JP6421321B2 - アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 - Google Patents

アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6421321B2
JP6421321B2 JP2014101928A JP2014101928A JP6421321B2 JP 6421321 B2 JP6421321 B2 JP 6421321B2 JP 2014101928 A JP2014101928 A JP 2014101928A JP 2014101928 A JP2014101928 A JP 2014101928A JP 6421321 B2 JP6421321 B2 JP 6421321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
short
circuit
welding
increase
arc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014101928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015217409A (ja
Inventor
潤司 藤原
潤司 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2014101928A priority Critical patent/JP6421321B2/ja
Publication of JP2015217409A publication Critical patent/JP2015217409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6421321B2 publication Critical patent/JP6421321B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding Control (AREA)

Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤを送給しながら短絡状態とアーク状態を交互に繰り返して溶接を行うアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置に関する。
近年、スパッタの発生量の低減や、ビード外観の良化や、適切な溶け込みの実現といった、溶接品質の更なる高品位化が求められている。中でもスパッタの発生量の低減は、溶接品質を向上すると共に治具へのスパッタの付着を抑制することにもなり、保守性が向上する等、作業環境を改善できる。
従来のスパッタの低減方法は、短絡状態の終期に消耗電極である溶接ワイヤの先端に生じるくびれの検出を行い、くびれを検出すると短絡電流を所定の電流まで低下する。これにより、短絡状態からアーク状態になる際に発生するスパッタを低減する。
従来の消耗電極式のアーク溶接方法は、図4に示すように、短絡状態の終期に生じる溶接ワイヤのくびれを検出し、くびれを検出した際に溶接電流を所定の期間低減する。溶接電流を低減した後、第1の所定期間内にアークが再生しない場合は、くびれ誤検出と判定する。くびれ誤検出と判定した場合は、溶接ワイヤに供給する溶接電流を所定の電流値まで増加する。同一の短絡期間中に所定回数くびれ誤検出と判定した場合は、くびれ検出を禁止する。このようなアーク溶接方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、このアーク溶接方法は、前回または過去所定回数の短絡期間中にくびれ誤検出と判定した場合、今回の短絡期間中にくびれ検出手段によるくびれ検出を禁止する。あるいは、前回または過去所定回数の短絡期間中に、くびれ誤検出と判定した場合、今回の短絡期間中のくびれ検出感度を下げる。
特開2006−116585号公報
上記従来のアーク溶接方法は、前回または過去所定回数の短絡期間中に、くびれ誤検出と判定した場合、今回の短絡期間中のくびれ検出を禁止する、あるいは、くびれ検出感度を下げる。しかし、くびれ検出を禁止する、あるいは、くびれ検出感度を下げたことにより、今回の次の短絡以降の短絡期間中にくびれ誤検出がなかった場合は、短絡期間中のくびれ検出感度は基本の感度に戻す。その後、前回または過去所定回数の短絡期間中に再度くびれ誤検出と判定すると、再度くびれ検出を禁止する、あるいは、くびれ検出感度を下げる。このように、くびれ検出感度を戻すと、くびれの誤検出を繰り返し生じ易い状態となり、アークが不安定になる恐れがある。
