JP2006124923A - せん断補強筋及びせん断補強筋の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な強度を有し、かつ重量を軽量化するとともに容易に作製することができるせん断補強筋を提供する。
【解決手段】せん断補強筋1は、銑鉄や鋼を使用して鋳造法や鍛造法あるいは機械加工により形成され、プレート部4と円柱状のボス5を有する係止部材2のボス5の先端部に棒鋼3をフラッシュ溶接により、少ない溶接入熱で係止部材2に棒鋼3を接合する。また、係止部材2のボス5の先端部に棒鋼3を接合して、せん断補強筋1の強度を高めることとともに軽量化する。
【選択図】 図3
【解決手段】せん断補強筋1は、銑鉄や鋼を使用して鋳造法や鍛造法あるいは機械加工により形成され、プレート部4と円柱状のボス5を有する係止部材2のボス5の先端部に棒鋼3をフラッシュ溶接により、少ない溶接入熱で係止部材2に棒鋼3を接合する。また、係止部材2のボス5の先端部に棒鋼3を接合して、せん断補強筋1の強度を高めることとともに軽量化する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、例えば構造物の耐震性能を高めるために主筋又は配力筋間を連結するせん断補強筋及びせん断補強筋の作製方法に関するものである。
鉄筋コンクリート構造の構造物などの内部に配置される鉄筋は、軸方向力又は曲げモーメントを負担する主筋と、主筋と直角方向に配置し、主筋の位置を確保し、直角方向へも応力を伝える配力筋と、主筋間や配力筋間を連結するせん断補強筋などから構成している。このせん断補強筋として、例えば特許文献1や特許文献2等に種々のせん断補強筋が開示されている。特許文献1に示されたせん断補強筋は、一端部には主筋等に引っ掛ける半円形のフック部を有し、他端部にはねじ部を有する鋼棒と、鋼棒のねじ部に着脱自在な係止板を有し、フック部を相対する2本の主筋のうち一方の主筋に引っ掛けて鋼棒を主筋間に配置し、鋼棒のねじ部に平鋼からなる係止板をナットで固定してせん断補強筋を主筋間に取付けるようにしている。また、フック部の代わりにねじ部を設け、鋼棒の両端のねじ部に係止板をナットで固定するせん断補強鋼も開示されている。
また、特許文献2に示されたせん断補強筋は、前記鋼棒の両端のねじ部にナットで固定する係止板の代わりに、鋼棒の先端を例えば高周波誘導加熱で加熱して熱間据込加工を施して軸線方向に圧縮して外径を拡径して係止部を形成している。
特許文献1に示すように、せん断補強筋を主筋等の間に取り付けるとき、係止板を鋼棒にナットで固定していると、係止板の固定作業が容易でなく、多くの作業時間を要し、現場の施工効率が低下するという短所がある。
また、特許文献2に示すように、鋼棒の先端を高周波指導加熱で加熱して熱間据込加工を施して係止部を形成していると、多数のせん断補強筋を短時間で作成することは困難であり、せん断補強筋の単価が高くなってしまうという短所がある。
これらの短所に対処するために、係止板を高速回転しながら、棒鋼と係止板を摩擦接合により接合したり、係止板に棒鋼を溶接により一体化してせん断補強筋を作製する方法も使用されている。
特開平10−196120号公報
特開2000−257209号公報
前記のように平鋼からなる係止板に棒鋼を直接接合したとき、図6に示すように、係止板20と棒鋼21の接合部にバリ22が生じる。このバリ22を除去することは容易でなく、バリ22の除去作業に多くの時間を要する。また、作製したせん断補強筋23で主筋間や配力筋間を連結したとき、係止板20の棒鋼21と接合した部分24に応力が集中し、係止板20が破損する可能性がある。このため係止板20を厚くして十分に強度を持たせる必要があるが、係止板20を厚くすると、せん断補強筋23の重量が大きくなり、作業性が悪くなるという短所がある。
この発明は、このような短所を改善し、十分な強度を有し、かつ重量を軽量化するとともに容易に作製することができるせん断補強筋及びせん断補強筋の作製方法を提供することを目的とするものである。
この発明のせん断補強筋は、係止部材と、係止部材に接合された棒鋼とを有し、前記係止部材は、プレート部と円柱状のボスを有し、銑鉄や鋼を使用して鋳造法や鍛造法あるいは機械加工により形成され、前記棒鋼は前記係止部材のボスの先端部にフラッシュ溶接により接合されたことを特徴とする。
前記係止部材のボスは、接合する棒鋼とほぼ同じ外径を有することが望ましい。
また、前記係止部材のプレート部は、長手方向の一方の端部が先細に形成され、長手方向の中心より他方の端部側にボスが設けられている。
さらに、前記係止部材のプレート部を、直方体形状に形成したり、円板状又は楕円板状に形成しての良い。
この発明のせん断補強筋の作製方法は、プレート部と、該プレート部に設けられた円柱状のボスを有する係止部材の、ボスの先端に棒鋼をフラッシュ溶接により接合することを特徴とする。
この発明のせん断補強筋は、銑鉄や鋼を使用して鋳造法や鍛造法あるいは機械加工により形成され、プレート部と円柱状のボスを有する係止部材のボスの先端部に棒鋼をフラッシュ溶接により接合したから、少ない溶接入熱で係止部材に棒鋼を接合でき、せん断補強筋を小型の溶接電源を使用して短時間で作製することができる。
また、係止部材のボスの先端部に棒鋼を接合するから、せん断補強筋の強度を高めることができるとともに軽量化を図ることができる。
さらに、係止部材のボスを、接合する棒鋼とほぼ同じ外径にすることにより、棒鋼を接合したときに生じるバリを容易に除去することができ、品質の良いせん断補強筋を作製することができる。
