JP2006126364A - 培養標本観察装置 - Google Patents

培養標本観察装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006126364A
JP2006126364A JP2004312822A JP2004312822A JP2006126364A JP 2006126364 A JP2006126364 A JP 2006126364A JP 2004312822 A JP2004312822 A JP 2004312822A JP 2004312822 A JP2004312822 A JP 2004312822A JP 2006126364 A JP2006126364 A JP 2006126364A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
specimen
culture
objective lens
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004312822A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4868203B2 (ja
Inventor
Atsushi Yonetani
敦 米谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2004312822A priority Critical patent/JP4868203B2/ja
Publication of JP2006126364A publication Critical patent/JP2006126364A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4868203B2 publication Critical patent/JP4868203B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

【課題】培養環境による観察装置への悪影響が少ない培養標本観察装置を提供する。
【解決手段】主に扉101aと上側ベース部材114とで規定される領域Iは、温度と湿度が人や動植物の体内環境あるいはその他生物やウイルスなどの活動環境と同等レベルに維持される。主に基部101bと上側ベース部材114とで規定される領域IIは、温度は領域Iと同等レベルに、湿度は常湿レベルに維持される。培養標本観察装置の外の領域IIIは、温度は常温レベルに、湿度は常湿レベルに維持される。領域Iと領域IIと領域IIIは、対物レンズ125と結像レンズ149と撮像装置150を含む結像光学系の光軸に沿って配置されている。標本123は領域I内に、撮像装置150は領域III内に配置されている。基部101bには、標本123から光が対物レンズ125を通って結像レンズ149に伝搬するように、ガラス板などの光学部材からなる光学窓223が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、培養標本を観察するための培養標本観察装置に関する。
生物は高度な複雑性を持つため、構造や機能を理解するのは容易なことではない。そのため、近年生命現象を再現できる最小単位である細胞、つまり培養細胞を用いた単純な実験系が用いられている。培養細胞を用いることによって、ホルモンの応答などの解析が生体内の他要因による影響を受けることのない実験が可能となる。
つまり遺伝子の導入や阻害により遺伝子の機能解析を行なうことが可能となる。細胞を培養するためには、生体内を真似た環境を用いる必要がある。そのため温度は体温と同等の37℃近傍とし、また細胞間液を真似た培地が用いられる。培地にはアミノ酸などの栄養源の他に、PH調整のための炭酸バッファーが含まれる。炭酸バッファーは5%という高い分圧の炭酸ガスを含む空気の存在下で平衡状態になり、ディッシュなどの開放系の培養に利用される。また培地から水分の蒸発を防ぐため、高湿度の環境が要求される。
細胞の培養には上記環境条件を備えた炭酸ガスインキュベーターが用いられる。
また細胞の状態観察には位相差顕微鏡、GFPの発現観察には蛍光顕微鏡により、時系列の画像取得によるタイムラプス観察が行なわれている。
培養細胞を含む標本とこれを観察するための装置はいずれも、保温・保湿性能上脆弱(ぜいじゃく)であるため、常温・常湿環境から分離して維持されるとよい。また、細胞の培養に適した培養環境は観察装置の光学素子に結露などの悪影響を与えやすい。このため培養標本観察装置においては、培養環境による観察装置の光学素子への悪影響(特に結露)ができる限り緩和されることが望まれしい。
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、培養環境による観察装置の光学素子への悪影響が少ない培養標本観察装置を提供することである。
本発明による培養標本観察装置は、標本を観察するための光学系と、温度と湿度が人や動植物の体内環境あるいはその他生物やウイルスなどの活動環境と同等レベルに維持される領域Iと、温度は領域Iと同等レベルに維持され、湿度は常湿レベルに維持される領域IIと、温度は常温レベルに、湿度は常湿レベルに維持される領域IIIの少なくとも三つの領域を有し、領域Iと領域IIと領域IIIは光軸に沿って配置されており、標本は領域I内に配置されており、さらに、前記光学系を通る光が三つの領域の間の少なくとも一つの境界を通り、なおかつ該境界の少なくとも光が通過する部分は少なくとも一つの光学部材を有している。
本発明によれば、培養環境による観察装置の光学素子への悪影響が少ない培養標本観察装置が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
第一実施形態
図1は、本発明の第一実施形態の培養標本観察装置を概略的に示している。培養標本観察装置は、基本的に、培養細胞の観察するための観察装置と、温度・湿度・炭酸ガス濃度を培養細胞に適切な値に制御可能な培養装置101とから構成されている。
[培養標本観察装置概要]
図1において、本観察装置は、標本123(すなわち培養細胞を収容した培養ケース)内の培養細胞の観察を可能とする対物レンズ125と、対物レンズ125による培養細胞の拡大像を撮像する撮像装置150と、標本123(従って培養細胞)と対物レンズ125を相対移動させる移動装置と、対物レンズ125と移動装置が設置される上側ベース部材114と、撮像装置150が設置される下側ベース部材191と、上側ベース部材114と下側ベース部材191とを連結している複数の支持支柱111とを備えている。
上側ベース部材114と下側ベース部材191と支持支柱111は共に、熱による膨張が少ない低膨張材料からなる。
移動装置は、直動ガイド115と水平移動部材116とボールネジ117とステッピングモーター118と回転軸119と回転軸受け120とステッピングモーター121とテーブル122と直動ガイド124と上下移動部材126とボールネジ127とステッピングモーター128とから構成されている。
