JP2006123441A - 水圧転写方法と水圧転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型の被転写体であっても、入水抵抗や引き揚げ時の落水等を抑制して良好な転写品質を得られ、しかも転写効率を良好にできる。
【解決手段】転写フィルム3を水面に浮かべた水槽2の上方に、浴槽5を昇降ユニット18のアーム部19a、19bで吸着保持する。昇降ユニット18の制御手段21は昇降ユニット18の上下動制御手段22と浴槽5の傾斜角調整手段23を有している。浴槽5を水面上の転写フィルム3に対して直交する二方向で角度θ1、θ2傾斜させて水槽の上流側部分の角部から押しつけて水面下に進入させる。浴槽5を水平状態に保持して転写を行う。転写終了後に浴槽5を再度角度θ1、θ2傾斜させて上流側部分の角部から引き揚げる。
【選択図】 図1
【解決手段】転写フィルム3を水面に浮かべた水槽2の上方に、浴槽5を昇降ユニット18のアーム部19a、19bで吸着保持する。昇降ユニット18の制御手段21は昇降ユニット18の上下動制御手段22と浴槽5の傾斜角調整手段23を有している。浴槽5を水面上の転写フィルム3に対して直交する二方向で角度θ1、θ2傾斜させて水槽の上流側部分の角部から押しつけて水面下に進入させる。浴槽5を水平状態に保持して転写を行う。転写終了後に浴槽5を再度角度θ1、θ2傾斜させて上流側部分の角部から引き揚げる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、各種物品からなる被転写体の水圧転写方法及び水圧転写装置に関する。
一般に、水圧転写装置は、模様等を印刷した転写層を密着させた水圧転写フィルムを水槽の水面上に浮かべた状態で、曲面等の3次元形状面を表面に有する物品を浸水あるいは水没させて、転写フィルムの転写層を物品の3次元形状の転写部位に水圧によって付着させる装置である。
ここで、転写フィルムは、水溶性或いは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、支持体フィルムの上に設けた有機溶剤に溶解可能な疎水性物質からなる転写層とを有している。支持体フィルムとして、例えばPVA(ポリビニルアルコール)等があり、また、転写層として例えば印刷インキ皮膜または塗装皮膜等がある。
また、転写フィルムにおいて、転写層が活性エネルギー線照射或いは加熱の少なくともいずれかによって硬化可能な硬化性樹脂層を有している転写フィルムがあり、この転写フィルムは特にトップコート付き転写フィルムと呼んでいる。ここで、硬化性樹脂膜として例えば次の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
(2)活性エネルギー線硬化性樹脂と非重合成性の熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
(3)熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
(4)熱硬化性樹脂と非重合成性の熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
(5)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
(6)活性エネルギー線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び非重合性の熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
ここで、転写フィルムは、水溶性或いは水膨潤性の樹脂からなる支持体フィルムと、支持体フィルムの上に設けた有機溶剤に溶解可能な疎水性物質からなる転写層とを有している。支持体フィルムとして、例えばPVA(ポリビニルアルコール)等があり、また、転写層として例えば印刷インキ皮膜または塗装皮膜等がある。
また、転写フィルムにおいて、転写層が活性エネルギー線照射或いは加熱の少なくともいずれかによって硬化可能な硬化性樹脂層を有している転写フィルムがあり、この転写フィルムは特にトップコート付き転写フィルムと呼んでいる。ここで、硬化性樹脂膜として例えば次の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
(2)活性エネルギー線硬化性樹脂と非重合成性の熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
(3)熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
(4)熱硬化性樹脂と非重合成性の熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
(5)活性エネルギー線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層
(6)活性エネルギー線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び非重合性の熱可塑性樹脂を含む硬化性樹脂層
例えば特許文献1に記載された水圧転写装置では、水槽の水面上に転写フィルムを載置しており、転写フィルムは水溶性の薄質膜からなるフィルムの上に接着性の塗料またはインクによる所定の模様が印刷された転写層を設けた構成を有している。そして、転写フィルムの上に溶剤が吹き付けられた後、物品を保治具で保持して転写フィルムに押圧して水中に沈めることになる。この場合、物品を保持する保治具がコンベアで水槽上に運ばれ、クレーンにより吊り下げられて水槽内に降下させられ、物品の表面に水圧転写を行う。そして一定時間経過してフィルムが溶解して転写層が物品に密着した後に持ち上げられ、洗浄槽で洗浄させられることになる。
また、特許文献2に記載された水圧転写装置では、水槽の転写フィルムを浮かべた水面の上方に、略三角形状の無端状の転写コンベアが設けられている。この転写コンベアは二つの斜辺で挟まれる略三角形の頂角が水面に向けられている。そして、転写コンベアのホルダーに治具を介して物品が保持され、転写コンベアのコンベアベルトが一方の斜辺に沿って斜め下方に向けて移動することで、物品が水槽の上流側から、転写フィルムに対して傾斜した状態で水中に押し入れられ、物品に転写層が転写させられる。その後、コンベアベルトが他方の斜辺に沿って斜め上方に向けて移動することで、水槽の下流側から物品が引き上げられる。
このようにして、転写コンベアで物品を連続して搬送し、転写フィルムの転写層を転写することになる。
特開平4−43100号公報
特開平6−312571号公報
また、特許文献2に記載された水圧転写装置では、水槽の転写フィルムを浮かべた水面の上方に、略三角形状の無端状の転写コンベアが設けられている。この転写コンベアは二つの斜辺で挟まれる略三角形の頂角が水面に向けられている。そして、転写コンベアのホルダーに治具を介して物品が保持され、転写コンベアのコンベアベルトが一方の斜辺に沿って斜め下方に向けて移動することで、物品が水槽の上流側から、転写フィルムに対して傾斜した状態で水中に押し入れられ、物品に転写層が転写させられる。その後、コンベアベルトが他方の斜辺に沿って斜め上方に向けて移動することで、水槽の下流側から物品が引き上げられる。
