JP2006122186A - 分離型遊技機 - Google Patents
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Abstract
部品点数の減少及び製造コストの低減を図り、筐体と交換ユニットとの固定を容易とし、かつ、異物挿入によるゴト行為を防止する分離型遊技機を提供する。
【解決手段】
正面側に開口する筐体1と、上下二つの内部空間に仕切る中板12と、開口上部11aを開閉自在な上扉30と、開口下部11bを開閉自在な下扉40と、図柄表示手段26と、基板と、電源装置4とを少なくとも有する遊技機であって、図柄表示手段26及び基板を支持体21に設けた交換ユニット2を形成し、中板12上部に交換ユニット2を着脱自在に備え、中板12は手前縁13が開口部11より奥側に位置し、上扉30下部に、上扉30を閉めた際に中板12と一体となり上下二つの内部空間に分断する分離板14を設け、分離板14に、分離板14と中板12とを下面で固定する固定具80を設ける。
【選択図】図1
Description
しかし、資源の有効利用、遊技機交換作業の簡易化及び経費削減等の観点から、遊技内容の変更に最低限必要な構成部品のみを交換し、筐体やその他の部品は交換せずにホールに残したままにしておく、いわゆる分離型遊技機が考案されている。この分離型遊技機の技術は、下記の特許文献1に開示されている。
また、上扉には、その裏面右部にロック部材が設けられている。このロック部材は、交換ユニットを中板の上部に収納する間、上扉が自重で自由に開閉することにより収納作業がしづらくなるのを防止するため、交換ユニットに上扉を仮保持させておくためのものである。
また、上述のような分離型スロットマシン(分離型遊技機)では、上扉及び下扉を閉じた状態で、上扉と下扉との間、及び、これらの扉と中板との間に、それぞれ間隙が生じてしまう。したがって、この間隙からピアノ線等の異物を挿入してゴト行為が行われるのを防止すべく、上扉と下扉との間の裏面には、上扉と下扉とをまたぐように、不正防止板が設けられている。
したがって、上記のような事情により、部品点数を減少させて製造コストの低減を図るとともに、筐体と交換ユニットとの固定を容易に行えるような分離型遊技機の提供が望まれている。
また、上扉と下扉との間、及び、これらの扉と中板との間に生じる隙間からピアノ線等の異物を挿入するというゴト行為を防止できるような分離型遊技機の提供が望まれている。
(請求項1、2、5又は6)
すなわち、請求項1、2、5又は6記載の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ピアノ線等の異物の挿入によるゴト行為を防止することができるような分離型遊技機を提供することを目的とする。
(請求項3又は4)
すなわち、請求項3又は4記載の発明は、上記した請求項1、2、5又は6記載の発明の目的に加え、構成部品の点数を減少させて製造コストの低減を図るとともに、筐体と交換ユニットとの固定を容易に行えるような分離型遊技機を提供することを目的とする。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、正面側に開口する筐形の筐体1と、前記筐体1内部に横方向に渡されて、同筐体1の内部空間を上下二つの空間に仕切る、板状の中板12と、筐体1の開口部11の上部を開閉自在に塞ぐ上扉30と、筐体1の開口部11の下部を開閉自在に塞ぐ下扉40と、複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な図柄表示手段26と、図柄表示手段26の作動を少なくとも制御するための基板と、前記図柄表示手段26及び基板に電力を供給する電源装置4と、を少なくとも有する遊技機であって、少なくとも図柄表示手段26及び基板を支持体21に設けた交換ユニット2が形成されており、中板12の上部には、前記交換ユニット2が着脱自在に備えられ、支持体21には、前記交換ユニット2が中板12の上部に収納された状態で、筐体1の開口部11の上部を開閉自在に塞ぐ上扉30が備えられ、前記中板12は、その手前縁13が筐体1内部の奥側に位置するように形成され、前記交換ユニット2の下部には、交換ユニット2を中板12の上部に収納した際に、前記中板12の手前縁13と当接し、かつ、当該中板12と一体となって、筐体1の内部空間を上下二つの空間に分断するための分離板14を設けたことを特徴とする。
また、この遊技機には、上記の他に、入賞により遊技媒体を払い出すとともに遊技媒体を貯留しておくための遊技媒体払出ユニット27、また、遊技機における各種当選役の抽選確率を変更する設定変更部などを有していてもよい。この設定変更部は、後述する電源装置4と一体となる電源ユニット9として形成することもできる。また、遊技媒体としては、スロットマシンに用いられる遊技メダルや、パロット遊技機に用いられる遊技球が挙げられる。
