JP3810396B2 - 熱圧着鋼材継手、これを用いた接合構造および接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄筋やピアノ線等の端部が直線状の鋼材を軸方向に接続する熱圧着鋼材継手に関する。
鉄筋や配管類等に用いる各種鋼材は、有限長であると共に、折り曲げ等の加工がし難いため、これを延長して用いる場合には、継手を用いて複数本の鋼材を結合して、一方向に延ばしたり、側方に延ばしたりする必要がある。特に、建築や土木の分野では、鉄筋およびコンクリートで構成される鉄筋コンクリート構造物、または鉄筋を用いたコンクリートパネル等にとって、鉄筋同士をつなぐ継手(いわゆる鉄筋継手)は必要不可欠であり、そのため、非常に多くの種類の鉄筋継手が提案され、研究および実用化が図られている。
代表的な鉄筋継手として、重ね継手があるが、この継手は、準備段階での加工や、現場作業の繁雑さ等により、今日ではガス圧接継手がこれに代わって広く普及している。
図3(A)に示すように、ガス圧接継手70は、2本の鋼材71,72の端部を、酸素−アセチレンガス炎などを用いて加熱し、機械的圧力を加えて接合した突合せ継手である。ガス圧接を行うときには、まず、鉄筋71,72を、その縮み代を見込んで切断し、その切断面が直角で平滑になるように加工する。
次いで、鉄筋71,72に加圧器を取り付け、偏心や曲がりのないことを確認した後、端面を接触させ、還元炎で加熱する。その後適当な加圧のもとで加熱し、圧接位置のふくらみが鉄筋直径の1.4倍以上で、かつ前記ふくらみ部分の長さが、1.1倍以上になるようにする。
そして、鉄筋加熱部が火色消失後に加圧器を取り外す。
一方、各鋼材メーカーにより機械式継手もかなり開発および実用化されている。
図3(B)に示す機械式継手73は、内側に雌ねじを形成した鋳鋼管等のカプラーからなり、それぞれの端部にねじ切り等の加工を施した鉄筋74,75を締結固定するものである。なお、このような継手として、例えば特許文献1に示すものもある。
また、図3(C)に示す機械式継手76は、内側に空間部を形成して鉄筋77,78の両端部に被さる鋳鋼管等のスリーブ79と、その空間部に充填されるモルタル80からなり、固化したモルタル80によって鉄筋77,78を固定するものである。
この施工を行うときには、まず、継ぎ合わせようとする2本の異形鉄筋77,78の端部を鋼製のスリーブ79に挿入し、高強度無収縮モルタル80をスリーブ79内の隙間に充填する。そして、翌日にモルタルが硬化したことを確認して施工を終了する。
また、図3(D)に示すように、2本の鋼材81,82の端部を溶接する溶接継手83も用いられている。
このように、地震国である我が国では、コンクリート構造物の鉄筋の継手として、ガス圧接継手や機械式継手等の研究が活発に行われている。
特開平9−302845号公報(第2−3頁、第1−2図)
しかしながら、ガス圧接継手は、非破壊検査を行うことが義務づけられている。また、ガス圧接従事者は1種から4種のガス圧接技量資格を有している者に限定されている。
一方、機械式継手は、鉄筋の端部への加工が必要であったり、施工に時間がかかったりするという問題がある。
また、溶接継手においても有資格者が施工を行う必要があり、このため工期が遅延することがある。
そこで本発明が解決しようとする課題は、簡単かつ迅速に作業を行うことができ、しかも前述の検査や有資格者による施工を必要とせず、きわめて信頼性が高い熱圧着鋼材継手、これを用いた接合構造および接合方法を提供することにある。
本発明の熱圧着鋼材継手は、接合する2本の鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入可能な貫通孔を備えた筒状の本体部を有し、本体部は、外側から加熱および加圧されることによって変形し、貫通孔に挿入された鋼材の端部を狭持するものであることを特徴とする。
本発明の熱圧着鋼材継手によれば、筒状の本体部の貫通孔に対し、接合する鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入し、加熱および加圧することによって、本体部が変形し、この本体部の変形によって貫通孔に挿入された鋼材の端部が狭持される。
また、本発明の熱圧着鋼材継手は、本体部側面に貫通孔に連通した開口部を有しているため、貫通孔に挿入した鋼材の状態を側方から目視できる。そのため、継手部分を抜き取ることなく、加圧後の鋼材の狭持状態を目視で検査できる。また、鋼材の狭持状態を目視しながら、鋼材を小さい力で挟持することも可能である。
