JP2004230378A - 複合粒子およびその製造方法と用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ニ酸化チタンの持つ機能を有効に引き出し、かつ実用上の制約も少ない粒子を提案する。
【解決手段】
小粒子が、BET比表面積換算粒径で0.005μm〜0.3μmの平均粒径を持つ光触媒粒子を含んでおり、該小粒子が、レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径2〜200μmの大粒子に担持されている複合粒子であり、好ましくは、ブレンステッド酸塩が含有されている。
該複合粒子は、大粒子及び小粒子を含む材料を、特定のエネルギー定数kで混合することで製造される。
該複合粒子を用いて、有機重合体組成物、塗工剤、塗料、構造体、化粧料、繊維、フィルムを製造する。

Description

本発明は複合粒子およびその製造方法と用途に係り、光触媒能を持つニ酸化チタンを複合化することにより、効果的にその機能を発揮させる技術に関するものである。
ニ酸化チタンの光触媒能について説明する。
ニ酸化チタンは紫外線を吸収し、その内部に電子と正孔を発生させる。正孔はニ酸化チタンの吸着水と反応してヒドロキシラジカルを生成させ、ニ酸化チタン粒子表面に吸着した有機物を炭酸ガスや水に分解する(非特許文献1)。これを光触媒作用と呼ぶが、この作用の強いニ酸化チタンの条件として、正孔を発生させやすいこと、ニ酸化チタン表面に正孔が到達しやすいこと、が挙げられる。「酸化チタン光触媒のすべて」(非特許文献2)には、光触媒作用が高いニ酸化チタンとして、アナターゼ型ニ酸化チタン、格子欠陥の少ないニ酸化チタン、粒子が小さく比表面積の大きいニ酸化チタンが挙げられている。
この光触媒作用はほとんどの有機物を分解することができるため、タイル、建材、建築構造材、繊維、フィルムなどの表面にニ酸化チタンを担持することにより、抗菌、セルフクリーニング、消臭、防汚などの機能を付与することができる。
しかし、光触媒作用はニ酸化チタンの表面で起きるため、部材表面にニ酸化チタンを配置する必要がある。通常簡便な方法として、ニ酸化チタンをバインダーと混合して部材に塗布する方法が行われている。しかしながら、バインダーとして有機高分子を用いると、バインダーが光触媒作用により酸化、分解されてしまうため、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの難分解性のバインダーを使用することが必要とされていた(特許文献1、2)。
ところが、これら樹脂バインダーに光触媒半導体粒子を配合して用いるときはバインダーがニ酸化チタンの表面を被覆し、光触媒粒子への光や被分解物質の到達を妨害し、光触媒作用の効果を低減するという問題があった。また、加熱によって樹脂を硬化させる必要もあった。
次に複合粒子について説明する。さまざまな目的でニ酸化チタン粒子の複合化がなされている。複合化は多くの場合、大径粒子(以下、母粒子と呼ぶ)と小径粒子(以下、子粒子と呼ぶ)との組み合わせによってなされ、母粒子は子粒子が持つ機能をより効果的に引き出す為に用いられる。粒径に大きな差がない場合は、期待される機能を持つ微粒子を子粒子、それを効果的に発現させるのに使われる粒子を母粒子と呼ぶことにする。
ニ酸化チタンと複合化する場合、ほとんどが子粒子としてニ酸化チタンを用いている。これはニ酸化チタンが隠蔽性、光触媒能、紫外線遮蔽能など多岐にわたる機能を有している為であり、それらの機能を効果的に発現させる為に、母粒子が選定されている。たとえば、ニ酸化チタン超微粒子が持つ紫外線遮蔽能を最大限に発揮させるため、屈折率差とバンドギャップによって規定される母粒子を用いる方法(特許文献3〜5)、同様の目的で透明性を付与するためにシリカ粒子を母粒子とする方法(特許文献6)、ニ酸化チタンの持つ隠蔽性を好適に発現させるために、母粒子として炭酸カルシウム粒子と複合化させる方法(特許文献7)がある。また、ニ酸化チタンの持つ光触媒能を効果的に発現させる為に、無機質粉体表面に有機系バインダーでニ酸化チタンを担持する方法(特許文献8)、樹脂と接触した場合にも樹脂を劣化させないで光触媒能を発揮させるために、アルミノ珪酸塩粒子を母粒子として用いる方法(特許文献9)などがある。その他にも粒子を複合化する方法として、機械的に母粒子と子粒子を結合させる高速気流衝撃法(特許文献10〜11)、表面融合法(特許文献12)などがある。
特許第2756474号 特許第3027739号 特開平11−131048号公報 特開平9−100112号公報 特開平8−268707号公報 特開2000−344509号公報 特開2002−29739号公報 特許第3279755号 特開平11−76835号公報 特公平3−2009号公報 特開平6−210152号公報 特許第2672671号 「光クリーン革命」藤嶋昭、橋本和仁、渡部俊也共著,(株)シーエ ムシー,(1997) 「酸化チタン光触媒のすべて」橋本和仁、藤嶋昭 編集,(株)シーエムシー,(1998)

ニ酸化チタンは光触媒能を持つため、実用上、非常に制約の多いものであった。すなわち、バインダーとして有機高分子を用いると、バインダーが光触媒作用により酸化、分解されてしまう。たとえフッ素樹脂やシリコーン樹脂などの難分解性のバインダーを使用しても、ニ酸化チタンの表面を被覆し、光触媒粒子への光や被分解物質の到達を妨害し、光触媒作用の効果を低減してしまう。その上加熱によって樹脂を硬化させる必要もあった。またニ酸化チタンの持つ機能を十分に発揮させるため複合粒子としてもこうした問題は避けられなかった。本発明においてはニ酸化チタンの持つ機能を有効に引き出し、かつ実用上の制約も少ない粒子を提案することにある。
本発明者らが鋭意検討の結果、ブレンステッド酸塩を存在させた複合粒子を用いることにより、上記課題を解決することが可能となった。
すなわち本発明は、以下の各実施態様を含む。
(1)小粒子が大粒子に担持されている複合粒子であって、該小粒子が、BET比表面積換算粒径で0.005μm〜0.3μmの平均粒径を持つ光触媒含有粒子であり、かつ、該大粒子が、レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径2〜200μmを有する複合粒子。
(2)ブレンステッド酸塩が含有されている(1)に記載の複合粒子。
(3)ブレンステッド酸塩が、小粒子の表面に存在している(2)に記載の複合粒子。
(4)ブレンステッド酸塩が、縮合リン酸塩である(2)または(3)に記載の複合粒子
(5)ブレンステッド酸塩が、光触媒の質量に対して、0.01質量%〜50質量%存在する(2)乃至(4)のいずれか1項に記載の複合粒子。
(6)光触媒が、ニ酸化チタンである(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の複合粒子。
(7)ニ酸化チタンが、ブルッカイト結晶相を含んでいる(6)に記載の複合粒子。
(8)大粒子が、融点150℃以上の球状樹脂粒子である(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の複合粒子。
(9)大粒子が、Al、Mg、Ca、Siからなる群より選ばれる1種以上を含む水酸化物または酸化物または炭酸塩である(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の複合粒子。
(10)大粒子に対する小粒子の割合が0.5%質量以上40質量%以下である(1)乃至(9)のいずれかに1項に記載の複合粒子。
(11)大粒子及び小粒子を含む材料をボールミルで乾式混合し、その乾式混合のエネルギー定数kが、混合する粒子の総質量をwp(g)、メディア質量をwm(g)、ボールミル容器内径をd(m)、回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)とした時に、
