JP2006124267A - 二酸化チタンを含む複合粒子及びその用途 - Google Patents

二酸化チタンを含む複合粒子及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 繊維、紙、プラスチック素材への表面塗布、または該素材への練り混み、あるいは塗料組成物への使用において優れた光機能性と耐久性、分散安定性及び親水性を有する光機能性粒子や色素増感型太陽電池の色素電極において良好な電子伝導性を有する粒子、また、その粒子を含有する粉体及びスラリー、それらを用いた重合体組成物、塗工剤、光機能性成形体、光機能性構造体などを提供すること。
【解決手段】 二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子であって、その粉末状態でのTOF−SIMS測定においてTiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出され、かつ、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比が0.10〜1であることを特徴とする複合粒子。
または、リン酸基が二酸化チタン粒子表面において2配位で結合している複合粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光触媒機能、紫外線吸収能及び透明性等の光機能性、親水性、色素増感型太陽電池における電子伝導性、を有する材料に関する。さらに詳しく言えば、光機能性粉体、そのスラリー、それらを用いた重合体組成物、塗工剤、光機能性成形体、光機能性構造体、親水性構造体等、特に繊維や紙やプラスチック表面への塗布、または繊維、プラスチックへの練り混み、あるいは塗料などの形態で使用される用途に関するものである。
従来、二酸化チタンは、その優れた隠蔽力、着色力から白色顔料として幅広く使われている。このような二酸化チタンは、粒径が微細になり超微粒子化すると従来の二酸化チタン顔料と異なる新たな光学特性を発現することが知られており、近年、二酸化チタン微粒子の研究が盛んに行われている。このような光学特性として、例えば、粒子径が可視光の1/2波長程度まで微細化すると二酸化チタン微粒子の散乱効果が極端に小さくなり、可視光は透過するが、二酸化チタン粒子の持つ優れた紫外線吸収効果により、可視光を透過する紫外線吸収剤として注目されている。
一方、二酸化チタン粒子の微細化により表面積が増大し、粒子としてのバルクの影響よりも表面の影響が大きくなり、二酸化チタン粒子の持つ光触媒効果が顕著に現れてくる。二酸化チタンの光触媒メカニズムについては、次のような機構に基づいていると言われている。先ず、二酸化チタン微粒子に光が照射されると、二酸化チタン微粒子内部に発生した電子や正孔が二酸化チタン微粒子表面近傍の水や酸素と反応してヒドロキシラジカルや過酸化水素が発生し、このヒドロキシラジカルと過酸化水素の強力な酸化還元作用により有害な有機物質を炭酸ガスと水に浄化する。こうした二酸化チタン微粒子の光触媒作用は、二酸化チタン微粒子、光、水、酸素が存在する限り半永久的に継続すると言われている。こうした超微粒子二酸化チタンの光機能を利用して、抗菌、消臭、防汚、大気の浄化、水質の浄化等の環境浄化が検討されている。
このような二酸化チタン微粒子の光機能性に注目した応用例としては、二酸化チタン微粒子を取り扱いの容易な繊維やプラスチック成形体などの媒体に練り込んだり、布、紙等の基体の表面に塗布する方法が試みられている。また、表面に塗布することにより、優れた親水性表面を得ることも試みられている。しかしながら、二酸化チタンの強力な光触媒作用によって有害有機物や環境汚染物質だけでなく繊維やプラスチック、紙自身の媒体も分解・劣化され易く、実用上の耐久性への障害になっていた。また、二酸化チタン微粒子の取り扱い易さから、二酸化チタン微粒子とバインダーを混合した塗料が開発されているが、そのような媒体への作用(障害)に克服する耐久性あるバインダーはまだ見出されていない。さらに、二酸化チタンの光機能として優れた親水性を示すためには二酸化チタン微粒子の他にシリカ粒子、シリコーン分子などを含み、かつ光励起することが必要であった。
関連技術として、特許文献1や特許文献2には、二酸化チタン粒子の強い光触媒作用による樹脂媒体の劣化またはバインダーの劣化に対する防止抑制策が開示されており、その手段として二酸化チタン粒子の表面にアルミニウム、珪素,ジルコニウム等の光不活性化合物を立体的障壁のある島状に担持して光触媒作用を抑制する方法が提案されている。しかしながら、この方法では光不活性化合物が島状に担持されているために樹脂媒体やバインダーの特定部位は二酸化チタンの強い光触媒作用を受ける部分が存在してしまう場合がある。
特許文献3には、二酸化チタンの表面に多孔質のリン酸カルシウムを被覆した光触媒性二酸化チタンが提案されているが、この場合被覆膜のリン酸カルシウム層によって光触媒性能が低下する場合がある。
また、特許文献4には、二酸化チタン微粒子の表面の少なくとも一部に多孔質のリン酸カルシウム被覆層が形成され、その界面に陰イオン性界面活性剤が存在する二酸化チタン微粒子粉体が開示されている。
さらに、光触媒活性を有する二酸化チタンを含むスラリーに関しては、特許文献5に、チタニアゾル溶液、チタニアゲル体またはチタニアゾル・ゲル混合体を、密閉容器内で加熱処理すると同時に加圧処理し、ついで超音波により分散させるか又は攪拌して得られたアナターゼ型酸化チタン含有スラリーが開示されている。
また、特許文献6には分散安定性に優れた光触媒塗料が開示され、これには146〜150cm-1の範囲にラマンスペクトルのピークを有し、かつ、アナターゼ型二酸化チタンの占める割合が95質量%以上である酸化チタンとシリカゾルとを溶媒中に含む光触媒塗料が開示されている。
特許文献7には光触媒性半導体材料とシリカあるいはシリコーンからなる光触媒性皮膜を備え、該皮膜の表面が光励起により親水性を呈する基材およびこれを形成する組成物が開示されている。
このようにいくつかの技術が開示されてはいるが、これまで光触媒作用や親水性を示す光機能性材料と、有機系材料とを一緒に用いる場合の耐久性及び分散安定性を同時に満足するような機能性粒子(粉体、スラリーなど)をさらに工業的に有用な方法で提供することが求められていた。
特開平9−225319号公報 特開平9−239277号公報 特開平10−244166号公報 国際公開WO99/33566号公報 特開平11−335121号公報 特開平11−343426号公報 特許第2756474号公報