なお、この従来のアーク溶接方法は、溶融プールの不規則な振動やワイヤ送給のバラツキなどの一時的な現象にしか対応できない。ワイヤの先端と母材との間の実際のアーク電圧が下がるような状況では、短絡状態が強くなり、短絡電流が高くなるにつれてワイヤの先端がジュール発熱により高温になることから、電圧の傾きも高くなるので、絶えずくびれを誤検出しやすい傾向になり易い。なお、ワイヤの先端と母材との間の実際のアーク電圧が下がるような状況とは、トーチケーブルまたはアースケーブルが非常に長い場合や、電圧を下げすぎた場合などである。
また、アークスタート期間では、定常溶接期間のアーク状態とは異なり、母材に溶融プールが完全に形成されていない。そのため、短絡状態が安定し難く、短絡周期も不規則になり易く、くびれを誤検出し易い傾向にある。
従って、従来のアーク溶接方法は、短絡期間中にくびれの誤検出を繰り返し易い状態にある。また、アークの不安定状態が発生し易いアークスタート期間における配慮もない。そのため、スパッタの発生の低減を維持できず、更に、アークが不安定になることによりビード外観が悪化し、適切な溶け込みを実現できないといったように、溶接品質を確保できない恐れがある。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接制御方法は、消耗電極と母材との間でアーク状態と短絡状態とを繰り返すアーク溶接における前記短絡状態からアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれ現象を検出して溶接電流を低減するアーク溶接制御方法において、
前記くびれ現象を検出するためのくびれ検出しきい値を、前記短絡状態における短絡電流の値に応じて変更し、短絡電流は、第1の増加傾きと、前記第1の増加傾きに続く第2の増加傾きにより増加し、前記第1の増加傾きによる短絡電流の増加中と、前記第2の増加傾きによる短絡電流の増加中とで、くびれ検出しきい値の増加量が異なり、短絡電流の前記第1の増加傾きから前記第2の増加傾きに変わる変曲点の時点を含む所定期間におけるくびれ検出しきい値は、前記第1の増加傾き中の最大のくびれ検出しきい値よりも大きな値とする、または、前記変曲点の時点を含む所定期間には、くびれ検出を行わない
また、上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接装置は、消耗電極である溶接ワイヤと母材との間でアーク状態と短絡状態とを繰り返して溶接を行い、前記短絡状態からアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれ現象を検出して溶接電流を低減するアーク溶接装置であって、溶接出力を制御するスイッチング部と、前記スイッチング部を制御する駆動部と、溶接電流を検出する溶接電流検出部と、溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、前記溶接電圧検出部の出力に基づいて前記短絡状態であるのか前記アーク状態であるのかを検出する短絡/アーク検出部と、前記短絡/アーク検出部から短絡状態であることを示す信号を受けて短絡時の溶接出力制御信号を前記駆動部に出力する短絡制御部と、を有し、前記短絡制御部は、前記短絡状態から前期アーク状態に移行させるための短絡電流を印加する短絡電流制御部と、前記溶接電流検出部の出力および/または前記短絡電流制御部の出力に基づいてくびれ検出しきい値を変更するくびれ検出しきい値制御部と、前記溶接電圧検出部の出力と前記くびれ検出しきい値制御部の出力とに基づいて短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出するくびれ検出部とを有し、前記くびれ現象を検出するためのくびれ検出しきい値を、前記短絡状態における短絡電流の値に応じて変更し、短絡電流は、第1の増加傾きと、前記第1の増加傾きに続く第2の増加傾きにより増加し、前記第1の増加傾きによる短絡電流の増加中と、前記第2の増加傾きによる短絡電流の増加中とで、くびれ検出しきい値の増加量が異なり、短絡電流の前記第1の増加傾きから前記第2の増加傾きに変わる変曲点の時点を含む所定期間におけるくびれ検出しきい値は、前記第1の増加傾き中の最大のくびれ検出しきい値よりも大きな値とする、または、前記変曲点の時点を含む所定期間には、くびれ検出を行わない
以上のように、本発明によれば、くびれ検出しきい値を短絡電流に応じて変更するので、くびれ誤検出が発生した際のアークの不安定状態の発生や、ビード欠陥の発生や、スパッタの増加や、溶け込み不良等の問題を抑制することができ、溶接品質が向上する。また、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることができる。
本発明の実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態1における溶接電圧波形と溶接電流波形とくびれ検出しきい値の時間変化を示す図 (a)本発明の実施の形態1における短絡電流とくびれ検出しきい値との関係を示す図(b)本発明の実施の形態1における短絡電流とくびれ検出しきい値との関係を示す図 従来のアーク溶接方法における溶接電流波形を示す図
