JP2006126163A - でん粉価計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 計測したデータや演算したデータを豊富に記憶できると共に、それらのデータを用いて種々の形態に編集でき、高い精度の情報とより多くの情報を得ることができる携帯型のでん粉価計測器を提供することを目的とする。
【解決手段】 ジャガイモの空中及び水中における重量を計測する計測端子2及び検出部23と、計測された空中における重量及び水中における重量を用いて、ジャガイモの比重を演算し、該演算された比重を用いて該ジャガイモのでん粉価を演算するCPU22と、演算されたでん粉価を表示する数値表示部8と、外部のパーソナルコンピュータに対して、CPU22で演算されたでん粉価のデータの通信を行う通信制御部24とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 ジャガイモの空中及び水中における重量を計測する計測端子2及び検出部23と、計測された空中における重量及び水中における重量を用いて、ジャガイモの比重を演算し、該演算された比重を用いて該ジャガイモのでん粉価を演算するCPU22と、演算されたでん粉価を表示する数値表示部8と、外部のパーソナルコンピュータに対して、CPU22で演算されたでん粉価のデータの通信を行う通信制御部24とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ジャガイモに含有するでん粉価を計測するでん粉価計測装置に関する。
近年、食品の製造及び流通が高度に企業化され、その品質に高い精度の情報とより多くの情報が求められている。
ところで、ジャガイモは、でん粉量が多いとほくほく紛質になり、でん粉量が少ないと粘質になる特性を有することが知られている。ジャガイモは、水煮して食べる際には、一般にほくほく粉質が好まれるが、でん粉量が多すぎるとの煮崩れが生じ易くなり、でん粉量が少ないとうま味を損なう。また、ジャガイモは、蒸し、フライ、煮物、などの用途によっても、求められるでん粉量が異なり、適切なでん粉量が求められる。(例えば、特許文献1参照)
また、ジャガイモのでん粉含有量はイモの比重と密接な関係があって、イモの比重から所定の計算式によってでん粉価(%)を算出し、算出されたでん粉価によって、ジャガイモのでん粉含有量を推定できることが知られている。
例えば、ジャガイモの空中での重量と水中での重量を測って、この重量を用いてジャガイモの比重を算出し、次に、でん粉価=A×(比重−B)+C、の式によって、でん粉価を算出できる。なお、A、B、Cは、予め定められた所定値である。
また、でん粉価を計測する計測器として、ジャガイモを吊り下げて空中及び水中における重量を計測する計測部と、計測した重量に基づいてジャガイモの比重およびでん粉価を演算する演算部と、演算結果を表示する表示部とを備えた、携帯型のでん粉価計測器がある。
特表平05-276845号公報
しかしながら、従来の携帯型のでん粉価計測器では、計測したデータや演算したデータ等を記憶するためのメモリの容量が小さいので、ジャガイモの品質情報を、さらに多く保存したり、編集したりすることが困難であった。また、従来の携帯型のでん粉価計測器では、計測したデータや演算したデータ等を、他の媒体に保存したり、他の媒体を介して種々の形態に編集したりすることができないので、データを記憶及び整理する際に不便であった。
そこで、本発明は、計測したデータや演算したデータ等を他の媒体に通信し、この媒体を介して、それらのデータを豊富に記憶できると共に、それらのデータを用いて種々の形態に編集でき、高い精度の情報とより多くの情報を得ることができる携帯型のでん粉価計測器を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、ジャガイモに含有するでん粉価を計測するための携帯型のでん粉価計測器であって、前記ジャガイモの空中における重量及び水中における重量を計測するための重量計測手段と、前記重量測定手段によって計測された空中における重量及び水中における重量を用いて、該ジャガイモの比重を演算し、該演算された比重を用いて該ジャガイモのでん粉価を演算するでん粉価演算手段と、でん粉価演算手段で演算されたでん粉価を表示するでん粉価表示手段と、外部のパーソナルコンピュータに対して、前記でん粉価演算手段で演算されたでん粉価のデータの通信を行うインタフェースと、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載のでん粉価計測器によれば、外部のパーソナルコンピュータに対して、でん粉価演算手段で演算されたでん粉価のデータの通信を行うインタフェースを備えているので、計測したデータや演算したデータ等をパーソナルコンピュータに通信し、このパーソナルコンピュータを介して、それらのデータを豊富に記憶できると共に、それらのデータを種々の形態に編集でき、高い精度の情報とより多くの情報を得ることができる。
