JP2019154374A - 試料観察装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキュベータ内でも使用される試料観察装置において培養容器の天井内壁面への結露の発生を抑止し得る試料観察装置を提供する。【解決手段】容器2を載置するための透明平面部17を有する収納筐体11と、収納筐体の内部に配置され所定のXY平面内で駆動される観察用撮像ユニット21と、収納筐体の内部に配置され観察用撮像ユニットを駆動する駆動ユニット20と、少なくとも駆動ユニットまたは観察用撮像ユニットの一方に含まれる発熱体32Ba,28aと、一端部が発熱体に接続され他端部が透明平面部上に載置された容器の上面に接触又は隣接する位置に配置された熱伝導部材91,92,96,97とを具備し、熱伝導部材は発熱体から生じた熱を容器の上面へ伝達して容器の上面の曇りを防止する。【選択図】図2

Description

この発明は、培養容器内の細胞等の試料を観察する試料観察装置に関するものである。
近年、培養容器内の細胞等の試料を観察する試料観察装置については、種々の形態のものが提案され実用化されている。
この種の試料観察装置を用いて、観察対象とする細胞等の試料(以下、観察対象試料という)の経時変化を観察する等といった場合には、観察対象試料を入れた培養容器をセットした試料観察装置を、インキュベータ(incubator;恒温器)内に設置して使用されることがある。このような使用状況下では、当該試料観察装置やインキュベータ等の機器は、例えば96時間程度の長時間連続して稼働される場合がよくある。
従来のこの種の試料観察装置においては、使用時に発熱する構成部材や構成ユニット(以下、発熱体という)を内部に有して構成されている。発熱体としては、例えば撮像ユニットや撮像ユニット駆動機構(移動用アクチュエータ及び駆動用電子回路を含む撮像基板等)のほか、制御回路等を含むCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)等の電子部品を複数実装してなる電子回路基板(electronic circuit board;メイン基板),電源ユニット等がある。これら複数の発熱体は、試料観察装置の筐体内部における所定の位置にそれぞれ配設されている。
したがって、従来の試料観察装置では、複数の発熱体から発生した熱が培養容器へと伝達して、当該培養容器の内部の気体温度に影響を与えてしまうことがある。具体的には、発熱体の熱が、培養容器の内部の気体温度を上昇させてしまう。
ここで、観察対象試料を入れた培養容器は、ほぼ密閉された状態にある。この状態において、培養容器の内部の気体温度と、培養容器の外部の気体温度(インキュベータ内の気体温度)との間に差異が生じることがある。このとき、培養容器の内部の気体温度よりも、培養容器の外部の気体温度に晒されている培養容器の外表面温度(つまり容器自体の壁面温度)が低い場合、培養容器の内壁面に結露が生じることがある。
このようにして観察実験中の培養容器の内壁面に結露が発生した場合、例えば、培養容器内の培養液の濃度に変化が生じたり、結露部分においてコンタミネーション(contamination;試料汚染)が発生する等の心配がある。
また、培養容器の内壁面に発生した結露は、例えば観察対象試料を観察する際の照明光に対して悪影響を及ぼす可能性も考えられることから、正常な観察を阻害する要因になり得る。
そこで、従来の試料観察装置においては、培養容器の内壁面等に発生する結露を抑止するための様々な工夫が、例えば特許4116780号公報等によって種々提案されている。
上記特許4116780号公報によって開示されている試料観察装置は、密封された培養容器に対し、容器底面への送風よりも数度高い温風を、容器上部へと送風することによって、当該培養容器の上側内面への結露発生を抑止するという構成を備えている。
また、上記特許4116780号公報によって開示されている試料観察装置においては、装置に含まれる発熱体を、培養容器からできるだけ離れた位置に配置するような構成が示されている。例えばレンズユニットやメイン基板等を含むコントロールユニットを、観察装置本体とは別体に構成している。
特許4116780号公報
ところが、上記特許4116780号公報等によって開示されている従来技術によれば、ヒータやファン等の構成部材を追加する必要があるため、装置が大型化したり、複雑化してしまうという問題点がある。
また、この種の試料観察装置は、インキュベータの内部等において使用されることが想定されるため、装置を構成するのに使用される構成部材は、高温高湿環境下での使用にも耐え得るような品質が要求される。このことから、使用構成部材が増えると、製造コストが増大してしまうという問題点もある。
さらに、装置内の発熱体と、培養容器を離して配置するために、コントロールユニットを別体構成としているので、さらなる装置の大型化を招来してしまうという問題点がある。
一方、従来の試料観察装置においては、インキュベータ内部で使用することを考慮すると、撮像ユニットや撮像ユニット駆動機構、制御用電子回路基板等の電気的部品及び機構部品は、できるだけ高温高湿環境に晒したくない。そのために、試料観察装置においては、これらの構成部品を内蔵する筐体は、密閉構造を有して形成されるのが普通である。
しかしながら、上述したように、装置が大型化してしまうと、筐体の密閉構造を確保するための構成が困難となり、さらに製造コストが高くつくという問題点が生じる。その上、さらに、試料観察装置が大型化すると、既存のインキュベータ内への格納が困難になってしまう場合もある。
さらに加えて、上記特許4116780号公報等によって開示されている構成では、長時間連続稼働させた場合に、装置内の発熱体からの放熱が、インキュベータ内の環境温度に影響してしまうことが考えられる。この場合、インキュベータ内の厳密な温度管理(例えば摂氏37度±0.25度といった厳密な温度管理)を阻害してしまうという問題点が発生する。
ここで、インキュベータ内の温度管理が的確に実行できない場合には、インキュベータ内に温湿度むらが生じてしまうことになる。すると、このような場合、培養容器内に結露が発生する可能性が増大するという問題点がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、インキュベータ内でも使用される試料観察装置において、培養容器の内壁面(特に天井内壁面)への結露の発生を抑止し得る構成を備えた試料観察装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の試料観察装置は、容器を載置するための透明平面部を有する収納筐体と、上記収納筐体の内部に配置され、所定のXY平面内で駆動される観察用撮像ユニットと、上記収納筐体の内部に配置され、上記観察用撮像ユニットを駆動する駆動ユニットと、少なくとも上記駆動ユニットまたは上記観察用撮像ユニットの一方に含まれる発熱体と、一端部が上記発熱体に接続され、他端部が上記透明平面部上に載置された上記容器の上面に接触、又は隣接する位置に配置された熱伝導部材と、を具備し、上記熱伝導部材は、上記発熱体から生じた熱を上記容器の上面へ伝達して当該容器の上面の曇りを防止する。
本発明によれば、インキュベータ内でも使用される試料観察装置において、培養容器の内壁面(特に天井内壁面)への結露の発生を抑止し得る構成を備えた試料観察装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の試料観察装置を含む試料観察システムの全体構成の概略を示すシステム構成図 図1の試料観察システムの電気的な構成の概略を示すブロック構成図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置において蓋体が閉位置にある状態の外観を示す外観斜視図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置において蓋体が開位置にある状態の外観を示す外観斜視図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置における装置本体の上半部の構成要素(天板ユニット)の分解斜視図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置における装置本体の下半部の構成要素(観察用撮像ユニットを含む駆動ユニット,収納筐体)の分解斜視図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置における観察用撮像ユニットを含む駆動ユニットを分解して示す要部分解斜視図 図7の二点鎖線で示す仮想面を矢印[8]方向から見た切断面を示す断面図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置における蓋体及び当該蓋体に関連する構成部材を取り出して示す外観斜視図 図9の状態の蓋体の内部を示す平面図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置において蓋体が閉位置にあるときのヒートパイプの配置状況を示す概念図 本発明の第1の実施形態の試料観察装置において脚部の配置を示すための概略断面図 本発明の第2の実施形態の試料観察装置の外観を簡略化して示す外観斜視図 図13の二点鎖線で示す仮想面を矢印[14]方向から見た切断面を簡略化して示す概略断面図 本発明の第2の実施形態の試料観察装置における保持部材についての変形例を示す要部拡大斜視図 本発明の第3の実施形態の試料観察装置の外観を簡略化して示す外観斜視図 図16の二点鎖線で示す仮想面を矢印[17]方向から見た切断面を簡略化して示す概略断面図 本発明の第3の実施形態の試料観察装置におけるパイプユニットについての変形例を示す概略断面図
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
図1〜11は、本発明の第1の実施形態を示す図である。このうち、図1は、本発明の第1の実施形態の試料観察装置を含む試料観察システムの全体構成の概略を示すシステム構成図である。図2は、図1の試料観察システムの電気的な構成の概略を示すブロック構成図である。
図3,図4は、本実施形態の試料観察装置の外観を示す外観斜視図である。このうち図3は蓋体が閉位置にある状態を示している。また、図4は蓋体が開位置にある状態を示している。
図5,図6は、本実施形態の試料観察装置における装置本体の分解斜視図である。このうち図5は本実施形態の試料観察装置における装置本体のうち上半部の構成要素(天板ユニット)を示している。図6は、本実施形態の試料観察装置における装置本体のうち下半部の構成要素(観察用撮像ユニットを含む駆動ユニット,収納筐体)を示している。
なお、図5,図6において、符号[6A],[6B]で示す一点鎖線は、各構成ユニットの関連を示している。即ち、図5の上半部の構成要素(天板ユニット)と、図6の下半部の構成要素の一部(駆動ユニット)との間は、符号[6A]同士で接続され、符号[6B]同士で接続されることを示している。
図7は、本実施形態の試料観察装置における観察用撮像ユニットを含む駆動ユニットを分解して示す要部分解斜視図である。図8は、本実施形態の試料観察装置における観察用撮像ユニットの縦断面図である。なお、図8は、図7の二点鎖線で示す仮想面を矢印[8]方向から見た切断面を示している。
図9は、本実施形態の試料観察装置における蓋体及び当該蓋体に関連する構成部材を取り出して示す外観斜視図である。なお、図9においては、蓋体が開位置にあることを示すと共に、内部のヒートパイプを示すために、仕切板を取り外した状態を示している。
図10は、図9の状態の蓋体の内部を示す平面図である。図11は、本実施形態の試料観察装置において蓋体が閉位置にあるときのヒートパイプの配置状況を示す概念図である。なお、図11においては、図面の煩雑化を避けると共に、蓋体が閉位置にあるときのヒートパイプの配置を明示するために、ヒートパイプ以外の装置本体内における内部構成部材の図示を省略している。
また、図12は、本実施形態の試料観察装置において脚部の配置を示すための概略断面図である。
まず、本発明の第1の実施形態の試料観察装置の詳細構成を説明する前に、本実施形態の試料観察装置を含む試料観察システムの全体構成の概略について、主に図1,図2を用いて以下に説明する。
本実施形態の試料観察装置1を含む試料観察システム100は、試料観察装置1と、恒温器(インキュベータ;incubator)101と、外部制御装置102と、入力装置103と、表示装置104等によって主に構成されている。
