JP5353663B2 - インバータ制御方法およびインバータ制御加工装置 - Google Patents

インバータ制御方法およびインバータ制御加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、インバータ制御を用いてアーク溶接やプラズマ切断等の加工を行うインバータ制御加工装置およびインバータ制御に関するものである。
近年、スパッタの低減やビード概観の向上を図るため、多様な溶接電流の波形制御方法が提案されている。波形制御方法によっては、急激な電流出力の変化が必要となる。その実現のため、高いインバータ周期(例えば、100kHz等)で動作するインバータ制御加工装置が実現されている。
急激な電流指令変化に対して、インバータ制御加工装置が応答すると、インバータ駆動の導通幅に急激な変化が生じる。すると、トランス電流値の正逆のバランスが崩れ、トランスが偏磁を発生し、過大電流が1次側のスイッチング素子に通電され、1次側のスイッチング素子が破損に至る場合があった。
偏磁を防止する対策としては、インバータの正逆導通の1周期中の導通幅を、サンプルホールド回路を用いて固定することで、1周期中のトランス電流値をバランスし、偏磁が発生することのない安定した制御を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図3と図4を用いて、従来から慣用されている偏磁防止制御の動作に関して説明する。
図3は、従来のインバータ制御加工装置の一例である溶接装置の概略構成を示す図である。図4は、従来のインバータ制御における導通幅の時間変化とトランス電流の時間変化を示す図である。
図3のように構成された溶接装置について、図4を用いてその動作を説明する。なお、インバータ制御加工装置の一例である短絡とアークを繰り返して溶接を行う消耗電極式アーク溶接装置について説明する。
図3において、1は1次整流で部であり、2は平滑コンデンサであり、3はインバータ部であり、4はトランスであり、5は2次整流部であり、6は電流検出部であり、7は電圧検出部であり、8は出力制御部であり、9は駆動制御部であり、16は導通幅制限制御部である。また、インバータ部3は、第1のスイッチング素子TR1、第2のスイッチング素子TR2と、第3のスイッチング素子TR3と、第4のスイッチング素子TR4を備えている。なお、1001は溶接装置を示している。
また、図3において、20は母材であり、21はトーチであり、22は消耗性の電極であり、23は外部機器である。
図3において、配電盤等の外部機器23から給電される商用電源入力(200V等)は、ダイオード等で構成される1次整流部1で整流され、電解コンデンサ等で構成される平滑コンデンサ2により直流電圧に変換される。そして、インバータ部3のインバータ駆動により、トランス4にトランス電流iを通電し、溶接に適した高周波交流に変換される。
インバータ部3は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される第1から第4のスイッチング素子TR1からTR4により構成される。そして、これらのスイッチング素子は、CPU(Central Processing Unit)およびドライバ等で構成される駆動制御部9により、PWM(Pulse Wide Modulation)動作やフェーズシフト動作により駆動され、インバータ動作を行う。
そして、ダイオード等で構成される2次整流部5により整流され、トーチ21の内部に設けられた図示しない給電チップを介して、消耗電極ワイヤである電極22にプラス出力が給電され、電極22の先端とマイナス給電された母材20との間でアークを発生させて溶接を行う。
また、CT(Current Transformer)等で構成される電流検出部6は、溶接電流を検出する。電極22と母材20の間の電圧を測定する電圧検出部7は、溶接電圧を検出する。
