JP2006129661A - サブマージドモータ - Google Patents

Abstract

【課題】液化ジメチルエーテルに長期間使用しても、絶縁性能に優れたサブマージドモータを提供する。
【解決手段】液化ガス中で使用される端子箱１２を備えたサブマージドモータは、固定子コイル１に接続されたモータケーブル４にモールド端子５を接続し、前記モールド端子５を端子板１８にパッキン６と共に押え金具で固定した構成であるので、長期間のジメチルエーテルの使用に耐え得ることができ、端子箱内の裸充電部の絶縁性能を向上することができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、液化されたジメチルエーテル、ＬＰＧ、エチレン、プロピレン等の荷液取り出し用のサブマージドモータポンプを駆動するサブマージドモータに関する。

従来構造のサブマージドモータを図を参照して説明する。

図３は従来のサブマージドモータの構成図、図４は図３のサブマージドモータの端子箱の拡大断面図である。

固定子コイル１は固定子鉄心２に納められ、固定子鉄心２はフレーム３に嵌合されている。固定子コイル１はモータケーブル４に接続され、モータケーブル４はモールド端子５に接続されている。モールド端子５は、モールド端子パッキン６と絶縁ブッシング８を挟んで、端子板７に締め付けナット９で固定されている。端子板７は、エポキシガラスクロスが用いられている。

電源ケーブル１０は、コネクションプレート１１を介してモールド端子５と接続されている。コネクションプレート１１はモールド端子５の先端と嵌め合う穴が設けられ、その穴に設けたスリット部の効果によりボルト１６により締付けにて固定されている。電源ケーブル１０は、シール機能を要したグランドパッキン１５により外部とのシール性を有している。

端子箱１２は、特許文献１に記載されているように、シートパッキン１３を挟んで端子箱蓋１４を図示しないボルトで固定して、端子箱１２内部は全ての出入り口で密閉構造としており、端子箱１２内部は、安全上の観点から内部に空気を残さないために図示しない充填材が充填されている。
特開平５−２３１５９９号公報

しかしながら、上記した従来構造のサブマージドモータは、近年クリーンエネルギーとして注目されている液化ジメチルエーテルに長期間使用すると、裸充電部の機密性が損なわれ、サブマージドモータの絶縁抵抗の低下につながるという課題があった。

また、従来構造のサブマージモータは、端子箱のシール機構は設けられているが、万一、液の浸入があった場合には、端子箱内の電源ケーブル接続部においては裸充電部の体積が大きくなり、さらに裸充電部が角張った形状となっているため十分な機密性を持った絶縁を行うことが不可能であった。

本発明（請求項１乃至請求項３対応）は、上記状況に対応するためになされたもので、その課題は液化ジメチルエーテルに長期間使用しても、絶縁性能に優れたサブマージドモータを提供することにある。

上記課題を達成するために、本発明の請求項１記載の発明は、液化ガス中で使用される端子箱を備えたサブマージドモータにおいて、固定子コイルに接続されたモータケーブルにモールド端子を接続し、前記モールド端子を端子板にパッキンと共に押え金具で固定したことを特徴とする。

請求項１記載の発明によると、端子箱内の部品を削減でき、直接電源ケーブルとモールド端子を接続することができ、また、角張りを改善することができるので、絶縁処理の作業性を向上でき、十分な機密性を持った絶縁を行うことが可能となる。

請求項２記載の発明は、請求項１記載のサブマージドモータにおいて、モールド端子のモールド材料がポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、またはそのいずれかの樹脂を含有する複合材料としたことを特徴とする。
請求項２記載の発明によると、液化ジメチルエーテルに長期間使用しても、十分な絶縁性能を有することができる。

請求項３記載の発明は、請求項１記載のサブマージドモータにおいて、モールド端子と電源ケーブルとの接続部の裸充電部に常温硬化タイプのコンパウンドにて均一に覆い、更に端子箱蓋にポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、またはそのいずれかの樹脂を含有する複合材料からなるパッキンを使用し、裸充電部の機密性を２重構造としたことを特徴とする。
請求項３記載の発明によると、端子箱内の裸充電部の絶縁性能をより向上することができる。