また、請求項1に記載のでん粉価計測器は、請求項2に記載の発明のように、前記パーソナルコンピュータ側の操作によって、前記重量、比重及びでん粉価の計測データを当該でん粉価計測器から該パーソナルコンピュータに入力すると共に、前記でん粉価演算手段にその実行を指令するプログラムを備えていることにより、パーソナルコンピュータ側からも、前記各データの入力とでん粉価演算手段の実行とを操作でき、利便性を向上できる。
また、請求項1又は請求項2に記載のでん粉価計測器は、請求項3に記載の発明のように、前記重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する際に、その操作手段が当該でん粉価計測器と前記パーソナルコンピュータの両者に備えられており、該両者の何れかの操作手段を選択する選択手段を備えていることにより、オペレータが、でん粉価計測器に対する計測及び演算等の実行指令を、パーソナルコンピュータ及びでん粉価計測器の何れかを選択して行うことができ、操作性を向上できる。また、この際、でん粉価計測器を選択した場合は、パーソナルコンピュータにはオペレータのでん粉価計測器操作時の汚れの付着が低減される。
また、請求項1乃至請求項3の何れか記載のでん粉価計測器は、請求項4に記載の発明のように、当該でん粉価計測器には前記計測データを表示する表示部が備えられ、該計測データが前記パソナルコンピュータに入力されると共に、前記表示部の計測データの表示が消えるように構成されていることにより、表示部に表示されたデータがパ−ソナルコンピュータに送信されたことをオペレータが容易に確認でき、操作性を向上できる。
また、請求項3又は請求項4に記載のでん粉価計測器は、請求項5に記載の発明のように、前記重量の計測及びでん粉価の演算の実行の指令が前記パーソナルコンピュータを介して行なわれる際に、前記表示部における計測データの表示の有無を選択する第二選択手段を備えると共に、該第二選択手段によって計測データが表示されるように選択された際に、その表示時間を設定する表示時間設定手段を備えていることにより、オペレータが任意に表示部に対する計測データの表示の有無や表示時間を設定でき、操作性を向上できる。
また、請求項1乃至請求項5の何れか記載のでん粉価計測器は、請求項6に記載の発明のように、前記でん粉価演算手段は、でん粉価を演算するための複数の演算式を備え、該複数の演算式の何れかを選択して用いることができるように構成されていることにより、ジャガイモの用途に応じて演算式を選択でき、利便性を向上できる。つまり、通常、ジャガイモを食用に用いる際のでん粉価には、でん粉の他に糖分を含んでいるので、ジャガイモの中からでん粉を精製する際には、この糖分を減じた演算式を備えていれば、一層、利便性を向上できる。
また、請求項1乃至請求項6の何れか記載のでん粉価計測器は、請求項7に記載の発明のように、前記でん粉価表示手段が、前記演算されたでん粉価に関連付けて、計測された重量及び演算された比重を表示するように構成されていることにより、でん粉価計測器の使用者が、これらのデータを関連付けて容易に取得することができ、利便性を向上できる。
また、請求項1乃至請求項7の何れか記載のでん粉価計測装置は、請求項8に記載の発明のように、前記重量計測手段は、予め定められた測定周期に基づいて前記重量を繰り返しして複数計測し、前記でん粉価演算手段は、前記複数の計測データの平均値を算出し、該平均値を用いて前記でん粉価を演算することにより、重量を計測する際の誤差が少なくなり、でん粉価を精度良く算出できる。
また、請求項1乃至請求項7の何れか記載のでん粉価計測装置は、請求項9に記載の発明のように、前記重量計測手段は、予め定められた測定周期に基づいて前記重量を繰り返しして複数計測し、順次計測毎に前後の重量の差を算出して比較し、前記でん粉価演算手段は、前記算出された差が予め定められた所定値内に至った場合に、該前後の重量の何れかを用いて前記でん粉価を演算することにより、重量を計測する際の誤差が少なくなり、でん粉価を精度良く算出できる。つまり、重量を計測する際の初期には、ジャガイモを水中に浸漬した際の反力や衝撃によって、計測値が変動し易いので、この変動値が少なくなって計測値が安定した際の重量を用いれば、でん粉価を精度良く算出できる。
