JP6935696B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機の室外機に係わり、より詳細には、外風によってファンモータが回転することにより発生した回生電力による回路部品の破壊を防止する回路に関する。
従来、室外機のファンモータの駆動には一般的に三相のインバータが用いられている。このインバータには上アームと下アームを構成する合計6個のスイッチング素子が用いられており、各スイッチング素子には還流ダイオードが備えられている。そして、この6個の還流ダイオードが三相用のブリッジダイオートと同じ回路構成になっている。
一方、室外機の制御部はその動作状態において、通常モードとスリープモードの2つのモードを備えている。通常モードは室外機が空調運転を行っているモードであり、圧縮機やファンモータなどが動作している状態である。スリープモードは圧縮機やファンモータなどが動作していない空調運転を停止した状態であり、制御部が室内機からの運転開始の指示を待っている待機状態である。なお、スリープモードでは制御部を低消費電力とするためにマイコンをスリープ状態にしている。なお、制御部のモードにより室外機の動作も決定されるため、室外機の状態に対しても通常モードとスリープモードの呼称を適用する。
前述した室外機が空調運転を停止した待機状態であり、制御部がスリープモードに入って制御動作を中断している時に台風などによる外風によってファンモータが回転した場合、ファンモータの巻線に回生電力が発生し、この回生電力が前述したインバータ内の還流ダイオードによって整流され、この整流された直流電圧がインバータ内のスイッチング素子や、インバータに電圧を供給するコンバータなどの耐圧を超えたとき、これらの部品を破壊する場合があった。
制御部がスリープモードでなく空調運転を行う通常モードであれば圧縮機を駆動する場合の電力としてこの回生電力を消費することもできるが、スリープモードの場合は制御部内のマイコンもスリープ状態であるため何の対処もできない。一方、室外機の空調運転が停止した待機状態の時に制御部がスリープモードに移行しないで常に外風を監視するようにすれば、外風による回生電力が発生した場合、制御部が前述した下アームのスイッチング素子を全てオンにすることにより回生電力を消費させることができる。但し、それではスリープモードに移行できないため待機状態での消費電力を低減できない。
そこで、室外機のファンモータの回転によって発生する回生電力による回路破壊を防止する技術が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)。
引用文献1にはこの問題を解決するため、インバータを駆動する電源、例えばコンバータの出力電圧を利用して制御部用の電圧を生成する制御部用電源と、この電源の出力が接続された制御部を負荷として利用する構成が記載されている。もし、制御部がスリープモードの時に外風により前述した回生電力が発生した場合、まず最初に、この電力を利用して制御部用電源を動作させる。次に制御部用電源の出力に接続された制御部が動作を開始する。
ただし、これだけでは大きな回生電力を消費しきれないため、制御部は動作を開始すると、前述したコンバータに接続された圧縮機駆動用のインバータを介して圧縮機を動作させる処理を行う、または、ファンモータの巻線を短絡させることで回生電力を消費する。このため、発生した回生電力を所定の電圧以下にすることができ、回路部品の破壊を防止するようになっている。また、この処理のための電力は回生電力を用いるため、待機状態における商用電源の消費電力(待機電力)を増加させることがない。
しかしながら、この方式では回生電力から回路部品を保護する処理において、制御部で使用する電力をすべて強弱の差が大きい外風による回生電力で賄っているため、電力の供給が不安定である。つまり、制御部に供給される電圧は安定化されているとは言え、不規則な断続を伴って供給される。
一般的に、制御部にはリセット回路が備えられており、このリセット回路は入力される供給電圧が所定値未満になったら制御部にリセットを掛けて制御部の動作を停止させ、供給電圧が所定値以上になったらリセットを解除して制御部の動作を開始させる。前述した回生電力による不安定な電力の供給による頻繁な供給電圧の断続は、制御部内に多数存在するコンデンサの充放電を発生させる。また、これらのコンデンサと回路の抵抗で決定される時定数がそれぞれのコンデンサの回路毎に異なっており、供給電圧の不規則な断続により中途半端に充電された複数のコンデンサによる充放電のシーケンスが設計通りに行われない場合がある。
