JP2006124603A - ポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィラーを添加することなく、寸法安定性に優れ、充分な機械的強度を有する成形品を得ることができるポリプロピレン樹脂組成物、およびその成形品を提供する。
【解決手段】 結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )とエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )とから構成され、(A2 )成分のエチレン含有量が60質量%以上80質量%未満であり、135℃、テトラリン中での(A2 )成分の固有粘度が1.0dl/g以上3.0dl/g未満であり、(A2 )成分の含有量が(A)成分中20質量%以上85質量%未満であるポリプロピレン(A)と、自由端長鎖分岐を有し、135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度が0.8〜4.0dl/gであり、枝分かれ指数が0.0001以上1.0未満であり、歪硬化性伸長粘度を有するポリプロピレン(B)とを含有するポリプロピレン樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品に関し、特に自動車内装部品等に好適なポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品に関する。
ポリプロピレン樹脂組成物は、安価であり、軽量であり、優れた機械的強度、成形性等を発揮するため、多くの成形品に用いられている。例えば、自動車においては、バンパー、ロッカーモール、サイドモール、オーバーフェンダー等の外装部品;インスツルメントパネル、グローブボックス、ドアライナー、ピラー等の内装部品等に用いられている。
ところが、ポリプロピレンは、高い結晶性を有していることから、温度に対する寸法変化(線膨張係数)が非常に大きい。このため、ポリプロピレン樹脂組成物を用いた部品、特に、バンパー、インストルメントパネル等の大型部品においては、部品の合わせ目に隙間が生じたり、部品組み付け時の建て付け性が悪化するなどの問題が生じていた。
上記問題点を解決するため、アスペクト比の大きいフィラーを多量に添加することにより、ポリプロピレン樹脂組成物の線膨張係数を低下させ、寸法安定性を向上させることが行われている。例えば、フィラーとしてワラストナイトが添加された低線膨脹ポリオレフィン系複合樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この樹脂組成物は、ワラストナイトを多量に(5.0質量%以上)添加しなければ目的の線膨張率を達成することはできない。したがって、成形品の質量の増加を招くことになる。
また、射出成形時の成形加工性が良好で、曲げ弾性率、低温耐衝撃性、線膨張特性等の物性に優れるポリプロピレン樹脂組成物として、特定の構造を有するプロピレン・エチレンランダム共重合体を26質量%以上含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体とタルクとを組み合わせたポリプロピレン樹脂組成物が開示されている(特許文献2)。しかしながら、このポリプロピレン樹脂組成物は、ノンフィラーの場合、またはタルク量の少ない場合では、線膨張係数の低下は充分ではなく、低線膨張特性を充分に発揮させるためには20質量%以上のタルクの充填が必要であり、結果的に成形品の質量の増加を招くことになる。
したがって、フィラーを添加することなく、または少量のフィラーの添加によって、多量のフィラーを添加した場合と同等の寸法安定性(低線膨張係数)を有するポリプロピレン樹脂組成物の開発が望まれていた。
特開2001−220472号公報 特開2002−97337号公報
よって、本発明の目的は、フィラーを添加することなく、寸法安定性に優れ、充分な機械的強度を有する成形品を得ることができるポリプロピレン樹脂組成物、および軽量で、寸法安定性に優れ、充分な機械的強度を有する成形品を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の固有粘度およびエチレン含有量を有するエチレン−α−オレフィン共重合体成分を含有するポリプロピレン(A)および自由端長鎖分岐を有する特定のポリプロピレン(B)を用いることにより、ポリプロピレン樹脂組成物の−30〜100℃の線膨張係数が極端に小さくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、下記要件(i)〜(iv)を満足するポリプロピレン(A)と、下記要件(v)〜(viii)を満足するポリプロピレン(B)とを含有し、−30〜100℃の線膨張係数(JIS K 7197)が、9.0×10-5-1以下であることを特徴とするものである。
[ポリプロピレン(A)]
(i)結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )と、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )とから構成され、
(ii)エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )のエチレン含有量が、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )(100質量%)中、60質量%以上、80質量%未満であり、
(iii)135℃、テトラリン中でのエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の固有粘度が、1.0dl/g以上、3.0dl/g未満であり、
(iv)エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が、ポリプロピレン(A)(100質量%)中、20質量%以上、85質量%未満である。
[ポリプロピレン(B)]
(v)自由端長鎖分岐を有し、
(vi)135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度が、0.8〜4.0dl/gであり、
(vii)枝分かれ指数が、0.0001以上1.0未満であり、
(viii)歪硬化性伸長粘度を有する。
ここで、前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物(100質量%)中、10〜80質量%であることが望ましい。
前記ポリプロピレン(B)の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物(100質量%)中、3.0〜80質量%であることが望ましい。
前記ポリプロピレン(A)とポリプロピレン成分(B)との質量比(ポリプロピレン(A)/ポリプロピレン成分(B))は、97/3〜50/50であることが望ましい。
前記ポリプロピレン(B)は、アイソタクティックホモポリプロピレンであることが望ましい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )におけるα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、および1−オクテンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、四酸化ルテニウムに浸したときに染色される染色部分のうち、アスペクト比が4.0以上である染色部分の体積分率が、ポリプロピレン樹脂組成物(100体積%)中、20〜80体積%であることが望ましい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、前記ポリプロピレン樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤を0.01質量部以上、5.0質量部未満添加してもよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、−30〜100℃の線膨張係数(JIS K 7197)が、9.0×10-5-1以下であることが望ましい。
そして、本発明の成形品は、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなるものである。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物によれば、フィラーを添加することなく、寸法安定性に優れ、充分な機械的強度を有する成形品を得ることができる。
本発明の成形品は、軽量で、寸法安定性に優れ、充分な機械的強度を有する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<ポリプロピレン(A)>