本発明のでん粉価計測器によれば、外部のパーソナルコンピュータに対して、でん粉価演算手段で演算されたでん粉価のデータの通信を行うインタフェースを備えているので、計測したデータや演算したデータ等をパーソナルコンピュータに通信し、このパーソナルコンピュータを介して、計測したデータや演算したデータを豊富に記憶できると共に、それらのデータを用いて種々の形態に編集でき、高い精度の情報とより多くの情報を得ることができる。また、本発明のでん粉価計測器によれば、オペレータが、でん粉価計測器に対する計測及び演算等の実行の指令を、パーソナルコンピュータ及びでん粉価計測器の何れかを選択して行うことができ、操作性を向上できる。
また、本発明のでん粉価計測器は、でん粉価演算手段が、でん粉価を演算するための複数の演算式を備え、複数の演算式の何れかを選択して用いることができるように構成されていることにより、ジャガイモの用途に応じて演算式を選択でき、演算されたでん粉価に関連付けて、計測された重量及び演算された比重を表示するように構成されていることにより、でん粉価計測器の使用者が、これらのデータを関連付けて容易に取得することができ、利便性を向上できる。また、本発明のでん粉価計測器は、ジャガイモの重量を精度良く計測でき、でん粉価を精度良く算出できる。
次に、本発明のでん粉価計測器の一実施例を図面にもとづいて説明する。図1は本発明のでん粉価計測器の外観を表す外観図であって、(a)は(b)図をY方向から見た図である。また、図2は同でん粉価計測器の制御系を表すブロック図、図3は同でん粉価計測器を用いてでん粉価を計測する手順を表すフローチャート、図4は図3のフローチャートにおけるゼロ調整の手順を表すフローチャート、図5、図6は、同でん粉価計測器をパーソナルコンピュータと接続した際の、操作を説明する説明図、図7は、同でん粉価計測器において、でん粉価を計測するための演算式を設定する手順を説明する説明図、図8は、重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する操作手段として、パーソナルコンピュータ及び当該でん粉価計測器の何れかを選択する際の説明図、図9は、でん粉価計測器の表示部における計測データの表示の有無及びその表示時間を設定する際の説明図である。
図1(b)に表したように、でん粉価計測器1は、ジャガイモを吊り下げるための計測端子2、計測者が把持するための把持部3、電源をON/OFFするためのON/OFFキー4、計測データのゼロ調整をするためのゼロキー5、計測データの記憶を指令するためのメモリキー6、計測した重量、演算した比重及びでん粉価の表示切換えを行うためのデータキー7、データを表示する表示部8、計測及び演算の実行を指令する操作として、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)50及び当該でん粉価計測器1の何れかを選択する選択キー15、表示部8における表示の有無及び表示時間を設定する表示設定キー16、前記のON/OFFスイッチ4、各キー5、6、7、15、16、表示部8等が配設された操作部11、等を備えている。また、表示設定キー16は、表示の有無を切り替えるための表示切替キー16aと最長の表示時間を設定するための表示時間設定キー16bとによって構成されている。尚、本発明の第二の選択手段は、表示設定キー16によってその機能が発現される。また、図1(a)に表したように、パソコン50と通信するためのインタフェース接続コネクタ9と電源ケーブル10とを備えている。
また、表示部8は、各データを表示するデータ窓8a、計測モードを表示するモード窓8b、バッテリーが不足した際に補充の要求を表示するバッテリー表示窓8c、パソコン50と通信中の際に表示される通信マーク表示窓8dによって構成されている。
次に、図2に表したように、でん粉価計測器1は、ケーシングの内部に当該でん粉価計測器1の計測動作を制御する計測制御系21を備えている。この計測制御系21は、操作部11やパソコン50等から入力される指令信号に基づき、CPU22がRAM25、ROM26等を使用して各機能の処理を実行するものであって、CPU22、RAM25、ROM26を中心とするマイクロコンピュータとして構成されている。
検出部23は、オペレータの操作部11の操作に基づいて、ジャガイモの空中及び水中における重量をロードセンサ(図示せず)の変位量として順次計測し、その変位量に応じた出力信号をA/D変換し、CPU22に送る。本発明の重量計測手段は、計測端子2及び検出部23によって、その機能が発現される。
ROM26には、ロードセンサの変位量に対応した荷重(重量)の換算式のデータ、取り組むべき重量データの精度範囲、設定された精度範囲内にある複数の重量データの平均化を実行させるプログラム、及び計測動作を実行させるプログラムが記憶されている。
