JP2005043121A - 計器校正支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】計器の校正データを用いて校正周期を予測した結果と、オンラインによるドリフト検出の結果を総合して計器の校正周期を提示する計器校正支援システムであって、校正データを格納した計器校正履歴データベース1と、校正データをもとに計器の校正周期を予測する計器校正データ解析部2と、計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、蓄積する手段を有するプロセス値格納データベース4と、プロセス値をもとにモデルを作成し、計器のドリフトをオンラインで検出する計器ドリフト検出部5と、計器校正データ解析部の結果および計器ドリフト検出部の結果を総合する総合判断部3と、総合判断部の結果を表示する出力表示部8とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力プラントや火力プラントに代表される大規模プラントに設置されている計器を対象に計器校正の時期を提示する計器校正支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントでは、流量、圧力、温度などの計器により計測されるプロセス値は、プラントの運転に係る制御やプラント運転の正常性を確認するために用いられている。このため、計器により出力される値の健全性を保つことは、非常に重要である。
一方、プラントに設置されている計器は、その内部で計測した値を電気信号に変換し、さまざまな装置への入力信号を提供している。計器の入力と出力には、一定の関係があり、この関係をもとに計測した値を電気信号へと変換しているが、運用を続けていくうちに、入力と出力の関係に偏差が生じてくる。これをドリフトと呼び、各計器に運用上定められた許容精度を保つように校正する必要がある。
通常、計器の校正は、基準となる入力信号を入力し、計器の出力が定められた値であるのかをチェックする。この値が定められた基準値に対して大きな偏差を持っていることが確認された場合、校正を実施する。1つの計器に対してチェックする箇所は、計測範囲の0%、25%、50%、75%、100%、75%、50%、25%、0%と往復し、9点を要する。原子力プラントなどでは、校正を必要とする計器は数千台から数万台あるため、その校正作業には多大な労力と時間が必要となる。
従来、計器の校正作業を低減する目的で、過去の校正データをもとに計器の特性値と時間との相互関係をモデル化し、校正周期を予測していた(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−228495号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の計器校正を支援するシステムでは、時間計画保全によるものであるため、予定した校正周期前に許容精度を超える計器があり、信頼性の観点から問題がある。また、蓄積された過去の校正データを用いているため、新設プラントや途中で計器を交換した場合など過去の校正データが無い状況に対応することが出来ない。
【0005】
本発明の課題は、計器校正の時期の信頼性を確保した計器の校正支援に好適であり、かつ、新設プラントや計器を交換した場合など過去の校正データが存在しない場合にも計器の校正支援に好適な計器校正支援システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、計器の校正データを用いて校正周期を予測した結果と、オンラインによるドリフト検出の結果を総合して計器の校正周期を提示する計器校正支援システムであって、校正データを格納した計器校正履歴データベースと、校正データをもとに計器の校正周期を予測する計器校正データ解析部と、計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、蓄積する手段を有するプロセス値格納データベースと、プロセス値をもとにモデルを作成し、計器のドリフトをオンラインで検出する計器ドリフト検出部と、計器校正データ解析部の結果および計器ドリフト検出部の結果を総合する総合判断部と、総合判断部の結果を表示する出力表示部とを備える。
また、オンラインによる計器のドリフト検出の結果と、オンラインによる計器の推定ドリフト量をもとに校正周期を予測した結果を総合して計器の校正周期を提示する計器校正支援システムであって、計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、蓄積する手段を有するプロセス値格納データベースと、プロセス値をもとにモデルを作成し、計器のドリフトを推定し、オンラインで検出する計器ドリフト検出部と、ドリフト検出部で推定したドリフト量をもとに計器の校正周期を予測する計器校正データ解析部と、計器校正データ解析部の結果および計器ドリフト検出部の結果を総合する総合判断部と、総合判断部の結果を表示する出力表示部とを備える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による計器校正支援システムの第1の実施形態を示す。
本発明の計器校正支援システムは、計器校正履歴データベース1、計器校正データ解析部2、総合判断部3、プロセス値格納データベース4、計器ドリフト検出部5、モデルデータベース6、入力部7、出力表示部8を備える。
計器校正データ解析部2では、計器校正履歴データベース1に格納されている校正データを入力データ処理機能21、校正周期予測モデル作成機能22、予測機能23により処理し、校正周期を予測する。また、計器ドリフト検出部5では、プラントのプロセス値をオンラインで収集し、データベース化して格納する機能をもつプロセス値格納データベース4からプラントのプロセス値を入力とし、学習/推定切換機能51、モデル作成機能52、真値推定機能53、減算機能54、ドリフト検出機能55によってプラント運転中オンラインにて計器のドリフトを検出する。また、モデルデータベース6は、校正周期予測モデル作成機能22で作成された校正周期予測モデルと、モデル作成機能52により作成された真値推定用モデルを格納する。
【0008】
次に、図1の計器校正支援システムの動作および信号の流れについて説明する。
初めに、過去の計器校正データがある場合について説明する。