CPUやDSP(Digital Signal Processor)およびADC(Analog to Digital Converter)等で構成される出力制御部8は、電流検出部6と電圧検出部7の出力を入力し、インバータの制御タイミング(インバータのスイッチング動作タイミング)に同期して、短絡中の短絡溶接制御やアーク中のアーク溶接制御といった溶接に適した出力指令を作成し、出力目標に基づいて電流フィードバックおよび/または電圧フィードバック演算を行い、インバータ部3のスイッチング素子TR1からTR4の導通幅を算出し、今回導通幅予定値として出力する。
CPUやDSPで構成される導通幅制限制御部16は、出力制御部8の出力を入力して駆動制御部9に導通幅を出力する。
CPUやDSPやサンプルホールド回路で構成される従来の導通幅制限制御部16は、今回導通幅予定値をインバータの正逆導通の1周期(インバータ制御タイミング2回分)中保持し、1周期毎に保持値を更新する。
次に、図4を用いて、図3に示す溶接装置の動作について説明する。
図4は、従来のインバータ制御における導通幅の時間変化とトランス電流の時間変化を示す図である。図4(a)は、導通幅の時間変化を示している。図4(b)は、トランス電流値iの時間変化を示している。なお、図4において、t1からt12は、各々時刻を示している。
図4(a)において、演算上の導通幅の目標値である出力制御部8が出力する今回導通幅予定値の時間変化を○印(白丸,予定値)により示している。また、導通幅制限制御部16がインバータ部3を制御する駆動制御部9に出力する今回導通幅の時間変化を●印(黒丸,確定値)により示している。
図4(a)において、例えば、時刻t3における今回導通幅の確定方法について説明する。従来の制御方法では、時刻t2と時刻t3の導通幅は同じ値となるように制御される。そのため、時刻t3の今回導通幅予定値が、図4(a)の時刻t3に示す○印の値のように更新されても、時刻t3の今回導通幅は、図4(a)の時刻t3に示す●印の値のように、図4(a)の時刻t2の●印の値と同値となり、時刻t3に○印で示す今回導通幅予定値とは異なる値となる。
このように、時刻t2の導通幅と時刻t3の導通幅は、必ず対で同じ値になる。これにより、正逆導通の1周期中のトランス電流値はバランスが取れ、偏磁が発生することのない安定した制御が可能となる。
特開昭60−076278号公報
しかし、従来のインバータ制御加工装置では、インバータ制御の正逆1周期中の導通幅が同値に固定されることで、出力応答が遅くなり、制御性能が悪くなるといった課題がある。
そして、制御性能を上げるためにインバータ制御毎に導通幅を更新すると、インバータ駆動の導通幅に急激な変化が発生し、この場合、トランス電流値の正逆のバランスが崩れ、トランスが偏磁を発生し、過大電流が1次側のスイッチング素子に通電され、IGBT等の1次側のスイッチング素子が破損に至るといった問題が生じる。
本発明は、溶接出力制御の制御を急激に行ってもトランスの偏磁が発生しないことで、IGBTやMOSFET等の出力制御素子の破壊を抑制し、かつ、高速な溶接電力制御を可能とすることで良好な溶接性能が得ることができるインバータ制御方法およびインバータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインバータ制御方法は、インバータの制御タイミング毎に導通幅を決定して出力制御を行うインバータ制御方法であって、ある第1の制御タイミングにおいて出力目標に基づいた導通幅を今回予定導通幅として演算するステップと、前記第1の制御タイミングの1つ前の制御タイミングでインバータ制御に用いられた導通幅である前回導通幅から前記第1の制御タイミングの2つ前の制御タイミングでインバータ制御に用いられた導通幅である前々回導通幅を減じて差分値を求め前記差分値の絶対値と正負符号を求めるステップと、前記差分値の絶対値と予め設定された所定閾値とを比較するステップと、前記差分値の絶対値が前記所定閾値より大きい場合に、前記前回導通幅から前記前々回導通幅を減じた差分値の正負符号と前記今回予定導通幅から前記前回導通幅を減じた差分値の正負符号とを比較するステップと、前記前回導通幅から前記前々回導通幅を減じた差分値の正負符号と前記今回予定導通幅から前記前回導通幅を減じた差分値の正負符号とが異なる場合には、前記前回導通幅を前記第1の制御タイミングのインバータ制御に用いられる導通幅とし、前記前回導通幅から前記前々回導通幅を減じた差分値の正負符号と前記今回予定導通幅から前記前回導通幅を減じた差分値の正負符号とが同じ場合には、前記今回予定導通幅を前記第1の制御タイミングのインバータ制御に用いられる導通幅とするステップを備えたものである。