本発明の目的は、上記従来技術に鑑み、二酸化チタンの機能性を損なうことなく、それと同時に分散安定性に優れる、産業上の利用性を高めることができる機能性粒子、それを含む粉体及びスラリー、及びそれらの用途を提供するものである。
特に本発明の課題は、繊維、紙、プラスチック素材への表面塗布、または該素材への練り混み、あるいは塗料組成物への使用において優れた光機能性と耐久性、分散安定性及び親水性を有する光機能性粒子や色素増感型太陽電池の色素電極において良好な電子伝導性を有する粒子、また、その粒子を含有する粉体及びスラリー、それらを用いた重合体組成物、塗工剤、光機能性成形体、光機能性構造体などを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決するための好ましい実施態様として、以下の複合粒子、この複合粒子を含む粉体、その複合粒子を含む水系スラリー、その粉体あるいは水系スラリーの用途としての塗工剤、光機能性有機重合体組成物、その重合体組成物を用いた塗料、コンパウンド、各種成形体用のマスターバッチ、光成形体、構造体及び親水性構造体を提供する。
〔1〕 二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子であって、リン酸基が二酸化チタン粒子表面において2配位で結合している複合粒子。
〔2〕 二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子であって、その粉末状態でのTOF−SIMS測定においてTiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出され、かつ、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比が0.10〜1であることを特徴とする複合粒子。
〔3〕 二酸化チタンの一次粒子径が0.001〜0.1μmの範囲であることを特徴とする上記〔1〕または〔2〕に記載の複合粒子。
〔4〕 二酸化チタンがアナターゼ、ルチル、ブルッカイトのうち少なくとも一種の結晶形を含む上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の複合粒子。
〔5〕 リン酸化合物が縮合リン酸塩である上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の複合粒子。
〔6〕 縮合リン酸塩が、ピロリン酸、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、メタリン酸塩、ウルトラリン酸塩から選ばれる少なくとも1種である上記〔5〕に記載の複合粒子。
〔7〕 リン酸化合物が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及びAlからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含むものである上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の複合粒子。
〔8〕 上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に複合粒子を含む粉体。
〔9〕 上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の複合粒子を含むことを特徴とする水系スラリー。
〔10〕 水系スラリーのpHが5〜9である上記〔9〕に記載の水系スラリー。
〔11〕 スラリーが複合粒子を10質量%含むようにしたとき、波長550nm,光路長2mmにおけるスラリーの光透過率が、20%以上である上記〔9〕または〔10〕に記載の水系スラリー。
〔12〕 上記〔9〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の水系スラリーを用いた塗工剤。
〔13〕 上記〔8〕に記載の粉体を含む有機重合体組成物。
〔14〕 有機重合体組成物中の粉体の濃度が、組成物の全質量中0.01〜80質量%である上記〔13〕に記載の有機重合体組成物。
〔15〕 有機重合体組成物の有機重合体が、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、及び天然樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記〔13〕または〔14〕に記載の有機重合体組成物。
〔16〕 上記〔13〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を用いた塗料。
〔17〕 上記〔13〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を用いたポリマー組成物。
〔18〕 光機能性粉体を含む上記〔13〕または〔15〕に記載の有機重合体組成物を用いた、繊維、フィルム、及びプラスチック成形体から選ばれる成形体用のマスターバッチ。
〔19〕 上記〔13〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
〔20〕 成形体が、繊維、フィルム及びプラスチック成形体から選ばれる成形体である上記〔19〕に記載の成形体。
〔21〕 上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の複合粒子を表面に具備した構造体。
〔22〕 上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の複合粒子を含む表面層を有し、前記表面層の表面が親水性を示す構造体。
〔23〕 構造体が、建材、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、文房具、衣類、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、意匠性窓ガラス、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、蒲団、容器、眼鏡、看板、掲示板、配管、看板、アドバルーン、配管、配線、金具、照明、LED、信号機、街灯、衛生資材、自動車用品、玩具、交通信号機、道路標識、装飾品、テント、クーラーボックスなどのアウトドア用品、造花、オブジェからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記〔21〕または〔22〕に記載の構造体。
本発明の好ましい実施態様である複合粒子、それを含む粉体及びスラリーを、重合体組成物、塗工剤、成形体、構造体に用いることにより、優れた光触媒能と耐久性、分散安定性及び親水性が得られたり、色素増感型太陽電池において良好な電子伝導性を示す色素電極を得ることができる。