まず、計器校正履歴データベース1に格納されている校正データをもとにドリフト量を計算した後、計器校正データ解析部2に入力し、解析を実施する。計器校正データ解析部2では、入力データ処理機能21によって計器校正履歴データベース1への入力ミス等で発生する外れ値などを除去する。入力データ処理機能21によって外れ値を除外された校正データは、校正周期予測モデル作成機能22により幾つかのグループに分類され、グループごとにドリフト量分布が作成される。計器の校正データを分類する方法としては、例えば、原子力発電プラントの場合、原子炉系や制御棒駆動水系などの系統別に分類する方法、原子炉建屋地下2階など計器が設置されている場所で分類する方法、計器が測定している物質の温度や圧力、測定物質などで分類する方法などがあり、入力部7からのユーザの指令等により決定される。作成されたドリフト量分布をもとに予測に用いるモデルを作成する。作成されたモデルは、モデルデータベース6に保存し、適宜、必要なモデルを呼出すことが可能である。次に、予測機能23では、校正周期予測モデル作成機能22にて作成されたモデルを用いて適正な校正周期を予測し、その結果を総合判定部3に送る。
【0009】
以下では、グループ化した校正データからドリフト量分布及びモデルを作成し、校正周期を予測する過程について詳細に説明する。
時刻t(>0)を校正が実施されてからの経過時刻とする。また、時刻t−1からtまでの間で生じるドリフト量を確率変数Xtで表すと、時刻nまでのドリフト量の総和Xnは、数式1で表現できる。
【数1】
ここで、各時刻で生じるドリフト量Xtは、幾つかの計器のドリフト量をグループ化したものであるため、その母集団分布が何であっても中心極限定理より正規分布であると見なしてよい。よって、Xtは平均0、分散σ0 2の正規分布N(0,σ0 2)に従う。よって、数式1で表現される時刻nまでのドリフト量の総和Xtの分布は、正規分布の再生性より、N(0,nσ0 2)に従う。以上より、時刻nまでのドリフト量分布の標準偏差σnは数式2となる。
【数2】
数式2の結果を用いて計器校正の適正な周期を決定するために許容値逸脱確率を求める。対象となる計器の許容精度を±L(>0)とする。XnがN(0,nσ0 2)に従うため、標準化変数Zを導入し、Z=Xn/σnとおくと、ZはN(0,1)に従う。よって、時刻nでのドリフト量が許容精度±Lを逸脱する確率は、数式3で求まる。
【数3】
適正な校正周期を算出する場合には、数式3に許容値逸脱確率の値と計器で予め定められている許容精度を入力し、与えられた許容値逸脱確率を超える時刻nを求め、これを校正周期とする。
ここまで述べた校正周期の算出は、各校正点ごとに実施する。
【0010】
一方、プラントからオンラインでプロセス値を収集し、蓄積する機能をもつプロセス値格納データベース4からのプロセス値を用いてドリフトを検知する計器ドリフト検出部5には、計器の真値を推定するためのモデルを作成する機能と、そのモデルを用いて真値を推定する機能がある。
計器の真値を推定するためのモデルを作成する機能では、ユーザが入力部7から「学習」の指令を学習/推定切換機能51に送ると、モデル作成機能52が選択され、プロセス値格納データベース4からのプロセス値が入力される。モデル作成機能52では、自己連想型ニューラルネットワークを用いてモデルを作成する。なお、自己連想型ニューラルネットワークの構造やその学習方法については、周知の技術であるため、次の“M.A.Kramer:Nonlinear Principal Component Analysis Using Autoassociative Neural Networks, AlChE Journal, Vol.37, No.2, 1991”を参考文献として示しておく。
自己連想型ニューラルネットワークの特徴は、入力信号と同じ信号を教師信号として与えることにある。これによって、入力信号にドリフトを含んでいない信号を選ぶと、出力信号もドリフトを含んでいない真値を出力するように自己連想型ニューラルネットワークが学習される。このとき、ドリフトを含んでいない入力信号を選択する方法として、定期検査完了後にプラントを起動した後のプラントのプロセス値を選択する方法がある。この場合、定期検査が完了した直後であるので、計器の校正がされており、プロセス値にはドリフトを含んでいないと考えられるからである。一方、作成されるモデルは、プラントの全プロセス値を一括して入力するようなモデルではなく、関連するプロセス値や系統ごとに分類し、それぞれでモデル化を実施する。分類例として、原子力発電プラントの場合には、ジェットポンプ流量に関するプロセス値での分類、給水系に関するプロセス値の分類などがその具体例である。このように分類する理由として、モデルに用いている自己連想型ニューラルネットワークは入力信号間の相互関係をモデル化しているため、入力信号として相互関係のあるプロセス値を分類し、選択することにより、モデルに入力信号の相互関係がより反映され、真値推定の精度が向上するからである。モデル作成機能52で作成されたモデルは、モデルデータベース6に保存することが可能である。
【0011】
次に、ユーザが入力部7から「推定」の指令を学習/推定切換機能51に送ると、真値推定機能53が選択され、モデルデータベース6に保存されている該当モデルをロードし、プロセス値格納データベース4よりプラントのプロセス値をモデルに入力する。その結果、真値推定機能53からの出力として入力されたプロセス値のドリフトを含まない真値推定値が得られる。この真値推定値とプロセス値格納データベース4からのプラントのプロセス値を減算機能54にそれぞれ入力し、プラントの現在のプロセス値から真値推定機能53によって得られた真値推定値を減算することで推定ドリフト量を得る。
この推定ドリフト量をドリフト検出機能55に入力し、ドリフトの有無を判定する。具体的には、逐次確率比検定を用いて判定する。
【0012】
逐次確率比検定を用いてドリフトの有無を判定する理由について述べる。
通常、異常などの判定ではしきい値による判定が用いられる。本実施形態でも、各計器で定められている許容範囲の値をしきい値として用いる事が考えられるが、プラントのプロセス値は変動があるため、誤認識をする場合が多くなる。逐次確率比検定では、2つの状態を仮定しておき、尤度という値を定義する。仮定した2つの状態のうち、一方の状態が継続することでこの値が増減するようになっている。予め誤検出確率と検出漏確率の値を設定することで計算されるしきい値よりも尤度が上回るか下回るかで、仮定した2つの状態のうち、どちらの状態であるのかを判定する。ここでは、逐次確率比検定をドリフトの有無の判定に用いるため、ドリフトの無い状態と有る状態という2つの状態を仮定する。
