、4c2 開閉部材 4d1、4d2 ローラー
4e スプリング 5 エンジン
6 後輪 7 前輪
8 ミッションケース 9 伝動ケース
10、17 車軸 11 アーム
12 昇降用油圧シリンダ 12a ピストンロッド
13 天秤杆 14 ロッド
15 左右水平制御用油圧シリンダ
16 前輪支持フレーム 18 植付け伝動ケース
18a 第一ケース部 18b 第二ケース部
18c 第三ケース部 19 駆動アーム
20 駆動軸 21 支持リンク部
22 揺動リンク 23 支持フレーム
24 センサ 25 支持軸
26 苗収容体 26a 幅広無端ベルト
26b 仕切部材 26c 苗保持部
26d 送り孔
29、30、31、32 回転体
33 回転軸 35 間欠駆動装置
36 テンションローラ 38 支持プレート
40 覆土鎮圧輪 41 支持部材
42 支持装置 43 ハンドル
44 スプリング 45 第二鎮圧輪
46 第二鎮圧輪支持部材 47 横軸
48 アーム 49 カム体
50 スプリング 61 案内ローラ
60 予備苗載せ枠 80 変速伝動部
82 偏芯ギア 83 円形ギア
85 入力軸 86 出力軸
87 円形ギア 89 スプロケット
89a チェン 90 シフトレバー
91 シフトピン 91a シフトキー
91b シフター 93 偏芯ギア
Claims (1)
- 機体を自走させる走行装置(1)と、該走行装置(1)上に植付用のつる状の苗を搬送する苗搬送部(3)と、該苗搬送部(3)からつる状の苗を受け取り、つる状の苗の基部を保持して機体側面視で閉ループ状軌跡を描いて昇降する間に、つる状の苗を圃場に植え付ける苗植付け体(4)とを備えた苗移植機において、
前記苗植付け体(4)はつる状苗の基部を保持して下降して圃場の土中に突入した後、機体進行方向に沿う方向に移動し、該方向へ設定距離移動した後に苗の保持を解いて上昇して土中から抜け出すよう動作する構成とし、
前記苗植付け体(4)への動力伝動部を設け、該伝動部に、該苗植付け体(4)をその昇降動最上位の位置で、またはその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構を設け、
該間欠駆動機構には、該間欠駆動機構によって苗植付け体(4)を作動停止する時間を調節して苗植付け体(4)による苗植付株間を変更調節する変速機構を設け、
さらに、前記苗植付け体(4)への伝動部の前記間欠駆動機構の下手側に、苗植付け体(4)が土中で機体進行方向に沿う方向に移動するときの速度を変更可能とする変速伝動部(80)を設け、
該変速伝動部(80)には、同一の変速比で複数の伝動部と該複数の伝動部のうちのいずれかの伝動部を択一的に伝動状態に切換える切換え操作手段とを設け、前記複数の伝動部は、等速伝動部と少なくとも一つは不等速伝動部で構成し、
前記不等速伝動部が等速伝動部に比べて遅い伝動状態のとき、または速い伝動状態のときが、苗植付け体(4)が土中に突入して機体進行方向に沿う方向に移動するときとなるように前記複数の伝動部を設定したことを特徴とする苗移植機。
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