JP2006124792A - 真空処理装置、トンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

真空処理装置、トンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送時にも基板を清浄に保つことができる技術を提供する。
【解決手段】
搬送槽110とゲートバルブ33の間に二重オーリング115b、116bを配置し、二重オーリング115b、116bの間の密閉空間80bに真空排気系339を接続し、密閉空間80bを真空排気する。密閉空間80b内に大気が浸入しても真空排気によって除去されるので搬送槽110内に大気が浸入せず、搬送槽110内を高真空状態に置ける。MR比の大きいトンネル接合磁気抵抗効果素子を作成することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は真空処理装置及びトンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法の技術分野にかかり、特に、高真空雰囲気を要求される真空処理装置とトンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法に関する。
MRAMなどに使用されるトンネル接合磁気抵抗効果素子は、薄膜を数〜数十層重ねて作成される。この多層膜を作成するため、複数の処理室を一台の搬送室に接続したマルチチャンバ(クラスタ)型の装置が使用されている(特開2002−167661号公報)。
しかし、マルチチャンバ型の装置でトンネル接合磁気抵抗効果素子を製作した場合、所望の性能が出ない場合があった。また、多層膜を形成する途中で、所定の層間で処理室間の移送を行うとMR比が低下する場合があった。このため、特定の膜に関しては、一つの処理室で連続して成膜を行う必要があるという制約が生じる場合があった。
このように、トンネル接合磁気抵抗効果素子は0.数nm〜数nmの薄膜を含む複数の層を積層して形成され、特にトンネル中間層(絶縁層)や積層フェリ構造中の中間磁性層は、原始数個〜十数個分の薄膜であるため、汚染や他物質との接触による影響が大きい。
また、トンネル接合磁気抵抗効果素子の作成にあたり、特定の膜を連続的に成膜しないとMR比が低下することが知られている(特開2002−167661号公報)。
しかし、トンネル接合磁気抵抗効果素子をマルチチャンバ型の製造装置で製作するときに、排気圧力の高い搬送室において、露出している層へ異物質等が吸着して界面が汚染され、MR比が低下する場合があることは問題としてほとんど意識されていなかった。このため、搬送室が十分な到達圧力になる装置が使用されていなかった。従って、従来では特定の複数の膜を、搬送せずに1つの処理室で連続的に作成する対策がとられていた。
トンネル接合磁気抵抗効果を用いた磁気ヘッドやMRAMなどのデバイスでは6〜15層程度の人工格子多層膜を用いる(総ての層の材料が異なっているとは限らない)。これらの多層膜は同一の装置内で真空を破らず連続的に成膜する必要がある。また生産性を向上させるために通常の装置構成は、搬送室の回りに多層膜作製モジュールが複数個からなる場合が多い。その場合、搬送室で採用されている天板、ドアパルプの真空シールは通常、シングルのオーリングがになっている場合によっては二重オーリングが採用されるが、それはぜいぜい天板のみである。そのため搬送室の到達真空度は通常(装置で成膜を実行中)5〜6×10-6(Pa)程度であり、この真空度では水の分圧が高く、TMR多層膜の界面を充分に清浄に保つことはできない。
例えば従来の真空シールを用いたMRAM用装置では、搬送室の到達圧力は十分なベーキングを実施しても、2×10-6(Pa)程度の真空度を得ることができるが、それ以下、特に10-7(Pa)前半の到達圧力を得ることは極めて難しい。ところがトンネル磁気抵抗効果を用いるMRAM素子の特性を向上させるためには、積層膜の作製過程でモジュール間の基板搬送をおこなう間に基板に付着する不純物を減らすことが必要となり、そのためには搬送室の到達圧力を5×10-7(Pa)程度以下にすることが望ましい。
特開2002−167661号公報 特願平9−263944号公報
基板搬送時にも基板を清浄に保つことが好ましい。このため搬送室の到達圧力を下げることが好ましい。
マルチチャンバタイプの真空装置では、一台の搬送室に複数の処理室が接続されており、その搬送室は真空排気がされているが、従来では5〜6×10-6Pa程度の圧力にされていた。