計器のドリフトは、継続的に発生するものであるから、計器の許容範囲を逸脱したドリフトが発生する状態が継続すると、逐次確率比検定により検出できる。従って、プロセス値のゆらぎ等により突発的に計器の許容範囲を逸脱するような場合でも、誤認識することがない。なお、逐次確率比検定についての具体的な数式の説明については、次の“K.C.Gross他:Sequential Probability Ratio Test for Nuclear Plant Component Surveillance, Nuclear Technology, Vol.93, FEB., 1991”という参考文献を示しておく。ドリフト検出機能55の結果は、総合判断部3に送られる。
【0013】
総合判断部3では、計器校正データ解析部2と計器ドリフト検出部5からの結果を総合し、各計器の状態や校正の有無を出力表示部8によってユーザに提示する。
具体的には、計器校正データ解析部2による校正周期予測により、次回定期検査で校正が必要と判断された計器のリストと、計器ドリフト検出部5にてドリフトが検出された計器のリストとをまとめて出力表示部8に表示する。例えば、計器校正データ解析部2で次回定期検査の予定でない計器が計器ドリフト検出部5でドリフトが検出された場合には、次回定期検査の計器リストに該当計器を含める。また、計器ドリフト検出部5でドリフトが検出されていない計器に対しても、推定ドリフト量をもとに計器の許容範囲の最大値からの余裕をユーザに表示し、各計器の状態を把握できるようにする。
【0014】
ここまでは、過去の計器校正データがある場合について説明したが、以下では、新設プラントや途中で計器を交換した場合など過去の計器校正データがない場合について、図1の計器校正支援システムの動作および信号の流れについて説明する。
初めに、プラント起動後のプロセス値をプロセス値格納データベース4より獲得する。入力部7から「学習」の指令を学習/推定切換機能51に入力し、モデル作成機能52にプロセス値を入力する。モデル作成機能52では、入力されたプロセス値を入力信号および教師信号とし、自己連想型ニューラルネットワークを学習する。作成されたモデルはモデルデータベース6に保存される。定期検査時の校正作業を立案するサイクル末期に、入力部7より「推定」の指令を学習/推定切換機能51に入力し、現在のプラントのプロセス値を真値推定機能53に入力する。真値推定機能53では、入力信号のプロセス値に対応するモデルをモデルデータベース6よりロード後、プロセス値を入力し、真値推定値を出力する。次に、減算機能54で、プロセス値格納データベース4から獲得した現在のプラントのプロセス値から真値推定機能53より出力された真値推定値を減算し、推定ドリフト量を計算する。推定ドリフト量をドリフト検出機能55に入力し、ドリフトの有無を判定後、その結果を総合判定部3に送る。
【0015】
次に、推定ドリフト量を校正データとみなし、計器校正データ解析部2に入力する。計器校正データ解析部2では、入力されたデータを入力データ処理機能21により計器異常等の外れ値を除外する。校正周期予測モデル作成機能22では、入力部7からユーザによる分類の指令或いは予め定めておいた分類方法によりデータをグループ化し、それぞれのグループでドリフト量分布を作成する。作成されたドリフト量分布をもとに予測に用いるモデルを作成する。作成されたモデルはモデルデータベース6に保存し、適宜、必要なモデルを呼出すことが可能である。予測機能23では、校正周期予測モデル作成機能22にて作成されたモデルを用いて適正な校正周期を予測し、その結果を総合判定部3に送る。
【0016】
総合判定部3では、計器ドリフト検出部5で得られた推定ドリフト量およびドリフト検出結果と、推定ドリフト量を校正データとみなし、計器校正データ解析部2での解析結果を統合し、出力表示部8に表示する。
【0017】
以下、その具体例を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の具体的な実現例を示す。プラント内に設置された計器107a、107b、107cより得られるプラントのプロセス値をプロセス入出力伝送装置108により、プロセス値格納データベース4に格納する。後述する各計器の校正記録結果を保存している計器校正履歴データベース1とプロセス値格納データベース4は入力ポート101を介してマイクロコンピュータ100に接続される。ここで、計器校正履歴データベース1とプロセス値格納データベース4は周知のデータベース装置を用いて実現する。100は、周知のマイクロコンピュータであり、CPU103、RAM104、ROM105、HD106という基本的な構成をもつ。ROM105にはCPU103を制御するプログラムが書き込まれており、CPU103はこのプログラムに従い、入力ポート101から外部データを取り込んだり、RAM104やHD106との間でデータを授受し、演算した結果を出力ポート102に出力する。出力ポート102には出力表示装置部8が接続され、演算した結果を表示する。また、入力部7も入力ポート101に接続され、ユーザからの入力をマイクロコンピュータ100で受付けることができる。
図1で示した構成のうち、モデルデータベース6はHD106内に、計器校正データ解析部2、総合判断部3、計器ドリフト検出部5の各機能はプログラムされ、ROM105に書き込まれる。ROM105に書き込まれている各機能のプログラムをフローチャートで示すと、図14〜図16のようになる。図面を用いたプログラムのフローチャートの説明は、図3〜図13を説明した後にする。
【0018】
図3は、図1での計器校正履歴データベース1に格納されている各計器の校正記録結果の例を表したものである。
計器を特定するための計器番号、その計器により計測されているものを示す計測点名称、校正を実施した日を示す校正日、何回目の定期検査であるのかを示す定期検査回数、計器の入出力範囲を示す入力レンジと出力レンジ、校正作業を実施するか否かを判断するための計器の許容精度、計器が設置されている場所を示す設置場所、各校正点における入出力の基準値と校正前後の出力値等が情報として含まれている。
この校正記録結果をもとにドリフト量を算出する場合、同じ計器の2回分の校正記録結果が必要となる。プラント建設後、実際の運転に入る前には必ず計器校正を実施しているため、その後、少なくとも1回は校正を実施している必要がある。そうでなければ、前述した新設プラントや計器を交換した場合での対応方法を用いる。ドリフト量の算出は、ある定期検査の校正前出力から前回の定期検査での校正後出力を引くことで求めることができる。このとき、それぞれの校正記録結果にある校正日をもとに校正間隔を求める。