熱圧着鋼材継手は、例えば、鉄鋼、銅合金、アルミニウム等の金属で形成することができる。熱圧着鋼材継手の形状は、挿入される鋼材の形状に応じて製造され、例えば、円形、矩形、六角形等に形成できる。なお、熱圧着鋼材継手は変形して鋼材に密着するので、鋼材と厳密に同一形状にする必要はなく、鋼材を挿入できる形状であればよい。
また、本発明の熱圧着鋼材継手は、貫通孔の内壁に形成され、本体部が加圧および加圧されたときの本体部の変形により鋼材を狭持可能な突起部を備えたものとするのが望ましい。これにより、貫通孔に挿入して狭持する鋼材の表面が異形に形成されていても、突起部がこれに追随して変形し、より強固に挟持することができる。突起部の形状は、例えば、1条ねじ、2条ねじ、ローレット状等の種々の形状に形成することができる。
熱圧着鋼材継手の材質を鋼にすることが好ましい。鋼製の熱圧着鋼材継手を加圧することにより挿入された鋼材に圧着しやすくなり、強度を増加させることができる。さらに、挿入される鋼材と同一の材質にすることが好ましく、さらに強度を増加させることができる。
熱圧着鋼材継手の断面形状は円形を基本とする形状にすることが好ましい。円形には、外形および内形ともに円形である場合の他、一部または複数の部分に直線部分を形成した形状も含まれる。かかる構成によって、製造が容易になり、貫通孔の内壁に形成される突起部も容易に加工することができる。
前記突起部に隣接する位置に、前記鋼材の挿通方向に交差する溝部を形成することも可能である。かかる構成によって、加圧後の鋼材に軸方向の力が加わったときに、鋼材を確実に保持して、引き抜きを防止することができる。
前記溝部を、前記鋼材の挿通方向に対して80°以上の角度で交差させることも可能である。かかる構成によって、鋼材の引き抜きに対する保持力をさらに増加させることができる。
また、前記突起部を、螺旋状に形成することも可能である。かかる構成によって、突起部の形成を容易に行うことができる。
前記開口部を、対向する2カ所に形成することも可能である。開口部を1カ所に形成した場合には、断面がC形になるので、本体部を加圧して鋼材を挟持するときに、突起部が周方向にずれることがあるが、2カ所に形成すると、断面が対向する円弧状に形成されるので、突起部が周方向にずれることがなくなる。また、2カ所の開口部の間に配置された本体部を両外側から押圧することにより鋼材を挟持できるので、使用する治工具の構造を簡単にすることができる。
前記開口部を、3カ所以上に形成することも可能である。かかる構成によって、鋼材を加圧するときに必要な力が小さくなる。なお、開口部の形状は、丸形状、矩形状、多角形状等の様々な形状に形成することが可能であり、貫通孔に挿入した鋼材の端部を視認可能であればどのような形状でもよい。
前記本体部の外周の対向する2カ所に、平面部を形成することも可能である。
かかる構成によって、治工具で平面部を挟持することができるので、熱圧着鋼材継手の加熱を容易にし、また、鋼材を挟持するときの位置決めを確実に行うことができる。
本発明の接合構造は、端部が直線状の2本の鋼材と、軸方向両側から前記鋼材をそれぞれ挿入した貫通孔を備えた筒状の本体部、前記貫通孔の内壁に形成され、加熱および加圧されて変形して前記鋼材を挟持した突起部を有する熱圧着鋼材継手とを備え、前記熱圧着鋼材継手の本体部の両側から挿入された前記鋼材が前記本体部の外側から加熱および加圧された前記突起部により挟持されている。
鋼材は、貫通孔に挿入可能な大きさであればよく、端部の形状や表面の仕上げ状態は問わない。
突起部が変形して鋼材を挟持するので、鋼材の種類を問わずに接合することができ、汎用性が高められる。
本発明の接合方法は、貫通孔を備えて筒状に形成された本体部と、前記貫通孔の内壁に形成された突起部とを有する熱圧着鋼材継手を所定温度以上に加熱する加熱工程と、前記熱圧着鋼材継手の軸方向両側から鋼材をそれぞれ挿入する挿入工程と、前記熱圧着鋼材継手の本体部を軸方向内側に押圧して前記熱圧着鋼材継手と両前記鋼材とを圧着する圧着工程とを有する。
本発明の接合方法によれば、所定温度以上に加熱した熱圧着鋼材継手の筒状の本体部の貫通孔に対し、接合する鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入し、熱圧着鋼材継手の本体部を軸方向内側に加圧することによって、本体部が変形し、この本体部の変形によって貫通孔に挿入された鋼材の端部が狭持され、熱圧着鋼材継手と両鋼材とが圧着される。
さらに、この本発明の接合方法に、熱圧着鋼材継手および両鋼材を急冷する冷却工程を加えることで、熱圧着鋼材継手を加熱して圧着してから急冷し、焼き入れ効果によって、接合強度を強くすると共に簡単に接合を行うことができる。