このため、本発明の発明者等は、所定の膜を成膜した後に、素子が形成される基板を処理室から搬送室を経由して他の処理室に搬送するときに、基板に不純物が付着する、もしくはガス分子が吸着される場合があることに注目している。特に、下地、反強磁性層、ピン層、絶縁層、フリー層の間の界面を清浄にすることはMR比に大きく影響を与える。
しかし、トンネル接合磁気抵抗効果素子を作成する装置の搬送室には、処理室を付ける為のゲートバルブが多数接続されており、排気量を増加させても従来の形態では十分な到達圧力に達しない場合がある。
従来技術として天板取り付け部のシール性を上げるため、二重オーリングとその間の排気手段を有する発明(特願平9−263944)がある。しかし、この手段を適用しただけでは十分な到達圧力に達しないことが確認された。
本発明は、搬送室と多数存在するゲートバルブとの接続部に、二重のオーリングと、そのリング間を排気する排気手段を設けることにより、トンネル接合磁気抵抗効果素子を作成する場合に、搬送室搬送中にも各層間を清浄に保つことができる。
この発明の発明者等は、多層膜構造を有する膜、特にMRAM或いは磁気ヘッド用のTMR膜を作製するプロセスにおいて、搬送室を通過して各モジュールで必要となる成膜を実施するに当たって、膜の界面でのコンタミを極力減少させるために、搬送室の到達圧力として容易に5×10-7(Pa)を達成する方法を見いだした。
多層膜構造を有する膜、特にMRAMや磁気ヘッド用のTMR膜の作製に用いられるクラスター装置においては、搬送室のサイズは直径1000mm程度となりその天板にメタルシールを採用することは極めて難しい。
その第一の理由は搬送室がアルミ製で柔らかくメタルシールにより傷がつきやすい。また仮にメタルシールを採用したとしても、そのために使用されるボルト本数が非常に多く現実的ではない。従って通常オーリングが使用される。またクラスター装置を構成する搬出入室や処理室と搬送室間のドアに対してもシングルオーリングが使用される。
ところがこのようなシングルオーリングを使用した搬送室では、繰り返しベーキングを実施しても放出ガスが多く、目標とする到達真空度を得ることはできない。
本発明の発明者等は、搬送室の天板のシールを二重オーリングにし、オーリング間の密閉空間に真空排気系を接続して真空排気すると共に、搬送室とゲートバルブの間にも二重オーリングを設け、オーリング間の密閉空間に真空排気系を接続し、真空排気できるように構成した。これにより、目標値を達成することができた。
特に注意すべきことは、搬送室に接続されるモジュール数が増えるほど(それはMRAMの例を取れば多層構造が複雑になるほど)ゲートバルブの数は増えることになり、それに起因する放出ガスが増加するために、搬送室の到達真空度に与える影響は大きい。従って、ゲートバルブの影響を抑えることが重要になる。
本発明は上記知見に基づいて創作されたものであり、真空排気可能な搬送槽と、前記搬送槽の外壁面に配置された一乃至複数個のゲートバルブと、前記ゲートバルブに接続された処理室とを有し、前記搬送槽内に配置された搬送装置によって処理対象物を前記処理室間で移動可能に構成された真空処理装置であって、前記ゲートバルブと前記搬送槽との間には同心状の第一の二重オーリングが配置され、前記第一の二重オーリングで囲まれた第一の密閉空間には真空排気装置が接続され、前記第一の密閉空間を真空排気可能に構成された真空処理装置である。
また、本発明は、前記搬送槽は、容器部と、前記容器部の開口を閉塞する蓋部とを有し、前記容器部には前記第一の密閉空間に接続された第一の排気通路が形成され、前記第一の密閉空間は前記第一の排気通路を介して真空排気されるように構成された真空処理装置である。
また、本発明は、前記容器部と前記蓋部の間には第二の二重オーリングが配置され、前記第二の二重オーリングで囲われた第二の密閉空間には真空排気装置が接続され、前記第二の密閉空間は真空排気されるように構成された真空処理装置である。第一の密閉空間と第二の密閉空間は、同じ真空排気装置に接続しても良いし、異なる真空排気装置に接続しても良い。
また、本発明は、前記容器部には第二の排気通路が形成され、前記第二の密閉空間は前記第二の排気通路を介して真空排気されるように構成された真空処理装置である。
また、本発明は、前記搬送室は5×10-7Pa以下に排気される真空処理装置である。
また、本発明は、搬送室と複数の処理室を備えた製造装置を使用してトンネル接合磁気抵抗効果素子を製造する方法であって、第一の処理室で基板に成膜を行うステップと、前記基板を、前記搬送室を経由して第二の処理室に搬送するステップと、前記第二の処理室で前記基板に成膜するステップと、を含み、前記基板の搬送中に前記搬送室は5×10-7Pa以下に排気される、トンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法である。