筐体1は、その内部に遊技機の構成部品や装置等を収納する箱体であって、その正面側が開口している。ここで「正面」とは、遊技機と対向して遊戯を行う遊技者が位置する方向をいう。また、筐体1は、その内部に装置等を収納できれば良いものであって、特に材質を限定するものではない。たとえば、木板によって構成されていても良く、また、金属板あるいはプラスチック板によって構成されていても良い。
また、中板12は、その手前縁13が筐体1の開口部11よりも奥側に位置するように形成されている。ここで「手前」とは、上述の「正面」と同義であり、遊技機と対向して遊技を行う遊技者が位置する方向をいう。すなわち、中板12の手前縁13は、筐体1の開口部11よりも筐体1の外部へ突出することなく、筐体1の開口部11よりも筐体1の内部に収まるように形成するものとする。中板12は、その手前縁13が筐体1の開口部11よりも奥側に位置していれば、当該手前縁13の形状は特に限定されるものではないが、後述するように分離板14を上扉30に設ける場合には、上扉30が筐体1にぶつからずに開閉できるようにするため、円弧状とするのが望ましい。
また、これらの扉には、後述する図柄表示手段26を見ることができる図柄表示窓31や、遊技機を操作するための操作部41等を設けることができるものである。
基板としては、たとえば、遊技機の各装置の作動を制御することができる電子部品を搭載した基板である主基板が挙げられる。前記主基板は、ROM、RAM、CPU等を有しており、主として、当選の抽選や、図柄表示手段26における図柄変動表示及び停止表示など遊技を制御するものである。また、前記主基板のみを備えるのではなく、図柄表示手段26などの作動以外を制御することができる基板として副基板を備えることも可能である。また、基板は、不正防止等の観点から、密封可能なケースなどに収納するのが望ましい。また、主基板及び副基板などを、上記のようにケースに収納して一体に構成することで、基板ユニット24を形成することもできる。このように、基板は、基板ユニット24として筐体1内に設けることもできる。
前記交換ユニット2は、少なくとも、支持体21、図柄表示手段26及び主基板等の基板から構成されているが、他の構成部品が含まれていてもよい。
前記支持体21は、たとえば枠体等が挙げられるが、図柄表示手段26と基板とを支持することができるものであり、さらに、図柄表示手段26及び基板を一体的に取り扱い可能とするものである。この枠体は、図柄表示手段26及び基板等の機器を設置することが可能な強度を有する枠状の構造体であれば良いものであり、具体的には、たとえば直方体状の枠構造からなる金属枠のようなものを含むものである。そして、この支持体21としての枠体の内部には、複数の仕切り等を設けて、基板等を配置しやすくしても良いものである。
また、上述の如く、分離板14には、中板12の手前縁13と当接する奥側縁20が形成されている。分離板14の奥側縁20の形状は、中板12の手前縁13と合致することができる形状であれば、特に限定されるものではなく、たとえば円弧状とすることができる。
また、前記中板12の上部には、交換ユニット2を備える。この交換ユニット2は、中板12の上に載せるだけでも良く、中板12の上にネジ等により取り付けても良い。また、交換ユニット2は、筐体1の天板17から吊り下げるような形で支持して、中板12の上方に位置するようにしてもよい。
本発明によれば、中板12は、その手前縁13が筐体1内部の奥側に位置するように形成され、かつ、交換ユニット2には、その下部に、この交換ユニット2を中板12の上部に収納した際に、中板12の手前縁13と当接し、かつ、中板12と一体となる分離板14が設けられている。これにより、交換ユニット2が中板12の上部に収納されると、一体となった中板12と分離板14とにより、筐体1の内部空間が上下二つの空間に分断される。この際、中板12と分離板14との間には隙間は形成されず、かつ、中板12と分離板14とが当接する部分は筐体1内部の奥側に位置することとなるため、上扉30と下扉40との間の隙間からピアノ線などの異物を挿入しても、中板12よりも上方の内部空間までは異物を到達させることが困難となり、ひいては、中板12の上方に備えられた各装置を不正に操作するゴト行為を防止することができる。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、分離板14は、前記交換ユニット2の支持体21に備えられた上扉30の下部に設けられたことを特徴とする。
(作用)
