JP2006122912A - 消耗電極式アーク溶接装置 - Google Patents

消耗電極式アーク溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の電流急減手段を用いたスパッタ低減方法では、アーク再生の際にアーク切れが発生し、アーク不安定、ビード不正、溶け込み不良等を引き起こす問題があった。
【解決手段】 短絡終期に生じる消耗電極ワイヤのくびれを検出するくびれ検出手段と、前記くびれ検出手段でくびれを検出した際に前記消耗電極ワイヤに供給する電流、電圧または電力の少なくともいずれかの所定の供給物理量を電流、電圧または電力の少なくともいずれかの所定の供給物理量が第1の所定値に達するまで急減する物理量急減手段とを備えることで、アーク再生の際のアーク切れを防ぎ、アーク不安定、ビード不正、溶け込み不良を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、消耗電極ワイヤを送給し、短絡とアーク発生を交互に発生させて溶接する消耗電極式アーク溶接装置であって、短絡終期に生じる消耗電極ワイヤのくびれを検出した際に溶接電流を所定の短期間低減させることでスパッタの発生を抑制する消耗電極式アーク溶接装置に関するものである。
近年、スパッタ発生量、ビード外観、溶け込みといった溶接品質のさらなる高品位化が求められている。中でもスパッタの発生を低減することは、溶接品質が向上すると共に、治具へのスパッタ付着を防ぐことで保守性が向上し、作業環境の改善を実現できる。
従来のスパッタ低減方法としては、短絡終期に消耗電極ワイヤ先端のくびれを検知して、短絡電流を所定の電流まで下げることにより、アーク再発生の時に発生するスパッタを低減するものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
図4を用いて、上記従来の方法について説明する。図4はくびれ検知によりスパッタ発生を低減している溶接電流波形とタイミングチャートを示しており、E1はくびれ検知が発生した時点、E5は短絡状態からアークが再発生した時点、E6はアーク状態から短絡が発生した時点、E10はE6発生から第3の所定期間T3が経過した時点、Is1は所定の電流値を示している。
E1の時点で短絡中に発生するワイヤ先端のくびれをくびれ検出手段により検知すると、物理量低減手段を用いて、所定の電流値Is1(例えば50A)まで電流を急峻に低減させる。なお、くびれ検出手段としては、例えば、溶接電圧の時間的変化量dV/dtが所定の値に達することを検知する方法が多く用いられている。
電流を急激に低減させる物理量低減手段としては、溶接電源の直流出力にスイッチング素子を挿入し、このスイッチング素子に並列に抵抗を接続する方法が用いられており、電流を急峻に低減させる時は、スイッチング素子を遮断し、それ以外は導通して上記抵抗を短絡しておくものである。
そして、E5でアーク再発生した後、電流を急峻に上昇させアーク制御に移行する。このように、アーク再発生時点E5での電流値を低く保持することで、アーク再発生時のスパッタの発生を抑制できる。
図4において、アーク中にE6で発生するワイヤの短絡を短絡検出手段により検出し、第3の所定時間T3の間、上記物理量低減手段を用いて電流を急峻にさげる。この第3の所定時間T3は短絡初期制御時間とよばれる数msの制御区間であり、これを設けることで、短絡初期の短絡を確実なものとし、不測な微小短絡を減少させ、溶滴の母材への移行を確実なものとし、アークを安定させ、スパッタの発生を抑制できる。
特開昭59−202171号公報 特開平3−281063号公報
しかし、従来の方法であれば、後述するように、くびれ検知の後、物理量低減手段で短絡電流を低減させた状態で、アークの再発生の時にアーク切れが発生するといった問題があった。
また、アーク中に短絡を判定した図4中のE6の時点で電流を急峻に落とした際に、仮に微小短絡が発生してアークが発生したような時にはアークが保持できずアーク切れが発生するといった問題があった。
図5は従来技術においてアーク切れが発生した時点の溶接出力波形とタイミングチャートの例を示しており、E1はくびれ検知が発生した時点、E5は短絡状態からアークが再発生した時点、E11はアーク切れが発生した時点、Is1は所定の電流値を示している。
図5において、短絡中にくびれ検知手段によりE1の時点でくびれを検知し、物理量低減手段を用いて、所定の電流値Is1(例えば50A)まで電流を急峻に低減させる。