本発明における二酸化チタン微粒子とリン酸化合物の複合粒子の特徴を説明する。
まず、一次粒子の表面分析手法につき説明する。分析装置としてはTOF−SIMS(Top of Flight- Secondary Ion Mass Spectroscopy)を用いる。
TOF−SIMSは固体試料表面にどのような原子または分子が存在するか調べるための分析方法であり、一般的に表面分析法と言われているXPS(X線光電子分光法)やAES(オージェ電子分光法)に比べて極微量の(質量ppmオーダー)元素まで検出することができ、さらに表面から数Åという極めて浅い領域の情報を得ることができる。
以下にTOF-SIMSの原理を簡単に説明する。
高真空中において広い範囲のエネルギーのイオンビームを固体試料表面に照射し、スパッタ現象により二次的に放出される試料表面の構成成分が真空中に放出される。この過程で発生する正または負の電荷を帯びたイオン(二次イオン)を、電場によって一方向に収束し、一定距離だけ離れた位置で検出する。スパッタの際には、試料表面の組成に応じて、様々な質量をもった二次イオンが発生するが、一定の電解中では質量の軽いイオンほど早く、反対に重いイオンほど遅い速度で飛行する。そのため、二次イオンが発生してから検出器に到達するまでの時間(飛行時間)を測定することで発生した二次イオンの質量を分析することができる。
一方、従来のダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic SIMS)では、イオン化の際、有機化合物は小さいフラグメントイオンまたは粒子にまで分解するため、質量スペクトルから得られる化学構造情報例えば質量範囲は限定されるのに対し、TOF-SIMS法では、一次イオン照射量が著しく少ないため、有機化合物は化学構造を保った状態でイオン化され、幅の広い質量範囲で測定される質量スペクトルから有機化合物の構造をより直接的に知ることができる。加えて、固体試料表面の最も外側で発生した二次イオンのみが、真空中へ放出されるので、試料の最表面(数Å程度の深さ領域)の情報を選択的に得ることができる。また、イオンを検出する方法は、電子や光を検出する方法と比べて感度が良いため、TOF-SIMS法は表面に存在する質量ppmオーダーの微量成分を検出することができる。
本発明の好ましい実施態様である二酸化チタン微粒子とリン酸化合物の複合粒子は、上記記載のTOF−SIMS分析において、その粉末状態でTiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出され、かつ、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比が0.10〜1である特徴を有する。本発明によれば、驚くべきことに、このTOF−SIMS分析に基づく特徴を有する複合粒子の場合は、二酸化チタンの表面に光触媒として不活性な化合物が存在するにもかかわらず、原料となる二酸化チタンに比べてその光触媒活性が顕著に向上することを見出した。
また、TOF−SIMS法の解析結果から、リン酸基が二酸化チタン粒子表面において2配位で結合している複合粒子(例えば図2を例示できる)が、光触媒活性の向上に寄与しやすいと考えることも可能である。
すなわち、リン酸基が二酸化チタン粒子表面において2配位で結合していることが確認できれば、分析方法は特に限定されないが、好ましい分析方法として、TOF−SIMS法を採用できる。
TOF−SIMS法は、二酸化チタン微粒子とリン酸化合物の複合粒子の表面状態を定量的に把握する上において有効な手段となる。従って、本複合酸化物を製造後、本分析手法で定量的な検査を行い、その品質確認を得て、本複合酸化物を出荷もしくは下流工程に供する、という製造システムは工業的に有用なシステムとなる。
さらに、本分析手法は、本複合酸化物以外の二酸化チタンを含む超微粒子複合酸化物の有効な表面定量分析手法として適用することもでき、その分析手法を超微粒子複合酸化物の製造・検査・出荷システムに組み入れることは有用な製造システムとなる。二酸化チタンを含む超微粒子複合酸化物としては、二酸化チタン以外の化合物を、シリカ、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、カルシア、アモルファスのチタニア、ムライト、スピネルなどのセラミックスやリン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、縮合硫酸塩及びカルボン酸塩、Si化合物、Al化合物、P化合物、S化合物、N化合物などから選ぶことができる。またその化合物は単独であっても、複数であってもかまわない。
本発明の複合粒子の特徴を光触媒の観点から説明する。
従来、実用的に代表的な光触媒としては二酸化チタンが幅広く使われている。二酸化チタンには約400nm以下の波長の紫外線を吸収して電子を励起させる性質がある。そこで、発生した電子とホールは粒子表面に到達すると、酸素や水と化合して様々なラジカル種を発生させる。このラジカル種が主として酸化作用を示し、表面に吸着した物質を酸化分解する。これが光触媒の基本原理である。こうした超微粒子二酸化チタンの光機能を利用して、抗菌、消臭、防汚、大気の浄化、水質の浄化等の環境浄化が検討されている。
ここで、その触媒能を高める例として次の方法がある。
(1)粒径を小さくする。
生成した電子とホールの再結合を抑制するために、非常に有効である。
(2)結晶性を高める。
生成した電子とホールの表面への拡散速度を上げるために、有効である。
(3)電荷分離を行う。
生成した電子とホールを電荷分離して、その表面に到達する歩留まりを向上する。
(4)バンドギャップを調整する。
微量不純物を添加するなどしてバンドギャップを小さく(最大吸収波長を大きく)すると、例えば、太陽光や蛍光灯のような紫外線の少ない光源の光利用率を高めることができる。
このような手段の中で、近年(4)を目的とするいわゆる可視光応答型光触媒の検討が種々なされている。
通常、二酸化チタンの表面に光触媒として不活性な化合物が存在すると光触媒活性は低下するが、驚くべきことに、本複合粒子の場合は、二酸化チタンの表面に光触媒として不活性な化合物が存在するにもかかわらず、原料となる二酸化チタンに比べてその光触媒活性が向上する。その理由は定かではないが、複数の電子吸引性のリン酸基が二酸化チタン表面の特定のTi原子と優先的に相互作用を示し、そのために光吸収により二酸化チタン粒子内に生成した電子がその表面で電荷分離され、結果としてその光触媒活性が向上していることも一因ではないかと思われる。