このようにして、転写コンベアで物品を連続して搬送し、転写フィルムの転写層を転写することになる。
しかしながら、上記特許文献1や2等に記載の水圧転写装置では、物品が浴槽や冷蔵庫の扉等、被転写面積が0.20m2以上あるような大型物品の場合には入水抵抗が大きく、排水量も多くなり、水面の波立ちが大きくなって転写品質に悪影響を及ぼす。即ち、物品に付着した転写層に投入痕、転写シワ、転写伸び等が発生してしまう。特に特許文献1のように物品を垂直に降下させると転写伸びを生じ易い不具合がある。
また、転写終了後に水面から物品を引き揚げる際にも同様の問題があり、しかも物品の形状によっては引き揚げ時の物品の周囲からの落水も多くなり、落水と共に物品に付着した転写滓が流れ落ちて水面に飛散する。転写滓が水面に飛散したりすると次の転写作業までに回収するのに手間がかかる欠点がある。さらに落水や引き揚げ抵抗によって水面を乱すので、次の転写作業は水面の波が落ち着くまで開始できず、転写効率が低下するという不具合を生じる。
物品の水面への投入及び引き揚げ速度を例えば1mm/秒程度に極低速にすれば上述した不具合を改善できるが、タクトタイムが長くなる上に、 転写層を活性化処理をした後の転写までの時間の差が大きくなり、転写密着力の均一性が損なわれ好ましいものではなかった。また被転写体が大型の部品の場合には、着水時から引き揚げまでの転写時間に差が発生し、転写品質にバラツキが出るという問題もあった。
また、特許文献2では、水面に対して物品を斜め下方に移動させて転写フィルムに押しつけ、転写後には斜め上方に移動させて水面から引き揚げるために、水槽を含む水圧転写装置が大型化してコストの増大を招く欠点がある。
また、転写終了後に水面から物品を引き揚げる際にも同様の問題があり、しかも物品の形状によっては引き揚げ時の物品の周囲からの落水も多くなり、落水と共に物品に付着した転写滓が流れ落ちて水面に飛散する。転写滓が水面に飛散したりすると次の転写作業までに回収するのに手間がかかる欠点がある。さらに落水や引き揚げ抵抗によって水面を乱すので、次の転写作業は水面の波が落ち着くまで開始できず、転写効率が低下するという不具合を生じる。
物品の水面への投入及び引き揚げ速度を例えば1mm/秒程度に極低速にすれば上述した不具合を改善できるが、タクトタイムが長くなる上に、 転写層を活性化処理をした後の転写までの時間の差が大きくなり、転写密着力の均一性が損なわれ好ましいものではなかった。また被転写体が大型の部品の場合には、着水時から引き揚げまでの転写時間に差が発生し、転写品質にバラツキが出るという問題もあった。
また、特許文献2では、水面に対して物品を斜め下方に移動させて転写フィルムに押しつけ、転写後には斜め上方に移動させて水面から引き揚げるために、水槽を含む水圧転写装置が大型化してコストの増大を招く欠点がある。
本発明は、このような実情に鑑みて、被転写面積が0.20m2以上の大型の被転写体であっても、入水抵抗や引き揚げ時の落水等を抑制して均一な転写品質を得られ、しかも転写効率を良好にできるようにした水圧転写方法及び水圧転写装置を提供することを目的とする。
本発明による水圧転写方法は、フィルム上に転写層を有する転写フィルムを水槽の水面に浮かべた状態で、被転写体を転写フィルムに押しつけて転写層を被転写体に転写させるようにした水圧転写方法において、被転写体を水面上の転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から押しつけて水面下に投入させ、転写終了後に被転写体を傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から水面の外に引き揚げるようにしたことを特徴とする。
また、本発明による水圧転写装置は、水溶性または水膨潤性の樹脂からなるフィルム上に有機溶剤に溶解可能な疎水性の転写層を設けた転写フィルムを水槽の水面に浮かべた状態で、被転写体を転写フィルムに押しつけて転写層を被転写体に転写させるようにした水圧転写装置において、被転写体を保持して略垂直方向に上下動させる昇降ユニットと、該昇降ユニットによって被転写体を水面上の転写フィルムに押しつけると共に水面から引き上げる上下動制御手段と、昇降ユニットで保持する被転写体を水面に対して所定角度傾斜させる傾斜角調整手段とを備え、昇降ユニットによって被転写体を水面上の転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から押しつけて転写させ、転写後に被転写体を傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から水面の外に引き揚げるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、被転写体を水面上の転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から転写フィルムに押しつけて水面下に進入させることで、入水抵抗が小さく水面の波立ちを抑制できるため、投入痕、空気咬み込み、転写シワ、転写伸び等を抑えて転写品質を向上できる。また転写後の水面からの引き揚げに際しても、被転写体を傾斜させて上流側部分から引き揚げることで、被転写体からの落水を滑らか且つ静かに行えて上流側の水面の乱れを抑え、水面の波立ちを抑制すると共に転写滓等を水槽の下流側に集めることができ、転写滓等の排出または回収が容易でタクトタイムが短くなる。しかも、被転写体における転写時間の差を抑制して均一な転写を行える。
なお、水槽の上流側と下流側とは、転写フィルムを繰り出しによって水面上に載置する場合や転写後に水中に残る転写滓やフィルムの残滓等を寄せ集めて回収または排出する場合の上流側と下流側を意味する。
また、本発明による水圧転写装置は、水溶性または水膨潤性の樹脂からなるフィルム上に有機溶剤に溶解可能な疎水性の転写層を設けた転写フィルムを水槽の水面に浮かべた状態で、被転写体を転写フィルムに押しつけて転写層を被転写体に転写させるようにした水圧転写装置において、被転写体を保持して略垂直方向に上下動させる昇降ユニットと、該昇降ユニットによって被転写体を水面上の転写フィルムに押しつけると共に水面から引き上げる上下動制御手段と、昇降ユニットで保持する被転写体を水面に対して所定角度傾斜させる傾斜角調整手段とを備え、昇降ユニットによって被転写体を水面上の転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から押しつけて転写させ、転写後に被転写体を傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から水面の外に引き揚げるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、被転写体を水面上の転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から転写フィルムに押しつけて水面下に進入させることで、入水抵抗が小さく水面の波立ちを抑制できるため、投入痕、空気咬み込み、転写シワ、転写伸び等を抑えて転写品質を向上できる。また転写後の水面からの引き揚げに際しても、被転写体を傾斜させて上流側部分から引き揚げることで、被転写体からの落水を滑らか且つ静かに行えて上流側の水面の乱れを抑え、水面の波立ちを抑制すると共に転写滓等を水槽の下流側に集めることができ、転写滓等の排出または回収が容易でタクトタイムが短くなる。しかも、被転写体における転写時間の差を抑制して均一な転写を行える。
