JP2008153065A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筐体21の底部(一側部)を開放し、そこに固体誘電体板22を設け、内部20aに電極23を収容する。離間支持手段30によって、電極23を、固体誘電体板22から離間させて支持可能かつこの離間支持を解除可能にする。離間支持の解除状態における電極23は、固体誘電体板22に沿う一方向へ略フリーな状態で固体誘電体板22に当接される。
【選択図】図1
Description
一側部が開放された筐体と、
前記開放側部を塞ぐようにして、前記筐体に支持された固体誘電体の板と、
前記筐体の内部に収容された前記プラズマ化のための電極と、
前記電極を、前記固体誘電体板から離間させて支持可能かつこの離間支持を解除可能な離間支持手段と、
を備え、前記離間支持の解除状態における前記電極が、前記固体誘電体板に沿う一方向へ略フリーな状態で前記固体誘電体板に当接されることを特徴とする。
これによって、プラズマ処理時には、電極の離間支持を解除する。これにより、電極が固体誘電体板からほぼ独立して自由熱膨張でき、固体誘電体板との熱膨張差や筐体の拘束によって撓み変形を来たすのを防止できる。この結果、電極と固体誘電体板との接触状態を確実に維持でき、電極と固体誘電体板との間にアーク等の異常放電が発生するのを防止することができる。
一方、運搬時をはじめとする非処理時には、電極を固体誘電体板から離して離間支持状態にすることができる。これにより、運搬等によって電極が振動したとしても、その振動が固体誘電体板に直接的に伝わるのを回避することができる。これによって、固体誘電体板の損傷を防止することができる。
これによって、プラズマ処理時に電極と固体誘電体板との接触を確実に維持することができ、異常放電を一層確実に防止することができる。前記付勢手段は、電極の前記一方向への変位に対してあまり拘束力を有しないようになっていることが好ましい。
これによって、電極を固体誘電体板側とは逆側から支持して固体誘電体板から離間させることができる。
前記連結部材が、前記電極を引き寄せるようにして連結することが好ましい。これによって、電極を固体誘電体板から確実に離間支持することができる。
これによって、電極を簡単かつ確実に分離可能に、しかも引き寄せるようにして連結でき、確実に離間支持することができる。
前記電極との連結のためのネジは、雄ネジでもよく、雌ネジでもよい。これに対応して、電極には雌ネジ又は雄ネジを設けるとよい。電極に雌ネジ又は雄ネジを有する部材を一体に取り付けてもよい。
これによって、離間支持解除状態の電極に向かって進出して連結し、電極を固体誘電体板から離間させることができる。
これによって、離間支持解除状態のときは、前記連結部材ががたつくのを防止できるだけでなく、連結部材を介して電極を固体誘電体板に弾性的に押し当てるようにすることができ、電極と固体誘電体板とを確実に当接させることができる。また、離間支持状態のときは、連結部材及び電極の振動を抑えることができる。
前記付勢手段の付勢力を、電極の前記一方向への変位をあまり拘束しない大きさに設定してもよい。
これによって、離間支持の解除状態の電極を、自重によって固体誘電体に接触させることができる。
図1及び図2に示すように、この実施形態では、誘電体のガラス基板Wからなる被処理物Wの表面処理を行う。処理内容は、洗浄、表面改質、成膜、エッチング、その他の種々の表面処理に適用可能である。処理は、例えば、大気圧プラズマ放電を利用したプラズマ処理装置1にて行なう。ここで、大気圧近傍とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×104〜10.664×104Paが好ましく、9.331×104〜10.397×104Paがより好ましい
筐体21は、ステンレス等の金属にて構成され、底部(一側部)が開放されるとともに、前後方向(図1の紙面直交方向)に延びている。
筐体21の底部には固定誘電体板が設けられている。固体誘電体板22は、アルミナ等のセラミックにて構成されている。固体誘電体板22の前後左右の縁部には、厚肉の周壁22bが形成されている。この周壁22bが筐体21に連結されて支持されている。これによって、筐体21の底部(開放側部)が固体誘電体板22により塞がれ、処理ヘッド20の内部に密閉空間20aが形成されている。密閉空間20aには、例えば窒素が充填されている。