本発明によれば、分離板14は、上扉30の下部に設けられている。これにより、交換ユニット2が中板12の上部に収納され、かつ、上扉30が閉じられると、中板12と分離板14とが一体となり、筐体1の内部空間が上下二つの空間に分断される。したがって、上扉30と下扉40との間の隙間からピアノ線などの異物を挿入しても、中板12よりも上方の内部空間までは異物を到達させることが困難となるため、中板12の上方に備えられた各装置を不正に操作するゴト行為を防止することができる。
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の特徴に加え、分離板14には、当該分離板14と中板12とを、これらの下面で固定するための固定具80が設けられており、前記固定具80は、中板12と係止可能な中板係止部87が備えられていることを特徴とする。
前記固定具80は、分離板14にのみ部材を設けて構成されるものであってもよい。また、分離板14にのみ部材を設けるのではなく、中板12側に、前記部材と係止される別部材(クリップなど)を設けて構成されるものであってもよい。
(作用)
本発明によれば、中板12と係止可能な中板係止部87を備えた固定具80を、分離板14に設けることで、分離板14と中板12とを、これらの下面で固定することができる。これにより、分離板14が備えられている交換ユニット2と、中板12が備えられている筐体1とが、この固定具80によって固定されることとなるが、この固定作業は下扉40のみを開放することで行うことができるため、筐体1と交換ユニット2との固定を容易なものとすることができる。
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明の特徴に加え、前記固定具80には、交換ユニット2の支持体21と係止可能なフック部95が備えられており、当該固定具80は、分離板14と中板12との固定が解除されている状態において、交換ユニット2の支持体21に固定可能に形成されていることを特徴とする。
フック部95は、交換ユニット2の支持体21と係止可能であれば、その係止方法については特に限定されるものではない。たとえば、交換ユニット2の支持体21を構成する枠体の枠軸と直接的に係止されるような構成であってもよい。また、交換ユニット2の支持体21に設けられた別部材と係止されるような構成であってもよい。
本発明によれば、固定具80には、交換ユニット2の支持体21と係止可能なフック部95が備えられており、分離板14と中板12との固定が解除されている際に、フック部95によって、固定具80が交換ユニット2の支持体21と固定可能となる。すなわち、この固定具80によって、分離板14と中板12との固定のみならず、固定具80が設けられている上扉30と交換ユニット2との固定も可能である。したがって、構成部品の点数を減少させて製造コストの低減を図ることができる。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記請求項1、2、3又は4記載の発明の特徴に加え、中板12の手前縁13は、筐体1の奥方向に凹となる弧状に湾曲して形成されていることを特徴とする。
本発明では、中板12の手前縁13が、筐体1の奥方向に向けて凹となる弧状に湾曲していることから、これと当接する分離板14は、筐体1の奥方向に向けて凸となる弧状に湾曲することとなる。したがって、上扉30を開閉する際に、分離板14が筐体1に引っ掛かることを防止することができる。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、上記請求項1、2、3、4又は5記載の発明の特徴に加え、分離板14には、中板12の手前縁13と当接する奥側縁20が形成されており、中板12の手前縁13の、前記分離板14の奥側縁20に接触する面、及び、分離板14の奥側縁20の、前記面に接触する面が非直線形状に形成されていることを特徴とする。
(作用)
本発明によれば、中板12の手前縁13の、前記分離板14の奥側縁20に接触する面、及び、分離板14の奥側縁20の、前記面に接触する面が非直線形状であることにより、中板12と分離板14とが当接する部分から、中板12より上方の内部空間に異物を挿入しようとしても、この断面の形状に沿って、異物を挿入することは非常に困難なものとなるため、より効果的に中板12の上方に備えられた各装置を不正に操作するようなゴト行為を防止することができる。
(請求項1、2、5又は6)
すなわち、請求項1、2、5又は6記載の発明によれば、ピアノ線等の異物の挿入によるゴト行為を防止することができるような分離型遊技機を提供することができる。
(請求項3又は4)
さらに、請求項3又は4記載の発明によれば、上記した請求項1、2、5又は6記載の発明の効果に加え、構成部品の点数を減少させて製造コストの低減を図るとともに、筐体と交換ユニットとの固定を容易に行えるような分離型遊技機を提供することができる。
(図面の説明)