通常、計器のドリフト量や許容精度などは%FSという計器の測定範囲の割合で表現される場合が多い。一方、校正前出力や校正後出力は、計器が伝送器の場合、測定値を電気信号に変換するため、電流値等で表現される場合がある。このときは、校正記録結果に記述されている出力レンジの範囲で割算すれば、%FSという単位に変換することができる。
【0019】
図4は、図1での計器校正履歴データベース1に格納されている各計器の計器仕様表の例を表したものである。
計器を特定するための計器番号、計器が測定しているものを示す測定点名称、計器が測定している物質名(原子力発電プラントの場合には、蒸気、窒素、脱塩水などが挙げられる。)、測定している物質の最高使用温度と常用温度および最高使用圧力と常用圧力等が記述されている。校正データを計器が測定している物質の温度や圧力、測定物質などで分類する場合、これらの情報を活用する。
【0020】
図5は、図1での校正周期予測モデル作成機能22において、校正データを分類する際、ユーザが必要な校正データ検索するための機能を表す画面例である。
画面上段では、検索したい校正データの条件を入力或いは予め用意されている項目をプルダウンメニュー等により選択し、検索を実施する。検索結果は、画面の下段に該当計器ごとに表示される。また、検索結果での校正日をクリックすると、該当する計器の校正記録結果が表示され、計器番号をクリックすると、該当する計器の計器仕様表が表示される。
【0021】
図6は、図1での校正周期予測モデル作成機能22において、ユーザがモデルの対象となる校正データをグループ化し、ドリフト量分布を作成する機能の画面例である。選択した校正データのドリフト量を縦軸に、校正間隔を横軸にとった散布図を用いる。
モデル化の際、校正間隔が近いものでドリフト量分布を構成する必要があるため、開始日と終了日の欄にユーザが任意の校正間隔の数値を入れ、グループ設定のボタンを押すことでどの校正間隔をグループ化するのかを設定する。設定されたグループを確認できるように、散布図では選択された期間の背景色が変化する。また、対象となる校正データの校正点を変更する際は、画面上部のプルダウンメニューにより選択したい校正点をユーザが選ぶことで変更できる。なお、プルダウンメニューで選択できる校正点は、校正記録結果に記載されている校正点の情報を用いて表示されるようになっている。
【0022】
図7は、図1の校正周期予測モデル作成機能22においてモデルの作成結果をユーザに示す画面例である。
本実施形態では、校正周期予測モデルとして正規分布を用いたモデルを適用している。そのため、モデルのパラメータは平均と分散である。ドリフト量分布の平均は0を仮定しているため、パラメータは分散のみとなる。標準偏差を自乗すれば分散となるため、ここでは標準偏差を考慮する。
モデルの対象として選択した校正データを用いて母標準偏差の区間推定を実施する。区間推定を実施する際には、信頼度を設定する必要があるため、画面右上部にてユーザが任意に設定できるようになっている。通常は信頼度を90%に設定するのが一般的である。設定された信頼度をもとに区間推定した結果が画面下部に数値として表示される。また、対応するグループの校正間隔の位置に区間推定の上限値と下限値を示す横棒が入った区間バーが表示される。ここで、グループ内の各校正間隔が違う場合には、平均値を求め、その平均値をグループ全体の校正間隔とする。区間推定の中央値は、モデルのパラメータ、つまり数式2のσ0を求めるのに使用する。具体的には、数式2のnにモデル化の対象グループの校正間隔を、σnに区間推定の中央値を代入し、σ0について解けばよい。数式2からも分かるように、求めるモデルは累乗関数であるため、グラフ上には累乗関数が描かれている。
また、モデルの予測評価のための機能として、モデルに用いていない校正データの区間推定結果も合わせて表示できる。図7では、区間バーの中央値が黒丸になっている。この位置は、定期検査の間隔が2回の校正データであり、予測の結果である累乗関数がこの区間バーを通過するか否かで予測モデルの評価が可能である。
【0023】
図8は、図1の予測機能23において校正周期予測の結果をユーザに示す画面例である。
数式3より、校正周期を計算するためには、計器の許容精度と許容値逸脱確率を設定する必要があり、それぞれ画面右上部よりユーザが設定できるようになっている。つまり、数式3の右辺第2項にあるLには計器許容精度の設定値を代入し、σ0はモデル作成で求めた値を代入し、nは1から順次インクリメントし、それぞれのnの値で数式3の右辺を計算し、許容値逸脱確率Pnを求め、グラフにプロットする。Pnが許容値逸脱確率設定の値となる位置を適正な校正周期とし、校正周期予測結果として画面下部に表示する。
図8では、許容値逸脱確率設定が0.1(%)となっているため、グラフの縦軸である許容値逸脱確率の0.1をグラフが通過する校正間隔850(日)が適正な校正周期として予測されている。
【0024】
図9は、図1のモデル作成機能52およびドリフト検出機能55においてユーザがモデルの設定および逐次確率比検定の設定を実施する際の画面例である。
初めにモデルの設定に関して説明する。画面左上部にてモデルの名称を設定後、モデル化するプロセスを入出力変数として設定する。選択された入出力変数を自己連想型ニューラルネットワークでモデル化する際、学習に必要なパラメータを画面右上部で設定する。学習回数やシグモイド関数の傾きを示すシグモイド係数、学習アルゴリズムの設定に必要な学習係数とモーメント係数を設定後、自己連想型ニューラルネットワークの構造を決める。
図9では、自己連想型ニューラルネットワークの層数を5に設定している。自己連想型ニューラルネットワークは、左右対称の構造をしているため、入力層と出力層のユニット数、2層と4層のユニット数はそれぞれ同じ値となる。そのため、図9に示すように、一括でユニット数を入力できるようになっている。また、層数を変化させれば、それに応じてユニット数の設定箇所も変化するように設定されている。
【0025】
次に、ドリフト検出機能55で用いている逐次確率比検定の設定について説明する。