k=(wm/wp)×d×n×t (1)式
なる関係で表されるkが50以上50,000以下である(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
(12)大粒子及び小粒子を含む材料を翼の回転により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては翼の回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)とした時に、
k2=n×t (2)式
なる関係で表されるk2が250以上50,000以下である(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
(13)大粒子及び小粒子を含む材料を震蕩により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては震蕩回数(回/分)をn、混合時間をt(分)とした時に、
k3=n×t
なる関係で表されるk3が50以上50,000以下である(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
(14)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を、有機重合体組成物の全質量中に0.01〜80質量%含むことを特徴とする有機重合体組成物。
(15)有機重合体組成物の有機重合体が、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、及び天然樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂である(14)に記載の有機重合体組成物。
(16)有機重合体組成物が、コンパウンドである(14)または(15)に記載の有機重合体組成物。
(17)有機重合体組成物が、マスターバッチである(14)または(15)に記載の有機重合体組成物。
(18)(14)乃至(17)のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を成型してなる成型体。
(19)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を含む塗工剤。
(20)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を含む塗料。
(21)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を表面に具備した構造体。
(22)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を含む化粧料。
(23)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を含む繊維。
(24)(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の複合粒子を含むフィルム。
本発明の複合粒子は、樹脂と混練しフィルム化した際に、あるいは樹脂バインダーと共に構造物表面に製膜した際に、樹脂から光触媒能を持った粒子が露出する、いわゆる「頭だし」が効果的に行える粒子である。このため、光触媒能を十分に発揮しながら、複合粒子担持体として用いた樹脂を分解させることが少ない。結果的に耐侯性に優れた構造物、フィルムなどにすることが可能である。また、光触媒粒子の安価な担持施工と耐久性とを同時に解決することができる。さらに室内の微弱な光の下でも実用的な物品とすることができる。
本発明は、ブレンステッド酸塩が含有された複合粒子であることを特徴とする。
好ましくは、子粒子としてニ酸化チタン表面にブレンステッド酸塩が存在する粒子を使用する。当該粒子においては、ブレンステッド酸塩が母粒子と小粒子をつなぐ強固なバインダーとしての機能を発現する。さらに小粒子表面にブレンステッド酸塩が存在する粒子を用いた場合、蛍光灯の様な紫外線強度が6μW/cm程度の微弱な光によっても光触媒能を発揮することができる。このように、ニ酸化チタン表面にブレンステッド酸塩が存在する粒子を用いることにより、通常の有機高分子バインダーを用いても、光触媒能を発揮し、かつ耐久性にも優れる構造体を容易に製造することが可能になる。
小粒子表面におけるブレンステッド酸塩の存在形態は、特に限定されないが、部分的であることが好ましく、島状、マスクメロン状など、いかなる状態で存在していても構わない。
さらに本発明では、ニ酸化チタン表面にブレンステッド酸塩が存在する粒子を、適度な大きさを持つ母粒子と複合化しているため、本発明の複合粒子を、樹脂などに混入してフィルム化または繊維化した場合、あるいはバインダーと共に基材表面に塗布した場合、あるいは構造体部材に導入した場合などに、そのフィルム、繊維、塗膜あるいは構造体の表面に母粒子の一部を露出させることができ、ひいては、母粒子表面にあるニ酸化チタン成分を露出させることができる。さらに、バインダーとして有機高分子を用いた場合でも、光触媒能を持たない母粒子表面がバインダーと接し結合しているので、ニ酸化チタンの光触媒作用によりニ酸化チタンと接している有機質バインダーの部分が酸化、分解されたとしても、有機質バインダーと複合粒子の結合は維持されるので、複合粒子が脱落することはない。
従って、本発明の複合粒子を用いれば、光触媒能を長期間発揮できる構造体とすることができる。また、従って、高価なフッ素樹脂やシリコーン樹脂などの難分解性のバインダーを使用する必要がない。
ブレンステッド酸塩としては、特に限定されないが、リン酸塩、縮合リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、縮合硫酸塩及びカルボン酸塩などが挙げられる。その中でも、母粒子を構成する金属と水難溶性の化合物を生成しうる塩が好ましい。その中でも、縮合リン酸塩やホウ酸塩、縮合硫酸塩及び多価カルボン酸塩などの多塩基酸塩が好まく、より好ましくは縮合リン酸塩である。
縮合リン酸塩としては、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、メタリン酸塩、ウルトラリン酸塩が例示できる。中でも、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩が好ましい。
上記のブレンステッド酸塩は単独で存在していてもよいし、複数の組合せで存在していても構わない。
小粒子のBET比表面積は10〜300m2/gであることが好ましく、より好ましくは、30〜250m2/g、さらに好ましくは、50〜200m2/gである。10m2/gより小さいと光触媒能が小さくなる。300m2/gより大きいと生産性が悪く、実用的ではない。
BET比表面積から換算される平均粒径は、粒子を球形に換算して下式より求めることができる。
D1=6/ρS(式中、ρは粒子の比重、Sは粒子の比表面積)
ここでは、BET比表面積換算粒径は、0.005μm〜0.3μmであることが好ましい。
光触媒粒子として用いられる粒子とは、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化第二鉄、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、チタン酸ストロンチウム、二酸化チタン等の、紫外光や可視光により励起され、伝導電子と正孔を生成しうる粒子であればよい。中でも化学的に安定な二酸化チタンが好ましい。