図1ないし図5は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、分離型スロットマシンSを分解した状態を示す斜視図である。図2は、上扉30を開放した状態の交換ユニット2を示す斜視図である。図3は、上扉30を閉じる前の状態の分離型スロットマシンSを示した上面断面図(a)、及び、上扉30を閉じた状態の分離型スロットマシンSを示した上面断面図(b)である。図4は、中板12と分離板14とが係合した状態の側断面を示した図である。図5は、固定具80を示す斜視図である。図6は、交換ユニット2の支持体21に設けられた係止バー82を示した斜視図(a)、及び、この係止バー82と支持体21とを示した正面断面図(b)である。図7は、係止バー82に固定具80が係止される前の状態を示した正面図(a)、及び、係止バー82に固定具80が係止された状態を示した正面図(b)である。図8は、上扉30と交換ユニット2とが固定具80により仮保持された状態を示す側断面図(a)、及び、交換ユニット2に備えられた分離板14と、筐体1に備えられた中板12とが固定具80により固定された状態を示す側断面図(b)である。
この分離型スロットマシンSは、図1に示すように、正面側に開口部11を有し、かつ、内部空間を上下方向に仕切る水平状の中板を有する筐体1と、筐体1内部で中板12上に着脱自在に設けられる交換ユニット2と、筐体1の開口部11を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されており、さらにこの前扉3は、筐体1の、中板12上部である開口上部11aを開閉可能に塞ぐ上扉30と、筐体1の、中板12下部である開口下部11bを開閉可能に塞ぐ下扉40とから構成されている。
(筐体1)
筐体1は、図1に示すように、底板15、右側板16a、左側板16b、天板17及び背板18からなる正面側に開口する箱体であり、高さ方向略中央部には、二つの側板16の間に水平方向に中板12が設けられている。
(交換ユニット2)
交換ユニット2は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体21と、この支持体21に固定された図柄表示手段26としてのリールユニット22、及び、基板を収納する基板ユニット24から形成されている(図1及び図2参照)。
前記支持体21は、図1及び図2に示すように枠体構造となっている。また、この支持体21の左側には、前記上扉30を係合させ、回転自在となるように支持するための上部係合部51が上下方向に間隔を置いてそれぞれ二つずつ設けられている。
交換ユニット2は、筐体1の中板12の上に載置され、開口上部11a内部に収納されるものである。
交換ユニット2は、上述の如く、枠体からなる支持体21により構成されている。この枠体は、具体的には、枠軸により略直方体形状の枠組を構成するように形成されている。そして、図1及び図2に示すように、この枠体正面の左端部に位置する左縦枠軸83には、その側面の下端近傍から、右方向へ向けて突出する係止バー82が設けられている。また、同様に、枠体正面の右端部に位置する右縦枠軸84には、その側面の下端近傍から、左方向へ向けて突出する係止バー82が設けられている。また、左縦枠軸83、及び、右縦枠軸84の内部にはそれぞれ、図6(a)及び図6(b)に示すように、上下方向へ伸縮する支持バネ85が備えられている。係止バー82は、この支持バネ85の上端に取り付けられており、上方向に向けて付勢されている。また、左縦枠軸83、及び、右縦枠軸84の側面にはそれぞれ、係止バー82が上下に移動するための係止バー案内溝97が設けられている。
そして、係止バー82に加えた力を解放すると、支持バネ85が付勢されて、係止バー案内溝97の範囲内で、上方向に伸びるとともに、係止バー82が、係止バー案内溝97に従って、左縦枠軸83、及び、右縦枠軸84の側面を上方向に移動する(図6(a)及び図6(b)参照)。
(係止突条98)
図1及び図2に示すように、交換ユニット2の枠体下面の奥側の横枠軸は、下方に向けて突出する係止突条98となるように形成されている。この係止突条98は、交換ユニット2を中板12の上部に収納した際に、後述する中板12の係止凹溝99に嵌まって係止するものである。
上扉30は、図1及び図2に示すように、交換ユニット2の支持体21の左側に回転自在に支持されるように形成されている板状の扉であり、略中央部に前記回転リール23の図柄を正面側から見ることができる図柄表示窓31を有し、周囲に飾り部33を設けてある。そして、種々の表示を行うための表示部32が設けられているものである。
ここで、前記飾り部33は、ランプ等により形成しても良く、入賞の報知その他の演出時にランプが点滅するようにしてもよい。また、前記表示部32は、7セグメントLED等により数字を表示するものや、特に図示しないが、画像を表示するための液晶画面あるいはCRTなどとしてもよい。