そして、CPU22は、ROM26に記憶されたプログラム、検出部23からの入力信号等に基づいて、重量データの平均値を計算し、その値をRAM25に一時保存する。また、この際、予め定められた測定周期に基づいて重量を繰り返しして計測し、CPU22が、計測毎に前後の重量の差を算出して比較し、算出された差が予め定められた所定値内に至った場合に、該前後の重量の何れかの値をRAM25に保存する。また、この際、CPU22は、時間カウンター27から所定の周期毎に信号を受け、その信号に基づいて経過時間をカウントし測定周期を設定する。
また、ROM26には、でん粉価を演算するプログラム、比重及びでん粉価を算出するための下記(1)(2)(3)から成る三通りの演算式が記憶されている。演算式は、でん粉価=A×(比重−B)+C、であって、A、B、Cは、(1)(2)(3)毎に予め設定されている。本実施例では、(1)の演算式において、A=214.5、B=1.050、C=7.5が設定され、(2)の演算式において、A=214.5、B=1.05.C=6.5が設定され、(3)の演算式において、A=199.07、B=1.09879、C=17.564が設定されている。(1)式は、通常、ジャガイモを食用に用いる際にでん粉価を計測する演算式であって、でん粉の他に僅かの糖分が含まれて算出される。(2)式は、ジャガイモ中に含まれるでん粉価を抽出する際に用いられ、前記の糖分を除き、でん粉のみの含有量がでん粉価として算出される。また、ジャガイモの品種は多種にわたり、一部の品種では比重に対するでん粉価が(1)式、(2)式では誤差が生ずるので、この一部の品種に対応して(3)式が備えられている。
そして、CPU22は、ROM26に記憶されたプログラムに基づき、計測されたジャガイモの空中及び水中の重量データから、ジャガイモの比重及びでん粉価を演算し、それらの演算結果を重量データと共にRAM25に記憶する。本発明のでん粉価演算手段は、CPU22、ROM26によって、その機能が発現される。
また、この際、RAM25には、ジャガイモの空中における重量及び水中における重量、比重、でん粉価の順にデータが格納され、それらは、データキー7を押す毎に、順次、表示部8に出力される。
次に、CPUが、操作部11を介して入力されるオペレータの指令に基づいて、ジャガイモのでん粉価を演算するまでの演算処理の手順を、図3、図4のフローチャートに基づき説明する。この処理手順は、ROM26にそのプログラムが備えられ、CPU22がそのプログラムを使用して各処理を実行する。
この演算処理の手順は、オペレータが操作部11におけるゼロキー5と共にON/OFFキーをONした際にスタートする。
次いで、S101(Sはステップを表す。)において、でん粉価を算出する演算式における各係数A、B、Cを、表示部8に表示する。この際、モード窓8bにNo.1、データ窓8aに係数Aを夫々5秒間表示し、次いで、モード窓8bにNo.2、データ窓8aに係数Bを夫々5秒間表示し、次いで、モード窓8bにNo.3、データ窓8aに係数Cを夫々5秒間表示し、これらが繰り返される。また、係数A、B、Cは、予め後述の図7の初期設定ウィンドウ70を用いて、オペレータにより設定されている。
次いで、S102において、ON/OFFキー4からの信号が入力されたか否かを判定する。ON/OFFキー4からの信号の入力は、オペレータが表示された係数を確認しON/OFFキー4を押すことによってCPU22に入力される。S102においてON/OFFキー4からの信号の入力がない(NO)の場合は、S101が繰り返され、一方、S102においてON/OFFキー4からの信号の入力がある(YES)の場合は、S103に移る。
次いで、オペレータが、S103において風袋を計測器の計測端子2に吊り下げ、S104においてON/OFFキーを押すと、S105に移る。
次いで、S105において、重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する操作をパソコン50及び当該でん粉価計測器1の何れによって行うか選択する。この選択は、オペレータが操作部11の操作選択キー15を押した信号を受けて成される。以下の手順は、S105において、でん粉価計測器が選択されたものとして記載する。尚、本発明の選択手段は、S105によってその機能が発現される。
次いで、S106に移り、風袋を水中及び空中において吊り下げた際に、その荷重の計測値をゼロとするゼロ調整を行う。