試料観察装置1は、恒温器101の内部に格納載置された状態で使用される。具体的には、例えば、恒温器101の内部には、水平に設置された平面板状の棚板101a(図1参照)が複数設けられている。試料観察装置1は、この棚板101a上に載置される。
上記恒温器101は、温度を一定に保つ機能を有する装置であり、いわゆるインキュベーターと呼ばれるものである。恒温器101としては、様々な形態のものが存在するが、従来一般に実用化され広く利用されているものが適用される。そのため、恒温器101自体の詳細な構成の説明については省略する。
外部制御装置102は、本実施形態の試料観察装置1を統括的に制御すると共に、当該試料観察装置1によって取得した画像データ等を保存し、また各種の画像処理等を行うための構成ユニットである。
そのために、当該外部制御装置102は、試料観察装置1の制御ユニット(詳細後述;図2,図6等の符号32A,32B等参照)に含まれる通信部75(詳細後述;図2参照)との間で各種データ等の送受信を行うための通信部105(図1では不図示;図2参照)を有している。
上記通信部105は、例えば、接続ケーブル等の有線接続手段(USB(Universal Serial Bus;ユニバーサルシリアルバス)接続等)を用いる形態のほか、各種の無線接続手段等を用いる形態のものが適用される。なお、図1においては、上記有線接続手段としての接続ケーブルを符号105aで示している。また、図2においては、上記有線接続手段及び上記無線接続手段として、符号105aによって示している。
これにより、外部制御装置102は、試料観察装置1の動作を制御し、当該試料観察装置1によって取得される画像データ等を受信し、受信した画像データ等を記憶媒体に記憶し、また受信した画像データ等についての解析や分析等、各種の信号処理等を実行する。このほか、外部制御装置102は、図示は省略しているが、上記試料観察装置1への給電を行う電源部(商用電源からの給電手段若しくは蓄電池等)等を有している。
なお、外部制御装置102から試料観察装置1への給電については、外部制御装置102を介した給電手段に限らず、不図示の電源ケーブル等を用いて上記恒温器101の外部に設けられる商用電源(不図示)から給電を行うようにしてもよい。また、恒温器101の内部若しくは外部に設置した蓄電池等(不図示)から試料観察装置1への給電を行うようにしてもよい。
外部制御装置102としては、具体的には、例えば、広く一般に普及している各種の形態(例えば、デスクトップ型,ノートブック型,タブレット型等)の小型パーソナルコンピュータ等を適用することができる。そのためには、それらに適合した各種の制御プログラムを適宜用意することにより運用が可能である。
外部制御装置102には、その周辺機器としての入力装置103及び表示装置104等が電気的に接続されている。入力装置103は、使用者(ユーザ)からの指示を外部制御装置102に対して入力するためのデバイスである。入力装置103の形態としては、例えばキーボードのほか、マウスやトラックボール、ジョイスティック等のポインティングデバイス等がある。また、入力装置103としては、表示装置104の表示面上に設けたタッチパネル等を用いてもよい。使用者(ユーザ)は、これらの入力装置103を用いて、外部制御装置102への制御指示入力や各種の信号処理のための指示入力を行うことができる。なお、図1においては、入力装置103の形態としてキーボードとマウスを用いた形態のものを例示している。
表示装置104は、外部制御装置102によって動作する制御プログラムに基く各種の表示や、上記試料観察装置1によって取得され、外部制御装置102によって受信された画像データ等に基く画像や各種の情報等を視覚的に表示するための装置である。表示装置104としては、広く一般に普及している液晶表示モニタ等を適用し得る。
次に、本実施形態の試料観察装置の構成を、主に図2〜図12を用いて以下に説明する。なお、以下の説明においては、試料観察装置1の短辺に沿う方向をX軸というものとし、このX軸に沿う方向を第1の方向というものとする。また、試料観察装置1の長辺に沿う方向であって、上記X軸に直交する方向をY軸というものとし、このY軸に沿う方向を第2の方向というものとする。そして、X軸及びY軸を含む平面をXY平面というものとする。さらに、このXY平面に直交する方向をZ軸というものとする(図3,図4の座標軸参照)。
本実施形態の試料観察装置1は、観察用撮像ユニット21(以下、単に観察ユニットと略記する;主に図2,図8参照)をXY平面に平行な面内で自在に移動させることができるように構成された駆動ユニット20(詳細後述;主に図6,図7参照)を備え、天板ユニット16(詳細後述;主に図5参照)の上面に載置した培養容器2(詳細後述;主に図2,図4参照)内の試料を観察するための装置である。
試料観察装置1は、図3,図4等に示すように、蓋体9と、装置本体10とによって主に構成されている。
装置本体10は、密閉された内部空間を有するように形成された略直方体形状の箱体である。この装置本体10の上面は開口しており、その開口(符号11a)を覆うように天板ユニット16(詳細後述)が配設されている。この天板ユニット16の上面には、後述する培養容器2が載置される。そのために、当該天板ユニット16は、培養容器2を安定して載置することができるように平面状に形成されている。また、装置本体10の内部には、後述する各種の構成ユニットが収納されている。なお、装置本体10のさらなる詳細構成は後述する。
蓋体9は、内部空間を有して略直方体形状に形成される箱体からなる。この蓋体9は、装置本体10の上面を覆う位置と、同装置本体10の上面を開放する位置との間で開閉自在に構成されている。ここで、図3は蓋体9の閉状態を示している。また図4は蓋体9の開状態を示している。なお、蓋体9のさらなる詳細構成は後述する。
ここで、本実施形態の試料観察装置1に用いられる培養容器2について、以下に詳述する。
培養容器2は、培地を作り細菌等の微生物、細胞等の試料を収容し、培養するための容器である。この培養容器2は、上記試料観察装置1を使用する際には、装置本体10の天板ユニット16の上面の所定の位置(後述する光透過窓15aに対応する位置)に載置される。
このように培養容器2が上記天板ユニット16の上面の上記光透過窓15aに対向する位置に載置されたとき、培養容器2は、上記光透過窓15aに対向する側の面、即ち培養容器2の底面が平皿状に形成されており、かつその平皿状底面は透明薄板状に形成されている。
上記培養容器2の底面以外のその他の面は、表面が平面をなし、光を反射し得るような反射面が内部に向けて形成されている。この場合において、当該反射面(複数)は、当該試料観察装置1の収納筐体11の内部に設けられる観察ユニット21に含まれる照明光源(後述する図8参照)から出射され、上記光透過窓15aを通過して上記培養容器2内に入射する照明光を反射するものである。
これにより、上記培養容器2の上記平皿状底面の細胞等の試料は、上記反射面からの照明光によって照明されるので、当該試料観察装置1においては、培養容器2内の細胞等の試料を透過光によって観察することができるように構成されている。
また、図示は省略しているが、別の形態の試料観察装置においては、例えば培養容器の上面側から照明光を照射して、培養容器の底面から観察するといった形態のものもある。この場合に使用される培養容器2は、全面が透明薄板状に形成されたものを用いる。この場合において、培養容器の底面は平皿状に形成され、底面以外のその他の面は、表面を平面で形成されている。
これにより、上記培養容器の上記平皿状底面の細胞等の試料は、培養容器の透明な上面を透過した照明光によって照明される。これにより、当該別の形態の試料観察装置においても、培養容器内の細胞等の試料を透過光によって観察することができる。
なお、培養容器2の形状としては、例えば、図示のような箱型形状等のほか各種様々な形状のものがある。当該試料観察装置1においては、各種様々な形状の培養容器2に対応し得る。
本実施形態の試料観察装置1は、各種の培養容器に対応するために、図4に示すように、容器ホルダ3を具備している。容器ホルダ3は、試料観察装置1の天板ユニット16の上面に載置される培養容器2を規定の位置に位置決めするための治具である。この容器ホルダ3は、使用される培養容器2の形状に合わせて形成されている。したがって、培養容器2の形状種類に対応する複数種類のものが用意されている。
容器ホルダ3は、図4に示す例のものでは、例えば金属若しくは樹脂成形された板状部材を用いてL字形状に形成されている。この容器ホルダ3は、装置本体10の天板ユニット16の上面における規定された位置に載置した状態で着脱自在に固定されている。
この状態で、例えば容器ホルダ3のL字形状の内縁部の直交する長短縁部に対して、培養容器2の側壁面のうち直交する2つの側壁面を当接させて、当該培養容器2の底面を天板ユニット16上に載置する。これにより、培養容器2の天板ユニット16上における位置が、常に同一となるように位置決めできる。
次に、装置本体10は、収納筐体11と、天板ユニット16(詳細は図5参照)と、駆動ユニット20(詳細は図6,図7参照)等によって主に構成されている。
収納筐体11は、上面側(天板部)の一面に筐体開口11a(図6参照)を有し、全体として扁平で略直方体形状からなり、内部に駆動ユニット20(図6参照)等を収納するケース部材である。収納筐体11は、比較的大型の構成部材となるので低コスト化のために、例えば樹脂製の素材を用いて形成されている。
収納筐体11の一側面の外壁面には接続コネクタ12(図6参照)が配設されている。この接続コネクタ12は、接続ケーブル105a((図1,図2参照))に対応した接続部である。ここで、接続ケーブル105aは、例えば当該試料観察装置1に対する電力供給を行うための電源ケーブルや、当該試料観察装置1への制御信号若しくは当該試料観察装置1から出力されるデータ信号を含む各種の信号等の伝達を行うための信号伝達ケーブル(例えばUSBケーブル等)等である。
接続コネクタ12は、収納筐体11の内部に配設され、例えば制御ユニットに含まれる電気基板(例えば図6の符号32B等)に接続されている。この電気基板32Bは、例えば電源回路や通信回路等が実装されており、制御ユニットの一部を構成する。そして、この電気基板32Bは、上記駆動ユニット20の制御ユニット32A(詳細後述;図2,図6,図7等参照)と電気的に接続されている。なお、接続コネクタ12と電気基板32Bとの接続や、電気基板32Bと制御ユニット32Aとの接続は、図面の煩雑化を避けるために図示を省略している。
また、図6に示すように、収納筐体11において、上記接続コネクタ12が配設されている一側面に対向する他側面近傍には、上記収納筐体11の筐体開口11aに対向する底面寄りの部位に棚状部13が形成されている。この棚状部13は、例えばシリカゲル (silica gel) 等の乾燥剤等を収納するために設けられている。
さらに、収納筐体11の底面には、当該装置本体10の内部気圧の調整を行うための圧力調整弁であるリリーフバルブ61(図2参照)等が配設されている。このリリーフバルブ61は、収納筐体11において上記棚状部13の近傍の底面側に設けられている。
そして、上記装置本体10は、密閉構造(即ち水密気密構造)を有して構成されている。そのために、上記収納筐体11には、図6に示すように、筐体開口11aの周縁部上面側にシール部材14が設けられている。このシール部材14は、収納筐体11の筐体開口11aの外周縁部に沿うように当該筐体開口11aの全周に亘って形成された周溝部11b(図6参照)に嵌合配置されている。
これにより、収納筐体11の筐体開口11aを覆うように天板ユニット16を配置したときには、収納筐体11と天板ユニット16との間に、上記シール部材14が介在するように配置される。このとき、上記シール部材14は、天板ユニット16の下面側の当接面によって圧接され、収納筐体11の周溝部11b内で押し潰されるように変形して、かつ天板ユニット16に密着した状態となる。したがって、これにより、天板ユニット16と収納筐体11との間の水密気密性が確保され、当該装置本体10の内部空間を密閉状態としている。このような形態によって、上記装置本体10の密閉(水密気密)構造が構成されている。
さらに、本実施形態においては、収納筐体11は、図3,図4,図6,図10〜図12等に示すように、複数の脚部11cを有して構成されている。この脚部11cは、収納筐体11の底面を、載置面に直接、接触させないようにすると共に、収納筐体11の底面と棚板101aの載置面との間に空間を形成させるために設けられている部材である。