以下に、図1から図3を用いて、本実施の形態における消耗電極式のアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。アーク溶接装置は、以下のように構成される。
図1において、アーク溶接装置は、1次整流部2と、スイッチング部3と、トランス4と、2次整流部5と、DCL6(インダクタ)を有している。図1において、電源部1は、アーク溶接装置の外部に設けられており、アーク溶接装置に電力を供給する機器であり、例えば配電盤等である。
1次整流部2は、電源部1からアーク溶接装置の内部に入力した電力を整流する。スイッチング部3は、1次整流部2で整流された電力を交流に変換する。トランス4は、スイッチング部3により変換された電力を降圧する。2次整流部5およびDCL6は、トランス4により降圧された電力を整流する。2次整流部5およびDCL6により整流された電力は、溶接ワイヤ18と母材21との間に印加される。
また、アーク溶接装置は、駆動部7と、溶接電圧検出部8と、溶接電流検出部9と、短絡/アーク検出部10と、アーク制御部11と、短絡制御部12を有している。短絡制御部12は、短絡電流制御部13と、くびれ検出部14と、くびれ検出しきい値制御部15を有している。
駆動部7は、スイッチング部3を制御する。溶接電圧検出部8は、アーク溶接装置の溶接出力端子間の電圧を検出し、短絡/アーク検出部10に出力する。溶接電流検出部9は、溶接電流を検出する。短絡/アーク検出部10は、溶接電圧検出部8からの信号に基づいて溶接出力電圧が一定値以上か未満かを判定し、この判定結果に基づいて溶接ワイヤ18が母材21に接触短絡している状態であるのか、それとも非接触状態でアーク20を発生している状態であるのかを判定し、判定信号を出力する。アーク制御部11は、短絡/アーク検出部10からアーク期間であることを示す信号を入力している場合に、駆動部7を制御し、アーク期間における溶接出力の制御を行う。短絡制御部12は、短絡/アーク検出部10から短絡期間であることを示す信号を入力している場合に、駆動部7を制御し、短絡期間における溶接出力の制御を行う。
短絡電流制御部13は、短絡状態からアーク状態に移行させるための短絡電流の制御を行う。くびれ検出しきい値制御部15は、短絡電流の値、すなわち、溶接電流検出部9の出力および/または短絡電流制御部13の出力に基づいて、くびれ検出しきい値thをリアルタイムに変更する。なお、くびれ検出しきい値制御部15は、短絡電流の値とくびれ検出しきい値との関係を、例えば、テーブルや計算式等として対応付けて記憶している。くびれ検出部14は、溶接電圧検出部8の出力とくびれ検出しきい値制御部15の出力とに基づいて、短絡期間の終期に生じる溶接ワイヤ18の先端に生じるくびれをリアルタイムに検出する。
なお、くびれ検出部14は、短絡/アーク検出部10から短絡期間であることを示す信号を入力している場合に、溶接電圧検出部8からの信号に基づいて溶接電圧微分値を算出し、算出した溶接電圧微分値とくびれ検出しきい値thとを比較し、溶接ワイヤ18の先端部分がくびれているか否かを検出する。ここで、くびれ検出しきい値thは、くびれ検出しきい値を設定するためのくびれ検出しきい値制御部15が出力する電圧微分値である。
なお、図1で示したアーク溶接装置を構成する各構成部は、各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成するようにしてもよい。
次に、図2を用いて、溶接電流の制御について説明する。図2は、短絡とアークを交互に繰り返す消耗電極式のアーク溶接における溶接電圧波形と溶接電流波形とくびれ検出しきい値の時間変化を示している。なお、図2におけるくびれ検出しきい値の時間変化は、後述する図3(a)に示すように、短絡電流とくびれ検出しきい値とが、一次関数の関係にある場合の例である。
ここで、短絡/アーク検出部10が短絡状態であると判定した場合の短絡期間における溶接制御について説明する。
短絡制御部12は、短絡電流制御部13と、くびれ検出部14と、くびれ検出しきい値制御部15を有している。くびれ検出部14は、溶接電圧検出部8が出力する溶接電圧を監視し、溶接電圧の時間的変化の割合である溶接電圧微分値が、くびれ検出しきい値thより大きくなった場合、溶接ワイヤ18の先端にくびれが発生したことを検出し、駆動部7を制御し、溶接電流を所定の低電流値INまで低減する。このように、くびれを検出した際には、駆動部7の制御は、短絡電流制御部13による制御に対して、くびれ検出部14による制御が優先される。