図示は省略するが、電源から給電線が延び、電極23に接続されている。これによって、電極23への給電がなされるようになっている。この給電により電極23とステージ兼接地電極10との間に電界が印加されて大気圧グロー放電が生成される。これにより、処理通路1aの中央部が放電空間1bとなり、この放電空間1b内に導入された処理ガスがプラズマ化されるようになっている。
電極23と筐体21の間は、内部空間20aによって隔てられ、空間絶縁されている。筐体21の内面に絶縁樹脂等からなるライナーを設けることにしてもよい。
離間支持手段30は、ホルダ31と、連結部材32と、ばね35(付勢手段)とを有している。
ホルダ31は、大径の筒状をなすホルダ本体31aと、このホルダ本体31aの下面に連なる小径の筒状をなすガイド部31bとを有している。ホルダ本体31aの下部にベースフランジ31cが設けられている。このベースフランジ31cが筐体21の上面に固定されている。ホルダ本体31aの下端部とガイド部31bの上端部との間には、段差31dが形成されている。ガイド部31bは、筐体21の上板を貫通し、その下端が開口されて内部空間20aに連なっている。
連結部材32の中間部には、フランジ32bが設けられている。このフランジ32bの外周縁がホルダ本体31aの内周に摺擦するようにして、連結部材32がホルダ31に沿って上下にスライド可能(伸び方向に進退可能)になっている。さらに、連結部材32は、軸線のまわりに回転可能になっている。
フランジ32bの外周部には、ガスケットやOリング等のシール部材34が設けられている。このシール部材34によって、内部空間20aからの窒素漏れが防止されている。
図1及び図2に示すように、プラズマ処理の際は、連結部材32の雄ネジ32aを電極23の雌ネジ孔23aから外して、連結部材32による電極23の離間支持を解除する。これによって、電極23が自重によって固体誘電体板22上に長手方向に略フリーな状態で載置される。また、連結部材32が、ばね35によって下方に付勢され、電極23の上面に弾性的に押し付けられる。これにより、連結部材32ががたつくのを防止することができる。
このとき、電極23の下面(放電面)に被さる固体誘電体板22により、放電の安定化を図ることができる。
電極23が熱変形しようとするときは、テーパ面23bによって連結部材32の下端部を案内して、電極23と連結部材32とを容易に相対変位させることができる。これにより、離間支持手段30が電極23の熱変形を拘束するのを防止することができる。
連結部材32は、電極23へのねじ込みにより、当初、下降していく。これに伴い、ばね35が伸長していく。やがて、連結部材32のフランジ32bが段差31dに突き当たる。この時点までは、電極23が固体誘電体板22に当接した状態すなわち離間支持解除状態を維持する。フランジ32bが段差31dに突き当たると、連結部材32は、それ以上、下降できなくなる。したがって、そこから更に連結部材32を電極23にねじ込むと、電極23が固体誘電体板22から離間して浮き上がる。これによって、図3に示すように、電極23を離間支持状態にすることができる。電極23と固体誘電体板22との離間距離は、例えば3mmとする。
例えば、離間支持解除の状態は、連結部材32の雄ネジ32aが電極23の雌ネジ孔23aから外れた非連結状態だけでなく、雄ネジ32aが雌ネジ孔23aにねじ込まれ、かつ、連結部材32のフランジ32bが段差31dに達していない状態、或いは、フランジ32bがちょうど段差31dに当接し、電極23が未だ固体誘電体板22から離間していない状態も含まれ、この状態でプラズマ処理することにしてもよい。その場合、連結部材32を少なくとも電極23の長手方向に変位可能にし、電極23の自由熱膨張を妨げないようにするのが好ましい。フランジ32bが段差31dに当たった後、更に連結部材32をねじ込んで電極23が固体誘電体板22から離間した段階ではじめて離間支持の状態になる。
離間支持時には、電極23を電極規制部材24の上底面に当たるまで吊り上げることにしてもよく、そうすると、電極23のがたつき自体を抑えることができ、運搬作業等の容易化を図ることができる。
連結部材32は、電極23と連結可能であればよく、雄ネジや雌ネジ等のネジ手段に限られず、フック等の引っ掛け手段を有して電極23の係止部に引っ掛けられるようになっていてもよく、電気的又磁気的な作用で電極23を引き寄せるようになっていてもよい。或いは、離間支持手段30が、流体圧や電磁力によって電極を解除可能に離間支持するようになっていてもよい。
連結部材32は、電極23から分離可能になっているのが好ましいが、分離されずに連結状態を維持するようになっていてもよく、電極23が連結部材32と一体になって固体誘電体板22に対し接離されるようになっていてもよい。