脚部11cは、収納筐体11の底面側における略四隅部にそれぞれ設けられている。各脚部11cには、試料観察装置1の底面(収納筐体11の底面)に対して直交する方向に貫通する孔部11xが形成されている。
これに対応して、恒温器101の棚板101a側には、上記孔部11xに対応する固定用ビス孔101b(図12参照)が形成されている。そして、孔部11xに貫通させた固定用ビス120(図12参照)を、棚板101a側の固定用ビス孔101bを用いて螺合させると、当該試料観察装置1は棚板101aに固定される。
なお、脚部11cは、収納筐体11の内部に設けられる発熱体の近傍に設けられるのが望ましい。
例えば、図12に示すように、脚部11cは、発熱体である電気基板32Bの近傍に設けたり、別の発熱体である駆動用アクチュエータ(後述するステージ駆動モータ28a,29aが相当する)等の近傍に設ける形態などとすればよい。
また、装置本体10の上面には、長辺方向の一端部に、後述する蓋体9の蝶番部9dを回転自在に挟持するための二つの蓋支持部11dが設けられている。
次に、天板ユニット16は、上記収納筐体11の筐体開口11a(図6参照)を密閉状態で塞ぐように配置されることで、当該筐体開口11aを覆い、収納筐体11を密閉状態とする蓋ユニットである。この天板ユニット16の上面の所定の領域には、上記培養容器2が載置される。そのために、天板ユニット16の上面側は、一部を透明とした平面部が形成されている。この透明平面部は、後述する透明板部材17の上面側の平面が相当する。
上記天板ユニット16は、図5に示すように、板金部材15と、透明板部材17と、複数片のシート部材からなるスペーサシート19と、操作部ユニット18等によって構成されている。
板金部材15は、剛性を有する平板状部材によって形成され、略中央部分に略矩形状の光透過窓15aを有して形成されている。この光透過窓15aは、収納筐体11内の観察ユニット21に含まれる照明光源(図8の符号52参照)からの照明光を透過させると共に、上面側の透明板部材17上に載置される培養容器2の内部を、当該培養容器2の底面側から観察するための観察窓である。
なお、板金部材15は、上記収納筐体11との間の密閉状態を確保するために、剛性の高い部材、例えばステンレス鋼(SUS)等の金属薄板部材を用いて形成したものが適用される。
透明板部材17は、光透過性を有する透明素材を用いて形成される平板状部材である。この透明板部材17としては、例えば透明ガラス素材若しくは透明樹脂製素材(アクリル板等)等によって形成されている。そして、透明板部材17は、上記板金部材15の平面に対して、後述するスペーサシート19を介して板金部材15に重畳させた形態で一体化されている。
これにより、上記板金部材15の光透過窓15aは、当該透明板部材17によって覆われる形態となる。したがって、これにより、光透過窓15aに対応する部位の透明板部材17の上面に培養容器2を載置することができ、その状態で、当該培養容器2の内部を、下側の収納筐体11内に設けた観察ユニット21によって当該培養容器2の底面側から観察することができるように構成されている。
さらに、透明板部材17には、図5に示すように、操作部ユニット18の複数の操作ボタン18aを外部に露呈し得るように、当該操作ボタン18aに対応するサイズの孔17aが設けられている。
複数片のスペーサシート19は、上記透明板部材17と上記板金部材15との間に挟持されることにより、両者間の平行度を確保するために設けられるシート状部材である。このスペーサシート19は、上記透明板部材17と上記板金部材15とを重ね合わせたときに、板金部材15の光透過窓15aを覆い隠さないように、かつ上記透明板部材17と上記板金部材15との間を接着固定するための接着剤の塗布領域を避けて、例えば上記板金部材15の各辺の周縁部近傍に沿うように配設されている。
なお、上記透明板部材17と上記板金部材15との間の接着剤の塗布領域は、例えば光透過窓15aの外周縁部に沿う領域であって、上記スペーサシート19の配設位置を避けた位置となる。
さらに、スペーサシート19の一部には、図5に示すように、操作部ユニット18の複数の操作ボタン18aと複数の状態表示部18bとに対応する位置に、これら(18a,18b)を覆い隠さないようにして、これら(18a,18b)の上面を外部に露呈させるための孔19a,19bが設けられている。
そして、上記天板ユニット16は、上述したように、板金部材15の上面側の周縁部に複数片のスペーサシート19を挟んだ状態で透明板部材17が接着剤等によって貼り付けられることによって組み立てられる。
なお、天板ユニット16の各構成部材(板金部材15,スペーサシート19,透明板部材17)の一体化手段は、上述の接着による手段以外にも、例えばビス止め等の締結手段や、両面テープ等を用いた貼り付け手段でもよい。
一方、上記天板ユニット16の下面側には、駆動ユニット20が、例えばビス等の締結部材を用いて取り付けられている。この場合において、駆動ユニット20の天板ユニット16に対する取付部位は、図5において符号[A]で示す二点鎖線の矩形状部分が相当する。なお、駆動ユニット20の詳細構成は後述する(図8参照)。
操作部ユニット18は、天板ユニット16の外周縁部近傍の所定の部位に設けられている。本実施形態において、操作部ユニット18は、天板ユニット16の長手方向の一方の周縁寄りの部位に配設されている。
操作部ユニット18は、複数の操作ボタン18aと、複数の状態表示部18b(インジケータ)と、これらの電気部材を実装する電気基板(不図示)等によって主に構成されている。
電気基板(不図示)は、板金部材15の裏面側に固定されている。この電気基板には、上記複数の操作ボタン18aからの操作入力を受けるスイッチ部材や、このスイッチ部材からの出力信号を処理する信号処理回路と、上記複数の状態表示部18bに含まれる状態表示用部材(例えばLED(light emitting diode;発光ダイオード)等の発光体)や、この状態表示用部材をオンオフ駆動する駆動回路等が実装されている。
上記複数の操作ボタン18aは、例えば当該試料観察装置1を恒温器101内に設置する前に、観察ユニット21等のXY平面での移動範囲内における位置調整等を行うための操作部材、若しくは培養液の交換作業や株分け作業等を行う際に、当該試料観察装置1の動作を一時的に停止させるための操作部材等である。
なお、操作ボタン18aを操作することによって行うことのできる機能は、上述した例に限られることはない。その他の具体例については、説明を省略するが、上述した機能以外の各種の機能を割り当てることができる。
上記複数の状態表示部18bは、例えば上記複数の操作ボタン18aの一つを操作した時に点灯表示等がなされることによって、どの操作ボタンが操作されたかの状態を表示する等のために設けられている。そのために、上記複数の状態表示部18bは、上記複数の操作ボタン18aの近傍に設けられている。
次に、駆動ユニット20は、観察ユニット21をXY平面に平行な面内で互いに直交するX軸及びY軸の二方向に直線的に移動させる駆動手段と、その観察ユニット21の移動を案内(ガイド)する機構とによって主に構成されている。
即ち、駆動ユニット20は、図6〜図7等に示すように、被駆動ユニット30と、駆動部28,29と、メインフレーム31と、制御ユニット32A等によって構成されている。
なお、以下の説明において、上記駆動ユニット20は、観察ユニット21を含めた形態として説明している。この観察ユニット21は、被駆動ユニット30に搭載されることによって、XY平面内でX軸方向及びY軸方向に移動する構成ユニットである。なお、観察ユニット21の詳細構成は図8によって後述する。
まず、上記駆動ユニット20のうちメインフレーム31は、当該駆動ユニット20の主な構成部材(観察ユニット21,被駆動ユニット30等)を内部に収納すると共に、他の構成部材(駆動部28,29,制御ユニット32A等)を外面に装着した形態で一体として構成される組立体である。
そして、この組立体は、上記天板ユニット16の下面側の所定の部位に一体に装着されることで、密閉された箱型を形成するフレーム部材である。このメインフレーム31は、例えば樹脂製の素材等を用いて形成されている。
なお、天板ユニット16に対して駆動ユニット20を一体に装着する手段としては、上述したように、ビス等の締結部材のほか、例えば接着剤等を用いた接着でもよいし、部材を組み合わせて所定の連結部位を挟み込むといった手段を用いてもよい。
また、上記メインフレーム31の内壁面の所定の部位には、図7に示すように、湿度センサ39が設けられている。この湿度センサ39は、シート状部材からなり、湿度に応じて変色するように構成された湿度検出部材である。
制御ユニット32Aは、上述の電気基板32Bと共に、例えば観察ユニット21や駆動部28,29の駆動制御を行う制御回路等が実装された電気部品である(図2等参照)。制御ユニット32Aは、観察ユニット21に対してフレキシブルプリント基板(以下、FPCと略記する)33(図2,図6,図7等参照)を介して電気的に接続されている。
また、制御ユニット32Aは、駆動部28,29との間においてフレキシブルプリント基板(28d,29d;図7参照)を介して電気的に接続されている。なお、制御ユニット32Aと駆動部28,29との間の接続は、図面の煩雑化を避けるために図示を省略している。
制御ユニット32A及び電気基板32Bの電気的な構成は、概略次の通りである。なお、上述したように、図示の例(図6等)では、制御ユニット32Aと電気基板32Bとを別体で構成するように示しているが、この構成に限られることはなく、制御ユニット32Aと電気基板32Bとを一体で構成してもよい。
また、本実施形態における図示の例(図6等)では、制御ユニット32Aと電気基板32Bとを別体で構成する例を示しているが、図2においては、図面の煩雑化を避けるために、制御ユニット32Aと電気基板32Bとを一つの構成ブロックとして図示している。
制御ユニット32A,電気基板32Bは、図2に示すように、制御部71と、光源制御部72と、駆動制御部73と、画像処理部74と、通信部75と、計時部76と、温湿度計測部77と、電源部78等を有して構成されている。
制御部71は、本実施形態の試料観察装置1の統括的な制御を行う制御回路である。光源制御部72は、観察ユニット21に含まれる照明光源である光源部材52(図8参照)の駆動制御を行う制御回路である。駆動制御部73は、駆動ユニット20の駆動部28,29の駆動制御を行う制御回路である。画像処理部74は、観察ユニット21の撮像素子45(図8参照)によって取得された画像データについての各種の画像処理を行う回路部である。通信部75は、上記外部制御装置102の通信部105との間で、各種データ等の送受信を行うための回路部である。計時部76は、リアルタイムクロック(Real-Time Clock;RTC)とよばれる演算回路の内部時計である。この計時部76は、例えば出力データに付随させる日時情報を出力したり、制御処理中における計時や時間制御等の際に利用される回路部である。温湿度計測部77は、温度や湿度を計測するセンサ等を含む回路部である。電源部78は、外部制御装置102から給電される電力を制御する回路部、又は蓄電池とその制御回路等からなる構成ユニットである。
一方、図6,図7に戻って、被駆動ユニット30は、XY平面内でX軸方向及びY軸方向の二方向のそれぞれでの直線的な上記観察ユニット21の移動をガイドするためのガイド機構である。そのために、被駆動ユニット30は、主に図7に示すように、2本のX駆動軸22と、X駆動軸ガイド部材23a,23bと、Y軸方向ガイド軸24と、2本のY駆動軸25と、Y駆動軸ガイド部材26a,26bと、X軸方向ガイド軸27等を有して構成されている。
観察ユニット21は、上記被駆動ユニット30に搭載された状態で、Y軸方向駆動部29(ベルト駆動部)の駆動力を受けて2本のX駆動軸22がY軸に沿う方向に移動するのに伴って、同方向(Y軸方向)に移動するように構成されている。また、同様に、観察ユニット21は、X軸方向駆動部28(ベルト駆動部)の駆動力を受けて2本のY駆動軸25がX軸に沿う方向に移動するのに伴って、同方向(X軸方向)に移動するように構成されている。
上記X駆動軸ガイド部材23a,23bには、それぞれにY軸に沿う方向にY軸方向ガイド軸24が挿通配置されている。これにより、上記X駆動軸ガイド部材23a,23bは、2本のY軸方向ガイド軸24によってY軸に沿う方向への移動がガイドされている。
そして、上記X駆動軸ガイド部材23aには、その外面側の所定の部位に磁石部34が配設されている。なお、上記2本のY軸方向ガイド軸24は、例えば磁性体によって形成されている。