また、二酸化チタン表面において特定のTiを含有する複合酸化物のエネルギー準位が新たに形成され、可視光に応答しうるバンドギャップを有することができるためとも考えられる。一般に、光触媒として不活性な物質を表面処理すれば、二酸化チタンの光触媒活性は抑制されると考えられているが、必ずしもそうではないということである。
一方で、その表面処理基は少なくともその末端原子団部分は光触媒的には不活性であり、立体的にも有機系材料と二酸化チタンとの接触を抑制しており、その粒子を有機系材料に適用した場合においてその耐久性を向上している、という利点もある。一般的には、被分解物は気体や液体であり、それらと光触媒粒子との位置関係は流動的(すなわち、被分解物が易動性)であるのに対して、有機基材は固体であり、光触媒粒子と有機基材との立体的位置関係は固定的関係にある、ということから上記現象が実現しうることが理解できる。
すなわち、特定の二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子において、初めてリン酸基と特定の表面Ti原子との効率的な相互作用が実現され、それによって原料を上回る光触媒活性と耐候性の両立及びスラリーの高分散性が同時に顕現できた、ということである。
本発明のTOF−SIMS測定において特定のフラグメント強度を示す複合粒子を製造する二酸化チタンとリン酸化合物の複合化手段は、特に限定はされないが、例えば、二酸化チタンを含む水系スラリーに所定のリン酸化合物を添加して十分分散させた後、熟成する方法によって得ることができる。熟成の条件は、限定するわけではないが、熟成温度は30〜60℃、好ましくは40〜50℃である。また、熟成時間は1〜24時間、好ましくは2〜10時間である。また、二酸化チタンを含有する弱酸性の水系スラリーを用意する工程と、リン酸化合物を含有する水系溶液を用意する工程と、両者をpH4〜10の範囲において反応させる工程とを含む方法でも得ることができる。具体的には、生成した二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子をTOF−SIMS測定して目的とする複合粒子が生成しているかを確認することで、本発明の複合粒子を製造する方法を確立すればよい。
TOF−SIMS分析を行うには、試料を粉末状態にする必要がある。前記合成法の場合は、反応で得られたスラリーを溶媒の沸点以上に加熱して乾燥後、乳鉢で解砕した試料を分析検体とすることができる。
前記複合粒子において、予め二酸化チタン微粒子の表面に白金やロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛などの金属が担持されていてもよい。そのような場合は二酸化チタン微粒子の環境浄化作用がさらに増長し、殺菌、殺藻作用も大きくなる。またその金属の担持は原料の二酸化チタンになされていても良いし、また前記縮合リン酸やアルカリ土類金属を含ませる時に前記金属が担持できる工程を組み込んでもよい。
本発明において原料として用いられる二酸化チタンの製法としては、特に制限はないが、例えば、TiCl4を原料とする気相法や、TiCl4水溶液や硫酸チタニル水溶液を原料とする液相法がある。
気相法の例としては、特許文献8(国際公開WO01/16027号公報)に示された方法が挙げられる。具体的には、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスをそれぞれ500℃以上に予熱し、それぞれ流速10m/秒以上で反応管に供給することにより行われる、BET比表面積10〜200m2/gを有する超微粒子酸化チタンの製造方法である。また、二酸化チタンを含む粒子として、一次粒子内にチタン−酸素−珪素結合が存在した混晶を含む超微粒子混晶酸化物であってもよい。その例としては、特許文献9(国際公開WO01/56930号公報)に示された方法が挙げられる。この方法は、ハロゲン化金属がチタン及び珪素の塩化物、臭化物、沃化物からなる群より選ばれた少なくとも2種以上の化合物を含む混合ガス(以下「混合ハロゲン化金属ガス」と称する。)及び酸化性ガスをそれぞれ500℃以上に予熱してから反応させることにより、BET比表面積が10〜200m2/gで混晶状態の一次粒子を含む超微粒子酸化物を製造する方法である。この方法では、混合ハロゲン化金属ガス及び酸化性ガスのそれぞれを反応管に10m/秒以上の流速、好ましくは30m/秒以上の流速で供給することが望ましく、また、反応管内においては600℃を越える高温度条件下でガスが滞留し反応する時間が1秒以内となるように、これらのガスを反応させることが好ましい。
液相法の例としては、特許文献10(特開平11−43327号公報)が挙げられる。75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解することによりブルッカイト型酸化チタン粒子の水分散ゾルの製造方法である。後述する本発明におけるスラリーやコーティング剤、膜などに高い透明性を付与するためには、このような液相合成された二酸化チタンを原料とすることが好ましい。さらに、液相合成された二酸化チタンは、その合成時のスラリー状態を維持したまま、換言すれば、二酸化チタンの粉末を得る工程を経ないで、用いることが好ましい。液相合成後に粉末を得る工程を採用すると、二酸化チタンの凝集が生ずるので、高い透明性が得られにくくなるためである。また、その凝集を、ジェットミルやマイクロナイザーなどの気流粉砕機、ローラーミル、パルペライザーなどを用いて解砕する手法はあるが、工程が長くなる上に、解砕工程からの異物のコンタミネーションや粒度分布の不均一が生じたりするので好ましくない。
二酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうちいずれでもかまわない。好ましくは、アナターゼ型、もしくはブルッカイト型である。さらに好ましくはブルッカイト型である。また、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうち2種以上の結晶型を含有していてもかまわない。2種以上の結晶型を含有していると、それぞれの単独の結晶型である場合より活性が向上する場合もある。
二酸化チタンの一次粒子の平均粒径は、0.001〜0.1μmの範囲がよい。好ましくは、0.003〜0.08μmであり、さらに好ましくは0.01〜0.06μmである。一次粒子の平均粒径が0.001μm以下ではそれを効率よく生産するのが困難であり実用的でない。また、0.1μmを超えると二酸化チタンの透明性や光触媒機能が大幅に低下する。