S106では、図6のフローチャートにおける各手順を実行する。まず、S201においてモード窓8bに水中でのゼロ調整が可能である旨を告げるWTRが表示される。次いで、S202において、オペレータが風袋を水中に浸漬し、S203においてオペレータがゼロキー5を押すと、水中での風袋の重量をゼロとするゼロ調整を実行しモード窓に「AIR」、データ窓に「00000」を点滅する。次いで、ゼロ調整を終了すると、点滅を終え、モード窓に「AIR」、データ窓に「00000」を点灯して表示しゼロ調整が終了する。
次いで、S204に移り、空中でのゼロ調整が可能である旨を告げる「AIR」をモード窓8b表示する。
次いで、S205においてオペレータが風袋を空中に引き上げ、S206においてオペテータがゼロキー5を押すと、空中での重量をゼロとするゼロ調整を実行し、モード窓に「AIR」、データ窓に「計測値(ジャガイモの重量)」を、重量の測定が終了するまで点滅して表示する。次いで、ゼロ調整が終了すると点滅を終え、点滅を点灯に切り換えて表示しゼロ調整を終了する。
次いで、S201〜205の手順が終了すると、図3のS107に移り、ジャガイモの空中での重量を測定する。この際、オペレータがジャガイモを風袋に収納して空中で吊り下げ、次いでメモリキー6を押すとS107を開始する。
次いで、モード窓に「AIR」、データ窓に空中でのジャガイモの重量を表す「計測値」を、重量の測定が終了するまで点滅して表示する。次いで、重量の測定が終了すると、モード窓に「AIR」を表示し、データ窓に「1」と「計測値」とを交互に3回表示する。この際、オペレータによってメモリキー6が押し続けられており、オペレータがメモリキー6を離すまで交互に表示し、オペレータがメモリキー6を離すと、空中での重量の測定が終了する。
次いで、S108に移り、ジャガイモの水中での重量を測定する。S108において、オペレータがジャガイモを風袋と共に水中に浸漬してメモリキー6を押すと、モード窓に「WTR」、データ窓に水中でのジャガイモの重量を表す「計測値」を、重量の測定が終了するまで点滅して表示する。次いで、重量の測定が終了すると点滅を終え、モード窓に「WTR」、データ窓に「2」と「計測値」を交互に3回表示する。
次いで、S109において、S107で計測された空中での重量とS108において計測された水中での重量を用いて、ジャガイモの比重を算出し、算出した比重を予め設定された演算式に代入してでん粉価を算出し、その後、重量、比重、でん粉価をRAMに記憶する。本実施例では、比重Dnsが、Dns=(空中での重量値)/(空中での重量値−水中での重量)、の演算式によって算出され、でん粉価Rimが、Rim=214.5×(Dns−1.05)+7.5、の演算式によって算出される。
次いで、S110において、オペレータがデータキー7を押す毎に、モード窓に「dA」、データ窓に空中での「重量」を表示し、次いで、モード窓に「dW」、データ窓に水中での「重量」を表示し、次いで、モード窓に「dNS」、データ窓に「比重」を表示し、次いで、モード窓に「RMN」、データ窓に「でん粉価」を表示し、これらが繰り返される。
次いで、S111において、メモリキー6からの信号の入力がなされたか否かを判定し、メモリキー6からの信号の入力がない(NO)場合には、S110を続けて実行し、一方、メモリキー6からの信号の入力がある(YES)場合には、本手順を終了する。また、メモリキー7からの信号の入力は、オペレータがメモリキー6を押すことによって実行される。
次に、でん粉価計測器1は、図2に表したように、パソコン50との間でデータをシリアルに送受信するインタフェースとして通信制御部24を備え、インタフェース接続コネクタ9を介して、パソコン50の外部入出力端子とシリアル伝送ケーブル12によって接続できるように構成されている。また、でん粉価計測器1は、シリアル伝送ケーブル12によってパソコン50に接続されると、自動的に、計測したジャガイモの重量、演算した比重及びでん粉価のデータをパソコン50に出力し、表示部8に「通信中」の表示をするように構成されている(図1に表したように、通信マーク表示窓8dに通信中を表すマークが表示される)。
また、でん粉価計測器1には、パソコン50側の操作によって、空中及び水中におけるゼロ調整及び重量の計測、比重及びでん粉価の演算等を指令するプログラム(以下、でん粉価計測プログラムという。)が、CD(コンパクトディスク)の形態で備えられている。次に、そのプログラムを実行する手順について説明する。
まず、パソコン50とでん粉価計測器1とをシリアル伝送ケーブル12で接続し、次いで、でん粉価計測プログラムが記憶されたCDをパソコンに装着すると、パソコンの画面上にセットアップウィザードが表示される。次いで、セットアップウィザードに表示される手順に基づいて操作することにより、指定のディレクトリにでん粉価計測プログラムのアイコンが表示されてセットアップが完了する。