直動ガイド115と水平移動部材116とボールネジ117とステッピングモーター118は共に上側ベース部材114の下側に設けられている。直動ガイド115は水平移動部材116を一方向に移動可能に支持し、ステッピングモーター118はボールネジ117を介して水平移動部材116を移動させる。水平移動部材116は回転軸受け120とステッピングモーター121を保持している。ステッピングモーター121は回転軸受け120に対して同軸に配置されている。回転軸受け120は、回転軸119を水平面に垂直に回転可能に支持するともに与圧を付加する。回転軸119と回転軸受け120の間には摩擦を軽減するために複数のボール135が設けられている(図2参照)。回転軸119の下側の端部はステッピングモーター121に接続されている。回転軸119の上側の端部は、上側ベース部材114に形成された開口を通って上側ベース部材114の上面から突出している。回転軸119の上側の端部には、標本123が装着されるテーブル122がネジによって着脱可能に固定されている。
対物レンズ125は、回転軸119から水平移動部材116の移動方向に伸ばした直線上に位置している。対物レンズ125は上下移動部材126によって支持されている。上下移動部材126は、上側ベース部材114に固定された直動ガイド124によって上下に移動可能に支持されている。また上下移動部材126は、ボールネジ127を介して、上側ベース部材114に固定されたステッピングモーター128と連結しており、ステッピングモーター128によって上下に移動される。直動ガイド124と上下移動部材126とボールネジ127とステッピングモーター128は共に上側ベース部材114の下側に設けられている。
このように構成された移動装置によって、テーブル122に装着された標本123と対物レンズ125との間の相対移動が可能になる。つまり、上側ベース部材114に対して水平面内の一方向に水平移動部材116の直線運動が可能となる。また水平移動部材116に対してテーブル122の揺動運動が可能となる。さらに上側ベース部材114に対して上下移動部材126の上下方向への直線移動が可能となる。つまり、標本123は対物レンズ125に対して一方向への直線移動と揺動が可能となり、対物レンズ125は標本123に対して上下方向への相対移動が可能となる。その結果、複数の標本123の観察が可能となる。また撮像装置150を培養装置101の外に配置したため、撮像装置150の温度に起因するノイズを低減することが可能となる。さらに培養装置101の内外で温度の異なる上側ベース部材114と下側ベース部材191を低膨張材料で構成することにより、熱膨張による歪みを低減でき光学系の調整を乱すことがなくなる。
[培養装置概要]
培養装置101は、上側ベース部材114と、上側ベース部材114の上側に位置する扉101aと、上側ベース部材114の下側に位置する基部101bとからなる。扉101aは、テーブル122への標本123の装着のために、上側ベース部材114に対して開閉可能である。上側ベース部材114と扉101aは、扉101aが閉じられたときに、培養空間を規定する。扉101aが閉じられたときに扉101aと上側ベース部材114との間を気密に保つために、弾性を有するシール部材112が扉101aと上側ベース部材114との間に設けられている。基部101bは支持支柱111によって保持されており、上側ベース部材114との間を気密に保つために、弾性を有するシール部材112が基部101bと上側ベース部材114との間に設けられている。
培養装置101は、断熱材102と、抗菌性と耐食性を有するステンレス鋼または抗菌コーティングされた金属材料の内装部103と、培養装置内部の温度・湿度・PHを感知するセンサー104と、培養装置の内装に設けられた内部温度調整用の加温ヒーター105と、上側ベース部材114に設けられた培養装置内部湿度調整用の加湿ヒーター106と、炭酸ガス濃度を調整しPH調整を行なうための炭酸ガスボンベに接続された炭酸ガス供給用の電磁弁107と、培養装置101の内外を連結するための支持支柱111の温度調整用の支柱ヒーター108と、支持支柱111の温度測定用の支持支柱センサー109とを備えている。上側ベース部材114の上には、加湿ヒーター106の上方にあたる位置に、培養装置101の内部を加湿する水を入れた加湿パッド113が置かれる。培養装置101はさらに、センサー104からの信号に基づいて設定条件を維持するための演算を行なって加温ヒーター105と加湿ヒーター106と電磁弁107とを制御する制御部110を備えている。
このような構成により、断熱材102は、培養装置101から撮像装置150を熱的に隔離する。断熱材102とシール部材112によって培養装置101の内外での熱の出入りが少なくなる。このため、外気温度の変動を受けずらく、温度の安定化が可能となる。また熱の出入りが少ないため、加温ヒーター105と加湿ヒーター106の容量と加湿パッド113の水容量とを少なくできる。また、細胞を培養する培地には豊富な栄養分が備わるため、増殖能の高い微生物が浸入すると培養細胞に悪影響を与えてしまう。しかし抗菌性と耐食性を有する培養装置101の内装部103により、微生物の浸入を抑え、培養細胞の活性を維持することが可能となる。
また培養装置101の培養空間は水分の蒸発による培地の乾燥を防ぐため高湿度に保たれている。そのため23℃程度の室内で作業した標本を培養装置に持ち込むと容器外側に結露が生じ、観察像の劣化を生じてしまう。そのため、制御部110は以下に述べる加湿制御を行なうとよい。培養装置101は、特に図示していないが、扉101aの開閉を感知する扉センサーを有している。制御部110は、扉センサーの信号(標本123の装着指示)に基づいて、容器を含めて培養細胞が(つまり標本123が)培養装置101の内部の温度と同じになるための一定時間経過後(例えば10分後)から加湿ヒーター106により加湿パッド113を加温して加湿を開始する。この制御により、培養細胞は培養装置101の内部と同じ温度に達した後に加湿されるため、容器を含む培養細胞が結露することなく、良好な観察像を取得可能となる。また、扉センサーに代えて標本装着ボタンを制御部110に設け、標本装着ボタンによる指示に基づいて制御部110が同様の加湿制御を行なっても同様の効果を得ることが可能である。また加湿ヒーター106のオン・オフに代え、加湿パッド113に設けた扉の開閉を行なってもよい。
[観察装置のテーブル部と対物レンズ部の詳細]
図2は、図1に示されたテーブルの周辺部分を拡大して示している。テーブル122と上側ベース部材114の間には、水平移動部材116に固定された中間部材129が配置されている。テーブル122と中間部材129の間には、四フッ化エチレン(PFTE)からなるリング状の二枚のシートシール199と、弾性を有するOリング130とが設けられている。Oリング130は押圧された状態で配置されている。また上側ベース部材114と中間部材129の間にも、同様に、二枚のシートシール199とOリング130とが設けられ、Oリング130は押圧された状態で配置されている。