なお、短絡電流は、短絡期間が長くなるに従って、時間に応じて高くなる。そのため、くびれ検出しきい値制御部15は、後述するように、短絡電流の値に応じたくびれ検出しきい値thをリアルタイムに変更する。くびれ検出部14は、くびれ検出しきい値制御部15がリアルタイムに変更するくびれ検出しきい値thに基づいて、くびれの検出を行う。
くびれ検出部14は、くびれを検出した場合の処理として、溶接ワイヤ18に供給する電流を、くびれを検出した時点の短絡電流値から、それよりも低い所定の低電流値INに低減する。
なお、この所定の低電流値INは、固定値(例えば、50A)でも良い。あるいは、送給する溶接ワイヤ18のワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、設定溶接電流の少なくとも1つから求められる関数に基づいて決定するようにしても良い。あるいは、くびれを検出した時点の溶接電流の関数、例えば、くびれを検出した時点の溶接電流から50Aを減算した値等としても良い。なお、これら固定値や関数等は、例えば実験等により求めておくことができる。
くびれ検出部14は、溶接ワイヤ18と母材21との間に印加された溶接電圧の微分値である溶接電圧微分値を検出する。なお、溶接電圧微分値は、単位時間当たりの溶接電圧の変化量である。そして、検出した溶接電圧微分値と、くびれ検出のしきい値であり所定の基準電圧微分値であるくびれ検出しきい値とを比較する。くびれ検出部14は、検出した溶接電圧微分値が基準電圧微分値以上である場合、くびれが発生したことを検出する。
なお、くびれの検出に関し、溶接電圧微分値ではなく、溶接電圧を溶接電流で除すことにより算出した抵抗値の微分値(抵抗値微分値)を検出し、検出した抵抗値微分値とくびれ検出のしきい値である所定の基準抵抗微分値とを比較し、検出した抵抗値微分値が基準抵抗値微分値以上である場合にくびれが発生したことを検出するようにしてもよい。
なお、基準電圧微分値や基準抵抗値微分値は、例えは、実験等により予め求めておけば良い。
図2において、時点P1は、短絡が発生した時点である。時点P2は、溶接電流が100Aの時点であり、短絡電流の第1の増加傾きIS1の増加を開始した時点である。時点P3は、短絡電流の第1の増加傾きIS1が200Aに到達した時点である。時点P4は、短絡電流の第1の増加傾きIS1が、300Aに到達した時点である。時点P5は、短絡電流の第1の増加傾きIS1が400Aに到達した時点であり、また、短絡電流の第1の増加傾きIS1から短絡電流の第2の増加傾きIS2へと変わる変曲点ISCの時点である。時点P6は、くびれの発生を検出し、溶接電流を低下した時点である。時点P7は、短絡が開放してアークが発生した時点である。
なお、変曲点ISCの時点から所定時間の間は、くびれの検出を行わないマスク時間ISTを設けている。その理由は以下である。変曲点ISCは、短絡電流の第1の増加傾きIS1から短絡電流の第2の増加傾きIS2へと変化する時点であり、くびれの検出が不安定になる。そのため、変曲点ISCの時点から所定時間の間は、くびれの検出を停止する。あるいは、所定時間の間のくびれの検出の停止に変えて、くびれ検出しきい値Thを通常値より上げる、すなわち、感度を下げてくびれを検出し難くするようにしても良い。
次に、図3を用いて、短絡電流とくびれ検出しきい値との関係について説明する。先ず、図2における時点P1から時点P6までの短絡期間におけるくびれ検出しきい値thについて説明する。
時点P1で短絡が発生し、時点P1から時点P2までは短絡初期として100Aの溶接電流を維持する。そして、短絡電流の第1の増加傾きIS1の増加を開始する時点P2から、くびれの検出を開始する。時点P2である短絡電流が100Aの場合は、くびれ検出しきい値thがくびれ検出しきい値th1である。時点P3である短絡電流が200Aの場合は、くびれ検出しきい値thがくびれ検出しきい値th2である。時点P4である短絡電流が300Aの場合は、くびれ検出しきい値thがくびれ検出しきい値th3である。時点P5である短絡電流が400Aの場合は、くびれ検出しきい値thがくびれ検出しきい値th4である。時点P6である短絡電流が500Aの場合は、くびれ検出しきい値thがくびれ検出しきい値th5である。このように、本実施の形態のアーク溶接装置およびアーク溶接制御方法は、短絡電流の値に応じてリアルタイムにくびれ検出しきい値thを変化させ、適正なくびれ検出を行うものである。
なお、短絡電流は、短絡電流の第1の増加傾きIS1と、短絡電流の第1の増加傾きIS1に続く短絡電流の第2の増加傾きにより増加し、短絡電流の第1の増加傾きIS1による短絡電流の増加中と、短絡電流の第2の増加傾きIS2による短絡電流の増加中とで、くびれ検出しきい値の増加量が異なる。具体的には、短絡電流の第2の増加傾きIS2は、短絡電流の第1の増加傾きIS1よりも緩やかであり、短絡電流の第2の増加傾きIS2による短絡電流の増加中のくびれ検出しきい値の増加量は、短絡電流の第1の増加傾きIS1による短絡電流の増加中のくびれ検出基準値の増加量よりも少ない。