また、本発明のインバータ制御加工装置は、インバータの制御タイミング毎に導通幅を決定して出力制御を行い、加工対象物の加工を行うインバータ制御加工装置であって、入力された電力を整流する1次整流部と、前記1次整流部の出力を平滑する平滑コンデンサと、スイッチング素子で構成され前記平滑コンデンサにより平滑された電力を交流に変換するインバータ部と、前記インバータ部の出力を変圧するトランスと、前記トランスの出力を整流する2次整流部と、前記インバータ制御加工装置の出力電流を検出する電流検出部と、前記インバータ制御加工装置の出力電圧を検出する電圧検出部と、前記インバータ部のスイッチング素子に駆動信号を出力する駆動制御部と、前記電流検出部の出力および/または前記電圧検出部の出力と出力制御の目標値に基づいて前記インバータ部のスイッチング素子の導通幅を求めて第1の制御タイミングにおける今回予定導通幅である今回導通幅予定値として出力する出力制御部と、前記出力制御部の出力を入力して前記駆動制御部に導通幅を出力する導通幅制限制御部を備え、前記導通幅制限制御部は、前記第1の制御タイミングの1つ前の制御タイミングで前記駆動出力部に出力した導通幅の前回導通幅を前回導通幅記憶値として記憶する前回導通幅記憶部と、前記第1の制御タイミングの2つ前の制御タイミングで前記駆動出力部に出力した導通幅の前々回導通幅を前々回導通幅記憶値として記憶する前々回導通幅記憶部と、前記前回導通幅記憶部に記憶されている前回導通幅記憶値から前記前々回導通幅記憶部に記憶されている前々回導通幅記憶値を減じた差分値の絶対値に対する閾値となる所定閾値を設定するための所定閾値設定部と、前記前々回導通幅記憶値と前記前回導通幅記憶値と前記今回導通幅予定値と前記所定閾値に基づいて前記出力制御部から入力した前記今回導通幅予定値を制限して前記駆動制御部に出力するか否かを判定して導通幅の制限を指示する導通幅制限信号を出力する導通幅制限検出部と、前記導通幅制限信号に基づいて前記前回導通幅記憶値と前記今回導通幅予定値のいずれを前記駆動制御部に出力するかを切り替える導通幅切替部を備え、前記導通幅制限検出部は、前記前回導通幅記憶値から前記前々回導通幅記憶値を減じた差分値の絶対値が前記所定閾値より大きく、かつ、前記前回導通幅記憶値から前記前々回導通幅記憶値を減じた結果の正負符号と前記今回導通幅予定値から前記前回導通幅記憶値減じた結果の正負符号とが異なる場合には導通幅の制限を指示する導通幅制限信号を出力し、この場合と異なる場合には導通幅の制限を指示しない導通幅制限信号を出力し、前記導通幅切替部は、導通幅制限信号が導通幅の制限を指示するものである場合には前記前回導通幅記憶値を前記駆動制御部に出力し、導通幅制限信号が導通幅の制限を指示するものでない場合には前記今回導通幅予定値を前記駆動制御部に出力するものである。
また、本発明のインバータ制御加工装置は、上記に加えて、トランスの巻数比は、1次巻数と2次巻数の比が4対1以下としたものである。
以上のように、本発明によれば、溶接出力制御の制御を急激に行ってもトランスの偏磁を抑制することで、IGBTやMOSFET等の出力制御素子の破壊を抑制し、かつ、高速な溶接電力制御を可能とすることで良好な溶接性能を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるインバータ制御加工装置の概略構成を示す図 (a)本発明の実施の形態1における導通幅の時間変化を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるトランス電流の時間変化を示す図(c)本発明の実施の形態1における導通幅の差分値の時間変化を示す図(d)本発明の実施の形態1における導通幅の差分値の絶対値の時間変化を示す図(e)本発明の実施の形態1における導通幅制御信号の時間変化を示す図 従来のインバータ制御加工装置の概略構成を示す図 (a)従来のインバータ制御におけるスイッチング素子の導通幅の時間変化を示す図(b)従来のインバータ制御におけるトランス電流の時間変化を示す図
