JP2006125547A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、シフトアクチュエータ用のオイルポンプ及び、オイルポンプとシフトアクチュエータの間を連絡する油圧配管等を変速機ケースの外側に設ける必要をなくすことができるとともに、摩擦係合要素を制御するバルブボディにシフトアクチュエータを統合して自動変速機の構造を簡素化することにある。
【解決手段】この発明は、摩擦係合要素により変速操作される遊星歯車式変速部と、この遊星歯車式変速部に連結されるとともに、油圧により作動されるシフトアクチュエータで噛合クラッチを操作し、ギヤ段を切り換えるようにした平行軸歯車式変速部と、前記摩擦係合要素を制御するバルブボディとを変速機ケース内に収めた自助変速機の変速制御装置において、前記バルブボディに前記シフトアクチュエータを装着するとともに、このシフトアクチュエータを作動させる油圧回路を前記バルブボディ内に形成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は自動変速機の変速制御装置に係り、特に、シフトアクチュエータ用のオイルポンプ及び、オイルポンプとシフトアクチュエータの間を連絡する油圧配管等を変速機ケースの外側に設ける必要をなくすことができるとともに、摩擦係合要素を制御するバルブボディにシフトアクチュエータを統合して自動変速機の構造を簡素化することができる自動変速機の変速制御装置に関する。
車両においては、エンジンの駆動力を走行条件に応じて所要に変換して取出すために、変速機を備えている。変速機には、運転者により操作されるシフトレバーで切換機構の噛合クラッチを操作し、ギヤ段を切り換えるようにした手動変速機や、運転状態に応じて駆動手段によりギヤ段を自動的に切り換える自動変速機がある。
また、自動変速機には、複数のギヤ段からなる平行軸歯車式変速部を有する手動変速機をベースとして、この手動変速機に油圧で作動するシフトアクチュエータを追加し、このシフトアクチュエータで切換機構の噛合クラッチを操作し、ギヤ段を切り換えるようにした自動変速機がある。
従来の平行軸歯車式変速部を有する手動変速機をベースとする自動変速機には、既存の手動変速機の変速機ケースに油圧によりシフト動作を行なうシフトアクチュエータを外付けし、同じく外付けのオイルポンプからの油圧を同じく外付けの油圧配管等にて調整・分配してシフトアクチュエータを作動させ、変速を行なうものがある。
特開平11−22816号公報
一方、上記のような平行軸歯車式変速部を有する手動変速機をべ一スにした自動変速機では、噛合クラッチの操作時に駆動力を切断する必要があり、これにより加速力が途切れる問題を改善するために、駆動力を切断せずに変速が行える遊星歯車式変速部を平行軸歯車式変速部に組み合わせ、駆動力の大きい1速から3速の間の変速を遊星歯車式変速部で行うようにしたものがある。
特開2003−287091号公報
ところが、前記特許文献1に開示される自動変速機では、シフトアクチュエータを変速機ケース外部に取り付けているため、シフトアクチュエータに油圧を供給するオイルポンプ及び、オイルポンプとシフトアクチュエータとの間を連絡する油圧配管等を変速機ケースの外側に配設する必要があり、且つそれに伴う油圧のシール等の考慮も必要となる。その結果、特許文献1に開示される自動変速機では、構造が複雑化し、部品点数が増加し、設計上の自由度が減少し、組み付け性が悪化するという問題があった。
一方、前記特許文献2に開示される自動変速機では、遊星歯車式変速部の変速操作用に油圧制御用のバルブボディを備えており、これに加えて平行軸歯車式変速部の噛合クラッチを操作するシフトアクチュエータを外付けにすると、変速制御装置が更に複雑化する問題があった。