本発明に記載するリン酸化合物としては、リン脂質、金属リン酸塩、リン酸アミノ塩、無水リン酸塩、三リン酸塩、四リン酸塩、縮合リン酸塩などが例示できるが、縮合リン酸塩が好ましい。縮合リン酸塩とは、オルソリン酸(H3PO4)の脱水縮合によって得られた酸の塩であり、特に限定はしないが、ピロリン酸塩やトリポリリン酸塩などのポリリン酸塩、トリメタリン酸塩やテトラメタリン酸塩などのメタリン酸塩、あるいはウルトラリン酸塩が好ましい。これらのリン酸化合物はその種類に応じた量を添加すれば良いが、通常、二酸化チタン質量に対して、0.01質量%〜50質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%の範囲で存在することが好ましい。リン酸化合物が0.01質量%より少ないと、プラスチック、紙、繊維などの媒体への二酸化チタンの光触媒作用により媒体自身の耐久性が悪化する場合がある。一方、リン酸化合物が50質量%より多いと経済的に不利になる可能性がある。
リン酸化合物には金属を含んでいても良く、含まれる金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及びAlなどが好ましい。アルカリ金属としては、Na、Kが好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg、Caが好ましい。遷移金属としては、Fe,Znが好ましい。
これらの金属は、通常、二酸化チタン質量に対して、0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.01質量%〜10質量%の範囲で存在することが好ましい。カチオンが0.01質量%より少ない場合があり、20質量%より多いと、本発明における複合粒子やその粒子を含む粉体の、液体中もしくは固体中の分散性が悪くなる可能性がある。
本発明における水系スラリーとは、前記二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子を含む水系分散体を指す。この水分散体は溶媒として親水性有機溶媒を含んでもよい。
前記スラリー中の複合粒子の含有割合については特に制限なく、例えば0.01質量%〜50質量%、さらには1質量%〜40質量%の範囲が望ましい。複合粉体の含有量が0.01質量%を下回ると、塗工後に十分な機能が得られない場合がある。一方、50質量%を越えると増粘等の問題が生じるばかりか経済的に不利となる可能性がある。
水系スラリーのpHは5〜9が好ましく、より好ましくは6〜8である。pHが5未満では基材等を化学的に酸化もしくは腐食することがあり、またpHが9を越えると基材等への化学変化を与えるのみならず使用環境に対して悪影響を与えてしまうことがあり、基材や使用環境が制限されたものとなる可能性がある。
本発明のスラリーの光透過率は、スラリー中の複合粒子の濃度が10質量%となるようにし、スラリーの厚み(光路長)を2mmとし、550nmの波長で測定したとき、20%以上となることが望ましい。透過率は、30%以上であることがより望ましく、高ければ高いほど望ましい。透過率が20%未満であると分散安定性が悪い場合があり、塗工後に十分な透明性、光触媒能等の機能が得られない場合がある。
この水分散体(スラリー)は、これにバインダーを任意に添加して塗工剤とし、これを後記する各種構造体の表面に塗布することにより、複合構造体を製造することができる。
本発明において使用するバインダー材料は特に制限されるものではなく、有機系バインダーであっても無機系バインダーであっても良い。有機バインダーには水溶性のバインダーが挙げられるが、具体例として、ポリビニールアルコール、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、ポリアクリルアミド、アクリルアミド等が挙げられる。また、無機バインダーとしてはZr化合物、Si化合物、Ti化合物、Al化合物が例示される。具体的にはオキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、プロピオン酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物、アルコキシシラン、アルコキシシランの鉱酸による部分加水分解生成物、珪酸塩等の珪素化合物、或いはアルミニウムやTiやジルコニウムの金属アルコキシドやそれらの鉱酸による部分加水分解生成物等が挙げられる。また、アルミニウムやシリコンやチタンやジルコニウムのアルコキシドから、複数金属種のアルコキシドを選択し複合化したり加水分解させたものも挙げられる。中でも、アルミニウムアルコキシドーチタニウムアルコキシドの共加水分解物やアルミニウムアルコキシドーシリコンアルコキシドの共加水分解物が好ましい。
塗工剤中のバインダーの添加量は、0.01質量%〜20質量%、さらには1質量%〜10質量%の範囲が望ましい。バインダーの含有量が0.01質量%以下だと、塗工後に十分な接着性を有さない場合があり、また20質量%を越えると増粘等の問題が生じるばかりか経済的に不利となる可能性がある。
本発明の複合粉体は、有機重合体に添加して組成物として使用できる。ここで、使用できる有機重合体としては、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、天然樹脂などが挙げられる。前記リン酸化合物が二酸化チタンの表面に存在するため、有機重合体と二酸化チタンの光触媒活性面(二酸化チタン表面)が直接接触することがないために、媒体の有機重合体自身が分解劣化を受けることが少なく、有機重合体の耐久性が増大する。
このような有機重合体の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフイン、ナイロン6、ナイロン66、アラミドなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、ピニルアセタール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エボキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロースおよびレーヨンその他のセルロース誘導体、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、フツ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。