図3は、図1に示された対物レンズの周辺部分を拡大して示している。上側ベース部材114は、対物レンズ125を突出させるための開口114bを有し、開口114bの内周面には溝が形成されており、開口114bの溝内には弾性を有するOリング134が収容されている。対物レンズ125が開口114bを通って上側ベース部材114の上面に突出している状態では、Oリング134は押圧されている。
図2において、ステッピングモーター121の回転はテーブル122を揺動させる。テーブル122の揺動によって、摩擦係数の小さいPTFE材の二枚のシートシール199の間には主に滑りが生じる。また、シートシール199を介するテーブル122と中間部材129の間に間隔変動が生じても、Oリング130が弾性変形して間隔変動を吸収し常に隙間の発生を防止する。同様に、シートシール199を介する上側ベース部材114と中間部材129の間にも間隔変動が生じても、Oリング130が同様の作用により隙間の発生を防止する。またシートシール199は摩擦係数が小さいため、摺動抵抗は低く抑えられている。ガイドやステージを構成する部材の剛性を低くしても、精密な移動が可能となる。また摩擦力は小さいため部材の摩耗も抑えることが可能である。
また、図3において、対物レンズ125の上下移動においても、対物レンズ125と上側ベース部材114の開口114bの間に間隔変動が生じるが、Oリング134が弾性変形して間隔変動を吸収し常に隙間の発生を防止する。
また、図1において、扉101aを閉めると、扉101aと上側ベース部材114の間でシール部材112が押圧される。従って、扉101aつまり培養装置101と上側ベース部材114の間に隙間は生じない。
従って、観察装置は、上側ベース部材114と基部101bとシール構造(シール部材112とシートシール199とOリング130とOリング134)により、培養装置101の湿気から隔離される。
この構成により、閉じられた扉101aと上側ベース部材114とで規定される培養空間を外気と遮断することが可能である。さらに、培養空間の内部のテーブル122と対物レンズ125を培養空間の外部から移動させることが可能となる。そのため、培養空間の温度と湿度維持が容易なため、必要なヒーター容量と必要な水分量の削減が可能である。さらに、機構部(移動装置)と光学部への湿気の浸入を低減可能となり、錆と結露の発生を抑制できる。
また摩擦係数の小さいPTFEをシール面に用いたことによって、位置精度とシール性を兼ね備えた培養標本観察装置が実現可能である。
これまでに述べたシール構造(シール部材112とシートシール199とOリング130とOリング134)によっても、上側ベース部材114の下面側へ僅かではあるが湿気は侵入する。そのような湿気に対して機構部(移動装置)と光学部を湿気に曝さないため、図2において、上側ベース部材114の下面と水平移動部材116との隙間は0.1mm以下に設定され、また水平移動部材116には吸気管131と排気管132が接続されている。吸気管131と排気管132は外部に導かれ、吸気管131には吸気のために空圧源が接続されている。また吸気管131は培養装置101の内部での経路を長くするため、培養装置101の内部で数巻き巻かれている。吸気管131と排気管132は、観察装置の雰囲気と培養標本観察装置全体を包む外気との間を接続している、観察装置の雰囲気を除湿するための除湿手段を構成している。また中間部材129は、水平移動部材116に接続されている円筒部に、円筒部を貫通している連絡穴129aを備えている。
また図3において、上側ベース部材114には、上側ベース部材114から対物レンズ125の軸方向に伸びた捕獲部材133が設けられている。捕獲部材133は、対物レンズ125が通る開口を有し、開口の内周面に形成された溝にはOリング134が装着され、対物レンズ125を押圧している。捕獲部材133のOリング134と上側ベース部材114のOリング134の間にも、前述した吸気管131と排気管132が接続されている。
閉じられた扉101aと上側ベース部材114とで規定された培養空間から二枚のシートシール199の間を通って侵入した湿気は、中間部材129と回転軸119の隙間から連絡穴129aを通って、上側ベース部材114と水平移動部材116の間に拡散する。上側ベース部材114と水平移動部材116に拡散した湿気は吸気管131から導入される外気とともに排気管132から外部に排気される。吸気管から導入される外気は、培養装置101の内部での長い経路により暖められた空気となり水平移動部材116に達するため、部材の温度低下を生じさせることがない。対物レンズ125とOリング134の間から侵入した湿気も同様に外部に排気される。
上記の構成により、それぞれのシール構造(シートシール199とOリング130とOリング134)から侵入した僅かな湿気も外部に強制的に排出される。このため、機構部(移動装置)や光学部に湿気が到ることがなく、錆や結露が生じる恐れがなくなる。また対物レンズ125の温度を一定にすることによって、温度変化による対物レンズ125の焦点移動を排除することが可能である。このため、長時間の観察でもピントズレのない観察が可能となる。
[マニュピレーター]
次に、培養細胞に遺伝子や薬剤を導入するマニュピレーターについて図3を参照しながら説明する。マニュピレーターは、揺動と上下移動が可能なアーム142を有し、アーム142は端部にシリンジ143を保持している。アーム142は上下移動軸138にネジによって着脱可能に固定されている。上下移動軸138は、円筒状の回転軸136の中に収容されており、回転軸136に対して上下移動し得る。回転軸136は、軸受け137を介して上側ベース部材114に取り付けられており、上側ベース部材114に対して回転し得る。回転軸136は下端部に大歯車195を備えている。大歯車195は、上側ベース部材114に固定されたステッピングモーター194の出力軸に取り付けられた小歯車193とかみ合っている。上下移動軸138は下端部にメスネジを有している。上下移動軸138のメスネジは、ステッピングモーター140の出力軸に形成されたオスネジとかみ合っている。上下移動軸138は外周面に上下に延びる溝138aを有している。溝138aには、回転軸136に固定されたピン139が収容されている。ピン139は、回転軸136に対する上下移動軸138の上下移動の範囲を定めるとともに、回転軸136に対する上下移動軸138の回転を規制する。上下移動軸138に対するアーム142の固定位置は、シリンジ143と回転軸136の芯との間の距離が対物レンズ125の光軸と回転軸136の芯との間の距離と同じになるように調整されている。
以上の構成により、高湿度環境下でも、アーム142を移動して視野中心の細胞にシリンジ143を配置することが可能となり、例えば上側ベース部材114の上に設置した試薬を培養細胞に投与することが可能となる。また、アーム142を回転させるためのステッピングモーター194と、標本123を水平移動させるためのステッピングモーター118とを連動させて駆動することにより、シリンジ143を所定の範囲内で任意の位置に配置することが可能である。