画面下部にてモデルの入出力変数に用いたプロセスの番号と名称がリストとして表示され、それぞれのプロセスを逐次確率比検定に適用する際に必要となる誤検出確率と検出漏確率を設定する。また、逐次確率比検定では、ドリフトが無いと仮定した場合の分布と、ドリフトが有ると仮定した場合の分布を設定する必要があり、前者は平均0、分散が許容精度の正規分布を、後者は平均が許容精度の2倍、分散が許容精度の正規分布を用いるため、各プロセスを計測している計器の許容精度が必要となり、本画面にて設定する。
【0026】
図10は、図1のモデル作成機能52において自己連想型ニューラルネットワークの学習に用いる入力信号の期間を設定する画面例である。
モデルの入力信号として選択されたプラントのプロセス値がトレンド表示されており、ユーザが2つのヘアカーソルを学習開始時と終了時の位置にそれぞれ移動することにより、学習に用いるプロセス値の期間を設定する。1画面に表示するトレンドの時間スケールを変更する場合には、画面左下部のプルダウンメニューより該当するスケールを選択する。入力信号が1画面にすべて収まらない場合には、2画面以上を用いてトレンド画面が割付られ、画面下部の前頁あるいは次頁をクリックすることで割付けられている画面を切り替える。
【0027】
図11は、図1の真値推定機能53およびドリフト検出機能55において推定された真値のトレンド表示およびドリフト検出の有無をユーザに表示する画面例である。
対象となるプロセス値のトレンド表示では、オンラインで得られるプラントの計測値とそれに対する真値推定値を同時にトレンド表示する場合、あるいはプラントの計測値から真値推定値を引くことで得られる推定ドリフト値を表示する場合をユーザが選択し、画面に割付ける。1画面に表示するトレンドの時間スケールを変更する場合には、画面左下部のプルダウンメニューより該当するスケールを選択する。入力信号が1画面にすべて収まらない場合には、2画面以上を用いてトレンド画面が割付られ、画面下部の前頁あるいは次頁をクリックすることで割付けられている画面を切り替える。
ドリフト検出については、あるプロセスの推定ドリフト量がドリフト検出機能55にてドリフトと判定された場合、画面上部にあるドリフト検知が点滅し、ユーザに知らせる。また、リストをクリックすると、ドリフトが検出されたプロセス値の名称、検出時の推定ドリフト量、許容範囲がリスト表示され、トレンドをクリックすると、ドリフトが検出された時刻から時間を遡ったトレンドが表示される。
【0028】
図12は、図1の総合判断部3において計器校正データ解析部2および計器ドリフト検出部5の結果を総合し、ユーザに表示する画面例である。
各プロセス値に対し、計器校正データ解析部2の結果として予定定期検査を、計器ドリフト検出部5の結果として推定ドリフト量を表示する。ユーザは、推定ドリフト量と許容精度の差から、次回定期検査の計器でなくとも、許容精度を逸脱するまでどれくらいの余裕があるのかを確認することができる。画面右にある次回定期検査表示、全表示、系統別表示をそれぞれクリックすることでユーザに該当する情報を表示する。また、検索ボタンをクリックすることで検索条件を入力するフォームが表示され、ユーザが必要とする計器の校正状態を検索することができる。
【0029】
図13は、図12において次回定期検査表示をクリックした際、表示される画面例である。
計器番号、計測点名称のあとに、計器校正データ解析部2での結果と計器ドリフト検出部5での結果が表示され、最後の項の上部に推定ドリフト量、下部に許容精度が表示される。このとき、計器校正データ解析結果では次回の定期検査の対象となっていなかったが、計器ドリフト検出結果で次回の定期検査が必要とはった場合、計器校正データ解析結果で次回の定期検査の対象であり、かつ、計器ドリフト検出結果でも次回の定期検査の対象となった場合でそれぞれ背景色が変化する。
【0030】
図14は、図2のROM105に書き込まれている計器校正データ解析部2のプログラムのフローチャートを示す。
プログラムがスタートすると、入力ポート101を通じて図1に示す計器校正履歴データベース1より計器校正データが読み込まれ、ドリフト量を算出し、外れ値がないかを確認する(ステップ(1))。また、新規プラントや計器を交換した場合など過去の計器校正履歴データベースがない場合には、図1に示す計器ドリフト検出部5より算出された推定ドリフト量が読み込まれ、同様に外れ値の確認を実施する。外れ値があれば、これを除去する(ステップ(2))。次に、対象となる計器校正データを予め決められたグループ、あるいは入力部7からのユーザの指示によりグループに分類する(ステップ(3))。各グループに対してモデルを作成するのかを選択し(ステップ(4))、以前作成したモデルを用いる場合には、これをロードし(ステップ(5))、前述した数式3により校正周期の予測を実施する(ステップ(10))。新たにモデルを作成する場合には、校正記録結果をもとに各計器のドリフト量分布を作成する(ステップ(6))。前述した数式1と数式2を用いてモデルを作成する(ステップ(7))。作成したモデルを保存するかどうかを選択し(ステップ(8))、保存しない場合はそのままステップ(10)へ(ステップ(8))、保存する場合はモデルデータベース6に校正周期予測モデルとして保存してからステップ(10)へ進む(ステップ(9))。ステップ(10)で数式3を用い校正周期を予測した後、全てのグループに対して予測を実施したのかを確認する(ステップ(11))。未実施の場合は、ステップ(4)へ戻る。全てのグループに対し校正周期を予測すると、その結果を総合判断部3に出力する(ステップ(12))。
【0031】
図15は、図2のROM105に書き込まれている計器ドリフト検出部5のプログラムのフローチャートを示す。
プログラムがスタートすると、学習か推定かの確認をする(ステップ(13))。学習か推定かの指令は、入力部7から入力されるユーザの指令に基づいている。
初めに、指令が学習である場合について説明する。
まず、モデルである自己連想型ニューラルネットワークの学習に必要な設定を実施する(ステップ(14))。学習に用いるプロセス値の期間を選択する(ステップ(15))。その後、モデルの学習を実施し(ステップ(16))、モデルを保存するかどうかを確認する(ステップ(17))。保存する場合は、図1に示すモデルデータベース6に真値推定用モデルとして保存する(ステップ(18))。対象モデルについて全て実施したのかを判定し(ステップ(19))、全て実施していれば、学習を終了する(ステップ(20))。未実施のものがあれば、ステップ(14)に戻る。
【0032】
次に、指令が推定である場合について説明する。