なお、水槽の上流側と下流側とは、転写フィルムを繰り出しによって水面上に載置する場合や転写後に水中に残る転写滓やフィルムの残滓等を寄せ集めて回収または排出する場合の上流側と下流側を意味する。
本発明による水圧転写方法及び装置によれば、被転写面積が0.20m2以上をなす大型の被転写体の入水時の抵抗を抑制できるので転写フィルムのアバレも小さくなり、投入痕、転写シワ、転写伸び等を抑えて転写品質が向上する。しかも傾斜状態で引き揚げて水槽の下流側に水と転写滓を落下させるので、転写滓等も水槽の下流側に集まり転写滓等の回収効率がよく、しかも上流側の水面の乱れを抑えて次の転写作業開始までの時間を短く設定できて、転写作業を効率的に行える。
本発明は、被転写体の投入及び引き揚げ時における水槽の上流側に位置する部分を角部とすることが好ましい。
被転写体を傾斜させて上流側の角部から水面または転写フィルムに投入し、上流側の角部から引き揚げることで、入水抵抗を抑えて、転写滓が被転写体の表面に付着せず或いは表面に残らず、転写品質を安定させることができる。
また本発明は、被転写体を水面下に進入させた後、水面下で傾斜した姿勢から水面と略平行な姿勢に戻して転写させ、転写終了後に被転写体を再び傾斜させて水面の外に引き揚げるようにするのが好ましい。
被転写体について転写フィルムに押しつけて水面下に投入している時間を上流側部分と下流側部分とで同等に設定でき、均一な転写を行える。
被転写体を傾斜させて上流側の角部から水面または転写フィルムに投入し、上流側の角部から引き揚げることで、入水抵抗を抑えて、転写滓が被転写体の表面に付着せず或いは表面に残らず、転写品質を安定させることができる。
また本発明は、被転写体を水面下に進入させた後、水面下で傾斜した姿勢から水面と略平行な姿勢に戻して転写させ、転写終了後に被転写体を再び傾斜させて水面の外に引き揚げるようにするのが好ましい。
被転写体について転写フィルムに押しつけて水面下に投入している時間を上流側部分と下流側部分とで同等に設定でき、均一な転写を行える。
また、本発明においては、被転写体の傾斜角度は当該被転写体の先端を含む仮想の平面が水面に対して5°〜35°の範囲に設定され、且つ被転写体の水面への投入速度は150〜1200mm/分の範囲に設定されていることが好ましい。
傾斜角(θ1、θ2)と投入速度が上記範囲内であれば、転写層を被転写体に良好に転写できる。他方、傾斜角(θ1、θ2)が5°未満であると投入及び引き揚げ時に短時間で被転写体の水面に接触する面積が過大になり、投入抵抗や排出抵抗が大きいために、被転写体と転写層との間に空気の咬み込みを生じて、柄ハガレ、密着不足等の不良ができやすい。また、35°を越えると転写層が過大な引張力を受け、転写延び(柄延び)を発生し易いという不具合がある。しかも、投入速度が上記範囲内であれば空気咬み込みを抑制でき、上記範囲を外れると空気咬み込みを生じ易い不具合を生じる。投入速度が150mm/分未満であると、タクトタイムが長くなる上に、転写密着力の均一性が損なわれたり、転写時間に差が発生し、転写品質にバラツキが出る欠点がある。
なお、上記傾斜角度(θ1、θ2)が10°〜25°、投入速度が200〜600mm/分の範囲内であれば更に好ましく、空気咬み込みを防止できて転写された転写層に縞模様を生じない。
また、被転写体は水面または転写フィルムに対して略垂直に降下または上昇させることが好ましく、これによって水槽を小型化できてコストを低減できる。
傾斜角(θ1、θ2)と投入速度が上記範囲内であれば、転写層を被転写体に良好に転写できる。他方、傾斜角(θ1、θ2)が5°未満であると投入及び引き揚げ時に短時間で被転写体の水面に接触する面積が過大になり、投入抵抗や排出抵抗が大きいために、被転写体と転写層との間に空気の咬み込みを生じて、柄ハガレ、密着不足等の不良ができやすい。また、35°を越えると転写層が過大な引張力を受け、転写延び(柄延び)を発生し易いという不具合がある。しかも、投入速度が上記範囲内であれば空気咬み込みを抑制でき、上記範囲を外れると空気咬み込みを生じ易い不具合を生じる。投入速度が150mm/分未満であると、タクトタイムが長くなる上に、転写密着力の均一性が損なわれたり、転写時間に差が発生し、転写品質にバラツキが出る欠点がある。
なお、上記傾斜角度(θ1、θ2)が10°〜25°、投入速度が200〜600mm/分の範囲内であれば更に好ましく、空気咬み込みを防止できて転写された転写層に縞模様を生じない。
また、被転写体は水面または転写フィルムに対して略垂直に降下または上昇させることが好ましく、これによって水槽を小型化できてコストを低減できる。
以下、本発明の実施例による水圧転写装置と水圧転写方法を図1乃至図6により説明する。図1は水圧転写装置の概略構成図、図2は転写フィルムの縦断面図、図3は水槽の斜視図、図4は水槽上に浴槽を保持する昇降ユニットを示す斜視図、図5及び図6は水圧転写工程を示す図である。
図1に示す水圧転写装置1は、内部に水を貯溜した水槽2と、水槽2の上流側端部に設けられていて転写フィルム3を繰り出す繰り出し機構4と、水槽2の上方に位置して被転写体(物品)として例えば浴槽5を保持して水槽2の水面下に降下及び上昇させる昇降手段6とを備えている。なお、本明細書において、水槽2の上流側と下流側とは転写フィルム3を繰り出す方向または後述するように浮遊する転写滓や残滓を押し流す方向の位置関係をいうものとする。
図1に示す水槽2は例えば略直方体箱形状とされ、内部には例えば摂氏30度前後の水が貯溜されている。水槽2の水面には繰り出し機構4から繰り出された転写フィルム3が浮かべられる。
転写フィルム3は、図2に示すように、水溶性または水膨潤性の樹脂、例えばPVA(ポリビニルアルコール)からなる支持体フィルム(以下、単にフィルムという)3aの上に有機溶剤に溶解可能な疎水性物質からなる転写層としてインキ皮膜3bが設けられている。インキ皮膜3bには、例えば大理石の模様が印刷されている。そしてフィルム3aとインキ皮膜3bの間には、活性エネルギ−線照射あるいは加熱の少なくともいずれかによって硬化可能な硬化性樹脂層、例えば活性エネルギー性硬化性樹脂層3cが介在している。なお、転写フィルム3は活性エネルギー性硬化性樹脂層3cが含まれていなくてもよい。
図1に示す水圧転写装置1は、内部に水を貯溜した水槽2と、水槽2の上流側端部に設けられていて転写フィルム3を繰り出す繰り出し機構4と、水槽2の上方に位置して被転写体(物品)として例えば浴槽5を保持して水槽2の水面下に降下及び上昇させる昇降手段6とを備えている。なお、本明細書において、水槽2の上流側と下流側とは転写フィルム3を繰り出す方向または後述するように浮遊する転写滓や残滓を押し流す方向の位置関係をいうものとする。