光触媒としてニ酸化チタンを用いる場合には、ニ酸化チタンの結晶相はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうちいずれでもかまわない。好ましくは、アナターゼ型もしくはブルッカイト型であり、さらに好ましくはブルッカイト型である。また、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうち2種以上の結晶相を含有していてもかまわない。2種以上の結晶相を含有していると、それぞれの単独の結晶相である場合より活性が向上する場合もある。
ニ酸化チタンの製法としては、特に制限はないが、例えば、TiCl4を原料とする気相法や、TiCl4水溶液や硫酸チタニル水溶液を原料とする液相法がある。液相法の例としては、特開平11−43327号公報が挙げられる。75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解することによりブルッカイト型ニ酸化チタン粒子の水分散ゾルを製造する方法である。
本発明において、複合粒子の母粒子に均一に少量の酸化チタンを結合させるには、このような液相合成されたニ酸化チタンを原料とすることが好ましい。さらに、液相合成されたニ酸化チタンは、その合成時のスラリー状態を維持したまま、換言すれば、ニ酸化チタンの粉末を得る工程を経ないで、用いることが好ましい。液相合成後に粉末を得る工程を採用すると、ニ酸化チタンの凝集が生ずるためである。また、その凝集を、ジェットミルやマイクロナイザーなどの気流粉砕機、ローラーミル、パルペライザーなどを用いて解砕する手法はあるが、工程が長くなるので好ましくない。
上述の液相合成されたニ酸化チタンを含有する水系スラリーにおけるニ酸化チタンの濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.5〜5質量%である。ニ酸化チタンのスラリー濃度が10質量%より大きいと、後述する混合工程においてニ酸化チタンが凝集してしまうので好ましくない。また、0.1質量%を下回ると、生産性が悪く好ましくない。
また、ニ酸化チタンを含有する水系スラリーにおけるニ酸化チタンのpHは3〜5が好ましい。pHが3より低いと、後の反応工程において、混合時に局部的な中和・発熱による二酸化チタンの凝集が発生するので好ましくない。また、pHが5より高いとニ酸化チタンの凝集が進行するので好ましくない。気相法ニ酸化チタンや液相法二酸化チタンの水系スラリーを調整後、必要があれば、電気透析やイオン交換樹脂での処理などの手法を用いてpHを調整することができる。
ニ酸化チタンにブレンステッド酸塩を複合化させる手段は、特に限定されないが、ブレンステッド酸塩を含有する水系溶液を用意することが好ましい。ニ酸化チタンスラリーに、ブレンステッド酸塩として粉末として添加し溶解する方法は、ニ酸化チタンの可視光の吸収率が低下することがあるので好ましくない場合がある。
また、ブレンステッド酸塩が水難溶性である場合には、水難溶性化合物を生成しうる複数の原料の水溶液を用意することが好ましい。例えば、ピロリン酸カルシウムをニ酸化チタンと複合化させるためには、ピロリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を用意することが好ましい。
ブレンステッド酸塩を含有する水系溶液中の化合物の濃度は40質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下である。40質量%を超える濃度になると、後の混合工程において局部的な二酸化チタンの凝集が発生し、好ましくない。
用意するブレンステッド酸塩の総量は、通常、二酸化チタン質量に対して、0.01質量%〜100質量%、好ましくは0.1質量%〜50質量%の範囲で用意する。ブレンステッド酸塩の総量が0.01質量%より少ないと、二酸化チタンとの反応性が悪化する。一方、ブレンステッド酸塩の総量が50質量%より多いと経済的に不利になるし、二酸化チタンの凝集を進行させることがある。
次に、二酸化チタンを含有する水系スラリーとブレンステッド酸塩を含有する水系溶液とを混合して反応させる。
混合させるpHとしては、4〜10が好ましい。さらに好ましくは、5〜9である。pHが4より低いと、二酸化チタンとブレンステッド酸塩との反応性が低く好ましくない。また、pHが10より高いと混合時に二酸化チタンの凝集が発生するので好ましくない。
混合時のpHを調整するためには、二酸化チタンを含有するスラリーとブレンステッド酸塩を含有する水系溶液と混合する際にpH調整をおこなってもいいし、反応混合時のpHが設定範囲に入るようにあらかじめブレンステッド酸塩を含有する水系溶液をpH調整しておいてもよい。pH調整の方法としては、塩酸や硫酸のような鉱酸や水酸化ナトリウムやアンモニアの水溶液などを用いることができる。ただし、pH調整剤の混合部位における、原料の二酸化チタンや生成した複合粒子の、局部的な凝集を避けるために極力使用量は抑制したり、希薄な濃度で使用することが好ましい。
二酸化チタンを含有する水系スラリーとブレンステッド酸塩を含有する水系溶液とを混合する方法としては、二酸化チタンを含有する水系スラリーにブレンステッド酸塩を含有する水系溶液を連続的に添加する方法でもいいし、両者を同時に反応槽に添加する方法などが挙げられる。
二酸化チタンを含有する水系スラリーとブレンステッド酸塩を含有する水系溶液とを混合した後の二酸化チタンの濃度は5質量%以下であることが好ましい。好ましくは、3質量%以下である。混合後の濃度が5質量%を越えるような配合を行うと、混合時に局部的な二酸化チタンの凝集が発生し、好ましくない。
二酸化チタンを含有する水系スラリーとブレンステッド酸塩を含有する水系スラリーとの反応温度が50℃以下であることが好ましい。さらに好ましくは30℃以下である。50℃を超えると反応槽内の微粒子の凝集が進行することがあるので好ましくない。
さらに、反応後の水系スラリーを脱塩することもできる。余分な塩類を除去しておくことは粒子の分散性を高めるので有効である。脱塩の方法としては、イオン交換樹脂を用いる方法、電気透析を用いる方法、限外濾過膜を用いる方法、ロータリーフィルタープレス(例えばコトブキ技研株式会社製)を用いる方法などが挙げられる。
通常、二酸化チタンの表面に光触媒として不活性な化合物が存在すると光触媒活性が低下するが、驚くべきことに、前記方法で表面処理すると、二酸化チタンの表面に光触媒として不活性な化合物が存在するにもかかわらず、未処理品に比べてその光触媒活性が向上することを見出した。
また、そのような効果は、本発明のように、プロセス全般を通して、原料二酸化チタンおよび生成した複合粒子の凝集を極力抑制することによって顕現される。特に、多塩基酸で部分的に表面処理された場合に顕著に顕現化される。その理由は定かではないが、複数の電子吸引性のカルボキシル基やスルホニル基等が二酸化チタン表面の特定のTi原子と優先的に相互作用を示し、そのために光吸収により二酸化チタン粒子内に生成した電子がその表面で電荷分離され、結果としてその光触媒活性が向上していることも一因ではないかと思われる。
また、二酸化チタン表面において特定のTiを含有する複合酸化物のエネルギー準位が新たに形成され、その複合酸化物の種類によっては、可視光に応答しうるバンドギャップを有することができるためとも考えられる。一般に、光触媒として不活性な物質を表面処理すれば、二酸化チタンの光触媒活性は抑制されると考えられているが、必ずしもそうではない。一方で、その表面処理基は少なくともその末端原子団部分は光触媒的には不活性であり、立体的にも有機系材料と二酸化チタンとの接触を抑制しており、その粒子を有機系材料に適用した場合においてその耐久性を向上している、という利点もある。一般的には、被分解物は気体や液体であり、それらと光触媒粒子との位置関係は流動的(すなわち、被分解物が易動性)であるのに対して、有機基材は固体であり、光触媒粒子と有機基材との立体的位置関係は固定的関係にある、ということから上記現象が実現しうることが理解できる。