まず、モデルデータベース6に保存されている真値推定用モデルから該当するモデルをロードする(ステップ(21))。ロードしたモデルに図1に示すプロセス値格納データベース4から該当する入力信号を入力し(ステップ(22))、推定値を得る(ステップ(23))。対象モデル全てについて実施したのかを判定し(ステップ(24))、未実施であれば、ステップ(21)に戻る。全て実施済みであれば、推定値と現在のプロセス値から推定ドリフト量を算出する(ステップ(25))。算出した推定ドリフト量をもとに逐次確率比検定を実施し、ドリフトの有無を判定する(ステップ(26))。得られた結果を図1に示す総合判断部3に出力する(ステップ(27))。
【0033】
図16は、図2のROM105に書き込まれている総合判断部3のプログラムのフローチャートを示す。この一連の処理を対象となる計器について全て実施する。
プログラムがスタートすると、まず、図1に示す計器校正データ解析部2の結果で次回の定期検査が必要であるのかを確認する(ステップ(28))。次回定期検査が必要であれば、次回定期検査実施とする(ステップ(29))。次回定期検査が必要でなければ、計器ドリフト検出部の結果でドリフトが検出されているか確認する(ステップ(30))。ドリフトが検出されていれば、次回定期検査実施とする(ステップ(29))。ドリフトが検出されていなければ、次回定期検査未実施とする(ステップ(31))。
【0034】
図17は、本発明の第2の実施形態としての実現例を示す。
この第2の本実施形態は、図2に示した本発明の第1の実施形態としての実現例における計器校正履歴データベース1、プロセス値格納データベース4、入力部7、出力表示部8、計器107a、107b、プロセス入出力伝送装置108に加えて、インテリジェント計器109、ネットワーク110、入出力ポート111、マイクロコンピュータ112a、112b、112cを備えている。
インテリジェント計器109とは、計測した値を電気信号に変換した後、その信号を接続先に伝送する機能を備えた計器を指す。ネットワーク110は、周知のインターネット技術を用いて実現する。入出力ポート111は、第1の実施形態での入力ポート101と出力ポート102を組み合わせたものであり、第2の実施形態での使用に限定するのではなく、第1の実施形態でも代価して用いることができる。
また、マイクロコンピュータ112a、112b、112cは周知のマイクロコンピュータ技術を用いて実現した。よって、その構成は、CPU113a、113b、113c、RAM114a、114b、114c、ROM115a、115b、115c、HD116a、116b、116cという一般的なものである。第1の実施形態と同様に、ROM115a、115b、115cに書き込まれたプログラムにより、CPU113a、113b、113cを制御したり、外部からのデータや内部に保持しているデータを用いて演算する。
第1の実施形態と異なる点は、図1に示した構成のうち、計器校正データ解析部2の機能をプログラム化し、ROM115aに、計器ドリフト検出部5の機能をプログラム化し、ROM115bに、総合判断部3の機能をプログラム化し、ROM115cにそれぞれ書き込んでおり、各機能の出力結果を確認する出力表示部8と入力部7も含めて独立してネットワーク110に接続するということである。これにより、ユーザは、ネットワーク110を介するこによって場所の限定なく、本発明による機能の効果を受けることができる。
【0035】
以下、ROM115a、115b、115cに書き込まれた機能について説明する。なお、各プログラムのフローチャートは、図14〜図16に示したものと同様である。ただし、各プログラムでのやり取りされるデータはネットワーク110を介して実施される点が異なる。
計器校正データ解析部2では、計器校正履歴データベース1に格納されている校正データを入力データ処理機能21、校正周期予測モデル作成機能22、予測機能23により処理し、校正周期を予測する。また、計器ドリフト検出部5では、プラントのプロセス値をオンラインで収集し、データベース化して格納する機能をもつプロセス値格納データベース4からプラントのプロセス値を入力とし、学習/推定切換機能51、モデル作成機能52、真値推定機能53、減算機能54、ドリフト検出機能55によってプラント運転中オンラインにて計器のドリフトを検出する。
第2の本実施形態のプロセス値格納データベース4は、プラント内にある各計器と伝送ラインにより接続されている。各計器は、自身で測定値を転送する手段を有しているインテリジェント計器109の場合、プロセス値を計測し、伝送ラインを介してプロセス値格納データベース4にその情報を送る。上記の手段を持たない計器107a、107bについては、プロセス入出力伝送装置108を介してプロセス値格納データベース4にその情報を送る。
【0036】
次に、図17の計器校正支援システムの動作および信号の流れについて説明する。
初めに、過去の計器校正データがある場合について説明する。
計器校正履歴データベース1に格納されている校正データをもとにドリフト量を計算後、計器校正データ解析部2(ROM115a)に入力し、解析を実施する。計器校正データ解析部2では、入力データ処理機能21によって計器校正履歴データベース1への入力ミス等で発生する外れ値などを除去する。入力データ処理機能21によって外れ値を除外された校正データは、校正周期予測モデル作成機能22により幾つかのグループに分類され、グループごとにドリフト量分布が作成される。計器の校正データを分類する方法としては、第1の実施形態と同様の方法を用いる。作成されたドリフト量分布をもとに予測に用いるモデルを作成する。作成されたモデルは、モデルデータベース6に保存し、適宜、必要なモデルを呼出すことが可能である。次に、予測機能23では、校正周期予測モデル作成機能22にて作成されたモデルを用いて、適正な校正周期を予測し、その結果を総合判定部3に送る。グループ化した校正データからドリフト量分布及びモデルを作成し、校正周期を予測する過程については、第1の実施形態と同様である。
【0037】
一方、ドリフトを検知する計器ドリフト検出部5(ROM115b)には、オンラインでプラントからのプロセス値を収集し、転送されたプロセス値を蓄積する機能をもつプロセス値格納データベース4からのプロセス値を用いて、計器の真値を推定するためのモデルを作成する機能と、そのモデルを用いて真値を推定する機能がある。
計器の真値を推定するためのモデルを作成する機能では、ユーザが入力部7から「学習」の指令を学習/推定切換機能51に送ると、モデル作成機能52が選択され、プロセス値格納データベース4からのプロセス値が入力される。モデル作成機能52では、自己連想型ニューラルネットワークを用いてモデルを作成する。自己連想型ニューラルネットワークの学習時に用いる入力信号の期間および選択方法については、第1の実施形態と同様である。