図1に示す水槽2は例えば略直方体箱形状とされ、内部には例えば摂氏30度前後の水が貯溜されている。水槽2の水面には繰り出し機構4から繰り出された転写フィルム3が浮かべられる。
転写フィルム3は、図2に示すように、水溶性または水膨潤性の樹脂、例えばPVA(ポリビニルアルコール)からなる支持体フィルム(以下、単にフィルムという)3aの上に有機溶剤に溶解可能な疎水性物質からなる転写層としてインキ皮膜3bが設けられている。インキ皮膜3bには、例えば大理石の模様が印刷されている。そしてフィルム3aとインキ皮膜3bの間には、活性エネルギ−線照射あるいは加熱の少なくともいずれかによって硬化可能な硬化性樹脂層、例えば活性エネルギー性硬化性樹脂層3cが介在している。なお、転写フィルム3は活性エネルギー性硬化性樹脂層3cが含まれていなくてもよい。
図1及び図3において、繰り出し機構4は水槽2の上流側端部(以下、上流端という)2aに帯状に連続する転写フィルム3が巻回された繰り出しロール3Aが設けられている。水槽2には、その両側部に直交し、かつ両側部に沿って上流端2aからこれと対向する下流端2bとの間を往復動することのできる走行架台8aが設けられている。走行架台8aには、転写フィルム3の先端を把持してロール3Aから水槽2上に繰り出すグリッパ8が所定間隔で例えば4個設けられている。グリッパ8は、往行程で転写フィルム3を下流側に繰り出し、復行程で転写フィルム3を離してロール3A近傍まで戻ることになる。
また、繰り出しロール3Aの下側にはキャタピラ状の移送テーブル9が設けられている。移送テーブル9は多数の支持バーが両端をチェーンで連結されていて水槽2の両側部に設けられたチェーンガイド9a、9bに沿って移動可能である。そして、グリッパ8による転写フィルム3の引き出しに連動して水槽2内の水面上に進出して、移送テーブル9上面で転写フィルム3を支える。これによって移送テーブル9は転写フィルム3の繰り出し時に転写フィルム3が水に浸ることを防止する。
移送テーブル9は往行程の途中で一時停止し、グリッパ8で引き出された転写フィルム3は所定長さ毎に図示しないカッタで切断され、略矩形状のシートになる。
また、繰り出しロール3Aの下側にはキャタピラ状の移送テーブル9が設けられている。移送テーブル9は多数の支持バーが両端をチェーンで連結されていて水槽2の両側部に設けられたチェーンガイド9a、9bに沿って移動可能である。そして、グリッパ8による転写フィルム3の引き出しに連動して水槽2内の水面上に進出して、移送テーブル9上面で転写フィルム3を支える。これによって移送テーブル9は転写フィルム3の繰り出し時に転写フィルム3が水に浸ることを防止する。
移送テーブル9は往行程の途中で一時停止し、グリッパ8で引き出された転写フィルム3は所定長さ毎に図示しないカッタで切断され、略矩形状のシートになる。
また、走行架台8a上には、繰り出された転写フィルム3の先端部を水面に押しつけるための押し棒10が設けられていて、上下動または旋回運動によって転写フィルム3を空気を巻き込まないように一点着水で水に浸すことができる。
水槽2の下流端2bの更に下流側には副槽12が設けられ、水槽2の下流端2bを溢れた水や転写滓等を収容する。転写滓は後述のように転写後に残るインキ皮膜3bの滓である。
また、図1では省略されているが、図3に示すように、水槽2の上流端2aには略門型の支持部13が設けられ、その両端は水槽2の両側部に摺動可能に取り付けられている。支持部13内には水平方向に支持棒14が架けられており、支持棒14には所定間隔で複数(図3に示す例では6本)の噴霧ノズル15が取り付けられている。各噴霧ノズル15は水面に載置された転写フィルム3のインキ皮膜3b上にトルエンやキシレン等の活性剤を噴霧して、インキ皮膜3bを活性化処理して粘性・接着性を付与することになる。
水槽2の下流端2bの更に下流側には副槽12が設けられ、水槽2の下流端2bを溢れた水や転写滓等を収容する。転写滓は後述のように転写後に残るインキ皮膜3bの滓である。
また、図1では省略されているが、図3に示すように、水槽2の上流端2aには略門型の支持部13が設けられ、その両端は水槽2の両側部に摺動可能に取り付けられている。支持部13内には水平方向に支持棒14が架けられており、支持棒14には所定間隔で複数(図3に示す例では6本)の噴霧ノズル15が取り付けられている。各噴霧ノズル15は水面に載置された転写フィルム3のインキ皮膜3b上にトルエンやキシレン等の活性剤を噴霧して、インキ皮膜3bを活性化処理して粘性・接着性を付与することになる。
次に昇降手段6について図1及び図4により説明する。
昇降手段6において、図示しないフレームまたは天井に固定された吊り下げ部17には例えばチェーン及びギヤまたはラック及びピニオン等により上下動可能に昇降ユニット18が連結され、昇降ユニット18には二対のアーム部19a、19a、19b、19bが対向して取り付けられている。各アーム部19a、19a、19b、19bにはそれぞれ保持部としてバキュームパッド20が取り付けられ、浴槽5の対向する二つの側面を吸着保持することができる。
ここで、浴槽5は例えば略四角錐台形状または縦断面視略台形状を呈しており、四周の側面は底面から開口に向けて漸次外側に傾斜して形成され、開口では全周に亘って外側に略L字状に折り曲げられまたは湾曲させられた耳部5aを形成している。そして、本実施例では、浴槽5の耳部5aと開口の内面上部5bとの断面視略コの字形状部分にインキ皮膜3bを転写させるようにしている。
昇降手段6において、図示しないフレームまたは天井に固定された吊り下げ部17には例えばチェーン及びギヤまたはラック及びピニオン等により上下動可能に昇降ユニット18が連結され、昇降ユニット18には二対のアーム部19a、19a、19b、19bが対向して取り付けられている。各アーム部19a、19a、19b、19bにはそれぞれ保持部としてバキュームパッド20が取り付けられ、浴槽5の対向する二つの側面を吸着保持することができる。
ここで、浴槽5は例えば略四角錐台形状または縦断面視略台形状を呈しており、四周の側面は底面から開口に向けて漸次外側に傾斜して形成され、開口では全周に亘って外側に略L字状に折り曲げられまたは湾曲させられた耳部5aを形成している。そして、本実施例では、浴槽5の耳部5aと開口の内面上部5bとの断面視略コの字形状部分にインキ皮膜3bを転写させるようにしている。
次に、昇降手段6において、それぞれ対向する4つのアーム部19a、19a、19b、19bは個別に昇降ユニット18に対する取り付け位置を上下方向に調整可能に支持されている。取り付け位置の調整手段として、例えば昇降ユニット18と各アーム部19a、19a、19b、19bとの連結部の一方にボルト部を、他方にナット部を設けて螺合状態で連結させ、図示しないモータでボルト部を回転させて高さ調整をすればよい。昇降ユニット18と各アーム部19a、19a、19b、19bとの連結部をそれぞれ高さの異なる位置に移動調整することによって、浴槽5を水面に対して適宜角度の傾斜状態に保持できる。