すなわち、二酸化チタン粒子の分散性が維持された表面処理プロセスによって、初めて多塩基酸と特定の表面Ti原子との効率的な相互作用が実現され、それによって原料を上回る光触媒活性と耐候性の両立が同時に顕現できた、ということである。
本発明においては、酸化チタン表面にブレンステッド酸塩が存在する子粒子を、乾燥させて粉末として取り出すことができる。その際には凝集を伴うので、ジェットミルやマイクロナイザーなどの気流粉砕機、ローラーミル、パルペライザーなどを用いて解砕するとよい。
母粒子には、レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径が2〜200μm、望ましくは3〜100μm、より好ましくは3〜80μmの粒子を用いる。粒径がこの範囲であることが部材表面に配置するのに好適であり、これより小さいと部材表面に配置することは困難であり、大きければ外観の滑らかさが消失してしまう。なお、本発明において複合粒子の母粒子(大粒子)及び子粒子(小粒子)の寸法は複合化した後における寸法である。従って、大粒子と小粒子を混合・粉砕処理して複合化する場合、処理前の大粒子の寸法はレーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径200μmより大きくてもよい。小粒子も同様であるが、一般的には、小粒子は複合化処理によって実質的に微細化されない場合が多い。
母粒子には、融点が150℃以上、レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径が2〜200μm、望ましくは3〜100μm、より好ましくは3〜80μmの球状樹脂粒子を用いることも可能である。球状粒子を用いるのは複合化処理(ボールミル処理など)を実施する際に、被複合化処理物の過充填、すなわち被処理物同士、あるいは被処理物と処理媒体(ボールなど)との固着を引き起こさない為である。また融点が150℃以上であるのは、複合化した粒子が他の樹脂と混練成形する際に加熱されるため、母粒子としての形状を保ち、子粒子の機能を発現させるためである。
また母粒子には、Al,Mg,Ca,Siからなる群より選ばれる1種以上を含む水酸化物または酸化物または炭酸塩を用いることができる。例えば、Al、Mg、Caの水酸化物粒子または酸化物粒子、あるいはCaの炭酸化物粒子、あるいはシリカ粒子を用いることが好ましく、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、シリカなどの粒子を用いることができる。また母粒子はそれらの複合体でも構わない。レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径は2〜200μm、望ましくは3〜100μm、より好ましくは3〜80μmであり、形状は問わない。いかなる方法によって得られた粒子でも構わない。
これらの物質からなる母粒子は、ボールミルなどの転動方式による乾式混合におけるエネルギー定数kが50以上50,000以下である処理を実施した場合、翼の回転により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては、エネルギー定数k2が250以上50,000以下である場合、震蕩により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においてはエネルギー定数k3が50以上50,000以下である場合に、子粒子中のシリカあるいはブレンステッド酸塩と強く結合することが可能である。
子粒子(小粒子)と母粒子(大粒子)の複合化は、小粒子と大粒子又は大粒子の予備粒子を所定のエネルギー定数で混合操作に供して行うことができる。混合操作時には粉砕・混合・攪拌媒体が粉体に与える衝撃、摩擦、せん断などのエネルギーによって粉体表面を活性化することによって複合化がなされる。
ボールミルは、最も汎用的な混合・粉砕装置であるが、条件を選定することで複合化装置にもなり、被複合化物が受けるエネルギーを定量化できるので適している。この複合化に消費されるエネルギーは、エネルギー定数kを指標とすることができる。エネルギー定数kは転動ボールミルによる混合、粉砕効果を統一して評価する指標として提案されており(L.D.Hart and L.K.Hadson,The American Ceramic Society Bulletin,43,No.1,(1964))、下式で表される。
k=(wm/wp)×d×n×t (1)式
(式中、kはエネルギー定数、wpは混合する粉の総質量(g)、wmはメディア質量(g)、dはボールミル容器内径(m)、nは回転数(rpm)、tは混合時間(分)を示す。)
また、翼の回転により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては、翼の回転数をn(rpm)、処理時間をt(分)とした時に、
k2=n×t (2)式
なる関係で表されるk2をエネルギー定数とする。
震蕩により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては震蕩回数(回/分)をn、混合時間をt(分)とした時に、
k3=n×t (3)式
なる関係で表されるk3をエネルギー定数とする。
いずれのエネルギー定数も高くなるほど粉体が受ける衝突、摩擦、せん断エネルギーは増加し、母粒子と子粒子との結合が生じやすい。
本発明における複合粒子の製造方法では、ボールミルのように粉砕・混合媒体を転動させることによって粉体にエネルギーを与える装置においては、大粒子と子粒子の混合操作のエネルギー定数kが50以上50,000以下であることが望ましい。好ましくは750以上20,000以下、より好ましくは1,000以上15,000以下がよい。
翼の回転により粉体にエネルギーを与える装置においてはエネルギー定数k2が250以上50,000以下であると良い。好ましくは500以上20,000以下、より好ましくは700以上15,000以下がよい。
粉砕・混合媒体の震蕩により粉体にエネルギーを与える装置においては、エネルギー定数k3が50以上50,000以下であると良く、好ましくは250以上20,000以下、より好ましくは700以上15,000以下が良い。エネルギー定数が上記下限を下回ると、粉体の表面の活性が不充分となり、粒子同士の結合が生じにくい。エネルギー定数が上記上限よりも高いと粉砕が進行しすぎ、粒子が微粒になるだけでなく、活性のある表面が相対的に増大するので、突き固められて粗粒が生じるなど不都合を引き起こすことが多い。また、粉砕媒体、容器などとも結合し、被複合化物と媒体との固着、容器への固着などを引き起こすため好ましくない。
複合化のための装置としては、汎用的なボールミルのほか、回転翼式では株式会社カワタのスーパーミキサー,震蕩式では浅田鉄工株式会社のペイントシェーカーなどが例示でき、この他にも奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム(登録商標)やホソカワミクロン株式会社のメカノフュージョン(登録商標)、媒体流動乾燥機、気流衝撃法、表面融合法などが例示されるが、特にこれらの装置には限定されない。
上記で例示した以外の複合化方法においても、複合化に要するエネルギーを適度に調整するのが重要である。転動式や回転翼式、あるいは震蕩式以外の場合は、単位質量当たりの処理物に加えられる動力を、ボールミルのエネルギー定数から規定される動力範囲と同じになるように設定すればよい。
また、ニ酸化チタン表面にブレンステッド酸塩が存在する小粒子がスラリー状態にあるときには大粒子をスラリー中に添加して、媒体流動乾燥装置によって複合化する方法をとることもできる。流動状態のセラミック媒体中にスラリーが滴下され、媒体同士の剪断力エネルギーと乾燥に伴う凝集力とによって大粒子と小粒子とが強固に結合するからである。