また、上扉30の下部には、筐体1の奥方向に向けて凸となる弧状に湾曲するように形成された分離板14が備えられている。
また、分離板14には、後述する中板12の手前縁13と当接する奥側縁20が形成されている。また、図4に示すように、中板12の手前縁13の、前記分離板14の奥側縁20に接触する面、及び、分離板14の奥側縁20の、前記面に接触する面は矩形の凹凸形状となっている。これらの面の形状は、矩形の凹凸形状以外にも、V字形状や円弧上の凹凸形状とすることもできる。
また、図1及び図3に示すように、分離板14の奥側縁20の近傍であって、当該分離板14の左右方向の各端部周辺には、この分離板14を上面から下面まで貫通する孔である固定具挿通孔81がそれぞれ設けられている。この固定具挿通孔81には、後述する固定具80を通すことができるように形成されている。固定具80は、後述するように、この固定具挿通孔81に通されて、分離板14の側面に軸支される。
上扉30は、前記交換ユニット2を筐体1に固着した状態で、扉を閉めることにより、筐体1の開口上部11aを密閉することができるものである。
下扉40は、筐体1の開口下部11bを塞ぐための扉であり、筐体1の側板16に回転自在かつロック可能に形成されているものである。
下扉40の上部は、図1に示すように、スロットマシンを作動させるための操作部41となっており、下扉40の上面は、閉扉時においては、上扉30よりも前側に突出するようになっている。また、下扉40の下部には払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43が形成されており、前記操作部41とメダル受け皿43との間には、遊技内容その他の表示をするための表示パネルが取り付けられている。
さらに、特に図示しないが、下扉40の裏面側には、前記メダル投入口42から投入されたメダルを誘導しながらメダルの正偽を判断するためのメダルセレクターが設けられている。
(中板12)
中板12は、その手前縁13が、上扉30を閉じた際に、分離板14の奥側縁20と合致する形状に切り欠かれて、形成されている。すなわち、中板12の手前縁13は、筐体1の奥方向に向けて凹となる弧状に湾曲するように形成されている。これにより、この中板12の手前縁13と分離板14の奥側縁20とが合致することとなる(図1及び図3参照)。
(係止凹溝99)
また、図1に示すように、中板12の奥部には、横方向に伸びる溝であって、上述の係止突条98を嵌めることができる係止凹溝99が形成されている。上述したように、交換ユニット2を中板12の上部に収納した際に、係止突条98が、この係止凹溝99に嵌まって係止される。
固定具80は、図2に示すように、この固定具80を分離板14の固定具挿通孔81に通して固定具80の側部で分離板14に軸支される。そして、この際に固定具80を筐体1の手前側から見たときの形状が、ほぼ「日」の字型となっている。ここで、「日」の字型の両立設部は対称形状の支持部材91で形成され、この支持部材91の上端部は上部連結部94で連結され、下端部は中板係止部87で連結され、かつ、中間部に回動軸96が設けられている。また、この支持部材91を筐体1の側面側から見ると、「く」の字型に、その上端から上方に伸びる一本の直線を組み合わせた形状となっている。すなわち、支持部材91は、側面「く」の字型の板体である固定下部92と、この固定下部92の上端から立設する略長方形状の板体である固定上部93とから形成されている(図5参照)。
また、中板係止部87は、固定下部92の下端部に、この固定下部92を左右に貫通して、2つの支持部材91を連結し、かつ、中板12の下面に備えられた後述のクリップ86と係止可能な円柱棒体となるように形成されている。また、この固定下部92には、その下端部から奥方向に突出した凸部90が設けられている。
また、上部連結部94は、固定上部93の上端部に、2つの支持部材91を渡るように形成されている。この上部連結部94は、固定具80を筐体1の側面側から見たときに、下向きの略U字状となるように形成されており、このU字部分が、上述した支持体91の係止バー82と係止可能なフック部95となる(図5参照)。
(クリップ86)
図8(a)及び図8(b)に示すように、中板12の下面には、固定具80の中板係止部87と係止可能なクリップ86が設けられている。このクリップ86は、クリップベース部71と、当該クリップベース部71に回転可能に取り付けられるクリップ操作部89と、このクリップ操作部89をクリップベース部71へ取り付けるための操作部固定軸76と、クリップ操作部89に回転可能に取り付けられるクリップフック部88と、このクリップフック部88をクリップ操作部89へ取り付けるためのフック部固定軸77とを有している。