なお、短絡電流が高くなるほど溶接電圧の増加傾きdv/dtも上昇する。そのため、くびれ検出しきい値thが固定値の場合、短絡電流が高くなる程、くびれの検出を誤検出する確率が高くなる。従って、本実施の形態のアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置では、短絡電流の値に応じてくびれ検出しきい値thを変更する。
その理由は、短絡電流が高くなるに従ってジュール発熱によりワイヤの先端が高温になって抵抗値が上昇するため、くびれ検出しきい値thは短絡電流に応じて変化させることが必要なためである。
なお、くびれ検出しきい値thが固定値の場合、くびれ検出頻度の高い或る短絡電流値の時のくびれ検出しきい値thでは、くびれ検出時期が或る短絡電流値未満の場合はくびれ検出感度が鈍くなり、或る短絡電流値以上の場合はくびれ誤検出する可能性が高くなってしまう。または、完全にくびれ誤検出をなくすためには、短絡電流の最大値の時のくびれ検出しきい値thとすれば、くびれ誤検出は抑制できる。しかし、ほとんどがくびれ検出感度が鈍い状態となる。そのため、スパッタの発生量が増加し易くなる。くびれ検出感度が鈍い状態とは、スパッタの低減が目的であるくびれ検出により低電流に落とし込む制御の開始タイミングが遅くなり、低電流まで落ち込む前に短絡が開放してしまい、スパッタの低減効果が薄れることになる。
図3(a)は、短絡電流とくびれ検出しきい値thとの関係を示す図であり、短絡電流に応じて、一次関数に基づいてくびれ検出しきい値thを変化させる例である。なお、一次関数に限らず、2次以上の関数としても良い。
また、図3(b)は、短絡電流とくびれ検出しきい値thとの関係を示す図であり、各電流値において100A毎に到達した時点でくびれ検出しきい値thを変化させる例である。
上記のように、短絡電流の値の増加に応じてくびれ検出しきい値thを高くすることで、くびれ検出感度が絶えず適正値となり、くびれを誤検出することによるアーク不安定を引き起こすことがなくなる。そして、アーク不安定を抑制することでスパッタを低減でき、ビードの外観も良くすることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、短絡電流の値に応じてくびれ検出しきい値を変更することで、くびれ誤検出を早い段階で防ぎ、くびれ誤検出が発生した際のアーク不安定や、ビード欠陥の発生や、スパッタの増加や、溶け込み不良等の問題を抑制することができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることができる。
本発明によれば、くびれの誤検出を防ぎ、アークの不安定化や、ビード欠陥の発生や、スパッタの増加や、溶け込み不良等の問題を抑制し、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることができ、短絡を伴う溶接を行うアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置として産業上有用である。
1 電源部
2 1次整流部
3 スイッチング部
4 トランス
5 2次整流部
6 DCL
7 駆動部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 アーク制御部
12 短絡制御部
13 短絡電流制御部
14 くびれ検出部
15 くびれ検出しきい値制御部
17 溶接ワイヤ送給装置
18 溶接ワイヤ
19 チップ
20 アーク
21 母材

Claims (4)

  1. 消耗電極と母材との間でアーク状態と短絡状態とを繰り返すアーク溶接における前記短絡状態からアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれ現象を検出して溶接電流を低減するアーク溶接制御方法において、
    前記くびれ現象を検出するためのくびれ検出しきい値を、前記短絡状態における短絡電流の値に応じて変更し、短絡電流は、第1の増加傾きと、前記第1の増加傾きに続く第2の増加傾きにより増加し、前記第1の増加傾きによる短絡電流の増加中と、前記第2の増加傾きによる短絡電流の増加中とで、くびれ検出しきい値の増加量が異なり、短絡電流の前記第1の増加傾きから前記第2の増加傾きに変わる変曲点の時点を含む所定期間におけるくびれ検出しきい値は、前記第1の増加傾き中の最大のくびれ検出しきい値よりも大きな値とする、または、前記変曲点の時点を含む所定期間には、くびれ検出を行わないアーク溶接制御方法。
  2. 短絡電流の値が大きい程、くびれ検出しきい値を大きな値とする請求項1記載のアーク溶接制御方法。
  3. 短絡電流の前記第2の増加傾きは、短絡電流の前記第1の増加傾きよりも緩やかであり、前記第2の増加傾きによる短絡電流の増加中のくびれ検出しきい値の増加量は、前記第1の増加傾きによる短絡電流の増加中のくびれ検出基準値の増加量よりも少ない請求項記載のアーク溶接制御方法。