粒子の複合化が可能な混合方法としては例えば転動式ボールミル、高速回転粉砕機、媒体攪拌型ミル、高速気流衝撃法、表面融合法などさまざまな混合粉砕、機械的融合装置を用いることができる。操作因子としては、例えば、高速回転粉砕機にあっては、回転数、滞留時間等の調整、媒体撹拌型ミルにあっては、撹拌速度、メディア質量、撹拌時間等の調整などがあげられ、高速気流衝撃法粉砕機にあってはキャリアガスの圧力、滞留時間等の調整を行い、適度なエネルギーを被処理物に与える。
複合化処理では、一般的に、母粒子に対する子粒子の割合が0.5質量%以上40質量%未満であるように計量し、複合化装置に投入する。
本発明の複合粒子は、例えば、樹脂製品、ゴム製品、紙、化粧料、塗料、印刷インキ、セラミック製品、色素増感型太陽電池、光触媒等、従来のニ酸化チタンとほぼ同様な用途に用いることができる。
本発明の複合粒子は、例えば、有機重合体に添加して組成物として使用できる。有機重合体としては、例えば、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、天然樹脂等が挙げられる。このような有機重合体の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフイン、ナイロン6、ナイロン66、アラミドなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルアセタール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロースおよびレーヨンその他のセルロース誘導体、ポリウレタン、ポリカーボネート、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
本発明の複合粒子粒子を含むこれら有機重合体組成物は、例えば、塗料(コーティング組成物)、コンパウンド(例えば、粉体含有樹脂組成物)、及び複合粒子粒子を高濃度に含む成型体用のマスターバッチ等の形態で使用できる。有機重合体組成物には、酸化防止剤、耐電防止剤、金属脂肪酸塩等の添加剤を添加しても良い。
有機重合体組成物中の本発明の複合粒子の濃度は、組成物全質量に対して、0.01〜80質量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜60質量%、さらに好ましくは1〜50質量%であるが、最も好ましくは1〜40質量%である。
このような重合体組成物を成型することによって、紫外線遮蔽能を有する成型体が得られる。このような成型体として、例えば、繊維、フィルム、プラスチック成型体等が挙げられる。
繊維はポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維などをあげることができる。また、これらの繊維を利用して、さまざまな光触媒繊維製品とすることができる。タオル、ふきん、手ぬぐい、めがね拭き、ハンカチなどの布製品、パジャマ、おむつ、シーツ、便座カバー、毛布、布団などの介護用布製品・寝具類、下着、靴下などの肌着類、マスク、白衣、ナースキャップ、カーテン、シーツなどの病院用繊維製品、サポーター、トレーナー、ジャージなどのスポーツ用繊維製品、自動車シート、シートカバー、自動車天井材、自動車用床材など自動車用繊維製品、カーペット、カーテン、足拭きマット、のれん、いす・ソファの布地などの住宅用繊維製品、セーターなどの衣料用繊維製品があげられる。また、これら光触媒繊維を使用した壁紙、障子などの紙製品に使用することもできる。
フィルムはゴミ袋や食品包装用袋、ラップ用フィルム、ペットボトル用シュリンクフィルムなどや化粧板などの化粧フィルムなどがあげられる
成型体は洗面台ユニット、バスユニット、流し台ユニットの樹脂部分、てすりの樹脂部分、テレビ、パソコン、エアコン室内機、コピー機、洗濯機、除湿器、電話機、電気ポット、掃除機などの樹脂ボディ、照明器具用樹脂カバー、樹脂製ハンガー、樹脂製衣装ケース、樹脂製ゴミ入れ、自動車用ダッシュボードなどがあげられる。
本発明の複合粒子粒子は一般的に有機重合体組成物中に配合し成型することで複合粒子の大粒子が頭だしされる効果が得られるが、有機重合体組成物を繊維またはフィルムに成型する場合、繊維径またはフィルム厚としては限定するわけではないが母粒子径の2倍以上200倍以下がより好ましく、さらには5倍以上100倍以下がより好ましい。
また、本発明の複合粒子粒子は、水や有機溶剤に分散させた後、バインダーを任意に添加して塗工剤にする事もできる。バインダー材料については、特に制限はなく、有機系バインダーであっても無機系バインダーであっても良い。
この様なバインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、ポリアクリルアミド、アクリルアミド、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、シリコン樹脂、ビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂等が挙げられる。さらに、無機バインダーとして、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、プロピオン酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物、アルコキシシラン、珪酸塩等の珪素化合物、或いはアルミニウムやチタンの金属アルコキシド等が挙げられる。
また、具体的に塗工剤中のバインダーの添加量は、0.01質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%の範囲が特に好ましい。
バインダーの含有量が0.01質量%以下では、塗工後に十分な接着性を得られず、また20質量%を越えると増粘等の問題が生じ、また、経済的にも不利となる。
さらに、本発明の複合粒子を、構造体の表面に具備してもよい。このような構造体は、特に限定されるものではなく、例えば、金属、コンクリート、ガラス、陶器等の無機物から構成されるものでも良く、紙、プラスチック、木材、皮等の有機物から構成されるものでも良く、あるいは、それらを組み合わせたものであっても良い。これらの例としては、例えば、建材、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、衣類、布製品、繊維、革製品、紙製品、スポーツ用品、蒲団、容器、眼鏡、看板、配管、配線、金具、衛生資材、自動車用品、テントなどのアウトドア用品、ストッキング、靴下、手袋、マスク等が挙げられる。また、シックハウス対策や、水・大気・土壌中のPCBやダイオキシン類のような有機塩素化合物の分解、水・土壌中の残留農薬や環境ホルモンの分解などに有効な環境浄化機器・装置にも応用できる。
また、前記物品が効果的にその光触媒性や親水性を発現することができる光源として、太陽、蛍光灯、白熱電球、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード、レーザー、有機物の燃焼炎などを例示することができる。また蛍光灯としては、白色蛍光灯、昼白色蛍光灯、昼光色蛍光灯、温白色蛍光灯、電球色蛍光灯、ブラックライト、などを例示することができる。
これらの、表面に具備する方法としては、特に限定するものではなく、例えば、前述の有機重合体組成物や塗工剤を、構造体に直接塗布しても良いし、あるいは、表面にすでに塗膜のある構造体の上に塗布しても良い。塗工剤を塗布することにより成膜する場合、成膜することで複合粒子が頭出しされる効果が得られる。膜厚としては限定するわけではないが母粒子径の2倍以上200倍以下が好ましく、5倍以上100倍以下がより好ましい。さらに、これらの上に他の塗膜を形成しても良い。その場合、複合粒子の頭出しされた部分を覆わないか、あるいは光触媒反応に関わる物質を容易に透過する膜が望ましい。