また、本発明は、前記搬送室と前記処理室の間のゲートバルブ取り付け部において、前記搬送室と外雰囲気とをシールする二重のオーリングと、前記二重のオーリングの間を排気するリング間排気手段とを備え、前記搬送室が5×10-7Pa以下に排気される時に、前記リング間排気手段で前記オーリングの間を排気するトンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法である。
搬送室のゲートバルブ取り付け部および天板に二重オーリングを設け、二重オーリングの間の密閉空間に排気手段を接続することで、到達圧力を下げることができる。このため、マルチチャンバを使用して、複数の処理室でトンネル接合磁気抵抗効果素子の多層膜を形成する場合にも、搬送室での汚染を低減することができる。これにより、MR比の大きいトンネル接合磁気抵抗効果素子を作成することができる。
搬送によるMR比の低下を抑制することにより、一つの処理室で連続して成膜しなければならない膜の制約を低減することができる。このため、処理室に設置
される複数の成膜手段を効率よく配置できる。具体的には、複数の膜の中に同じ種類の膜がある場合、重複して同じ成膜手段を個々の処理室に設置することを避けることができる場合がある。例えば、複数あるCoFe層の成膜手段を設置する処理室を減らせることができる。
また、一つの処理室に設置する成膜手段の数を少なくする事ができる場合がある。具体的には従来では5層を連続的に一つの処理室で成膜する制約があった場合、一つの処理室に多くの成膜手段を設置することは装置が煩雑になったが、本発明では適当な数の成膜手段を有する処理室に分けることができる。
さらに、従来では、一つの処理室での成膜種類が多いため、広い成膜条件に対応した処理室が必要になる場合があったが、近い条件の成膜手段毎に処理室を分割すれば個々の処理室の対応条件が狭くなり重複設備を防止できる。
図1の符号10は本発明の真空処理装置の一例であり、搬送室(コア室)11を有している。搬送室11の周囲には、搬出入室20と複数の処理室21〜25が配置されている。搬送室11とその周囲の各室20〜25の間にはゲートバルブ30〜35が配置されており、後述するように、ゲートバルブ30〜35を介して搬送室11とその周囲の各室20〜25とがそれぞれ接続されている。
図2は、真空処理装置10の内部構造を説明するための図面であり、搬送室11と、搬出入室20と、1台の処理室23の内部が示されている。この図2は、図1のI−I線切断面図に相当する。
各ゲートバルブ30〜35は、弁箱と、各弁箱内に配置された弁体とを有している。図2の符号301、331は、搬出入室20と搬送室11の間に位置するゲートバルブ30の弁箱と、処理室23と搬送室11の間に位置するゲートバルブ33の弁箱を示している。
それと同様に、他の処理室21、22、24、25と搬送室11の間に位置するゲートバルブ31、32、34、35も弁箱を有している。全てのゲートバルブ30〜35の構造は同じである。
搬送室11は搬送槽110を有しており、搬送槽110内には搬送装置12が配置されている。
搬送槽110は、上部に開口113を有する容器部111と、該容器部111の上に配置された天板112とを有している。容器部111と天板112はアルミニウム製である。
搬送槽110と各ゲートバルブ30〜35の間には同心状の二本のオーリングから成る第一の二重オーリングが配置されており、搬送槽110の容器部111と各ゲートバルブ30〜35の弁箱の間は、第一の二重オーリング115b、116bによって密着されている。
図2の符号Bは、第一の二重オーリング115b、116bが配置された領域の一部であり、図4はその拡大図である。また、図5(b)は、その第一の二重オーリング115b、116bの配置状態を説明するための図面である。
以下、図2に示したゲートバルブ33と密着された第一の二重オーリング115b、116bを説明し、他のゲートバルブ30〜32、34、35と密着された第一の二重オーリングの説明は省略する。また、このゲートバルブ33に関する説明は、他のゲートバルブ30〜32、34、35についても同じである。
図2、図4、図5(b)の符号115bは、第一の二重オーリングのうちの内側のオーリングを示しており、符号116bは外側のオーリングを示している。
搬送槽110の容器部111と、ゲートバルブ33の弁箱331には、処理対象物が通過する貫通孔114b、334bがそれぞれ形成されている。この貫通孔114b、334bは、連通する位置に配置されており、搬送槽110又は弁箱331のいずれか一方に位置する処理対象物が、二個の貫通孔114b、334bを通って他方に移動できるように構成されている。