次に、ユーザが入力部7から「推定」の指令を学習/推定切換機能51に送ると、真値推定機能53が選択され、モデルデータベース6に保存されている該当モデルをロードし、プロセス値格納データベース4を介しプラントのプロセス値をモデルに入力する。その結果、真値推定機能53からの出力として、入力されたプロセス値のドリフトを含まない真値推定値が得られる。この真値推定値とプロセス値格納データベース4を介して得られるプラントのプロセス値を減算機能54にそれぞれ入力し、プラントの現在のプロセス値から真値推定機能53によって得られた真値推定値を減算することで推定ドリフト量を得る。この推定ドリフト量をドリフト検出機能55に入力し、ドリフトの有無を判定する。具体的には、逐次確率比検定を用いて判定する。
【0038】
総合判断部3(ROM115c)では、計器校正データ解析部2と計器ドリフト検出部5からの結果を総合し、各計器の状態や校正の有無を出力表示部8によってユーザに提示する。具体的には、計器校正データ解析部2による校正周期予測により、次回定期検査で校正が必要と判断された計器のリストと、計器ドリフト検出部5にてドリフトが検出された計器のリストとをまとめて出力表示部8に表示する。
例えば、計器校正データ解析部2で次回定期検査の予定でない計器が計器ドリフト検出部5でドリフトが検出された場合には、次回定期検査の計器リストに該当計器を含める。また、計器ドリフト検出部5でドリフト検知されていない計器に対しても、推定ドリフト量をもとに計器の許容範囲の最大値からの余裕をユーザに表示し、各計器の状態を把握できるようにする。
【0039】
ここまでは、過去の計器校正データがある場合について説明したが、以下では、新設プラントや途中で計器を交換した場合など過去の計器校正データがない場合について、図14の計器校正支援システムの動作および信号の流れについて説明する。
初めに、プラント起動後のプロセス値をプロセス値格納データベース4を介して獲得する。計器ドリフト検出部5(ROM115b)には、入力部7から「学習」の指令を学習/推定切換機能51に入力し、モデル作成機能52にプロセス値を入力する。モデル作成機能52では、入力されたプロセス値を入力信号および教師信号とし自己連想型ニューラルネットワークを学習する。作成されたモデルは、モデルデータベース6に保存される。定期検査時の校正作業を立案するサイクル末期に、入力部7より「推定」の指令を学習/推定切換機能51に入力し、現在のプラントのプロセス値を真値推定機能53に入力する。真値推定機能53では、入力信号のプロセス値に対応するモデルをモデルデータベース6よりロード後、プロセス値を入力し真値推定値を出力する。次に、減算機能54でプロセス値格納データベース4を介して得られた現在のプラントのプロセス値から真値推定機能53より出力された真値推定値を減算し、推定ドリフト量を計算する。推定ドリフト量をドリフト検出機能55に入力し、ドリフトの有無を判定後、その結果を総合判定部3に送る。
【0040】
次に、推定ドリフト量を校正データとみなし、計器校正データ解析部2(ROM115a)に入力する。計器校正データ解析部2では、入力されたデータを入力データ処理機能21により計器異常等の外れ値を除外する。校正周期予測モデル作成機能22では、入力部7からユーザによる分類の指令或いは予め定めておいた分類方法によりデータをグループ化し、それぞれのグループでドリフト量分布を作成する。作成されたドリフト量分布をもとに予測に用いるモデルを作成する。作成されたモデルは、モデルデータベース6に保存し、適宜、必要なモデルを呼出すことが可能である。予測機能23では、校正周期予測モデル作成機能22にて作成されたモデルを用いて適正な校正周期を予測し、その結果を総合判定部3(ROM115c)に送る。総合判定部3では、計器ドリフト検出部5で得られた推定ドリフト量およびドリフト検出結果と、推定ドリフト量を校正データとみなし、計器校正データ解析部2での解析結果を統合し、出力表示部8に表示する。
【0041】
以上説明した本発明の実施形態では、本発明を原子力発電プラントの計器校正支援として適用しているが、本発明の適用対象は、原子力発電プラントに限定されない。例えば、火力発電プラントや化学プラントに代表される大規模なシステムにはじまり、規模に関らず計器が取り付けられている一般産業システムについても計器校正を実施しており、その支援の必要性も同様であることから、本発明はこれらの計器校正支援にも適用することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラントの過去の校正データをもとに、計器の校正周期を予測する機能に加えてオンラインにて計器のドリフトを検出する機能を有することにより、信頼性を確保した計器の校正周期を提示するすることができる。
また、新設プラントや計器を交換した場合等で過去の校正データがない場合にも、オンラインにて得られた推定ドリフト量を校正データとみなすことにより、計器の校正周期を容易に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による計器校正支援システムの第1の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態の実現例を示すブロック図
【図3】本発明の計器校正履歴データベースに格納されている校正記録結果の例を示す図
【図4】本発明の計器校正履歴データベースに格納されている計器仕様表の例を示す図
【図5】本発明の校正周期予測モデル作成機能において、校正データを分類する際、必要な校正データを検索するための機能を出力表示部に表示する画面例
【図6】本発明の校正周期予測モデル作成機能において、選択した校正データの散布図を用いてグループ化する機能を出力表示部に表示する画面例
【図7】本発明の校正周期予測モデル作成機能において、選択した校正データのモデルを作成する機能を出力表示部に表示する画面例
【図8】本発明の予測機能において、選択した校正データのモデルを用いた校正周期予測日を出力表示部に表示する画面例
【図9】本発明のモデル作成機能およびドリフト検出機能において、ユーザがモデルの設定および逐次確率比検定の設定をする際の画面例
【図10】本発明のモデル作成機能において、自己連想型ニューラルネットワークの学習に用いる入力信号の期間を選択する画面例