付勢手段35は、弾性的な押し力を連結部材32(又は電極23)に作用させ得るものであればよく、圧縮コイルばねに限られず、引っ張りコイルばねを用いてもよく、板ばねを用いてもよく、ばねに限られず、ゴム等の弾性部材を用いてもよく、流体圧や電磁力などで押し力を発現させる機構を用いてもよい。付勢手段35は、電極23の長手方向への熱変形に対しては、あまり拘束しないことが好ましい。
付勢手段35によって電極23を固体誘電体板22に押し当てる限り、必ずしも固体誘電体板22を水平にしてその上側に電極23を配置する必要性はなく、固体誘電体板22を起立させ、これに電極23を横から宛がってもよく、水平な固体誘電体板22の下側に電極23を宛がうことにしてもよい。
一方、付勢手段35の付勢力を、連結部材32が非連結時にがたつくのを防止し得る程度にし、或いは電極23の自重による固体誘電体板22への接触圧と比べ無視できる程度に小さくしてもよい。そうすると、電極23の長手方向への熱変形を確実に許容することができる。
付勢手段35を省略してもよい。
電極23は、長尺でなくてもよい。
ヘッド20の電極23と対をなす他の電極として、ステージ10に代えて、筒状をなすロール電極でもよく、被処理物が他の電極を兼ねていてもよい。
1 プラズマ処理装置
10 ステージ
1a 処理通路
20 処理ヘッド
20a 処理ヘッド内部空間
21 筐体
22 固体誘電体板
22b 周壁
23 高圧電極
23a 雌ネジ孔
23b テーパ面(案内面)
23c 冷却路
24 電極規制部材
24a 電極規制部
30 離間支持手段
31 ホルダ
31a ホルダ本体
31b ガイド部
31c ベースフランジ
31d 段差(進出規制部)
32 連結部材(離間支持手段)
32a 雄ネジ
32b フランジ
33 つまみ
34 シール部材
35 圧縮コイルばね(付勢手段)
Claims (10)
- 処理ガスをプラズマ化して被処理物の表面に接触させ、該表面を処理する装置において、
一側部が開放された筐体と、
前記開放側部を塞ぐようにして、前記筐体に支持された固体誘電体の板と、
前記筐体の内部に収容された前記プラズマ化のための電極と、
前記電極を、前記固体誘電体板から離間させて支持可能かつこの離間支持を解除可能な離間支持手段と、
を備え、前記離間支持の解除状態における前記電極が、前記固体誘電体板に沿う一方向へ略フリーな状態で前記固体誘電体板に当接されることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記電極を、前記離間支持の解除状態のとき、前記固体誘電体板に弾性的に押し付ける付勢手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記離間支持手段が、前記筐体の前記開放側部とは反対側から前記電極に向けて伸び、先端が前記電極と連結可能な連結部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記連結部材が、前記電極を引き寄せるようにして連結することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記連結部材の先端部に、前記電極との連結のためのネジが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
- 前記連結部材が、その伸び方向に沿って進退可能であることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記離間支持手段が、前記離間支持の解除状態のとき、前記連結部材をその先端方向へ付勢し前記電極に押し当てる付勢手段を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
- 前記離間支持手段が、前記連結部材の先端方向への進出を規制する進出規制部を含み、前記連結部材が、前記進出を規制された状態で前記電極を離間支持することを特徴とする請求項6又は7に記載のプラズマ処理装置。
- 前記筐体の底部が開放されて、そこに前記固体誘電体板が設けられており、この固体誘電体板の上方に前記電極が配置されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記電極が前記フリーな方向に延びる長尺状をなしていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のプラズマ処理装置。
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