本発明の複合粉体を含む前記有機重合体組成物は、塗料(コーティング組成物)、ポリマー組成物成形用コンパウンド(例えば、該粉体含有有機樹脂組成物いわゆるCompounded material)、及び複合粉体を高濃度に含む成形体用のマスターバッチなどの形態で使用できる。有機重合体組成物中の光触媒粉体の濃度は、該組成物全質量につき、0.01〜80質量%が好ましく、より好ましくは1〜50質量%である。また、有機重合体組成物には、悪臭物質の除去効果を高めるために活性炭、ゼオライトのような吸着剤を添加してもよい。本発明においては、上記重合体組成物を成形することによって複合を有する重合体成形体が得られる。このような組成物の成形体として、繊維、フィルム、プラスチック成形体等が挙げられる。
さらに、本発明の有機重合体組成物は、耐久性に優れていることから壁材、ガラス、看板、道路建築用コンクリートなどの構造体のコーティング組成物として適応できる。さらに本発明の二酸化チタンと縮合リン酸塩の複合粒子を含む光触媒粉体および有機重合体組成物は、紙やプラスチック、布、木のような有機物や、車両などの塗膜にコーティングした場合、構造体を光触媒的劣化・破壊することなく、光触媒能を十分発揮することが可能である。
また、本発明の親水性構造体はシリカ、シリコーン分子等を用いることなく親水性を示し、暗所においても水との接触角が10度以下の親水性を示し、セルフクリーニングや防曇等の機能を有する。
また、本発明の複合粒子は、紫外線遮蔽剤として機能することもできる。
また、本発明の複合粒子は、シリコンゴムに添加されて、難燃性付与において良好な助剤として機能することもできる。
また、本発明の複合粒子は、良好な電子伝導性を示すこともできるので、色素増感型太陽電池の色素電極において色素の担持体として使うこともできる。
前記機能(光触媒、親水性、紫外線遮蔽)を具備した物品、もしくは前記難燃性シリコンゴムや色素増感型太陽電池を具備した物品としては、建材、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、文房具、衣類、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、意匠性窓ガラス、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、蒲団、容器、眼鏡、看板、掲示板、配管、看板、アドバルーン、配管、配線、金具、照明、LED、信号機、街灯、衛生資材、自動車用品、玩具、交通信号機、道路標識、装飾品、テント、クーラーボックスなどのアウトドア用品、造花、オブジェ、などを例示することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
実施例1:
あらかじめ計量した純水100Lを攪拌を行いながら加熱して温度を97℃に保持した。そこへチタン濃度16質量%の四塩化チタン水溶液(住友チタニウム株式会社製)3.6kgを120分かけて滴下した。滴下後に得られた白色懸濁液は電気透析機によってpHを4に調整した。こうして得られた酸化チタンスラリーの一部を採取し、乾燥恒量法により固形分濃度を測定したところ、1質量%であった。この固形分(粉末Aと称する)についてX線回折装置により構造解析を行った結果、ブルッカイト型二酸化チタンを80質量%、アナターゼ型二酸化チタンを20質量%含有していることがわかった。
この1質量%の二酸化チタンスラリーをスライドガラス(MATSUNAMI製マイクロスライドガラスS7213)にフローコートし400℃で1時間加熱して得られた構造体を構造体1とした。この表面二酸化チタン層の厚さを接触式表面粗さ計で測定したところ100nmであった。また、テトラメトキシシランとエタノールの混合物に純水と硝酸を添加して部分加水分解させたシリコン系接着剤(SiO2換算で4質量%溶液、pH2.5)をSiO2/TiO2=0.2となるようにこの1質量%の二酸化チタンスラリーに混合し,同様にスライドガラスにコートし400℃で1時間加熱した。この構造体を構造体2とした。この表面二酸化チタン層の厚さは120nmであった。
次に得られた二酸化チタンスラリーに250gのピロリン酸ソーダ(太平化学産業株式会社製、食添用)を添加して、十分攪拌し、さらに40℃で4時間保持した。スラリーの電気伝導度は9500μS/cmであった。
次に、得られたスラリーをロータリーフィルタープレス(コトブキ技研株式会社製)で濾過洗浄し、濾過液の電気伝導度が50μS/cmになるまで、十分水洗し濃縮した。得られたスラリーのpHを測定(HORIBA製、D−22)したところ8.5であった。
このように得たスラリーの一部を採取し、乾燥恒量法により固形分濃度を測定したところ、10質量%であった。得られたスラリーの一部を、厚み(光路長)2mmで波長550nmの光透過率をミノルタ製分光測色計、CM−3700dで測定したところ37%であった。
次に、このスラリーを120℃で乾燥して得られた粉(粉末Bと称する)をICP(島津(株)製、ICPS−100V)で分析を行ったところ、リンが12000質量ppm存在することがわかった。BET比表面積測定(島津(株)製、Flow Sorb II 2300)の結果から一次粒子径を求めたところ、0.015μmであった。
また、粉末A90重量部とピロリン酸ソーダ粉末10重量とを乳鉢混合した粉末(粉末C)を用意し、粉末A、粉末B、粉末CをTOF−SIMSにより分析した。
TOF−SIMSのスペクトル測定には、ION−TOF製のTOF−SIMS IV型装置を使用した。一次イオン種としてAu+、一次イオン電流1pA、パルス周波数10kHz、ラスター100μm×100μmにて測定したところ、図1に示したチャートおよび表1に示したフラグメント強度比を得た。
粉末Aについては、TiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントは検出されなかった。
粉末Bについては、TiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出され、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比が0.19であった。
粉末Cについては、TiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出されたものの、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比は0.05と小さかった。
以上のデータより、粉末Bにおいて、Ti−O−P結合が多く含まれていることが判る。
なお、P2フラグメントはイオンビームの影響で切断されるので観察されていない。ただし、本実施例の複合粒子の製造工程には使用したピロリン酸ナトリウムのP−O−P結合を切断するような処理はない。そのため、図2の構造が前記データより支持される。