  4. 消耗電極である溶接ワイヤと母材との間でアーク状態と短絡状態とを繰り返して溶接を行い、前記短絡状態からアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれ現象を検出して溶接電流を低減するアーク溶接装置であって、
    溶接出力を制御するスイッチング部と、
    前記スイッチング部を制御する駆動部と、
    溶接電流を検出する溶接電流検出部と、
    溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、
    前記溶接電圧検出部の出力に基づいて前記短絡状態であるのか前記アーク状態であるのかを検出する短絡/アーク検出部と、
    前記短絡/アーク検出部から短絡状態であることを示す信号を受けて短絡時の溶接出力制御信号を前記駆動部に出力する短絡制御部と、を有し、
    前記短絡制御部は、
    前記短絡状態から前期アーク状態に移行させるための短絡電流を印加する短絡電流制御部と、
    前記溶接電流検出部の出力および/または前記短絡電流制御部の出力に基づいてくびれ検出しきい値を変更するくびれ検出しきい値制御部と、
    前記溶接電圧検出部の出力と前記くびれ検出しきい値制御部の出力とに基づいて短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出するくびれ検出部とを有し、
    前記くびれ現象を検出するためのくびれ検出しきい値を、前記短絡状態における短絡電流の値に応じて変更し、短絡電流は、第1の増加傾きと、前記第1の増加傾きに続く第2の増加傾きにより増加し、前記第1の増加傾きによる短絡電流の増加中と、前記第2の増加傾きによる短絡電流の増加中とで、くびれ検出しきい値の増加量が異なり、短絡電流の前記第1の増加傾きから前記第2の増加傾きに変わる変曲点の時点を含む所定期間におけるくびれ検出しきい値は、前記第1の増加傾き中の最大のくびれ検出しきい値よりも大きな値とする、または、前記変曲点の時点を含む所定期間には、くびれ検出を行わないアーク溶接装置。
JP2014101928A 2014-05-16 2014-05-16 アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 Active JP6421321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014101928A JP6421321B2 (ja) 2014-05-16 2014-05-16 アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014101928A JP6421321B2 (ja) 2014-05-16 2014-05-16 アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015217409A JP2015217409A (ja) 2015-12-07
JP6421321B2 true JP6421321B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=54777285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014101928A Active JP6421321B2 (ja) 2014-05-16 2014-05-16 アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6421321B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10919100B2 (en) * 2016-03-29 2021-02-16 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Arc welding control method
CN108883486B (zh) * 2016-03-29 2020-07-14 松下知识产权经营株式会社 电弧焊接控制方法
EP3960351B1 (en) * 2019-04-22 2023-09-13 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Arc welding control method and arc welding device

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH078434B2 (ja) * 1983-04-26 1995-02-01 株式会社神戸製鋼所 短絡移行溶接電源の制御方法および装置