次に、でん粉価計測プログラムのアイコンをクリックすると、図7に表した初期設定ウィンドウ70が表示される。この初期設定ウィンドウ70には、パソコン50とでん粉価計測器1との接続状態を確認する接続メニュー71、でん粉価計測器1の型式を入力する型式設定メニュー72、でん粉価を算出する演算式を選択する演算式選択メニュー73、日付入力メニュー77、通信中断指令ボタン75、日付送信ボタン76等が備えられている。
接続メニュー71において、接続ボタン71aをクリックすると、でん粉価計測器1とパソコン50との間で所定の信号の送受信がなされ、表示窓に「接続OK」が表示される。
次いで、型式設定メニュー72において、でん粉価計測器の型式を選択してクリックし、型式設定ボタン72aをクリックする。次いで、演算式選択メニュー73において、でん粉価を求める用途に合わせ、演算式を選択してクリックする。次いで、日付入力メニュー77において、当該でん粉価計測器の製造日及び校正日(でん粉価計測プログラムをパソコン50にセットアップし初期設定ウィンドウ70における各メニューを設定した日を入力する。次いで、内部データ送信ボタン74及び日付送信ボタン76をクリックすると、でん粉価計測器1に設定された各データが送信され、送信が完了すれば、表示窓74aに「通信完了」の表示がされる。また、送信中にその送信を中断したい場合には、通信中断ボタン75をクリックすればよい。
次に、本でん粉価計測プログラムは、パソコン50に予めそなえられているExcelの基本機能に対応しており、前述のセットアップ及び初期設定ウィンドウ70の設定が完了した後、Excelの基本機能アドインマネージャからアドインできるように設定されている。
Excelの基本機能アドインマネージャからアドインする際には、まず、Excelを起動させ、「ツール」、「アドイン」の順にメニューを開き、アドインマネージャを起動させる。次いで、アドインマネージャのダイアロボックスで、初期設定でインストールしたフォルダより、所定のアドインファイルを選択して、「OK」ボタンをクリックすれば、アドインが追加され、Excelのメニューに本プログラムが追加される。また、Excelメニューから本プログラムを削除する際には、ダイアロボックスのアドインリスト中に表示されている本プログラムの表示ボックスをオフにすればよい。
でん粉価計測プログラムは、前述のセットアップ及び設定メニューの各データの通信完了後、パソコン50に表示されている本プログラムのアイコンをクリックすると、図8に表した操作方法の選択ウィンドウ80が現れる。この選択ウィンドウ80には、重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する操作を、パソコン50及びでん粉価計測器1の何れで行うかを選択するための選択メニュー81、各試験データを順次記録する際のExcelにおけるセルの送り方向を設定するセル送りセル送り設定メニュー82等が備えられている。また、選択メニュー81及びセル送り設定メニュー82等の設定後にOKボタン83をクリックすることによって、これらの設定が有効となる。
また、計測実行指令の選択メニュー81において、でん粉価計測器を選択した場合には、でん粉価計測器1における操作部11を介してのみ、重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する操作が有効となり、操作部11を介して計測されたポテトの重量値や演算された比重及びでん粉価が、順次パソコン50に送信され、Excelの所定のセルに表示される。
一方、選択メニュー81において、パソコン50を選択した場合には、図5に表した計測操作ウィンドウ51が表れ、この計測操作ウィンドウ51と後述の計測操作ウィンドウ60を介してのみ、重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する操作が有効となり、でん粉価計測器1で計測されたポテトの重量値や演算された比重及びでん粉価が、順次Excelの所定のセルに表示される。
る。
る。
図5に表した計測操作ウィンドウ51は、風袋を吊るした際の、水中及び空中での荷重をゼロとするゼロ調整を行うものであって、水中でのゼロ調整を指令するための水中ゼロボタン52、水中でのゼロ調整が完了した際に表示される操作確認ランプ54、空中でのゼロ調整を指令するための空中ゼロボタン53、空中でのゼロ調整が完了した際に表示される操作確認ランプ55、水中及び空中でのゼロ調整の中止を指令するための中止ボタン58、ゼロ調整の後の次の計測ウィンドウ(図6の符号60)に移るための計測ボタン56、前記指令に対する動作エラーが表示されるステータス59、すでに計測され、でん粉価計測器1のRAM25に記憶されている重量、比重、でん粉価のデータをExcelのセルに取り込むための取り組みボタン57、等によって構成されている。また、水中ゼロボタン52、空中ゼロボタン53、中止ボタン58、計測ボタン56等は、オペレータが、これらにカソールを合わせクリックすることによって、その指令が実行される。