また、クリップ操作部89は、断面コ字状の部材であって、その内側にクリップベース部71を嵌め込み可能に形成されている。また、このクリップ操作部89は、クリップベース部71を嵌め込んだ際に、このクリップ操作部89の先端がクリップベース部71から少々突出するような長さとなっている。また、クリップ操作部89は、クリップベース部71を嵌め込んだ際に、このクリップ操作部89及びクリップベース部71の側部手前側を左右に貫通する操作部固定軸76により、クリップベース部71に回転可能に軸支されている。これにより、クリップ操作部89は、操作部固定軸76を軸心として前後方向に回転させることができる。具体的に説明すると、後方向、すなわち、筐体1の奥方向には、クリップ操作部89がクリップベース部71に嵌まるまで回転させることができ、前方向、すなわち、筐体1の手前方向には、クリップ操作部89が略鉛直となるまで回転させることができる。
クリップ86の動きについて説明する。
ここで、このフック部固定軸77は、クリップ操作部89にクリップベース部71を嵌め込んだ際の操作部固定軸76よりもやや奥側にずれて位置している。したがって、この差分により、クリップ操作部89が前後方向に回転した際には、フック部固定軸77の位置が前後方向に変動することとなる。すなわち、クリップ操作部89を筐体1の奥方向に回転させると、これに併せて、フック部固定軸77も筐体1の奥方向に向けて円軌道を描きながら移動する。そして、移動後のフック部固定軸77は、移動前よりも筐体1の奥側に位置することとなる。
本発明に係る分離型スロットマシンSは、上記のような構成を有しているが、このような分離型スロットマシンSにおける交換ユニット2の筐体1への収納及び固定について説明する。
交換ユニット2を筐体1へ収納するには、交換ユニット2を筐体1の開口上部11aから中板12より上方の空間に挿入していく。ここで、上扉30は、交換ユニット2の支持体21の左側に回転自在に支持されるように形成されているが、交換ユニット2を筐体1へ挿入していく際に、上扉30が自重により自由に開閉してしまわないようにするため、まず、上扉30を交換ユニット2に仮保持させておく必要がある。
まず、上扉30を閉じて、この上扉30を交換ユニット2に当接させる。そして、この上扉30と交換ユニット2とを、上扉30の分離板14に設けられた固定具80により係止させる。上扉30と交換ユニット2とを係止させるためには、固定具80の上部に位置するフック部95が筐体1の奥方向に移動するように、固定具80を回転させていく。すると、固定具80のフック部95が、交換ユニット2の支持体21に設けられた係止バー82と接する。そして、固定具80を同方向にさらに回転させると、フック部95が係止バー82を乗り越え、係止バー82に引っ掛かる。これにより係止バー82がフック部95に係止されることとなる(図7(a)及び図7(b)参照)。
そして、この後、上扉30が仮保持された交換ユニット2を筐体1内部の中板よりも上方の空間に挿入していく。そして、交換ユニット2の背面が筐体1の背板18まで到達すると、交換ユニット2の支持体21の下面奥側の係止突条98が、中板12の奥側に形成されている係止凹溝99に嵌まる。これにより、交換ユニット2が、その奥側で、筐体1の中板12に係止されることとなる。
上扉30と中板12とを固定するためには、まず、固定具80による、上扉30と交換ユニット2との仮保持を解除する。具体的には、固定具80を、この固定具80の上部に位置するフック部95が筐体1の手前方向に移動するように回転させると、係止バー82が押し下げられる。これにより、前記仮保持は解除される。
なお、交換ユニット2を筐体1に収納した後に上扉30を開けるには、固定具80とクリップ86との係止を解除した後に行う。
(中板12と上扉30との係合)
上扉30を回転して閉じた際に、分離板14の奥側縁20に備えられた板係合突部19が、中板12の手前縁13に設けられた板係合孔8に挿入される。そして、この板係合突部19が板係合孔8に係止されることにより、中板12と上扉30とが位置決めされるともに、固定される(図3(a)及び図3(b)参照)。
(総括)
上述の如く、本発明の実施の形態では、固定具80により、上扉30と交換ユニット2とが仮保持できるため、交換ユニット2を筐体1に収納する際に、上扉30が自重により自由に開閉して収納作業がしづらくなるのを防止することができる。
さらに、交換ユニット2が筐体1に収納された後は、前記固定具80により、交換ユニット2と筐体1とを固定することができる。したがって、この固定具80のみで、上扉30と交換ユニット2との仮保持、及び、交換ユニット2と筐体1との固定の双方を行うことができるため、分離型スロットマシンSにおける構成部品の点数を減少させて製造コストの低減を図ることができる。