ポリプロピレン(A)は、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )と、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )とから構成されるものであり(要件(i))、ヘテロファジックポリプロピレンとも呼ばれる。ポリプロピレン(A)は、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )とエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )とが化学的に結合したものであってもよく、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )とエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )との単なるブレンド物であってもよい。また、ポリプロピレン(A)は、2種類以上を併用してもよい。
(結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 ))
結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )とは、立体規則性の高いホモポリプロピレンであり、DSC(示差走査熱量測定法)で昇温速度10℃/分で測定したときに、融点ピークが観測されるホモポリプロピレンである。
結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )のメルトフローレート(以下、MFRと記す)(230℃、21.6N)は、0.1〜3000g/10分が好ましく、1.0〜100g/分がより好ましい。MFRがこの範囲にあることにより、後述のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )または、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )および他のエラストマー(C)部分に由来するエラストマー部分のアスペクト比が大きくなりやすい。これにより低線膨張特性が充分に発現される。
(エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 ))
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )は、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られるオレフィン系エラストマーの一種である。
α−オレフィンとしては、炭素数3以上のα−オレフィンであればよく、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )のエチレン含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )(100質量%)中、60質量%以上、80質量%未満であり(要件(ii))、70質量%以上、80質量%未満が好ましい。エチレン含有量がこの範囲にあることにより、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )のエチレン結晶成分に起因する低線膨張特性および耐衝撃性が発現される。エチレン含有量が60質量%未満では、低線膨張特性が充分ではなく、エチレン含有量が80質量%以上では、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )との相溶性が悪くなるため、ポリプロピレン樹脂組成物の機械的強度、とりわけ衝撃強度が不充分となる。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )は、135℃、テトラリン中での固有粘度が、1.0dl/g以上、3.0dl/g未満であり(要件(iii))、1.5dl/g以上、2.7dl/g未満が好ましい。固有粘度がこの範囲にあることにより、射出成形時に、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の流動方向への配向が最も効果的に起こり、後述のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )に由来するエラストマー部分のアスペクト比を大きくすることができる。これにより低線膨張特性が充分に発現される。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量は、ポリプロピレン(A)(100質量%)中、20質量%以上、85質量%未満であり(要件(iv))、25質量%以上、70質量%未満が好ましく、35質量%以上、60質量%未満がより好ましい。ポリプロピレン(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が、この範囲にあることにより、低線膨張特性の発現に必要充分な量のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )を、ポリプロピレン樹脂組成物中に存在させることができる。また、ポリプロピレン(A)をリアクターで製造する際、ファウリング等の製造上の不具合を起こすことなく製造できる。
(ポリプロピレン(A)の製造方法)
ポリプロピレン(A)の製造方法は、上記要件を満足するようにポリプロピレン(A)を製造できる方法であれば、特に限定されない。ポリプロピレン(A)の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)1種類以上の結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )と1種類以上のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )とをブレンドし、溶融混練する方法。
(2)2器以上の反応器を備えた多段のリアクターを用い、1段目またはそれ以降のリアクターにて結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )を製造し、引き続き、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )を製造したリアクターよりも後段のリアクターにてエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )を製造する方法。
コスト、性能面では、(2)の方法が好ましい。
(2)の方法による具体的な製造方法を以下に示す。
重合により得られたポリマー成分を、直ちに次の反応器に送る移送装置を有する3段の気相リアクターを用いる。まず、第1段目の反応器にてプロピレンガス、予重合した触媒、および水素(分子量調整の目的で使用)を連続で、かつ定速で供給し、プロピレンを重合させることによって結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )を製造する。水素、およびプロピレンガスは、反応器内の濃度が一定になるように、連続的に分析され、供給される。
第1段目の反応器にて製造された結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )および未反応ポリプロピレンを、一定流量の水素、プロピレンガスとともに第2段目の反応器に導入する。こうして、さらに結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )が製造される。第2段目の反応器にて製造される結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )は、第1段目の反応器にて製造される結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )と同じMFRを有するものであってもよいし、異なるMFRのものであってもよい。
一定流量で未反応モノマーをパージした後、2段目の反応器にて製造された結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )を放出し、一定流量のガス状のエチレン、α−オレフィン(例えば、1−ブテン)および水素とともに第3段目の反応器に導入する。このようにしてエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )が製造される。
第3段目の反応器に存在するポリマー粒子は、反応性モノマーおよび揮発分を取り除くために、スチームで処理される。こうしてポリプロピレン(A)が製造される。
この連続多段重合における各重合温度、分子量制御剤等の各条件を適宜変更することで、各種の目的のポリプロピレン(A)が得られる。