前記所定温度を400℃以上にする。
400℃未満では熱圧着鋼材継手の本体部のヤング率の低下が不十分になり、変形しにくいからである。かかる方法によって、加熱時間を短縮して作業を迅速に行うことができる。
なお、所定温度の上限は金属が溶融する温度以下であればよいが、1000℃以下であることが好ましい。
前記所定温度は好ましくは800℃以上にする。800℃以上にすることによって、ヤング率が十分に低下し、変形が容易になる。
かかる方法によって、熱圧着鋼材継手の鋼材への密着を確実に行い、接合を確実に行うことができる。
前記加熱工程を、前記挿入工程の前に行うことも可能である。熱圧着鋼材継手を単独で加熱するので、作業性をよくして接続現場での作業を迅速に行うことができる。
前記加熱工程を、前記挿入工程の後に行うことも可能である。熱圧着鋼材継手と共に鋼材も加熱されるので、加熱時間を短時間にすることができる。
本発明により、次の効果を奏することができる。
(1)接合する2本の鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入可能な貫通孔を備えた筒状の本体部を有し、本体部は、外側から加熱および加圧されることによって変形し、貫通孔に挿入された鋼材の端部を狭持するものであるため、貫通孔に軸方向両側からそれぞれ挿入した鋼材が、本体部の加熱および加圧のみによって狭持される。これにより、作業者は簡単かつ迅速に接合作業を行うことができ、きわめて信頼性が高く、従来のような検査や有資格者による施工は不要である。
(2)貫通孔の内壁に形成され、本体部が加圧および加圧されたときの本体部の変形により鋼材を狭持可能な突起部を備えているので、鋼材の端部が異形に形成されていてもこれに追随して変形し、挟持することができ、汎用性が高い。
(3)本体部側面に貫通孔に連通した開口部を有しているため、側方から突起部の状態を目視できるので、継手部分を抜き取ることなく検査を行うことができる。また、鋼材の狭持状態を目視しながら圧着できるため、鋼材を小さい力で挟持することができる。さらに、この開口部から加熱空気が通過できるので、加熱効率がよくなる。
(4)熱圧着鋼材継手の材質を鋼にすると、熱圧着鋼材継手を圧着することにより挿入された鋼材に圧着しやすくなり、強度を増加させることができる。
(5)熱圧着鋼材継手の断面形状を円形にすると、製造が容易になり、貫通孔の内壁に形成される突起部も容易に加工することができる。
(6)鋼材の挿通方向に交差する溝部を設けると、密着後の鋼材に軸方向の力が加わったときに、鋼材を確実に保持して、引き抜きを防止することができる。
(7)溝部を、鋼材の挿通方向に対して80°以上の角度で交差させると、鋼材の引き抜きに対する保持力をさらに増加させることができる。
(8)突起部を、螺旋状に形成すると、その形成を容易に行うことができる。
(9)開口部を、対向する2カ所に形成すると、本体部を加圧して鋼材を挟持するときに、突起部が周方向にずれることがなくなり、保持力を安定して強くすることができる。また、2カ所の開口部の間に配置された本体部を両外側から押圧することにより鋼材を挟持できるので、使用する治工具の構造を簡単にすることができる。
(10)開口部を、3カ所以上に形成すると、鋼材を挟持するときに必要な力が小さくなり、その分、保持力が大きくなる。
(11)本体部の外周の対向する2カ所に、平面部を形成すると、治工具で平面部を挟持することができるので、熱圧着鋼材継手の加熱を容易にし、また、鋼材を挟持するときの位置決めを確実に行うことができる。
(12)接合構造は、突起部が変形して鋼材を挟持するので、鋼材の種類を問わずに接合することができ、汎用性が高められる。
(13)接合方法は、熱圧着鋼材継手を加熱して圧着してから急冷する場合、焼き入れ効果によって接合強度を強くすると共に簡単に接合を行うことができる。
(14)所定温度を400℃以上にすると、加熱時間を短縮して作業を迅速に行うことができる。
(15)所定温度を800℃以上にすると、熱圧着鋼材継手の鋼材への密着を確実に行い、接合を確実に行うことができる。
(16)加熱工程を、挿入工程の前に行うと、熱圧着鋼材継手を単独で加熱するので、作業性をよくして接合現場での作業を迅速に行うことができる。
(17)加熱工程を、挿入工程の後に行うと、熱圧着鋼材継手と共に鋼材も加熱されるので、加熱時間を短時間にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の熱圧着鋼材継手を用いた接合構造の側断面図、図2(A)は同熱圧着鋼材継手の側断面図、図2(B)は同熱圧着鋼材継手の正面図である。