なお、電流を急激に低減させる物理量低減手段として、溶接電源の直流出力にスイッチング素子を挿入し、このスイッチング素子に並列に抵抗を接続するものとすると、電流を急峻に低減させる時は、スイッチング素子を遮断(オフ状態)とし、それ以外は導通(オン状態)として上記抵抗を短絡する。
E5でアーク再発生した後、上記スイッチング素子を導通状態(オン状態)とし、電流を急峻に上昇させ、アーク制御に移行する。このとき、IGBT等で構成されるスイッチング素子はターンオン時間に遅れが生じるため、アーク移行直後は上記抵抗による電力損失が発生し、アークを持続するために十分な電力をワイヤと母材との間に供給できない場合があり、その結果アーク切れが発生する。
アーク切れの問題が大きくなった背景として、近年リアクタレスによる溶接制御が一般的になり、これまでリアクタが持つ電流保持機能によりアークを保持していた効果が弱くなっていることや、くびれ検知等の性能が向上し、アーク再発生時の短絡電流を従来(100A等)に比べ低い値(30A等)まで落とし込むことが可能になっていることが挙げられる。
そして、アーク切れが発生すると、アーク切れに伴う極端な母材への入熱不足は、アーク不安定、ビード不正、溶け込み不良の原因となり、さらなる溶接不安定を誘発する。
アーク切れを回避するためには、所定の電流値Is1を高く設定する(例えば100A)ことが有効であるが、結果として、アーク再生時の短絡電流を十分下げることが出来ず、スパッタ低減の性能を十分に発揮することができなくなる。
また、溶接経路中のリアクタのL値を大きくする方法が有効であり、これにより電流保持機能が向上し、アーク切れが発生しにくくなるが、リアクタの効果により電流の動きに制限が加わり、自由な電流波形を実現することが難しくなる。
また、出力急減の際に、所望する電流垂下度(例えば−5000A/ms)が得られず、所望する溶接制御性能が実現できなくなる。
このように、スパッタ低減の性能を確保するためアーク再生時の短絡電流を低く保持しつつ、アーク切れを防ぐことは非常に困難であった。
本発明は、短絡から再アークの際に発生するアーク切れ及び微小短絡発生時に生じるアーク切れを防止し、溶接不安定、ビード不正や溶け込み不良を防ぐことができるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の消耗電極式アーク溶接装置は、消耗電極ワイヤを送給し、短絡とアークを交互に発生させて溶接する消耗電極式アーク溶接装置であって、短絡終期に生じる消耗電極ワイヤのくびれを検出するくびれ検出手段と、前記くびれ検出手段でくびれを検出した際に前記消耗電極ワイヤに供給する電流または電圧または電力のうち少なくとも1つの供給物理量を第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点まで急減させる物理量急減手段とを備え、前記物理量急減手段は第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点までスイッチング素子を非導通とすることで前記供給物理量を急減し、第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点でスイッチング素子を導通とするものである。
また、本発明の消耗電極式アーク溶接装置は、消耗電極ワイヤを送給し、短絡とアークを交互に発生させて溶接する消耗電極式アーク溶接装置であって、短絡とアークの状態を判別する短絡検出手段と、前記短絡検出手段でアークから短絡を検出した際に前記消耗電極ワイヤに供給する電流または電圧または電力のうち少なくとも1つの所定の供給物理量を第2の所定値に達する時点及び/または第2の所定期間経過させる時点まで急減する物理量急減手段とを備え、前記物理量急減手段は第2の所定値に達する時点及び/または第2の所定期間経過する時点までスイッチング素子を非導通とすることで前記供給物理量を急減し、第2の所定値に達する時点及び/または第2の所定期間経過する時点でスイッチング素子を導通とするものである。