さらに本発明の複合粒子を化粧料などにも用いることも可能である。より好ましくは小粒子には酸化チタン−シリカ複合微粒子を用いると、子粒子、すなわち酸化チタン−シリカ複合微粒子のみを用いた化粧料に比べ、皮膚へ塗布した際の滑らかさに優れている。特にこの効果は、母粒子を球状ナイロン粒子とした時に著しい。球状ナイロン粒子上に、酸化チタン−シリカ複合微粒子を担持した複合粒子は、皮膚へ塗布した際の滑らかさ、感触に優れているだけでなく、紫外線遮蔽能をも具備している。この化粧料には、一般に化粧料に使用されるオイル、美白剤、保湿剤、アンチエイジング剤、エモリエント剤、エキス類、抗炎症剤、抗酸化剤、界面活性剤、キレート剤、抗菌剤、防腐剤、アミノ酸、糖類、有機酸、アルコール類、エステル類、油脂、炭化水素類、紫外線防止剤、無機粉体等の各種添加剤を添加することができる。
具体的には、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等の溶剤、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類、ソルビトール等の糖類、トレハロース等の二糖類、ヒアルロン酸、水溶性コラーゲンなどの保湿剤、水素添加したスクワランやオリーブオイル、ホホバオイルといった植物油、セラミド類などのエモリエント剤、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド等の安定型アスコルビン酸、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、カミレツエキスなどの美白剤、アラントイン、グリチルリチン酸もしくはその塩類などの抗炎症剤、モノステアリン酸グリセリン、POEソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE・POPブロックポリマー、POE硬化ヒマシ油エステルなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、スクワラン、流動パラフィン、パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素、アーモンドオイル、カカオオイル、マカデミアナッツオイル、アボガドオイル、ヒマシ油、ヒマワリ油、月見草油、サフラワー油、ナタネ油、馬油、牛脂、合成トリグリセライド等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、ホホバオイルなどのロウ類、ラウリル酸、アテアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、グリコール酸、酒石酸などの脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデシルアルコール、などの高級アルコール、グリセリントリエステル、ペンタエリスリトールテトラエステルなどの合成エステル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、EDTA、グルコン酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウムなどのキレート剤、パラベン、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール、クレゾール、安息香酸、安息香酸、エチル、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ヒノキチオール、フルフラール、ピリチオンナトリウムなどの防腐剤、殺菌剤、ビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、亜流酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムなどのバッファー剤、グリシン、アラニンなどのアミノ酸類、ミリスチン酸ブチル、オレイン酸エチル、ステアリン酸エチル、などのエステル類、香料、顔料、動植物抽出物、ビタミンA、B郡、C等のビタミン類及びその誘導体、パラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸エチル、サリチル酸フェニル、ケイ皮酸ベンジル、オクチルメトキシシンナメート、シノキサート、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、マイカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、無水珪酸、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、群青、黒酸化鉄、黄酸化鉄等の無機粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末等の樹脂粉末などを使用することができる。
本発明でいう化粧料は、本発明に関する以外の部分は一般に製造に用いられる技術を使用し、製造することができる。
以下、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例において、下記の評価を行った。
(1)フィルムの光触媒性
本発明の複合粒子20質量部と、ステアリン酸亜鉛(日本油脂(株)製、ジンクステアレートS)2質量部と、低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスJH607C)78質量部とを二軸混練押出機(KZW15−30MG、(株)テクノベル製)を用いて140℃(滞留時間約3分)で溶融混練し、ペレット化を行った。直径2〜3mmφ、長さ3〜5mm、質量0.01〜0.02g、円柱状で、複合粒子含量20%の低密度ポリエチレンのコンパウンドを得る。
この低密度ポリエチレンコンパウンド4kgと低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスJH607C)16kgをV型ブレンダー(池本理化工業(株)製、RKI−40)で10分間混合し、混合ペレットを作製した。
次に、得られた混合ペレットを200mmのTダイを有する二軸混練押出機(KZW15−30MG、(株)テクノベル製)でダイス温度250℃で80μmのフィルムを作製した。
こうして得られたフィルム上に、試験インキを直径約2cmの円状になるように垂らして、インキ消色テスト試料とした。試験インキとしては、カラープリンター用インキ(キャノン(株)製のBJI201M−マジェンタ)1gをエタノール99gに溶解したものを使用した。
インキ消色テスト試料をガラス窓から5cmの位置に置き、ガラス越しに太陽光に当てて、晴天が累積3日目に観察して、消色の程度を目視により判定した。
(2)硫化水素消臭テスト
検体の光照射される光触媒面の合計面積が400cm2となるように、検体を
5Lの容量のテドラー(登録商標)バッグ(ジーエルサイエンス株式会社製、AAK−5)に入れた。次いでそこに硫化水素を60体積ppm含有する乾燥空気を5L充填・ブローを少なくとも1回行い、再度同じ濃度の硫化水素を含有する乾燥空気を5L充填し、内部のガスを十分置換した。硫化水素を60体積ppm含有する乾燥空気は、市販の圧縮空気を用いてパーミエーター(株式会社ガステック製、PD−1B)で調製した。
次に初期硫化水素濃度C0T(体積ppm)を検知管(株式会社ガステック製、No.4LL)を用いて測定した。その後、袋の外から、波長365nmにおける紫外線強度0.5mW/cm2の光が光触媒面に照射されるように光照射を開
始した。その時点を起点として4時間後の袋中の硫化水素濃度C1T(体積ppm)を測定した。一方、対照実験として、上記と同様な操作にて暗所において4時間保持するテストも行なった。その時の初期硫化水素濃度をC0B(体積ppm)、4時間後の硫化水素濃度C1B(体積ppm)とした。