図1、図2に示すように、熱圧着鋼材継手1は、円筒状に形成され、軸方向両側から直線状の鋼材の一例である鉄筋2,3をそれぞれ挿入可能な貫通孔4を備えた鋼製の本体部5と、貫通孔4の内壁に形成され、加熱および加圧されて変形して鉄筋2,3を挟持可能な突起部6と、本体部5の側面を貫通して形成され、貫通孔4に連通した開口部7とを有している。
鉄筋2,3は、断面ほぼ円形の異形棒綱が用いられているが、端部の処理はされていない。その最大外径は、例えば22mmに形成されている。貫通孔4の内径は、鉄筋2,3を挿入可能な大きさに形成されており、例えば24〜26mm程度に形成されている。また、本体部5の肉厚は、4〜6mm程度に形成されている。また、本体部の長さは、異形鉄筋の節間隔の8倍程度、例えば100mm程度に形成されている。
突起部6は、断面三角形状の凹凸で、貫通孔4の内壁に螺旋状に形成されている。隣接する突起部6の間に形成された溝部は、鉄筋2,3の挿通方向に対してθ=80°以上の角度で交差している。
開口部7は、本体部5の対向する2カ所に、軸方向に長い矩形状に形成されている。その寸法は、例えば、5mm×60mmである。
本体部5の外周の対向する2カ所には、平面部8が形成されている。両開口部7は、両平面部8上にそれぞれ配置されている。
熱圧着鋼材継手1の本体部5は、外周であって、両開口部7の2つの中間位置を、内側に押圧されて両鉄筋2,3を挟持している。このとき、突起部6の先部は、両鉄筋2,3の外周に当接している。
なお、図2(A)、(B)に二点鎖線で示すように、開口部8aを、平面部8上ではなく、これに隣接する2つの円弧部10にそれぞれ形成することも可能である。また、加工を簡単かつ迅速に行うために、開口部の角部を円弧状に形成することや、開口部を丸形状に形成することも可能である。さらに、開口部は、本体部に3カ所以上形成することも可能である。
次に、熱圧着鋼材継手を用いた鋼材の接合方法について説明する。
(加熱工程)
まず、熱圧着鋼材継手の平面部を図示しない把持用工具を用いて持ち上げ、加熱器やバーナ等を用いて400℃以上、好ましくは800℃以上に加熱する。熱圧着鋼材継手1には、開口部7が形成されているので、加熱された空気が貫通孔4の内部を通過しやすくなり、加熱効率が向上する。
(挿入工程)
熱圧着継手の軸方向両側から鉄筋2,3をそれぞれ挿入する。
(圧着工程)
熱圧着鋼材継手1の本体部5を軸方向内側に押圧して熱圧着鋼材継手1と両鉄筋2,3とを圧着する。図2(B)に示すように、圧着用工具9は、円弧状の押圧面を有する2つの部材を、開口部7を挟んで本体部5にそれぞれ当接させ押圧する。
(冷却工程)
熱圧着鋼材継手1および両鉄筋2,3を急冷する。急冷は、焼き入れと同様の方法で行うことができる。急冷することによって、熱圧着鋼材継手1で鉄筋2,3を強固に密着させることができる。
以上のように、本実施形態における熱圧着鋼材継手1では、貫通孔4に軸方向両側からそれぞれ挿入した鉄筋2,3が、本体部5の加熱および加圧のみによって狭持される。さらに、加圧後の鉄筋2,3の狭持状態を本体部5側面の開口部7から目視により確認することが可能である。これにより、作業者は簡単かつ迅速に接合作業および確認作業を行うことができ、きわめて信頼性が高く、従来のような検査や有資格者による施工は不要である。
また、本実施形態における熱圧着鋼材継手1は、貫通孔4の内壁に突起部6を備えているので、鉄筋2,3の端部が異形に形成されていてもこれに追随して変形し、挟持することができる。なお、熱圧着鋼材継手1は、この突起部6を設けずに貫通孔4の内壁を平坦にすることも可能である。貫通孔4の内壁が平坦であっても、本体部5の加熱および加圧によって貫通孔4に挿入された鉄筋2,3を狭持することが可能である。
さらに、本実施形態における熱圧着鋼材継手1では、突起部6の間に形成された溝部を、鉄筋2,3の挿通方向に対して80°以上の角度で交差させているため、鉄筋2,3の引き抜きに対する保持力が増加している。
また、本実施形態における鋼材の接合方法では、熱圧着鋼材継手を加熱して圧着してから急冷するため、接合強度を強くすると共に簡単に接合を行うことができる。また、加熱温度を400℃以上とした場合には、加熱時間を短縮して作業を迅速に行うことが可能である。さらに、加熱温度を800℃以上とした場合には、熱圧着鋼材継手の鋼材への密着を確実に行い、接合を確実に行うことができる。