また、取り込みボタン57は、すでにでん粉価計測器1においてジャガイモの重量が計測され、比重及びでん粉価の演算等が行われ、それらのデータがRAM25に記憶されている際に、パソコン50において重量の計測操作や比重及びでん粉価の演算を指令する操作を行うことなく、これをクリックすると、Excelの所定のセルに前記データが取り込まれて表示される。
次に、計測ボタン56をクリックすると、図6に表した計測操作ウィンドウ60が表れる、図6に表した計測操作ウィンドウ60は、ジャガイモを風袋に収納して水中及び空中での重量を計測しでん粉価を求める操作を行うものであって、ジャガイモを風袋と共に吊り下げて水中に浸漬した際にその重量の測定を指令するための水中重量測定ボタン61、水中での重量の測定が終了した際に表示される操作確認ランプ63、ジャガイモを風袋と共に空中で吊り下げた際にその重量の測定を指令するための水中重量測定ボタン62、空中での重量の測定が終了した際に表示される操作確認ランプ64、水中及び空中での重量測定の中止を指令するための中止ボタン66、図5に表した計測操作ウィンドウ51に戻るためのゼロ調整画面呼び出しボタン65、前記指令に対する動作状態(例えば、エラー表示や実行中など)が表示されるステータス59b、等によって構成されている。また、水中ゼロボタン52、空中ゼロボタン53、中止ボタン66等は、オペレータが、これらにカソールを合わせクリックすることによって、その指令が実行される。
次に、計測操作ウィンドウ60における操作により、でん粉価計測器1での水中及び空中の重力の測定が終了し操作確認ランプ63、64の点灯が成されると、自動的にExcelが起動して、Excelの所定のセルにこれらのデータが取り込まれて表示される。
また、Excelには、ジャガイモの重量が計測され比重及びでん粉価が演算される毎に、順次セルにそれらのデータを追加して記載される。オペレータは、必要に応じて、そのデータ配列を変えたり、統計処理をしたりしてデータを編集できる。
以下に、前記の構成を有するでん粉価計測器1の作用効果を記載する。
本実施例に記載のでん粉価計測器1によれば、パソコン50に対して、ジャガイモの計測された空中及び水中における重量、演算された比重及びでん粉価等の、各データの通信を行う通信制御部24及びインタフェース接続コネクタ9等を備えているので、パソコン50に計測したデータや演算したデータを豊富に記憶できると共に、それらのデータを種々の形態に編集でき、高い精度の情報とより多くの情報を得ることができる。
また、本実施例に記載のでん粉価計測器1によれば、パソコン50側の操作によって、重量、比重及びでん粉価等のデータを当該でん粉価計測器1からパソコン50に入力すると共に、でん粉価計測器1の計測制御系21にその実行を指令するでん粉価計測プログラムを備えているので、利便性を向上できる。
また、本実施例に記載のでん粉価計測器1によれば、初期設定ウィンドウ70を介して、複数の演算式73a、73b、73cの何れかを選択して用いることができるように構成されているので、ジャガイモの用途に応じて演算式を選択でき、利便性を向上できる。
また、本実施例に記載のでん粉価計測器1によれば、重量を計測する際の誤差が少なく、でん粉価を精度良く算出できる。
また、本実施例に記載のでん粉価計測器1によれば、オペレータが、でん粉価計測器1に対する計測及び演算等の実行指令を、パソコン50及びでん粉価計測器1の何れかを選択して行うことができ、操作性を向上できる。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様をとることができる。また、比重を算出する際には、水温、気圧、湿度による誤差を打ち消すように、補正を加えてもよい。