本実施形態の培養標本観察装置では、テーブル122とアーム142を取り外した状態では、上側ベース部材114の上側に突出している部材は、円柱状の部材(移動装置の回転軸119と中間部材129、マニュピレーターの回転軸136)だけであるので、清掃を容易に行なうことが可能である。
[水補給]
水浸対物レンズへの水補給装置について図3を参照しながら説明する。本実施形態の培養標本観察装置は、対物レンズ125が水浸対物レンズである場合も考慮して、水浸対物レンズへ水を補給する水補給装置を備えている。水補給装置は、培養装置101の設定温度とは異なる温度への設定が可能な冷却部を備えている。冷却部は、これに限らないが、本実施形態ではペルチェ素子144で構成されている。ペルチェ素子144は、テーブル122の下面で、テーブル122の移動の際に対物レンズ125の光軸上に位置し得る個所に固定されている。ペルチェ素子144は、対物レンズ125に対向し得る水補給面144aを有している。培養空間は相対湿度100%に近い飽和状態に維持されるため、ペルチェ素子144の水補給面144aを数度冷却すると、水補給面144aに水蒸気が結露する。前述した移動装置によってテーブル122を移動して、水補給面144aを対物レンズ125の上方に配置した後に降下させることにより、水補給面144aに結露した水を対物レンズ125に補給することができる。この構成によれば、ペルチェ素子144だけで、ほかに特別な部材を用いることなく、対物レンズ125への水の補給が可能となる。つまり、安価な水補給装置が提供される。
ペルチェ素子144をテーブル122に設ける代わりに上側ベース部材114の上面に設け、ペルチェ素子144の上面に結露した水を前述したマニュピレーターを利用して対物レンズ125に供給することも可能である。この構成では、ペルチェ素子144をテーブル122に設けていないため、標本の温度変化を少なくすることが可能となる。
[暗視野]
観察装置は蛍光観察と暗視野観察とが可能である。蛍光観察は目的部位での蛍光蛋白の発現確認などに利用し、暗視野観察は細胞の核や輪郭を可視化し細胞の位置や培養の状態、または細菌汚染の確認などに利用する。
観察装置は、培養細胞を照明するための照明装置と、培養細胞を観察するための観察装置とを含んでいる。図4は、図1に示される観察装置に適用可能な照明装置を示している。図4に示されるように、照明装置は、発光波長が異なる複数の発光ダイオード145と、発光ダイオード145の前方にそれぞれ配置された複数の励起フィルター146と、屈折部材147とを備えている。発光ダイオード145と励起フィルター146と屈折部材147は共に対物レンズ125の外周部に配置されている。励起フィルター146は、発光ダイオード145から発せられる照明光のうち特定の波長の照明光だけを選択的に透過する。屈折部材147は、励起フィルター146を透過した照明光を屈折させて標本123に方向付ける。
観察装置は、図1に示されるように、対物レンズ125と、対物レンズ125と共働して結像光学系を構成する結像レンズ149と、結像光学系によって結像された光学像を撮る撮像装置150と、撮像装置150で取得された像を表示するモニター192とを備えている。標本123から光が対物レンズ125を通って結像レンズ149に伝搬するように、基部101bには光学窓223が設けられている。光学窓223はガラス板などの透明光学部材で構成されてよい。さらに観察装置は、撮像装置150に向かう観察光のうち特定の波長の観察光だけを選択的に透過する吸収フィルター148と、吸収フィルター148を必要に応じて光軸上に配置するためのターレット151とを備えている。撮像装置150は、蛍光観察を考慮して冷却CCDであるとよい。
暗視野観察では、図1において、ターレット151を切り換えて空穴を光軸上に配置し、吸収フィルター148を光軸上から外す。図4において、発光ダイオード145が発した光は、励起フィルター146を透過し、屈折部材147により標本123を対物レンズ125のNAの外から照明する。そのため照明光や標本容器の下面で正反射した光は、対物レンズ125に捕獲されない。標本123内の培養細胞による反射光や散乱光だけが対物レンズ125に捕獲され、撮像装置150によって検出される。そのため透明な培養細胞でも染色することなく可視化が可能となる。また通常用いられている位相差観察で用いる透過照明部が不要なため、標本上部に空間が生じるため、培養装置101への標本123の出し入れや、標本123への試薬の投与などの操作が容易となる。
図5は、図1に示される観察装置に適用可能な別の照明装置を示している。対物レンズ125のNAが例えば0.85とすると、対物レンズ125が捕獲する光の範囲は光軸から約60度の範囲となる。標本容器底面の中央に向け、光軸から70度の母線上には複数の照明光軸が設定され、照明光軸上には、励起フィルター152とコリメートレンズ153と発光ダイオード154とが配置される。励起フィルター152とコリメートレンズ153と発光ダイオード154は、上側ベース部材114上でテーブル122の移動範囲の外に設けた照明部材155の内部に防塵ガラス156によって封じられている。
言い換えれば、図5の照明装置は、照明光を発する発光ダイオード154と、発光ダイオード154から発せられる照明光を平行光にするコリメートレンズ153と、発光ダイオード154から発せられる照明光のうち特定の波長の照明光だけを選択的に透過する励起フィルター152と、発光ダイオード154とコリメートレンズ153と励起フィルター152を収容する照明部材155と、照明部材155に設けられた光学窓を構成する防塵ガラス156とを備えている。発光ダイオード154とコリメートレンズ153と励起フィルター152を通る照明光軸は、対物レンズ125の光軸に対して70度傾いている。
発光ダイオード154が発した光は、コリメートレンズ153で平行光となり対物レンズ125での観察視野内を均一に照明する。標本123を透過した光は、対物レンズ125のNAの外からの光のため、対物レンズ125に捕獲されない。標本123による反射光や散乱光だけが対物レンズ125に捕獲され、撮像装置150によって検出される。そのため透明な培養細胞でも染色することなく可視化が可能となることや、透過照明部が不要になることなど、図4に示される照明装置による暗視野照明と同様の効果がある。蛍光観察を兼ねない場合または励起波長で狭帯域の波長が不要な場合は、励起フィルター152を取り除いた構成でもよい。
[蛍光]
図4の照明装置を用いて蛍光観察も可能である。蛍光観察では、図1において、ターレット151を切り換えて、標本123の蛍光波長に合わせた吸収フィルター148を光軸上に配置する。図4において、発光ダイオード145が発した光は、励起フィルター146によって標本励起に必要な波長の光だけが選択的に透過され、標本123を照明する。照明光により励起された標本123は、励起に用いた波長より長い波長の蛍光を発する。蛍光は対物レンズ125に捕獲され、平行光となり対物レンズ125を出て吸収フィルター148に到る。吸収フィルター148を透過した光は結像レンズ149により撮像装置150の受光面に結像され、モニター192上に物体像を表示する。暗視野照明のため、照明光が対物レンズ125で捕獲されないので、照明光による対物レンズ125での自家蛍光によるSNの低下が生じない。