(実施の形態1)
本実施の形態について、図1と図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態におけるインバータ制御加工装置の概略構成を示す図である。図2は導通幅等の時間変化を示す図である。図2(a)は導通幅の時間変化を示し、図2(b)はトランス電流の時間変化を示し、図2(c)は導通幅の差分値の時間変化を示し、図2(d)は導通幅の差分値の絶対値の時間変化を示し、図2(e)は導通幅制御信号の時間変化を示している。
以下、インバータ制御加工装置の一例として、短絡とアークを繰り返して溶接を行う消耗電極式アーク溶接装置について説明する。そして、図1に示すインバータ制御加工装置の動作について、図2を用いて説明する。
図1において、1は1次整流部であり、2は平滑コンデンサであり、3はインバータ部であり、4はトランスであり、5は2次整流部であり、6は電流検出部であり、7は電圧検出部であり、8は出力制御部であり、9は駆動制御部であり、15は導通幅制限制御部である。
なお、導通幅制限制御部15は、導通幅切替部10と、導通幅制限検出部11と、前回導通幅記憶部12と、前々回導通幅記憶部13と、所定閾値設定部14を備えている。
また、インバータ部3は、第1のスイッチング素子TR1と、第2のスイッチング素子TR2と、第3のスイッチング素子TR3と、第4のスイッチング素子TR4を備えている。
なお、iは、トランス電流を示しており、101は、溶接装置を示している。
また、出力制御部8の出力や、前回導通幅記憶部12の記憶内容や、前々回導通幅記憶部13の記憶内容等は、制御タイミング毎に更新されるものである。
また、図1において、20は母材であり、21はトーチであり、22は消耗性の電極であり、23は外部機器である。
図1において、配電盤等の外部機器23から給電される商用電源入力(200V等)は、ダイオード等で構成される1次整流部1で整流され、電解コンデンサ等で構成される平滑コンデンサ2により直流電圧に変換される。そして、インバータ部3のインバータ駆動により、トランス4にトランス電流iを通電し、溶接に適した高周波交流に変換される。
インバータ部3は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される第1から第4のスイッチング素子TR1からTR4により構成される。そして、これらのスイッチング素子は、CPU(Central Processing Unit)やドライバ等で構成される駆動制御部9によって、PWM(Pulse Wide Modulation)動作やフェーズシフト動作等により駆動され、インバータ動作を行う。
そして、トランス4が出力する高周波交流出力は、ダイオード等で構成される2次整流部5により整流され、トーチ21の内部に設けられた図示しない給電チップを介して消耗電極ワイヤである電極22にプラス出力が給電され、電極22の先端とマイナス給電された母材20との間でアークを発生させて溶接を行う。
CT(Current Transformer)等で構成される電流検出部6は、溶接電流を検出する。電極22と母材20の間の電圧を測定する電圧検出部7は、溶接電圧を検出する。
CPUやDSP(Digital Signal Processor)およびADC(Analog to Digital Converter)等で構成される出力制御部8は、電流検出部6および/または電圧検出部7の出力を入力し、インバータの制御タイミング(例えば100kHz)に同期して、短絡中の短絡溶接制御やアーク中のアーク溶接制御といった溶接に適した出力指令を作成し、出力目標に基づいて電流フィードバックおよび/または電圧フィードバックおよび/または電力フィードバック演算を行い、インバータ部3のスイッチング素子TR1からTR4の導通幅を算出し、今回導通幅予定値として出力する。