また、本実施形態においては、加熱工程を挿入工程の前に行っているため、熱圧着鋼材継手を単独で加熱することができる。そのため、作業性がよく、接合現場での作業を迅速に行うことが可能である。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る熱圧着鋼材継手は、前述した第1の実施の形態に係る熱圧着鋼材継手とは、その製造工程の一部の手順を入れ替えたものである。
すなわち、加熱工程を、挿入工程の後に行う方法を採用している。これにより、熱圧着鋼材継手と共に鋼材も加熱されるので、加熱時間を短時間にすることができる。
本発明の熱圧着鋼材継手は、鉄筋やピアノ線等の端部が直線状の鋼材を軸方向に接続する継手として有用である。
本発明の熱圧着鋼材継手を用いた接合構造の側断面図である。 (A)は同熱圧着鋼材継手の側断面図、(B)は同熱圧着鋼材継手の正面図である。 (A)は従来例に係るガス圧接継手の側面図、(B)は他の従来例に係る機械式継手の側面図、(C)は他の従来例に係る機械式継手の側面図、(D)は他の従来例に係る機械式継手の側面図である。
符号の説明
1 熱圧着鋼材継手
2,3 鉄筋(鋼材)
4 貫通孔
5 本体部
6 突起部
7 開口部
8 平面部
9 圧着用工具
10 円弧部

Claims (12)

  1. 接合する2本の鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入可能な貫通孔を備えた筒状の本体部を有し、前記本体部は、外側から800℃以上に加熱された状態で加圧されることによって変形し、前記貫通孔に挿入された前記鋼材の端部を狭持するものである熱圧着鋼材継手。
  2. 前記本体部の外周の対向する2カ所には、平面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着鋼材継手。
  3. 前記本体部の側面を貫通して形成され、前記貫通孔に連通した開口部を有する請求項1または2に記載の熱圧着鋼材継手。
  4. 接合する2本の鋼材と、
    同2本の鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入可能な貫通孔を備えた筒状の本体部を有し、前記本体部は、外側から800℃以上に加熱された状態で加圧されることによって変形し、前記貫通孔に挿入された前記鋼材の端部を狭持可能なものである熱圧着鋼材継手とからなり、
    前記熱圧着鋼材継手の本体部の両側からそれぞれ挿入された前記2本の鋼材が前記本体部の外側から加熱および加圧された前記本体部により挟持されていることを特徴とする接合構造。
  5. 前記熱圧着鋼材継手は、前記本体部の外周の対向する2カ所に平面部が形成されたものであることを特徴とする請求項に記載の接合構造。
  6. 前記熱圧着鋼材継手は、前記本体部の側面を貫通して形成され、前記貫通孔に連通した開口部を有するものであることを特徴とする請求項またはに記載の接合構造。
  7. 接合する鋼材の端部を軸方向両側からそれぞれ挿入可能な貫通孔を備えた筒状に形成された本体部を有し、前記本体部は、外側から800℃以上に加熱された状態で加圧されることによって変形し、前記貫通孔に挿入した前記鋼材の端部を狭持可能なものである熱圧着鋼材継手を、所定温度以上に加熱する加熱工程と、
    前記熱圧着鋼材継手の軸方向両側から鋼材をそれぞれ挿入する挿入工程と、
    前記熱圧着鋼材継手の本体部を軸方向内側に押圧して前記熱圧着鋼材継手と両前記鋼材とを圧着する圧着工程と
    を有することを特徴とする接合方法。
  8. 前記熱圧着鋼材継手は、前記本体部の外周の対向する2カ所に平面部が形成されたものであることを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  9. 前記熱圧着鋼材継手は、前記本体部の側面を貫通して形成され、前記貫通孔に連通した開口部を有するものであることを特徴とする請求項またはに記載の接合方法。
  10. 前記熱圧着鋼材継手および両前記鋼材を急冷する冷却工程を有することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の接合方法。
  11. 前記加熱工程は、前記挿入工程の前に行うことを特徴とする請求項から10のいずれかに記載の接合方法。
  12. 前記加熱工程は、前記挿入工程の後に行うことを特徴とする請求項から10のいずれかの項に記載の接合方法。
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