同様に、上記Y駆動軸ガイド部材26a,26bには、それぞれにY軸に沿う方向にX軸方向ガイド軸27が挿通配置されている。これにより、上記Y駆動軸ガイド部材26a,26bは、2本のX軸方向ガイド軸27によってX軸に沿う方向への移動がガイドされている。
そして、上記Y駆動軸ガイド部材26aには、その外面側の所定の部位に磁石部34が配設されている。なお、上記2本のX軸方向ガイド軸27は、例えば磁性体によって形成されている。
ここで、上述したように、上記2本のY軸方向ガイド軸24及び上記2本のX軸方向ガイド軸27のそれぞれを磁性体によって形成し、X駆動軸ガイド部材23a及びY駆動軸ガイド部材26aのそれぞれに磁石部34を設けている。
このような構成とすることにより、磁石部34は、X駆動軸ガイド部材23aと共にX駆動軸ガイド部材23aに挿通されているY軸方向ガイド軸24に向けて磁力によって引き寄せられる。同様に、磁石部34は、Y駆動軸ガイド部材26aと共にY駆動軸ガイド部材26aに挿通されているX軸方向ガイド軸27に向けて磁力によって引き寄せられる。
この作用によって、X駆動軸ガイド部材23aとY軸方向ガイド軸24との間に生じる嵌合ガタが吸収される。同様に、Y駆動軸ガイド部材26aとX軸方向ガイド軸27との間に生じる嵌合ガタが吸収される。
つまり、上記磁石部34は、X駆動軸ガイド部材23aとY軸方向ガイド軸24との間の嵌合ガタ、及びY駆動軸ガイド部材26aとX軸方向ガイド軸27との間の嵌合ガタをそれぞれ吸収するためのガタ吸収部として機能している。
なお、上記ガタ吸収部は、上記磁石部34と、磁性体で形成される複数のガイド軸(24,27)とによって構成した例を示したが、この例に限られることはない。例えば、上記複数のガイド軸(24,27)自体を磁性体で構成することなく、その表面に上記磁石部34の磁力を受けて引き寄せられる性質を備えた磁性体部を設けて構成してもよい。上記被駆動ユニット30についてのその他の構成は、本発明に直接関連しない部分であるので、その詳細な構成の説明は省略する。
次に、駆動部28,29は、上記被駆動ユニット30をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに独立して駆動するために設けられる構成ユニットである。本実施形態の駆動ユニット20における駆動部は、上記観察ユニット21のX軸に沿う方向への移動に寄与するベルト駆動部であるX軸方向駆動部28と、上記観察ユニット21のY軸に沿う方向への移動に寄与するベルト駆動部であるY軸方向駆動部29とを有する。
上記X軸方向駆動部28は、上記Y駆動軸ガイド部材26a,26bの少なくとも一方(本実施形態ではY駆動軸ガイド部材26a)をX軸方向に駆動することにより、上記Y駆動軸25を同X軸方向へ駆動する。これにより、観察ユニット21を同X軸方向へ移動させる。
上記Y軸方向駆動部29は、上記X駆動軸ガイド部材23a,23bの少なくとも一方(本実施形態ではX駆動軸ガイド部材23a)をY軸方向に駆動することにより、上記X駆動軸22を同Y軸方向へ駆動する。これにより、観察ユニット21を同Y軸方向へ移動させる。
そのために、図7に示すように、上記X軸方向駆動部28は、ステージ駆動モータ28aと、駆動ベルト28bと、複数(2個)のプーリー28cとを有して構成されている。また、上記Y軸方向駆動部29は、ステージ駆動モータ29aと、駆動ベルト29bと、複数(2個)プーリー29cとを有して構成されている。なお、上記X軸方向駆動部28と、上記Y軸方向駆動部29とは、略同様の構成からなるものである。
そして、駆動部28,29において、ステージ駆動モータ28a,29aが駆動されて駆動軸が回転すると、当該駆動軸と同軸上に固設された一方の各プーリー28c,29cが回転する。この一方の各プーリー28c,29cが回転すると、駆動ベルト28b,29bが駆動される。すると、上記X駆動軸ガイド部材23aはY軸方向に、上記Y駆動軸ガイド部材26aはX軸方向に移動する。
上記X軸方向駆動部28,上記Y軸方向駆動部29の駆動は、上記制御ユニット32A,電気基板32Bの制御部71の制御下において駆動制御部73によって制御される。その駆動制御によって、観察ユニット21は、XY平面内において自在に移動可能となっている。
そして、観察ユニット21と制御ユニット32Aとの間は、上述したように、FPC33によって電気的に接続されている。この場合において、観察ユニット21は、X−Y平面内で移動する移動部材である。そして、上記FPC33は観察ユニット21から延出している。そのために、FPC33は、X−Y平面内での移動を吸収し得るように余裕を持たせて、その長さ寸法が設定されている。
このように構成された本実施形態の駆動ユニット20において、観察ユニット21は、X駆動軸22によって駆動される際には、Y駆動軸25に沿ってY軸方向に移動する。また、観察ユニット21は、Y駆動軸25によって駆動される際には、X駆動軸22に沿ってX軸方向に移動する。
なお、駆動部28,29についても、本発明に直接関連しない部分であるので、これ以上の詳細な構成の説明は省略する。
次に、観察ユニット21の構成について、主に図2,図8を用いて以下に簡単に説明する。
観察ユニット21は、培養容器2内の細胞等の試料を観察するために、撮像観察光学系41や撮像素子45等を含んで構成される構成ユニットである。観察ユニット21は、駆動ユニット20の駆動部(28,29)によってX駆動軸22及びY駆動軸25(図6,図7等参照)を介して駆動されることにより、XY平面内においてX軸方向またはY軸方向に駆動されて移動するように構成されている。
観察ユニット21は、本体固定枠40と、撮像観察光学系41と、レンズ鏡筒42と、撮像素子45と、移動枠46と、吊軸47と、回転規制軸48と、駆動機構(49〜51)と、拡散板43と、照明用レンズ44と、光源部材52(照明光源)と、電気基板53(図8では不図示;図2参照)と、付勢部材54等を有して構成されている。
本体固定枠40は、本観察ユニット21の主要構成部をなし、当該観察ユニット21を構成する上記各種の構成部材(41〜53)等を保持し収納する構成部材である。本体固定枠40は、箱型形状に形成され、内部に各種の構成部材を収納し得ると共に、外面側にも所定の構成部材を取り付け得るように形成されている。
撮像観察光学系41は、観察撮像対象とする対象物からの光を集光して撮像素子45の受光面上に光学像を結像させるための複数の光学レンズによって構成されている。
レンズ鏡筒42は、撮像観察光学系41の複数の光学レンズを所定の配列で(各光学レンズの各光軸が一致するように)保持するための略筒形状をなす保持部材である。このレンズ鏡筒42は、移動枠46と一体となるように構成されている。
上記レンズ鏡筒42は、上記本体固定枠40の略中心部に配置されている。この場合において、レンズ鏡筒42によって保持される撮像観察光学系41の光軸Oは、Z軸と平行となるように設定されている。そして、上記レンズ鏡筒42の撮像観察光学系41の光軸Oの延長線上には、撮像素子45が配設されている。
上記撮像素子45は、上記撮像観察光学系41によって光学的に結像される観察対象物の光学像を受けて光電変換処理を行うことによって、当該観察対象物の光学像の画像データを生成する電気部品である。撮像素子45は、その受光面が上記撮像観察光学系41の光軸Oに直交する面と平行となるように配設されている。このとき、撮像素子45は、その受光面の略中心部と上記光軸Oとが略一致する位置に配設されている。そして、撮像素子45も、移動枠46と一体となるように構成されている。
移動枠46は、吊軸47及び回転規制軸48とによって、本体固定枠40の内部において、光軸Oに沿う方向(Z軸方向)に移動可能となるように構成されている。これにより、移動枠46の光軸Oに沿う方向(Z軸方向)への移動に伴って、上記レンズ鏡筒42及び上記撮像素子45も、同方向(光軸Oに沿う方向;Z軸方向)に一体に移動するように構成されている。
即ち、移動枠46は、吊軸47によってZ軸方向への移動が可能となるように支持されている。ここで、上記吊軸47は、本体固定枠40内においてZ軸に沿う方向に固定配置されている。この吊軸47は、上記移動枠46の係合部46aに係合している。これにより、吊軸47は、上記移動枠46のZ軸方向(光軸Oに平行な方向)への移動をガイドするガイド軸として機能している。
また、移動枠46は、回転規制軸48によって上記吊軸47を回転中心として回転してしまうことが規制されている。この回転規制軸48も、本体固定枠40内においてZ軸に沿う方向に固定配置されている。
ここで、上記回転規制軸48は、上記吊軸47の本体固定枠40内における配設位置に対し、光軸Oに直交する方向に、光軸Oを挟んで対向する側に配置されている。この回転規制軸48は、上記移動枠46の係合部46bに係合している。これにより、回転規制軸48は、上記移動枠46が上記吊軸47を回転中心として回転するのを規制すると共に、上記移動枠46のZ軸方向(光軸Oに平行な方向)への移動の案内(ガイド)を補佐する補助ガイド軸としても機能している。
このような構成により、上記移動枠46は上記レンズ鏡筒42と共に、吊軸47及び回転規制軸48に沿って、光軸Oに沿う方向(Z軸方向)に移動自在に構成されている。
なお、上記移動枠46は、上記本体固定枠40の底面との間に介在する付勢部材54の付勢力によって、常に所定の方向、例えば本実施形態に示す例では、図8の矢印Z1で示す方向に向けて付勢されている。上記付勢ばね54の形態として、本実施形態においては、例えばコイルばねを適用した例を示している。
上記移動枠46の光軸Oに沿う方向(Z軸方向)への移動は、駆動機構(49〜51)によって行われる。本実施形態においては、上記駆動機構(49〜51)の基本的な構成は、従来のレンズ装置等において、送りねじ及び送りナットを用いて可動レンズ群(例えばフォーカスレンズ群)を光軸Oに沿う方向へと移動させるための機構と略同様の機構が適用される。したがって、駆動機構の構成の説明は、以下に示すように簡単な説明に留める。
上記移動枠46の駆動機構は、レンズ駆動モータ49と、リードスクリュー50と、ナット部材51等によって構成される。
レンズ駆動モータ49は、本駆動機構の駆動源である。即ち、レンズ駆動モータ49は、上記移動枠46を上記レンズ鏡筒42と共に光軸Oに沿うZ軸方向に移動させるための駆動源である。レンズ駆動モータ49は、例えば正逆回転を可能とする電動機(Electric motor)が適用される。上記レンズ駆動モータ49は、その駆動軸がZ軸方向と平行に配設されている。
リードスクリュー50は、上記レンズ駆動モータ49からの回転力を受けてナット部材51へと出力する回転軸である。上記レンズ駆動モータ49の駆動軸は、略同軸上に一体となるように設けられ、例えば軸形状の送りねじである。
ナット部材51は、上記レンズ駆動モータ49の回転出力を上記リードスクリュー50を介して受けることにより、Z軸方向に移動する被駆動部材である。このナット部材51は、上記リードスクリュー50に螺合した状態で、上記移動枠46の所定の一部位である係合部46cに係合している。
このような構成により、本駆動機構は、次のように作用する。即ち、まず、レンズ駆動モータ49が駆動されるとリードスクリュー50(送りねじ)が回転する。すると、リードスクリュー50に螺合しているナット部材51は、リードスクリュー50に沿ってZ軸方向に移動する。ここで、ナット部材51は、上記移動枠46に対し係合部46cにおいて一体的に係合している。したがって、ナット部材51がZ軸に沿う方向に移動すると、上記移動枠46も同方向に移動する。これに伴い、上記移動枠46と一体に構成されているレンズ鏡筒42(撮像観察光学系41)及び撮像素子45も同時に同じ方向に移動する。そして、この場合において、レンズ駆動モータ49の回転方向を制御することによって、ナット部材51のZ軸に沿う方向の移動方向を制御することができる。これにより、レンズ鏡筒42(撮像観察光学系41)及び撮像素子45を一体として構成される移動枠46のZ軸に沿う方向への移動を制御することができる。
なお、ナット部材51と移動枠46の係合部46cとの間には、上記付勢部材54の一方向(Z1方向)への付勢力が常に働いている。このことから、ナット部材51と移動枠46との両者間には、隙間ガタが生じないように構成されている。
このような構成により、上記駆動機構によって、撮像観察光学系41及び撮像素子45をZ軸方向(即ち光軸Oに沿う方向)に適宜進退移動させることで、撮像素子45の受光面に結像される観察対象物の光学像の焦点位置を調整することができる。