図4及び図6に示すように、浴槽5を水面に載置された転写フィルム3に押しつける投入時及び引き揚げ時に、浴槽5は開口の耳部5bに接する仮想の平面Lが水面及び転写フィルム3に対して傾斜した状態で投入及び引き揚げするようにしている。浴槽5は図6(a)、(c)に示すように水槽2の上流と下流を結ぶ側面視で傾斜角θ1とし、これに直交して下流側または上流側から見た別の側面視でも傾斜角θ2とし、傾斜角θ1、θ2は水面及び転写フィルム3に垂直な平面内の角度である。そのため、浴槽5は上流側の一方の角部から水面下に投入され、また引き揚げられる。
図4及び図6に示すように、浴槽5を水面に載置された転写フィルム3に押しつける投入時及び引き揚げ時に、浴槽5は開口の耳部5bに接する仮想の平面Lが水面及び転写フィルム3に対して傾斜した状態で投入及び引き揚げするようにしている。浴槽5は図6(a)、(c)に示すように水槽2の上流と下流を結ぶ側面視で傾斜角θ1とし、これに直交して下流側または上流側から見た別の側面視でも傾斜角θ2とし、傾斜角θ1、θ2は水面及び転写フィルム3に垂直な平面内の角度である。そのため、浴槽5は上流側の一方の角部から水面下に投入され、また引き揚げられる。
ここで、傾斜角θ1とθ2は等しく、5°〜35°の範囲、好ましくは10°〜30°の範囲に設定する。傾斜角θ1、θ2が上記数値範囲内であればインキ皮膜3bを浴槽5に良好に転写できる。他方、傾斜角θ1、θ2が5°未満であると投入及び引き揚げ時に短時間で水面に接触する面積が過大になって抵抗が大きいために、浴槽5とインキ皮膜3aとの間に空気の咬み込みを生じ、気泡残り、柄ハガレ、転写シワ、密着不足等の不良ができやすく、35°を越えると、インキ皮膜3aが過大な引張抵抗を受け、水接触線と平行な表面に投入痕が、また転写延び(柄延び)を発生し易いという不具合がある。特に傾斜角が10〜30°の場合には上述した不具合を防いでより一層均一で鮮明な転写を行える。
そして水槽2の水面及び転写フィルム3に対して浴槽5の投入速度を150〜1200mm/分の範囲に設定する。この範囲内であれば浴槽5とインキ皮膜3aとの間での空気の咬み込みの発生を防いで良好な転写を行える。他方、速度150mm/分未満または1200mm/分を越える速度であると、浴槽5とインキ皮膜3aとの間に空気の咬み込みを発生させる不具合が生じる。また速度150mm/分未満では、部位によって転写時間に差が発生し、品質にバラツキを生じる。また引き揚げ速度も上述の範囲に設定するのが好ましい。
なお、好ましくは投入速度と引き揚げ速度を200〜1200mm/分、更に好ましくは200〜600mm/分の範囲に設定すると更によい転写結果が得られる。
そして水槽2の水面及び転写フィルム3に対して浴槽5の投入速度を150〜1200mm/分の範囲に設定する。この範囲内であれば浴槽5とインキ皮膜3aとの間での空気の咬み込みの発生を防いで良好な転写を行える。他方、速度150mm/分未満または1200mm/分を越える速度であると、浴槽5とインキ皮膜3aとの間に空気の咬み込みを発生させる不具合が生じる。また速度150mm/分未満では、部位によって転写時間に差が発生し、品質にバラツキを生じる。また引き揚げ速度も上述の範囲に設定するのが好ましい。
なお、好ましくは投入速度と引き揚げ速度を200〜1200mm/分、更に好ましくは200〜600mm/分の範囲に設定すると更によい転写結果が得られる。
図1に示すように、昇降ユニット18及び吊り下げ部17は制御手段21に電気的に接続されていて、制御手段21は昇降ユニット18で保持する浴槽5の上下動と傾斜角度θ1、θ2の設定を制御する。そのため、制御手段21には昇降ユニット18によって浴槽5を水面に直交する方向へ上下動させる上下動制御手段22と、4本のアーム部19a、19a、19b、19bを個別に上下動調整して浴槽5を角度θ1、θ2の傾斜状態と水平状態とに姿勢制御する傾斜角調整手段23とが含まれている。制御手段21はそれ以外にも移送テーブル9の進退、グリッパ8の把持と往復動、ロール3Aの回転及び停止、カッタの作動、押し棒10の作動、ノズル15の作動等と、これらの同期制御をも行うようになっている。
なお、水槽2には、浴槽5にインキ皮膜3bを転写した後のインキ皮膜3bの残り屑である転写滓と、フィルム3aの水に溶け残ったフィルム滓と活性エネルギー性硬化性樹脂層3cの滓とを含む残滓が水面または水中に残るため、これを下流側に押し流して水槽2から副槽12内に落下させる仕切り板25が設けられている(図6(d)参照)。仕切り板25は水槽2内に設けた図示しない無端状のチェーンによって一方向に周回運動させている。
なお、水槽2には、浴槽5にインキ皮膜3bを転写した後のインキ皮膜3bの残り屑である転写滓と、フィルム3aの水に溶け残ったフィルム滓と活性エネルギー性硬化性樹脂層3cの滓とを含む残滓が水面または水中に残るため、これを下流側に押し流して水槽2から副槽12内に落下させる仕切り板25が設けられている(図6(d)参照)。仕切り板25は水槽2内に設けた図示しない無端状のチェーンによって一方向に周回運動させている。
本実施の形態による水圧転写装置1は上述の構成を有しており、次に水圧転写方法を図5及び図6に示す工程図に沿って説明する。
先ず、転写フィルム3のインキ皮膜3bを浴槽に転写させる耳部5a及び内面上部5bを除いて、浴槽内部をマスキングテープでマスクする。
そして、水槽2の上流端2aに設けた繰り出し機構4において、移送テーブル9を水槽2上に水平に繰り出し、これと同時に移送テーブル9の上側ではグリッパ8によってロール3Aに巻回された転写フィルム3の先端部を把持させ、グリッパ8を走行架台8aによって移動させることで水槽2上に転写フィルム3を繰り出す。そのため、移送テーブル9によって、グリッパ8で繰り出される転写フィルム3が水槽2の水面に非接触に載置されながら連動して水槽の水面上に繰り出され、下流側に進行する(図5(a)参照)。
次いで、水槽2の水面上に転写フィルム3が所定長さ繰り出されると、上流端2a側で送りローラと移送テーブル9とで挟持された部分の転写フィルム3を図示しないカッタによって切断する。この状態で水槽2内の転写フィルム3は移送テーブル9に載置されており、グリッパ8より若干上流側の位置に押し棒10が位置している。そして更に移送テーブル9及び転写フィルム3を所定距離だけ繰り出す。その後、押し棒10でグリッパ8近傍の先端側部分の転写フィルム3を押動しながら、移送テーブル9を若干後退させる。すると、押し棒10で押された転写フィルム3の先端部の中央は水面に押しつけられる(図5(b)参照)。
先ず、転写フィルム3のインキ皮膜3bを浴槽に転写させる耳部5a及び内面上部5bを除いて、浴槽内部をマスキングテープでマスクする。
そして、水槽2の上流端2aに設けた繰り出し機構4において、移送テーブル9を水槽2上に水平に繰り出し、これと同時に移送テーブル9の上側ではグリッパ8によってロール3Aに巻回された転写フィルム3の先端部を把持させ、グリッパ8を走行架台8aによって移動させることで水槽2上に転写フィルム3を繰り出す。そのため、移送テーブル9によって、グリッパ8で繰り出される転写フィルム3が水槽2の水面に非接触に載置されながら連動して水槽の水面上に繰り出され、下流側に進行する(図5(a)参照)。