図5の照明装置を用いて蛍光観察も可能である。図5において、発光ダイオード154が発した光は、コリメートレンズ153によって平行光となり、励起フィルター152によって標本励起に必要な光だけが選択的に透過され、標本を均一に照明する。結像までに到る作用は図4の照明装置の場合と同様である。
また発光ダイオード154に代えて、装置外部に設けた光源をファイバー伝達して用いることも可能である。ファイバーを用いる場合は、光源の大きさや光源の熱への配慮が不要となるため高輝度光源を用いることも可能となる。
ここでは、蛍光観察のための照明装置は、図4と図5に示されるように、斜照明の照明装置であるが、落射照明の照明装置であってもよい。
[培養環境]
培養標本観察装置は、図1に示されるように、主に扉101aと上側ベース部材114とによって規定される領域Iと、主に基部101bと上側ベース部材114とによって規定される領域IIと、培養標本観察装置の外の領域IIIとを有している。領域I内は、温度と湿度が人や動植物の体内環境あるいはその他生物やウイルスなどの活動環境と同等レベルに維持される。領域II内は、温度は領域Iと同等レベルに維持され、湿度は常湿レベルに維持される。領域III内は、温度は常温レベルに、湿度は常湿レベルに維持される。
領域Iと領域IIと領域IIIは、対物レンズ125と結像レンズ149と撮像装置150を含む結像光学系の光軸に沿って配置されている。標本123は領域I内に配置され、撮像装置150は領域III内に配置されている。
領域IIと領域IIIは、結像光学系の光すなわち標本123からの光が領域IIと領域IIIの境界を通過するように、領域IIと領域IIIの間に位置している光学窓223を介して光学的に結合されている。
領域Iと領域IIは、領域Iの温度をt1、領域Iの湿度をh1、領域IIの温度をt2、領域IIの湿度をh2として、
36℃≦t1≦38℃,90%≦h1≦100%
36℃≦t2≦38℃,50%≦h2≦80%
を満足している。
標本123と対物レンズ125は、保温・保湿性能上脆弱(ぜいじゃく)であり、常温・常湿環境から分離して維持されるとよい。培養環境による対物レンズ125への悪影響(特に結露)はできる限り緩和されることが望ましい。結像光学系中の撮像装置150は、基本的に発熱体であり、培養環境からできる限り離して配置されることが望ましい。
本実施形態の培養標本観察装置は緩衝領域としての領域IIを有しており、標本213と撮像装置1250はそれを介して配置され、対物レンズ125は主にその中に配置されている。その結果、対物レンズ125への悪影響(特に結露)は効果的に軽減され、培養環境は好適な状態に容易に維持される。
[位相差]
図6は、本実施形態の変形例の培養標本観察装置を示している。具体的には、図1に示される観察装置を暗視野観察に適した構成から位相差観察に適した構成に変更した培養標本観察装置を示している。図6において、図1に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
本変形例の培養標本観察装置では、観察装置は、図6から分かるように、図1の対物レンズ125に代えて位相差対物レンズ157を備えており、また図4や図5の暗視野照明装置に代えて透過照明装置を備えている。
透過照明装置は、照明支柱158とリングスリット159と発光ダイオード160と反射ミラー161とコリメートレンズ162とを備えている。照明支柱158は、上側ベース部材114上でテーブル122の移動範囲の外に設置されている。照明支柱158は、リングスリット159と発光ダイオード160と反射ミラー161とを収容している。コリメートレンズ162は照明支柱158の開口部に挿入され、接着材によって隙間なく固定されている。リングスリット159はリング状の開口を有し、位相差対物レンズ157の後ろ側焦点面と共役な位置に配置されている。発光ダイオード160は、リングスリット159の近傍に配置されている。
位相差対物レンズ157は後ろ側焦点面に位相板163を備えている。位相板163の大きさは投影されるリングスリット159を含む大きさである。つまり、リングスリット159の像は位相板163の内側に投影される。また位相板163は、透過光の位相を1/4波長シフトする光学部材と透過光を減衰させるND膜とから構成されている。
発光ダイオード160を発した光は、リングスリット159の開口を透過し、反射ミラー161で方向転換され、コリメートレンズ162により平行光となり、標本123をムラなく照明する。
標本123を透過した0次光は、位相差対物レンズ157の位相板163上に集光し、位相シフトと光量減衰がなされる。また標本123で回折した一次光は、位相差対物レンズ157の後ろ側焦点面で位相板163上に集光しないため、位相シフトと光量減衰はなされない。
0次光と一次光は結像レンズ149によって撮像装置150の受光面に結像する。位相板163による0次光の位相シフトによって一次光との間で干渉が生じ、無染色標本でも観察が可能となる。また、コリメートレンズ162によって照明支柱158の内部と培養空間が遮断されるため、照明支柱内部の光学部材を結露させることがない。
<第一実施形態の別の変形例>
図7は、本発明の第一実施形態の別の変形例の培養標本観察装置を示している。図7において、図1に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
培養装置101内の上側ベース部材114には、複数の支持支柱201を介して固定した脚取付部202が設置され、脚取付部202の中央と下側ベース部材191は一本の脚部205によって接続されている。
また、対物レンズ125のシール部材203として以下の部材を用いる。シール部材203は弾性を有する肉薄形状のゴム材料であり、円筒部と二個所の平面部を持つ。二個所の平面部は対物レンズ125と上側ベース部材114に固定部材204を介して固定されている。
一本の脚部205により培養装置101の内外で設定温度の異なる脚取付部202と下側ベース部材191を接続することにより、温度による膨張差で生じる材料の歪みを低減可能であり、光学調整を狂わすことがない。
またシール部材203により摺動抵抗が低いシールが可能となり、位置再現性の向上が可能となる。
<第五実施形態のさらに別の変形例>
図8は、本発明の第五実施形態のさらに別の変形例の培養標本観察装置を示している。図8において、図1に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
本変形例の培養標本観察装置は、図1に示された培養標本観察装置の装置構成に加えて、標本123を透過照明するための透過照明装置210をさらに備えている。過照明装置210は、対物レンズ125の上方に位置し、扉101aから外れるように扉101aに取り付けられている。扉101aには、過照明装置210からの光を透過する二枚の光学窓221と222が設けられている。二枚の光学窓221と222はガラス板などの透明光学部材で構成されてよい。