この発明は、摩擦係合要素により変速操作される遊星歯車式変速部と、この遊星歯車式変速部に連結されるとともに、油圧により作動されるシフトアクチュエータで噛合クラッチを操作し、ギヤ段を切り換えるようにした平行軸歯車式変速部と、前記摩擦係合要素を制御するバルブボディとを変速機ケース内に収めた自助変速機の変速制御装置において、前記バルブボディに前記シフトアクチュエータを装着するとともに、このシフトアクチュエータを作動させる油圧回路を前記バルブボディ内に形成したことを特徴とする。
この発明の自動変速機の変速制御装置は、バルブボディにシフトアクチュエータを装着するとともに、このシフトアクチュエータを作動させる油圧回路をバルブボディ内に形成したことにより、シフトアクチュエータ用のオイルポンプ及び、オイルポンプとシフトアクチュエータの間を連絡する油圧配管等を変速機ケースの外側に設ける必要をなくすことができるとともに、摩擦係合要素を制御するバルブボディにシフトアクチュエータを統合して自動変速機の構造を簡素化することができる。
この発明の自動変速機の変速制御装置は、摩擦係合要素を制御するバルブボディにシフトアクチュエータを装着し、油圧回路をバルブボディ内に形成したことにより、油圧配管等を変速機ケースの外側に設ける必要をなくし、バルブボディにシフトアクチュエータを統合して自動変速機の構造を簡素化することができるものである。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図10は、この発明の実施例を示すものである。図9において、2は図示しない車両に搭載されたエンジン、4はクランク軸、6はダンパ付きフライホイール、8は自動変速機である。自動変速機8は、変速機ケース10内に第1入力軸12と第2入力軸14と出力軸16とリバースアイドラ軸18と遊星歯車式変速部20と平行軸歯車式変速部22とを備え、変速機ケース10下部にオイルパン24を装着している。
前記第1入力軸12は、一端側をダンパ付きフライホイール6に連結され、途中にオイルポンプ26を設け、他端側に連絡部材28を固定して設けている。オイルポンプ26は、クランク軸4の回転により駆動されて油圧を発生し、後述するバルブボディ86に供給する。第2入力軸14は、第1入力軸12の他端側の軸線延長上に配置され、第2入力軸軸受30により変速機ケース10に軸支されている。前記出力軸16は、第1入力軸12及び第2入力軸14に平行に配置され、出力軸軸受32により変速機ケース10に軸支されている。
前記遊星歯車式変速部20は、第1入力軸12と第2入力軸14との間に配置され、第1入力軸12の回転を第2入力軸14に伝達する。この遊星歯車式変速部20は、共通のサンギヤ34を有する第1・第2遊星歯車列36・38の2列で構成されるシンプソンタイプである。
前記第1遊星歯車列36は、第1リングギヤ40と第1ピニオンギヤ42と前記サンギヤ34の第1サンギヤ部44とで構成される。第1リングギヤ40は、第1入力軸12の他端側に対向する第2入力軸14の一端側の軸端において、第2入力軸14周りに回動可能な第1支持部材46の他端側に固定して設けている。第1ピニオンギヤ42は、第1入力軸12の他端側に対向する第2入力軸14の一端側の軸端に固設された第1キャリア48に回動可能に軸支され、前記第1リングギヤ40に噛合する。サンギヤ34は、第2入力軸14の一端側の端部近傍に回動可能に軸支され、一端側に設けられた第1サンギヤ部44を第1ピニオンギヤ42に噛合する。
前記第2遊星歯車列38は、第2リングギヤ50と第2ピニオンギヤ52と前記サンギヤ34の第2サンギヤ部54とで構成される。第2リングギヤ50は、サンギヤ34の他端側に近接して第2入力軸14に固設された第2支持部材56外周に固定して設けている。第2ピニオンギヤ52は、第2リングギヤ50内周において第2入力軸14周りに回動可能な第2キャリア58に回動可能に軸支され、前記第2リングギヤ50に噛合する。サンギヤ34は、第1サンギヤ部44と反対の他端側に設けられた第2サンギヤ部54を前記第2ピニオンギヤ52に噛合する。