同心状の二本のオーリング115b、116bは、貫通孔114b、334bの外側に配置され、貫通孔114b、334bを取り囲んでいる。従って貫通孔114b、334bは内側のオーリング115bの内側に位置している。
弁箱331内には弁体332が配置されている。弁箱331の壁面の搬送槽110側の位置に弁座が設けられており(弁座は不図示である)、弁体332が弁座に着座した状態では貫通孔114b、334bが形成する通路は閉鎖され、搬送槽110内の雰囲気と処理室23内の雰囲気とは分離されるように構成されている。
他方、弁座332が着座位置から退避位置に移動したときには、処理室23内の雰囲気と搬送室11内の雰囲気とが接続され、貫通孔114b、334bを通って処理対象物が移動できるように構成されている。
図2、図4は着座した状態である。なお、図2の符号302も弁体であり、搬出入室20内の空間と搬送室11内の空間とを分離している。
二重オーリング115b、116bのうちの外側のオーリング116bは、内側のオーリング115bの外側に所定間隔を開けて離間して配置されている。二本のオーリング115b、116bは、搬送槽110の容器部111とゲートバルブ33の弁箱331の両方に密着されており、従って、内側と外側のオーリング115b、116bと搬送槽110の容器部111と、ゲートバルブ33の弁箱331とで囲まれた空間は、搬送槽110の内部雰囲気や搬送槽110外部の大気雰囲気とは遮断されている。符号80bは、その空間から成る第一の密閉空間を示している。
次に、搬送槽110の上部を説明すると、容器部111の上端と天板112の間には、同心状の二本のオーリングから成る第二の二重オーリング115g、116gが配置されている。
この第二の二重オーリング115g、116gは、両方とも開口113の外側に配置され、開口113を取り囲んでいる。従って、上記の場合と同様に、開口113は内側のオーリング115gの内側に位置している。
図2の符号Aは、第二の二重オーリング115g、116gが配置された領域の一部であり、図3はその拡大図であり、図5(a)は、第二の二重オーリング115g、116gの配置状態を説明するための図面である。
この図3、図5(a)を参照し、内側のオーリング115gと外側のオーリング116gとは所定間隔を開けて離間して配置されており、各オーリング115g、116gは、搬送槽110の容器部111と天板112の両方に対して全周に亘って密着されており、従って、内側と外側のオーリング115g、116gと搬送槽110の容器部111及び天板112とで囲まれた空間は、搬送槽110の内部空間や搬送槽110外部の大気雰囲気とは遮断されている。符号80gは、その空間から成る第二の密閉空間を示している。
容器部111の各ゲートバルブ30〜35が接続された付近には、内部に第一の排気通路が形成されている。図4の符号337は、上記処理装置23に接続されたゲートバルブ331付近の第一の排気通路を示している。
また、容器部111の内部の天井付近の位置には、図3に示すように、第二の排気通路117が形成されている。
第一、第二の排気通路337、117の一端は第一、第二の密閉空間80b、80gに接続されており、他端は排気管338、118にそれぞれ接続されている。図4と図3の符号81b、81gは、排気通路337、117と第一、第二の密閉空間80b、80gの接続部分であり、排気通路337、117と第一、第二の密閉空間80b、80gの接続部分であり、第一、第二の密閉空間80b、80g内に形成された開口を示している。
排気管338、118は真空排気装置339、119にそれぞれ接続されており、該真空排気装置339、119を起動すると第一、第二の密閉空間80b、80gの内部雰囲気が真空排気されるように構成されている。
搬送槽110には、不図示の真空排気装置が接続されており、搬送槽110の内部は真空排気され、真空雰囲気に置かれている。
第一、第二の密閉空間80b、80gは、外側のオーリング116gによって搬送槽110外部の大気雰囲気から遮断され、内側のオーリング115b、115gによって搬送槽110内部の真空雰囲気から分離されているが、オーリング116b、116gと容器部111や弁箱331等の密着部分には僅かながらリークがあるため、第一、第二の密閉空間80b、80g内に気体が存すると、圧力差によってその気体は搬送槽110の内部に浸入してしまう。
そこで本発明では、第一、第二の密閉空間80b、80g内を真空排気し、第一、第二の密閉空間80b、80g内を搬送槽110の内部圧力と同じか、それ以下の圧力にしている。
真空排気装置339、119は、少なくとも真空装置10を用いて真空処理を開始する前に動作させ、第一、第二の密閉空間80b、80g内を真空排気している。