本変形例では、領域I(主に扉101aと上側ベース部材114とによって規定される領域)と領域II(主に基部101bと上側ベース部材114とによって規定される領域)とが、結像光学系の光すなわち透過照明装置210からの光が領域Iと領域IIの境界を通過するように、領域Iと領域IIの間に位置している光学窓221と222を介して光学的に結合されている。
本変形例においても、領域Iと領域IIは前述の条件を満足している。発熱源となる光源を含む透過照明装置210が領域Iと領域II以外の領域つまり領域III内に配置されているため、領域Iと領域IIの温度制御が容易に行なえる。このため、対物レンズ125への悪影響(特に結露)が効果的に軽減される。
第二実施形態
図9は、本発明の第二実施形態の培養標本観察装置を概略的に示している。
本実施形態の培養標本観察装置は、温度・湿度・PHの制御が可能で細胞培養に用いる培養装置としてのインキュベーター164と、インキュベーター164の内部に収容される顕微鏡装置165と、顕微鏡装置165をインキュベーター164の内部と外部の間で移動させるスライド装置166とを備えている。スライド装置166はインキュベーター164の内部に設けられている。
顕微鏡装置165は、培養細胞を照明するための照明装置167と、培養細胞を観察するための観察装置168と、移動装置169と、顕微鏡容器170とから構成される。照明装置167は、発光ダイオード171と、コリメートレンズ172と、励起フィルター173とを備えている。観察装置は168、対物レンズ174と、吸収フィルター175を備えたターレット176と、結像レンズ177と、撮像装置178とを備えている。対物レンズ174と撮像装置178は結像光学系を構成している。移動装置は、顕微鏡容器170に設置された標本と対物レンズ174とを相対的に移動させるためのものであり、水平面内で二次元移動が可能な水平ステージ179と、水平ステージ179に設置された上下方向への移動が可能な上下ステージ180とを備えている。
対物レンズ174と照明装置167は上下ステージ180に一体的に固定されている。吸収フィルター175とターレット176と結像レンズ177と撮像装置178は水平ステージに一体的に固定されている。顕微鏡容器170は、実質的に、二つの開口を有する直方体形状の箱である。一方の開口は顕微鏡容器170の上面に位置し、他方の開口は顕微鏡容器170の側面に位置している。上面の開口近傍に設けた溝には弾性を有するOリング181が装着され、光学的に透明なガラス板182がOリング181を押圧した状態で顕微鏡容器170に固定されている。
顕微鏡容器170の側面の開口には連絡管183が固定されている。連絡管183は、伸縮が可能なベローズで、顕微鏡容器170の内部とインキュベーター164の外部を接続している。連絡管183は、図9には作図の都合から、顕微鏡容器170の移動方向すなわち前後方向に垂直な方向すなわち左右方向に延びるように模式的に描かれているが、実際には、顕微鏡用器170の移動方向すなわち前後方向に平行に延びるように設けられている。また図9には一本の連絡管183が描かれているが、実際には、吸気と排気のために二本の連絡管183が設けられている。スライド装置166は、固定部184と移動部185と転動部186とからなり、固定部184はインキュベーター164に固定され、移動部185は顕微鏡容器170に固定されている。
インキュベーター164には内部の温度・湿度ムラをなくす目的でファン231が設けられている。しかしファン231による振動は取得画像を劣化させる。そのため、制御部232は、撮影時に、ファン231を停止させるブレ防止制御を行なう。ブレ防止制御は照明装置167の点灯と同時に開始されてもよい。このブレ防止制御によって、ファン231の振動による像ボケが生じることなく、高品位な画像取得が可能となる。
Oリング181を用いた密閉構造により、高湿度のインキュベーター164環境においても顕微鏡容器170内部への湿気の侵入が軽減されるとともに、侵入した僅かな湿気も連絡管183によって外部に排出されるため、観察装置部に錆や結露を生じることがない。また、スライド装置166を設けてインキュベーター164に対する顕微鏡容器170の出し入れを容易にすることにより清掃しやすくしているため、細菌やカビなどへの汚染を嫌う細胞培養においても汚染予防が可能となる。またOリングによるシール部では僅かな湿気の侵入があるため、二本の連絡管を設け、一方の連絡管で外気を導入し他方の連絡管で内部の湿気を強制的に除去してもよい。これにより、さらに湿気対策を完全なものとすることが可能となる。
培養標本観察装置は、インキュベーター164と顕微鏡容器170の間の領域Iと、顕微鏡容器170の内部の領域IIと、インキュベーター164の外の領域IIIとを有している。領域I内は、温度と湿度が人や動植物の体内環境あるいはその他生物やウイルスなどの活動環境と同等レベルに維持される。領域II内は、温度は領域Iと同等レベルに維持され、湿度は常湿レベルに維持される。領域III内は、温度は常温レベルに、湿度は常湿レベルに維持される。
領域Iと領域IIと領域IIIは、観察装置168の結像光学系の光軸に沿って配置されている。標本123は領域I内に配置されている。
領域Iと領域IIは、観察装置の光すなわち標本123からの光が領域Iと領域IIの境界を通過するように、領域Iと領域IIの間に位置している光学的に透明なガラス板182を介して光学的に結合されている。
領域Iと領域IIは、領域Iの温度をt1、領域Iの湿度をh1、領域IIの温度をt2、領域IIの湿度をh2として、
36℃≦t1≦38℃,90%≦h1≦100%
36℃≦t2≦38℃,50%≦h2≦80%
を満足している。
本実施形態の培養標本観察装置は、その中に観察装置が配置される領域IIを有しているので、観察装置168への悪影響(特に結露)が効果的に軽減される。
本実施形態では、顕微鏡容器170はスライド装置166によってインキュベーター164に入れられたりインキュベーター164から出されたりされるが、顕微鏡容器170を出し入れする機構はこれに限定されるものではなく、任意の公知の移動機構が適用可能である。またスライド装置166などの移動機構が省かれ、手作業によって顕微鏡容器170がインキュベーター164に入れられたりインキュベーター164から出されたりしてもよい。
本実施形態においても、蛍光観察のための照明装置167は、斜照明の照明装置であるが、落射照明の照明装置であってもよい。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
例えば、培養標本観察装置内の観察装置は、上述した実施形態では倒立顕微鏡の態を成しているが、これに限定されるものでない。つまり、観察装置は正立顕微鏡やその他の光学系の態を成していてもよい。
本発明の第一実施形態の培養標本観察装置を概略的に示している。 図1に示されたテーブルの周辺部分を拡大して示している。 図1に示された対物レンズの周辺部分を拡大して示している。 図1に示される観察装置に適用可能な照明装置を示している。 図1に示される観察装置に適用可能な別の照明装置を示している。 本発明の第一実施形態の変形例の培養標本観察装置を示している。 本発明の第一実施形態の別の変形例の培養標本観察装置を示している。 本発明の第一実施形態のさらに別の変形例の培養標本観察装置を示している。 本発明の第二実施形態の培養標本観察装置を概略的に示している。