遊星歯車式変速部20は、第1遊星歯車列36の第1リングギヤ40を固定した第1支持部材46の一端側と、第1入力軸12の他端側に固定された連絡部材28の外周との間に、油圧で作動される摩擦式の発進クラッチ60を設けている。また、遊星歯車式変速部20は、サンギヤ34の第1・第2サンギヤ部44・54間の外周から径外方向に延びる円環部材62の外周と、この円環部材62外周に対峙する変速機ケース10との間に、油圧で作動される摩擦式のバンドブレーキ64を設けている。
さらに、遊星歯車式変速部20は、円環部材62途中から第1支持部材46方向に延びる円筒部材66先端と、第1支持部材46の途中から径外方向に延びる延長部材68内周との間に、油圧で作動される摩擦式のダイレクトクラッチ70を設けている。さらにまた、遊星歯車式変速部20は、第2遊星歯車列38の第2キャリヤ58から変速機ケース10方向に延びる環状部材72外周と、この環状部材72外周に対峙する変速機ケース10との間に、逆転方向の回転を阻止するワンウェイクラッチ74を設けている。
前記発進クラッチ60とバンドブレーキ64とダイレクトクラッチ70とは、遊星歯車式変速部20を変速操作する摩擦係合要素76を構成し、発進クラッチ用油圧回路78とバンドブレーキ用油圧回路80とダイレクトクラッチ用油圧回路82とにより自動変速機8の変速制御装置84を構成するバルブボディ86に連絡されている。このバルブボディ86は、変速機ケース10下部に装着されるオイルパン24内に配設され、前記オイルポンプ26がポンプ用油圧回路88により連絡されている。
バルブボディ86は、オイルポンプ26の発生する油圧を、各油圧回路78〜82を介して発進クラッチ60とバンドブレーキ64とダイレクトクラッチ70とに供給・排出する発進クラッチ用制御バルブ90とバンドブレーキ用制御バルブ92とダイレクトクラッチ用制御バルブ94とを内蔵している。
変速制御装置84は、制御手段(図示せず)によりバルブボディ86に内蔵された各制御バルブ90〜94を動作制御し、オイルポンプ26の発生する油圧を摩擦係合要素76を構成する発進クラッチ60とバンドブレーキ64とダイレクトクラッチ70とに供給・排出して作動を制御し、図10に示す如く、ワンウェイクラッチ74との組み合わせで遊星歯車式変速部20を1速から3速までの間で変速操作する。
即ち、遊星歯車式変速部20は、ワンウェイクラッチ74の結合により1速ギヤ段に変速操作され、バンドブレーキ64の結合により2速ギヤ段に変速操作され、ダイレクトクラッチ70の結合により3速ギヤ段に変速操作される。
この遊星歯車式変速部20よりもエンジン2から離間する側であって、第2入力軸14と出力軸16との間には、第2入力軸14の回転を出力軸16に伝達する前記平行軸歯車式変速部22を設けている。平行軸歯車式変速部22は、3速ギヤ段96と4速ギヤ段98と5速ギヤ段100とリバースギヤ段102とからなり、3速ギヤ段96〜5速ギヤ段100を遊星歯車式変速部20に近接する側から離間する側に向かって順次に配設し、3速ギヤ段96と4速ギヤ段98との間にリバースギヤ段102を配設している。
3速ギヤ段96は、第2入力軸14に固設された第2入力軸側3速ギヤ104と、出力軸16に回動自在に軸支されて第2入力軸側3速ギヤ104に噛合する出力軸側3速ギヤ106とからなる。4速ギヤ段98は、第2入力軸14に固設された第2入力軸側4速ギヤ108と、出力軸16に回動自在に軸支されて第2入力軸側4速ギヤ108に噛合する出力軸側4速ギヤ110とからなる。5速ギヤ段100は、第2入力軸14に回動自在に軸支された第2入力軸側5速ギヤ112と、出力軸16に固設されて第2入力軸側5速ギヤ112に噛合する出力軸側5速ギヤ114とからなる。
リバースギヤ段102は、第2入力軸14に固設された第2入力軸側リバースギヤ116と、後述する3速・4速噛合クラッチ122の3速・4速シフトスリーブ130に一体に設けた出力軸側リバースギヤ118と、第2入力軸側リバースギヤ116及び出力軸側リバースギヤ118に噛合・離脱されるようにリバースアイドラ軸18に軸方向移動自在且つ回動自在に軸支されたリバースアイドラギヤ120とからなる。