また、撮像観察光学系41をZ軸方向(光軸Oに沿う方)に移動させた際に、当該撮像観察光学系41の画角が一定となるように、本観察ユニット21における上記撮像観察光学系41は、全体としてテレセントリック光学系が採用されている。
一方、本観察ユニット21は、培養容器2内の観察対象物を照明するための照明手段を有している。この照明手段は、主に光源部材52と、拡散板43と、照明用レンズ44等によって構成される。
光源部材52は、本体固定枠40の内部において、底面寄りの部位であって、上記レンズ鏡筒42及び上記移動枠46の外周側領域に配置されている。この光源部材52は、天板ユニット16上の所定の部位(光透過窓15aに対応する位置)に載置した培養容器2内の試料の下方(底面側)から上方に向けて照明光を射出する光源部材である。光源部材52としては、例えばLED(light emitting diode;発光ダイオード)等の発光体等が適用されている。
上記光源部材52から出射される照明光は、上述したように、当該観察ユニット21の上方に向けて進む。そこで、当該観察ユニット21の上面部には、上記光源部材52からの照明光が通過する領域に照明用レンズ44と、拡散板43とが配設されている。ここで、照明用レンズ44は、光源部材52寄りの部位に配設され、拡散板43は、当該観察ユニット21の外面側に配設されている。
照明用レンズ44は、上記光源部材52から出射された照明光を集光し、所定の方向(上方の培養容器2の底面)に向けて出射する光学部材である。
拡散板43は、上記光源部材52から出射された後、上記照明用レンズ44を透過した照明光を拡散させると共に、上方の光透過窓15a側へと出射して、培養容器2内を照明するための照明光を生成する。この拡散板43は、例えば光透過性を有すると共に光拡散性を有する乳白色の樹脂製薄板等によって形成されている。なお、上記拡散板43に代えて、フレネルレンズを用いてもよい。
この構成により、光源部材52から出射された照明光は、上記照明用レンズ44,上記拡散板43を介して上方へ出射され、天板ユニット16の光透過窓15a及び培養容器2の透明な底面を透過して培養容器2内へと入射する。こうして培養容器2内に入射した照明光は、当該培養容器2内の反射面(不図示)によって反射した後、同培養容器2内の培地内に存在する試料を照明し透過した後、上記光透過窓15aを介して撮像観察光学系41へと入射するように構成されている。
なお、単に、反射面として表記した部位は、光を反射する反射シート上のものが設けられている形態であってもよいが、通常の透明部材で形成される培養容器であっても、その内面では光を反射し得る構成であることから、培養容器の内面の構成は、光を反射させる部材を特別に設ける構成でなくともよい。
電気基板53(図8には不図示;図2参照)は、例えば観察ユニット21の一側面に固定配置されている。この電気基板53は、複数の電気部材等を用いて形成され、図2に示すように、光源駆動部56,レンズ駆動部57,撮像素子駆動部58,位置判定部59,減衰補償部60等のほか、当該撮像素子45から出力される画像データの前処理回路等が実装されている。
光源駆動部56は上記光源部材52の駆動回路である。レンズ駆動部57は上記レンズ駆動モータ49の駆動回路である。撮像素子駆動部58は、上記撮像素子45の駆動回路である。位置判定部59は、観察ユニット21のXY平面内の所定の移動範囲内における位置を判定するためのセンサ及びその駆動回路である。減衰補償部60は、制御ユニット32からFPC33を介して電気基板53へと到達する間に生じる電圧降下や信号の減衰,電磁ノイズによる障害等を補償するためのインターフェース回路である。
また、上記撮像素子駆動部58には、図2に示すように、AF部82,画素切換部83等を有している。
上記AF部82は、例えば取得された画像データに基づいて合焦状態を検出し自動的に焦点調節動作を行ういわゆるオートフォーカス(AutoFoucus;AF)処理を行う処理回路である。上記画素切換部83は、撮像素子45の有する複数の画素のうちAF動作に寄与する画素と撮像動作に寄与する画素とを動作モードに応じて切り換える処理回路である。
これらに加えて、さらに、上記電気基板53は、上記以外の回路、例えば外部機器との通信を行うための通信回路や、取得した画像データ及び付随する各種情報データ等を記録する記録媒体を含むデータ記録回路等のほか、レンズ駆動モータ49を駆動するためのバッテリを含む電源回路等を含めて構成してもよい。
次に、蓋体9の詳細構成について、図2及び図3,図4,図9〜図11を用いて、以下に説明する。
蓋体9は、上述したように、内部空間9x(図2,図11等参照)を有して略直方体形状に形成される箱体からなる。詳しくは、当該蓋体9は、図4,図9〜図11に示すように、箱体の一面に蓋開口9cを有する。また、蓋体9は一側縁部に蝶番部9dを有する。そして、蓋体9の四方向の側面には複数の切欠部9a,9bを有して形成されている。
蓋体9は、図3に示すように装置本体10の上面を覆う位置と、図4に示すように装置本体10の上面を開放する位置との間で移動自在に構成されている。この場合において、図3に示す蓋体9の状態を蓋体9の閉状態というものとする。また、図4に示す蓋体9の状態を蓋体9の開状態というものとする。
蓋体9が図3の閉状態にあるとき、蓋体9の蓋開口9cは、装置本体10の上面に対して対向する位置に配置されている。このとき、蓋体9は、装置本体10における天板ユニット16の上面の所定の領域を覆うように配置される。そして、このとき、装置本体10の上面側の所定の領域の空間が蓋体9によって覆われている。このように、蓋体9が閉状態にあるとき、装置本体10の上面に載置された培養容器2は、全体が蓋体9の内部空間9xに収容された状態になる。
一方、蓋体9が図4の開状態にあるとき、蓋体9は、装置本体10の上面の天板ユニット16の平面に対して、略90度以上の開角度となるように構成されている。このように、蓋体9の開状態での開角度が大きく設定されているので、天板ユニット16上の清掃作業や、天板ユニット16上の培養容器2へのアクセスが容易となる。したがって、使い勝手の良い装置とすることができる。
蓋体9の閉状態と開状態とを実現するための構成は、概略次の通りである。即ち、蓋体9は、一側縁部に設けられた蝶番部9dが、装置本体10側に設けられた二つの蓋支持部11dに挟まれるように配置されている。このとき、蝶番部9dは、X軸に平行な支軸Axを回転中心として、装置本体10に対して図3,図4に示す矢印Rに沿う方向に回動自在となるように構成されている。
この構成よって蓋体9は、装置本体10の上面を覆うと共に培養容器2の全体を収容する閉位置(図3の状態)と、装置本体10の上面を開放する開位置(図4の状態)との間で開閉自在に構成されている。
蓋体9の各側面に設けられた複数の切欠部9a,9bは、蓋体9が閉状態とされたときに、蓋体9の内部空間9xと、当該蓋体9の外部との間を連通させて、内部に籠もった熱を排出するための排熱窓の役目をする。これと同時に、これら複数の切欠部9a,9bの一部は、閉状態にある蓋体9を開状態とするときに、指等をかける指掛け部としても機能する。
なお、本実施形態においては、図3等に示すように、複数の切欠部9a,9bのうち、特に蝶番部9dに対向する側面の中央部近傍に形成される切欠部9aを若干大きめに形成することで、主に指掛け部として構成している。
さらに、蓋体9の内部空間9xは、図2,図11に示すように、第1空間9x1と、第2空間9x2との二つの空間を有する。
ここで、第1空間9x1は、蓋体9が閉状態とされたとき、つまり、蓋開口9cが天板ユニット16の上面によって閉塞された状態になったときに培養容器2の全体が収容される空間部である。また、第2空間9x2は、後述する熱伝導部材の一部(ヒートパイプ)が所定の形態で配設される空間である。
この場合において、蓋体9の内部空間9xにおける第1空間9x1と第2空間9x2とは、蓋体9の蓋開口9cの形状と略同形状に形成される仕切板94によって仕切られている。これにより、第1空間9x1は、蓋体9の閉状態時には閉鎖空間となるが、複数の切欠部9a,9bによって外部との間で空間的に連通している。したがって、第1空間9x1は、蓋体9の閉状態時にも完全な閉鎖空間とはならず、複数の切欠部9a,9bを介して外部との間の空気の対流を許容する。
一方、第1空間9x1は、蓋体9の開状態時には、蓋開口9cによって開放された空間となる。したがって、蓋体9を開状態時とすることで、培養容器2に対するアクセス、例えば培地交換等のメンテナンス作業を容易に行うことができる構成となっている。
一方、第2空間9x2は、蓋体9の上面と側面及び仕切板94とによって形成され、外部との間で空気の対流が制限された形態の閉鎖空間である。この第2空間9x2の内部には、後述するように、熱伝導部材のうちの第1ヒートパイプ91が配設されている。
蓋体9の第2空間9x2には、図2,図9〜図11に示すように、熱伝導部材である第1ヒートパイプ91と、温度センサ93(図2のみに図示)等が配設されている。一方、これに対応して、装置本体10には、第2ヒートパイプ92と、連結具96と、放熱シート97等の熱伝導部材が所定の部位に設けられている。
ここで、第1ヒートパイプ91と、第2ヒートパイプ92,連結具96,放熱シート97等は、本実施形態の試料観察装置1の装置本体10内の発熱体(例えば制御ユニット32A,電気基板32B等)から発生した熱を蓋体9の内部空間9xのうちの第2空間9x2へと導くための熱伝導部材である。
なお、上記第1ヒートパイプ91,第2ヒートパイプ92として用いられるヒートパイプそのものの構成及び作用については、周知のものと同様であるので、その詳細説明は省略する。
また、温度センサ93は、内部空間9xの内部の気温を測定するセンサ素子である。この温度センサ93による測定結果は、制御部71へと出力される。これを受けて、制御部71は、例えば駆動制御部73を介した駆動制御等を行って、内部空間9xの温度の調整を行う。
なお、本実施形態の構成においては、制御ユニットに含まれる電気基板32B(特に当該電気基板32B上に実装される電子部品のうち、例えばCPU32Ba等(図9〜図11参照)を発熱体として例示している。そして、本実施形態の試料観察装置1においては、制御ユニットに含まれる電気基板32B(のCPU32Ba)から発生する熱を、蓋体9の第2空間9x2へと導くための構成についての具体例を示している。
即ち、上記熱伝導部材のうち放熱シート97は、例えばシリコーンゴム素材等によって形成される熱吸収性のシート部材である。この放熱シート97を電気基板32B上のCPU32Ba(発熱体)に直接接触させて配置する。また、さらに、放熱シート97は、
収納筐体11の床面に接触させて配置している。このとき、図11に示すように、放熱シート97が配置されている位置の近傍において、収納筐体11の外面側の部位に、収納筐体11の床面から脚部11cが延出している。
したがって、まず、CPU32Ba(発熱体)から生じた熱は、放熱シート97から収納筐体11の床面及び脚部11cを介して棚板101aへと伝達される。これにより、CPU32Ba(発熱体)からの熱が、当該試料観察装置1の内部から外部へと排出される。
これと同時に、放熱シート97には、第2ヒートパイプ92の一部が、例えば貫通配置されている。ここで、第2ヒートパイプ92は、熱伝導性が高い材質(例えば銅など)からなるパイプ状部材に、揮発性の作動液(Working fluid)を封入して構成される熱伝導部材である。なお、第1ヒートパイプ91も略同様の構成からなる。
本実施形態において適用される第2ヒートパイプ92は、一端に熱吸収用端部である熱吸収部92aが形成され、他端に熱発散用端部である放熱部92bが形成されている。一端の熱吸収部92aは、図9に示すように、放熱シート97に接触させた状態で配置されている。具体的には、第2ヒートパイプ92の熱吸収部92aは、放熱シート97を貫通した状態で配置されている。
第2ヒートパイプ92において、放熱シート97に貫通配置されていない部分は、図9,図10に示すように、中途で折り曲げられた後、天板ユニット16のある上面に向けて延出している。そして、第2ヒートパイプ92の他端(放熱部92b)は、天板ユニット16を貫通して、同天板ユニット16の上面側に設けられる二つの蓋支持部11dのうちの一方の内部に向けて突設している。
このとき、第2ヒートパイプ92が天板ユニット16を貫通する部位には、図10,図11に示すように、スペーサ98が設けられている。このスペーサ98は、収納筐体11側の内部空間と、蓋体9の第1空間9x1との間の密封状態を保持するために設けられる封止部材である。