次いで、水槽2の水面上に転写フィルム3が所定長さ繰り出されると、上流端2a側で送りローラと移送テーブル9とで挟持された部分の転写フィルム3を図示しないカッタによって切断する。この状態で水槽2内の転写フィルム3は移送テーブル9に載置されており、グリッパ8より若干上流側の位置に押し棒10が位置している。そして更に移送テーブル9及び転写フィルム3を所定距離だけ繰り出す。その後、押し棒10でグリッパ8近傍の先端側部分の転写フィルム3を押動しながら、移送テーブル9を若干後退させる。すると、押し棒10で押された転写フィルム3の先端部の中央は水面に押しつけられる(図5(b)参照)。
そして、移送テーブル9を順次上流側に後退させていくと、先端部が水面に浸された転写フィルム3は順次降下して水面に接触してゆく(図5(c)参照)。このとき、転写フィルム3は押し棒10で押されて水面に接触する先端部中央から幅方向両側と水面の上流側に向けて次第に水面への接触面積が増大していく。そして、グリッパ8を転写フィルム3から離すと、転写フィルム3は水面との間にエアを巻き込むことなく水面と同一平面状に載置された状態になる。続いてグリッパ8及び押し棒10を上流側に後退させる。
転写フィルム3は上側にインキ皮膜3bが、下側にPVA等のフィルム3aが位置している。転写フィルム3にしわが残っている場合には、手でつつく等してしわを広げる。また、フィルム3aは水に接触することで徐々に水に溶け始める。次に支持部13を水槽の両側部に沿って上流側から下流側に移動させながら、噴霧ノズル15で活性剤を転写フィルム3のインキ皮膜3b全面に噴霧する(図5(d)参照)。このとき、グリッパ8及び押し棒10は上流側に保持しておくことで活性剤が付着することを防止できる。
転写フィルム3は上側にインキ皮膜3bが、下側にPVA等のフィルム3aが位置している。転写フィルム3にしわが残っている場合には、手でつつく等してしわを広げる。また、フィルム3aは水に接触することで徐々に水に溶け始める。次に支持部13を水槽の両側部に沿って上流側から下流側に移動させながら、噴霧ノズル15で活性剤を転写フィルム3のインキ皮膜3b全面に噴霧する(図5(d)参照)。このとき、グリッパ8及び押し棒10は上流側に保持しておくことで活性剤が付着することを防止できる。
そして、図1に示すように昇降手段6の4つのアーム19a,19bの各バキュームパッド20で浴槽5を上下反転状態で保持して移動させ、水槽2内の転写フィルム3の上方に位置させる。この状態から、制御手段21の傾斜角調整手段23によって、浴槽5の上流側部分を把持するアーム部19a、19aを下流側部分を把持するアーム部19b、19bに対して相対的にそれぞれ個別に降下させ、開口を含む仮想平面Lが水面及び転写フィルム3に対して互いに直交する二方向で傾斜角θ1、θ2をなすよう傾斜させる(図4参照)。
この状態で上下動制御手段22によって昇降ユニット18を水面に略直交する方向に、投入速度150〜1200mm/分で降下させて入水させる。すると、図6(a)に示すように浴槽5の上流側の一方の角部の耳部5a部分が転写フィルム3に押しつけられ、インキ皮膜3bを転写させながら水面下に浸入する。このとき、転写フィルム3のPVAからなるフィルム3aは水に溶け出しており、溶け残った一部がインキ皮膜3bと共に浴槽5に被着する。
浴槽5を角度θ1、θ2で斜めに傾斜させて一の角部を転写フィルム3に押しつけることで、入水抵抗が小さく水面の波立ちも少ないために、投入痕、転写しわや転写伸びを抑制できる。
この状態で上下動制御手段22によって昇降ユニット18を水面に略直交する方向に、投入速度150〜1200mm/分で降下させて入水させる。すると、図6(a)に示すように浴槽5の上流側の一方の角部の耳部5a部分が転写フィルム3に押しつけられ、インキ皮膜3bを転写させながら水面下に浸入する。このとき、転写フィルム3のPVAからなるフィルム3aは水に溶け出しており、溶け残った一部がインキ皮膜3bと共に浴槽5に被着する。
浴槽5を角度θ1、θ2で斜めに傾斜させて一の角部を転写フィルム3に押しつけることで、入水抵抗が小さく水面の波立ちも少ないために、投入痕、転写しわや転写伸びを抑制できる。
次に制御手段21の傾斜角調整手段23によって、浴槽5を把持する各アーム部19b,19b、19a,19aを個別に異なる距離降下させて、耳部5a全体が水面下に沈むように水平状態にさせて下流側部分の転写を行う(図6(b)参照)。浴槽5の投入とフィルム3aの水への溶け出しによって、インキ皮膜3bは浴槽5への転写部分の外側領域が分断され、転写滓となって水面に浮遊するか沈下する。浴槽5の内部に位置するインキ皮膜3bはマスクに転写させられる。
浴槽5の耳部5aと内面上部5bへのインキ皮膜3bの転写が終了したら、傾斜角調整手段23によって、今度は浴槽5の上流側部分を把持するアーム部19a、19aをアーム部19b,19bに対して互いに異なる距離上昇させて、開口を含む仮想平面Lを水面に対して直交する二方向に角度θ1、θ2傾斜させる。この状態で、昇降ユニット18を上昇させると、浴槽5は上流側部分の投入時と同一の角部から順次引き揚げられる(図6(c)参照)。
浴槽5の耳部5aと内面上部5bへのインキ皮膜3bの転写が終了したら、傾斜角調整手段23によって、今度は浴槽5の上流側部分を把持するアーム部19a、19aをアーム部19b,19bに対して互いに異なる距離上昇させて、開口を含む仮想平面Lを水面に対して直交する二方向に角度θ1、θ2傾斜させる。この状態で、昇降ユニット18を上昇させると、浴槽5は上流側部分の投入時と同一の角部から順次引き揚げられる(図6(c)参照)。
この場合、浴槽5の耳部5a内に溜まった水や転写滓は下流側の最下方に位置する耳部5aから水槽2の下流側に落水するが、傾斜面を流れるために落水時の波打ちや水面の乱れは小さい。そのため、引き揚げ後の水面が落ち着くまでの時間が短い。また、浴槽5の引き揚げ時に水面の上流側に浮遊する転写滓等は少ない。
その後、昇降手段18によって浴槽5を次工程へ搬送させ、洗浄工程でフィルム3aの滓等を取り除き、乾燥させ、トップコーティングして光沢させる。
また水槽2内では、仕切り板25を水槽2の上流側から下流側に移動させることで、水面や水面下に浮遊する転写滓や残滓等を下流側に押しやり、水槽2から副槽12内に水と共に落下させる。
そして次の浴槽5について同様の工程を繰り返して、インキ皮膜3bを転写させる。
その後、昇降手段18によって浴槽5を次工程へ搬送させ、洗浄工程でフィルム3aの滓等を取り除き、乾燥させ、トップコーティングして光沢させる。
また水槽2内では、仕切り板25を水槽2の上流側から下流側に移動させることで、水面や水面下に浮遊する転写滓や残滓等を下流側に押しやり、水槽2から副槽12内に水と共に落下させる。
そして次の浴槽5について同様の工程を繰り返して、インキ皮膜3bを転写させる。