出力軸側3速ギヤ106と出力軸側4速ギヤ110との間の出力軸16には、3速ギヤ段96と4速ギヤ段98とを切り換える切換機構である3速・4速噛合クラッチ122を設けている。3速・4速噛合クラッチ122は、出力軸側3速ギヤ106に設けた3速ギヤ用係合部124と、出力軸側4速ギヤ110に設けた4速ギヤ用係合部126と、出力軸16に固設された3速・4速ハブ128と、この3速・4速ハブ128に軸方向移動可能且つ回転不能に係合されて3速ギヤ用係合部124及び4速ギヤ用係合部126に選択的に係合・離脱される3速・4速シフトスリーブ130とからなる。
3速・4速噛合クラッチ122は、3速・4速シフトスリーブ130を3速ギヤ用係合部124及び4速ギヤ用係合部126に選択的に係合・離脱させることにより、出力軸側3速ギヤ106及び出力軸側4速ギヤ110を出力軸16に対して選択的に固定・解放し、3速ギヤ段96及び4速ギヤ段98のいずれか一方に切り換える。
第2入力軸側5速ギヤ112の第2入力軸側4速ギヤ108と反対側の第2入力軸14には、5速ギヤ段100に切り換える切換機構である5速噛合クラッチ132を設けている。5速噛合クラッチ132は、第2入力軸側5速ギヤ112に設けた5速ギヤ用係合部134と、第2入力軸14に固設された5速ハブ136と、この5速ハブ136に軸方向移動可能且つ回転不能に係合されて5速ギヤ用係合部134に係合・離脱される5速シフトスリーブ138とからなる。
5速噛合クラッチ132は、5速シフトスリーブ138を5速ギヤ用係合部134に係合・離脱させることにより、第2入力軸側5速ギヤ112を第2入力軸14に対して固定・解放し、5速ギヤ段100に切り換える。
リバースアイドラギヤ120には、リバース切換機構140を設けている。リバース切換機構140は、リバースアイドラギヤ120にリバースシフトスリーブ142を設けている。
リバース切換機構140は、リバースシフトスリーブ142によりリバースアイドラギヤ120をリバースアイドラ軸18の軸方向に移動させ、第2入力軸側リバースギヤ116及び出力軸側リバースギヤ118に噛合・離脱させることにより、リバースギヤ段102に切り換える。
3速・4速噛合クラッチ122の3速・4速シフトスリーブ130と5速噛合クラッチ132の5速シフトスリーブ138とリバース切換機構140のリバースシフトスリーブ142とは、3速・4速変速機構144と5速変速機構146とリバース変速機構148とを介してシフトアクチュエータ150に連絡されている。
3速・4速変速機構144は、図1・図2に示す如く、3速・4速シフトスリーブ130に係合される3速・4速シフトフォーク152と、この3速・4速シフトフォーク152が固定されるとともに出力軸16の軸方向に移動可能に変速機ケース10に支持された3速・4速シフト軸154と、この3速・4速シフト軸154を出力軸16の軸方向に移動させる3速・4速シフトヨーク156とからなる。
5速変速機構146は、5速シフトスリーブ138に係合される5速シフトフォーク158と、この5速シフトフォーク158が固定されるとともに3速・4速シフト軸154の軸方向に平行移動可能に変速機ケース10に支持された5速シフト軸160と、この5速シフト軸160を3速・4速シフト軸154の軸方向に平行移動させるとともに前記3速・4速シフトヨーク156に隣接して配置された5速・リバースシフトヨーク162とからなる。
リバース変速機構148は、リバースシフトスリーブ142に係合されるリバースシフトアーム164と、このリバースシフトフォーク164が固定されるとともに前記5速シフト軸160に連結されてこの5速シフト軸160の軸方向に連動移動可能に変速機ケース10に支持されたリバースシフト軸166とからなる。