そして、蓋支持部11dの内部には連結具96が設けられている。第2ヒートパイプ92の放熱部92bは、連結具96の一端を介して蓋支持部11dの内壁等の固定部位に固定されている。なお、連結具96は、熱伝導性を有する素材を用いて形成されている。
一方、連結具96の他端には、第1ヒートパイプ91の一端(熱吸収部91a)が固定されている。ここで、第1ヒートパイプ91も、上述の第2ヒートパイプ92と同様に、一端に熱吸収用端部である熱吸収部91aが形成され、他端に熱発散用端部である放熱部91bが形成されている。
そして、上述のように、一端の熱吸収部91aは連結具96に接触して固定されている。また、この場合において、第1ヒートパイプ91の熱吸収部91aは、蓋体9の回転軸の一部をも兼ねている。即ち、第1ヒートパイプ91の熱吸収部91aは、一方の蓋支持部11dを貫通する貫通孔11e,11fと、蓋体9の蝶番部9dの貫通孔9eとを挿通している。これにより、蓋体9は、第1ヒートパイプ91の熱吸収部91aによって回動自在に軸支されている。なお、蓋支持部11dと蝶番部9dとの間において、貫通孔11eと貫通孔9eとには軸受99が設けられている。この軸受99の作用により、蓋体9が円滑に回動するように構成されている。
これに対応させて、他方の蓋支持部11dにおいては、貫通孔11e,11fと、蓋体9の蝶番部9dの貫通孔9eとを挿通する回転軸97が設けられている。これにより、蓋体9は、回転軸97によって回動自在に軸支されている。ここで、蓋支持部11dと蝶番部9dとの間には、貫通孔11eと貫通孔9eとに軸受110が設けられている。この軸受110の作用により、蓋体9が円滑に回動するように構成されている。
なお、第1ヒートパイプ91の熱吸収部91aと回転軸97の各軸中心は、回転軸Axと略一致するように、各部材が配置されている。
第1ヒートパイプ91の熱吸収部91aは、回転軸Axに沿って延出するように配置されている。そして、第1ヒートパイプ91は、図9,図10に示すように、蝶番部9dの中程の部位で折れ曲げられている。この曲折部位9gより先の部位が第1ヒートパイプ91の放熱部91bである。
第1ヒートパイプ91の放熱部91bは、蓋体9の内面に略沿うように、同蓋体9の長辺方向に向けて延出するように配置されている。そして、当該放熱部91bは、複数箇所(本例では二箇所)において、パイプ固定具95を用いて固定されている。
なお、この場合において、第1ヒートパイプ91の放熱部91bは、図11に示すように、蓋体9を閉状態とした時、曲折部位9gから先端9hに向けて、上り坂状の傾斜を有するように配置されている。
通常の場合、ヒートパイプによって移動する熱は、低位置から高位置へと移動するのが効率が良いとされる。したがって、ヒートパイプによる熱移動を、より効率良く行わしめるためには、熱吸収部を下側に配置する一方、放熱部を上側に配置する構成が望ましい。本実施形態において、蓋体9の第2空間9x2内に配設される第1ヒートパイプ91を、図11に示されるような傾斜を持たせて配置したのは、上述のような理由による。この構成により、より効率的な放熱を行ない得る。
このように構成された本実施形態の試料観察装置1の作用を、以下に簡単に説明する。
例えば、本実施形態の試料観察装置1を恒温器101内で使用する状況を考える。この場合、まず、観察対象試料を入れた培養容器2を設置した試料観察装置1を、恒温器101内の棚板101a上に設置する。このとき、脚部11cを棚板101aに所定の形態で固定する。
この状態において、試料観察装置1を収容した恒温器101を稼働させる。同時に、試料観察装置1も稼働させる。
試料観察装置1が稼働すると、当該試料観察装置1内の発熱体から熱が発生する。本実施形態で示す例では、例えば、電気基板32Bに実装されたCPU32Ba等を発熱体としている。
この場合において、発熱体(CPU32Ba)から生じた熱の一部は、放熱シート97を介して収納筐体11の床面へと伝達され、脚部11cを介して外部へ放熱される。
また、発熱体(CPU32Ba)から生じた熱の他の一部は、放熱シート97を介して第2ヒートパイプ92の熱吸収部92aへと伝達される。そして、第2ヒートパイプ92は、当該熱を、熱吸収部92aから放熱部92bへと伝達する。さらに、当該熱は、放熱部92bから連結具96を介して第1ヒートパイプ91の熱吸収部91aへと伝達される。そして、第1ヒートパイプ91は、当該熱を、熱吸収部91aから放熱部91bへと伝達する。
ここで、第1ヒートパイプ91の放熱部91bは、蓋体9の内部空間9xのうちの第2空間9x2内に配設されている。したがって、放熱部91bから放出される熱は、第2空間9x2の内部の気体温度を上昇させる。すると、第2空間9x2の内部熱は、仕切板94を介して第1空間9x1へと伝達される。これにより、第1空間9x1の内部の気体温度も上昇する。このとき、第1空間9x1は、複数の切欠部9a,9bによって外部との間で空間的に連通している。これにより、第1空間9x1の内部の気体は、適宜、当該第1空間9x1の外部の空間、即ち恒温器101の内部の気体との間で流通する。
ここで、恒温器101の内部の気体温度は、当該恒温器101自体の作用によって、厳密な温度管理がなされている。具体的には、恒温器101の内部の気体温度は、例えば摂氏37度±0.25度といった厳密な温度管理が行われている。したがって、第1空間9x1の内部の気体温度は上昇し続けることはなく、かつ、第1空間9x1の内部の気体温度は、第1空間9x1の外部の気体温度(恒温器101の内部の気体温度)よりも若干高い温度が維持される。このことから、上記第1空間9x1は、所定の内部気体温度を維持することのできる空間であり、いわゆる温室として機能する。
そして、第1空間9x1の内部には培養容器2が収容されている。したがって、第1空間9x1の内部の気体温度が上昇すると、培養容器2の外表面の温度を上昇させる。これにより、培養容器2の内部の気体温度よりも、培養容器2の外表面温度(つまり容器の壁面温度)を若干高い状態とすることができる。そして、この状態を維持することができる。したがって、これにより、培養容器2の内壁面への結露(曇り)の発生が抑止される。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、恒温器101の内部に設置して使用する試料観察装置1において、試料観察装置1の上面に載置される培養容器2の全体を覆う空間を備えた蓋体9を設け、当該装置に含まれる発熱体(本例ではCPU32Ba)からの放熱を、放熱シート97,第2ヒートパイプ92,連結具96,第1ヒートパイプ91等の熱伝導部材を介して当該装置内部の発熱体から蓋体9の内部空間9xへと伝達させる構成を具備する。これにより、内部空間9xの内部に収容された培養容器2の外表面近傍の気体温度を、培養容器2の内部の気体温度よりも若干高い状態となるように構成している。つまり、熱伝導部材(放熱シート97,第2ヒートパイプ92,連結具96,第1ヒートパイプ91等)は、発熱体(CPU32Ba等)から生じた熱を培養容器2の上面へ伝達して当該培養容器2の上面の結露(曇り)を防止するように構成している。
この構成により、恒温器101(インキュベータ)の内部で使用される試料観察装置1において、例えばヒータ装置や送風ファン装置等のように電力を消費して能動的に発熱させたり気体の環流を促すための各種装置を用いることなく、より簡単な構成で、培養容器2の内壁面への結露の発生を抑止することができる。
この場合において、試料観察装置1に含まれる発熱体からの放熱を利用するようにしたので、当該発熱体自体を冷却することができるという効果も同時に得られる。
また、第1ヒートパイプ91の放熱部91bを培養容器2の天井面近傍に配設したので、培養容器2の内壁面に生じる結露のうち、特に容器の天井面近傍の結露を抑止することができる。
そして、各ヒートパイプ91,92において、第1ヒートパイプ91は、熱吸収部91aよりも上方に放熱部91bを配置し、同様に第2ヒートパイプ92は、熱吸収部92aよりも上方に放熱部92bを配置したので、より効率的に熱伝達を行うことができる。
さらに、第1ヒートパイプ91の一部を、蓋体9の回転軸として兼用するようにしたので、部材点数の削減化に寄与し、製造コストの低減化に寄与することができる。
試料観察装置1における収納筐体11の底面に複数の脚部11cを設け、この脚部11cと棚板101aとをビス固定することによって、試料観察装置1(収納筐体11)を安定した状態で恒温器101の棚板101a上に載置することができる。
これと同時に、棚板101aに試料観察装置1を載置した時、試料観察装置1の収納筐体11の底面が載置面に直接接触せずに、収納筐体11の底面と棚板101aの載置面との間に空間が形成される。これにより、収納筐体11の底面側の空間で空気を流通させることができる。したがって、収納筐体11の底面の温度上昇を抑えることができ、よって収納筐体11の内部の温度上昇を抑止することができる。
さらに、脚部11cは、CPU32Ba(発熱体)に接して設けられる放熱シート97の配置部位の近傍に設けたので、CPU32Ba(発熱体)からの熱を、収納筐体11の外部へと排出するのに寄与することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、試料観察装置1に含まれる発熱体として、制御ユニットに含まれる電気基板32Bに実装される電子部品であるCPU32Baを例示しているが、装置に含まれる発熱体としては、これに限られることはない。試料観察装置1に含まれるその他の発熱体としては、例えば、撮像用基板等を含む撮像ユニット,駆動用アクチュエータ,電源回路等がある。これらその他発熱体に対しても同様の熱伝導部材を用いることで、当該発熱体からの放熱を、所定の空間内に導いて温室化し、当該空間内に収容されている培養容器2の内壁面への結露の発生を抑止することができる。
[第2の実施形態]
図13,図14は、本発明の第2の実施形態を示す図である。このうち、図13は、本発明の第2の実施形態の試料観察装置の外観を簡略化して示す外観斜視図である。図14は、図13の二点鎖線で示す仮想面を矢印[14]方向から見た切断面を簡略化して示す概略図である。なお、図13,図14において、本発明に関連しない部材については、図面の煩雑化を避けるために図示を省略している。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成は、同じ符号を付して、その詳細説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下に説明する。
本実施形態の試料観察装置1Aは、上述の第1の実施形態の構成に対し熱伝導部材の構成が異なる。これに伴い、上述の第1の実施形態における蓋体9を不要としている。
即ち、本実施形態の試料観察装置1Aにおける熱伝導部材は、図13,図14に示すように、放熱シート97(図14のみに図示)と、ヒートパイプ91A(図14のみに図示)と、筒体106と、保持部材107等からなる。
放熱シート97は、図14に示すように、上述の第1の実施形態で用いられるものと同様のものである。本実施形態において、放熱シート97は、一面が電気基板32Bに実装された電子部品であって発熱体としてのCPU32Baに接触させ、他面が後述する筒体106の外表面に接触させて配設されている。
本実施形態において適用されるヒートパイプ91Aは、図14に示すように、例えば全体として棒状に形成されている。ヒートパイプ91Aは、下端側が熱吸収部であり、上端側が放熱部として構成されている。そして、本実施形態において、ヒートパイプ91Aは、後述する筒体106の内部に固定されている。
筒体106は、熱伝導性を有する部材(例えばアルミニウム等の金属部材)を用いて筒状に形成され、内部に棒状のヒートパイプ91Aを挿通させて収納する構成部材であり熱伝導部材である。この筒体106は、一端(熱吸収部)が収納筐体11の内部の発熱体(本例ではCPU32Ba)の近傍に配設されており、中程の部位が、天板ユニット16の上面に対して直立する形態で配設されている。
そして、筒体106は、内部にヒートパイプ91Aを収納した状態で、天板ユニット16の一部を貫通して配設されている。この場合において、筒体106が天板ユニット16を貫通する部位には、収納筐体11の密閉構造を確保するために、封止部材であるスペーサ98が介在している。このスペーサ98は、上述の第1の実施形態で適用されるものと略同様である。