このため、期待したシーケンスによる回路動作を実現できない場合があり、回路の暴走などを招く場合があった。このため、回生電力を消費するという動作を行うことができずに回路破壊を起こす場合があり、信頼性に欠けていた。
特開2001−263767号公報(第3−4頁、図1)
本発明は以上述べた問題点を解決し、待機時の室外機で発生する外風によるファンモータの回生電力による部品破壊を防止しつつ、待機電力を低減させる空気調和機を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
交流電源に接続され、第1直流電圧を出力する第1電源部と、
前記直流電圧が入力されるファンモータ駆動部と、
前記ファンモータ駆動部により駆動されるファンモータと、
前記第1直流電圧を検出する直流電圧検出部と、
前記交流電源に接続され、前記第1直流電圧よりも低い第2直流電圧を出力する第2電源部と、
前記第1直流電圧を用いて空調運転を行う通常モード、又は、前記空調運転が停止した待機状態時に前記第2直流電圧で動作するスリープモード、又は、前記ファンモータが回転することにより発生する回生電力により生成された電圧で動作する保護モードのうち、いずれか1つのモードで動作する制御部と、
前記回生電力の消費を指示する電力消費指示信号を出力する異常電圧保護手段と、
前記電力消費指示信号に従って前記回生電力を消費する電力消費手段とを備え、
前記異常電圧保護手段は、
前記直流電圧検出部が検出した直流電圧値が入力され、
前記制御部が前記スリープモードである場合に前記直流電圧値が予め定めた割込閾値以上になった時、前記制御部を前記スリープモードから前記保護モードへ移行させ、
前記制御部が前記保護モードである場合に前記直流電圧値が、予め定められて前記割込閾値よりも大きい短絡閾値以上になった時、前記電力消費手段へ前記電力消費指示信号を出力することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、
前記異常電圧保護手段は、
前記直流電圧値が前記短絡閾値未満で、かつ、前記直流電圧値が時間の経過と共に低下した、もしくは、前記直流電圧値が、予め定められて前記割込閾値よりも小さい監視閾値未満となった時、前記保護モードから前記スリープモードに移行させることを特徴とする。
以上の手段を用いることにより、本発明による空気調和機によれば、スリープモード時の室外機で発生する外風によるファンモータの回生電力による部品破壊を防止しつつ、待機電力を低減させ、かつ、信頼性の高い空気調和機とすることができる。
本発明による空気調和機の実施例を示すブロック図である。 本発明による異常電圧保護部の実施例を示すブロック図である。 異常電圧保護部の動作を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。なお、本発明と直接関係のない冷媒回路などの図示と説明を省略する。
図1は空気調和機の室外機20である。この室外機20は、図示しない交流電源が接続される入力端子1a,1bと、入力端子3a,3bに入力された交流電力を直流電力に変換して出力端子3c,3dに出力するコンバータ3と、入力端子1aとコンバータ3の入力端子3aの間に直列に接続されたリレー2と、出力端子3c,3dに出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ4と、インバータ4で駆動される圧縮機のモータ5と、出力端子3c,3dに出力される直流電力を交流電力に変換するファンモータ駆動部9と、ファンモータ駆動部9で駆動されるファンモータ10を備えている。なお、ファンモータ駆動部9とファンモータ10で後述する電力消費部(電力消費手段)14を構成している。
また、この室外機20は、リレー2とコンバータ3とインバータ4とファンモータ駆動部9をそれぞれ制御する制御部13と、コンバータ3の出力端子3cから出力される直流電圧(第1直流電圧)が入力されて制御部13へ制御用の電源を供給する降圧型電源回路7と、コンバータ3が停止中に交流電源を直流電源に変換して降圧型電源回路7へ直流電圧(第2直流電圧)を供給する待機時用電源部6とを備えている。なお、制御部13は内部にマイコン13aを備えている。
また、室外機20は、待機時用電源部6の正極電圧を出力する出力端子6cにアノード端子が、カソード端子が降圧型電源回路7の正極入力に接続されたダイオード12と、出力端子3cにアノード端子が、カソード端子が降圧型電源回路7の正極入力にそれぞれ接続されたダイオード11と、コンバータ3の出力端子3cと出力端子3dの間の電圧を検出して直流電圧値として制御部13へ出力する直流電圧検出部8とを備えている。
なお、降圧型電源回路7はグランドに接続されており、降圧型電源回路7の正極入力とグランドとの間に入力電圧が印加され、また、降圧型電源回路7の正極出力とグランドとの間から制御用電圧が出力される。制御部13の内部には、コンバータ3の出力端子3c,3d間の直流電圧値が予め定めた電圧以上になった時に、出力端子3cと出力端子3dの間にファンモータ10の回生電力により発生する直流電圧を低下させる異常電圧保護部30を備えている。また、コンバータ3内にはコンバータ3の出力端子3cと出力端子3dの間に接続された平滑コンデンサ3eが備えられている。なお、異常電圧保護部30については後で詳細に説明する。
待機時用電源部6は、入力端子6a,6bと、出力端子6cと、整流器61と、平滑コンデンサ62を備えている。整流器61の一方の入力は入力端子6aを介して室外機20の入力端子1aに、また、整流器61の他方の入力は入力端子6bを介して室外機20の入力端子1bにそれぞれ接続されている。また、平滑コンデンサ62が整流器61の出力端子とグランドとの間に接続されている。また、出力端子6cからは整流された正極の電圧が出力される。なお、整流器61の負極出力はグランドに接続されている。
次に室外機20の動作について説明する。室外機20の制御部13は、リレー2が閉となりコンバータ3が動作して圧縮機のモータ5やファンモータ10が回転して空調動作を行なう通常モードと、リレー2が開となりコンバータ3が停止してモータ5とファンモータ10が共に停止している待機状態時にマイコン13aをスリープ状態にして消費電力を低減さるスリープモードを切り換える。
図示しない室内機からの運転開始/運転停止の運転指示が制御部13に入力されると、これに対応して制御部13は、通常モードとスリープモードを切り替える。制御部13が通常モードの場合は、制御部13が出力端子3c,3dの間の電圧を所定電圧とするようにスイッチングパルス信号をコンバータ3へ出力することでコンバータ3に備えられている図示しないリアクタに流れる電流が断続される。この結果、平滑コンデンサ3eの両端に所定の直流電圧が印加され、この直流電圧が出力端子3c,3dから出力される。
この直流電圧がインバータ4に印加され、制御部13はモータ5が所定の回転数となるようにスイッチングパルス信号をインバータ4に出力してモータ5の回転を制御する。また、この直流電圧はファンモータ駆動部9にも入力されており、制御部13が出力するファンモータ駆動信号に従ってファンモータ駆動部9はファンモータ10を回転させる。
また、降圧型電源回路7は入力されたコンバータ3の出力電圧を+15ボルトや+12ボルト、+5ボルトなどの制御用電圧に変換し、この変換された制御用電圧を制御部13へ出力する。制御部13は室内機からの指示により室外機20を通常モードからスリープモードにするとリレー2が開となるためコンバータ3が停止し、このため降圧型電源回路7へ出力される電圧が徐々に低下する。
一方、待機時用電源部6には常に交流電源が供給されているため、室外機20が通常モードかスリープモードかに関わらず、待機時用電源部6は常に降圧型電源回路7へ直流電圧を印加している。ただし、コンバータ3の出力電圧(380ボルト)よりも待機時用電源部6の出力電圧(140ボルト)が低くなるように設計されているため、コンバータ3が動作中の場合は待機時用電源部6から降圧型電源回路7へ電流が流れない。そして、室外機20がスリープモードになってコンバータ3からの電圧が140ボルト以下に低下して降圧型電源回路7へ電圧が供給されなくなった時、代わりに待機時用電源部6から出力される直流電圧が降圧型電源回路7へ供給される。
室外機20がスリープモードに移行する場合、制御部13内のマイコン13aは、制御部13内のドライバやセンサ用電源などの不要な回路の電源を切断したのち、マイコン13aをスリープ状態にする。また前述のようにコンバータ3から直流電圧は出力されておらず、待機時用電源部6はこのスリープ状態のマイコン13aとわずかな周辺回路のみに電源を供給するため非常に消費電力が少ない。
図2は本発明による異常電圧保護部30の実施例を示すブロック図である。
この異常電圧保護部30は、制御部13がスリープモード時に直流電圧が一定値以上に上昇した場合、つまり、ファンモータ10が外風により回転して一定値以上の回生電力が発生した場合、ファンモータ駆動部9内のスイッチング素子をオンすることでファンモータ10内の図示しない巻線の両端を短絡させて回生電力を消費し、この結果、回生電力による直流電圧を一定値以下に低下させる保護モードに移行させる。
この異常電圧保護部30は、制御部13がスリープモードである時に回生電力による直流電圧が予め定めた割込閾値以上に上昇した時、スリープ状態のマイコン13aをウェイクアップさせる割込み信号を出力する外風検出部31と、この割込み信号が入力された時、直流電圧を一定値以下に低下させる保護モードを開始する処理管理部32と、直流電圧が予め定めた短絡閾値以上に上昇した時、回生電力を電力消費部14を介して消費させる電力消費指示信号を出力する電力消費指示部35と、回生電力による直流電圧の増加・減少を算出して積分電圧値として出力する積分電圧算出部34と、入力された積分電圧値の増加・減少の傾向により保護モードを終了するか否かを判定する処理終了判定部33を備えている。なお、割込閾値<短絡閾値の関係にあるものとする。
なお、処理管理部32は、各部の動作を開始させる動作許可信号を電力消費指示部35と積分電圧算出部34と処理終了判定部33へ出力する。また、処理終了判定部33は保護モードを終了する判定を行った時、処理終了信号を外風検出部31と処理管理部32に出力する。
外風検出部31は、前述した割込み信号の出力を許可/禁止する機能を備えており、入力された処理終了信号がハイレベル(保護モードの停止中)で割込みを許可に、また、処理終了信号がローレベル(保護モード実行中)で割込み禁止とする。そして外風検出部31は、処理終了信号がハイレベルで入力されている場合、割込み信号の出力が許可されているため、入力された直流電圧値が割込閾値(150ボルト)以上になった時、ハイレベルの割込み信号を処理管理部32へ出力する。処理終了信号がハイレベルで入力されている場合、この割込み信号が入力された処理管理部32は、動作許可信号をハイレベル(動作許可)にして出力する。なお、外風検出部31は割込み信号を出力すると処理終了信号がローレベルとなるため、次に処理終了信号がハイレベル(保護モードの停止中)になるまで割込みの出力を禁止する。
動作許可信号が動作許可となると、電力消費指示部35と積分電圧算出部34と処理終了判定部33が各部の処理を開始する。電力消費指示部35は直流電圧値を監視し、この直流電圧値が予め定められた短絡閾値以上に上昇した時に電力消費指示信号を出力する。この電力消費指示信号は図1に示すように異常電圧保護部30からマイコン13aを介して電力消費部14へ出力される。一方、ファンモータ駆動部9は図示しないインバータを備えており、その内部には上アームと下アームを構成する合計6個のスイッチング素子が用いられている。
前述した短絡信号が入力されたファンモータ駆動部9は、その内部に備えている下アームのスイッチング素子をすべてオンとすることでファンモータ10内の巻線の両端を短絡させ、この結果、回生電力が消費される。
一般的に永久磁石を備えたモータの回転による回生電力をモータの巻線両端を短絡することで消費すると、永久磁石の減磁を招くことがあるため、巻線を用いた回生電力の短絡時間は最小限に留めたほうがよい。このため本実施例では室外機20が動作中にファンモータ駆動部9に印可される電圧である380ボルトよりやや低い300ボルトを短絡閾値としており、回路破壊の可能性が低い直流電圧値では出来るだけ短絡を行わないようにしている。なお、割込閾値は短絡閾値よりも低い値であって、かつ、回生電力による直流電圧が、待機時用電源部6の出力電圧(約140ボルト)よりも高い電圧(150ボルト)としている。このため、保護モードを開始した時は回生電力による直流電圧でのみ制御部13が動作することになり、待機電力を低減させることができる。
積分電圧算出部34は単位時間(10分)において、入力された直流電圧値を1秒毎にサンプリングして取り込んで積算し、積算結果を単位時間、つまり600秒で除算した値を積分電圧値として求める。処理終了判定部33は、入力された前回(10分前)の積分電圧値を記憶しており、今回と前回を比較することで直流電圧が低下傾向か判定する。
このように直流電圧値を積分して、時間的に前後する2つの積分電圧値を比較することにより、直流電圧値の瞬時値では判定できない時間的経過による直流電圧値の変化傾向を見ることができる。
一方、処理終了判定部33は、積分電圧値が予め定めた監視閾値(130ボルト)未満になったかを監視している。つまり、処理終了判定部33は、前述した直流電圧が低下傾向かだけでなく、回生電力による直流電圧が待機時用電源部6の出力電圧(約140ボルト)よりも低くなり、回生電力による直流電圧を監視する必要が無くなったかを確認する。
具体的に処理終了判定部33は、積分電圧値が低下傾向で、かつ、監視閾値未満になった時、外風の風力は低下傾向と判定して保護モードを終了させる処理終了信号をハイレベル(処理終了)にして出力する。
このハイレベルの処理終了信号が入力された処理管理部32は、動作許可信号をローレベル(動作禁止)にする。一方、このハイレベルの処理終了信号が入力された外風検出部31は次の割込みに備えて割込み信号の出力を許可する。また、処理管理部32は、マイコン13aをスリープ状態にして制御部13をスリープモードへ移行させる。
図3は異常電圧保護部30の動作を説明する説明図である。
図3の横軸は時間を示しており、縦軸に関して図3(1)は直流電圧を、図3(2)は処理終了信号を、図3(3)は制御部13の動作を、図3(4)は割込み信号を、図3(5)は動作許可信号を、図3(6)は電力消費指示信号を、図3(7)は積分電圧値を、それぞれ示している。なお、t1〜t11は時刻である。また、前提条件として室外機20はコンバータ3が動作している通常モードであるとする。
図3(3)に示すように制御部13は、図示しない室内機より運転停止の指示を受けたため、コンバータ3やインバータ4やファンモータ駆動部9などの運転を停止し、t1でスリープモードに移行するため、マイコン13aをスリープ状態にする。従ってコンバータのスイッチング制御も停止するため、t2から直流電圧が低下を開始して最終的に0ボルトになる。なお、図3(2)に示すようにt3以前は処理終了信号がハイレベル(保護モードの停止)であるため、動作許可信号もローレベル(動作禁止)となっている。
なお、前述したように、コンバータ3から電圧が供給されている状態であるt1までが通常モードであり、t1以降がスリープモードとなる。
このスリープモードの場合に外風が徐々に強くなり、図3(1)に示すように、t3で回生電力による直流電圧が割込閾値以上になると、外風検出部31は、図3(4)に示すようにハイレベルの割込み信号を出力する。この割込み信号が入力された処理管理部32は、制御部13をスリープモードから保護モードに移行させるため、マイコン13aをウェイクアップさせると共に、動作許可信号を動作許可(ハイレベル)にして電力消費指示部35と積分電圧算出部34と処理終了判定部33の動作を開始させる。
積分電圧算出部34は、t3から所定時間(10分)が経過したt4までの積分電圧値を求め、算出結果をt4で処理終了判定部33へ出力する。なお、積分電圧算出部34は動作許可信号がローレベルになるまで所定時間毎に繰り返して積分電圧値を求めて出力する。つまり、積分電圧算出部34は積分電圧値として図3(7)に示すように、一回目の所定時間が経過したt4で140ボルト、二回目の所定時間が経過したt5で120ボルトをそれぞれ算出する。
終了判定部33は、積分電圧値がt3で保護モード開始による初期値の0ボルト、t4で140ボルトであり、監視閾値の130ボルト以上であるため、直流電圧値は上昇傾向であると判定して処理終了信号をローレベル(保護モード実行中)のままとする。そして、終了判定部33は、積分電圧値がt5で120ボルトであり、t4の時と比較して直流電圧値が低下傾向であり、かつ、監視閾値の130ボルト未満であるため、処理終了信号をハイレベル(停止中)にして出力する。ハイレベルの処理終了信号が入力された処理管理部32は、図3(5)のt5に示すように、動作許可信号をローレベル(動作禁止)にすると共に図3(3)のt5に示すように、制御部13を保護モードからスリープモードに移行させる。
そして図3(1)のt6において、直流電圧が割込閾値を超えたため、外風検出部31はt6で割込み信号を出力する。このため、前述したように異常電圧保護部30は、制御部13をスリープモードから保護モードに移行させて異常電圧保護部30内の各部の動作を開始させる。そして、電力消費指示部35は、図3(1)のt7で直流電圧が短絡閾値である300ボルト以上になったため、電力消費部14内のファンモータ駆動部9に対してファンモータ10の図示しない巻線両端を短絡するハイレベルの電力消費指示信号を出力する。この結果、直流電圧が低下してt8で短絡閾値未満となったため、電力消費指示部35は、電力消費部14に対してファンモータ10の巻線両端を開放するローレベルの電力消費指示信号を出力する。図3(1)のt8以降は外風が徐々に弱まってきたため、直流電圧が上下変動を伴いながら徐々に低下する。