前記シフトアクチュエータ150は、バルブボディ86に装着されている。シフトアクチュエータ150は、図3・図4に示す如く、軸方向に移動されるとともに軸廻りに回動されるシフトアンドセレクト軸168と、このシフトアンドセレクト軸168に装着されて3速・4速シフトヨーク156及び5速・リバースシフトヨーク162に選択的に係合されるシフトアンドセレクトレバー170とを備えている。バルブボディ86には、シフトアンドセレクトレバー170を挟むように配設されて、シフトアンドセレクト軸168の両側を軸方向移動可能且つ回動可能に支持する支持部172・174を設けている。
シフトアンドセレクト軸168には、図5〜図8に示す如く、シフトアンドセレクトレバー170を両側から挟むように、略C字状に形成された誤動作防止用のインタロックプレート176を軸廻りに回動可能に装着して設けている。インタロックプレート176は、一端側にガイド隙間178を設け、他端側に規制孔180を設けている。インタロックプレート176は、バルブボディ86に取付けた規制部材182を規制孔180に係合されることにより、シフトアンドセレクト軸168に対する軸方向及び周方向の移動を所定に規制される。
シフトアンドセレクトレバー170は、基部184をシフトアンドセレクト軸168に固定ボルト186により固定して設け、一端側にインタロックプレート176のガイド隙間178から突出されて前記3速・4速シフトヨーク156及び5速・リバースシフトヨーク162に選択的に係合されるレバー部188を設け、他端側にインタロックプレート176の規制孔180と対向する規制部190を設けている。規制部190には、規制溝192を設けている。シフトアンドセレクトレバー170は、規制部材182の先端を規制溝192に係合することにより、セレクト動作とシフト動作とを所定に規制される。
前記バルブボディ86には、支持部172・174の間に、シフトアンドセレクト軸168に固定されるシフトアンドセレクトレバー170の基部184を収容する凹部194を形成して設けている。
シフトアンドセレクトレバー170の基部184とインタロックプレート176との間間には、位置決め機構196を設けている。位置決め機構196は、基部184の装着孔198にスプリング200により押圧される一対のボール202を装着して設け、インタロックプレート176にニュートラル位置及び各シフト位置に対応して各ボール202が押圧係合される位置決め孔204を形成して設けている。位置決め機構196は、ニュートラル時及び各シフト時に夫々対応する位置決め孔204にボール202が弾性係合され、シフトアンドセレクトレバー170の遊動を阻止して位置決めする。
シフトアンドセレクト軸168には、一方の支持部172とインタロックプレート176との間にリターンスプリング206を装着して設けている。リターンスプリング206は、一端側をインタロックプレート176側において当接体208に押圧当接され、他端側を支持部172側において当接体210に押圧当接される。一端側の当接体208は、インタロックプレート176側においてシフトアンドセレクト軸168に固定された固定部材212に当接支持される。他端側の当接体210は、支持部172側においてシフトアンドセレクト軸168に固定された固定部材214に当接支持され、また、一方の支持部172にも当接支持される。
シフトアンドセレクト軸168には、他方の支持部174の支持孔174aに挿入された他端側先端にセレクト用ピストン216を形成して設けている。バルブボディ86には、他方の支持部174の支持孔174aに連続して、前記セレクト用ピストン216が軸方向移動可能に収納されるセレクト用シリンダ218を形成して設けている。バルブボディ86には、セレクト用ピストン216先端側のセレクト用シリンダ218に連通するセレクト用油圧回路220を形成して設け、セレクト用油圧回路220の油圧を制御するセレクト用制御バルブ(図示せず)を内蔵している。
シフトアンドセレクト軸168は、セレクト用シリンダ218に油圧を供給されると、セレクト用ピストン216が押進されて軸方向一側の5速・リバースセレクト位置にセレクト動作され、リターンスプリング206が圧縮される。また、シフトアンドセレクト軸168は、セレクト用シリンダ218から油圧が排出されると、圧縮されたリターンスプリング206のバネ力により軸方向他側のニュートラル位置に戻される。