以上のように、本発明は、本発明の消耗電極式アーク溶接装置は、消耗電極ワイヤを送給し、短絡とアークを交互に発生させて溶接する消耗電極式アーク溶接装置であって、短絡終期に生じる消耗電極ワイヤのくびれを検出するくびれ検出手段と、前記くびれ検出手段でくびれを検出した際に前記消耗電極ワイヤに供給する電流または電圧または電力のうち少なくとも1つの供給物理量を第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点まで急減させる物理量急減手段とを備え、前記物理量急減手段は第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点までスイッチング素子を非導通とすることで前記供給物理量を急減し、第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点でスイッチング素子を導通とすることで、アーク再発生時のアーク切れを防ぎ、アーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良の発生等を防ぐことができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施の形態における溶接出力波形とタイミングチャートを示す図であり、図2は、本実施の形態における消耗電極式アーク溶接機のブロック図であり、図3は本実施の形態における溶接出力波形とタイミングチャートを示す図である。
図1、図3において、E1はくびれ検知が発生した時点、E2はE1から後述する所定の時間T1が経過した時点、E3は出力電流が後述するスイッチング素子6の切り替え基準となるI1に達した時点、E4は出力電流が後述する再アークを待つ電流Is1に達した時点、E5は短絡状態からアークが再発生した時点、E6はアーク状態から短絡が発生した時点、E8はE6が発生してから所定の時間T2が経過した時点、E7は出力電流が後述するスイッチング素子6の切り替え基準となるI2に達した時点、E9は出力電流が短絡初期電流Is2に達した時点、E10はE6から所定の時間T3が経過した時点、T1は第1の所定期間、T2は第2の所定期間、T3は第3の所定期間、I1は第1の所定電流値、I2は第2の所定電流値、Is1は所定の電流値、Is2は所定の電流値を示す。
なお、上記したI1、Is1、I2、Is2、T1、T2、T3は、例えば、時間などから決められるものである。
また、図2において、1は1次整流部、2は平滑コンデンサ、3は第1のスイッチング素子、4はトランス、5は2次整流部、6は第2のスイッチング素子、7は抵抗部、8はリアクタ、9は設定部、10は電圧検出部、11は電流検出部、12はアーク短絡判定部、13はくびれ検知部、15は第1の駆動部、16は溶接出力制御部、17は第2の駆動部、18は急減信号発生部、20は母材、21は溶接用のトーチ、22は溶接用のワイヤを示す。
以上のように構成された消耗電極式アーク溶接装置について、その動作を説明する。
図2において、商用電源入力(200V)はダイオード等で構成される1次整流部1と電解コンデンサ等で構成される平滑コンデンサ2とにより直流電圧に変換され、第1の駆動部15によりPWM(Pulse Wide Modulation)動作やフェーズシフト動作にて駆動されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される第1のスイッチング素子3のインバータ駆動によりトランス4を介して溶接に適した高周波交流に変換され、ダイオード等で構成される2次整流部5にて整流され、駆動部17により駆動されIGBT等で構成される第2のスイッチング素子6と、第2スイッチンス素子6に並列に接続される抵抗部7を介し、リアクタ8により出力平滑化され、トーチ21内部の給電チップから消耗電極であるワイヤ22に給電され、ワイヤ22先端と母材20との間にアークを発生させる。
くびれ検出手段であるくびれ検出部13は、電圧検出部10からの電圧検出信号を入力とし、電圧微分値を算出し、設定部9にて設定される検出レベル(例えば0.5V/ms)に達した場合、くびれを検知したとしてくびれ信号を出力する。
なお、図1のE1の時点でくびれ検知が発生し、くびれ検出部13から出力されるくびれ信号がHighレベルとなる。くびれ検出部13からのくびれ信号をうけ、CPU(Central Processing Unit)等で構成される急減信号発生部18は急減信号を駆動部17に出力する。駆動部17は、急減信号発生部18からの急減信号がLOWレベルの間、第2のスイッチング素子6を遮断(オフ状態)するよう動作し、その結果、溶接電流は抵抗部7を介してアーク給電され、同時にCPU等で構成される溶接出力制御部16が第1の駆動部15を介して第1のスイッチング素子3で構成されるインバータを制御し、溶接電流を所定の電流値I1(例えば100A)まで低減させる。