触媒としては、立体規則性の高いホモポリプロピレン、すなわち結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )を容易に得ることができることから、チーグラー・ナッタ触媒が好ましい。チーグラー・ナッタ触媒は、具体的には、ハロゲン含有マグネシウム化合物、チタン化合物、および多価カルボン酸エステル等の電子供与性化合物を接触させることにより得られるチタン・マグネシウム・ハロゲン・電子供与性化合物を含む固体状チタン触媒成分と、有機金属化合物と、さらに必要に応じて電子供与性化合物とから形成される触媒である。
<ポリプロピレン(B)>
ポリプロピレン(B)は、自由端長鎖分岐を有するポリプロピレンである(要件(v))。「自由端長鎖分岐を有するポリプロピレン」とは、繰り返し単位がプロピレン単位であり、自由端長鎖分岐を有するポリプロピレンを意味する。また、「自由端長鎖分岐」とは、(1)2単位以上のプロピレン単位からなり、(2)主鎖のポリプロピレンから分岐したポリマー鎖、または、該ポリマー鎖からさらに分岐したポリマー鎖であって、(3)分岐したポリマー鎖の末端は他のポリマー鎖と結合していない(架橋していない)ものを意味する。
ポリプロピレン(B)の、135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度[IV]は、0.8〜4.0dl/gであり(要件(vi))、0.8dl/g以上、2.5dl/g未満が好ましく、1.0dl/g以上、3.0dl/g未満がより好ましい。ポリプロピレン(B)の固有粘度[IV]が0.8dl/g以上であることにより、後述する歪硬化伸張粘度を最も効果的に発現させることができ、また、ポリプロピレン(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の流動方向への配向にも効果的である。したがって、ポリプロピレン樹脂組成物の低線膨張化に効果的である。
ポリプロピレン(B)の枝分かれ指数は、0.0001以上1.0未満であり(要件(vii))、0.1以上0.9以下が好ましく、0.2以上0.4未満がより好ましい。ポリプロピレン(B)の枝分かれ指数が1.0未満であることにより、自由端長鎖分岐による絡み合いが効果的に発現し、後述する歪硬化伸張粘度を高く保つことが可能となる。また、この絡み合いの効果は、第一法線応力係数の増加、すなわち弾性的性質を効果的に発現させることになる。これにより、前述のポリプロピレン(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の弾性回復性を効果的に発現させることが可能となり、ポリプロピレン樹脂組成物の分散相を形成するエラストマー部分の熱による膨張を抑える効果に寄与する。したがって、低線膨張特性を効果的に発現させることができる。
ポリプロピレン(B)の「枝分かれ指数」は、特公平7−45551号公報に記載の下記式(1)で定義される。
Figure 2006124603
式(1)中、g’は枝分かれ指数であり、[IV]Brはポリプロピレン(B)の135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度であり、[IV]Lin はポリプロピレン(B)と質量平均分量が実質的に同じである(自由端長鎖分岐を有していない)直鎖状ポリプロピレンの135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度である。
固有粘度は、溶解されるポリマー分子の大きさおよび形に依存することが知られている。したがって、分岐を有するポリマーの固有粘度を、これと実質的に同じ質量平均分子量を有する直鎖状ポリマーの固有粘度と比較するとき、固有粘度は、分岐を有するポリマーのコンフィギュレーションを示す。式(1)のように分岐ポリマーと直鎖ポリマーの固有粘度の比をとった場合は、g’は分岐を有するポリマーの枝分かれ度の尺度となる。分岐が多くなるほど[IV]Brは小さくなる。したがって、g’も小さくなる。
ポリプロピレン(B)は、歪硬化性伸長粘度を有するものである(要件(viii))。以下、歪硬化性伸長粘度の定義および測定方法について説明する。
一定歪速度、一定温度下において伸長粘度(Poise)と時間(秒)の関係をグラフ化する。自由端長鎖分岐のないポリプロピレンは、伸長粘度が時間とともにある距離まで増加し、その後急激に減少していく、すなわち延性破壊またはネッキング破壊するのに対して、自由端長鎖分岐を有するポリプロピレンは、同じ速度、温度で測定した場合、伸長粘度が時間とともに増加し続け、最終的に弾性破壊する。この現象を歪硬化性伸長粘度と定義する。
伸長粘度の測定装置は、特に限定されないが、例えば、伸長粘度計PER−9000(レオメトリックス社製)などを用いることができる。測定温度は、ポリプロピレンの融点以上であることが好ましく、170〜300℃がより好ましく、180〜230℃が特に好ましい。また、歪速度は、同一測定で一定値を保っていれば特に限定されないが、0.00001〜10(秒-1)から選択するのが好ましい。サンプル形状は、測定装置によって決まり、例えば、PER−9000の場合は、長さ30mm、直径5.0mmの円柱状が好ましい。
ポリプロピレン(B)としては、ホモポリプロピレン、またはプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
ホモポリプロピレンとしては、アイソタクティックホモポリプロピレン、シンジオタクティックホモポリプロピレン、アタクティックホモポリプロピレンが挙げられる。
プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−シス−2−ブテン共重合体、プロピレン−トランス−2−ブテン共重合体、プロピレン−1−ペンテン共重合体、プロピレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−3,4−ジメチル−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−3−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ヘプテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−3−メチル−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体などが挙げられる。
上記の中、ポリプロピレン(B)としては、アイソタクティックホモポリプロピレンが最も好ましい。
(ポリプロピレン(B)の製造方法)
ポリプロピレン(B)の製造方法は、上記要件を満足するようにポリプロピレン(B)を製造できる方法であれば、特に限定されない。ポリプロピレン(B)の製造方法としては、例えば、特公平7−45551号公報に記載の方法が挙げられる。具体的には、以下の3工程を有する製造方法である。
(1)チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン触媒を用いたプロピレンの重合によって製造された直鎖状アイソタクティックホモポリプロピレンに、(a)好適な温度、好ましくは40℃未満、より好ましくは25℃において、少なくととも15容量%未満、好ましくは5.0容量%未満、さらに好ましくは1.0容量%未満、最も好ましくは0.004容量%の活性酸素濃度を与え、かつ保持する雰囲気中で、(b)1.0メガラド/分以上1.0×104 メガラド/分未満、好ましくは1.0メガラド/分以上2,000メガラド/分未満、さらに好ましくは1.0メガラド/分以上9.0メガラド/分未満の範囲にある線量率の高エネルギーイオン化放射線を、該直鎖状アイソタクティックホモポリプロピレンの分子鎖切断が起こるのに充分な時間(ただし、ポリプロピレンのゲル化を起こさせるには不充分な時間)照射する工程。
(2)高エネルギーイオン化放射線が照射されたポリプロピレン(以下、照射済みポリプロピレンと記す)を、相当な量の長鎖分岐が生成するのに充分な時間、好ましくは1分間以上1時間未満、さらに好ましくは2分間以上30分間未満、前記(a)の雰囲気に保持する工程。
(3)前記(a)の雰囲気中にある間に、照射済みポリプロピレン中に存在する全ての遊離基を失活させるための工程。
工程(1)において使用される直鎖状アイソタクティックホモポリプロピレンは、135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度が、好ましくは1.0dl/g以上25dl/g未満であり、より好ましくは2.0dl/g以上6.0dl/g未満である。この範囲にあることで、最終生成物である自由端長鎖分岐を有するポリプロピレン(B)の固有粘度を0.8dl/g以上、好ましくは0.8dl/g以上、2.5dl/g未満、より好ましくは1.0dl/g以上、3.0dl/g未満に調整することができる。