そして、CPUやDSPで構成される導通幅制限制御部15は、出力制御部8の出力を入力して駆動制御部9に導通幅を出力する。なお、出力する導通幅についての詳細は後述する。また、導通幅制限制御部15は、CPUやDSPで構成される導通幅切替部10とCPUやDSPで構成される導通幅制限検出部11と、CPUやDSPで構成される前回導通幅記憶部12と、CPUやDSPで構成される前々回導通幅記憶部13と、CPUやDSPで構成される所定閾値設定部14とで構成される。
また、前回導通幅記憶部12は、或る第1の制御タイミングの1つ前の制御タイミングで駆動出力部9に出力した導通幅を記憶し、前回導通幅記憶値として出力する。前々回導通幅記憶部13は、前記或る第1の制御タイミングの2つ前の制御タイミングで駆動出力部9に出力した導通幅を記憶し、前々回導通幅記憶値として出力する。なお、前回導通幅記憶部12の記憶内容と前々回導通幅記憶部13は、制御タイミング毎に更新される。
所定閾値設定部14は、前回導通幅記憶部12に記憶されている前回導通幅記憶値から前々回導通幅記憶部13に記憶されている前々回導通幅記憶値を減じた差分値の絶対値に対する閾値となる所定閾値S1(例えば最大導通幅の30%の導通幅等)を設定するためのものである。
導通幅制限検出部11は、前々回導通幅記憶値と前回導通幅記憶値と今回導通幅予定値と所定閾値S1を入力する。そして、前回導通幅記憶値から前々回導通幅記憶値を減じた差分値の絶対値が所定閾値S1より大きく、かつ、前回導通幅記憶値から前々回導通幅記憶値を減じた結果の正負符号と今回導通幅予定値から前回導通幅記憶値を減じた結果の正負符号とが異なる場合には、導通幅の制限を指示する導通幅制限信号(オン)を出力し、この場合と異なる場合には、導通幅の制限を指示しない導通幅制限信号(オフ)を出力するものである。
導通幅切替部10は、導通幅制限検出部11が出力する導通幅制限信号に基づいて、導通幅制限信号が導通幅の制限を指示するものである場合(オンの場合)には、前回導通幅記憶値を駆動制御部9に出力する。一方、導通幅制限信号が導通幅の制限を指示するものでない場合(オフの場合)には、今回導通幅予定値を駆動制御部9に出力するものである。
次に、図2を用いて、溶接装置101の動作について説明する。図2は制御タイミング毎の導通幅等の時間変化を示す図である。
図2(a)は、導通幅の時間変化を示している。図2(b)は、トランス電流値iの時間変化を示している。図2(c)は、導通幅の差分値の時間変化を示している。図2(d)は、導通幅の差分値の絶対値の時間変化を示しており、S1は導通幅の差分値の絶対値に対する所定閾値を示している。図2(e)は、導通幅制御信号の時間変化を示している。なお、図2において、t1からt12は制御タイミングの時刻を示している。
図2(a)は、或る時刻の或る制御タイミングである第1の制御タイミングにおける出力制御部8が出力する今回導通幅予定値の時間変化(各タイミングにおける予定値)を、○印(白丸,予定値)で示している。さらに、導通幅切替部10が駆動制御部9に出力する今回導通幅の時間変化(各タイミングにおける確定値)を、●印(黒丸,確定値)で示している。なお、○印を●印よりも大きく記載している。
図2(b)は、各時刻におけるトランス電流値iの時間変化を示している。
図2(c)は、出力制御部8が出力した今回導通幅予定値(予定値)から前回導通幅記憶部12に記憶されている前回導通幅記憶値を減じた差分値の時間変化を○印(白丸)で示している。また、導通幅切替部10が駆動制御部9に出力した今回導通幅(確定値)から前回導通幅記憶値を減じた差分値の時間変化を●印(黒丸)で示している。
図2(d)は、今回導通幅と前回導通幅記憶値の差分値の絶対値の時間変化を●印(黒丸)で示している。
ここで、例えば、時刻t4を或る第1の制御タイミングとした場合ついて説明する。
導通幅制限検出部11は、前回導通幅記憶値(図2(a)に示す時刻t3における●印の値)から前々回導通幅記憶値(図2(a)に示す時刻t2における●印の値)を減算した差分値(図2(c)に示す時刻t3における●印の値)を算出する。