なお、筒体106の内部にヒートパイプ91Aが収納される場合、直立状態のヒートパイプ91Aの下側が熱吸収部となり、上側が放熱部となる。そして、上述したように、筒体106の下端近傍は、ヒートパイプ91Aの熱吸収部が内部に設けられており、その外表面近傍には、発熱体(本例ではCPU32Ba)が配設されている。
筒体106の下端近傍には、発熱体(CPU32Ba)に対して放熱シート97を介して接触している。また、筒体106の上端部(以下、筒体上端部という)106aには、後述する保持部材107の一端が固定されている。
保持部材107は、例えば薄板形状で弾性を有し熱伝導性を備えた金属製板部材を、所定の形状に折り曲げ加工を施して形成される熱伝導部材である。この保持部材107は、基端部が筒体上端部106aの上端部に固定されて片持ち梁状に形成されている。さらに、当該保持部材107の先端部は、所定の面積を有する平面を有するような形状に形成されている。そして、当該保持部材107の先端部は、天板ユニット16の光透過窓15aに対向する位置において、光透過窓15aの上面から所定の隙間を開けた位置に配置されている。さらにこのとき、保持部材107の先端部の平面と、光透過窓15aの上面とは、略平行となるように配置されている。
このような構成により、天板ユニット16の光透過窓15a上の所定の位置に培養容器2を載置する時、培養容器2の底面は光透過窓15aの平面上に略平行に載置されると同時に、培養容器2の上面には、保持部材107の先端部の先端面が略平行に当接されるように構成されている。
そして、このとき、保持部材107の先端部の先端面は、自身の弾性力により当該培養容器2を、上面から下方に向けて(光透過窓15aの方向に向けて)押圧する。これにより、保持部材107は、培養容器2を上面から押さえる機能を有している。そして、培養容器2は、光透過窓15aと保持部材107との間で安定した状態で挟持される。したがって、培養容器2は、保持部材107によって、光透過窓15a上の所定の位置から容易に移動しないよう支持される。
さらに、このとき保持部材107は、筒体106内のヒートパイプ91Aの放熱部からの熱を、培養容器2の上面へと伝達する熱伝導部材として機能する。その他の構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。
なお、本実施形態の試料観察装置1Aにおいては、放熱シート97,ヒートパイプ91A,筒体106,保持部材107等の熱伝導部材からなる構成ユニットが、図13に示すように、一台の試料観察装置1Aについて三組設けて構成した例を示している。しかしながら、本実施形態は、図12に図示される形態(三組のユニットを有する形態)に限られることはなく、当該構成ユニットの数は適宜変更して構成できる。
このように構成された本実施形態の試料観察装置1Aの作用を、以下に簡単に説明する。
例えば、本実施形態の試料観察装置1Aを恒温器101内で使用する状況である。この場合、まず、観察対象試料を入れた培養容器2を設置した試料観察装置1Aを、恒温器101内の棚板101a上に設置する。このとき、脚部11cを棚板101aに所定の形態で固定する。
この状態において、試料観察装置1Aを収容した恒温器101を稼働させる。同時に、試料観察装置1も稼働させる。
試料観察装置1Aが稼働すると、当該試料観察装置1A内の発熱体から熱が発生する。本実施形態で示す例では、例えば、電気基板32Bに実装されたCPU32Ba等を発熱体としている。
この場合において、発熱体(CPU32Ba)から生じた熱は、放熱シート97を介して筒体106へと伝達した後、当該筒体106の内部のヒートパイプ91Aの熱吸収部へと伝達される。そして、ヒートパイプ91Aは、当該熱を、熱吸収部から放熱部へと伝達する。さらに、当該熱は、ヒートパイプ91Aの放熱部から筒体106を介して保持部材107へと伝達される。
ここで、保持部材107の先端部の先端面は、培養容器2の上面に対して略平行に当接し、かつ、保持部材107は、培養容器2を下方に向けて押圧している状態にある。したがって、上述のようにしてヒートパイプ91Aの放熱部から放出され、筒体106を介して保持部材107へと伝達された熱は、当該保持部材107の先端部の先端面から培養容器2の上面へと伝達される。
これにより、培養容器2の上面の外表面温度(つまり容器の壁面温度)は、培養容器2の内部の気体温度よりも若干高い状態となる。したがって、これにより、培養容器2の内壁面への結露(曇り)の発生が抑止される。
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、恒温器101の内部に設置して使用する試料観察装置1Aにおいて、試料観察装置1Aの内部の発熱体(本例ではCPU32Ba)からの放熱を、放熱シート97,ヒートパイプ91A,筒体106,保持部材107等の熱伝導部材からなる構成ユニットによって、試料観察装置1Aの上面に載置される培養容器2の上面へと伝達させる構成を具備する。
これにより、培養容器2の上面外表面温度を、培養容器2の内部の気体温度よりも若干高い状態となるように構成している。この構成により、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、保持部材107の先端部の先端面の形状を工夫することによって、培養容器2への熱の伝達を、さらに向上させることができる。例えば、図15は、本発明の第2の実施形態の試料観察装置における保持部材についての変形例を示す要部拡大斜視図である。
図15に示す保持部材107Bにおいては、先端部の先端面107Bbが、より広い面積で培養容器2の上面に当接するように工夫したものである。即ち、本変形例の保持部材107Bは、基端から延びる腕部107Baの幅よりも広い幅を有する先端面107Bbとなるように形成されている。
このように先端面107Bbを形成することによって、当該先端面107Bbが培養容器2の上面に当接する面積を増加させることができるので、熱伝達効率を向上させることができる。
[第3の実施形態]
図16,図17は、本発明の第3の実施形態を示す図である。このうち、図16は、本発明の第3の実施形態の試料観察装置の外観を簡略化して示す外観斜視図である。図17は、図16の二点鎖線で示す仮想面を矢印[17]方向から見た切断面を簡略化して示す概略断面図である。なお、図16,図17において、本発明に関連しない部材については、図面の煩雑化を避けるために図示を省略している。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第2の実施形態と略同様である。したがって、上述の第2の実施形態と同様の構成は、同じ符号を付して、その詳細説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下に説明する。
本実施形態の試料観察装置1Cは、上述の第2の実施形態における熱伝導部材の構成が若干異なるのみである。
即ち、本実施形態の試料観察装置1Cにおける熱伝導部材は、図16,図17に示すように、放熱シート97(図17のみに図示)と、第1ヒートパイプ91C及び第2ヒートパイプ92C(図17のみに図示)と、筒体106Cと、保持部材107C等からなる。
放熱シート97は、図17に示すように、上述の第1,第2の実施形態で用いられるものと同様のものである。即ち、放熱シート97は、一面が発熱体(符号32Ba,28a,29a)に接触し、他面が筒体106Cの外表面に接触するように配設されている。
なお、本実施形態においては、電気基板32Bに実装された電子部品であるCPU32Baと、ステージ駆動モータ28aと、の二つの発熱体からの放熱を培養容器2へと伝達する構成例を示している。
本実施形態における熱伝導部材のうち、一本の棒状の第1ヒートパイプ91Cと、二本の棒状の第2ヒートパイプ92Cと、一つの筒体106Cとによって一組のパイプユニット108が形成されている。そして、本実施形態の試料観察装置1Cは、当該パイプユニット108を二つ(一対)設けた形態の例示である。
ここで、パイプユニット108の詳細構成を説明する。当該パイプユニット108の構成部材のうち、筒体106Cは、当該試料観察装置1Cの天板ユニット16の上面に突出する部分が、略ゲート(gate;門)形状に形成されるパイプ状部材である。この筒体106Cの形状が、即ちパイプユニット108の外形形状となっている。
筒体106Cは、熱伝導性を有する中空のパイプ状部材(例えばアルミニウム等の金属製パイプ部材)を曲折加工して形成される熱伝導部材である。
筒体106Cの内部には、図17に示すように、一本の棒状の第1ヒートパイプ91Cと、二本の棒状の第2ヒートパイプ92Cとを、それぞれ所定の位置に挿通させて収納され固定されている。
具体的には、例えば、筒体106Cの二つの直立部106Ca(図16,図17参照)には、それぞれに第2ヒートパイプ92Cが挿通した形態で収納され固定されている。ここで、各第2ヒートパイプ92Cの下端側が熱吸収部となり、上端側が放熱部である。
また、筒体106Cの二つの直立部106Caを結ぶ水平部106Cbには、第1ヒートパイプ91Cが挿通した形態で収納されている。第1ヒートパイプ91Cは、両端が熱吸収部となり、略中央部近傍が放熱部となる。
そして、筒体106Cの二つの直立部106Caの各下端(内部に第2ヒートパイプ92Cの熱吸収部がある部位)は、収納筐体11の内部の発熱体であるCPU32Baとステージ駆動モータ28aの各近傍に配設されている。
この場合において、筒体106Cの二つの直立部106Caの各下端は、上述したように、放熱シート97を介して各発熱体(32Ba,28a)に接触している。
また、筒体106Cの二つの直立部106Caの中程の部位は、天板ユニット16の上面に対して直立する形態で、当該天板ユニット16の一部を貫通して配設されている。このとき、筒体106Cの二つの直立部106Caが天板ユニット16を貫通する部位には、封止部材であるスペーサ98が介在しているのは、上述の第1,第2の実施形態と同様である。これにより、筒体106Cが天板ユニット16を貫通する部位において、収納筐体11の密閉構造が確保されている。
筒体106Cの内部において、各第2ヒートパイプ92Cのそれぞれの放熱部の近傍には、第1ヒートパイプ91Cの両端の熱吸収部が配置されている。
このように構成される一対のパイプユニット108のそれぞれと、光透過窓15aの上面部分とによって囲われる内側部分に、図16に示すように、培養容器2が配設されることになる。
さらに、一対のパイプユニット108は、保持部材107Cによって連結されている。具体的には、各パイプユニット108における筒体106Cの水平部106Cbの中程の部位(内部に第1ヒートパイプ91Cの放熱部がある部位)同士が保持部材107Cによって連結されている。この場合において、各水平部106Cbの外表面に、保持部材107Cの端部が接触して固定されている。
保持部材107Cは、上述の第2の実施形態と略同様に、薄板形状で弾性を有し熱伝導性を備えた金属製板部材を、所定の形状に折り曲げ加工して形成される熱伝導部材である。
本実施形態における保持部材107Cは、両端107Ca(図16参照)が筒体106Cの水平部106Cbの中程の部位の外表面に対して、例えば巻き付けられた形態で固定されている。
また、当該保持部材107Cの中央部は、図16に示すように、下方に向けた略凸形状に形成され、かつ、中央部分の一部が所定の面積を有する平面部107Cbとなる形状に形成されている。ここで、当該平面部107Cbは、天板ユニット16の光透過窓15aに対向する位置において、光透過窓15aの上面から所定の隙間を開けた位置に配置されている。さらにこのとき、当該平面部107Cbと、光透過窓15aの上面とは、略平行となるように配置されている。
このような構成により、天板ユニット16の光透過窓15a上の所定の位置に培養容器2を載置する時、培養容器2の底面は光透過窓15aの平面上に略平行に載置されると同時に、培養容器2の上面には、保持部材107Cの平面部107Cbが略平行に当接されるように構成されている。
これにより、上述の第2の実施形態と同様に、保持部材107Cは培養容器2を上面から押さえる機能を有している。したがって、培養容器2は、光透過窓15aと保持部材107Cとの間で安定した状態で挟持されて、光透過窓15a上の所定の位置から容易に移動しないよう支持される。同時に、保持部材107は、筒体106C内の第1ヒートパイプ91Cの放熱部からの熱を、培養容器2の上面へと伝達する熱伝導部材として機能する。その他の構成は、上述の第2の実施形態と略同様である。
このように構成された本実施形態の試料観察装置1Cの作用を、以下に簡単に説明する。