特に高真空雰囲気が求められる場合は、搬送室11を通して処理対象物を移動させる際に、真空排気装置339、119を動作させ、第一、第二の密閉空間80b、80g内を真空排気するとよい。実際には、処理対象物の処理開始前に第一、第二の密閉空間80b、80gの真空排気を開始し、処理中は真空排気を継続して行うと良い。
なお、上記例では、第一の緩衝通路80bに接続された排気通路117は容器部111に形成されていたが、弁箱331に形成してもよい。
また、上記例では第二の緩衝通路80gに接続された排気通路117は容器部111に形成されていたが、搬送槽110の天板112に形成してもよい。
また、上記実施例では、搬送室11周囲の他の各室20〜22、24、25とゲートバルブ30〜32、34、35の間にも、同心状の二本のオーリングから成る第一の二重のオーリングが配置されており、処理対象物の通路は、その第一の二重のオーリングで取り囲まれている。
図2の符号205、206は、搬出入室20の真空槽201と、ゲートバルブ30の弁箱301との間に配置された第三の二重オーリングを示しており、同図符号235、236は処理室23の処理槽23とゲートバルブ33の弁箱331の間に配置された第三の二重オーリングを示している。
これら第三の二重オーリング205、206、235、236で挟まれた空間も真空排気しても良い。
次に、上記実施例の搬送室11の到達圧力と、真空シールが異なる従来技術の真空処理装置の搬送室11の到達圧力を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2006124792
比較例1はシングルオーリングだけを用いた搬送室11の(典型的な)到達真空度が示されている。比較例2では搬送室11の天板112のみが二重オーリングであるが、処理室20〜25との間についてはシングルオーリングである。
これらの比較において、到達圧力は当然、搬送室のサイズ(体積)、取り付けられているポンプの排気速度、搬送室に接続されているモジュール数などにも依存するものと考えられる。そこでこのような直接比較の際に考察しなければならない因子についても表1には列記してあるが、このような違いを考慮しても、天板やゲートバルブに対して第一、第二の二重オーリングを設け、二重オーリング間の密閉空間を真空排気することが、到達圧力を得るために重要な要素であることは明らかである。
またこのような搬送室の到達真空度の向上によりTMR多層膜のMR比は40%から45%にまで向上させることができた。またGMR膜についても、このような真空特性を有する搬送室にすることにより、従来の8〜9%のMR比を11%程度にまで向上させることができ、ゲートバルブの二重オーリング化とそれに挟まれた密閉空間を真空排気することは、膜質向上への効果は明らかである。
上記真空処理装置10でトンネル接合磁気抵抗効果素子を形成する場合、その基板は搬出入室20から、搬送装置12により搬送室11内に移動され、第一の処理室21に搬入され、クリーニングが行われる。
次いで、第一の処理室21から第二の処理室22に移動され、所定数の層が成膜される。その後、他の処理室23〜25に順次搬入され、更なる成膜や絶縁膜の酸化処理等が行われる。さらに、他の処理室で保護膜の形成等がされる場合がある。
この間、搬送室1内は5×10-7Pa未満の圧力に維持されている。
トンネル磁気抵抗効果素子は、MRAM、TMRヘッド、GMRヘッドに使用されるものであり、上記真空処理装置10で形成される多層膜の例はAl配線+Ta+NiFe+PtMn+CoFe+(Al酸化)NiFe+Ta+Al配線の積層膜がある。また、Al配線+Ta+NiFe+PtMn+CoFe+Ru+CoFe+(Al酸化)+CoFe+Ta+Al配線の積層膜がある。
Alの酸化工程(AlOは絶縁層)は別チャンバで行うため、Al成膜までを一つの処理室で成膜し、酸化を酸化チャンバで行った後、後の層を他の処理室で成膜する場合がある。
積層フェリ構造を有するトンネル磁気抵抗効果素子を作成する場合などは、膜の数が多くなる(十数〜数十層)。この場合、酸化の前後を1つの処理層では成膜するには成膜数が多く、装置が煩雑もしくは大きくなる。また、複数の処理室に分割した方が処理速度が速くなり、効率があがる。このため、適当な成膜数を成膜するように処理室を分けている。
このとき、搬送室の5×10-7Pa以下に圧力を下げることにより層表面の汚染を防止し、MR比を上げる事ができる。
従来の通り搬送室が5×10-6Paで作成したトンネル磁気抵抗効果素子のMR比が8〜9%であったのに対し、1.3×10-7Paでは、11%まで向上した
MR比の向上は5×10-7Paから確認できた。このため、搬送室の圧力はできるだけ低いことが好ましいが、最低でも5×10-7Pa以下にすることが好ましい。