そして、CT(Current Transformer)等で構成される電流検出部11により検出される溶接電流出力が設定部9にて設定される第1の所定値I1に達した時点E3にて、急減信号発生部18は急減信号の出力を停止し、第2の駆動部17は第2のスイッチング素子6を導通状態にし、電流値は所定の電流Is1(例えば50A)まで低減する。
なお、第1の所定値I1は、固定値(例えば100A)でもよく、くびれ検出手段においてくびれを検出した時点での溶接電流の関数(例えば、300Aで検出した場合は、100Aに設定)でもよく、送給する消耗電極ワイヤのワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および溶接電流の設定電流域の少なくとも1つから求める関数でもよく、溶接電圧の時間的変化の割合の大きさ(例えば、くびれを検出した時点のdV/dt値が1V/msの場合は、100Aに設定)から求めてもよく、今回の短絡の溶接電流の積算値(例えば、くびれを検出した時点までの溶接電流積算値が、300A・sの場合は100Aに設定)から求めてもよい。
また、急減信号発生部18が、急減信号の出力を停止し、第2の駆動部17が第2のスイッチング素子6を導通状態にする時点は、図3に示すように、くびれ検知した時点E1から、急減信号発生部18が時間をカウントし、設定部9により設定される第1の所定時間T1が経過する時点E2までとしてもよい。
あるいは、図1に示す溶接電流出力が第1の所定値I1に達した時点E3または図3に示すくびれ検知した時点E1から第1の所定時間T1が経過する時点E2のどちらか一方が発生した時点としてもよい。
あるいは、溶接電流出力が第1の所定値I1に達した点E3及び、くびれ検知した時点から第1の所定時間T1が経過する時点E2の両方が発生した時点としてもよい。
また、第1の所定時間T1は、固定値(例えば50us)でもよく、くびれ検出手段においてくびれを検出した時点での溶接電流の関数(例えば、300Aで検出した場合は、50usに設定)でもよく、送給する消耗電極ワイヤのワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および溶接電流の設定電流の少なくとも1つから求める関数でもよく、溶接電圧の時間的変化の割合の大きさ(例えば、くびれを検出した時点のdV/dt値が1V/msの場合は、50usに設定)から求めてもよく、今回の短絡の溶接電流の積算値(例えばくびれを検出した時点までの溶接電流積算値が300A・sの場合は50usに設定)から求めてもよい。
なお、図2において、第2のスイッチング素子6が導通すると、溶接電流は、抵抗部7を介さず、第2のスイッチング素子6を介してアーク給電される。
また、図1において、出力電流がIs1に達したE4の時点ではアーク再生しておらず、この場合は、アークが再生するまで溶接出力Is1に電流制御する。
CPU等で構成されるアーク短絡判定部12は、電圧検出部10からの電圧検出信号を入力とし、短絡判定中に設定部9にて設定される検出レベル(例えば、15V)に達した場合、AS(Arc Short)信号をアーク判定(Highレベル)とする。
図1において、短絡状態からアークが再発生した時点E5にて、AS信号はアーク(Highレベル)判定となり、溶接出力制御部16は所定のアーク制御に移行する。アーク短絡判定部12は、アーク判定中に設定部9にて設定される検出レベル(例えば、10V)に達した場合、AS信号を短絡判定(Lowレベル)とする。
短絡が発生した時点E6にて、AS信号は短絡判定となり、急減信号発生部18は急減信号を出力し、駆動部17は、第2のスイッチング素子6を遮断(オフ状態)する。これにより、溶接電流は抵抗部7を介してアーク給電され、同時にCPU等で構成される溶接出力制御部16は所定の短絡初期制御に移行し、第1の駆動部15を介して第1のスイッチング素子3で構成されるインバータを制御し、溶接電流を所定の電流値I2(例えば50A)まで低減させる。
電流検出部11にて検出される溶接電流出力が設定部9にて設定される第2の所定電流値I2に達した点E8にて、急減信号発生部18は、急減信号の出力を停止し、第2の駆動部17は第2のスイッチング素子6を導通状態にする。これは、短絡時にアークが発生してしまった場合、第2のスイッチング素子6を導通状態にしておかないと、抵抗部7により母材20とワイヤ22との間に供給される電圧が低くなり、アーク切れとなってしまうことを防ぐためである。