なお、光源としてブラックライト(ナショナル(株)製、FL20S・BL−B)を用い、365nmにおける光強度の測定には、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計、UIT−150を用いた。また、光源として昼白色蛍光灯を用いる場合は、例えば、株式会社日立GEライティング製、ハイホワイトFL20SS−N/18−Bを用いた。光強度の測定には、アテックス株式会社製、UVA−365を用いた。これを使えば、365nmにおける微弱な光強度を測定することができる。この時は波長365nmにおける紫外線強度6μW/cm2の光が光触媒面に照射されるように昼白色蛍光灯を調整して照射した。
吸着を除く硫化水素の分解率D1は、
1={(C0T−C1T)−(C0B−C1B)}/C0T×100(%)
により定義される。D1が大きいほど、光触媒性が大きいと判断できる。
(3)耐候性テスト(フィルムの耐候性)
インキ消色テスト用に製造したフィルムの一部を耐候性テストに使用した。耐候性テストは、平板をスガ試験機(株)製のサンシャインスーパーロングライフウェザーメーターWEL−SUN−HCH型に48時間かけて行った。JIS K 7350−4(プラスチック−実験室光源による暴露試験方法 オープンフレームカーボンアークランプ)に従い、I形フィルタを使用し、ブラックパネル温度63±3℃、水噴霧時間18±0.5分/60分の条件で試験を行った。
耐候性の評価は、サンシャインスーパーロングライフウェザーメーターにかける前後の平板の光沢度を(株)堀場製作所製GLOSS CHECKER IG−320により測定して、光沢保持率によって行った。光沢保持率は、耐候性テスト前のフィルムの光沢度をBL0(%)、耐候性テスト後のフィルムの光沢度
をBL1(%)とすると、
光沢保持率=BL1/BL0×100(%)
により算出した。
実施例1:
あらかじめ計量した純水50リットル(以下、リットルをLと記す)を攪拌を行いながら加熱して温度を98℃に保持した。そこへTi濃度15質量%の四塩化チタン水溶液(住友チタニウム株式会社製)3.6kgを120分かけて滴下した。滴下後に得られた白色懸濁液を電気透析機にかけて脱塩素を行い、スラリーのpHを4にした。こうして得られた光触媒スラリーの一部を採取し、乾燥恒量法により固形分濃度を測定したところ、2質量%であった。
X線回折装置によって乾燥粉の構造解析を行った結果、得られた粉末はブルッカイト型二酸化チタンであった。これは、ブルッカイト含有率89質量%、アナターゼ含有率11質量%であった。
次に100gのピロリン酸ソーダ(太平化学産業株式会社製、食添用)を純水に溶解し、5質量%のピロリン酸ソーダ水溶液2kgを得た。
このようにして得られた2質量%二酸化チタンスラリー50Lを反応槽に仕込み冷却しながら、十分な攪拌を行った。そこへ2kgの5質量%ピロリン酸ソーダ水溶液および10質量%苛性ソーダ水溶液を、混合後のpHが8〜9になるように調製しながら1時間かけて、添加した。この間、反応温度は20〜25℃であった。
得られたピロリン酸を含んだ二酸化スラリーを22〜28℃で1時間保持した。その際の電気伝導度は10000μS/cmであった。 次に、得られたスラリーをロータリーフィルタープレス(コトブキ技研株式会社製)で濾過洗浄し、濾過液の電気伝導度が50μS/cmになるまで、十分水洗した後、濃縮して光触媒性スラリーを得た。得られた光触媒性スラリーのpH(株式会社堀場製作所製 D−22)を測定したところ7.8であった。
次に、得られたスラリーの一部を採取し、120℃にて乾燥恒量法により粉末を得た。これよりスラリーの固形分濃度を測定したところ、10質量%であった。次に得られた粉末をFT−IR(株式会社パーキンエルマー製、FT−IR1650)で分析を行った結果、ピロリン酸の吸収が観察された。次に、乾燥粉をICP(株式会社島津製作所製、ICPS−100V)で分析を行ったところ、Naが0.7質量%、リンが1.2質量%存在することがわかった。また、大塚電子株式会社製ELS−8000を用いて、電気泳動光散乱法によって測定されたゼータ電位を測定したところ、等電点は2.1であった。BET比表面積測定(株式会社島津製作所製、Flow Sorb II 2300)の結果は、140m2/gであった。
上記のスラリー10kgに70kgの純水と、白石カルシウム株式会社製炭酸カルシウムホワイトンB(レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径14μm)を20kg投入し十分攪拌した。このスラリーを媒体流動乾燥機(株式会社大川原製作所製、スラリードライヤー)で乾燥して、二酸化チタン微粒子の表面にブレンステッド酸塩を有する小粒子と炭酸カルシウム母粒子とからなる複合粒子を取得した。
このようにして得られた複合粒子を、前述の方法でフィルム化し、インキ消色テストを行ったところ、マジェンタ色はほぼ消えていた。なお、消色テストを暗所にて同じ時間行ったが、消色は見られなかった。したがって、前述のインキ消色テストにおける消色は光触媒効果によるものであることが確認された。また、得られたフィルムの光沢保持率は80%と良好であった。また、ブラックライトを光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は75%であった。
さらに昼白色蛍光灯を光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は12%であり、微弱な蛍光灯の光でも分解していた。
実施例2:
実施例1と同様にして得た小粒子スラリー10kgに150kgの純水と、白石カルシウム株式会社製炭酸カルシウムホワイトンB(レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径14μm)を40kg投入し十分攪拌し、同様に複合粒子を得た。
このようにして得られた複合粒子を、前述の方法によりフィルム化し、インキ消色テストを行ったところ、マジェンタ色はほぼ消えていた。なお、消色テストを暗所にて同じ時間行ったが、消色は見られなかった。したがって、前述のインキ消色テストにおける消色は光触媒効果によるものであることが確認された。また、得られたフィルムの光沢保持率は80%と良好であった。また、ブラックライトを光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は90%であった。
さらに昼白色蛍光灯を光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は19%であり、微弱な蛍光灯の光でも分解していた。
実施例3:
実施例1と同様にして得た小粒子スラリー10kgに135kgの純水と、白石カルシウム株式会社製炭酸カルシウムホワイトンB(レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径14μm)を5kg投入し十分攪拌し、同様に複合粒子を得た。
このようにして得られた複合粒子を、前記の方法によりフィルム化し、インキ消色テストを行ったところ、マジェンタ色はほぼ消えていた。なお、消色テストを暗所にて同じ時間行ったが、消色は見られなかった。したがって、上述のインキ消色テストにおける消色は光触媒効果によるものであることが確認された。また、得られたフィルムの光沢保持率は85%と良好であった。また、ブラックライトを光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は70%であった。
さらに昼白色蛍光灯を光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は10%であり、微弱な蛍光灯の光でも分解していた