上述のように本実施例によれば、浴槽5を直交する二方向に角度θ1、θ2傾斜させた状態で転写フィルム3に押しつけて一方の角部から投入して転写させ、そして引き揚げるために、水圧による抵抗や落水が小さく、投入痕や転写しわや転写伸びを抑えて転写品質を良好にできる。しかも、水面の波立ちが小さい。これに加えて、浴槽5は水面の上流側角部から入水させて同一の角部から引き揚げるために、浴槽5に対する転写時間を全体に均一化できると共に、転写滓や、溶け残ったフィルム3aの滓と活性エネルギー性硬化性樹脂層3cの滓等の残滓が下流側に集まり、転写滓や残滓の回収を短時間で行える。更に、上流側の水面の乱れを防ぐことができ、次の転写作業開始までの時間が短くて済み、転写効率が向上する、という効果を奏する。
しかも、本実施例では、昇降手段6で浴槽5を水面に対して傾斜状態に保持して水面に略垂直な方向に上下動させて転写を行うから、コンベアベルト等を用いて水面に対して斜め方向に物品を降下して入水及び引き揚げを行う水圧転写方法と比較して、水槽2の容積や面積を小さくでき、製造コストと装置の占有スペースを低減できる。
しかも、本実施例では、昇降手段6で浴槽5を水面に対して傾斜状態に保持して水面に略垂直な方向に上下動させて転写を行うから、コンベアベルト等を用いて水面に対して斜め方向に物品を降下して入水及び引き揚げを行う水圧転写方法と比較して、水槽2の容積や面積を小さくでき、製造コストと装置の占有スペースを低減できる。
なお、浴槽5を傾斜させる際、実施例では水面や転写フィルム3に対して仮想平面Lを、直交する二方向の傾斜角θ1、θ2を同一に設定したが、異なる角度に設定してもよく、要するに上述した5°〜35°の範囲内でそれぞれを任意の傾斜角に設定してよい。
また、本実施例は被転写体である物品として浴槽5を用いたが、浴槽5に限定されることなく転写面積が0.20m2以上、好ましくは0.20〜4m2程度の比較的大きいものに好適に用いることができる。例えば、冷蔵庫や洗濯機、エアコン等の各種大型家庭用電化製品の扉や本体、自動車のドア、ボンネット等、各種の大型物品に適用できる。携帯電話の筺体等の小型物品にも適用できる。
また、転写層はインキ皮膜3bに限定されることなく塗装膜等各種の薄膜を採用できる。
また、本実施例では、昇降手段6で浴槽5を水面に対して傾斜状態に保持して水面に略垂直な方向に上下動させて転写を行うようにしたが、浴槽5等の被転写体を水面または転写フィルムに略垂直に昇降させて転写しなくてもよく、例えば斜め下方に降下させて水面上の転写フィルムに押しつけて転写させ、転写終了後に斜め上方に上昇させて水面から引き揚げるようにしてもよい。或いは降下と上昇の一方のみにおいて被転写体を水面または転写フィルムに略垂直に移動させ、他方では斜めに移動させて転写するようにしてもよい。
また、本実施例は被転写体である物品として浴槽5を用いたが、浴槽5に限定されることなく転写面積が0.20m2以上、好ましくは0.20〜4m2程度の比較的大きいものに好適に用いることができる。例えば、冷蔵庫や洗濯機、エアコン等の各種大型家庭用電化製品の扉や本体、自動車のドア、ボンネット等、各種の大型物品に適用できる。携帯電話の筺体等の小型物品にも適用できる。
また、転写層はインキ皮膜3bに限定されることなく塗装膜等各種の薄膜を採用できる。
また、本実施例では、昇降手段6で浴槽5を水面に対して傾斜状態に保持して水面に略垂直な方向に上下動させて転写を行うようにしたが、浴槽5等の被転写体を水面または転写フィルムに略垂直に昇降させて転写しなくてもよく、例えば斜め下方に降下させて水面上の転写フィルムに押しつけて転写させ、転写終了後に斜め上方に上昇させて水面から引き揚げるようにしてもよい。或いは降下と上昇の一方のみにおいて被転写体を水面または転写フィルムに略垂直に移動させ、他方では斜めに移動させて転写するようにしてもよい。
以下、本発明による実施例の試験例について説明する。
(試験例1)
試験条件は下記の通りである。
水槽2内の水温は約30℃に設定した。物品は図7に示す浴槽5とし、材質SMC、容量250リットル、幅820×長さ1645mm×高さ550mm、耳部5aの幅60mmのものを用いて転写試験をした。転写面積は0.94m2である。
転写フィルム3は幅1.5m×長さ2.5mとし、フィルム3aに厚み30μmのPVA(トーセロ株式会社製)、インキ皮膜3b(印刷層)は厚み8〜10μmの大日本インキ株式会社製ウレタンインキ「ユニビアA」からなる2層構造とした。インキ皮膜3bの色柄模様は石目調とした。活性剤として、キシレンを40g/m2噴霧した。
そして、浴槽5の投入速度を表1に示すように、100mm/分、150mm/分、200mm/分、600mm/分、1200mm/分、1500mm/分に設定した。浴槽5の投入時の傾斜角度θ1=θ2として、表1に示すように3°、4°、5°、10°、20°、25°、30°35°、40°に設定して、順次試験した。転写フィルム3から活性剤が蒸発することを考慮すると、全面に亘り同一条件となることがよいので、水中からの引き揚げ時の傾斜角度も投入時の傾斜角度と同一に設定した。
なお、投入終了後から引き揚げ開始までの水中での水平状態の保持時間を60秒とした。
図7において、浴槽5の投入時における最初に転写フィルム3に押しつける角部は浴槽の耳部5aを含む長方形状の仮想の平面Lの対角方向Mの一方の角部である。インキ皮膜3bの転写領域はハッチングを施した耳部5bと内面上部5bの領域である。
試験結果は下記表1の通りであった。転写品質は投入痕、転写しわ、転写伸びを目視検査で判定した。
(試験例1)
試験条件は下記の通りである。
水槽2内の水温は約30℃に設定した。物品は図7に示す浴槽5とし、材質SMC、容量250リットル、幅820×長さ1645mm×高さ550mm、耳部5aの幅60mmのものを用いて転写試験をした。転写面積は0.94m2である。
転写フィルム3は幅1.5m×長さ2.5mとし、フィルム3aに厚み30μmのPVA(トーセロ株式会社製)、インキ皮膜3b(印刷層)は厚み8〜10μmの大日本インキ株式会社製ウレタンインキ「ユニビアA」からなる2層構造とした。インキ皮膜3bの色柄模様は石目調とした。活性剤として、キシレンを40g/m2噴霧した。
そして、浴槽5の投入速度を表1に示すように、100mm/分、150mm/分、200mm/分、600mm/分、1200mm/分、1500mm/分に設定した。浴槽5の投入時の傾斜角度θ1=θ2として、表1に示すように3°、4°、5°、10°、20°、25°、30°35°、40°に設定して、順次試験した。転写フィルム3から活性剤が蒸発することを考慮すると、全面に亘り同一条件となることがよいので、水中からの引き揚げ時の傾斜角度も投入時の傾斜角度と同一に設定した。
なお、投入終了後から引き揚げ開始までの水中での水平状態の保持時間を60秒とした。
図7において、浴槽5の投入時における最初に転写フィルム3に押しつける角部は浴槽の耳部5aを含む長方形状の仮想の平面Lの対角方向Mの一方の角部である。インキ皮膜3bの転写領域はハッチングを施した耳部5bと内面上部5bの領域である。
試験結果は下記表1の通りであった。転写品質は投入痕、転写しわ、転写伸びを目視検査で判定した。
