JP2006128085A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電極30の放電空間形成面に固体誘電体50を設ける。この放電空間形成面の固体誘電体50を露出させるようにして電極30を筐体20に収容する。電極30の放電空間形成面以外の外面と筐体20の内面との間に電極外空間13,14を形成する。この電極外空間13,14を実質的に純正の窒素ガスにて満たす。この窒素ガス圧を放電空間より高くする。望ましくは、窒素ガスを流通させる。
【選択図】 図1
Description
プロセスガスを放電空間に導入してプラズマ処理を行なう装置であって、
前記放電空間を形成すべき面に固体誘電体が設けられた電極と、
前記放電空間形成面の固体誘電体を露出させるようにして前記電極を囲んで収容する筐体と、を備え、
前記電極の前記放電空間形成面以外の外面と筐体の内面との間に電極外空間が形成され、
この電極外空間が、実質的に純正(不可避的不純物を含む)の窒素ガスにて満たされていることを特徴とする。
これによって、樹脂等の絶縁部材に依らなくても電極と筐体との間の絶縁性を高めることができ、異常放電の発生を防止できる。また、電極を外側から温調することもできる。
これによって、プロセスガスが電極外空間に浸み込んできても窒素ガスと一緒に流通させて導出路から排出でき、電極外空間での異常放電を確実に防止できる。また、電極の外側からの温調効率を高めることができる。
これによって、プロセスガスが電極外空間に浸み込んで来るのを確実に防止でき、異常放電を一層確実に防止することができる。
これによって、電極を同じ媒体で内側と外側から温調できる。
これによって、温調用の内部通路を有する電極を簡単かつ低コストで製造することができる。
図1に示すように、常圧プラズマ処理装置Mは、左右2つ(複数)の処理ヘッド10L,10R(プラズマ処理部)を有している。これら処理ヘッド10L,10Rの間には、狭い隙間11が形成されている。隙間11の厚さは、例えば1mm程度である。この隙間11の上端部にプロセスガス源2が接続されている。隙間11は、プロセスガスの導入路として提供されている。プロセスガスは、処理内容に応じたガス種が用いられる。例えば、エッチング処理では、CF4等のフッ素系ガスを主成分とし、これに微量の水等を添加した混合ガス等が用いられる。
基板Wまたはそれを設置するステージ(図示せず)は、電気的に接地され、後記印加電極30に対する接地電極となる。
図1及び図2に示すように、処理ヘッド10Lは、処理ヘッド本体としての筐体20と、この筐体20の内部に収容された電極30とを備え、前後方向(図1の紙面と直交する方向、図2の左右方向)に長く延びている。
筐体本体21は、左右の壁22と、前後の壁23と、上板25とを有し、底部が開放されている。この筐体本体21の各構成部材22,23,25は、ステンレス等の金属にて構成されている。筐体本体21の左右方向の外幅は、例えば100m程度であり、前後方向の長さは、例えば2m以上である。
図1に示すように、固体誘電体板50の幅方向の両端面は、下向きの斜面になっている。一方、筐体本体21の左右の壁22の下端部には、一対の板支持部材61,62がボルト締めにて固定されている。これら板支持部材61,62の下端部には、互いに向き合う方向に突出する板支持部61a,62aがそれぞれ設けられている。板支持部61a,62aの端面は、上向きの斜面になっている。これら板支持部61a,62aの上向き斜端面(板支持面)の上に、固体誘電体板50の下向き斜端面がそれぞれ当接されている。これによって、固体誘電体板50が、両側の板支持部材61,62間に架け渡されるようにして支持されている。この支持状態で、固体誘電体板50が長手方向に変位可能になっている。固体誘電体板50の前端部又は後端部と筐体20の内壁部43又は44との間には変位を許容するクリアランスが形成されている。
耐腐食性樹脂製の板支持部材62の下面は、固体誘電体板50の左側部及び基板Wと協働して、処理通路12における後記放電空間12aより下流側の空間12cを画成している。
図1及び図2に示すように、電極30は、アルミ等の金属にて構成され、断面四角形状をなして前後に長く延びている。この電極30の長さは、約2mである。電極30の上部には、リブ33が設けられている。リブ33の電極30への固定手段は、ボルト(図示せず)等が用いられている。リブ33は、電極30と同方向に延び、電極30を補強し撓みを防止している。リブ33は、電極30と同じ金属(ステンレス等)にて構成され、電極30と電気的に一体になっている。図示は省略するが、リブ33に給電ピンが突出され、この給電ピンから給電線が延び、電源に接続されている。これによって、電極30への給電がなされるようになっている。この給電によって、電極30とその下方の接地電極としての基板W等との間(処理通路12の中央部分12a)に常圧グロー放電プラズマが立ち、処理通路12の中央部分12aが放電空間となるようになっている。電極30の下面は、「放電空間形成面」となる。