そして、導通幅制限検出部11は、この差分値の絶対値(図2(d)に示す時刻t3における●印の値)が、所定閾値設定部14で設定された所定閾値S1より大きく、かつ、今回導通幅予定値(図2(a)に示す時刻t4における○印の値)から前回導通幅記憶値(図2(a)に示す時刻t3における●印の値)を減算した差分値(図2(c)に示す時刻t4における○印の値)の正負符号(+値)と、前回導通幅記憶値(図2(a)に示す時刻t3における●印の値)から前々回導通幅記憶値(図2(a)に示す時刻t2おける●印の値)を減算した差分値(図2(c)に示す時刻t3における●印の値)の正負符号(−値)と、を算出して比較し、正負符号同士が異なる場合には、図2(e)における時刻t4に示すように、導通幅制限信号をオンにして出力する。そして、後述するように、この信号により駆動制御部9に出力する導通幅に制限を与える。
この制限の結果、図2(a)に示すように、時刻t4における今回導通幅(図2(a)に示す時刻t4における●印の値)は、前回の導通幅(図2(a)に示す時刻t3における●印の値)と同じ値になるように制限される。
なお、図2(b)では、模式的に、トランス電流値iを導通幅に比例した出力として示している。
また、図2(a)に示すように、時刻t3と時刻t4における今回導通幅が同値となることにより、図2(b)に示すように、時刻t3と時刻t4のトランス電流値iはバランスがとれ、偏磁が発生し難い状況となる。
なお、トランス4は、1次巻数と2次巻数の比が4対1以下であるトランスでもよい。
また、トランス4のコアの材料は、電磁鋼板でもよく、あるいはフェライト等でもよい。
また、インバータ周期は、50Hz程度のものでもよい。
また、所定閾値設定部14で設定する所定閾値S1は、前回導通幅の例えば30%の値となるように、インバータ周期に同期して更新される値でもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、次の周期の導通幅予定値を監視し、大きく導通幅が変化して偏磁が発生しやすい場合には、その導通幅を制限することでトランス電流値のバランスをとる。これにより、トランス4が磁気飽和状態(偏磁)となることを防ぐことができ、スイッチング素子TR1からTR4に過大な電流が流れて破壊に至ることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、消耗電極式短絡溶接について説明したが、TIG溶接機やプラズマ切断機に適用しても同様の効果を実現することができる。
以上のように、本発明は、溶接出力制御の制御を急激に行ってもトランスの偏磁が抑制され、IGBTやMOSFET等の出力制御素子の破壊を抑制し、かつ、高速な溶接電力制御を行うことが可能となることで良好な溶接結果を得ることができ、消耗電極式アーク溶接施工を行う例えば自動車業界といった特に高品質の溶接性能を重視している業界におけるインバータ制御方法およびインバータ制御加工装置として産業上有用である。
1 1次整流部
2 平滑コンデンサ
3 インバータ部
4 トランス
5 2次整流部
6 電流検出部
7 電圧検出部
8 出力制御部
9 駆動制御部
10 導通幅切替部
11 導通幅制限検出部
12 前回導通幅記憶部
13 前々回導通幅記憶部
14 所定閾値設定部
15 導通幅制限制御部
16 導通幅制限制御部
20 母材
21 トーチ
22 電極
23 外部機器
101 溶接装置
1001 溶接装置
TR1 第1のスイッチング素子
TR2 第2のスイッチング素子
TR3 第3のスイッチング素子
TR4 第4のスイッチング素子
i トランス電流値
S1 所定閾値
tn 時刻

Claims (3)

  1. インバータの制御タイミング毎に導通幅を決定して出力制御を行うインバータ制御方法であって、
    ある第1の制御タイミングにおいて出力目標に基づいた導通幅を今回予定導通幅として演算するステップと、
    前記第1の制御タイミングの1つ前の制御タイミングでインバータ制御に用いられた導通幅である前回導通幅から前記第1の制御タイミングの2つ前の制御タイミングでインバータ制御に用いられた導通幅である前々回導通幅を減じて差分値を求め前記差分値の絶対値と正負符号を求めるステップと、
    前記差分値の絶対値と予め設定された所定閾値とを比較するステップと、