工程(1)で使用されるイオン化放射線は、自由端長鎖分岐を有するポリプロピレン(B)を生成するのに充分なエネルギーを照射できるものであればどのようなものであってもよく、最も実際的なものは電子線またはガンマ線である。好ましくは、500〜4,000kVの加速電圧を有する電子線発生装置から照射される電子線である。
工程(3)の遊離基失活工程は、具体的には加熱またはメチルメルカプタン等の遊離基トラップとして働く添加物の添加により行うことができる。ここで、加熱方法としては、照射済みポリプロピレンを約200℃において溶融混練する方法が挙げられる。この加熱により、遊離基のトラップがほぼ完全に行われる。加熱の際には、溶融混練前に、照射済みポリプロピレンを、他のポリマーおよび添加剤、顔料、充填剤等とブレンドして、さらに性能を高めてもよい。別の加熱方法としては、好適な温度、好ましくは80℃以上160℃未満、より好ましくは140℃以上150℃未満の温度範囲において、窒素または不活性ガスの流動床中に、照射済みポリプロピレンを導入し、好適な時間、好ましくは3分間以上15分間未満、より好ましくは10分間の間、滞留させる方法が挙げられる。操作性などの点で、前者の溶融混練による加熱方法が好ましい。
以下、図1に示す製造装置を用いたポリプロピレン(B)の製造方法を説明する。
導管13から窒素ガスを流動床装置10へ導入しつつ、導管11から直鎖状アイソタクティックホモポリプロピレン(以下、直鎖状ポリプロピレンと記す)を流動床装置10へ導入する。これにより、直鎖状ポリプロピレンは、窒素置換され、活性酸素を有しない状態になる。該直鎖状ポリプロピレンは、固体流速調節器16が設けられた固体排出導管15を通って、コンベアベルト供給ホッパー20に送られる。コンベアベルト供給ホッパー20は、蓋付き構造であり、内部が窒素雰囲気を保つような構造になっている。
コンベアベルト供給ホッパー20の底部の固体排出口から、直鎖状ポリプロピレンをコンベアベルト21の上側水平走行部に供給する。コンベアベルト21は、放射線室22中に設けられており、該放射線室22は、コンベアベルト21を完全に密閉し、その内部に窒素雰囲気を作り、かつ保持するように構成されている。
放射線室22に設けられた電子ビーム発生装置25から発生する高エネルギー電子線を、コンベアベルト21上の直鎖状ポリプロピレンに照射する。
コンベアベルト21の排出端から落下する照射済みポリプロピレンは、固体捕集装置28で受け取れ、スターホイール29によって固体捕集装置28から固体移動ライン30を通って気体−固体分離装置31へ送られる。
気体−固体分離装置31の中で分離されたガスは、ガス排出導管33によって排出され、分離された固体は気体−固体分離装置31からスターホイール32によって固体排出ライン34を通ってブローブレンダー36へ送られる。同時に、例えば、ポリプロピレン(A)、後述の他のエラストマー(C)、他の重合体(D)等を、添加剤ホッパー37、バルク供給ホッパー41から、スクリューフィーダー38、42によってライン39、43を通ってブローブレンダー36へ供給してもよい。ブローブレンダー36内で各成分がブレンドされた後、ブレンド物はライン45を通って押出機ホッパー35へ移送され、押出機47で溶融混練される。
<ポリプロピレン樹脂組成物>
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、前記ポリプロピレン(A)と前記ポリプロピレン(B)とを含有するものである。
ポリプロピレン(A)とポリプロピレン(B)との質量比(ポリプロピレン(A)/ポリプロピレン(B))は、97/3〜50/50が好ましく、90/10〜60/40がより好ましい。ポリプロピレン(A)とポリプロピレン(B)との質量比がこの範囲にあることにより、線膨張係数と物性とのバランスを効率よくとることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物(100質量%)中、10〜80質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。ポリプロピレン樹脂組成物中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が10質量%未満では、ポリプロピレン樹脂組成物の低線膨張係数が大きくなるおそれがある。ポリプロピレン樹脂組成物中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が80質量%を超えると、曲げ弾性率が小さくなり、射出成形品として形状を保つことが難しくなる傾向にある。
ポリプロピレン(B)の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物(100質量%)中、3.0〜80質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。ポリプロピレン(B)の含有量が3.0質量%未満では、線膨張係数低下の効果が不充分となる場合がある。ポリプロピレン(B)の含有量が80質量%を超えると、他の成分、例えば、ポリプロピレン(A)または他のエラストマー(C)が少なくなり、衝撃強度が低下するおそれがある。
(他のエラストマー(C))
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、他のエラストマー(C)、他の重合体(D)をさらに含有していてもよい。他のエラストマー(C)としては、オレフィン系エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
オレフィン系エラストマーとしては、オレフィンを主成分とする非晶性弾性共重合体が挙げられ、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン共重合エラストマーまたはこれらと非共役ジエンとの共重合エラストマー等が挙げられる。
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
オレフィン系エラストマーとしては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー、エチレン−1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体エラストマー、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体エラストマー、エチレン−プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体エラストマーなどが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン類と共役ジエン化合物とのブロック共重合体が挙げられる。スチレン類としては、スチレン;α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン;p−メトキシスチレン;ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもブタジエン、イソプレンが好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的に、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレンジブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物等を挙げることができる。
他のエラストマー(C)としては、エチレン−1−オクテン共重合体エラストマーが特に好ましい。1−オクテンの含有量は、エチレン−1−オクテン共重合体エラストマー(100質量%)中、10質量%以上、40質量%未満が好ましく、20質量%以上、30質量%未満がより好ましい。エチレン−1−オクテン共重合体エラストマーのMFR(230℃、21.6N)は、1.0g/10分以上、40g/10分未満が好ましく、5.0g/10分以上、20g/10分がより好ましい。
(他の重合体(D))
他の重合体(D)としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、エチレン単独重合体、α−オレフィン単独重合体、エチレンまたは炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体、これらの混合物等が挙げられる。単独重合体としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−ヘプテン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセン、ポリスチレンが挙げられる。の組み合わせが挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ホモポリプロピレンが好ましい。共重合体のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、スチレン、無水マレイン酸が挙げられる。共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体が好ましい。