なお、第2の所定電流値I2は、固定値(例えば75A)でもよく、アーク短絡判定部12が短絡を検出した時点での溶接電流の関数(例えば、150Aで検出した場合は、75Aに設定)でもよく、送給する消耗電極ワイヤ22のワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および溶接電流の設定電流域の少なくとも1つから求める関数でもよい。
また、急減信号発生部18が、急減信号の出力を停止し、第2の駆動部17が第2のスイッチング素子6を導通状態にする時点は、図3に示すように、短絡を検知した時点E6から、急減信号発生部18が時間のカウントを開始し、設定部9により設定される第2の所定時間T2が経過したE7までの間でもよく、図1に示すように溶接電流出力が第2の所定電流値I2に達した点E8あるいは図3に示すように短絡を検知した時点E6から第2の所定時間T2が経過するE7のどちらか一方が発生した時点でもよく、溶接電流出力が第2の所定電流値I2に達した点E8及びくびれ検知した時点から第2の所定時間T2が経過するE7の両方が発生した時点でもよい。
なお、第2の所定時間T2は、固定値(例えば200us)でもよく、アーク短絡判定部12が短絡を検出した時点での溶接電流の関数(例えば、150Aで検出した場合は、200usに設定)でもよく、送給する消耗電極ワイヤのワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および溶接電流の設定電流域の少なくとも1つから求める関数でもよい。
そして、第2のスイッチング素子6が導通すると、溶接電流は、抵抗部7を介さず、第2のスイッチング素子6を介してアーク給電される。通常溶接中、第2のスイッチング素子は導通状態となる。出力電流がIs2に達した後も、第3の所定時間T3期間中は、溶接出力Is2に電流制御する。第3の所定時間T3経過後のE10にて、溶接制御部16は所定の短絡開放制御に移行し、所定の短絡電流を出力し、短絡の開放を促進する。
以上のように、第2のスイッチング素子6を導通させるE2、E3のタイミングをアークが発生した時点E5よりも早くすることで、第2のスイッチング素子6のターンオン時間の遅れ分を吸収し、アークが再発生する時点E5では第2のスイッチンス素子6が完全に導通状態となり、アークを持続するための十分な電力の供給が可能となり、アーク再生時のアーク切れの発生を防ぐ。
なお、第2のスイッチング素子6を導通させるE2、E3のタイミングの基準となる第1の所定期間および第1の所定電流I1は実験などにより決められるものである。
また、短絡初期中に微小短絡が発生するような場合でも、あらかじめ第2のスイッチング素子6を導通させておくことで、再アークの発生の際の電力の供給が妨げられず、アーク切れを防ぐことができる。
上記のようにアーク切れの発生を防ぐことで、アーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良の発生等を最小限に抑えることができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることができる
なお、本実施の形態の消耗電極式アーク溶接装置では、CTを用いて電流を検出し、所定の電流になった時点で第1のスイッチング素子6の導通、非導通を切り替える例を示したが、電圧検出手段を用いて電圧を検出し、所定の電圧になった時点で第1のスイッチング素子6の導通、非導通を切り替えるようにしても良いし、電力計測手段を用いて電力を検出し、所定の電力になった時点で第1のスイッチング素子6の導通、非導通を切り替えるようにしても良い。
本発明の消耗電極式アーク溶接方法は、アーク切れの発生を防ぎ、アーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良の発生等を最小限に抑えることができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることが可能であり、スイッチング素子と抵抗で構成されるような電流急減回路を用いたスパッタ低減手法を用いたアーク溶接手法に有用であり、消耗電極式アーク溶接施工をおこなう自動車、造船、橋梁といったスパッタの発生を問題としている業界で広く利用可能性がある。