    前記差分値の絶対値が前記所定閾値より大きい場合に、前記前回導通幅から前記前々回導通幅を減じた差分値の正負符号と前記今回予定導通幅から前記前回導通幅を減じた差分値の正負符号とを比較するステップと、
    前記前回導通幅から前記前々回導通幅を減じた差分値の正負符号と前記今回予定導通幅から前記前回導通幅を減じた差分値の正負符号とが異なる場合には、前記前回導通幅を
    前記第1の制御タイミングのインバータ制御に用いられる導通幅とし、前記前回導通幅から前記前々回導通幅を減じた差分値の正負符号と前記今回予定導通幅から前記前回導通幅を減じた差分値の正負符号とが同じ場合には、前記今回予定導通幅を前記第1の制御タイミングのインバータ制御に用いられる導通幅とするステップを備えたインバータ制御方法。
  2. インバータの制御タイミング毎に導通幅を決定して出力制御を行い、加工対象物の加工を行うインバータ制御加工装置であって、
    入力された電力を整流する1次整流部と、
    前記1次整流部の出力を平滑する平滑コンデンサと、
    スイッチング素子で構成され前記平滑コンデンサにより平滑された電力を交流に変換するインバータ部と、
    前記インバータ部の出力を変圧するトランスと、
    前記トランスの出力を整流する2次整流部と、
    前記インバータ制御加工装置の出力電流を検出する電流検出部と、
    前記インバータ制御加工装置の出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記インバータ部のスイッチング素子に駆動信号を出力する駆動制御部と、
    前記電流検出部の出力および/または前記電圧検出部の出力と出力制御の目標値に基づいて前記インバータ部のスイッチング素子の導通幅を求めて第1の制御タイミングにおける今回予定導通幅である今回導通幅予定値として出力する出力制御部と、
    前記出力制御部の出力を入力して前記駆動制御部に導通幅を出力する導通幅制限制御部を備え、
    前記導通幅制限制御部は、
    前記第1の制御タイミングの1つ前の制御タイミングで前記駆動出力部に出力した導通幅の前回導通幅を前回導通幅記憶値として記憶する前回導通幅記憶部と、
    前記第1の制御タイミングの2つ前の制御タイミングで前記駆動出力部に出力した導通幅の前々回導通幅を前々回導通幅記憶値として記憶する前々回導通幅記憶部と、
    前記前回導通幅記憶部に記憶されている前回導通幅記憶値から前記前々回導通幅記憶部に記憶されている前々回導通幅記憶値を減じた差分値の絶対値に対する閾値となる所定閾値を設定するための所定閾値設定部と、
    前記前々回導通幅記憶値と前記前回導通幅記憶値と前記今回導通幅予定値と前記所定閾値に基づいて前記出力制御部から入力した前記今回導通幅予定値を制限して前記駆動制御部に出力するか否かを判定して導通幅の制限を指示する導通幅制限信号を出力する導通幅制限検出部と、
    前記導通幅制限信号に基づいて前記前回導通幅記憶値と前記今回導通幅予定値のいずれを前記駆動制御部に出力するかを切り替える
    導通幅切替部を備え、
    前記導通幅制限検出部は、
    前記前回導通幅記憶値から前記前々回導通幅記憶値を減じた差分値の絶対値が前記所定閾値より大きく、かつ、前記前回導通幅記憶値から前記前々回導通幅記憶値を減じた結果の正負符号と前記今回導通幅予定値から前記前回導通幅記憶値減じた結果の正負符号とが異なる場合には導通幅の制限を指示する導通幅制限信号を出力し、この場合と異なる場合には導通幅の制限を指示しない導通幅制限信号を出力し、
    前記導通幅切替部は、
    導通幅制限信号が導通幅の制限を指示するものである場合には前記前回導通幅記憶値を前記駆動制御部に出力し、導通幅制限信号が導通幅の制限を指示するものでない場合には前記今回導通幅予定値を前記駆動制御部に出力するインバータ制御加工装置。
  3. トランスの巻数比は、1次巻数と2次巻数の比が4対1以下である
    請求項2記載のインバータ制御加工装置。
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