さらに、上扉30を閉じた際には、中板12の手前縁13と分離板14の奥側縁20とが合致し、中板12と分離板14とが一体となって、筐体1の内部空間を上下二つの空間に分断する。これにより、上扉30と下扉40との間の隙間から筐体1内部にピアノ線等の異物を挿入したとしても、中板12と分離板14とが当接する部分から、中板12の上方に向けてピアノ線等の異物を挿入することは困難なものとなるため、中板12の上方に設置される各装置に対して不正な操作を行うというゴト行為を防止することができる。
(他の実施の形態)
本発明は、上述したような遊技媒体として円板状の遊技メダルを使用するスロットマシンに限定されるものではなく、スロットマシン以外の遊技機にも応用することができる。たとえば、遊技媒体として、遊技メダルの代わりにパチンコ玉などの遊技球を用いて、スロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機にも適用することができる。
1 筐体 2 交換ユニット
3 前扉 4 電源装置
5 ホッパーユニット 6 ロック機構
8 板係合孔 9 電源ユニット
11 開口部
11a 開口上部 11b 開口下部
12 中板 13 手前縁
14 分離板 15 底板
16 側板 16a 右側板
16b 左側板 17 天板
18 背板 19 板係合突部
20 奥側縁
21 支持体 22 リールユニット
23 回転リール 24 基板ユニット
26 図柄表示手段 27 遊技媒体払出ユニット
30 上扉 31 図柄表示窓
32 表示部 33 飾り部
35 スピーカ
40 下扉 41 操作部
42 メダル投入口 43 メダル受け皿
44 鍵穴
51 上部係合部 53 上扉係合部
71 クリップベース部 76 操作部固定軸
77 フック部固定軸 78 曲端部
80 固定具 81 固定具挿通孔
82 係止バー 83 左縦枠軸
84 右縦枠軸 85 支持バネ
86 クリップ 87 中板係止部
88 クリップフック部 89 クリップ操作部
90 凸部 91 支持部材
92 固定下部 93 固定上部
94 上部連結部 95 フック部
96 回動軸 97 係止バー案内溝
98 係止突条 99 係止凹溝
Claims (6)
- 正面側に開口する筐形の筐体と、
前記筐体内部に横方向に渡されて、同筐体の内部空間を上下二つの空間に仕切る、板状の中板と、
筐体の開口部の上部を開閉自在に塞ぐ上扉と、
筐体の開口部の下部を開閉自在に塞ぐ下扉と、
複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な図柄表示手段と、
図柄表示手段の作動を少なくとも制御するための基板と、
前記図柄表示手段及び基板に電力を供給する電源装置と、を少なくとも有する遊技機であって、
少なくとも図柄表示手段及び基板を支持体に設けた交換ユニットが形成されており、
中板の上部には、前記交換ユニットが着脱自在に備えられ、
支持体には、前記交換ユニットが中板の上部に収納された状態で、筐体の開口部の上部を開閉自在に塞ぐ上扉が備えられ、
前記中板は、その手前縁が筐体内部の奥側に位置するように形成され、
前記交換ユニットの下部には、交換ユニットを中板の上部に収納した際に、前記中板の手前縁と当接し、かつ、当該中板と一体となって、筐体の内部空間を上下二つの空間に分断するための分離板を設けたことを特徴とする分離型遊技機。 - 分離板は、前記交換ユニットの支持体に備えられた上扉の下部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の分離型遊技機。
- 分離板には、当該分離板と中板とを、これらの下面で固定するための固定具が設けられており、
前記固定具は、中板と係止可能な中板係止部が備えられていることを特徴とする請求項2記載の分離型遊技機。 - 前記固定具には、交換ユニットの支持体と係止可能なフック部が備えられており、
当該固定具は、分離板と中板との固定が解除されている状態において、交換ユニットの支持体に固定可能に形成されていることを特徴とする請求項3記載の分離型遊技機。 - 中板の手前縁は、筐体の奥方向に凹となる弧状に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の分離型遊技機。
- 分離板には、中板の手前縁と当接する奥側縁が形成されており、
中板の手前縁の、前記分離板の奥側縁に接触する面、及び、分離板の奥側縁の、前記面に接触する面が非直線形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の分離型遊技機。
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