1…でん粉価計測器、2…計測端子、3…把持部、4…ON/OFFキー、5…ゼロキー、6…メモリキー、7…データキー、8…表示部、8a…データ窓、8b…モード窓、8c…バッテリー表示窓、8d…通信マーク表示窓、9…インタフェース接続コネクタ、10…電源接続コネクタ、11…操作部、12…シリアル伝送ケーブル、15…操作選択キー、16…表示設定キー、16a…表示切替キー、16b…表示時間設定キー、21…計測制御系、22…CPU、23…検出部、24…通信制御部、25…RAM、26…ROM、27…時間カウンター、50…パソコン、51,60…計測操作ウィンドウ、52…水中ゼロ調整指令ボタン、53…空中ゼロ調整指令ボタン、54,55…操作確認ランプ、56…計測指令ボタン、57…取り込み指令ボタン、58…中止指令ボタン、61…水中重量測定指令ボタン、62…空中重量測定指令ボタン、63,64…操作確認ランプ、65…ゼロ調整画面呼び出しボタン、66…中止指令ボタン、70…初期設定ウィンドウ、71…接続確認メニュー、71a…接続ボタン、72…型式設定メニュー72、72a…型式設定ボタン、73…演算式選択メニュー、73a…演算式1設定ボタン、73b…演算式2設定ボタン、73c…演算式3設定ボタン、74…内部データ送信ボタン、74a…表示窓、75…通信中断ボタン、76…日付送信指令ボタン、77…日付入力メニュー、77a…製造日入力ボタン、77b…校正日入力ボタン、80…選択ウィンドウ、81…選択メニュー、82…セル送り設定メニュー。
Claims (9)
- ジャガイモに含有するでん粉価を計測するための携帯型のでん粉価計測器であって、
前記ジャガイモの空中における重量及び水中における重量を計測するための重量計測手段と、
前記重量計測手段によって計測された空中における重量及び水中における重量を用いて、該ジャガイモの比重を演算し、該演算された比重を用いて該ジャガイモのでん粉価を演算するでん粉価演算手段と、
前記でん粉価演算手段で演算されたでん粉価を表示するでん粉価表示手段と、
外部のパーソナルコンピュータに対して、前記でん粉価演算手段で演算されたでん粉価のデータの通信を行うインタフェースと、
を備えることを特徴とするでん粉価計測器。 - 前記パーソナルコンピュータ側の操作によって、前記重量、比重及びでん粉価の計測データを当該でん粉価計測器から該パーソナルコンピュータに入力すると共に、前記でん粉価演算手段にその実行を指令するプログラムを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のでん粉価計測器。 - 前記重量の計測及びでん粉価の演算の実行を指令する際に、その操作手段が当該でん粉価計測器と前記パーソナルコンピュータの両者に備えられており、該両者の何れかの操作手段を選択する選択手段を備えている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のでん粉価計測器。
- 当該でん粉価計測器には前記計測データを表示する表示部が備えられ、該計測データが前記パソナルコンピュータに入力されると共に、前記表示部の計測データの表示が消えるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか記載のでん粉価計測器。 - 前記重量の計測及びでん粉価の演算の実行の指令が前記パーソナルコンピュータを介して行なわれる際に、前記表示部における計測データの表示の有無を選択する第二選択手段を備えると共に、該第二選択手段によって計測データが表示されるように選択された際に、その表示時間を設定する表示時間設定手段を備えている、ことを特徴とする請求項3又は請求項4の何れか記載のでん粉価計測器。
- 前記でん粉価演算手段は、
でん粉価を演算するための複数の演算式を備え、該複数の演算式の何れかを選択して用いることができるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか記載のでん粉価計測器。 - 前記でん粉価表示手段は、
前記演算されたでん粉価に関連付けて、計測された重量及び演算された比重を表示するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか記載のでん粉価計測器。 - 前記重量計測手段は、予め定められた測定周期に基づいて前記重量を繰り返して複数計測し、
前記でん粉価演算手段は、前記複数の計測データの平均値を算出し、該平均値を用いて前記でん粉価を演算する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか記載のでん粉価計測器。 - 前記重量計測手段は、予め定められた測定周期に基づいて前記重量を繰り返して計測し、順次計測毎に前後の重量の差を算出して比較し、
前記でん粉価演算手段は、前記算出された差が予め定められた所定値内に至った場合に、該前後の重量の何れかを用いて前記でん粉価を演算する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか記載のでん粉価計測器。
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