本発明の実施の形態1における溶接出力波形とタイミングを示す図 本発明の実施の形態1における消耗電極式アーク溶接機のブロック図 本発明の実施の形態1における溶接出力波形とタイミングを示す図 従来技術の溶接出力波形とタイミングを示す図 従来技術のアーク切れが発生した時点の溶接出力波形とタイミングを示す図
符号の説明
E1 くびれ検知が発生した点
E2 E1発生からT1が経過した点
E3 出力電流がI1に達した点
E4 出力電流がIs1に達した点
E5 短絡状態からアークが再発生した点
E6 短絡が発生した点
E7 E6発生からT2が経過した点
E8 出力電流がI2に達した点
E9 出力電流がIs2に達した点
E10 E6発生からT3が経過した点
E11 アーク切れが発生した点
T1 第1の所定期間
T2 第2の所定期間
T3 第3の所定期間
I1 第1の所定値
I2 第2の所定値
Is1 所定の電流値
Is2 所定の電流値
1 1次整流部
2 平滑コンデンサ
3 第1のスイッチング素子
4 トランス
5 2次整流部
6 第2のスイッチング素子
7 抵抗部
8 リアクタ
9 設定部
10 電圧検出部
11 電流検出部
12 アーク短絡判定部
13 くびれ検知部
15 第1の駆動部
16 溶接出力制御部
17 第2の駆動部
18 急減信号発生部
20 母材
21 トーチ
22 ワイヤ

Claims (8)

  1. 消耗電極ワイヤを送給し、短絡とアークを交互に発生させて溶接する消耗電極式アーク溶接装置であって、短絡終期に生じる消耗電極ワイヤのくびれを検出するくびれ検出手段と、前記くびれ検出手段でくびれを検出した際に前記消耗電極ワイヤに供給する電流または電圧または電力のうち少なくとも1つの供給物理量が第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点まで急減する物理量急減手段とを備え、前記物理量急減手段は第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点までスイッチング素子を非導通とすることで前記供給物理量を急減し、第1の所定値に達する時点及び/または第1の所定期間経過する時点でスイッチング素子を導通とする消耗電極式アーク溶接装置。
  2. 消耗電極ワイヤを送給し、短絡とアークを交互に発生させて溶接する消耗電極式アーク溶接装置であって、短絡とアークの状態を判別する短絡検出手段と、前記短絡検出手段でアークから短絡を検出した際に前記消耗電極ワイヤに供給する電流または電圧または電力のうち少なくとも1つの所定の供給物理量が第2の所定値に達する時点及び/または第2の所定期間経過する時点まで急減する物理量急減手段とを備え、前記物理量急減手段は第2の所定値に達する時点及び/または第2の所定期間経過する時点までスイッチング素子を非導通とすることで前記供給物理量を急減し、第2の所定値に達する時点及び/または第2の所定期間経過する時点でスイッチング素子を導通とする消耗電極式アーク溶接装置。
  3. 第1の所定値及び/または第1の所定期間は、くびれ検出手段においてくびれを検出した時の溶接電流と溶接電圧のいずれかに基づいて決められる請求項1記載の消耗電極式アーク溶接装置。
  4. 第1の所定値及び/または第1の所定期間は、送給する消耗電極ワイヤのワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、溶接電流の設定電流の少なくとも1つに基づいて決められる請求項1記載の消耗電極式アーク溶接装置。
  5. 第1の所定値及び/または第1の所定期間は、溶接電圧の時間的変化の割合の大きさから決められる請求項1記載の消耗電極式アーク溶接装置。
  6. 第1の所定値及び/または第1の所定期間は、今回の短絡中に積算した溶接電流または溶接電力のいずれかから決められる請求項1記載の消耗電極式アーク溶接装置。
  7. 第2の所定値及び/または第2の所定期間は、短絡検出手段でアークから短絡を検出した時の溶接電流と溶接電圧のいずれかに基づいて決められる請求項2記載の消耗電極式アーク溶接装置。
  8. 第2の所定値及び/または第2の所定期間は、送給する消耗電極ワイヤのワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および溶接電流の設定電流の少なくとも1つに基づいて決められる請求項2記載の消耗電極式アーク溶接装置。
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