混合物としては、結晶性ホモポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体との混合物(いわゆるヘテロファジックポリプロピレン)が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、ナイロン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、石油樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
(結晶核剤)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に、結晶核剤(以下、単に核剤とも記す)を添加してもよい。核剤を添加することにより、ポリプロピレン樹脂組成物の剛性、耐熱性を向上させることができる。また、線膨張係数の低下にも寄与する。
核剤としては、公知の核剤が特に制限されることなく用いられるが、中でも、芳香族リン酸エステル塩、ジベンジリデンソルビトール誘導体、カルボン酸金属塩、ロジン酸部分金属塩が好ましい。
芳香族リン酸エステル塩は、下記式(I)または下記式(II)で表される化合物である。
Figure 2006124603
式中、R1 は、酸素、硫黄または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R2 、R3 は、水素または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2 、R3 は同じものでも異なるものでもよく、R2 同士、R3 同士、またはR2 とR3 とが結合して環を形成していてもよい。Mは1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数である。
Figure 2006124603
式中、R4 はm水素または炭素数1〜10の炭化水素基であり、Mは1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数である。
式(I)で表される化合物の具体例としては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス−(4−t−オクチルフェニル)フォスフェート]、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス−(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、マグネシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−5,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート]、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−m−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、カリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]が挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
式(II)で表される化合物の具体例としては、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−i−プロピルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−t−オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェートが挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
ジベンジリデンソルビトール誘導体は、下記式(III)で表される化合物である。
Figure 2006124603
式中、R5 は、水素または炭素数1〜10の炭化水素基である。
式(III)で表される化合物の具体例としては、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2−4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトールが挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトール、およびこれらの組み合わせが好ましい。
ロジン酸部分金属塩は、下記式(IV)または下記式(V)で表されるロジン酸と、金属化合物との反応生成物である。ロジン酸部分金属塩とは、ロジン酸金属塩と未反応のロジン酸との混合物、または未反応のロジン酸を全く含まないロジン酸金属塩の両方を意味する。
Figure 2006124603
Figure 2006124603
式中、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、シクロアルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一のものであっても異なるものであってもよい。R6 、R7 およびR8 は、アルキル基が好ましく、R6 はイソプロピル基、R7 およびR8 はメチル基がより好ましい。
式(IV)で表される化合物の具体例としては、デヒドロアビエチン酸等が挙げられる。
式(V)で表される化合物の具体例としては、ジヒドロアビエチン酸等が挙げられる。
式(IV)で表される化合物の金属塩としては、下記式(VI)で表される化合物が挙げられ、式(V)で表される化合物の金属塩としては、下記式(VII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006124603
Figure 2006124603
式中、R6 、R7 およびR8 は、式(IV)および式(V)と同様である。M1 は、1〜3価の金属イオンである。金属イオンM1 としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどの1価の金属イオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛などの2価の金属イオン、アルミニウムなどの3価の金属イオンが挙げられる。これらの中でも、1価または2価の金属イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンがより好ましい。nは、金属イオンM1 の価数と同一の整数であり、1〜3である。
核剤として、芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属塩を用いてもよい。具体的には、安息香酸アルミニウム塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、タルク等の無機化合物を核剤として用いてもよい。
核剤の添加量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対して、0.01質量部以上5.0質量部未満が好ましく、0.01質量部以上1.0質量部未満がより好ましく、0.1質量部以上0.5質量部未満が特に好ましい。核剤の添加量が0.01質量部未満では、核剤としての効果が充分ではなく、好ましい剛性、耐熱性を得ることができない。また、線膨張係数の低下効果も充分ではない。核剤の添加量が5.0質量部以上では、耐衝撃性が低下する。
核剤を含有していると、ポリプロピレン樹脂組成物の結晶化速度が向上され、結晶化時に結晶粒子を微細化することができるとともに、より高速で成形することができる。
(他の添加剤)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、これまでに示した各成分に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物等の添加剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等を用いることができる。
他の添加剤の添加量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対して、0.0001質量部以上10質量部未満が好ましい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、上記のような添加剤を含有することによって、得られる成形品の物性バランス、耐久性、塗装性、印刷性、耐傷付き性、成形加工性等が一層向上される。
(ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することによって製造される。その混合方法としては、特に制限はなく、合成樹脂の分野において通常行われている方法を適用すればよい。混合方法としては、通常行われている、ヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンミキサー等の混合機を用いて各成分をドライブレンドする方法;オープンロール、押出混合機、ニーダー、バンバリー等の混合機を用いて各成分を溶融させながら混合する方法が挙げられる。より一層、均一なポリプロピレン樹脂組成物を得るには、これらの混合方法を2種以上併用するとよい。例えば、各成分をあらかじめドライブレンドさせた後、その混合物を溶融混合させる方法が挙げられる。ポリプロピレン樹脂組成物は、後述する成形方法によって成形品を製造するにあたり、ペレタイザーを使用してペレットに加工することが好ましい。
混合は、使用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならない。しかし、高い温度で実施すると樹脂が熱分解や劣化を起こすため、通常は、160℃以上350℃未満(好ましくは、170℃以上260℃未満)で実施される。
(アスペクト比4.0以上のエラストマー部分)
本発明のポリプロピレン組成物が、低線膨張特性を充分に発現するためには、以下の要件を満足することが好ましい。
(1) せん断作用または伸張作用により変形した、アスペクト比が4.0以上のエラストマー部分が存在する。
(2)アスペクト比が4.0以上のエラストマー部分の体積分率が、ポリプロピレン樹脂組成物(100体積%)中、20〜80体積%である。
エラストマー部分は、ポリプロピレン樹脂組成物を四酸化ルテニウムに浸したときに染色される染色部分であり、上述のポリプロピレン(A)中のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )由来する部分、または、他のエラストマー(C)を配合した場合は、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )および他のエラストマー(C)に由来する部分である。これらエラストマー部分(分散質)は、ポリプロピレン(A)中の結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )およびポリプロピレン(B)(分散媒)と相溶することなく、分散媒中に分散し、流動方向に高いアスペクト比で配向した状態で存在する。
染色部分(エラストマー部分)のアスペクト比は以下のようにして求める。
ポリプロピレン樹脂組成物を四酸化ルテニウムに25℃で、24時間浸し、エラストマー部分を染色する。図2のように、透過型電子顕微鏡(TEM)写真の染色部分の最も長い部分に直線を引き、その長さを測定する(a(mm))。この直線に直交するように間隔を開けてn本の直線を引き、その長さを測定し(b(mm))、下記式(2)によりアスペクト比(AR)を算出する。
Figure 2006124603
また、体積分率は以下のようにして求める。
図3に示すように、横L1 ×縦L2 のTEM写真を画像処理によりデジタル化した後、上記の方法により算出したアスペクト比が4.0以上の染色部分xi (i=1〜n)を選択し、その面積Xi の総和(i=1〜n)を面積計算ソフト(例えば、(株)プラネトロン製、Image−Pro)で求める。これを全体の面積(L1 ×L2)で除して面積分率(SR)を下式(3)により算出する。(なお、図3中、yi は、アスペクト比が4.0未満の染色部分である。)
Figure 2006124603
面積分率(SR)と体積分率は近似しているので、面積分率(SR)を体積分率とする。本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、上記の方法により求めた、アスペクト比が4.0以上の染色部分の体積分率が20〜80体積%であり、好ましくは40〜60体積%である。該体積分率が20%未満では、低線膨張特性が充分に発現しないおそれがある。なお、エラストマー部分以外、例えばポリプロピレンの非晶部分も四酸化ルテニウムにて染色されてしまうが、染色された非晶部分は、アスペクト比が4.0以上の染色部分としては観測されないので、アスペクト比が4.0以上の染色部分からはおのずと除外される。
<線膨張係数>
以上説明したような、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、−30〜100℃の線膨張係数(JIS K 7197)を9.0×10-5-1以下、好ましくは8.0×10-5-1以下、好ましくは7.0×10-5-1以下とすることができる。
<成形品>
本発明の成形品は、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を成形したものである。成形方法としては、特に制限されるものではなく、用途に応じて種々の公知の成形方法を適用できる。例えば、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、中空成形法等を適用できる。また、押出成形機を用いてシート状に成形した後、このシートを真空成形法、圧空成形法等の二次加工方法によって所望の形状に成形してもよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、広く多種の成形品に成形することができ、自動車用部品、例えば、バンパー等の外装部品、インストルメントパネル、ドアライナ、ピラー等の内装部品等に特に好適である。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例における各物性測定は以下のように行った。
(1)物性測定用試験片作製:
射出成形機(Fanuc α100C、(株)ファナック製)を用い、試験片金型により測定用試験片を作製した。成形条件を下記に示す。
(成形条件)シリンダー温度:200℃、金型温度:40℃、射出圧力:90MPa、冷却時間:20秒。
(2)メルトフローレート(MFR):
ポリプロプレン樹脂組成物のペレットを用い、JIS K6921−2に準拠して、温度:230℃、荷重値:21.6Nの条件で測定した。
(3)エチレン含有量:
エチレン含有量は、試料の13C−NMR測定を日本電子のINM−GSX400により行い、その統計解析により算出した。ここで、13C−NMR測定の条件は、以下の通りである。
測定モード:プロトンデカップリング法、パルス幅:8.0μs、パルス繰り返し時間:3.0s、積算回数:1000回、測定温度:120℃、内部標準:ヘキサメチルジシロキサン、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/ベンゼン−d6(容量比3/1)、試料濃度:0.1g/ml。
(4)固有粘度[IV]:
ポリプロピレンの固有粘度は、テトラリン中、135℃において毛細管型粘度計を用いて測定した。
(5)枝分かれ指数g’:
毛細管型粘度計を用い、ポリプロピレン(B)の135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度[IV]Brおよびポリプロピレン(B)と質量平均分量が実質的に同じである直鎖状ポリプロピレンの135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度[IV]Lin を測定し、上記式(1)から求めた。
(6)歪硬化性伸長粘度:
伸長粘度計PER−9000(レオメトリックス社製)を用い、測定温度:180℃、歪速度:20、0.5および0.05(秒-1)の条件で、長さ30mm、直径5.0mmの円柱状のサンプルについて伸長粘度を測定した。一定歪速度、一定温度下において伸長粘度(Poise)と時間(秒)の関係をグラフ化し、伸長粘度が時間とともに増加し続け、最終的に弾性破壊した場合(例えば、図4)を歪硬化性伸長粘度「あり」と判定し、伸長粘度が時間とともにある距離まで増加し、その後急激に減少した場合(例えば、図5)を歪硬化性伸長粘度「なし」と判定した。
(7)密度:
幅12.7mm×厚さ4.0mm×長さ60mmの試験片を用い、JIS K7112に準拠して、温度:23℃の条件で、水中置換法により測定した。
(8)曲げ弾性率:
幅12.7mm×厚さ4.0mm×長さ127mmの試験片を用い、JIS K7203に準拠して、温度:23℃、スパン間:60mm、曲げ速度:2.0mm/分の条件で測定した。
(9)アイゾッド衝撃強度:
機械切削にてノッチ加工した、幅12.7mm×厚さ4.0mm×長さ64mmの試験片を用い、JIS K7110に準拠して測定した。測定は、23℃および10℃の雰囲気下について、それぞれ行った。
(10)熱変形温度:
(1)の成形条件にて作製した、幅6.4mm×厚さ12.7mm×長さ127mmの試験片を用い、JIS K7207に準拠して、荷重:0.45MPa、昇温速度:2.0℃/分、スパン間:100mmの条件で測定した。
(11)成形収縮率:
射出成形機(IS150、東芝機械製)を用い、シリンダー温度:210℃、金型温度:40℃、射出時間:3.0秒、冷却時間:20秒の条件で、140×300×3mmの平板状の試験片を作製した。この試験片を23℃、相対湿度50%の恒温・恒湿室内で48時間静置した後に、その長さLを計測し、次式により成形収縮率を求めた。
収縮率(MD)=(300−L)/300×1000
収縮率(TD)=(140−L)/140×1000
ここで、MDは流動方向、TDは流動方向直交する方向を表す。
(12)加熱収縮率:
(11)の成形条件にて作製した試験片を、温度80℃のオーブン内に24時間放置し、さらに温度23℃、相対湿度50%の恒温・恒湿内で24時間放置した後に、(6)と同様に収縮率を求めた。
(13)線膨張係数:
(1)の成形条件にて作製した厚さ3mmの試験片を、樹脂の流動方向(MD)に沿って幅5×長さ15mmの大きさに切り出し、100℃のオーブン内に24時間放置した。この試験片について、Ulvac MTS9000(真空理工製)を用いて、JIS K7197に準拠して、昇温速度:毎分5℃、荷重:5.0g重、測定温度:−30℃〜100℃の条件で、測定を行った。
(14)透過型電子顕微鏡測定:
(1)の成形条件にて作製した厚さ3mmの試験片を−70℃に冷却し、ミクロトームを用いてガラスナイフで粗面出しを行い、続いてファイヤナイフで精密面出しを行った。試験片を四酸化ルテニウム0.5質量%水溶液に室温(25℃)で一昼夜(24時間)浸し、バルク染色を行った。この染色試験片を−100℃に冷却し、ミクロトームを用いてダイヤモンドナイフで超薄切片(厚さ約60nm)を作製した。この超薄切片をコロジオン膜を貼った銅グリッド上に載せ、透過型電子顕微鏡(JEM1200EX、日本電子製)を用い、加速電圧:120kVの条件で測定を行った。
(15)SR値:
(14)で得られた透過型電子顕微鏡写真(面積:L1 ×L2 )を画像処理によりデジタル化した後、アスペクト比が4.0以上の染色部分(エラストマー部分)(n個)を選択し、その面積Xi の総和(i=1〜n)を面積計算ソフト((株)プラネトロン製、Image−Pro)で求め、上記式(3)から面積分率(SR)を算出し、これを体積分率とした。
[製造例1]
ポリプロピレン(A)の製造:
(固体触媒)
固体触媒としては、MgCl2 上に2.5質量%のTiおよび内部ドナーであるジイソブチルフタレートを、欧州特許第674991号明細書に記載の方法で担持させた、高立体規則性のチーグラー・ナッタ触媒を用いた。
(触媒系および予備重合)
固体触媒を、トリエチルアルミニウム(TEAL)とジシクロペンチルメトキシシラン(DCPMS)との混合物に−5℃において5分間接触させた。ここで、TEAL/DCMPS=15wt/wt、TEAL/Ti=65mol/molとした。第1段目の反応器で反応させる前に、ここで得られた触媒系を液化プロピレン中に懸濁させ20℃で20分間保持した。
(重合)
プロピレンの重合は、得られたポリマー成分を直ちに次の反応器に送ることができる装置を有する3段の気相リアクターを用いて実施した。ホモポリプロピレンの製造は、第1段目の反応器に、予備重合した触媒、および水素(分子量調整の目的で使用)とともにプロピレンガスを連続・定速で供給することによって行った。この結果、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 −1)が得られた。水素およびプロピレンガスは、反応器内の濃度が一定になるように連続的に分析し、供給した。
第1段目の反応器で得られたホモポリプロピレンを、未反応モノマーをパージした後に放出し、一定流量のプロピレン、水素(分子量調整の目的で使用)とともに第2段目の反応器に導入し、結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 −2)の製造を行った。
第2段目の反応器で生成したポリマー成分を、一定流量で未反応モノマーをパージした後に放出し、一定流量のガス状のエチレン、プロピレンおよび水素とともに第3段目の反応器に導入し、エチレン−プロピレン共重合体成分(A2 )の製造を行った。第3段目の反応器に存在するポリマー粒子を、反応性モノマーおよび揮発分を取り除くために、スチームで処理した。こうしてポリプロピレン(A−1)を得た。
[製造例2〜10]
ポリプロピレン(A−1)と同様にして、各条件を制御することによってポリプロピレン(A−2)、(A−3)、(A−4)、および、比較用のポリプロピレン(A’−8)、(A’−9)、(A’−10)を製造した。また、第3段目の反応器に導入するプロピレンの代わりに1−ブテンを用い、重合条件を調整することにより、ポリプロピレン(A−5)、(A−6)、(A−7)を製造した。
ポリプロピレン(A−1)〜(A−7)、(A’−8)〜(A’−10)の分析結果を表1に示す。
Figure 2006124603
[製造例11]
ポリプロピレン(B)の製造:
図1に示す製造装置を用いてポリプロピレン(B)の製造を行った。
230℃、21.6NでのMFRが0.2g/10分のフレーク状の直鎖状アイソタクティックホモポリプロピレン(以下、フレーク状ポリプロピレンと記す)100質量部およびフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010(チバガイギー社))0.001質量部を流動床装置10へ導入し、60分間、窒素パージした。このフレーク状ポリプロピレンをコンベアベルト供給ホッパー20中へ落下させ、コンベアベルト供給ホッパー20からコンベアベルト21上にフレーク状ポリプロピレンを堆積させて高さ1.5cm、幅30.5cmのポリプロピレン床を形成させた。このポリプロピレン床を、コンベアベルト21によって、250μAのビーム流で作動する2MeVのファンデグラフ(VandeGraff)発生装置で発生され、かつコンベアベルト21上表面において走査ビーム幅40.6cmを有する電子線中に通過させた。この場合の電子線の線量は8メガラドであった。
電子線照射後、ポリプロピレンをコンベアベルト21の末端からベルト排出物捕集装置28中に落下させ、スターホイール29によって気体−固体分離装置31へ移送した。気体−固体分離装置31にてガスを分離した後、照射済みポリプロピレンをブローブレンダー36へ供給した。
あらかじめドライブレンドしておいた直鎖状アイソタクティックホモポリプロピレン(230℃、21.6NのMFR2.5g/10分)100質量部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010(チバガイギー製))1.1質量部およびステアリン酸カルシウム(耕正製)7.0質量部からなる混合物を、照射済みポリプロピレン100質量部に対して混合物が3.0質量部となるように、添加剤ホッパー37からブローブレンダー36へ供給した。これらの混合物を、押出機ホッパー35へ移送し、235℃の設定温度で溶融混練し、ペレット化した。押出機47としては、シリンダー内径64mmの単軸押出機を用いた。このようにして自由端長鎖分岐を有するポリプロピレン(B−1)を製造した。
[製造例12〜14]
ポリプロピレン(B−1)と同様にして、各条件を制御することによってポリプロピレン(B−2)、(B−3)および比較用のポリプロピレン(B’−4)を製造した。ポリプロピレン(B’−4)の製造の際には、枝分かれ指数を大きく(分岐を少なく)するために、電子線の線量を意図的に少なくした。
ポリプロピレン(B−1)〜(B−3)、(B’−4)の製造条件および分析結果を表2に示す。また、ポリプロピレン(B−1)およびポリプロピレン(B’−4)について伸長粘度を測定し、伸長粘度(Poise)と時間(秒)の関係をグラフ化した。グラフを図4および図5に示す。
Figure 2006124603
[実施例1〜13、比較例1〜6]
(ポリプロピレン樹脂組成物の製造)
他のエラストマー(C)、他の重合体(D)としては、表3に示すものを用いた。
表4に示す配合の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いてドライブレンドし、均一にしたものを、KTX−30二軸押出機(神戸製鋼製)を用い、シリンダー温度:180℃、回転数:350rpm、吐出量:20kg/時間の条件にて混練し、実施例1〜13、比較例1〜6のポリプロピレン樹脂組成物を製造した。