また、シフトアンドセレクト軸168には、一方の支持部172の支持孔172aから突出される一端側に、回動用レバー222を固定ボルト224により固定して設けている。バルブボディ86には、一方の支持部172外側に回動用レバー222を収容して回動を許容する収容部226を形成して設けている。
バルブボディ86には、収容部226内において回動用レバー222の回動方向両側から対向するように、一対のシフト用シリンダ228・230を形成して設けている。各シフト用シリンダ228・230内には、夫々回動用レバー222に先端側を当接されて回転力を与えるシフト用ピストン232・234を軸方向移動可能に収納している。このシフト用ピストン232・234は、シフトアンドセレクト軸168の廻りで凹部194と隣接する軸方向一側の位置に配設している。バルブボディ86には、各シフト用ピストン232・234後端側のシフト用シリンダ228・230に夫々連通するシフト用油圧回路236・238を形成して設け、各シフト用油圧回路236・238の油圧を制御するシフト用制御バルブ(図示せず)を内蔵している。
シフトアンドセレクト軸168は、一方のシフト用シリンダ228に油圧が供給されて他方のシフト用シリンダ230から油圧が排出されると、一方のシフト用ピストン232が押進されて軸廻り一側の3速シフト位置あるいは5速シフト位置にシフト動作される。また、シフトアンドセレクト軸168は、他方のシフト用シリンダ230に油圧が供給されて一方のシフト用シリンダ228から油圧が排出されると、他方のシフト用ピストン234が押進されて軸廻り他側の4速シフト位置あるいはリバースシフト位置にシフト動作される。
変速制御装置84は、制御手段(図示せず)によりバルブボディ86に内蔵されたシフト用制御バルブ及びセレクト用制御バルブを動作制御し、オイルポンプ26の発生する油圧をセレクト用油圧回路220及びシフト用油圧回路236・238によりセレクト用シリンダ218及びシフト用シリンダ228・230に供給・排出してセレクト用ピストン216及びシフト用ピストン232・234の作動を制御し、図10に示す如く、平行軸歯車式変速部22を3速から5速までの間とリバースとに変速操作する。
即ち、平行軸歯車式変速部22は、オイルポンプ26の油圧により作動されるシフトアクチュエータ150によって、3速・4速変速機構144と5速変速機構146とリバース変速機構148とを介して3速・4速噛合クラッチ122と5速噛合クラッチ132とリバース切換機構140とを操作され、3速ギヤ段96・4速ギヤ段98・5速ギヤ段100・リバースギヤ段102を切り換えられる。
また、この自動変速機8は、図9に示す如く、出力軸16のエンジン2側端に終減速駆動ギヤ240を設け、この終減速駆動ギヤ240に噛合する終減速従動ギヤ242を差動機244に取付けて設けている。差動機244には、左右の駆動車軸246・248の一端側を連絡して設けている。駆動車軸246・248は、左右の車軸軸受250・252により変速機ケース10に軸支され、他端側を図示しない左右の駆動車輪に連絡して設けている。
次に、この実施例の作用を説明する。
自動変速機8の変速制御装置84は、バルブボディ86によりオイルポンプ26の発生する油圧を摩擦係合要素76である発進クラッチ60とバンドブレーキ64とダイレクトクラッチ70とに供給・排出して作動を制御し、遊星歯車式変速部20を1速から3速までの間で変速操作する。
また、この自動変速機8の変速制御装置84は、バルブボディ86によりオイルポンプ26の発生する油圧をシフトアクチュエータ150のセレクト用シリンダ218及びシフト用シリンダ228・230に供給・排出してセレクト用ピストン216及びシフト用ピストン232・234の作動を制御し、3速・4速噛合クラッチ122と5速噛合クラッチ132とリバース切換機構140とにより平行軸歯車式変速部22を3速から5速までの間とリバースとに変速操作する。