前述の複合粒子を含むスラリ−に純水を加えて2質量%の濃度に調整し、前記同様、スライドガラスにフローコートし400℃で1時間加熱した。この構造体を構造体3とした。この表面複合粒子層膜厚を測定したところ130nmであった。
構造体1、構造体2、構造体3の表面の親水性については、表面層上の水滴と表面層との接触角で評価した。評価手順はこれらサンプルを作製後、暗所に10日間保持した後、接触角の時間変化を測定した。接触角は協和界面科学(株)製接触角計CA−Dで測定した。
その結果、構造体1の接触角は31°、構造体2の接触角は16°、構造体3の接触角は7°であり、構造体3は暗所でも優れた親水性を示した。
(塗工剤の作製)
前述の複合粒子を含むスラリーに純水を加え粉末換算でが1.0質量%となる様にスラリーを希釈した。このスラリーに、粉末に対してウレタン樹脂が70質量%となるように水分散系ウレタン樹脂(VONDIC1040NS、大日本インキ化学工業(株)製) を添加して複合粒子とウレタン樹脂を含有した塗工剤を得た。
次に、上記の塗工剤にポリエステル不織布(6デニール、高安(株)社製)を含浸させ、取り出した後、ローラーで絞り、80℃で2時間乾燥し、複合粒子を坦持したポリエステル不織布を得た。
(光触媒活性評価)
上記で得たポリエステル不織布8gをテドラーバッグ5L((株)ガステック製)内に置き、硫化水素60体積ppmを封入した。次いで、ブラックライト(日立(株)製、FL205.BL、20W)で試料に波長365nmの紫外線強度が0.25mW/cm2になるように光を照射し、2時間後の硫化水素の濃度を検知管((株)ガステック製、No.4LL)で測定した。2時間後に硫化水素は検知されなかった。
(耐候性試験)
上記のポリエステル不織布にフェードメータ(ATLAS製、SUNSET CPS+)で50mW/cm2の光をあて24時間後に繊維の着色を調べたが、着色は見られなかった。
これらの結果を表2に示す。
実施例2:
実施例1で得られた複合粒子とウレタン樹脂を含有した塗工剤を100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラーT)の片面に、25μmのアプリケーターで塗工し、80℃で2時間乾燥し、複合粒子を坦持したポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
得られたポリエチレンテレフタレートフィルム600cm2を実施例1と同様の光触媒活性評価と耐候性試験を行った。また、得られた複合粒子坦持ポリエチレンテレフタレートフィルムを分光光度計(島津(株)製、UV−2400PC)で透過率の測定を行った結果、360nmの透過率が4%、550nmの透過率が97%であった。これらの結果を表2に示す。
実施例3:
実施例1で得られた複合スラリーの一部を媒体流動乾燥機(大川原製作所(株)製、スラリードライヤー)で乾燥して、二酸化チタンと縮合リン酸塩の複合粉体5kgを取得した。
(高密度ポリエチレンマスターバッチの作製)
上記で得られた複合粉体20質量部、ステアリン酸亜鉛(日本油脂(株)製、ジンクステアレートS)2質量部、高密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスF6200FD)78質量部とを二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM30型)を用いて170℃(滞留時間約3分)で溶融混練し、ペレット化を行い、複合粉体を20質量%含有した、一個が直径2〜3mmφ、長さ3〜5mm、質量0.01〜0.02gの円柱状の高密度ポリエチレンマスターバッチ(コンパウンド)を20kgを造った。
(紡糸)
上記で得られた複合粉体を含有した高密度ポリエチレンマスターバッチ(コンパウンド)10kgと高密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスF6200FD)10kgをV型ブレンダー(池本理化工業(株)、RKI−40)で10分間混合し、混合ペレットを作製した。
次に、得られた混合ペレットとポリエステル樹脂ペレット(帝人(株)製、FM−OK)をそれぞれ溶融押出紡糸機(中央化学機械製作所(株)製、ポリマーメイド5)に投入し、紡糸パック温度290℃で複合粉体含有高密度ポリエチレンとポリエステル樹脂の質量比が1:1となるような複合粉体含有高密度ポリエチレン(鞘)/ポリエステル樹脂(芯)の芯鞘構造からなる太さ12デニールの繊維を35kg作製した。
得られた繊維10gについて実施例1と同様に光触媒活性評価と耐候性試験を行った。結果を表2に示す。
実施例4:
実施例1に記載したピロリン酸ソーダを200gをトリリン酸ソーダ(太平化学産業(株)製、食添用)250gに変えた以外は、実施例1と同様の処理をし、複合粉体とウレタン樹脂を含有した塗工剤を作製した。次に得られた塗工剤を実施例2と同様にポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、表2の結果の複合粉体を坦持したポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。この複合粉体坦持ポリエチレンテレフタレートフィルムについて光触媒活性評価、耐候性試験及び透過率の測定を行い、表2に示す結果を得た。
比較例1:
実施例1に記載するブルッカイト型の二酸化チタン(複合粒子の原料二酸化チタン)に対して、実施例1と同様の手法でウレタン樹脂を含有した塗工剤を作製した。次に得られた塗工剤を実施例2と同様にポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、二酸化チタンを坦持したポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムについて光触媒活性評価、耐候性試験及び透過率の測定を行い、表2に示す結果を得た。
比較例2:
純水100Lに一次粒径0.18μmの市販の顔料用アナターゼ(石原産業(株)製、A100)1kgを加え、さらに200gのピロリン酸ソーダ(太平化学産業(株)製、食添用)を添加して、十分攪拌して溶解した後に、40℃で4時間保持した。スラリーの電気伝導度は10000μS/cmであった。この時、スラリーの550nmの光透過率を実施例1と同様に測定したところ12%であった。次に、得られたスラリーをロータリーフィルタープレス(コトブキ技研(株)製)で濾過洗浄し、濾過液の電気伝導度が50μS/cmになるまで十分水洗し、濃縮した。
このように得たスラリーの一部を採取し、乾燥恒量法により固形分濃度を測定したところ、10質量%であった。次に得られた粉末をFT−IR((株)パーキンエルマー製、FT−IR1650)で分析を行った結果、ピロリン酸の吸収が観察された。次に、乾燥粉をICP(島津(株)製、ICPS−100V)で分析を行ったところ、リンが700質量ppm存在することがわかった。