符号の説明
101…培養装置、101a…扉、101b…基部、102…断熱材、103…内装部、104…センサー、105…加温ヒーター、106…加湿ヒーター、107…電磁弁、108…支柱ヒーター、109…支持支柱センサー、110…制御部、111…支持支柱、112…シール部材、113…加湿パッド、114…上側ベース部材、114b…開口、115…直動ガイド、116…水平移動部材、117…ボールネジ、118…ステッピングモーター、119…回転軸、120…回転軸受け、121…ステッピングモーター、122…テーブル、123…標本、124…直動ガイド、125…対物レンズ、126…上下移動部材、127…ボールネジ、128…ステッピングモーター、129…中間部材、129a…連絡穴、130…Oリング、131…吸気管、132…排気管、133…捕獲部材、134…Oリング、135…ボール、136…回転軸、137…軸受け、138…上下移動軸、138a…溝、139…ピン、140…ステッピングモーター、142…アーム、143…シリンジ、144…ペルチェ素子、144a…水補給面、145…発光ダイオード、146…励起フィルター、147…屈折部材、148…吸収フィルター、149…結像レンズ、150…撮像装置、151…ターレット、152…励起フィルター、153…コリメートレンズ、154…発光ダイオード、155…照明部材、156…防塵ガラス、157…位相差対物レンズ、158…照明支柱、159…リングスリット、160…発光ダイオード、161…反射ミラー、162…コリメートレンズ、163…位相板、164…インキュベーター、165…顕微鏡装置、166…スライド装置、167…照明装置、168…観察装置、169…移動装置、170…顕微鏡容器、171…発光ダイオード、172…コリメートレンズ、173…励起フィルター、174…対物レンズ、175…吸収フィルター、176…ターレット、177…結像レンズ、178…撮像装置、179…水平ステージ、180…上下ステージ、181…Oリング、182…ガラス板、183…連絡管、184…固定部、185…移動部、186…転動部、191…下側ベース部材、192…モニター、193…小歯車、194…ステッピングモーター、195…大歯車、199…シートシール、201…支持支柱、202…脚取付部、203…シール部材、204…固定部材、205…脚部、ファン…231、制御部232。

Claims (4)

  1. 標本を観察するための光学系と、
    温度と湿度が人や動植物の体内環境あるいはその他生物やウイルスなどの活動環境と同等レベルに維持される領域Iと、温度は領域Iと同等レベルに維持され、湿度は常湿レベルに維持される領域IIと、温度は常温レベルに、湿度は常湿レベルに維持される領域IIIの少なくとも三つの領域を有し、領域Iと領域IIと領域IIIは光軸に沿って配置されており、標本は領域I内に配置されており、さらに、
    前記光学系を通る光が三つの領域の間の少なくとも一つの境界を通り、なおかつ該境界の少なくとも光が通過する部分は少なくとも一つの光学部材を有している、培養標本観察装置。
  2. 請求項1において、光学系は標本の光学像を撮るための撮像素子を含み、撮像素子は領域III内に配置されている、培養標本観察装置。
  3. 請求項1において、領域Iと領域IIは、領域Iの温度をt1、領域Iの湿度をh1、領域IIの温度をt2、領域IIの湿度をh2として、
    36℃≦t1≦38℃,90%≦h1≦100%
    36℃≦t2≦38℃,50%≦h2≦80%
    を満足している、培養標本観察装置。
  4. 請求項1において、領域IIIに標本を照明する照明装置を設置した、培養標本観察装置。
JP2004312822A 2004-10-27 2004-10-27 培養標本観察装置 Expired - Fee Related JP4868203B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004312822A JP4868203B2 (ja) 2004-10-27 2004-10-27 培養標本観察装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004312822A JP4868203B2 (ja) 2004-10-27 2004-10-27 培養標本観察装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006126364A true JP2006126364A (ja) 2006-05-18
JP4868203B2 JP4868203B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=36721198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004312822A Expired - Fee Related JP4868203B2 (ja) 2004-10-27 2004-10-27 培養標本観察装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4868203B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008009298A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Nikon Corp 顕微鏡用環境維持装置及び顕微鏡
JP2011075312A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Sanyo Electric Co Ltd 観察装置
JP2014128290A (ja) * 2006-06-16 2014-07-10 Panasonic Healthcare Co Ltd 培養物観察システム
JP2015175954A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 オリンパス株式会社 培養顕微鏡
JP2017090576A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 オリンパス株式会社 観察装置、及び、観察方法
JP2018116060A (ja) * 2018-02-09 2018-07-26 日本光電工業株式会社 画像サイトメータ
JP2019523899A (ja) * 2016-05-31 2019-08-29 モレキュラー デバイシーズ, エルエルシー 傾斜照明を伴う撮像システム
US10436699B2 (en) 2014-10-20 2019-10-08 Nihon Kohden Corporation Analyzing system and analyzing apparatus