この自動変速機8の変速制御装置84は、摩擦係合要素76により変速操作される遊星歯車式変速部20と、この遊星歯車式変速部20に連結されるとともに、油圧により作動されるシフトアクチュエータ150で3速・4速噛合クラッチ122及び5速噛合クラッチ132を操作し、3速ギヤ段96〜5速ギヤ段100を切り換えるようにした平行軸歯車式変速部22と、摩擦係合要素76を制御するバルブボディ86とを変速機ケース10内に収めている。
この自助変速機8の変速制御装置84は、バルブボディ86にシフトアクチュエータ150を装着するとともに、このシフトアクチュエータ150を作動させるセレクト用油圧回路220及びシフト用油圧回路236・238をバルブボディ86内に形成している。
これにより、この自動変速機8の変速制御装置84は、シフトアクチュエータ150用のオイルポンプ26及び、オイルポンプ26とシフトアクチュエータ150の間を連絡する油圧配管等を変速機ケース10の外側に設ける必要をなくすことができるとともに、摩擦係合要素76を制御するバルブボディ86にシフトアクチュエータ150を統合して自動変速機8の構造を簡素化することができる。
前記バルブボディ86は、変速機ケース10下部に装着されるオイルパン24内に配設されることにより、シフトアクチュエータ150がオイルパン24に貯留されたオイルに浸漬されるため、潤滑性を向上することができるとともに、外部に漏れる作動音を低減することができる。
前記シフトアクチュエータ150は、軸方向に移動されるとともに軸廻りに回動されるシフトアンドセレクト軸168と、このシフトアンドセレクト軸168に装着されて3速・4速シフトヨーク156及び5速・リバースシフトヨーク162に係合されるシフトアンドセレクトレバー170とを備え、このシフトアンドセレクトレバー170を挟むように配設されてシフトアンドセレクト軸168を支持する支持部172・174をバルブボディ86に設けたことにより、軸方向に長いシフトアンドセレクト軸168をバルブボディ86に安定して支持することができる。
前記バルブボディ86には、シフトアンドセレクト軸168に固定されるシフトアンドセレクトレバー170の基部184を収容する凹部194を設けたことにより、シフトアンドセレクト軸168をバルブボディ86に近接して配置することができ、変速制御装置84を小型化することができる。
前記シフトアクチュエータ150は、シフトアンドセレクト軸168に回動用レバー222を設けるとともに、この回動用レバー222に回転力を与えるシフト用ピストン232・234をバルブボディ86に設け、このシフト用ピストン232・234をシフトアンドセレクト軸168の廻りで凹部194と隣接する位置に配設したことにより、バルブボディ86を更に小型化することができる。
なお、この発明は、上述実施例に限定されることなく、種々応用改変が可能である。例えば、バルブボディ86には、シフトアンドセレクトレバー170を挟むように配設されて、シフトアンドセレクト軸168の両側を軸方向移動可能且つ回動可能に支持する支持部172・174を一体的に設けたが、支持部172・174にシフトアンドセレクト軸168を挿通しながらシフトアンドセレクトレバー170等を装着しなければならず、組付作業に手間がかかる問題がある。
そこで、バルブボディ86とは別体に支持部172・174を形成し、この支持体172・174をシフトアンドセレクト軸168にシフトアンドセレクトレバー170やインタロックプレート176、リターンスプリング206とともに予め装着し、バルブボディ86に支持部172・174を取付ボルト(図示せず)等によって取り付けることにより、シフトアンドセレクト軸168にシフトアンドセレクトレバー170等を部組みした状態でバルブボディ86に取り付けることができ、組付作業を簡単にすることができる。