【図11】本発明の真値推定機能およびドリフト検出機能において、真値推定した結果およびドリフトの検出結果を監視する画面例
【図12】本発明の総合判断部において、計器校正データ解析部の結果と計器ドリフト検出部の結果を総合し、ユーザに示すための出力表示部に表示する画面例
【図13】本発明の総合判断部において、計器校正データ解析部の結果と計器ドリフト検出部の結果を総合し、ユーザに示すための表示で次回定期検査表示を選択したときの画面例
【図14】本発明の計器校正データ解析部における処理手順のフローチャート
【図15】本発明の計器ドリフト検出部における処理手順のフローチャート
【図16】本発明の総合判断部における処理手順のフローチャート
【図17】本発明の第2の実施形態としての実現例を示すブロック図
【符号の説明】
1…計器校正履歴データベース、2…計器校正データ解析部、3…総合判断部、4…プロセス値格納データベース、5…計器ドリフト検出部、6…モデルデータベース、7…入力部、8…出力表示部、21…入力データ処理機能、22…校正周期予測モデル作成機能、23…予測機能、51…学習/推定切換機能、52…モデル作成機能、53…真値推定機能、54…減算機能、55…ドリフト検出機能、100…マイクロコンピュータ、101…入力ポート、102…出力ポート、103…CPU、104…RAM、105…ROM、106…HD(ハード・デスク)、107a,107b,107c…計器、108…プロセス入出力伝送装置、109…インテリジェント計器、110…ネットワーク、111…入出力ポート、112a,112b,112c…マイクロコンピュータ、113a,113b,113c…CPU、114a,114b,114c…RAM、115a,115b,115c…ROM、116a,116b,116c…HD
Claims (7)
- 計器の校正データを用いて校正周期を予測した結果と、オンラインによるドリフト検出の結果を総合して計器の校正周期を提示する計器校正支援システムであって、
前記校正データを格納した計器校正履歴データベースと、前記校正データをもとに計器の校正周期を予測する計器校正データ解析部と、計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、蓄積する手段を有するプロセス値格納データベースと、前記プロセス値をもとにモデルを作成し、計器のドリフトをオンラインで検出する計器ドリフト検出部と、前記計器校正データ解析部の結果および前記計器ドリフト検出部の結果を総合する総合判断部と、前記総合判断部の結果を表示する出力表示部とを備えることを特徴とする計器校正支援システム。 - 請求項1において、前記計器校正データ解析部は、前記計器校正履歴データベースにデータベース化して格納している過去の計器校正の結果と計器の仕様をもとに計器のドリフト量を計算し、外れ値を除去する手段を有する入力データ処理機能と、前記ドリフト量をもとに任意の時刻でのドリフト量を予測するモデルを作成する手段を有する校正周期予測モデル作成機能と、前記モデルを用いて計器の校正周期を予測する手段を有する予測機能とを備えることを特徴とする計器校正支援システム。
- 請求項1において、前記計器ドリフト検出部は、計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、前記プロセス値格納データベースに蓄積した前記プロセス値を用いてモデルを作成する場合と、既作成モデルを用いて推定する場合とを切り換える手段を有する学習/推定切換機能と、前記プロセス値を用いてモデルを作成する手段を有するモデル作成機能と、前記モデルを用いてドリフトを含まないプロセス値を推定する手段を有する真値推定機能と、前記プロセス値から前記ドリフトを含まないプロセス値を減算する手段を有する減算機能と、前記減算機能の結果を用いてドリフトの有無を判定する手段を有するドリフト検出機能とを備えることを特徴とする計器校正支援システム。
- オンラインによる計器のドリフト検出の結果と、オンラインによる計器の推定ドリフト量をもとに校正周期を予測した結果を総合して計器の校正周期を提示する計器校正支援システムであって、
計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、蓄積する手段を有するプロセス値格納データベースと、前記プロセス値をもとにモデルを作成し、計器のドリフトを推定し、オンラインで検出する計器ドリフト検出部と、前記ドリフト検出部で推定したドリフト量をもとに計器の校正周期を予測する計器校正データ解析部と、前記計器校正データ解析部の結果および前記計器ドリフト検出部の結果を総合する総合判断部と、前記総合判断部の結果を表示する出力表示部とを備えることを特徴とする計器校正支援システム。 - 請求項4において、前記計器ドリフト検出部は、計器により測定されたプロセス値をオンラインで取得し、前記プロセス値格納データベースに蓄積した前記プロセス値を用いてモデルを作成する場合と、既作成モデルを用いて推定する場合とを切り換える手段を有する学習/推定切換機能と、前記プロセス値を用いてモデルを作成する手段を有するモデル作成機能と、前記モデルを用いてドリフトを含まないプロセス値を推定する手段を有する真値推定機能と、前記プロセス値から前記ドリフトを含まないプロセス値を減算し、推定ドリフト量を得る手段を有する減算機能と、前記推定ドリフト量を用いてドリフトの有無を判定する手段を有するドリフト検出機能とを有し、前記計器校正データ解析部は、前記推定ドリフト量をもとに任意の時刻でのドリフト量を予測するモデルを作成する手段を有する校正周期予測モデル作成機能と、前記モデルを用いて計器の校正周期を予測する手段を有する予測機能とを備えることを特徴とする計器校正支援システム。
- 請求項2、請求項3または請求項4において、前記校正周期予測モデル作成機能で作成された校正周期予測モデルと、前記モデル作成機能により作成された真値推定用モデルを格納する手段を有するモデルデータベースを有することを特徴とする計器校正支援システム。
- 請求項1から請求項6のいずれかにおいて、複数の計器が分散して設置され、計器自身に測定したプロセス値を前記プロセス値格納データベースに転送する機能を有する計器と、計器により測定したプロセス値を通信手段を介して前記プロセス値格納データベースに転送する計器とを備えることを特徴とする計器校正支援システム。
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