実施例4:
実施例1と同様にして得た小粒子スラリーを媒体流動乾燥機(株式会社大川原製作所製、スラリードライヤー)で乾燥して、小粒子を得た。これを実施例4と同様にして複合粒子を得た。
このようにして得られた複合粒子を、前記の方法によりフィルム化し、インキ消色テストを行ったところ、マジェンタ色はほぼ消えていた。なお、消色テストを暗所にて同じ時間行ったが、消色は見られなかった。したがって、上述のインキ消色テストにおける消色は光触媒効果によるものであることが確認された。また同様に、得られたフィルムの光沢保持率も80%と良好であった。さらに同じく、ブラックライトを光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は71%であり、昼白色蛍光灯を光源としたときの硫化水素の吸着を除く分解率D0は12%であり、微弱な蛍光灯の光でも分解していた。
比較例1:
あらかじめ計量した純水50リットル(以下、リットルをLと記す)を攪拌を行いながら加熱して温度を98℃に保持した。そこへTi濃度15質量%の四塩化チタン水溶液(住友チタニウム株式会社製)3.6kgを120分かけて滴下した。滴下後に得られた白色懸濁液を電気透析機にかけて脱塩素を行い、スラリーのpHを4にした。こうして得られた光触媒スラリーの一部を採取し、乾燥恒量法により固形分濃度を測定したところ、2質量%であった。乾燥粉をX線回折装置にかけて構造解析を行った結果、得られた粉末はブルッカイト型二酸化チタンであった。これは、ブルッカイト含有率89質量%、アナターゼ含有率11質量%であった。
このスラリーの一部を媒体流動乾燥機(株式会社大川原製作所製、スラリードライヤー)で乾燥して、小粒子を得た。これを実施例4と同様にして複合粒子を得た。
この粒子を、前記の方法によりフィルム化し、インキ消色テストを行ったところ、マジェンタ色は消えるものの、得られたフィルムの光沢保持率は30%以下であり、非常に悪かった。これは小粒子がピロリン酸処理されなかったため、複合化されず、小粒子が直接、樹脂中に分散接触しており、光触媒作用により耐候性を悪化させたと考えられる。
比較例2:
実施例1と同様にして得た小粒子スラリー10kgに白石カルシウム株式会社製炭酸カルシウムホワイトンB(レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径14μm)を1000g投入し十分攪拌し、同様に複合粒子を得た。
このようにして得られた複合粒子を、前記の方法によりフィルム化し、インキ消色テストを行ったところ、マジェンタ色はほぼ消えていたが、得られたフィルムの光沢保持率は18%と非常に悪かった。

Claims (24)

  1. 小粒子が大粒子に担持されている複合粒子であって、該小粒子が、BET比表面積換算粒径で0.005μm〜0.3μmの平均粒径を持つ光触媒含有粒子であり、かつ、該大粒子が、レーザー回折/散乱式粒度分析法によって測定される平均粒径2〜200μmを有する複合粒子。
  2. ブレンステッド酸塩が含有されている請求項1に記載の複合粒子。
  3. ブレンステッド酸塩が、小粒子の表面に存在している請求項2に記載の複合粒子。
  4. ブレンステッド酸塩が、縮合リン酸塩である請求項2または3に記載の複合粒子
  5. ブレンステッド酸塩が、光触媒の質量に対して、0.01質量%〜50質量%存在する請求項2乃至4のいずれか1項に記載の複合粒子。
  6. 光触媒が、ニ酸化チタンである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合粒子。
  7. ニ酸化チタンが、ブルッカイト結晶相を含んでいる請求項6に記載の複合粒子。
  8. 大粒子が、融点150℃以上の球状樹脂粒子である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複合粒子。
  9. 大粒子が、Al、Mg、Ca、Siからなる群より選ばれる1種以上を含む水酸化物または酸化物または炭酸塩である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複合粒子。
  10. 大粒子に対する小粒子の割合が0.5%質量以上40質量%以下である請求項1乃至9のいずれかに1項に記載の複合粒子。
  11. 大粒子及び小粒子を含む材料をボールミルで乾式混合し、その乾式混合のエネルギー定数kが、混合する粒子の総質量をwp(g)、メディア質量をwm(g)、ボールミル容器内径をd(m)、回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)とした時に、
    k=(wm/wp)×d×n×t (1)式
    なる関係で表されるkが50以上50,000以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
  12. 大粒子及び小粒子を含む材料を翼の回転により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては翼の回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)とした時に、
    k2=n×t (2)式
    なる関係で表されるk2が250以上50,000以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
  13. 大粒子及び小粒子を含む材料を震蕩により混合・粉砕・攪拌を行うタイプの粉体処理装置においては震蕩回数(回/分)をn、混合時間をt(分)とした時に、
    k3=n×t
    なる関係で表されるk3が50以上50,000以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
  14. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を、有機重合体組成物の全質量中に0.01〜80質量%含むことを特徴とする有機重合体組成物。
  15. 有機重合体組成物の有機重合体が、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、及び天然樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂である請求項14に記載の有機重合体組成物。
  16. 有機重合体組成物が、コンパウンドである請求項14または15に記載の有機重合体組成物。
  17. 有機重合体組成物が、マスターバッチである請求項14または15に記載の有機重合体組成物。
  18. 請求項14乃至17のいずれか1項に記載の有機重合体組成物を成型してなる成型体。
  19. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を含む塗工剤。
  20. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を含む塗料。
  21. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を表面に具備した構造体。
  22. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を含む化粧料。
  23. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を含む繊維。
  24. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合粒子を含むフィルム。
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