この発明の自動変速機の変速制御装置は、摩擦係合要素を制御するバルブボディにシフトアクチュエータを装着し、油圧回路をバルブボディ内に形成したことにより、油圧配管等を変速機ケースの外側に設ける必要をなくし、バルブボディにシフトアクチュエータを統合して自動変速機の構造を簡素化することができるものである。
自動変速機の変速制御装置の実施例を示す変速機構及びバルブボディの側面図である。 変速機構及びバルブボディの斜視図である。 バルブボディの斜視図である。 シフトアンドセレクト軸の斜視図である。 バルブボディの平面図である。 図5のVI−VI線による断面図である。 図5のVII−VII線による断面図である。 図5のVIII−VIII線による断面図である。 自動変速機のスケルトン図である。 変速時の動作説明図である。
符号の説明
2 エンジン
8 自動変速機
10 変速機ケース
20 遊星歯車式変速部
22 平行軸歯車式変速部
24 オイルパン
36 第1遊星歯車列
38 第2遊星歯車列
60 発進クラッチ
64 バンドブレーキ
70 ダイレクトクラッチ
74 ワンウェイクラッチ
76 摩擦係合要素
84 変速制御装置
86 バルブボディ
90 発進クラッチ用制御バルブ
92 バンドブレーキ用制御バルブ
94 ダイレクトクラッチ用制御バルブ
96 3速ギヤ段
98 4速ギヤ段
100 5速ギヤ段
102 リバースギヤ段
122 3速・4速噛合クラッチ
132 5速噛合クラッチ
140 リバース切換機構
144 3速・4速変速機構
146 5速変速機構
148 リバース変速機構
150 シフトアクチュエータ
168 シフトアンドセレクト軸
170 シフトアンドセレクトレバー
172・174 支持部
176 インタロックプレート
194 凹部
206 リターンスプリング
216 セレクト用ピストン
220 セレクト用油圧回路
222 回動用レバー
232・234 シフト用ピストン
236・238 シフト用油圧回路
244 差動機

Claims (5)

  1. 摩擦係合要素により変速操作される遊星歯車式変速部と、この遊星歯車式変速部に連結されるとともに、油圧により作動されるシフトアクチュエータで噛合クラッチを操作し、ギヤ段を切り換えるようにした平行軸歯車式変速部と、前記摩擦係合要素を制御するバルブボディとを変速機ケース内に収めた自助変速機の変速制御装置において、前記バルブボディに前記シフトアクチュエータを装着するとともに、このシフトアクチュエータを作動させる油圧回路を前記バルブボディ内に形成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記バルブボディは前記変速機ケース下部に装着されるオイルパン内に配設されることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記シフトアクチュエータは軸方向に移動されるとともに軸廻りに回動されるシフトアンドセレクト軸と、このシフトアンドセレクト軸に装着されてシフトヨークに係合されるシフトアンドセレクトレバーとを備え、このシフトアンドセレクトレバーを挟むように配設されて前記シフトアンドセレクト軸を支持する支持部を前記バルブボディに設けたことを特徴とする請求項1に記載の自助変速機の変速制御装置。
  4. 前記バルブボディには前記シフトアンドセレクト軸に固定される前記シフトアンドセレクトレバーの基部を収容する凹部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記シフトアクチュエータは前記シフトアンドセレクト軸に回動用レバーを設けるとともに、この回動用レバーに回転力を与えるシフト用ピストンを前記バルブボディに設け、このシフト用ピストンを前記シフトアンドセレクト軸の廻りで前記凹部と隣接する位置に配設したことを特徴とする請求項4に記載の自動変速機の変速制御装置。
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