US10482605B2 (en) 2015-12-28 2019-11-19 Sysmex Corporation Cell area determination method, cell imaging system, and cell image processing apparatus
CN114026482A (zh) * 2019-07-18 2022-02-08 株式会社日立高新技术 摄像机构以及具有摄像机构的试样分析装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60156996A (ja) * 1983-10-07 1985-08-17 サ−ジエント−ウエルチ・サイエンテイフイツク・カンパニ− 改良されたベアリング装置を有するタ−ボ分子ポンプ
JP2004198538A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Ogawa Akio 顕微鏡に載置した被観察物を長時間生かすことができる恒温・恒湿装置
JP2005010258A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Nikon Corp 顕微鏡装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60156996A (ja) * 1983-10-07 1985-08-17 サ−ジエント−ウエルチ・サイエンテイフイツク・カンパニ− 改良されたベアリング装置を有するタ−ボ分子ポンプ
JP2004198538A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Ogawa Akio 顕微鏡に載置した被観察物を長時間生かすことができる恒温・恒湿装置
JP2005010258A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Nikon Corp 顕微鏡装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014128290A (ja) * 2006-06-16 2014-07-10 Panasonic Healthcare Co Ltd 培養物観察システム
JP2008009298A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Nikon Corp 顕微鏡用環境維持装置及び顕微鏡
JP2011075312A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Sanyo Electric Co Ltd 観察装置
JP2015175954A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 オリンパス株式会社 培養顕微鏡
US10436699B2 (en) 2014-10-20 2019-10-08 Nihon Kohden Corporation Analyzing system and analyzing apparatus
JP2017090576A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 オリンパス株式会社 観察装置、及び、観察方法
US10482605B2 (en) 2015-12-28 2019-11-19 Sysmex Corporation Cell area determination method, cell imaging system, and cell image processing apparatus
JP2019523899A (ja) * 2016-05-31 2019-08-29 モレキュラー デバイシーズ, エルエルシー 傾斜照明を伴う撮像システム
JP2018116060A (ja) * 2018-02-09 2018-07-26 日本光電工業株式会社 画像サイトメータ
CN114026482A (zh) * 2019-07-18 2022-02-08 株式会社日立高新技术 摄像机构以及具有摄像机构的试样分析装置
CN114026482B (zh) * 2019-07-18 2023-11-14 株式会社日立高新技术 摄像机构以及具有摄像机构的试样分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4868203B2 (ja) 2012-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8110394B2 (en) Culture microscope apparatus
JP4740554B2 (ja) 培養顕微鏡装置
US7910355B2 (en) Culture observation apparatus
JP5943956B2 (ja) 培養物観察システム
US7557988B2 (en) Microscope system
US7382531B2 (en) Microscope and method of preventing dew condensation on objective lens
US20080247038A1 (en) Scanning confocal microscope
JP4868203B2 (ja) 培養標本観察装置
US5307161A (en) Biological sample observation system using a solid state imaging device
JP4652801B2 (ja) 透過照明装置、それを備えた顕微鏡、及び透過照明方法
JP5084187B2 (ja) インキュベータ及びインキュベータ用加湿皿
JP4411866B2 (ja) 顕微鏡装置
JP4740584B2 (ja) 観察装置
JP2007334141A (ja) 培養物観察システム
JP2006187205A (ja) 培養観察装置および標本トレー保温装置および蓋
JP2008009298A (ja) 顕微鏡用環境維持装置及び顕微鏡
JP2007140155A (ja) 顕微鏡装置
JP4804002B2 (ja) 培養観察装置
JP2020005553A (ja) インキュベーションシステム及びインキュベータ
JP7365045B2 (ja) 分析システム
US11925931B2 (en) Humidified sample preparation station for serial crystallography
JP2018148825A (ja) 試料観察装置
JP2004318017A (ja) 培養観察方法及びそれに用いる倒立顕微鏡
JP2019154374A (ja) 試料観察装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111102

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4868203

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees