JP2006121779A - コンバータおよびこれを用いたロボット用サーボ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 整流回路13と、整流回路13の直流側に設けられた平滑用コンデンサ16と、平滑用コンデンサ16の充電時の突入電流を防止するための抵抗14と、抵抗14を短絡するため抵抗14に並列接続されたリレー15と、コンデンサ16の充電電圧を測定してリレー15を開閉制御するリレー制御回路17と、を備えたコンバータであって、さらに、リレー制御回路17が、整流回路13の交流側11の入力電圧Viを測定して、その入力電圧Viが低下した時、抵抗14を短絡するリレー15を開放し、モータを減速させるようにした。
【選択図】 図1
Description
一般的な公知のサーボ制御装置としては、例えば特許文献1記載のようなものがある。
図において、11は入力(交流)電源、12は電源スイッチ、13は整流回路、14は突入電流防止抵抗、15は突入電流防止抵抗リレー、16は主回路コンデンサ、17はリレー制御回路、18はサーボ制御回路、19はサーボドライブ部である。
入力電源11から供給される電源をスイッチ12で投入した場合、そのまま電源を投入するとコンデンサ16が無充電状態であるので突入電流が流れ、その後充電を完了するまで大電流が流れ、整流回路13の整流素子等が熱破壊するおそれがある。それを軽減するために、突入電流を制限するための抵抗14が電源回路中に入れられている。
ところが、使用される電力が小さい場合は、抵抗14を入れっぱなしにしても抵抗損失はそれほど問題にはならなかったが、電力が大きくなると抵抗14での抵抗損失が無視できなくなって、そのためにリレー15等をコンデンサ16に並列接続して、充電が完了してから所定時間後にリレー15を閉じて抵抗14を短絡してしまうようにしていた。
リレー15を開放・短絡するためのリレー制御回路部17はこのようにコンデンサ16の充電電圧を監視し、充電電圧が所定の値まで上昇してから所定時間後にリレー15を閉じて抵抗14を短絡し、また充電電圧が所定の値以下となった時点で直ちにリレー15を開くようにしている。
また、リレー制御回路部17は充電電圧の状態をサーボ制御回路18に送り、サーボが動作を開始できるかどうかを判断させることも行なっている。
また、入力電源11の容量が小さい場合、瞬時的に大きな負荷がかかると一時的に入力電圧の低下が発生する(これを「ザグ」と呼んでいる)。特に、サーボアンプのようにコンデンサ16の容量が大きな機器では、突入電流による瞬時的な負荷を発生させやすい。
そのため、コンデンサ16の容量を増やさずに、ザグに対して強くする方法として、コンデンサ16の充電電圧が低下した場合、ロボットを減速・停止させ、充電電圧が復帰した後、そこから動作を復帰させる方法を用いてきた。ロボットを減速させることにより使用するエネルギー量を減らして、充電電圧の低下を抑制するのである。しかもほとんどの場合、ロボットシステムは大きな慣性を持っているため、サーボアンプはブレーキ動作となって、コンデンサを充電する動作をする。
(a)で、入力電圧Viが時刻t0で正常電圧Vi1から低電圧Vi2へ低下すると、(b)のコンデンサ16の充電電圧Vcもこれに追随して電圧Vc1から電圧Vc2へ低下し始め、コンデンサ16の充電電圧Vc2が時刻t1でリレー制御回路17の検出電圧Vdを下回ると、(c)のリレー制御回路17は同じく時刻t1でリレーをそれまでのON(抵抗14の短絡状態)からOFF(抵抗14の短絡解除)にする。さらに、これと同時にリレー制御回路17はこの信号をサーボ制御回路18に送り、これによって(d)のサーボ制御回路18は時刻t1でモータの減速を開始し、最終的に時刻t2で停止させる。その結果、コンデンサ16の充電電圧Vcの減少率は低下し、コンデンサ16の充電電圧Vcは入力電源Vc2と釣り合う電圧まで減少する。
また、(a)で、入力電源Viが時刻t3で低電圧Vi2から正常電圧Vi1へ復帰すると、(b)のコンデンサ16は、(c)のリレーがまだオープン状態であるので抵抗15を通して(すなわち、突入電流を回避して)充電され始め、充電電圧Vcは電圧Vc2から電圧Vc1へ向けて上昇してゆく。そして、コンデンサ16の充電電圧Vc2が時刻t4でリレー制御回路17の検出電圧Vdを上回ると、その時点からONディレータイマーが作動開始し、所定時間Δt4後の時刻t5に(c)のリレー制御回路17はリレーをそれまでのOFFからONにする。さらに、これと同時にリレー制御回路17はこの信号をサーボ制御回路18に送り、これによって(d)のサーボ制御回路18は時刻t5でモータMの動作を再開させ加速していく。
また、従来方法では、図7に示すように、突入防止抵抗14がリレー15で短絡されている時に、(a)で入力電圧Viが時刻t0で正常電圧Vi1から低電圧Vi2へ低下すると、(b)のコンデンサ16の充電電圧Vcもこれに追随して時刻t0で電圧Vc1から電圧Vc2へ低下し始めるが(図6では充電電圧Vc2がリレー制御回路17の検出電圧Vdを下回ってリレーが動作するのであるが、図7では、)(a)で入力電源Viが早い時刻t3で低電圧Vi2から正常電圧Vi1へ復帰してしまうので、電圧Vc2が検出電圧Vdまで下がらず(したがって、(c)でリレーもオープンにならず)、(b)のコンデンサ16は短絡のリレー15を介して大きな突入電流が流れ、ザグを発生させてしまった。
また、ザグが電源容量不足でなかった場合には、その突入電流が整流回路13内のダイオードの許容電流を超えてしまい、信頼性を著しく低下させる場合もあった。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンバータにおいて、前記リレー制御回路が、前記コンデンサの充電電圧が検出電圧に復帰した後所定時間後に前記突入電流防止抵抗をリレーで短絡するようにしたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコンバータにおいて、前記リレー制御回路に替えてマイコンが前記リレーを開閉制御するようにしたことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のコンバータにおいて、前記マイコンが前記整流回路の交流側の入力電圧および前記コンデンサの充電電圧をそれぞれ分圧抵抗を介して入力されることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項4記載のコンバータにおいて、前記マイコンが前記整流回路の交流側の入力電圧を前記分圧抵抗に替えて降圧トランスを介して入力されることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5記載のいずれか1項記載のコンバータと、前記コンバータの出力側に接続されてモータを駆動するサーボドライブ部と、前記交流電圧が著しく低下した時にサーボドライブ部に運転速度を低下させる制御を行うサーボ制御回路と、を有するロボット用サーボ制御装置であって、前記リレー制御回路又は前記マイコンが、前記整流回路の交流側の入力電圧を測定して、その入力電圧が著しく低下した時、前記突入電流防止抵抗を短絡するリレーを開放するようにすると共に、前記サーボ制御回路対して入力電圧低下を通知するようにしたことを特徴としている。
そのため、コンデンサの容量は電源変動に考慮する必要がなく、本来の運転に必要なコンデンサ容量のみ搭載すればよくなるため、小型、軽量にすることができる。
図において、リレー制御回路17は、その入力として、図5ではコンデンサ16の充電電圧Vcだけを検出していたが、ここではさらに入力電源11の交流電圧Viも検出するようにしているのが特徴である。その他の部品は図5と同じであるので、重複説明は省略する。
図2は本発明に係る図1の回路の動作シーケンスを説明するタイムチャートである。
(a)で、入力電圧Viが時刻t0で正常電圧Vi1から低電圧Vi2へ低下すると、(b)のコンデンサ16の充電電圧Vcもこれに追随して電圧Vc1から電圧Vc2へ低下し始める。これと同時に、(c)のリレー制御回路17は時刻t0の入力電圧Viの低下で直ちに、リレーをそれまでのON(抵抗14の短絡状態)からOFF(抵抗14の短絡解除)に切り替えると共に、この信号をサーボ制御回路18に送り、これによって(d)でサーボ制御回路18は時刻t0でモータの減速を開始し、最終的に時刻t2で停止させる。その結果、コンデンサ16の充電電圧Vcの減少率は低下し、コンデンサ16の充電電圧Vcは入力電源Vc2と釣り合う電圧まで減少する。
また、(a)で、入力電源Viが時刻t3で低電圧Vi2から正常電圧Vi1へ復帰すると、(b)のコンデンサ16は((c)でリレーがまだオープン状態になっているので)突入電流防止抵抗15を通して充電され始めるので、大きな突入電流が流れることは無くなる。
また、図7で起きたような、入力電圧Viが時刻t0で正常電圧Vi1から低電圧Vi2へ低下してもリレー制御回路の検出電圧Vdに達する前に正常電圧Vi1の回復したときの大きな突入電流が流れることは、本発明によれば、入力電圧Viの低下したtoの時点でで直ちに抵抗14の短絡解除をしているので、起こりえない。
このように、実施例1によれば、入力電源電圧が低下すると即時にリレーが開放され、モータの減速が開始されるため、コンデンサに蓄えたエネルギーの消費を抑えられる。また、入力電源が復帰した際にも、確実に突入電流防止抵抗を通して充電し、その後短絡するので、大きな突入電流を流して自分がザグの原因となることはない。
そのため、コンデンサの容量は電源変動に考慮する必要がなく、本来の運転に必要なコンデンサ容量のみ搭載すればよくなるため、小型、軽量にすることができる。
図1と異なるところは、リレー制御回路17に替えてマイコン20を用いた点であり、その入力として、コンデンサ16の充電電圧Vcを分圧抵抗21で分圧してマイコン20のA/Dで処理できる電圧まで降下させた低電圧Vc’と、入力電源11の交流電圧Viを分圧抵抗21で分圧してマイコン20のA/Dで処理できる電圧まで降下させた低電圧Vi’とをマイコン20に入力し、中でA/D変換して、上記リレー制御回路17が行っていたのと同じ制御を行うようにしている。入力電源電圧は、それぞれを、充電電圧のマイナス側の電位をコモンとして、マイコン内の演算により求めている。
その他の部品は図5と同じであるので、重複説明は省略する。
このようにして実施例2によれば、実施例1と同じく、入力電源電圧が低下すると即時にリレーが開放され、モータの減速が開始されるため、コンデンサに蓄えたエネルギーの消費を抑えられる。また、入力電源が復帰した際にも、確実に突入電流防止抵抗を通して充電し、その後短絡するので、大きな突入電流を流して自分がザグの原因となることはない。
そのため、コンデンサの容量は電源変動に考慮する必要がなく、本来の運転に必要なコンデンサ容量のみ搭載すればよくなるため、小型、軽量にすることができる。
また、入力電源が復帰した際にも、確実に突入電流防止抵抗を通して充電し、その後短絡するので、大きな突入電流を流して自分がザグの原因となることはない。
そのため、コンデンサの容量は電源変動に考慮する必要がなく、本来の運転に必要なコンデンサ容量のみ搭載すればよくなるため、小型、軽量にすることができる。
12 電源スイッチ
13 整流回路
14 突入電流防止抵抗
15 突入電流防止抵抗リレー
16 主回路コンデンサ
17 リレー制御回路
18 サーボ制御回路
19 サーボドライブ部
20 マイコン
21 分圧抵抗
22 トランス
Claims (6)
- 整流回路と、該整流回路の直流側に設けられた平滑用コンデンサと、該平滑用コンデンサの充電時の突入電流を防止するための抵抗と、該抵抗を短絡するため該抵抗に並列接続されたリレーと、該コンデンサの充電電圧を測定して前記リレーを開閉制御するリレー制御回路と、を備えたコンバータであって、
さらに、前記リレー制御回路が、前記整流回路の交流側の入力電圧を測定して、その入力電圧が著しく低下した時、前記突入電流防止抵抗を短絡するリレーを開放するようにしたことを特徴とするコンバータ。 - 前記リレー制御回路が、前記コンデンサの充電電圧が検出電圧に復帰した後所定時間後に前記突入電流防止抵抗をリレーで短絡するようにしたことを特徴とする請求項1記載のコンバータ。
- 前記リレー制御回路に替えてマイコンが前記リレーを開閉制御するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバータ。
- 前記マイコンが前記整流回路の交流側の入力電圧および前記コンデンサの充電電圧をそれぞれ分圧抵抗を介して入力されることを特徴とする請求項3記載のコンバータ。
- 前記マイコンが前記整流回路の交流側の入力電圧を前記分圧抵抗に替えて降圧トランスを介して入力されることを特徴とする請求項4記載のコンバータ。
- 請求項1〜5記載のいずれか1項記載のコンバータと、前記コンバータの出力側に接続されてモータを駆動するサーボドライブ部と、前記交流電圧が著しく低下した時にサーボドライブ部に運転速度を低下させる制御を行うサーボ制御回路と、を有するロボット用サーボ制御装置であって、
前記リレー制御回路又は前記マイコンが、前記整流回路の交流側の入力電圧を測定して、その入力電圧が著しく低下した時、前記突入電流防止抵抗を短絡するリレーを開放するようにすると共に、前記サーボ制御回路対して入力電圧低下を通知するようにしたことを特徴とするロボット用サーボ制御装置。
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