また、従来、PtMn/CoFeの間で搬送するとMR比が低下するため、例えば(Ta+NiFe+PtMn+CoFe+Ru+CoFe)を形成するために(Ta+NiFe+PtMn+CoFe)+(Ru+CoFe)と処理室を分ける場合があった(2002−167661)。この場合、2つの処理室にCoFeの成膜手段が必要となる。
本発明のように、搬送室11の圧力を下げることにより、搬送による影響を低減すれば、(Ta+NiFe+PtMn)+(CoFe+Ru+CoFe)と分割することが可能となる場合があり、CoFeの成膜手段は一つでよくなる場合がある。
なお、処理室の数は上記の例に限定されない。また、トンネル磁気抵抗効果素子の膜の種類や数も上記の例に限定されず、多層膜のトンネル磁気抵抗効果素子に適用可能である。
産業上の利用分野
この発明は搬送室のまわりに複数の処理室を持つ装置において、基板上に真空を破ることなく多層膜を作製する場合で、且つその多層膜のMR特性を向上させるために多層膜の界面をできるだけ清浄な雰囲気に保つ必要のある場合に用いられる。
特に巨大磁気抵抗効果を用いたデバイス、例えばトンネル接合磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetro-Resistive)効果を用いた磁気ヘッドやMRAM(Magnetic Random Access Memory)など電子・半導体デバイス製造プロセスに用いられる。
本発明の真空処理装置の一例 その内部構造を説明するための断面図 天板と容器部との密着部分Aの拡大図 容器部とゲートバルブの密着部分Bの拡大図 (a):天板と容器部の間の二重オーリングの配置状態を説明するための図面 (b):容器部と弁箱の間の二重オーリングの配置状態を説明するための図面
符号の説明
10……真空処理装置
12……搬送装置
20……搬出入室
21〜25……処理室
30〜35……ゲートバルブ
80b……第一の密閉空間
80g……第二の密閉空間
110……搬送槽
115b、116b……第一の二重オーリング
115g、116g……第二の二重オーリング

Claims (7)

  1. 真空排気可能な搬送槽と、
    前記搬送槽の外壁面に配置された一乃至複数個のゲートバルブと、
    前記ゲートバルブに接続された処理室とを有し、
    前記搬送槽内に配置された搬送装置によって処理対象物を前記処理室間で移動可能に構成された真空処理装置であって、
    前記ゲートバルブと前記搬送槽との間には同心状の第一の二重オーリングが配置され、
    前記第一の二重オーリングで囲まれた第一の密閉空間には真空排気装置が接続され、前記第一の密閉空間を真空排気可能に構成された真空処理装置。
  2. 前記搬送槽は、容器部と、前記容器部の開口を閉塞する蓋部とを有し、
    前記容器部には前記第一の密閉空間に接続された第一の排気通路が形成され、
    前記第一の密閉空間は前記第一の排気通路を介して真空排気されるように構成された請求項1記載の真空処理装置。
  3. 前記容器部と前記蓋部の間には第二の二重オーリングが配置され、
    前記第二の二重オーリングで囲われた第二の密閉空間には真空排気装置が接続され、前記第二の密閉空間は真空排気されるように構成された請求項2記載の真空処理装置。
  4. 前記容器部には第二の排気通路が形成され、前記第二の密閉空間は前記第二の排気通路を介して真空排気されるように構成された請求項3記載の真空処理装置。
  5. 前記搬送室は5×10-7Pa以下に排気される、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の真空処理装置。
  6. 搬送室と複数の処理室を備えた製造装置を使用してトンネル接合磁気抵抗効果素子を製造する方法であって、第一の処理室で基板に成膜を行うステップと、前記基板を、前記搬送室を経由して第二の処理室に搬送するステップと、前記第二の処理室で前記基板に成膜するステップと、を含み、前記基板の搬送中に前記搬送室は5×10-7Pa以下に排気される、トンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法。
  7. 前記搬送室と前記処理室の間のゲートバルブ取り付け部において、前記搬送室と外雰囲気とをシールする二重のオーリングと、前記二重のオーリングの間を排気するリング間排気手段とを備え、前記搬送室が5×10-7Pa以下に排気される時に、前記リング間排気手段で前記オーリングの間を排気する、請求項6に記載のトンネル接合磁気抵抗効果素子の製造方法。
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