一方、積分電圧算出部34はt3で割込み信号がハイレベルになった時と同様に、t7で200ボルト、t8で320ボルト、t9で210ボルト、t10で140ボルト、t11で120ボルトを算出する。処理終了判定部33は前述のように積分電圧の変化を監視しており、図3(7)に示すようにt10で算出された前回の積分電圧(140ボルト)よりも、t11で算出された積分電圧(120ボルト)が低下して電圧が低下傾向であり、かつ、t11で算出された積分電圧が監視閾値未満であるため、処理終了信号をハイレベル(処理を停止)にして出力する。このため、前述のように、この処理終了信号が入力された処理管理部32は、動作許可信号をローレベル(動作禁止)に、また、マイコン13aをスリープ状態にして制御部13をスリープモードする。そして、異常電圧保護部30は、次に外風が強くなって直流電圧が割込閾値以上になるまでスリープモードを保持する。
以上説明したように、制御部13がスリープモードとなっている場合、異常電圧保護部30は、直流電圧検出部8で検出した直流電圧値が割込閾値以上になった時、制御部13をスリープモードから保護モードへ移行させ、直流電圧値が短絡閾値以上になった時、回生電力をファンモータ10の巻線の両端を短絡させることで消費させる。また、異常電圧保護部30は、直流電圧値が短絡閾値未満で、かつ、直流電圧値が時間の経過と共に低下した時、保護モードからスリープモードに移行させる。このため、外風によるファンモータの回生電力による部品破壊を防止しつつ、待機電力を低減させ、かつ、信頼性の高い空気調和機とすることができる。
本実施例では異常電圧保護部30をハードウェアとして説明しているが、これに限るものでなく、ソフトウェアを用いて実現してもよい。
また、本実施例では処理終了判定部33が処理終了信号を出力する条件として積分電圧が減少傾向で、かつ、監視閾値未満としているがこれに限るものでなく、積分電圧が低下傾向、又は、積分電圧が監視閾値未満となった時に処理終了信号を出力してもよい。
また、本実施例では電力消費手段として電力消費部14を用いているが、これに限るものでなく、インバータ4とモータ5の組み合わせでもよいし、短絡専用の抵抗とこれを直流電圧に接続/開放するスイッチとの組み合わせなど、回生電力による直流電圧を低下させるものであればどの様なものでもよい。
1a 入力端子
1b 入力端子
2 リレー
3 コンバータ(第1電源部)
3a 入力端子
3b 入力端子
3c 出力端子
3d 出力端子
4 インバータ
5 モータ
6 待機時用電源部(第2電源部)
7 降圧型電源回路
8 直流電圧検出部
9 ファンモータ駆動部
10 ファンモータ
11 ダイオード
12 ダイオード
13 制御部
13a マイコン
14 電力消費部(電力消費手段)
20 室外機
30 異常電圧保護部(異常電圧保護手段)
31 外風検出部
32 処理管理部
33 処理終了判定部
34 積分電圧算出部
35 電力消費指示部









Claims (2)

  1. 交流電源に接続され、第1直流電圧を出力する第1電源部と、
    前記直流電圧が入力されるファンモータ駆動部と、
    前記ファンモータ駆動部により駆動されるファンモータと、
    前記第1直流電圧を検出する直流電圧検出部と、
    前記交流電源に接続され、前記第1直流電圧よりも低い第2直流電圧を出力する第2電源部と、
    前記第1直流電圧を用いて空調運転を行う通常モード、又は、前記空調運転が停止した待機状態時に前記第2直流電圧で動作するスリープモード、又は、前記ファンモータが回転することにより発生する回生電力により生成された電圧で動作する保護モードのうち、いずれか1つのモードで動作する制御部と、
    前記回生電力の消費を指示する電力消費指示信号を出力する異常電圧保護手段と、
    前記電力消費指示信号に従って前記回生電力を消費する電力消費手段とを備え、
    前記異常電圧保護手段は、
    前記直流電圧検出部が検出した直流電圧値が入力され、
    前記制御部が前記スリープモードである場合に前記直流電圧値が予め定めた割込閾値以上になった時、前記制御部を前記スリープモードから前記保護モードへ移行させ、
    前記制御部が前記保護モードである場合に前記直流電圧値が、予め定められて前記割込閾値よりも大きい短絡閾値以上になった時、前記電力消費手段へ前記電力消費指示信号を出力することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記異常電圧保護手段は、
    前記直流電圧値が前記短絡閾値未満で、かつ、前記直流電圧値が時間の経過と共に低下した、もしくは、前記直流電圧値が、予め定められて前記割込閾値よりも小さい監視閾値未満となった時、前記保護モードから前記スリープモードに移行させることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。

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