全てのポリプロピレン樹脂組成物には、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対して、イルガノックスB225(チバガイギー製)0.2質量部、ステアリン酸カルシウム(耕正製)0.05質量部を添加した。また、実施例12のポリプロピレン樹脂組成物には、上記添加剤の他に、結晶核剤(ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート(商品名:アデカスタブNA11、旭電化工業製)を、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対して、0.1質量部添加した。また、比較例6に用いたタルクは、ネオライト興産製のネオタルクである。
実施例1〜13、比較例1〜6のポリプロピレン樹脂組成物について各物性を測定した。結果を表5に示す。
また、実施例1のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を図6に、実施例3のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を図7に、実施例10のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を図8に、比較例3のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を図9に示す。
Figure 2006124603
Figure 2006124603
Figure 2006124603
実施例1〜実施例3の結果、およびこれらと比較例5との比較から、本発明におけるポリプロピレン(A)およびポリプロピレン(B)を用いることにより、低線膨張特性が向上していることがわかる。
また、実施例1〜3と比較例1との比較から、枝分かれ指数は線膨張特性に効果があることが示されている。
実施例4〜9の結果と、実施例1の結果との比較から、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が同じであっても、ポリプロピレン(A)とポリプロピレン(B)との質量比(ポリプロピレン(A)/ポリプロピレン(B))が変わることにより、線膨張特性は変化し、ポリプロピレン(A)/ポリプロピレン(B)が小さいほど(ポリプロピレン(B)が多くなるほど)、線膨張係数および収縮率が小さくなることがわかる。
実施例1、および比較例2〜4の結果からは、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量および固有粘度が本発明の範囲から外れると、線膨張係数および(加熱)収縮率が大きくなることがわかる。
実施例1と、実施例10、11との比較からは、ポリプロピレン(B)の一部を他の重合体に置き換えると、線膨張係数および(加熱)収縮率が大きくなり、ポリプロピレン(B)は線膨張係数の低下に影響することがわかる。
実施例1および比較例6の結果から、ポリプロピレン(A)とポリプロピレン(B)とを組み合わせた本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、タルク添加なしでも、タルク添加と同等の線膨張係数を有することがわかる。
透過型電子顕微鏡測定結果から、低線膨張特性を有しているポリプロピレン樹脂組成物(図1、図2、図3)では、エラストマー部分流動方向に高いアスペクト比で配向しており、このようなモルフォロジー形態をとることが低線膨張特性の発現には重要であることがわかる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物を成形して得られる成形品は、軽量で、寸法安定性に優れ、充分な機械的強度を有し、自動車用部品、例えば、バンパー、インストルメントパネル、ドアライナ、ピラー等に好適である。
ポリプロピレン(B)の製造装置の一例を示す概略構成図である。 染色部分(エラストマー部分)のアスペクト比の測定方法を説明するための透過型電子顕微鏡写真の模式図である。 アスペクト比が4.0以上の染色部分(エラストマー部分)の体積分率の求め方を説明するための透過型電子顕微鏡写真の模式図である。 ポリプロピレン(B−1)の伸長粘度(Poise)と時間(秒)の関係を示すグラフである。 ポリプロピレン(B’−4)の伸長粘度(Poise)と時間(秒)の関係を示すグラフである。 実施例1のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を示す透過型電子顕微鏡写真である。 実施例10のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を示す透過型電子顕微鏡写真である。 比較例3のポリプロピレン樹脂組成物の透過型電子顕微鏡測定結果を示す透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. 下記要件(i)〜(iv)を満足するポリプロピレン(A)と、
    下記要件(v)〜(viii)を満足するポリプロピレン(B)とを含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
    [ポリプロピレン(A)]
    (i)結晶性ホモポリプロピレン成分(A1 )と、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )とから構成され、
    (ii)エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )のエチレン含有量が、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )(100質量%)中、60質量%以上、80質量%未満であり、
    (iii)135℃、テトラリン中でのエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の固有粘度が、1.0dl/g以上、3.0dl/g未満であり、
    (iv)エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が、ポリプロピレン(A)(100質量%)中、20質量%以上、85質量%未満である。
    [ポリプロピレン(B)]
    (v)自由端長鎖分岐を有し、
    (vi)135℃、デカヒドロナフタレン中での固有粘度が、0.8〜4.0dl/gであり、
    (vii)枝分かれ指数が、0.0001以上1.0未満であり、
    (viii)歪硬化性伸長粘度を有する。
  2. 前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )の含有量が、ポリプロピレン樹脂組成物(100質量%)中、10〜80質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 前記ポリプロピレン(B)の含有量が、ポリプロピレン樹脂組成物(100質量%)中、3.0〜80質量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 前記ポリプロピレン(A)とポリプロピレン(B)との質量比(ポリプロピレン(A)/ポリプロピレン(B))が、97/3〜50/50であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  5. 前記ポリプロピレン(B)が、アイソタクティックホモポリプロピレンであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  6. 前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2 )におけるα−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、および1−オクテンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  7. ポリプロピレン樹脂組成物を四酸化ルテニウムに浸したときに染色される染色部分のうち、アスペクト比が4.0以上である染色部分の体積分率が、ポリプロピレン樹脂組成物(100体積%)中、20〜80体積%であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし7いずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤を0.01質量部以上、5.0質量部未満添加したことを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
  9. −30〜100℃の線膨張係数(JIS K 7197)が、9.0×10-5-1以下であることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  10. 請求項1ないし9いずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる成形品。
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