例えば、本実施形態の試料観察装置1Cを恒温器101内で使用する状況であるのは、上述の各実施形態と同様である。この状態において、試料観察装置1Cを収容した恒温器101を稼働させ、同時に試料観察装置1Cも稼働させる。
試料観察装置1Cが稼働すると、当該試料観察装置1C内の発熱体から熱が発生する。本実施形態で示す例では、例えば、電気基板32Bに実装されたCPU32Baと、ステージ駆動モータ28aを発熱体としている。
発熱体(CPU32Ba,28a)から生じた熱は、放熱シート97を介して筒体106Cへと伝達した後、当該筒体106Cの内部の第2ヒートパイプ92Cの熱吸収部へと伝達される。そして、第2ヒートパイプ92Cは、当該熱を、熱吸収部から放熱部へと伝達する。さらに、当該熱は、第2ヒートパイプ92Cの放熱部から筒体106Cを介して第1ヒートパイプ91Cへと伝達される。そして、当該熱は、当該第1ヒートパイプ91Cの熱吸収部から放熱部へと伝達される。その後、当該熱は、第1ヒートパイプ91Cの放熱部から筒体106Cを介して保持部材107Cへと伝達される。
ここで、保持部材107Cの平面部107Cbは、培養容器2の上面に対して略平行に当接し、かつ、保持部材107Cは、培養容器2を下方に向けて押圧している状態にある。したがって、上述のようにして第1ヒートパイプ91Cの放熱部から放出され、筒体106Cを介して保持部材107Cへと伝達された熱は、当該保持部材107Cの平面部107Cbから培養容器2の上面へと伝達される。
これにより、培養容器2の上面の外表面温度(つまり容器の壁面温度)は、培養容器2の内部の気体温度よりも若干高い状態となる。したがって、これにより、培養容器2の内壁面への結露(曇り)の発生が抑止される。
以上説明したように上記第3の実施形態によれば、恒温器101の内部に設置して使用する試料観察装置1Cにおいて、試料観察装置1Cの内部の発熱体(本例ではCPU32Ba,ステージ駆動モータ28a)からの放熱を、放熱シート97,第2ヒートパイプ92C,第1ヒートパイプ91C,筒体106C,保持部材107C等の熱伝導部材からなる構成ユニットによって、試料観察装置1Cの上面に載置される培養容器2の上面へと伝達させる構成を具備する。
これにより、培養容器2の上面外表面温度を、培養容器2の内部の気体温度よりも若干高い状態となるように構成している。この構成により、上述の第1,第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第3の実施形態においては、筒体106Cの内部に一本の棒状の第1ヒートパイプ91Cと、二本の棒状の第2ヒートパイプ92Cとを、収納し固定した例を示しているが、筒体106Cの内部のヒートパイプの配置は、この形態に限られることはなく、異なる形態も考えられる。
例えば、図18は、本発明の第3の実施形態の試料観察装置におけるパイプユニットについての変形例を示す概略断面図である。
図18に示す試料観察装置1Dにおけるパイプユニット108Dは、上記第3の実施形態と同様の筒体106Cを有し、この筒体106Cの内部に固定されるヒートパイプの配置を異ならせて構成している。
即ち、本変形例においては、図18に示すように、筒体106Cの内部に、一本の第1ヒートパイプ91Dと、一本の棒状の第2ヒートパイプ92Cが設けられている。
第1ヒートパイプ91Dは、筒体106Cの二つの直立部106Caのうちの一方の直立部106Caから水平部106Cbにかけて連続して形成される一本の熱伝導部材である。つまり、第1ヒートパイプ91Dは、直立部106Caと水平部106Cbとが曲折して連結される部位において、筒体106Cの形状に合わせて、曲折した形状に形成されている。
一方、他方の直立部106Caには、上述の第3の実施形態と同様の構成で、第2ヒートパイプ92Cが配設されている。
ここで、本変形例における第1ヒートパイプ91Dは、発熱体の近傍に設けられる一端が熱吸収部となる。また、第1ヒートパイプ91Dは、第2ヒートパイプ92Cの放熱部の近傍に設けられる他端も熱吸収部となる。そして、第1ヒートパイプ91Dの中程の部位が放熱部となる。
このような構成としても、上述の第3の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。また、さらに、図示は省略するが、他の様々な形態も考えられる。例えば、各直立部106Caから水平部106Cbの中程まで延びるヒートパイプを二本設ける構成等、各種の形態が考えられる。これら別形態の構成であっても上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。
本発明は、試料観察装置に限られることはなく、対象物に対して所定の間隔を保持しながら観察用撮像ユニットを所定方向に移動させることによって所望の対象物の表面を走査する形態の装置、例えばフラットベッド型スキャナやフイルムスキャナ等のイメージスキャナのほか、立体物の表面を走査する3Dスキャナ等の走査装置に対しても、全く同様にかつ容易に適用することができる。
1,1A,1C,1D……試料観察装置
2……培養容器
3……容器ホルダ
9……蓋体
9a,9b……切欠部
9c……蓋開口
9d……蝶番部
9e……貫通孔
9g……曲折部位
9h……先端
9x……内部空間
9x1……第1空間
9x2……第2空間
10……装置本体
11……収納筐体
11a……筐体開口
11b……周溝部
11c……脚部
11d……蓋支持部
11e,11f……貫通孔
11x……孔部
12……接続コネクタ
13……棚状部
14……シール部材
15……板金部材
15a……光透過窓
16……天板ユニット
17……透明板部材
17a……孔
18……操作部ユニット
18a……操作ボタン
18b……状態表示部
19……スペーサシート
19a,19b……孔
20……駆動ユニット
21……観察用撮像ユニット
22……X駆動軸
23a,23b……X駆動軸ガイド部材
24……Y軸方向ガイド軸
25……Y駆動軸
26a,26b……Y駆動軸ガイド部材
27……X軸方向ガイド軸
28……X軸方向駆動部
28,29……駆動部
28a,29a……ステージ駆動モータ
28b,29b……駆動ベルト
28c,29c……プーリー
29……Y軸方向駆動部
30……被駆動ユニット
31……メインフレーム
32A……制御ユニット
32B……電気基板
32Ba……CPU
34……磁石部
39……湿度センサ
40……本体固定枠
41……撮像観察光学系
42……レンズ鏡筒
43……拡散板
44……照明用レンズ
45……撮像素子
46……移動枠
46a,46b,46c……係合部
47……吊軸
48……回転規制軸
49……レンズ駆動モータ
50……リードスクリュー
51……ナット部材
52……光源部材
53……電気基板
54……付勢部材
56……光源駆動部
57……レンズ駆動部
58……撮像素子駆動部
59……位置判定部
60……減衰補償部
61……リリーフバルブ
71……制御部
72……光源制御部
73……駆動制御部
74……画像処理部
75……通信部
76……計時部
77……温湿度計測部
78……電源部
82……AF部
83……画素切換部
91,91C,91D……第1ヒートパイプ
92,92C……第2ヒートパイプ
91A……ヒートパイプ
91a,92a……熱吸収部
91b,92b……放熱部
93……温度センサ
94……仕切板
95……パイプ固定具
96……連結具
97……放熱シート
97……回転軸
98……スペーサ
99……軸受
100……試料観察システム
101……恒温器
101a……棚板
101b……固定用ビス孔
102……外部制御装置
103……入力装置
104……表示装置
105……通信部
105a……接続ケーブル
106,106C……筒体
106a……筒体上端部
106Ca……直立部
106Cb……水平部
107,107B,107C……保持部材
107Ba……腕部
107Bb……先端面
107Ca……両端
107Cb……平面部
108,108D……パイプユニット
110……軸受
120……固定用ビス

Claims (14)

  1. 容器を載置するための透明平面部を有する収納筐体と、
    上記収納筐体の内部に配置され、所定のXY平面内で駆動される観察用撮像ユニットと、
    上記収納筐体の内部に配置され、上記観察用撮像ユニットを駆動する駆動ユニットと、
    少なくとも上記駆動ユニットまたは上記観察用撮像ユニットの一方に含まれる発熱体と、
    一端部が上記発熱体に接続され、他端部が上記透明平面部上に載置された上記容器の上面に接触、又は隣接する位置に配置された熱伝導部材と、
    を具備し、
    上記熱伝導部材は、上記発熱体から生じた熱を上記容器の上面へ伝達して当該容器の上面の曇りを防止することを特徴とする試料観察装置。
  2. 上記発熱体は、上記駆動ユニットを構成するモータであることを特徴とする請求項1記載の試料観察装置。
  3. 上記発熱体は、少なくとも上記駆動ユニットまたは上記観察用撮像ユニットに配置された回路基板であることを特徴とする請求項1記載の試料観察装置。
  4. 上記収納筐体は、上記透明平面部に載置された上記容器全体を収容し得る内部空間を有する蓋体を、さらに具備し、
    上記熱伝導部材の他端部は、少なくとも上記蓋体に固定されていることを特徴とする請求項1記載の試料観察装置。
  5. 上記蓋体は、上記収納筐体に対して、上記容器全体を収容する閉位置と上記容器全体を外部に露呈する開位置との間で回転可能に変位することを特徴とする請求項4に記載の試料観察装置。
  6. 上記蓋体は、
    上記蓋体が閉位置にある時に上記透明平面部との間で閉鎖空間を形成する第1空間と、常に外部から閉鎖された空間となる第2空間と、を形成する仕切板を有し、
    上記熱伝導部材は、上記第2空間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の試料観察装置。
  7. 上記蓋体には、上記蓋体が閉位置にある時に上記第1空間と、外部との間の気体の流通を許容する複数の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の試料観察装置。
  8. 上記熱伝導部材は、
    上記発熱体に接触して設けられる放熱シートと、
    一端部が上記放熱シートに接触する熱吸収部と、他端部が上記熱吸収部に連設し上記蓋体に配設された放熱部と、を有するヒートパイプと、
    からなることを特徴とする請求項4に記載の試料観察装置。
  9. 上記熱伝導部材は、
    上記発熱体に接触して設けられる放熱シートと、
    一方の端部に設けられ上記放熱シートに接触して設けられる熱吸収部と、上記熱吸収部に連設し上記透明平面部上に載置された上記容器の上面よりも上側に配設される放熱部とを有するヒートパイプと、
    一部が上記ヒートパイプの上記放熱部に当接して設けられ、他の一部が上記透明平面部上に載置された上記容器の上面を押圧するように設けられる保持部材と、
    からなることを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置。
  10. 上記発熱体は
    上記載置された容器の両側に一対配置され、
    上記熱伝導部材は、
    上記一対の発熱体に接続され、当該発熱体から延出し、一部が上記容器の上面に位置するゲート状部を有していることを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置。
  11. 上記ゲート状部は、
    上記載置された容器の両側に一対配置され、
    上記一対のゲート状部を連結し、上記容器を押圧するとともに上記容器の上面に熱を放熱する保持部を有していることを特徴とする請求項10に記載の試料観察装置。
  12. 上記熱伝導部材の一部は、
    上記蓋体の回転軸の一部を構成し、上記蓋体を回動自在に軸支していることを特徴とする請求項5に記載の試料観察装置。
  13. 上記収納筐体の底面に設けられ、上記収納筐体の底面と当該収納筐体の載置面との間に空間を形成する複数の脚部を、さらに具備することを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置。
  14. 上記複数の脚部は、上記発熱体の近傍に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の試料観察装置。
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