また、その粉末のTOF−SIMS測定では、TiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出されたものの、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比は0.08と小さかった。
次に、得られたスラリーを実施例1に記載されている方法でウレタン樹脂を含有した塗工剤を作製した。この塗工剤を実施例2と同様にポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、光機能性粉体を坦持したポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムについて光触媒活性評価、耐候性試験及び透過率の測定を行い、表2に示す結果を得た。
Figure 2006124267
Figure 2006124267
実施例の複合粒子のTOF−SIMS測定チャートである。 TOF−SIMS法の解析結果から推察される複合粒子表面の配位構造の一例である。

Claims (23)

  1. 二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子であって、リン酸基が二酸化チタン粒子表面において2配位で結合している複合粒子。
  2. 二酸化チタンとリン酸化合物の複合粒子であって、その粉末状態でのTOF−SIMS測定においてTiPO4、TiPO5、Ti2PO6、Ti2PO7、Ti3PO8、Ti3PO9のNegativeフラグメントが同時に検出され、かつ、TiO3に対するTiPO4のフラグメント強度比が0.10〜1であることを特徴とする複合粒子。
  3. 二酸化チタンの一次粒子径が0.001〜0.1μmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合粒子。
  4. 二酸化チタンがアナターゼ、ルチル、ブルッカイトのうち少なくとも一種の結晶形を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合粒子。
  5. リン酸化合物が縮合リン酸塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合粒子。
  6. 縮合リン酸塩が、ピロリン酸、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、メタリン酸塩、ウルトラリン酸塩から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の複合粒子。
  7. リン酸化合物が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及びAlからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含むものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合粒子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に複合粒子を含む粉体。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合粒子を含むことを特徴とする水系スラリー。
  10. 水系スラリーのpHが5〜9である請求項9に記載の水系スラリー。
  11. スラリーが複合粒子を10質量%含むようにしたとき、波長550nm,光路長2mmにおけるスラリーの光透過率が、20%以上である請求項9または10に記載の水系スラリー。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の水系スラリーを用いた塗工剤。
  13. 請求項8に記載の粉体を含む有機重合体組成物。
  14. 有機重合体組成物中の粉体の濃度が、組成物の全質量中0.01〜80質量%である請求項13に記載の有機重合体組成物。
  15. 有機重合体組成物の有機重合体が、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、及び天然樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項13または14に記載の有機重合体組成物。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を用いた塗料。
  17. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を用いたポリマー組成物。
  18. 光機能性粉体を含む請求項13または15に記載の有機重合体組成物を用いた、繊維、フィルム、及びプラスチック成形体から選ばれる成形体用のマスターバッチ。
  19. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
  20. 成形体が、繊維、フィルム及びプラスチック成形体から選ばれる成形体である請求項19に記載の成形体。
  21. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合粒子を表面に具備した構造体。
  22. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合粒子を含む表面層を有し、前記表面層の表面が親水性を示す構造体。
  23. 構造体が、建材、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、文房具、衣類、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、意匠性窓ガラス、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、蒲団、容器、眼鏡、看板、掲示板、配管、看板、アドバルーン、配管、配線、金具、照明、LED、信号機、街灯、衛生資材、自動車用品、玩具、交通信号機、道路標識、装飾品、テント、クーラーボックスなどのアウトドア用品、造花、オブジェからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項21または22に記載の構造体。
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