図1はこの発明のせん断補強筋の構成図である。図に示すようにせん断補強筋1は、係止部材2と、係止部材2に接合された棒鋼3とを有する。係止部材2は、銑鉄や鋼を使用して鋳造法や鍛造法あるいは機械加工により形成され、図2の斜視図に示すように、プレート部4と円柱状のボス5を有する。プレート部4は、長手方向の一方の端部4aが半円形で先細に形成され、長手方向の中心より他方の端部4側にボス5が設けられている。ボス5は接合する棒鋼3とほぼ同じ外径を有する。棒鋼3は係止部材2のボス5の先端部にフラッシュ溶接により接合されている。
このせん断補強筋1の係止部材2と棒鋼3を接合してせん断補強筋1を作製するときは、図3の工程図(a)に示すように、係止部材2を溶接装置の固定クランプ6で保持し、棒鋼3を溶接装置の可動クランプ7で保持し、棒鋼3の先端部を係止部材2のボス5と対向させて配置する。そして可動クランプ7を固定クランプ6側に前進させ、可動クランプ7で保持した棒鋼3の先端部を固定クランプ6で保持している係止部材2のボス5に軽く接触させる。この状態で溶接電源8から固定クランプ6に設けた固定電極9と可動クランプ7に設けた可動電極10に電圧を印加し、棒鋼3の先端部と係止部材2のボス5の接続部に大電流を流して集中的に加熱する。この加熱により接触部が溶融して火花となって飛び散り、その接触が断たれると、さらに可動クランプ7を前進させ、棒鋼3の先端部と係止部材2のボス5の間で接触と火花飛散を繰り返して接触部を加熱する。この加熱により棒鋼3と係止部材2のボス5の接触部の温度が適温に達したとき、可動クランプ7を急激に前進させ、棒鋼3と係止部材2のボス5の接触部に対して急激に圧力を加えてすえ込み(アプセット)により、図3(b)に示すように、係止部材2のボス5に棒鋼4を圧接する。
棒鋼3と係止部材2のボス5を圧接した後、固定クランプ6により係止部材2のクランプを解除し、可動クランプ7による棒鋼3のクランプを解除して接合した棒鋼3と係止部材2を取り外す。
このようにして接合した係止部材2のボス5と棒鋼3の接合部には、図3(b)に示すように、バリ11が形成される。このバリ11を除去して、図3(c)に示すように、せん断補強筋1を作製する。このバリ11を除去するとき、ボス5と棒鋼3がほぼ同じ外径で形成されているから、押し抜きにより簡単にバリ11を除去することができる。したがって主筋等の連結部にバリ11が残ることはなく、主筋等に安定して連結することができる。
また、係止部材2のボス5に棒鋼3を接合して作製したせん断補強筋1と、平鋼の係止板に棒鋼3と同じ外径の棒鋼を直接接合して作製したせん断補強筋の溶接入熱に対する引張強度の変化を調べた結果を図4に示す。図4に示すように、所定の強度を確保するために必要な溶接入熱は、係止部材2のボス5に棒鋼3を接合した場合は、平鋼の係止板に棒鋼を直接接合した場合と比べてほぼ1/4の溶接入熱となり、小型の溶接電源8を使用して短時間で接合することができ、機械的特性に優れた溶接継手を得ることができた。
前記説明では、係止部材2として、長手方向の一方の端部4aが半円形で先細に形成されたプレート部4と円柱状のボス5を有する場合について説明したが、図5(a)に示すように、直方体に形成されたプレート部41にボス5を有する係止部材2aや、図5(b)に示すように、円板又は楕円板に形成されたプレート部42にボス5を有する係止部材2bを使用しても、機械的特性に優れたせん断補強筋を得ることができる。
1;せん断補強筋、2;係止部材、3;棒鋼、4;プレート部、5;ボス、
6;固定クランプ、7;可動クランプ、8;溶接電源、9;固定電極、
10;可動電極、11;バリ。
6;固定クランプ、7;可動クランプ、8;溶接電源、9;固定電極、
10;可動電極、11;バリ。
Claims (6)
- 係止部材と、係止部材に接合された棒鋼とを有し、
前記係止部材は、プレート部と円柱状のボスを有し、
前記棒鋼は前記係止部材のボスの先端部にフラッシュ溶接により接合されたことを特徴とするせん断補強筋。 - 前記係止部材のボスは、接合する棒鋼とほぼ同じ外径を有する請求項1記載のせん断補強筋。
- 前記係止部材のプレート部は、長手方向の一方の端部が先細に形成され、長手方向の中心より他方の端部側にボスが設けられている請求項1又は2記載のせん断補強筋。
- 前記係止部材のプレート部は、直方体形状に形成された請求項1又は2記載のせん断補強筋。
- 前記係止部材のプレート部は、円板状又は楕円板状に形成された請求項1又は2記載のせん断補強筋。
- プレート部と、該プレート部に設けられた円柱状のボスを有する係止部材の、ボスの先端に棒鋼をフラッシュ溶接により接合することを特徴とするせん断補強筋の作製方法。
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JP2004310536A JP2006124923A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | せん断補強筋及びせん断補強筋の作製方法 |
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JP2018031233A (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | Jfeエンジニアリング株式会社 | プレキャストコンクリート床版の継ぎ手構造 |
JP6489278B1 (ja) * | 2018-12-14 | 2019-03-27 | Jfeエンジニアリング株式会社 | プレキャストコンクリート床版の継ぎ手構造 |
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