JPH0641026B2 (ja) * 1983-11-17 1994-06-01 株式会社神戸製鋼所 溶接電源の出力制御方法
JP4767508B2 (ja) * 2004-07-21 2011-09-07 株式会社ダイヘン 消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法
JP4907892B2 (ja) * 2005-03-31 2012-04-04 株式会社ダイヘン 消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法
JP4957519B2 (ja) * 2007-11-21 2012-06-20 パナソニック株式会社 アーク溶接方法およびアーク溶接装置
WO2011013305A1 (ja) * 2009-07-29 2011-02-03 パナソニック株式会社 アーク溶接方法およびアーク溶接装置
JP5950747B2 (ja) * 2012-08-07 2016-07-13 株式会社ダイヘン 消耗電極アーク溶接制御方法
JP2014039937A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Daihen Corp 消耗電極アーク溶接制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015217409A (ja) 2015-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4857163B2 (ja) 消耗電極式ガスシールドアーク溶接制御装置及び溶接制御方法
JP5370089B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接装置
JP5278542B2 (ja) アーク溶接制御方法およびアーク溶接制御装置
JP6100607B2 (ja) パルスアーク溶接の出力制御方法
JP4739874B2 (ja) 消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法
CN108883486B (zh) 电弧焊接控制方法
JP3941802B2 (ja) アーク溶接制御方法及びアーク溶接装置
JP4957519B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接装置
JP6421321B2 (ja) アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置
JP6524412B2 (ja) アーク溶接制御方法
US20140203004A1 (en) Arc welding control method and arc welding devide
JP2009183988A (ja) アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置
JP6387513B2 (ja) アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置
JP2014083571A (ja) 短絡期間の溶接電流制御方法
US11224929B2 (en) Arc welding method
JPWO2017038060A1 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接装置
KR101860947B1 (ko) 스패터 저감을 위한 용접 아크 재생 예측방법
JP2012232312A (ja) 短絡期間の溶接電流制御方法
JP2016144826A (ja) パルスアーク溶接の出力制御方法
JP2016026880A (ja) パルスアーク溶接の出力制御方法
JP6754935B2 (ja) アーク溶接制御方法
JP4661164B2 (ja) 消耗電極式アーク溶接装置
JP2010167502A (ja) 消耗電極式アーク溶接装置
JP5871360B2 (ja) 消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法
JP2016128186A (ja) パルスアーク溶接の出力制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20160520

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180918

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6421321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151