表1において、浴槽5の傾斜角度θ1、θ2が5°〜35°の範囲で、投入(及び引き揚げ)速度150〜1200mm/分の範囲で良好な転写品質を得られた。また、傾斜角度θ1、θ2が5°未満であると投入及び引き揚げ速度に関わらず、空気咬み込みを生じ、柄ハガレ、転写シワ、密着不足を生じた。傾斜角度θ1、θ2が35°を越えると、接着ムラや転写柄伸びを発生した。傾斜角度θ1、θ2が5°〜35°の範囲内でも、速度が100mm/分であると空気咬み込みを生じ、1500mm/分であると転写柄伸びを発生したので、好ましくない。
(試験例2)
試験条件は下記の通りである。
水槽2内の水温は約30℃に設定した。物品は図8に示す冷蔵庫の扉とし、材質ABS樹脂、幅400×長さ600mm×厚さ3mm、耳部(側面)の幅40mmのものを用いて転写試験をした。転写面積は0.29m2である。
転写フィルム3は幅1.5m×長さ2.5mとし、フィルム3aに厚み30μmのPVA(トーセロ株式会社製)、インキ皮膜3b(印刷層)は厚み8〜10μmの大日本インキ株式会社製ウレタンインキ「ユニビアA」からなる2層構造とした。色柄模様は石目調とした。活性剤として、キシレンを40g/m2噴霧した。
そして、冷蔵庫の扉の投入速度を表2に示すように、100mm/分、150mm/分、200mm/分、600mm/分、1200mm/分、1500mm/分に設定した。冷蔵庫の扉の投入時の傾斜角度θ1=θ2として、表1に示すように3°、4°、5°、10°、20°、25°、30°、35°、40°に設定して、順次試験した。転写フィルム3から活性剤が蒸発することを考慮して、水中からの引き揚げ時の傾斜角度も投入時の傾斜角度と同一に設定した。
なお、投入終了後から引き揚げ開始までの水中での水平状態の保持時間を40秒とした。
図8において、冷蔵庫の扉の投入時における最初に転写フィルム3に押しつける角部は耳部を含む長方形状の仮想の平面Lの対角方向Nの一方の角部である。インキ皮膜3bの転写領域はハッチングを施した表面と耳部(側面)の領域である。
試験結果は下記表2の通りであった。転写品質は投入痕、転写しわ、転写伸びを目視検査で判定した。
試験条件は下記の通りである。
水槽2内の水温は約30℃に設定した。物品は図8に示す冷蔵庫の扉とし、材質ABS樹脂、幅400×長さ600mm×厚さ3mm、耳部(側面)の幅40mmのものを用いて転写試験をした。転写面積は0.29m2である。
転写フィルム3は幅1.5m×長さ2.5mとし、フィルム3aに厚み30μmのPVA(トーセロ株式会社製)、インキ皮膜3b(印刷層)は厚み8〜10μmの大日本インキ株式会社製ウレタンインキ「ユニビアA」からなる2層構造とした。色柄模様は石目調とした。活性剤として、キシレンを40g/m2噴霧した。
そして、冷蔵庫の扉の投入速度を表2に示すように、100mm/分、150mm/分、200mm/分、600mm/分、1200mm/分、1500mm/分に設定した。冷蔵庫の扉の投入時の傾斜角度θ1=θ2として、表1に示すように3°、4°、5°、10°、20°、25°、30°、35°、40°に設定して、順次試験した。転写フィルム3から活性剤が蒸発することを考慮して、水中からの引き揚げ時の傾斜角度も投入時の傾斜角度と同一に設定した。
なお、投入終了後から引き揚げ開始までの水中での水平状態の保持時間を40秒とした。
図8において、冷蔵庫の扉の投入時における最初に転写フィルム3に押しつける角部は耳部を含む長方形状の仮想の平面Lの対角方向Nの一方の角部である。インキ皮膜3bの転写領域はハッチングを施した表面と耳部(側面)の領域である。
試験結果は下記表2の通りであった。転写品質は投入痕、転写しわ、転写伸びを目視検査で判定した。
表2において、試験結果は表1と同様であった。即ち、傾斜角度θ1、θ2が5°〜35°の範囲、且つ投入(及び引き揚げ)速度150〜1200mm/分の範囲で良好な転写品質を得られた。傾斜角度θ1、θ2が5°未満であると投入及び引き揚げ速度に関わらず、空気咬み込みを生じた。傾斜角度θ1、θ2が35°を越えると、転写柄伸びや接着ムラを発生した。傾斜角度θ1、θ2が5°〜35°の範囲内でも、速度が100mm/分であると空気咬み込みを発生させ、1500mm/分であると転写柄伸びを発生した。
1 水圧転写装置
2 水槽
3 転写フィルム
3a 支持体フィルム(フィルム)
3b インキ皮膜(転写層)
5 浴槽(物品;被転写体)
6 昇降手段
18 昇降ユニット
19a、19b アーム部
20 バキュームパッド
21 制御手段
22 上下動制御手段
23 傾斜角調整手段
2 水槽
3 転写フィルム
3a 支持体フィルム(フィルム)
3b インキ皮膜(転写層)
5 浴槽(物品;被転写体)
6 昇降手段
18 昇降ユニット
19a、19b アーム部
20 バキュームパッド
21 制御手段
22 上下動制御手段
23 傾斜角調整手段
Claims (6)
- フィルム上に転写層を有する転写フィルムを水槽の水面に浮かべた状態で、被転写体を転写フィルムに押しつけて転写層を被転写体に転写させるようにした水圧転写方法において、
前記被転写体を水面上の転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から押しつけて水面下に進入させ、
転写終了後に前記被転写体を傾斜させて前記水槽の上流側に位置する部分から水面の外に引き揚げるようにしたことを特徴とする水圧転写方法。 - 前記被転写体の前記水槽の上流側に位置する部分を角部とする請求項1に記載の水圧転写方法。
- 前記被転写体を水面下に進入させた後、水面下で傾斜した姿勢から水面と略平行な姿勢に戻して転写させ、転写終了後に被転写体を水面の外に引き揚げるようにした請求項1または2に記載の水圧転写方法。
- 前記被転写体の傾斜角度は当該被転写体の先端を含む仮想の平面が水面に対して5°〜35°の範囲に設定され、且つ前記被転写体の水面への投入速度は150〜1200mm/分の範囲に設定されている請求項1乃至3のいずれかに記載の水圧転写方法。
- 前記被転写体は水面または転写フィルムに対して略垂直に降下または上昇させるようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の水圧転写方法。
- 水溶性または水膨潤性の樹脂からなるフィルム上に有機溶剤に溶解可能な疎水性の転写層を設けた転写フィルムを水槽の水面に浮かべた状態で、被転写体を前記転写フィルムに押しつけて転写層を被転写体に転写させるようにした水圧転写装置において、
前記被転写体を保持して略垂直方向に上下動させる昇降ユニットと、
該昇降ユニットを介して前記被転写体を水面上の転写フィルムに押しつけると共に水面から引き上げる上下動制御手段と、
該昇降ユニットで保持する被転写体を水面に対して所定角度傾斜させる傾斜角調整手段とを備え、
前記昇降ユニットによって、被転写体を水面上の前記転写フィルムに対して傾斜させて水槽の上流側に位置する部分から押しつけて転写させ、転写後に被転写体を傾斜させて前記水槽の上流側に位置する部分から水面の外に引き揚げるようにしたことを特徴とする水圧転写装置。
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