本発明によれば、長期間のジメチルエーテルの使用に耐え得ることができ、端子箱内の裸充電部の絶縁性能を向上させたサブマージドモータを提供することができる。

本発明の最良の実施形態は、液化ガス中で使用される端子箱を備えたサブマージド型ポンプの駆動用のサブマージドモータにおいて、固定子コイルに接続されたモータケーブルにモールド端子を接続し、このモールド端子を端子板に押し当て用金具で押し当てた構成とするものである。

図１は本発明の実施例１（請求項１及び請求項２対応）のサブマージドモータの端子箱の断面図であり、従来と同一構成部分には同一符号を付して説明する。
図に示すように、本実施例は、モールド端子５をパッキン６と共に押え金具１７を用い、締め付けボルト９の締付力によりステンレス製端子板１８に固定する。モールド端子５は各相毎に押え金具１７により押えられる。したがって、モールド端子５は、端子箱１２の外側で固定するので、端子箱１２内部にモールド端子を固定する部品が不要となり、端子箱１２の内部の簡素化を図ることができる。

また、モールド端子５のモールド材料５ａがポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、またはいずれかの樹脂を含有する複合材料で構成されている。

本発明者らはジメチルエーテルに長期浸漬実験から、上記材料がジメチルエーテルに優れていることを知見したものである。したがって、モールド端子部５から端子箱１２内へのジメチルエーテルの浸入を防ぐことができるので、液化ジメチルエーテル雰囲気に長期間使用しても、十分な絶縁性能を有することができる。

本実施例によれば、端子箱内部の部品の削減、電源ケーブルとモールド端子の直接接続等から端子箱内の簡素化を図ることができ、角張りを改善することができるので、絶縁処理の作業性を向上でき、十分な機密性を持った絶縁を行うことができる。

図２は本発明の実施例２（請求項３対応）のサブマージドモータの端子箱の断面図である。
同図に示すように、本実施例はモールド端子５の端子部と電源ケーブル１０とを接続し、電源ケーブル１０の圧着端子２１は接続金具１９とナット２０を用いて接続固定されている。そして、この接続の裸充電部は常温硬化タイプのコンパウンド２２にて均一に覆われている。

また、端子箱１２はポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、またはいずれかの樹脂を含有する複合材料を用いた材料としたシートパッキン１３を用い、ステンレス製端子箱蓋２３で図示しないボルトにて締め付け、密閉構造としている。
したがって、密閉構造により端子箱内の裸充電部は、２重の機密性の確保が可能となる。

上述したように、本実施例によると、サブマージドモータの端子箱内の裸充電部の絶縁性能が２重構造となるので、絶縁性能をより向上することができる。

本発明の実施例１のサブマージドモータの端子箱の断面図。 本発明の実施例２のサブマージドモータの端子箱の断面図。 従来構造のサブマージドモータの構成図。 従来構造のサブマージドモータの端子箱の拡大断面図。

符号の説明

１…固定子コイル、２…固定子鉄心、３…フレーム、４…モータケーブル、５…モールド端子、５ａ…モールド材料、６…パッキン、７…エポキシガラスクロス製端子板、８…絶縁ブッシング、９…締め付けナット、１０…電源ケーブル、１１…コネクションプレート、１２…端子箱、１３…シートパッキン、１４…端子箱蓋、１５…グランドパッキン、１６…ボルト、１７…押え金具、１８…ステンレス製端子板、１９…接続金具、２０…ナット、２１…圧着端子、２２…常温硬化タイプのコンパウンド、２３…ステンレス製端子箱蓋。

Claims (3)

1. 液化ガス中で使用される端子箱を備えたサブマージド型ポンプの駆動用モータにおいて、固定子コイルに接続されたモータケーブルにモールド端子を接続し、前記モールド端子を端子板にパッキンと共に押え用金具で固定したことを特徴とするサブマージドモータ。
2. モールド端子のモールド材料がポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、またはそのいずれかの樹脂を含有する複合材料としたことを特徴とする請求項１記載のサブマージドモータ。
3. モールド端子と電源ケーブルとの接続部の裸充電部に常温硬化タイプのコンパウンドにて均一に覆い、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、またはそのいずれかの樹脂を含有する複合材料からなるパッキンを使用し、裸充電部の機密性を２重構造としたことを特徴とする請求項１記載のサブマージドモータ。
   
   

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