更には、電極30と固体誘電体板50の間に、万が一、隙間が形成されたとしても、そこに窒素ガスが入り込むことになって、アーキングの発生を防止することができる。
固体誘電体板50は、平板状であり、形状が単純であるので、製造が容易であり、2m以上にわたる長尺寸法にも容易に対応することができる。
固体誘電体板50の下向き斜面をなす一端部に対する支持部材61は、金属にて構成される一方、他端部に対する支持部材62は、樹脂にて構成されているので、固体誘電体板50や支持部材61,62等の寸法誤差があっても、固体誘電体板50の下向き斜面部に無理な力が掛からないようにすることができる。これによって、セラミック製の固体誘電体板50を装置Mに組み付け等する際、その下向き斜面部が破損するのを防止することができる。
この電極80は、断面四角形状をなす2本の金属製角パイプ81,82を平行に並べ、これら角パイプ81,82を金属製平板83,84にて上下から挟むことによって構成され、前後方向に長く延びている。上側の平板83の上面には、金属製リブ85が長手方向に沿って設けられている。この電極80が、固体誘電体板50(図示省略)上に単に載置され、下側の平板84の放電空間形成面としての下面が、固体誘電体板50の上面に当接される。
筐体本体21における処理通路12の下流側の外側面に、テフロン(登録商標)等からなる耐腐食性のコーティングを施すことにしてもよい。
セラミック製の固体誘電体50の破損を防止するとの観点からは、処理通路12の下流側の板支持部材62を金属にする一方、上流側の板支持部材61を固体誘電体50より軟質の樹脂等で構成してもよく、2つの部材61,62を共に固体誘電体50より軟質の樹脂等で構成してもよい。
金属製の板支持部材61は、筐体本体21と一体になっていてもよい。
本発明は、上記実施形態のように基板を放電空間内に配置する所謂ダイレクト式のプラズマ処理に限られず、基板を放電空間の外部に配置し、これに向けてプラズマガスを吹付ける所謂リモート式のプラズマ処理にも適用できる。
本発明は、エッチング、成膜、表面改質等の種々のプラズマ処理に適用でき、常圧プロセスに限らず、減圧プロセスにも適用できる。
W 基板
10L,10R 処理ヘッド(プラズマ処理部)
11 プロセスガス導入路
12 処理通路
12a 放電空間
12b 処理通路における放電空間の上流側に連なる空間
12c 処理通路における放電空間の下流側に連なる空間
13,14 電極外空間
20 筐体
30 電極
31,32 電極内通路
46a 電極規制部
50 固体誘電体板
61 上流側の金属製板支持部材(上流部材)
61a 上流側の板支持部
62 下流側の樹脂製板支持部材(下流部材)
62a 下流側の板支持部
73a 窒素導入路
74a 窒素導出路
Claims (5)
- プロセスガスを放電空間に導入してプラズマ処理を行なう装置であって、
前記放電空間を形成すべき面に固体誘電体が設けられた電極と、
前記放電空間形成面の固体誘電体を露出させるようにして前記電極を囲んで収容する筐体と、を備え、
前記電極の前記放電空間形成面以外の外面と筐体の内面との間に電極外空間が形成され、
この電極外空間が、実質的に純正の窒素ガスにて満たされていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記電極外空間には、窒素ガスの導入路と導出路が連ねられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記電極外空間内の窒素ガス圧が、放電空間のガス圧より高いことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記電極の内部に、該電極の温調のための電極内通路が形成され、この電極内通路に窒素ガスが通されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記電極が、前記放電空間形成面を有する金属製の板と、この板の放電空間形成面とは逆側の面に設けられた角パイプとを有し、この角パイプの内部が、前記電極内通路となっていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
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